説明

電話装置および電話制御方法

【課題】数字以外のダイヤルをPB信号により自動送出できない電話端末でも、実際のPB信号の送出完了を直ちに判定する。
【解決手段】利用者電話端末30からPB信号を受信中に、信号計時部14Cで、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時し、信号休止時間が一定であるか否かに応じて、自動送出判定部14Dで、PB信号が自動送出されているか手動送出されているかを判定し、PB信号が手動送出されていると判定した場合、送出完了判定部14Eで、PB信号のうち信号休止時間が手動待機時間を越えた時点で、PB信号の送出が完了したと判定し、PB信号が自動送出されていると判定した場合、送出完了判定部14Eで、PB信号のうち信号休止時間が手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末30でのPB信号の送出が完了したと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話制御技術に関し、特に利用者電話端末から通話路を介して送出されたPB信号を検出し、当該PB信号で通知された番号に応じた処理を実行する電話制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電話制御装置(主装置)に内線収容した電話機を電話回線に対して交換接続する電話システムやPBXシステム、留守番電話装置、ファクシミリ通信装置など、電話回線に接続される各種の電話装置では、相手電話端末通話路を介して当該利用者電話端末から間隔をあけて送出された一連のPB信号(DTMF:Dual-Tone Multi-Frequency)を検出し、当該PB信号で通知された一連の番号に応じた処理を自動実行する機能、いわゆるオートアテンダントやIVR(Interactive Voice Response)と呼ばれる自動実行制御機能を有するものがある。
【0003】
例えば、電話システムでは、このような自動実行制御機能を利用した自動交換サービスが提供されている。この自動交換サービスでは、予め設定されている自動応答用の電話番号に対して、利用者が外出先からスマートフォンや携帯電話機などの利用者電話端末から着信があった場合、電話システムの電話制御装置により、当該着信に自動応答して利用者電話端末と通話路を形成した後、当該利用者電話端末から通話路を介して送出されたPB信号を検出し、当該PB信号で通知された内線番号に応じた内線電話端末を呼び出すものとなっている(例えば、特許文献1など参照)。
【0004】
このような自動実行制御機能を利用する場合、電話システムの自動実行制御機能を利用する際に発信に用いる自動応答用の第1の電話番号と、PB信号で送出する第2の電話番号とを、利用者電話端末から利用者が操作入力して、送出する必要がある。しかしながら、第1の電話番号に第2の電話番号を加えると、全体の電話番号の桁数が大幅に増加するため、利用者の操作負担が増大し、また入力誤りも増えることになる。特に、自動交換サービスで内線電話端末ではなく電話システム外部の電話端末を呼び出す場合、第2の電話番号として、内線番号より桁数の多い外線電話番号を送出する必要がある。
【0005】
このため、特許文献1の技術では、利用者電話端末に一般的に搭載されている電話帳や短縮ダイヤルなどの番号登録機能により、これら第1および第2の電話番号を登録して利用することが提案されている。図8は、電話番号の登録例である。
ここでは、第1の電話番号と第2の電話番号とを自動応答確認記号である「*」で区切って、1つの電話番号として登録しておき、利用者電話端末の番号登録機能で当該電話番号が選択操作された場合、「*」までの第1の電話番号を含む呼制御メッセージを用いて、電話システムへ発信し、電話システムでの自動応答に応じて、「*」より後の第2の電話番号をPB信号で通話路を介して自動送出している。これにより、番号登録機能で任意の電話番号を選択操作するという極めて簡素な操作で、自動実行制御機能を利用することが可能となる。
【0006】
この場合、電話システムの電話制御装置では、利用者電話端末から送出されたPB信号の送出完了に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理を開始する必要がある。このため、特許文献1の技術では、PB信号の検出終了から一定時間、例えば利用者が手動で入力した際に生じる操作間隔の許容値を示す手動待機時間だけ待機して、後続のPB信号が検出されないことを確認することにより、PB信号の送出完了を判定している。したがって、実際のPB信号送出完了から一定時間待機した後、当該PB信号で通知された番号に応じた処理が開始されるため、電話システムの自動実行制御機能として、良好な応答性が得られないという問題点があった。
【0007】
一方、第1の電話番号と第2の電話番号とを数字以外のダイヤル、例えば「*」で区切って、1つの電話番号として登録するとともに、第2の電話番号の最後に、電話番号の末尾を示す「♯」を登録しておく技術が提案されている(例えば、特許文献2など参照)。図9は、電話番号の他の登録例である。
これにより、利用者電話端末からは、第2の電話番号の後に数字以外のダイヤル、例えば「♯」がPB信号で自動送出されるため、電話システムの電話制御装置では、この「#」を検出した時点で、PB信号の送出完了を判定することができる。このため、特許文献1の技術のように、一定時間待機する必要がなくなり、当該PB信号で通知された番号に応じた処理を直ちに実行することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−054000号公報
【特許文献2】特開2002−354548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような特許文献2の技術では、電話システムの電話制御装置において、利用者電話端末からPB信号で自動送出された数字以外のダイヤルに基づき電話番号の送出完了を判定している。このため、利用者電話端末のうち、数字以外のダイヤルを含む電話番号を番号登録機能で登録することができない電話端末や、登録できても実際のPB信号として送出できない電話端末については、電話システムの電話制御装置において、数字以外のダイヤルに基づき電話番号の送出完了を判定することができない。
したがって、特許文献2の技術によれば、数字以外のダイヤルをPB信号により自動送出できない利用者電話端末については、自動実行制御機能として良好な応答性が得られないという問題点があった。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、数字以外のダイヤルをPB信号により自動送出できない電話端末でも、実際のPB信号の送出完了を直ちに判定できる電話制御技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話装置は、電話網を介して利用者電話端末と接続されて、当該利用者電話端末との通話路を介して当該利用者電話端末から間隔をあけて送出された一連のPB信号を検出し、これらPB信号で通知された一連の番号に応じた処理を自動実行する電話装置であって、利用者電話端末から通話路を介してPB信号を受信中に、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時する信号計時部と、信号計時部で計時された信号休止時間が一定であるか否かに応じて、PB信号が利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定する自動送出判定部と、自動送出判定部でPB信号が手動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時部で計時された信号休止時間が、ダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔の許容値を示す手動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末でのPB信号の送出が完了したと判定し、自動送出判定部でPB信号が自動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時部で計時された信号休止時間が、手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末でのPB信号の送出が完了したと判定する送出完了判定部と、送出停止判定部でのPB信号の送出停止判定に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理の実行を開始する自動実行制御部とを備えている。
【0012】
この際、自動送出判定部で、PB信号のうち、少なくとも2つのPB信号に関する信号休止時間が一定である否かに応じて、PB信号が利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定するようにしてもよい。
【0013】
また、自動送出判定部で、PB信号のうち、最初に受信したPB信号と2番目に受信したPB信号とに関する信号休止時間が一定である否かに応じて、PB信号が利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定するようにしてもよい。
【0014】
また、信号計時部で、PB信号を受信中に、信号休止時間に加えて当該PB信号の送出周期を順次計時し、自動送出判定部で、信号休止時間に代えて、送出周期が一定であるか否かに応じて、PB信号が利用者電話端末から自動送出されているか否かを判定するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明にかかる電話制御方法は、電話網を介して利用者電話端末と接続されて、当該利用者電話端末との通話路を介して当該利用者電話端末から間隔をあけて送出された一連のPB信号を検出し、これらPB信号で通知された番号に応じた処理を自動実行する電話装置で用いられる電話制御方法であって、信号計時部が、利用者電話端末から通話路を介してPB信号を受信中に、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時する信号計時ステップと、自動送出判定部が、信号計時ステップで計時された信号休止時間が一定であるか否かに応じて、PB信号が利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定する自動送出判定ステップと、送出完了判定部が、自動送出判定ステップでPB信号が手動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時ステップで計時された信号休止時間が、ダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔を示す手動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末でのPB信号の送出が完了したと判定し、自動送出判定ステップでPB信号が自動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時ステップで計時された信号休止時間が、手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末でのPB信号の送出が完了したと判定する送出完了判定ステップと、自動実行制御部が、送出停止判定ステップでのPB信号の送出停止判定に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理の実行を開始する自動実行制御ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、数字以外のダイヤルを示すPB信号を用いることなく、PB信号の受信中に、PB信号が利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかが判定することができる。このため、PB信号が自動送出されている場合には、その後のPB信号の信号休止時間と比較する待機時間として、手動待機時間より大幅に短い自動待機時間を使用することができ、PB信号が自動送出されている場合には、実際のPB信号の送出完了から極めて短い時間で、直ちに判定できる。
したがって、数字以外のダイヤルをPB信号により自動送出できない利用者電話端末についても、自動実行制御機能として極めて良好な応答性を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施の形態にかかる電話装置の構成を示すブロック図である。
【図2】判定データを示す構成例である。
【図3】電話装置の自動実行制御処理を示すフローチャートである。
【図4】電話装置の自動実行制御動作(自動送出時)を示すシーケンス図である。
【図5】PB信号の信号波形図(自動送出時)である。
【図6】電話装置の自動実行制御動作(手動送出時)を示すシーケンス図である。
【図7】PB信号の信号波形図(手動送出時)である。
【図8】電話番号の登録例である。
【図9】電話番号の他の登録例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる電話装置10について説明する。図1は、一実施の形態にかかる電話装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
この電話装置10は、ボタン電話システムやPBXシステムなどの電話システム1で用いられる電話制御装置や構内交換機からなり、内線回線L2を介して内線収容した内線電話端末20を、電話網40からの通信回線L1に対して交換接続する機能を有している。
【0020】
利用者電話端末30は、スマートホンや携帯電話機など、番号登録機能およびPB信号送出機能を有する一般的な電話端末である。番号登録機能は、相手先の電話番号を複数登録しておき、これら電話番号のうちから任意の電話番号を選択することにより、当該電話番号を自動送信する、いわゆる電話帳や短縮ダイヤルなどの機能である。PB信号送出機能は、電話番号を送出する際、PB信号により通話路へ送出する機能である。
【0021】
本実施の形態は、電話装置10において、利用者電話端末30から通話路を介してPB信号を受信中に、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時し、信号休止時間が一定であるか否かに応じて、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかを判定し、PB信号が手動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時部で計時された信号休止時間が、ダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔の許容値を示す手動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末でのPB信号の送出が完了したと判定し、PB信号が自動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時部で計時された信号休止時間が、手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末でのPB信号の送出が完了したと判定するようにしたものである。
【0022】
[電話装置の構成]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる電話装置10の構成について詳細に説明する。
電話装置10には、主な機能部として、網I/F部11、内線I/F部12、記憶部13、および電話制御部14が設けられている。
【0023】
網I/F部11は、専用の通信回路を有し、電話網40からの通信回線L1を介して、電話網40や利用者電話端末30との間で、各種呼制御メッセージや音声通話のための音声データをやり取りする機能を有している。本実施の形態では、電話網40がIP電話網や携帯電話網などのデータ通信網からなる場合を例として説明する。なお、電話網40がPSTNからなる場合、網I/F部11において、電話網40や利用者電話端末30との間で、呼制御信号や音声信号をやり取りすることになる。
【0024】
内線I/F部12は、専用の通信回路を有し、LANや内線伝送路などの内線回線L2を介して内線電話端末20との間で、各種制御コマンドや音声通話のための音声データをやり取りする機能を有している。
【0025】
記憶部13は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、電話制御部14での処理動作に用いる各種処理データやプログラム13Pを記憶する機能を有している。
プログラム13Pは、電話制御部14のCPUで実行されることにより、各種の処理部を実現するプログラムであり、外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から読み込まれて記憶部13に予め保存される。
【0026】
記憶部13で記憶する主な処理情報として、呼制御データ13Aがある。
呼制御データ13Aは、通信回線L1や各内線電話端末20に割り当てられている電話番号や、通信回線L1や各内線電話端末20の状態のほか、本実施の形態にかかる自動実行制御処理におけるPB信号の送出完了判定に用いる判定データなど、電話制御部14での呼制御に用いる各種データからなる。
【0027】
図2は、判定データを示す構成例である。ここでは、手動待機時間として「20秒」が設定されており、自動待機時間として「0.1秒」が設定されている。
手動待機時間は、利用者電話端末30から手動でPB信号が送出されている場合に、そのダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔の許容値を示す値である。PB信号の送出完了を判定する際、数字以外のダイヤルを用いない場合には、前述した従来技術と同様、一定期間継続してPB信号の送出が休止された時点で、PB信号の送出完了を判定することになる。
【0028】
一方、人が記憶に基づきダイヤル入力操作を行う場合、次の番号を思い出して、その番号に対応したダイヤルキーを操作することになる。このため、次の操作までに、ある程度の時間的余裕が必要となる。この時間が手動待機時間である。したがって、利用者電話端末30からPB信号が手動送出されている場合、直前のPB信号の受信終了から手動待機時間以内に次のPB信号が到来した時点で、PB信号の送出が継続していると判定され、手動待機時間を超過しても次のPB信号が到来しない場合、PB信号の送出が完了したと判定される。
【0029】
自動待機時間は、利用者電話端末30から自動でPB信号が送出されている場合における、PB信号間の信号休止間隔の許容値を示す値である。PB信号を受信してそのダイヤル番号を判定する場合、各PB信号を区別するため、PB信号間に信号休止時間を設ける必要がある。これらPB信号については、例えば発信時に網側交換機に対して送出するPB信号に関する技術基準を参考にすればよく、一般的には、信号送出時間=50ms以上、ミニマムポーズ(信号休止時間)=30ms以上、周期=120ms以上と定められている(例えば、http://www.ntt-east.co.jp/gisanshi/analog/pdf/analog_gisanshi.pdf、技術参考資料、東日本電信電話株式会社など参照)。
【0030】
したがって、利用者電話端末30からPB信号が自動送出されている場合、直前のPB信号の受信終了から自動待機時間以内に次のPB信号が到来した時点で、PB信号の送出が継続していると判定され、自動待機時間を超過しても次のPB信号が到来しない場合、PB信号の送出が完了したと判定される。これにより、自動送出の場合には、手動待機時間の約1/200程度の時間でPB信号の送出完了が判定されるため、送出完了から極めて短い時間で、内線電話端末20の呼び出しなど、当該PB信号で通知された番号に応じた処理が実行される。
【0031】
電話制御部14は、CPUとその周辺回路とを含み、記憶部13のプログラム13Pを読み込んで実行することにより、各種処理部を実現する機能を有している。
電話制御部14で実現される主な処理部として、呼制御部14A、ダイヤル判定部14B、信号計時部14C、自動送出判定部14D、送出完了判定部14E、および自動実行制御部14Fがある。
【0032】
呼制御部14Aは、網I/F部11から通信回線L1を介して電話網40との間で呼制御メッセージや呼制御信号をやり取りすることにより、通信回線L1での発着信を制御する機能と、予め設定した自動応答用の電話番号に対する着信要求に対して自動応答することにより、発呼元である利用者電話端末30との間で通話路を形成する機能と、内線I/F部12から内線回線L2を介して内線電話端末20との間で制御コマンドをやり取りすることにより、内線電話端末20の動作を制御する機能とを有している。
【0033】
これに加えて、呼制御部14Aは、通信回線L1および電話網40を介して利用者電話端末30との間で形成した外線通話路に、内線回線L2を介して内線電話端末20との間で形成した内線通話路を交換接続することにより、利用者電話端末30と内線電話端末20との間の音声通話(外線通話)を実現する機能と、異なる内線電話端末20との間で形成した内線通話路を相互に交換接続することにより、内線電話端末20間の音声通話(内線通話)を実現する機能とを有している。
【0034】
ダイヤル判定部14Bは、利用者電話端末30から通話路を介して受信したPB信号から、当該PB信号と対応する番号を判定する、いわゆるPB信号レシーバ機能を有している。
【0035】
信号計時部14Cは、利用者電話端末30から通話路を介してPB信号を受信中に、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時する機能を有している。この信号休止時間は、PB信号の受信レベルを基準値と比較することにより信号有無を判定し、信号無検出時点から次の信号有検出時点までの期間に相当する。この期間は、例えばCPUのタイマ機能により計測すればよい。
【0036】
自動送出判定部14Dは、信号計時部14Cで計時された信号休止時間が一定であるか否かに応じて、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかを判定する機能を有している。ここでは、一連のPB信号のうち、少なくとも2つのPB信号に関する信号休止時間が一定である否かに応じて、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかを判定すればよい。また、これら2つのPB信号として、最初に受信したPB信号と2番目に受信したPB信号とを含むようにしてもよいが、これら2つのPB信号が、連続している必要はない。
【0037】
送出完了判定部14Eは、自動送出判定部14DでPB信号が手動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時部14Cで計時された信号休止時間が、ダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔の許容値を示す手動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末30でのPB信号の送出が完了したと判定する機能と、自動送出判定部14DでPB信号が自動送出されていると判定した場合、PB信号のうち信号計時部14Cで計時された信号休止時間が、手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末30でのPB信号の送出が完了したと判定する機能とを有している。
【0038】
自動実行制御部14Fは、送出完了判定部14EでのPB信号の送出停止判定に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理の実行を開始する機能を有している。例えば、自動交換制御機能の場合、PB信号で通知された番号を着信先とした個別着信を呼制御部14Aへ指示する。したがって、当該番号が内線番号の場合、呼制御部14Aは、当該内線番号に対応する内線電話端末20で着信表示し、当該内線電話端末20での応答に応じて、利用者電話端末30と内線電話端末20との通話路を接続することにより、音声通話を実現する。また、当該番号が内線番号ではなく一般的な電話番号の場合、呼制御部14Aは、当該外線番号を発信先として電話網40へ発呼し、相手電話端末(図示せず)での応答に応じて、利用者電話端末30と相手電話端末との通話路を接続することにより、音声通話を実現する。
【0039】
なお、PB信号で通知される番号は、内線番号や相手電話端末の電話番号に限定されるものではなく、任意の処理に割り当てられた処理指定番号であってもよい。例えば、電話装置10に留守番電話機能が搭載されている場合、録音されているメッセージを再生する再生処理に対して予め処理指定番号を割り当ておけばよい。これにより、PB信号で処理指定番号が通知された場合、自動実行制御部14Fで対応するメッセージ再生処理を実行し、通話路を介して再生メッセージを利用者電話端末30へ送出すればよい。また、電話装置10に、電気錠、照明、エアコンなどの機器制御機能が搭載されている場合、PB信号で通知された処理指定番号に応じたコマンドを、例えば内線回線L2に接続された、対応する外部機器へ送出するようにしてもよい。これにより、利用者電話端末30による外部機器の遠隔制御を実現できる。
【0040】
[電話装置の動作]
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる電話装置10の動作について説明する。図3は、電話装置の自動実行制御処理を示すフローチャートである。
利用者電話端末30からの発呼に応じて、電話網40から自動応答用の電話番号に対する着信要求があった場合、電話装置10の電話制御部14は、図3の自動実行制御処理を開始する。
【0041】
まず、呼制御部14Aは、電話網40からの自動応答用電話番号に対する着信要求メッセージに応じて、網I/F部から着信応答メッセージを返送することにより自動応答し、利用者電話端末30との間で通話路を形成する(ステップ100)。
【0042】
自動応答後、ダイヤル判定部14Bは、利用者電話端末30から通話路を介して送出されるPB信号ごとに当該PB信号に対応する番号を判定するための、ダイヤル判定処理を開始する(ステップ101)。
これと並行して、信号計時部14Cは、利用者電話端末30から通話路を介して送出されるPB信号ごとに当該PB信号と後続するPB信号との間の信号休止時間を計時するための、信号計時処理を開始する(ステップ102)。
【0043】
続いて、自動送出判定部14Dは、信号計時部14Cで複数の信号休止時間が計時された場合、例えば最初のPB信号と2番目のPB信号との信号休止時間が計時された場合、これら信号休止時間が一定であるか否かに応じて、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかを判定する(ステップ110)。
【0044】
この場合、自動送出の判定結果は、最後のPB信号の受信直後に使用するため、PB信号の受信中に判定結果を得る必要がある。したがって、最初のPB信号と2番目のPB信号との信号休止時間を用いれば、PB信号の受信開始から最も早いタイミングで、自動送出の判定結果を得ることができる。なお、PB信号の最小個数が予め規定される場合には、最初から最小個数−1個のPB信号までの信号休止時間が一定か否かを判定するようにしてもよく、手動送出であっても偶然的に信号休止時間が一定となって自動送出と誤判定する可能性を低減できる。
また、信号休止時間については、通信状況によるPB信号の波形歪みや計時制度などの原因により、ばらつく可能性があるため、一定とみなす許容範囲を設けてもよい。
【0045】
ステップ110において、送出休止時間が一定であった場合(ステップ110:YES)、自動送出判定部14Dは、利用者電話端末30からPB信号が自動送出されていると判定する。
この判定に応じて、送出完了判定部14Eは、信号計時部14Cで計時中の信号休止時間と、記憶部13の呼制御データ13Aに予め登録されている自動待機時間とを比較することにより、PB信号の送出停止を判定する(ステップ111:NO)。
【0046】
ここで、信号休止時間が自動待機時間を超過した場合(ステップ111:YES)、ダイヤル判定部14Bは、ダイヤル判定処理を停止するとともに(ステップ120)、信号計時部14Cは、信号計時処理を停止する(ステップ121)。
また、自動実行制御部14Fは、ダイヤル判定部14Bで得られた送出停止判定に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理の実行を開始し(ステップ122)、一連の処理を終了する。
【0047】
一方、ステップ110において、送出休止時間が一定でなかった場合(ステップ110:NO)、自動送出判定部14Dは、利用者電話端末30からPB信号が手動送出されていると判定する。
この判定に応じて、送出完了判定部14Eは、信号計時部14Cで計時中の信号休止時間と、記憶部13の呼制御データ13Aに予め登録されている手動待機時間とを比較することにより、PB信号の送出停止を判定する(ステップ112:NO)。
【0048】
ここで、信号休止時間が自動待機時間を超過した場合(ステップ112:YES)、ダイヤル判定部14Bは、ダイヤル判定処理を停止するとともに(ステップ120)、信号計時部14Cは、信号計時処理を停止する(ステップ121)。
また、自動実行制御部14Fは、送出完了判定部14Eで得られた送出停止判定に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理の実行を開始し(ステップ122)、一連の処理を終了する。
【0049】
[動作例]
次に、本実施の形態にかかる電話装置10の動作例について説明する。
まず、図4および図5を参照して、利用者電話端末30からPB信号が自動送出された場合の動作について説明する。図4は、電話装置の自動実行制御動作(自動送出時)を示すシーケンス図である。図5は、PB信号の信号波形図(自動送出時)である。
【0050】
利用者電話端末30の電話帳機能により、利用者が自動応答用の電話番号(第1の電話番号)を選択操作した場合(ステップ150)、利用者電話端末30から電話網40へ、当該電話番号を発信先とする発信要求メッセージが送信される(ステップ151)。
これに応じて、電話網40から電話装置10へ、着信要求メッセージが送信される(ステップ152)。
【0051】
電話装置10の呼制御部14Aは、自動応答用の電話番号に対するメッセージに応じて、着信応答メッセージを返送することにより自動応答し(ステップ153)、利用者電話端末30との間で通話路を形成する(ステップ154)。
【0052】
このようにして、通話路を形成した後、利用者電話端末30の電話帳機能により、利用者が呼出用の電話番号(第2の電話番号)を選択操作した場合(ステップ160)、利用者電話端末30から、通話路に対するPB信号の自動送出が開始される(ステップ161〜164)。これにより、呼出用の電話番号の各ダイヤルD1〜Dmが順に、PB信号で送出される。この際、図5に示すように、各PB信号の送出周期S1〜Smは一定であり、信号休止時間Q1〜Qmおよび信号出力時間P1〜Pmも一定である。
【0053】
一方、電話装置10のダイヤル判定部14Bは、通話路を形成した後、ダイヤル判定処理を開始するとともに、信号計時部14Cは、信号計時処理を開始する。
ここで、3番目のダイヤルD3のPB信号の受信を開始した時点(図5の時刻T3A)で、最初のダイヤルD1のPB信号と2番目のダイヤルD2のPB信号のPB信号信号休止時間が一定(一致)であることから、自動送出判定部14Dは、利用者電話端末30からPB信号が自動送出されていると判定する(ステップ165)。
【0054】
これにより、送出完了判定部14Eは、3番目のダイヤルD3のPB信号以降の各PB信号について、当該PB信号に続く信号休止時間を、自動待機時間QAと比較することにより、PB信号の送出終了を判定する。
したがって、最後のダイヤルDmのPB信号に続く信号休止時間Qmが、自動待機時間QAを超過した時点TEで、送出完了判定部14Eは、PB信号の送出終了を判定する(ステップ166:YES)。
【0055】
この判定に応じて、自動実行制御部14Fは、当該PB信号で通知された番号に応じた処理、ここでは内線番号を指定した外線からの個別着信を、呼制御部14Aに指示する。
これに応じて、呼制御部14Aは、当該内線番号と対応する内線電話端末20へ呼出コマンドを送信し(ステップ170)、内線電話端末20で着信表示する(ステップ171)。
【0056】
この後、内線電話端末20での応答操作により(ステップ172)、内線電話端末20から返送された応答コマンドに応じて(ステップ173)、呼制御部14Aは、利用者電話端末30の通話路と、内線電話端末20の通話路とを中継接続することにより(ステップ174)、利用者電話端末30と内線電話端末20との音声通話が実現される(ステップ175)。
【0057】
次に、図6および図7を参照して、利用者電話端末30からPB信号が手動送出された場合の動作について説明する。図6は、電話装置の自動実行制御動作(手動送出時)を示すシーケンス図であり、図4と同じまたは同様のステップについては、同一符号を付してある。図7は、PB信号の信号波形図(手動送出時)であり、図5と同じまたは同様の時間について、同一符号を付してある。
【0058】
利用者電話端末30の電話帳機能により、利用者が自動応答用の電話番号(第1の電話番号)を選択操作した場合(ステップ150)、利用者電話端末30から電話網40へ、当該電話番号を発信先とする発信要求メッセージが送信される(ステップ151)。
これに応じて、電話網40から電話装置10へ、着信要求メッセージが送信される(ステップ152)。
【0059】
電話装置10の呼制御部14Aは、自動応答用の電話番号に対するメッセージに応じて、着信応答メッセージを返送することにより自動応答し(ステップ153)、利用者電話端末30との間で通話路を形成する(ステップ154)。
【0060】
このようにして、通話路を形成した後、利用者電話端末30により、利用者が呼出用の電話番号(第2の電話番号)の入力操作を開始した場合(ステップ180)、利用者電話端末30から、通話路に対するPB信号の手動送出が開始される(ステップ181〜184)。これにより、呼出用の電話番号の各ダイヤルD1〜Dmが順に、PB信号で送出される。この際、図7に示すように、各PB信号の送出周期S1〜Smは不定であり、信号休止時間Q1〜Qmおよび信号出力時間P1〜Pmも不定である。
【0061】
一方、電話装置10のダイヤル判定部14Bは、通話路を形成した後、ダイヤル判定処理を開始するとともに、信号計時部14Cは、信号計時処理を開始する。
ここで、3番目のダイヤルD3のPB信号の受信を開始した時点(図7の時刻T3A)で、最初のダイヤルD1のPB信号と2番目のダイヤルD2のPB信号のPB信号信号休止時間が不定(不一致)であることから、自動送出判定部14Dは、利用者電話端末30からPB信号が手動送出されていると判定する(ステップ185)。
【0062】
これにより、送出完了判定部14Eは、3番目のダイヤルD3のPB信号以降の各PB信号について、当該PB信号に続く信号休止時間を、手動待機時間QMと比較することにより、PB信号の送出終了を判定する。
したがって、最後のダイヤルDmのPB信号に続く信号休止時間Qmが、手動待機時間QMを超過した時点TEで、送出完了判定部14Eは、PB信号の送出終了を判定する(ステップ186:YES)。
【0063】
この判定に応じて、自動実行制御部14Fは、当該PB信号で通知された番号に応じた処理、ここでは内線番号を指定した外線からの個別着信を、呼制御部14Aに指示する。
これに応じて、呼制御部14Aは、当該内線番号と対応する内線電話端末20へ呼出コマンドを送信し(ステップ170)、内線電話端末20で着信表示する(ステップ171)。
【0064】
この後、内線電話端末20での応答操作により(ステップ172)、内線電話端末20から返送された応答コマンドに応じて(ステップ173)、呼制御部14Aは、利用者電話端末30の通話路と、内線電話端末20の通話路とを中継接続することにより(ステップ174)、利用者電話端末30と内線電話端末20との音声通話が実現される(ステップ175)。
【0065】
[実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、利用者電話端末30から通話路を介してPB信号を受信中に、信号計時部14Cで、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時し、信号休止時間が一定であるか否かに応じて、自動送出判定部14Dで、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかを判定し、PB信号が手動送出されていると判定した場合、送出完了判定部14Eで、PB信号のうち信号計時部14Cで計時された信号休止時間が、ダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔の許容値を示す手動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末30でのPB信号の送出が完了したと判定し、PB信号が自動送出されていると判定した場合、送出完了判定部14Eで、PB信号のうち信号計時部14Cで計時された信号休止時間が、手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、利用者電話端末30でのPB信号の送出が完了したと判定するようにしたものである。
【0066】
これにより、数字以外のダイヤルを示すPB信号を用いることなく、PB信号の受信中に、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかが判定することができる。このため、PB信号が自動送出されている場合には、その後のPB信号の信号休止時間と比較する待機時間として、手動待機時間より大幅に短い自動待機時間を使用することができ、PB信号が自動送出されている場合には、実際のPB信号の送出完了から極めて短い時間で、直ちに判定できる。
したがって、数字以外のダイヤルをPB信号により自動送出できない利用者電話端末30についても、自動実行制御機能として極めて良好な応答性を得ることが可能となる。
【0067】
また、本実施の形態では、自動送出判定部14Dで、PB信号のうち、少なくとも2つのPB信号に関する信号休止時間が一定である否かに応じて、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかを判定するようにしてもよい。これにより、極めて簡素な処理で、自動送出か手動送出かを判定することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、自動送出判定部14Dで、PB信号のうち、最初に受信したPB信号と2番目に受信したPB信号とに関する信号休止時間が一定である否かに応じて、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか手動送出されているかを判定するようにしてもよい。これにより、PB信号の送出開始から最も早い時点で自動送出か手動送出かを判定することができ、利用者電話端末30から送出されるPB信号の個数が少ない場合にも対応することができる。
【0069】
また、本実施の形態では、信号計時部14Cで、PB信号を受信中に、信号休止時間に加えて当該PB信号の送出周期(図5および図7のS1〜Sm)を順次計時し、自動送出判定部14Dで、信号休止時間に代えて、送出周期が一定であるか否かに応じて、PB信号が利用者電話端末30から自動送出されているか否かを判定するようにしてもよい。この場合も、信号休止時間を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。なお、信号休止時間に代えて、当該PB信号の信号出力時間(図5および図7のP1〜Pm)を用いても同様である。
【0070】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【0071】
以上の実施形態では、電話装置10が電話制御装置や構内交換機からなる場合を例として説明するが、これらに限定されるものではない。例えば、留守番電話装置やファクシミリ通信装置など、電話回線に接続される各種の電話装置にも、前述と同様に適用でき、同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
1…電話システム、10…電話装置、11…網I/F部、12…内線I/F部、13…記憶部、13A…呼制御データ、13P…プログラム、14…電話制御部、14A…呼制御部、14B…ダイヤル判定部、14C…信号計時部、14D…自動送出判定部、14E…送出完了判定部、14F…自動実行制御部、20…内線電話端末、30…利用者電話端末、40…電話網、L1…通信回線、L2…内線回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話網を介して利用者電話端末と接続されて、当該利用者電話端末との通話路を介して当該利用者電話端末から間隔をあけて送出された一連のPB信号を検出し、これらPB信号で通知された一連の番号に応じた処理を自動実行する電話装置であって、
前記利用者電話端末から前記通話路を介して前記PB信号を受信中に、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時する信号計時部と、
前記信号計時部で計時された前記信号休止時間が一定であるか否かに応じて、前記PB信号が前記利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定する自動送出判定部と、
前記自動送出判定部で前記PB信号が手動送出されていると判定した場合、前記PB信号のうち前記信号計時部で計時された前記信号休止時間が、ダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔の許容値を示す手動待機時間を越えた時点で、前記利用者電話端末での前記PB信号の送出が完了したと判定し、前記自動送出判定部で前記PB信号が自動送出されていると判定した場合、前記PB信号のうち前記信号計時部で計時された前記信号休止時間が、前記手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、前記利用者電話端末での前記PB信号の送出が完了したと判定する送出完了判定部と、
前記送出停止判定部での前記PB信号の送出停止判定に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理の実行を開始する自動実行制御部と
を備えることを特徴とする電話装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話装置において、
前記自動送出判定部は、前記PB信号のうち、少なくとも2つのPB信号に関する前記信号休止時間が一定である否かに応じて、前記PB信号が前記利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定することを特徴とする電話装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電話装置において、
前記自動送出判定部は、前記PB信号のうち、最初に受信したPB信号と2番目に受信したPB信号とに関する前記信号休止時間が一定である否かに応じて、前記PB信号が前記利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定することを特徴とする電話装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電話装置において、
前記信号計時部は、前記PB信号を受信中に、前記信号休止時間に加えて当該PB信号の送出周期を順次計時し、
前記自動送出判定部は、前記信号休止時間に代えて、前記送出周期が一定であるか否かに応じて、前記PB信号が前記利用者電話端末から自動送出されているか否かを判定する
ことを特徴とする電話装置。
【請求項5】
電話網を介して利用者電話端末と接続されて、当該利用者電話端末との通話路を介して当該利用者電話端末から間隔をあけて送出された一連のPB信号を検出し、これらPB信号で通知された番号に応じた処理を自動実行する電話装置で用いられる電話制御方法であって、
信号計時部が、前記利用者電話端末から前記通話路を介して前記PB信号を受信中に、当該PB信号間の信号休止時間を順次計時する信号計時ステップと、
自動送出判定部が、前記信号計時ステップで計時された前記信号休止時間が一定であるか否かに応じて、前記PB信号が前記利用者電話端末から自動送出されているか手動送出されているかを判定する自動送出判定ステップと、
送出完了判定部が、前記自動送出判定ステップで前記PB信号が手動送出されていると判定した場合、前記PB信号のうち前記信号計時ステップで計時された前記信号休止時間が、ダイヤル入力操作の際に生じる操作間隔を示す手動待機時間を越えた時点で、前記利用者電話端末での前記PB信号の送出が完了したと判定し、前記自動送出判定ステップで前記PB信号が自動送出されていると判定した場合、前記PB信号のうち前記信号計時ステップで計時された前記信号休止時間が、前記手動待機時間より短い自動待機時間を越えた時点で、前記利用者電話端末での前記PB信号の送出が完了したと判定する送出完了判定ステップと、
自動実行制御部が、前記送出停止判定ステップでの前記PB信号の送出停止判定に応じて、当該PB信号で通知された番号に応じた処理の実行を開始する自動実行制御ステップと
を備えることを特徴とする電話制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−74593(P2013−74593A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214206(P2011−214206)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】