説明

電磁駆動装置、光量調節装置および光学機器

【課題】小型化と低消費電力化を両立させるとともに、被駆動部材の回転力を高めた電磁駆動装置を提供する。
【解決手段】ステータヨーク5,6と、このステータヨークと対向する側と非対向側の着磁面積が異なるように2極に着磁された永久磁石3と、ステータヨークを励磁する電磁コイル7とを有し、永久磁石が、回転可能な被駆動部材2に対しその回転中心から放射方向に離れた位置に一体的に取り付けられており、永久磁石のステータヨークと対向する側の着磁面積の大きい方の一方の着磁部(N極)とステータヨークとの間に生じる磁気的な吸引力、反発力を前記永久磁石に作用させ、永久磁石を一体とする被駆動部材を回転させるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被駆動部材を駆動する電磁駆動装置、該電磁駆動装置を具備する光量調節装置および該光量調節装置を具備するデジタルカメラ等の光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、永久磁石からなるロータマグネットの外周面が2極(N極とS極)に着磁され、被駆動部材の駆動軸と一体形成された回転軸を励磁コイルで発生する起磁力との吸引、反発作用で回転する電磁駆動装置が知られている。また、この種の電磁駆動装置を駆動源として具備し、該電磁駆動装置による回転軸の回転を利用して、例えばレンズシャッター羽根等の開閉を行う、デジタルカメラ等の光学機器に用いられる光量調節装置も提案されている(特許文献1)。
【0003】
上記光量調節装置を必要とする近年のビデオカメラ、スチルカメラなどの製品では、小型、薄型化、消費電力削減の必要性が強く、そのため、必然的に光量調節装置も小型、薄型化、低消費電力化の要望がある。
【0004】
特に小型化に関しては2つの要望があり、1つは、シャッター羽根や絞り等の光量調節部材からCCDなど撮像素子までの距離やオートフォーカス、ズームのための駆動源までの距離が近くなるため、光量調節装置の光軸方向の寸法(高さ)を小さくしたいというものである。もう1つは、光学部材を保持する鏡筒が基本的には光軸を中心とする円形断面を有し、その内部に光量調整装置やオートフォーカス、ズーム等の機構が光学レンズ群との隙間に収容されるため、これらの部材は光軸中心とする極力小さい円筒内に収めたいというものである。
【特許文献1】特開平9−211531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、永久磁石からなるロータマグネットの外周部で発生する起磁力との吸引、反発作用で回転する、上記従来の光量調節装置に具備される電磁駆動装置では、トルク不足となり、小型化、低消費電力化が難しいという問題を有していた。これは、永久磁石からなるロータマグネットの体積(ステータヨークとの対向面積)=発生トルクとなるからであり、必要なトルクを考えると、小型化に限界を生じていた。その結果、小型化と低消費電力化(この種の小型の電磁駆動装置で高トルクを得るには多くの消費電力を必要とする為)を両立させることが困難であった。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、小型化と低消費電力化を両立させるとともに、被駆動部材の回転力を高めることのできる電磁駆動装置、光量調節装置および光学機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ステータヨークと、前記ステータヨークと対向する側と非対向側の着磁面積が異なるように2極に着磁された永久磁石と、前記ステータヨークを励磁する電磁コイルとを有し、前記永久磁石が、回転可能な被駆動部材に対しその回転中心から放射方向に離れた位置に一体的に取り付けられており、前記永久磁石の前記ステータヨークと対向する側の着磁面積の大きい方の一方の着磁部と前記ステータヨークとの間に生じる磁気的な吸引力、反発力を前記永久磁石に作用させ、前記永久磁石を一体とする前記被駆動部材を回転させる電磁駆動装置。
【0008】
同じく上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電磁駆動装置と、光を通過させる開口部を有する基台と、前記電磁駆動装置の永久磁石が一体的に取り付けられる、被駆動部材である光量調整部材とを有し、前記電磁駆動装置により前記光量調節部材を回転させ、前記開口部を開閉することにより、前記開口部の通過光量を調節する光量調節装置とするものである。
【0009】
同じく上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の複数の電磁駆動装置と、最大通過光量を規定する開口部を有する基台と、前記複数の電磁駆動装置それぞれの永久磁石が一体的に取り付けられ、それぞれが異なる径の孔部を有する被駆動部材である複数の光量調整部材とを有し、前記複数の電磁駆動装置のうちの任意の電磁駆動装置により該電磁駆動装置の前記光量調節部材を回転させ、該光量調節部材の孔部を前記開口部に進入させて該開口部の通過光量を調節する光量調節装置とするものである。
【0010】
同じく上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の光量調節装置を具備した光学機器とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型化と低消費電力化を両立させるとともに、被駆動部材の回転力を高めることのできる電磁駆動装置、光量調節装置または光学機器を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態は、以下に記載の実施例1ないし実施例2に示す通りである。
【実施例1】
【0013】
図1ないし図4は本発明の実施例1に係わる図であり、詳しくは、図1は電磁駆動装置を具備した光量調節装置の構成を示す分解斜視図、図2は図1に示した光量調節装置の平面図(羽根ケースを省いている)、図3は図1に示した光量調節装置の断面図である。また、図4は図1に示した電磁駆動装置のステータヨーク、永久磁石の配置の詳細を示す断面図である。
この光量調節装置は、デジタルカメラやコンパクトカメラ等の光学機器に用いられるシャッター装置として構成される。
【0014】
図1ないし図4において、1は通過光束の最大開口径を規定する基材であるところのシャッター地板であり、後述のシャッター羽根2によって開閉される開口部1dおよび該シャッター羽根2の作動範囲を規制するストッパー部1b,1cを有している。2はシャッター地板1に設けられた回転軸1aに回転軸受け孔2aが嵌合して回転(円弧運動:振り子運動)可能に構成されている被駆動部材であるシャッター羽根であり、上記ストッパー部1bと1cにて規制される40°〜50°の範囲で回転して、シャッター地板1の開口部1dを開閉して該開口部1dを通過する光量を調節するものである。
【0015】
3はネオジム系(Nd−Fe−B)又はサマリュウム系のコンプレッション・マグネット又はボンド・マグネット、プラスチック・マグネット等で構成される永久磁石であり、図4に示すように、厚さ方向に2極(N極、S極)に着磁(磁化)され、後述のステータヨーク5,6に対向する側と非対向側の着磁面積、換言すれば着磁面の表面積が異なるようにその厚さ方向の断面形状が非対称に形成されている。詳しくは、後述のステータヨーク5,6に対向する側の一方の着磁面(N極面)の表面積が大きく、非対向側の他方の着磁面(S極面)の表面積が小さくなるような台形状に形成されている。そして、この永久磁石3が、シャッター羽根2に対し回転軸中心より放射方向に所定距離をもった位置(取付孔2bの位置)にインサート成形または接着等により潜り込んで取り付けられる(又は、被駆動部材であるシャッター羽根2の上面に貼り付けて固定することも可能である)。4は羽根ケースであり、シャッター羽根2の走行スペースを確保してシャッター地板1に取り付けられ、シャッター羽根2の所定範囲内での円弧運動を可能にしている。
【0016】
5は軟磁性材料からなるR(右側)ステータヨークであり、シャッター地板1に固定されている。6は同じく軟磁性材料からなるL(左側)ステータヨークであり、ステータヨーク5と所定の空隙をもって対向するようにシャッター地板1に固定されている。このステータヨーク5,6は、永久磁石3の磁化方向(厚み方向)に対し、該ステータヨーク5,6の磁極部5a,6aが励磁された状態で発生する最短磁界方向(図4の破線で示す方向)と直交する方向にオフセットされて配置されている。この際、ステータヨーク5,6と永久磁石3の一方の着磁面(N極面)は例えば0.3mm以上の空隙をもつ位置となっている。
【0017】
別言すれば、永久磁石3は、厚さ方向に2極に着磁された磁化方向とステータヨーク5,6の各磁極部5a,6aから励磁状態で発生する最短磁界方向が直交する方向、かつ、シャッター羽根2に対し回転軸中心より放射方向に所定距離をもった前記最短磁界方向の範囲外に配置されている。さらに、永久磁石3は、ステータヨーク5,6が励磁された際、磁極部5a,6a間に発生する最短磁界方向に対して少なくとも5°以上異なる方向に浮上回転(図4参照)するようにオフセット配置されている。
【0018】
ここで、永久磁石3について詳しく説明する。上記のように永久磁石3の厚み方向(詳しくは、厚み方向と磁極部5a,6a間に発生する最短磁界方向を含む平面)の断面形状を台形にしているため、図4における永久磁石3のS極面側とN極面側の着磁面積(表面積)の比を変更することができる。もし永久磁石3が台形でなく矩形の断面をしていた場合、他方の着磁面側の吸引動作により該永久磁石3のN極、S極の磁界境界点を中心とする回転方向のトルクが増して、軸部の摩擦が増え、シャッター羽根2の回転の妨げになっていた。しかし、上記のように永久磁石3の厚み方向の断面形状を台形にすることにより、上記オフセット配置との相乗効果により、S極面側(他方の着磁面)の吸引動作による磁気的な回転トルクの影響度を低減でき、該永久磁石3のN極面(一方の着磁面)のみで磁気的反発、吸引動作、及び、駆動を行うことができることから、シャッター羽根2の回転力を高めることができる。また、永久磁石3がシャッター羽根2に一体的に構成されているので、磁極部5a,6a間に発生する磁界がダイレクトにシャッター羽根2に作用することになる。これは、従来タイプのように、永久磁石からなるロータマグネットの外周部(N極、S極の両極面)で発生する起磁力との吸引、反発作用で回転し、またロータマグネットの出力軸を介してシャッター羽根等の被駆動部材に円弧運動を与える電磁駆動装置とは異なるものとなる。つまり、小型で低消費電力化を実現した電磁駆動装置となる。
【0019】
7は銅線及びモールドボビンからなる電磁コイルであり、ステータヨーク5,6が該電磁コイル7のボビン内で連結接合されて磁気回路を構成している。
【0020】
本実施例1における電磁駆動装置は、上記の永久磁石3、ステータヨーク5,6および電磁コイル7にて構成され、光量調節装置の一例であるシャッター装置は、前記電磁駆動装置、シャッター地板1、シャッター羽根2および羽根ケース4により構成されている。そして、このシャッター装置が、デジタルカメラ等のレンズ鏡筒の円周壁内やレンズユニットと結合されて配置されることになる。
【0021】
次に、上記のような構成からなる電磁駆動装置およびシャッター装置の作動について以下に説明する。
【0022】
電磁コイル7への通電が行われていないオフ状態では、ステータヨーク5,6は非励磁状態にある。この際、厚さ方向に2極(N極、S極)に着磁されている永久磁石3と、磁化方向が直交する方向に配置されたステータヨーク5,6のうちの一方のステータヨーク6の磁極部6aとが吸引力(ディテント力)により、図2〜図4に示す状態に保持されている。つまり、永久磁石3が上記のように回転可能なシャッター羽根2に一体化されているため、該永久磁石3が吸引力(ディテント力)によりステータヨーク6の磁極部6a側に吸引され、シャッター羽根2はシャッター地板1のストッパー1cに当接した位置で安定停止している。この状態がシャッター羽根2の初期位置である。
【0023】
図4に示すように、ステータヨーク6の磁極部6aがN極に、ステータヨーク5の磁極部5aがS極になるように電磁コイル7に対して通電制御が行われると、ステータヨーク6の磁極部6aのN極と永久磁石3のN極との間に反発力が生じ、またステータヨーク5の磁極部5aのS極と永久磁石3のN極との間には吸引力が生じて、永久磁石3、つまりシャッター羽根2が、図4の状態から時計方向(矢印方向)に約40°〜50°の角度範囲(ストッパー部1c,1bで規制された範囲)で他方のストッパー部1bに当接する位置まで円弧運動、詳しくは浮上回転し、浮上回転後は永久磁石3とステータヨーク5の磁極部5aが発生する励磁で作用する吸引力によりシャッター地板1の開口部1dに密着して停止、保持される。これにより、シャッター羽根2によって開口部1dは開放された状態から遮光された状態となる。
【0024】
その後、電磁コイル7への通電がオフされると、今度は永久磁石3とステータヨーク5の磁極部5aの間での吸引力(ディテント力)により、シャッター羽根2はシャッター地板1のストッパー1bに当接して、この位置で安定停止状態に保持される。
【0025】
次に、図4とは逆に、ステータヨーク6の磁極部6aがS極に、ステータヨーク5の磁極部5aがN極に、それぞれなるように電磁コイル7に通電制御が行われると、ステータヨーク5の磁極部5aと永久磁石3との間に反発力が生じ、またステータヨーク6の磁極部6aと永久磁石3との間には吸引力が生じて、永久磁石3、つまりシャッター羽根2が、反時計方向に約40°〜50°の角度範囲で一方のストッパー部1cに当接する初期位置まで浮上回転し、浮上回転後は永久磁石3とステータヨーク6の磁極部6aが発生する励磁で作用する吸引力によりシャッター地板1の開口部1dから離れて停止、保持される。これにより、シャッター羽根2によって開口部1dは遮光された状態から開放された初期の状態に戻る。
【0026】
上記の実施例1によれば、厚さ方向に2極に着磁され、ステータヨーク5,6と対向する側と非対向側の着磁面の表面積が異なるようにその厚み方向の断面形状が非対称に形成された永久磁石3が、回転可能な被駆動部材であるシャッター羽根2に対しその回転中心より放射方向に離れた位置に一体的に取り付けられており、該永久磁石3のステータヨーク5,6と対向する側の表面積の大きい方の一方の着磁面(N極面)とステータヨーク5,6との間に生じる磁気的な吸引力、反発力を該永久磁石3に作用させ、該永久磁石3が一体化されたシャッター羽根2を所定の位置(開口部1dを開放した初期位置もしくは開口部1dを遮光した位置)に保持もしくはこれらの位置の間において円弧運動させるようにしている。
【0027】
詳しくは、永久磁石3が一体化されたシャッター羽根2を、ステータヨーク5,6の非励磁時には、ステータヨーク5,6と永久磁石3の一方の着磁面との間に生じる吸引力により所定の位置に保持し、ステータヨーク5,6の励磁時には、ステータヨーク5,6の各磁極部5a,6aと永久磁石3の一方の着磁面との間に生じる反発力および吸引力により、開口部1dを開放した初期位置から開口部1dを遮光した位置へ、もしくは開口部1dを遮光した位置から開口部1dを開放した初期位置へ円弧運動させる構成にしている。
【0028】
これにより、永久磁石からなるロータマグネットの体積(ステータヨークとの対向面積)=発生トルクとなる従来の電磁駆動装置と比べ、小型(薄型)化かつ低消費電力化を実現可能となる。
【0029】
また、永久磁石3の形状を、厚さ方向に2極(N極、S極)に着磁(磁化)され、かつ、ステータヨーク5,6と対向する側のN極面の表面積(磁極面積)がS極面の表面積(磁極面積)より大きくなるようにその厚み方向の断面形状としているので、該永久磁石3の他方の着磁面の吸引動作による磁気的な回転トルクの影響度を低減させることができ、シャッター羽根2の回転力を高めることが可能となる。さらに、N極面の表面積(磁極面積)を増やすことが容易であるので、小型で更なる高速化、及びトルクアップも可能であり、シンプルな構造で小型化(薄型化)した電磁駆動装置とすることができる。
【0030】
また、上記構成の電磁駆動装置を被駆動部材の一例であるシャッター羽根3の駆動源として用いたシャッター装置(光量調節装置)、さらにはこのシャッター装置を具備したデジタルカメラ等の光学機器とすることにより、シャッター装置の光軸方向の寸法(高さ)を小さくすることができ、また、該シャッター装置を光軸中心とする極力小さいレンズ鏡筒等の円筒内に収めることが可能となり、これらシャッター装置やデジタルカメラ等の小型化、低消費電力化を実現可能となる。
【実施例2】
【0031】
次に、本発明の実施例2に係る光量調節装置について説明する。上記実施例1では、シャッター羽根2に一体的に配置された永久磁石3は、その厚さ方向に2極に着磁され、ステータヨーク5,6と対向する側の着磁面積(もしくは着磁面の表面積)が非対向側の着磁面積(もしくは着磁面の表面積)が大きくなるようにその厚み方向の断面形状が非対称に形成された台形形状をしていた。これに対し、本実施例2における永久磁石30は、図5に示すように、放射方向(該永久磁石30が一体化される被駆動部材であるシャッター羽根2の回転中心からみて放射方向)に2極に着磁され、ステータヨーク5,6と対向する側の着磁面積が非対向側の着磁面積(着磁面の表面積)が大きくなるような扇形形状をしている。そして、シャッター羽根2の回転軸受け孔2aから放射方向に所定距離をおいた位置に一体的に配置されている。
【0032】
上記永久磁石30を具備する電磁駆動装置において、電磁コイル7に通電制御を行う(通電オン、オフにする)と、ステータヨーク5,6の磁極部5a,6aとの間で発生する磁界が、永久磁石30の一方の着磁面に対して反発および吸引する力として放射方向に作用し、永久磁石30、つまりはシャッター羽根2が、開口部1d(不図示)を開放した初期位置から開口部1dを遮光した位置へ、もしくは開口部1dを遮光した位置から開口部1dを開放した初期位置へ円弧運動をすることになる。
【0033】
つまり、本実施例2における永久磁石30は、上記実施例1と同様、円弧運動可能な被駆動部材であるシャッター羽根2の回転中心より所定距離をもって該シャッター羽根2に一体的に取り付けられるとともに、ステータヨーク5,6が励磁された際に各磁極部5a,6b間に発生する磁界が、S極とN極に着磁されたうちの一方の着磁部(図5ではN極)にのみ作用するように配置されていることになる。
【0034】
これにより、上記実施例1と同様の効果を得ることが可能となる。
【0035】
なお、上記各実施例では、被駆動部材としてシャッター羽根2を想定しているが、これに限定されるものではなく、絞り羽根や、減光部材(ND(Neutral Density Filter)フィルター)であっても良い。
【0036】
上記被駆動部材を絞り羽根とした場合の光量調節装置の構成としては、小型(薄型)の上記電磁駆動装置をシャッター地板1に複数セットするとともに、異なる径の孔部を有する複数の絞り羽根を備え、開口部1dに対して任意の電磁駆動装置を駆動して対応する絞り羽根を該開口部1d内に進入させ、所望の光量を得ることができる、つまり2段以上の絞り切換え機構を備えた装置とすることが考えられる。
【0037】
また、上記各実施例では、例えばデジタルカメラのシャッター羽根、絞り等の開閉駆動制御を想定し、電磁コイル7への正、逆電流の通電制御でその開閉駆動制御を行う例を示していたが、例えばコンパクトカメラの絞り兼用シャッターの開閉駆動制御に適用する場合は、電磁コイル7への供給電流のオン、オフによる通電時間およびタイミングで絞り兼用シャッターの開閉駆動制御を行うことになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1に係わる電磁駆動装置を具備した光量調節装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した光量調節装置の平面図である。
【図3】図1に示した光量調節装置の断面図である。
【図4】図1に示した電磁駆動装置のステータヨーク、永久磁石の配置の詳細を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例2に係わる電磁駆動装置を具備した光量調節装置の構成の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シャッター地板(基台)
1a 羽根軸
1b,1c ストッパー部
1d 開口部
2 シャッター羽根(被駆動部材、光量調節部材)
2a 回転軸受け孔
3,30 永久磁石
4 羽根カバー
5 ステータヨーク
6 ステータヨーク
7 電磁コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータヨークと、
前記ステータヨークと対向する側と非対向側の着磁面積が異なるように2極に着磁された永久磁石と、
前記ステータヨークを励磁する電磁コイルと、
を有し、
前記永久磁石が、回転可能な被駆動部材に対しその回転中心から放射方向に離れた位置に一体的に取り付けられており、
前記永久磁石の前記ステータヨークと対向する側の着磁面積の大きい方の一方の着磁部と前記ステータヨークとの間に生じる磁気的な吸引力、反発力を前記永久磁石に作用させ、前記永久磁石を一体とする前記被駆動部材を回転させることを特徴とする電磁駆動装置。
【請求項2】
前記ステータヨークの非励磁時には、該ステータヨークと前記永久磁石の一方の着磁部との間に生じる吸引力により前記被駆動部材が一方もしくは他方の位置に保持されており、
前記ステータヨークの励磁時には、該ステータヨークと前記永久磁石の一方の着磁部との間に生じる反発力が前記永久磁石に作用し、前記被駆動部材が前記一方から他方の位置へ、もしくは前記他方から一方の位置へ回転することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電磁駆動装置と、
光を通過させる開口部を有する基台と、
前記電磁駆動装置の永久磁石が一体的に取り付けられる、被駆動部材である光量調節部材と、
を有し、
前記電磁駆動装置により前記光量調節部材を回転させ、前記開口部を開閉することにより、前記開口部の通過光量を調節することを特徴とする光量調節装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の複数の電磁駆動装置と、
最大通過光量を規定する開口部を有する基台と、
前記複数の電磁駆動装置それぞれの永久磁石が一体的に取り付けられ、それぞれが異なる径の孔部を有する被駆動部材である複数の光量調整部材と、
を有し、
前記複数の電磁駆動装置のうちの任意の電磁駆動装置により該電磁駆動装置の前記光量調節部材を回転させ、該光量調節部材の孔部を前記開口部に進入させて該開口部の通過光量を調節することを特徴とする光量調節装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の光量調節装置を具備したことを特徴とする光学機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate