説明

電線切断装置

【課題】切断時における電線の昇降を規制して当該電線の切断面が傾斜することを防止すると共に、切断時における切断刃にかかる負荷を軽減し、且つ、確実に電線を切断することができる電線切断装置を提供する。
【解決手段】電線切断装置1は、電線41が載置される電線載置部8と、前記電線載置部8に載置された前記電線41を切断する切断刃16と、前記切断刃16を昇降させる昇降装置12と、を備えており、前記切断刃16は、刃先18が前記電線41の長手方向に対して直交する方向に設けられていると共に、前記刃先18が前記切断刃16の昇降方向に対して傾斜する方向に設けられ、前記電線載置部8には、前記刃先18の傾斜に沿って形成され且つ当該刃先18が挿入される凹溝部22が設けられ、且つ、前記電線載置部8の前記電線41の長手方向の両端側には、前記電線41が前記切断刃16の昇降方向に変位するのを規制する電線規制部6がそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断時における電線の昇降を規制して当該電線の切断面が傾斜することを防止すると共に、切断時における切断刃にかかる負荷を軽減し、且つ、確実に電線を切断することができる電線切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や装置等に搭載された種々の電子機器や電装品に電力や信号等を伝える配線として、複数本の電線が編組で被覆され且つ当該編組がシースで被覆されたシールド電線、複数本の平行する芯線が絶縁性樹脂で被覆された平形電線などの多芯電線が使用されている。多芯電線は、自動車や装置等に当該多芯電線を配索した際の所要の経路の長さに応じて適宜切断されている。
【0003】
前述した多芯電線は、同一径の芯線を備えた単芯電線よりも太径となり、手動工具などで切断することが容易ではないため、電線切断装置によって切断される(例えば、特許文献1など参照。)。特許文献1などに示された電線切断装置は、多芯電線が載置される載置台と、前記載置台に載置された前記多芯電線を切断する切断刃と、前記切断刃を昇降する昇降装置とを備えており、前記載置台上に載置した多芯電線を所望の位置で切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−31097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1などに示された従来の電線切断装置は、多芯電線の長手方向において、切断刃が降下する方向と同方向に前記多芯電線を押さえないため、前記切断刃が前記多芯電線を切断する際に当該切断刃の降下に伴って、載置台上に載置された当該多芯電線が浮き上がる。このため、多芯電線の切断面が傾斜するという問題があった。
【0006】
また、載置台の一端から突き出た多芯電線を切断するため、切断刃が前記多芯電線を切断する際に当該切断刃の降下に伴って、前記載置台の一端から突き出た前記多芯電線の切断箇所が降下する。このため、多芯電線の切断面が傾斜するという問題があった。
【0007】
また、多芯電線が平形電線などのように断面円形状ではない場合に、切断刃の刃先と前記平形電線との接触幅が広くなるため、前記切断刃が降下する際の荷重を大きくしなければならない。このため、切断刃にかかる負荷が高くなるという問題があった。
【0008】
また、載置台の一端から突き出た多芯電線を切断するため、切断刃の降下に伴って前記多芯電線の切断箇所が降下する。このため、被覆部が切断されない虞があり、多芯電線が切断されない虞があるという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、切断時における電線の昇降を規制して当該電線の切断面が傾斜することを防止すると共に、切断時に切断刃にかかる負荷を軽減し、且つ、確実に電線を切断することができる電線切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、電線が載置される電線載置部と、前記電線載置部に載置された前記電線を切断する切断刃と、前記切断刃を昇降させる昇降装置と、を備えた電線切断装置において、前記切断刃は、刃先が前記電線の長手方向に対して直交する方向に設けられていると共に、前記刃先が前記切断刃の昇降方向に対して傾斜する方向に設けられ、前記電線載置部には、前記刃先の傾斜に沿って形成され且つ当該刃先が挿入される凹溝部が設けられ、且つ、前記電線載置部の前記電線の長手方向の両端側には、前記電線が前記切断刃の昇降方向に変位するのを規制する電線規制部がそれぞれ設けられていることを特徴とする電線切断装置である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、前記昇降装置が、圧縮空気で駆動される空圧作動装置とされていることを特徴とする請求項1に記載の電線切断装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載された発明によれば、電線切断装置は、切断刃の刃先が切断刃の昇降方向に対して傾斜する方向に設けられているため、非円形断面電線を切断する際に当該電線に接触する刃先の幅が狭くなる。このため、切断刃を降下させて切断する際の荷重を軽くすることができ、電線を切断する際に切断刃にかかる負荷を軽減することができる。
【0013】
また、電線載置部には、刃先が挿入される凹溝部が設けられているため、電線の切断箇所を載置台上とすることができると共に、前記載置台に載置される電線よりも下方に切断刃の刃先を降下することができる。このため、電線の被覆部を確実に切断することができ、電線を確実に切断することができる。
【0014】
また、電線載置部の電線の長手方向の両端側には、前記電線が切断刃の昇降方向に変位するのを規制する電線規制部がそれぞれ設けられているため、載置台に載置された電線が切断される際に、前記電線が前記切断刃の昇降方向に浮き沈みすることが防止される。このため、電線の切断面が傾斜することを防止できる。
【0015】
請求項2に記載された発明によれば、電線切断装置は、昇降装置が空圧作動装置とされているため、動力源が圧縮空気となる。このため、安価なエアコンプレッサ等で容易に圧縮空気を電線切断装置に供給することができるため、設備を安価とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電線切断装置の斜視図である。
【図2】図1に示す電線切断装置の内部構成を説明する説明図である。
【図3】切断刃を示す図である。(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【図4】凹溝部が設けられた刃受け部を示す図である。(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【図5】電線載置部8を示す図である。(A)は側面図、(B)は正面および背面を示す図である。
【図6】切断刃と電線との寸法を示す図である。
【図7】電線切断装置によって電線を切断する方法を説明する説明図である。
【図8】切断刃によって電線が切断される状態の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
本発明の一実施形態にかかる電線切断装置1は、図1および図2に示すように、卓上等に据え付けられる据付台2と、前記据付台2から立設された支持板3と、前記支持板3に固定された支持部5と、前記支持部5と前記据付台2とに固定された電線載置部8と、前記電線載置部8の両側に設けられ且つ前記支持板3から立設された電線規制部としての電線規制板6と、前記支持板3の上端側に設けられ且つ当該支持板3に固定された昇降装置としてのエアシリンダ12と、前記エアシリンダ12の下方に設けられ且つ当該エアシリンダ12によって昇降駆動されるシリンダロッド14と、前記シリンダロッド14の先端に設けられ且つ電線(図6に示す)41を切断する切断刃16と、を備えている。
【0018】
据付台2は、厚肉の板状に形成されている。据付台2は、当該据付台2から立設された前記支持板3と、前記支持板3に固定された前記支持部5と、前記支持板3から立設された電線規制板6と、を固定している。据付台2には、当該据付台2を図示しない卓上などに据え付けるためのボルト孔2aと、前記支持板3と前記支持部5と前記電線規制板6とを取り付けるためのボルト孔(不図示)と、が設けられている。
【0019】
支持板3は、長尺の板状に形成されている。支持板3は、前記支持部5と、前記電線規制板6と、前記エアシリンダ12と、を固定している。支持板3には、前記支持部5と前記電線規制板6と前記エアシリンダ12とを取り付けるためのボルト孔が設けられている。
【0020】
支持部5は、四角柱形状に形成されている。支持部5は、前記支持板3の長手方向の略中間部の長さに形成されている。支持部5には、両側面に前記電線規制板6を取り付けるためのボルト孔5aが設けられている。このため、前記電線規制板6の強度と前記支持板3の強度とが向上する。
【0021】
電線載置部8は、図2に示すように、前記電線41が切断された際に前記切断刃16と当接する刃受け部9を備えている。電線載置部8は、図5に示すように、四角柱形状に形成されている。電線載置部8には、前記刃受け部9を収容する収容部28と、前記収容部28に収容された前記刃受け部9を固定するボルト等が取り付けられる取付孔29と、前記電線41が載置される電線載置面8aと、が設けられている。
【0022】
収容部28は、溝状に形成されており、前記刃受け部9の外形に沿って形成されると共に当該刃受け部9の上端部と前記電線載置面8aとが同一平面上となる深さに形成されている。
【0023】
電線載置面8aは、前記切断刃16が昇降する方向に対して直交する方向の平面に形成されている。電線載置面8aは、当該載置面8aに載置された前記電線41の滑り止めとして、サンドブラスト加工等によって表面が梨地仕上げされている。
【0024】
刃受け部9は、図4に示すように、前記切断刃16の刃先(図3に示す)18の傾斜に沿って形成された傾斜面21と、前記刃先18が挿入される凹溝部22と、前記電線載置部8の前記収容部28に収容されてボルト等が取り付けられる取付孔26と、が設けられている。刃受け部9は、ボルト等で前記電線載置部8に取り付けられるため、前記切断刃16に応じて交換することができる。
【0025】
傾斜面21は、前記刃受け部9の上面とされている。傾斜面21は、前記電線41の長手方向に対して直交する方向に傾斜する傾斜角Pで形成されている。傾斜角Pは、本実施形態においては、20度に形成されている。なお、傾斜角Pは、切断対象とされる電線41の形状や線径、材質等によって適宜変更して良い。
【0026】
凹溝部22は、前記傾斜面21の長手方向の全長に亘って設けられている。凹溝部22は、前記切断刃16の刃先18が挿入される深さに形成されていると共に当該刃先18の厚さよりも僅かに幅広に形成されている。このため、前記電線載置部8に前記電線41を載置した状態で、当該電線41よりも下方に前記刃先18を降下することができる。従って、前記電線41を確実に切断することができる。
【0027】
電線規制板6は、図1および図2に示すように、板状に形成され、前記電線載置部8の前記電線41の長手方向の両側面に設けられると共に、前記据付台2と前記支持板3と前記支持部5とに固定されている。電線規制板6には、前記電線41を狭持して、当該電線41の変位を規制するスリット部6aが設けられている。電線規制板6には、前記支持部5のボルト孔5aに連通するボルト孔と、前記据付台2と前記支持板3とにそれぞれ固定するボルトが取り付けられるボルト孔と、が設けられている。電線規制板6は、ボルト等で固定されているため、前記スリット部6aの幅が前記電線41の線径に対応する電線規制板6に交換することができる。
【0028】
スリット部6aは、前記切断刃16の昇降方向と前記電線41の長手方向とにそれぞれ直交する方向に設けられている。スリット部6aは、前記電線41の線径よりも僅かに幅広に形成されている。なお、スリット部6aに、当該スリット部6aの幅を調節する調節手段を設けても良い。調節手段を設けることによって、種々の線径の電線41に迅速に対応することができる。調節手段としては、調整ネジや調整ボルト等、公知の調整手段を用いることができる。
【0029】
エアシリンダ12は、図1に示すように、空気圧によって駆動され且つ昇降可能に設けられたシリンダロッド14と、前記シリンダロッド14を引き戻すリターンスプリングと、図示しないエアコンプレッサ等で圧縮された動力源としての圧縮空気が供給される供給口12aと、空気を排気する排気口12bと、を備えた単動型かつ片ロッドのエアシリンダとされている。なお、図示したエアシリンダ12は片ロッド型であるが、両ロッド型であっても良く、他の空圧作動装置であっても良い。
【0030】
シリンダロッド14は、前記シリンダロッド14の先端に設けられ且つ前記切断刃16を固定する固定部15を備えている。
【0031】
固定部15は、図2に示すように、前記シリンダヘッド14の先端に設けられ、直方体形状に形成されていると共に、前記電線規制板6同士の間を摺動可能に形成されている。固定部15には、前記シリンダロッド14の押出を停止させるストッパ17と、前記電線41を切断する切断刃16と、が設けられている。固定部15は、前記電線規制板6同士の間を摺動可能に形成されているため、前記シリンダロッド14が回転するのを防止する。固定部15は、ボルト等の締結手段によって前記シリンダロッド14に固定されている。
【0032】
ストッパ17は、前記固定部15から前記シリンダロッド14の長手方向に延長して形成されると共に、前記切断刃16が前記刃受け部9の凹溝部22に挿入されたときに、前記据付台2に設けられた当接部材10の弾性体10aと当接して前記シリンダロッド14を停止させる長さに形成されている。ストッパ17は、ボルト等の締結手段によって前記固定部15に固定されている。
【0033】
切断刃16は、図3に示すように、先端に設けられ且つ前記切断刃16の全幅に設けられた刃先18を備えている。切断刃16は、図2に示すように、前記刃先18が前記電線41の長手方向に対して直交する方向に設けられている。切断刃16は、耐摩耗性に優れた合金工具鋼鋼材などからなる。
【0034】
刃先18は、図3に示すように、前記電線41の長手方向に直交し且つ前記シリンダロッド14の昇降方向に直交する方向に対して、傾斜して形成されている。刃先18の傾斜角Pは、本実施形態では20度とされている。なお、刃先18の傾斜角Pは、切断対象の電線41の線径や形状、材質等によって適宜変更しても良い。刃先18の深さKは、図6に示すように、電線41の線径Dよりも大きく形成されている。このため、電線41が研磨された刃先18で切断されるようになり、切断面が平滑となる。
【0035】
上述の如く構成された電線切断装置1に切断される電線41は、一本の導線からなる芯線を備えた電線、複数本の導線からなる芯線を備えた電線、周囲を編組やシールド材などで被覆されたシールド電線、および、複数本の平行する芯線を備えた平形電線などが用いられる。一本の導線からなる芯線を備えた電線の場合には、前記一本の芯線が太径のものとされる。複数本の導線からなる芯線を備えた電線の場合には、前記複数本の導線が撚られて形成されたものとされる。シールド電線の場合には、一本あるいは複数本の導線からなる芯線を備えた電線が編組やシールド材(銅箔、アルミ箔など)で被覆されたものとされる。平形電線の場合には、一本あるいは複数本の導線からなる芯線を備えた複数本の電線が互いに平行して形成されたものとされる。なお、電線41は、太径電線、細径電線、断面円形電線、断面非円形電線など、種々の電線を用いることができる。
【0036】
図示例では、一例として、電線41は、図8に示すように、平行する複数本(図示例では、2本)の導電性の芯線41aと、前記複数本の芯線41aを被覆する絶縁性の被覆部41bと、を備えている。芯線41aは、複数本の導線が撚られて形成されている。導線は、銅やアルミニウム、銅合金やアルミニウム合金等の導電性の金属からなる。被覆部41bは、ポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂などからなり、前記芯線41aの外周面に設けられ且つ当該芯線41aを被覆している。各芯線41aを被覆する被覆部41bは、連結部41cを介して連結されている。なお、芯線41aは、一本の導線から構成されても良い。
【0037】
以下、上述の如く構成された電線切断装置1によって前述した電線41を切断する方法について説明する。
【0038】
電線切断装置1は、附帯設備として、図示しないエアコンプレッサと、電線41の線長を計測すると共に予め設定した所望の線長となるように前記電線切断装置1に供給する検尺装置と、を併設する。検尺装置には、電線切断装置1を作動させるスイッチが設けられる。なお、検尺装置を使用せずに、検尺を行う場所に前記スイッチを設けても良い。
【0039】
先ず、切断対象の電線41を検尺装置に配置し、予め設定された所望の線長を計測する。続いて、電線41が前記予め設定された所望の線長で切断されるように、当該電線41を電線切断装置1に供給する。このとき、電線41が電線切断装置1の電線載置部8の両端側に設けられた電線規制板6のスリット部6aを挿通すると共に、電線41が前記電線載置部8に載置される。
【0040】
続いて、検尺装置のスイッチを操作して電線切断装置1のエアシリンダ12を作動させて電線41を切断する。このとき、切断刃16は、図8に示すように、一方の芯線41aと他方の芯線41aとを順次切断した後、刃受け部9の凹溝部22内に挿入し、ストッパ17が当接部材10に当接して降下が停止する。次いで、切断刃16は、前記当接部材10の当接センサの信号によってエアシリンダ12に供給される圧縮空気の供給管の電磁弁が閉止され、前記エアシリンダ12内のリターンスプリングの復元力によって上昇する。
【0041】
続いて、所望の長さに切断された電線41は、移送装置等によって電線検査工程などの後工程に移送される。そして、上述した操作を繰り返し行って、所望の線長の電線41を製造する。
【0042】
本実施形態によれば、電線切断装置1は、電線41が載置される電線載置部8と、前記電線載置部8に載置された前記電線41を切断する切断刃16と、前記切断刃16を昇降させる昇降装置12と、を備え、前記切断刃16は、刃先18が前記電線41の長手方向に対して直交する方向に設けられていると共に、前記刃先18が前記切断刃16の昇降方向に対して傾斜する方向に設けられ、前記電線載置部8には、前記刃先18の傾斜に沿って形成され且つ当該刃先18が挿入される凹溝部22が設けられ、且つ、前記電線載置部8の前記電線41の長手方向の両端側には、前記電線41が前記切断刃16の昇降方向に変位するのを規制する電線規制板6がそれぞれ設けられている。
【0043】
このため、電線切断装置1は、切断刃16の刃先18が切断刃の昇降方向に対して傾斜するので、平形電線のような非円形断面を有する電線41を切断する際に当該電線41に接触する刃先18の幅が狭くなる。従って、切断刃16を降下させて切断する際の荷重を軽くすることができ、電線41を切断する際に切断刃16にかかる負荷を軽減することができる。
【0044】
また、電線載置部8には、刃先18が挿入される凹溝部22が設けられているため、電線41の切断箇所を電線載置台8上とすることができると共に、前記電線載置台8に載置される電線41よりも下方に切断刃16の刃先18を降下することができる。このため、電線41の被覆部41bを確実に切断することができ、電線41を確実に切断することができる。
【0045】
また、電線載置部8の電線41の長手方向の両端側には、前記電線41が切断刃16の昇降方向に変位するのを規制する電線規制板6がそれぞれ設けられているため、電線載置台8に載置された電線41が切断される際に、前記電線41が前記切断刃16の昇降方向に昇降することが防止される。このため、電線41の切断面が傾斜することを防止できる。
【0046】
また、前記昇降装置が、圧縮空気で駆動される空圧作動装置としてのエアシリンダ12とされているため、安価なエアコンプレッサ等で容易に圧縮空気を電線切断装置1に供給することができる。従って、設備を安価とすることができる。
【0047】
また、スイッチによって遠隔操作で電線41を切断できるため、線長の計測工程と切断工程とを同じ場所で行えるようになる。従って、工程数と、作業員の作業量とを軽減することができる。
【0048】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 電線切断装置
6 電線規制板(電線規制部)
6a スリット部
8 電線載置部
9 刃受け部
12 エアシリンダ(昇降装置)
16 切断刃
18 刃先
22 凹溝部
41 電線
P 傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が載置される電線載置部と、前記電線載置部に載置された前記電線を切断する切断刃と、前記切断刃を昇降させる昇降装置と、を備えた電線切断装置において、
前記切断刃は、刃先が前記電線の長手方向に対して直交する方向に設けられていると共に、前記刃先が前記切断刃の昇降方向に対して傾斜する方向に設けられ、
前記電線載置部には、前記刃先の傾斜に沿って形成され且つ当該刃先が挿入される凹溝部が設けられ、且つ、
前記電線載置部の前記電線の長手方向の両端側には、前記電線が前記切断刃の昇降方向に変位するのを規制する電線規制部がそれぞれ設けられていることを特徴とする電線切断装置。
【請求項2】
前記昇降装置が、圧縮空気で駆動される空圧作動装置とされていることを特徴とする請求項1に記載の電線切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−223040(P2012−223040A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88983(P2011−88983)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】