電話装置
【課題】 交換機の種類によらず、発信元識別情報(CallerID)を確実に検出する。
【解決手段】 呼出信号が検出された場合であって、かつ、ファクシミリデータの受信、又は外付電話機3もしくはハンドセット47にて通話が行われなかった場合には、最初の呼出信号が終了した後は勿論のこと、2回目以降の呼出信号が終了した後であってもCallerIDの検出を実行する。これにより、2回目以降の呼出信号の後にCallerIDが送信された場合であっても、CallerIDの検出が行われるので、交換機の種類によらず、CallerID(発信元識別情報)を確実に検出することができる。
【解決手段】 呼出信号が検出された場合であって、かつ、ファクシミリデータの受信、又は外付電話機3もしくはハンドセット47にて通話が行われなかった場合には、最初の呼出信号が終了した後は勿論のこと、2回目以降の呼出信号が終了した後であってもCallerIDの検出を実行する。これにより、2回目以降の呼出信号の後にCallerIDが送信された場合であっても、CallerIDの検出が行われるので、交換機の種類によらず、CallerID(発信元識別情報)を確実に検出することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼出信号の合間に発呼側電話番号等の発信元識別情報が送信されるサービス等に対応した電話装置に関するものであり、特に、ファクシミリ機能に加えて、プリンタ機能やスキャナ機能等が付加された多機能型のファクシミリ装置に適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
発信元識別情報等を表示する機能として、例えばナンバーディスプレイサービスに対応した電話装置では、交換機から送信された発呼側電話番号を示す情報(信号)を検出する検出シーケンスを作動させて、その検出した発呼側電話番号を電話装置に設けられた表示部に表示している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−177666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、発呼側電話番号等の発信元識別情報は、通常、最初の呼出信号の送信が終了した後に送信されるので、一般的な、発信元識別情報等を表示するとができる電話装置では、最初の呼出信号を検出(受信)した後、その最初の呼出信号の送信が終了したことを検出した時から所定時間が経過するまで、又は次の呼出信号が送信されるまでの1回のみ発信元識別情報を検出する検出シーケンス(以下、識別情報検出シーケンスという。)が実行される。
【0004】
そして、通常の電話装置では、500ミリ秒以上連続する16Hzの矩形波信号を呼出信号と見なすように設定されているので、発信元識別情報等を表示するとができる通常の電話装置では、500ミリ秒以上連続する16Hzの矩形波信号を最初に検出した後、その検出した信号の送信が終了したことを検出した時から識別情報検出シーケンスが実行される。
【0005】
しかし、交換機の種類によっては、呼出信号として最初に送信する信号以前に、500ミリ秒以上続く周波数が16Hzの信号が送信される場合がある。そして、このような場合には、電話装置は、交換機から最初に送信されたきた信号を最初の呼出信号として検出してしまうので、交換機が最初の呼出信号を送信する以前に識別情報検出シーケンスが作動してしまい、当然、交換機からは発信元識別情報は送信されてこないため発信元識別情報を検出することができない。
【0006】
また、識別情報検出シーケンスは、最初の呼出信号の送信が終了した後、1回のみ作動するので、最初のの呼出信号の送信が終了した後、発信元識別情報が送信されているときに識別情報検出シーケンスが作動しないこととなり、発信元識別情報を検出することができない。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段と、公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段と、識別情報検出手段の作動を制御する発信元識別情報検出制御手段とを有し、発信元識別情報検出制御手段は、呼出信号検出手段が呼出信号を検出した場合であって、かつ、所定条件が成立した場合には、識別情報検出手段を作動させ、一方、呼出信号検出手段により呼出信号を検出されなかった場合、又は所定条件が不成立の場合には、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする。
【0009】
これにより、本発明では、交換機から最初に送信されてきた信号を呼出信号として検出してしまった場合、すなわち、このの後には当然発信元識別情報が送信されず、2回目以降の呼出信号として検出した信号の後に発信元識別情報が送信された場合であっても、前記所定条件が成立すれば、識別情報検出手段が作動するので、2回目以降の呼出信号として検出した信号の後に発信元識別情報が送信された場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。
【0010】
また、仮に、交換機から送信される最初の呼出信号の継続時間が例えば500ミリ秒未満である、又は交換機から送信される最初の呼出信号の周波数が16Hzと異なっているために電話装置側にて最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、前記所定条件が成立すれば、2回目以降の呼出信号に続けて発信元識別情報が送信されていれば発信元識別情報を検出することができるので、最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。
【0011】
したがって、本発明によれば、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することができる。
請求項2に記載の発明では、発信元識別情報検出制御手段は、発信元識別情報が既に検出されているときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする。
【0012】
これにより、発信元識別情報が既に検出されているのにも拘わらず、識別情報検出手段が作動してしまうことを防止できるので、不必要に識別情報検出手段が作動してしまうことを未然に防止できる。
【0013】
ところで、ファクシミリ機能を備える従来の電話装置では、最初の呼出信号を検出すると、その時点で識別情報検出手段が作動し始め、識別情報検出手段が停止しない限り、ファクシミリデータを受信することができなかった。
【0014】
これに対して、請求項3に記載の発明では、ファクシミリ信号を検出するファクシミリ信号検出手段を有し、発信元識別情報検出制御手段は、ファクシミリ信号検出手段によりファクシミリ信号が検出されたときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴としているので、識別情報検出手段が作動している場合、又は作動しようとする場合であっても、ファクシミリデータを受信することができる。
【0015】
また、電話装置に電話機が接続されている場合、又は電話装置と並列に電話機が公衆電話回線に接続されている場合において、従来の電話装置では、最初の呼出信号を検出すると、その時点で識別情報検出手段が作動し始め、識別情報検出手段が停止しない限り、接続された他の電話機による通話をすることができなかった。
【0016】
これに対して、請求項4に記載の発明では、公衆電話回線の回線電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段が検出した電圧と基準電圧との電圧差に基づいて、公衆電話回線が閉結されているか否かを判定する公衆回線監視手段とを有し、発信元識別情報検出制御手段は、公衆回線監視手段により公衆電話回線が閉結されていると判定されたときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴としているので、識別情報検出手段が作動している場合、又は作動しようとする場合であっても、接続された他の電話機による通話をすることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明では、公衆回線監視手段により公衆電話回線が閉結されていると判定された場合に、ファクシミリデータを受信可能な状態とするファクシミリモード移行手段を有しているので、仮に、接続された他の電話機による通話中に、ファクシミリデータが送信されてきた場合であっても、即座にファクシミリデータを受信することがができる。
【0018】
また、従来の電話装置では、最初の呼出信号を検出すると、その時点で識別情報検出手段が作動し始め、識別情報検出手段が停止しない限り、内蔵された通話用の送受信器を用いて通話をすることができなかった。
【0019】
これに対して、請求項6に記載の発明では、通話用の送受話器が上げられた否かを検出するフック状態検出手段を有し、発信元識別情報検出制御手段は、フック状態検出手段により送受話器が上げられた状態であると判定されたときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴としているので、識別情報検出手段が作動している場合、又は作動しようとする場合であっても、通話用の送受話器を用いて通話をすることができる。
【0020】
なお、請求項7に記載の発明のごとく、発信元識別情報検出制御手段が検出した発信元識別情報に基づいて、発信元の情報を表示する発信元情報表示手段を設けてもよい。
また、請求項8に記載の発明のごとく、発信元識別情報検出制御手段が検出した発信元識別情報に基づいて、着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段を設けてもよい。
【0021】
請求項9に記載の発明では、公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段、及び公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段を有する電話装置に内蔵されるコンピュータを、識別情報検出手段の作動を制御する識別情報検出制御装置として機能させる電話装置制御プログラムであって、コンピュータを、呼出信号検出手段により呼出信号が検出されたか否かを判定する呼出信号判定手段識別情報検出手段を作動させるための所定条件が成立したか否かを判定する条件判定手段、並びに呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、条件判定手段により所定条件が成立したものと判定された場合には、識別情報検出手段を作動させ、一方、呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、条件判定手段により所定条件が不成立であると判定された場合には、識別情報検出手段を停止又は作動させない発信元識別情報検出制御手段、として機能させることを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項1に記載の発明と同様に、2回目以降の呼出信号の後に発信元識別情報が送信された場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。また、最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。したがって、本発明も、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る電話装置を、プリンタ機能やスキャナ機能等が付加された多機能型のファクシミリ装置に適用したものであるり、図1は、本発明の実施形態に係るファクシミリ装置1の電気的構成を示したブロック図であり、図2は回線I/F部19のブロック図である。
【0024】
1.ファクシミリ装置1の概要
ファクシミリ装置1には、図1に示すように、CPU11、ROM12、EEPROM13、RAM14、画像メモリ15、回線I/F部19、モデム20、バッファ21、スキャナ22、符号化部23、及び復号化部24等から構成されるファクシミリ回路、並びにプリンタ25、操作パネル4、LCD(液晶表示パネル)5、アンプ27及び通話用のハンドセット47が設けられており、これらがバスライン30を介して互いに接続されている。
【0025】
なお、LCD5は、CPU11から指令信号に基づいて、様々な情報を文字又は画像を通じてユーザに向けて発するものであり、その情報としては、例えば、ファクシミリ回路に対して並列に公衆電話回線32に接続された外付電話機3が使用中である旨、FAXデータを送受信中である旨、又は発信元の電話番号もしくはファクシミリ番号や発信元の名前もしくは名称等の発信元の情報等が挙げられる。
【0026】
回線I/F部19は、回線制御を行うためのものであり、図2に示すように、半導体化DAA33を有して構成されており、この回線I/F部19は、交換機29から送られる呼出信号(リング信号)や相手側装置の電話番号等の発信元識別情報(以下、発信元識別情報をCallerIDという。)を示す信号等の各種信号を受信するとともに、操作パネル4上のキーの操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機29へ送信する。
【0027】
また、回線I/F部19には、外付電話機3をファクシミリ回路に対して並列に公衆電話回線32に接続するための外付電話端子T1、T2が設けられており、ファクシミリ装置1(ファクシミリ回路)及び外付電話機3は、この回線I/F部19を介して電話回線31に接続される。
【0028】
なお、CPU11は、回線I/F部19を介して送受信される各種信号に従って、バスライン30により接続された各部を制御し、ファクシミリ動作、すなわち、画像データ等の送受信(データ通信)等を実行するコンピュータを構成するものである。ROM12は、このファクシミリ装置1で実行される制御プログラム等を格納した書換不能記憶装置であり、このROM12には、図3〜図11に示されるフローチャートを実行するプログラムが格納されている。
【0029】
RAM14は、ファクシミリ装置1の各動作の実行時に各種のデータや着信履歴等を記憶するための随時読込書換可能記憶装置であり、このRAM14は、回線電圧値メモリ14a及び判定値メモリ14b等から構成されている。
【0030】
回線電圧値メモリ14aは、電話回線31の開放時、すなわち半導体化DAA33において、回線網を制御するための直流回路が開放された状態である時に半導体化DAA33に供給される電圧値を記憶するメモリであり、この回線電圧値メモリ14aは、電話回線31の開放時において、電圧検出回路34(図2参照)により検出された電圧値を、その検出順に記憶する。因みに、電圧検出回路34は、公衆電話回線32の回線電圧を検出する電圧検出手段を構成するものである。
【0031】
なお、本実施形態に係る回線電圧メモリは、複数個(例えば、10個)の電圧値を記憶することができ、この回線電圧値メモリ14aに記憶された複数個の電圧値は、その記憶された複数個の電圧値の平均値が算出された後、回線電圧値メモリ14aから消去される。そして、その算出された電圧値の平均値が定常時の待機電圧値Vrとして、後述する定常電圧値メモリ13aに記憶される。
【0032】
また、判定値メモリ14bは、外付電話機3がフックアップ状態であるか又はフックダウン状態であるかを判定するための判断基準値となる判定電圧Vtを記憶するメモリである。この判定電圧Vtは、電話回線31が開放状態である場合における回線電圧の基準電圧よりも小さく、かつ、基準電圧との電圧差が所定の電圧差ΔV以上となる電圧値である。なお、本実施形態では、基準電圧として、前記の待機電圧値Vrを採用している。
【0033】
因みに、外付電話機3がフックアップ状態であるとは、外付電話機3が公衆電話回線32を閉結している状態(オンフック状態)をいい、外付電話機3がフックダウン状態であるとは、外付電話機3が公衆電話回線32を開放している状態(オフフック状態)をいう。。
【0034】
また、図1中、EEPROM13は、定常電圧値メモリ13a及び閾値メモリ13b等を有して構成されたもので、ファクシミリ装置1の電源が遮断された後も書き込まれた(記憶された)データを保持することができる書換可能な不揮発性記憶装置である。
【0035】
定常電圧値メモリ13aは、上記回線電圧値メモリ14aに記憶された10個分の電圧値の平均値である待機電圧値Vrを記憶するためのメモリであり、この定常電圧値メモリ13aは、回線電圧値メモリ14aに10個の電圧値が記憶されると、その10個の電圧値から算出される平均値により更新されるので、電話回線31が開放状態である間は定期的に更新される。
【0036】
閾値メモリ13bは、外付電話機3のフックアップを判定するため判定電圧Vtを算出するための係数Ct(例えば、0.5)を記憶する記憶装置である。つまり、本実施形態において判定電圧Vtは、定常電圧値メモリ13aに記憶された待機電圧値Vrに、閾値メモリ13bに記憶された係数Ctを乗算した値として算出された後、判定値メモリ14bに記憶される。因みに、本実施形態では、閾値メモリ13bに記憶される係数Ctは、ユーザやサービスマンが操作パネル4を操作することにより、変更することができる。
【0037】
画像メモリ15は、画像データ及び印刷のためのビットイメージを記憶するための記憶装置であり、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。そして、受信された画像データは、一旦画像メモリ15に記憶され、プリンタ25によって記録紙に印刷された後に、この画像メモリ15から消去される。また、スキャナ22によって読み取られた画像データも、この画像メモリ15に記憶される。
【0038】
モデム20は、画情報及び通信データを変調及び復調して伝送するとともに、伝送制御用の各種手順信号を送受信するためのものである。バッファ21は、相手側装置との間で送受信される符号化された画情報を含むデータを一時的に記憶するためのものである。
【0039】
スキャナ22は、原稿挿入口に挿入された原稿を画像データとして読み取るためのものであり、原稿搬送用モータを備えている。符号化部23は、スキャナ22により読み取られた画像データの符号化を行うものである。
【0040】
復号化部24は、バッファ21又は画像メモリ15に記憶された画像データを読み出して、これを復号化するものであり、復号化されたデータは、プリンタ25により記録紙に印刷される。アンプ27は、そのアンプ27に接続されたスピーカ28を鳴動して、呼出音や音声を出力するためのものである。
【0041】
因みに、本実施形態に係るプリンタ25は、記録紙を搬送する記録紙用搬送モータ、印字ヘッドを搭載したキャリッジを移動させるキャリッジモータ、及び記録紙へインクを吐出する印字ヘッド等を備えた、周知のインクジェット方式のプリンタで構成されている。
【0042】
また、ハンドセット47は、送信された音声信号を再生するスピーカと通話者が発する音声をピックアップするマイクロフォン等とが一体化された通話用の送受話器であり、このハンドセット47又はファクシミリ装置本体には、図2に示すように、ハンドセット47が上げられたか否かを検出するフック状態検出手段をなすフックスイッチ48が設けられている。そして、ハンドセット47が上げられた場合、つまりハンドセット47がフックアップされた場合には、フックスイッチ48からCPU11にオン信号が入力される。
【0043】
なお、「ハンドセット47が上げられた」とは、ユーザがハンドセット47による通話をしようとしたことを意味するものであるので、ハンドセット47がファクシミリ装置本体から実際に上げられた場合は勿論のこと、携帯電話のように通話開始用のスイッチが操作された場合等も含まれるものである。
【0044】
このように構成されたファクシミリ装置1は、回線I/F19を介して、電話回線31に接続されている。この電話回線31は、本ファクシミリ装置1の交換機29に接続され、この交換機29は公衆電話回線32に接続される。
【0045】
半導体化DAA33は、図2に示すように、主に回線終端、ハイブリット、リング信号の検出等の機能を持っている。そして、半導体化DAA33とモデム20との間には、半導体化DAA33とモデム20とを直流的に絶縁し、かつ、データ及び信号等を伝達する絶縁部である絶縁部35が介在している。
【0046】
また、回線I/F部19のうち、半導体化DAA33の以外の構成部品としては、TEL(音声通信)とFAX(画像通信)とを切り換えるためConnect MODEM to Lineリレー36(以下、CMLリレー36と記す。)、整流器37、及び直流ループカット用コンデンサ38a、38b、38c、38d等が設けられている。なお、L1、L2は電話回線31側への端子であり、T1、T2は外付電話機3側への端子である。
【0047】
因みに、FAXデータのA/D変換、D/A変換を行うCODEC40が半導体化DAA33に設けられているので、絶縁部35はディジタル伝達になる。このため、本実施形態では、絶縁部35に高絶縁のコンデンサ35a、35bが用いられる。
【0048】
CMLリレー36は、待機時においては、図2に示すように、外付電話機3側に閉結されており、FAX通信が始まると、混線を防止すべく、CPU11は、CMLリレー制御信号をオフにして外付電話機3を公衆電話回線32から開放する。
【0049】
整流器37は、回線網の直流ループ電流の極性を一方向へ整流するものである。半導体化DAA33の電源は、トランス46を通してモデム20側から供給され、整流器37により整流されて電話回線31の電圧極性に関係なく一定極性の電圧になる。
【0050】
電圧検出回路34は整流器37により整流されて半導体DAA33に供給される電圧を検出するものであり、図2に示すように、整流器37とハイブリッドネットワーク44とを結ぶ接続線とCODEC40とに接続されている。電圧検出回路34による検出結果は、半導体化DAA33から、モデム20を介して、CPU11へ出力される。
【0051】
ハイブリットネットワーク44は、回線網の開放及び閉結を行うためのものであり、電話回線31からのFAXデータを送信又は受信データに分離する2線−4線変換回路、送信データの受信経路への回り込みを抑制するキャンセラー回路、及びフィルタ回路等から構成されている。このハイブリッドネットワーク44には、回線網、CODEC40、シリアルI/F41及びグランドが接続されている。なお、CODEC40との間には、送信アンプ42が介在している。
【0052】
CODEC40は、FAX受信データ及び送信データのA/D変換及びD/A変換を行うためのものであり、このCODEC40には、回線網、外付電話機3、ハイブリッドネットワーク44及びシリアルI/F41が、送信アンプ42又はトーンアンプ43を介して、接続されている。
【0053】
なお、送信アンプ42は、送信データのゲイン調整を行うためのものである。また、トーンアンプ43は差動型の増幅器であり、電話回線31の端子L1、L2に対し、差動入力になっている。
【0054】
そして、CODEC40に電話回線31又は外付電話機3からトーン信号が到来すると、トーンアンプ43→CODEC40→シリアルI/F41→絶縁部35→モデム20の順に流れ、CODEC40から送信されるトーン検出信号がCPU11により検出される。
【0055】
リング検出回路39は、回線網、外付電話機3及びシリアルI/F41に接続されている。そして、リング検出回路39に電話回線31から呼出信号(リング信号)が到来すると、それと同じサイクルで、リング検出信号がリング検出回路39→シリアルI/F41→絶縁部35のコンデンサaを通り、リング検出信号がL(ローレベル)からH(ハイレベル)へ(又はその逆へ)変化することにより、モデム20を介して、CPU11により検出される。
【0056】
トランジスタ45は、電圧検出回路34により検出される回線閉結時の回線電圧が予め定められた電圧電流特性となるように、ベース電位を変えることにより、半導体化DAA33の見かけ上の抵抗値を調整するためのものである。
【0057】
シリアルI/F41は、リング検出回路39からのリング検出信号等の各信号、及びCODEC40からのFAX受信データを、絶縁部35のコンデンサ35bに対しシリアルデータに一本化しながら、電話回線31の閉結、開放を半導体化DAA33に行わせるための制御信号及びCODEC40へのFAX送信データに対し、絶縁部35のコンデンサ35aからのシリアル信号をそれぞれに分離するものである。
【0058】
なお、CODEC49は、ハンドセット47による通話が行われる際に、ハンドセット47とモデム20との間でA/D変換及びD/A変換を行うためのものである。
2.CallerIDの検出制御
次に、本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的制御作動である、CallerIDの検出制御について説明する。なお、以下の制御フローはCPU11により実行されるものである。
【0059】
2.1CallerID検出制御の概要
図3〜図6はCallerID検出制御の概要を示すフローチャートであり、ファクシミリ装置1に電源が投入されると、図3〜図6のフローチャートに示される制御フローが実行され、先ず、図3に示すように、公衆電話回線32の回線電圧変動周期Tが検出される(S1)。
【0060】
なお、ここで、回線電圧変動周期Tを検出するのは、呼出信号は、「事業用電気通信設備規則第31条第2号」等に規定されているように、通常、所定時間以上連続する所定周波数を有する矩形波にて構成されることから、回線電圧変動周期Tを検出すれば、交換機29から呼出信号が発せられたか否かを検出することができるからである。
【0061】
次に、その検出された回線電圧変動周期Tの周波数が所定周波数(本実施形態では、16Hz)以上であるか否かが判定され(S3)、検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数未満であると判定された場合には(S3:NO)、S1に戻って再び回線電圧変動周期Tが検出される。
【0062】
一方、S1にて検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であると判定された場合には(S3:YES)、検出された信号が呼出信号である可能性が高いので、内蔵されたタイマーにより時間(以下、この時間を呼出信号送信時間T1という。)の計測が開始されるとともに(S5)、再び、回線電圧変動周期Tが計測される(S7)。
【0063】
次に、回線電圧変動周期Tの回線電圧変動が所定時間(本実施形態では、500ミリ秒)以上経過したか否かが判定される(S9〜S13)。具体的には、回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であるか否かが判定され(S9)、回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であると判定された場合には、S5にて計測が開始された呼出信号送信時間T1が取得されるとともに(S11)、その取得した呼出信号送信時間T1が所定時間を超えたか否かが判定される(S13)。
【0064】
そして、所定周波数の回線電圧変動周期Tが所定時間を経過した場合(S13:YES)、つまり呼出信号と見なすことができる信号を受信した場合には、現在検出した呼出信号が終了したか否かが判定される(S15、S17)。具体的には、所定周波数の回線電圧変動周期Tが所定時間を経過したときに(S13:YES)、回線電圧変動周期Tが再び検出されるとともに(S15)、その検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であるか否かが判定される(S17)。
【0065】
そして、S15にて検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であると判定された場合には(S17:YES)、呼出信号が未だ終了していないものと見なすことができるので、S15に戻り再び回線電圧変動周期Tが検出される。
【0066】
一方、S15にて検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数未満であると判定された場合には(S17:NO)、呼出信号が終了したものと見なすことができるので、次の制御ステップ、つまりRAM14に記憶されている呼出信号回数に1を加算するとともに(S19)、RAM14に記憶されている呼出信号回数が規定回数(本実施形態では、4回)以上となったか否かが判定される(S21)。
【0067】
そして、RAM14に記憶されている呼出信号回数が規定回数未満であると判定された場合には(S21:NO)、フックスイッチ48の検出信号に基づいてハンドセット47がフックアップされているか否かが判定され(S23)、ハンドセット47がフックアップされていないと判定された場合には(S23:NO)、公衆電話回線32の回線電圧が検出される(S25)。
【0068】
次に、検出された回線電圧(以下、この回線電圧を検出回線電圧Vcという。)が前記判定電圧Vtより低いか否かが判定され(S27)、検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S27:NO)、つまり外付電話機3がフックダウン状態と見なすことができる場合には、CallerIDが既に取得されているか否かが判定される(S29)。なお、CallerIDが既に取得されているか否かの判定は、本実施形態では、CallerIDが既にRAM14に記憶されているか否かに基づいて判定される。
【0069】
そして、CallerIDが既に取得されていると判定された場合には(S29:YES)、S1に戻り、一方、CallerIDが未だ取得されていないと判定された場合には(S29:NO)、CallerIDの取得、及びファクシミリデータの受信又は通話のための処理が実行される(S31)。なお、CallerIDの取得、及びファクシミリデータの受信又は通話のための処理の詳細は後述する。
【0070】
また、S21にて呼出信号回数が規定回数以上であると判定された場合には(S21:YES)、図4に示すように、送信されてきた信号がファクシミリデータを示す音声データ信号(以下、この信号をCNG信号という。)であるか否かが判定される(S33)。
【0071】
このとき、送信されてきた信号がCNG信号であると判定された場合には(S33:YES)、モデム20の設定がファクシミリデータ受信モード(V.21)に設定された後(S35)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S37、S39)。
【0072】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放され(S41)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S43)、S1に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0073】
また、S33にて、送信されてきた信号がCNG信号でないと判定された場合には(S33:NO)、送信されてきた信号は通話信号であると見なすことができるので、外付電話機3及びハンドセット47に呼出信号が送信され(S45)、外付電話機3及びハンドセット47は呼び出し音を発する。
【0074】
次に、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが判定され(S47)、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低い場合には(S47:YES)、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示された後(S49)、外付電話機3による通話が終了したか否かが判定される(S51、S53)。具体的には、公衆電話回線32の回線電圧が検出され(S51)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S53)。
【0075】
そして、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S53:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除されるとともに(S55)、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S43)、S1に戻る。
【0076】
また、S47にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S47:NO)、フックスイッチ48の検出信号に基づいてハンドセット47がフックアップされているか否かが判定される(S57)。
【0077】
ここで、ハンドセット47がフックアップされていると判定された場合には(S57:YES)、モデム20が通話モードに設定された後(S59)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が可能となる(S61、S63)。
【0078】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S65)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S65:YES)、公衆電話回線32が開放され(S67)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S43)、S1に戻る。
【0079】
また、S23(図3参照)にてハンドセット47がフックアップされていると判定された場合には(S23:YES)、図5に示すように、モデム20が通話モードに設定された後(S69)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が可能となる(S71、S73)。
【0080】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S75)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S75:YES)、公衆電話回線32が開放され(S77)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S79)、S1に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0081】
また、S27(図3参照)にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上より低いと判定された場合には(S27:YES)、図6に示すように、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示される(S81)。
【0082】
そして、外付電話機3による通話が終了したか否かが判定される(S83、S85)。すなわち、公衆電話回線32の回線電圧が検出されるとともに(S83)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S85)。
【0083】
このとき、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S85:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除されるとともに(S87)、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S89)、S1に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0084】
2.2CallerIDの取得等のための処理
図7〜図11はCallerIDの取得、及びファクシミリデータの受信又は通話のための処理(図3のS31の詳細)を示すフローチャートであり、この制御フローが起動されると、先ず、モデム20がCallerID受信モード(V.23)に設定されるとともに(S101)、内蔵されたタイマーにより時間(以下、この時間をID受信時間T2という。)の計測が開始される(S103)。
【0085】
次に、公衆電話回線32を介して送信される信号が検出されるとともに(S105)、その検出された信号が、CallerIDを示す信号であるか否かが判定され(S107)、その検出された信号がCallerIDを示す信号でないと判定された場合には(S107:NO)、その検出された信号がCNG信号であるか否かが判定される(S109)。
【0086】
そして、その検出された信号がCNG信号でないと判定された場合には(S109:NO)、公衆電話回線32の回線電圧が検出されるとともに(S111)、その検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが判定される(S113)。
【0087】
このとき、検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S113:NO)、ハンドセット47がフックアップされているか否かが判定され(S115)、ハンドセット47がフックアップされていないと判定された場合には(S115:NO)、ID受信時間T2が計測されるとともに(S117)、その計測されたID受信時間T2が所定時間(本実施形態では、6秒)経過したか否かが判定される(S119)。
【0088】
そして、計測されたID受信時間T2が所定時間未満であると判定された場合には(S119:NO)、S105に戻り、再びCallerIDの検出フローが実施される。一方、計測されたID受信時間T2が所定時間を経過したものと判定された場合には(S121)、CallerID受信モードが解除されて(S121)、本制御フローが終了する。
【0089】
また、S107にて検出された信号がCallerIDを示す信号であると判定された場合には(S107:YES)、図8に示すように、CallerIDが受信され(S123)、その受信したCallerIDがRAM14に記憶されるとともに(S125)、着信履歴としてRAM14に記憶される(S127)。
【0090】
次に、CallerID受信モードが解除されるとともに(S129)、CallerID、つまり発信元電話番号又は発信元ファクシミリ番号、及びその番号に対応する発信元の名前又は名称がLCD5に表示された後(S131)、本制御フローが終了する。
【0091】
因みに、本実施形態では、番号と名前等との関係を示すテーブルが予めEEPROM13に記憶されており、このテーブルと受信したCallerID(発信元電話番号又は発信元ファクシミリ番号)とから発信元の名前又は名称を特定している。
【0092】
また、S109(図7参照)にて検出された信号がCNG信号であると判定された場合には(S109:YES)、図9に示すように、モデム20の設定がCallerID受信モードからファクシミリデータ受信モードに設定変更された後(S133、S135)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S137、S139)。
【0093】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放された後(S141)、本制御フローが終了する。
また、S113(図7参照)にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いと判定された場合には(S113:YES)、図10に示すように、CallerID受信モードが解除されるとともに(S143)、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示される(S145)。
【0094】
そして、外付電話機3による通話が終了したか否かの判定、つまり公衆電話回線32の回線電圧が検出され(S147)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S149)。
【0095】
このとき、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S149:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除された後(S151)、本制御フローが終了する。
【0096】
また、S115(図7参照)にてハンドセット47がフックアップされたものと判定された場合には(S115:YES)、図11に示すように、モデム20の設定がCallerID受信モードからが通話モードに設定変更された後(S153、S155)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が開始される(S157、S159)。
【0097】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S161)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S161:YES)、公衆電話回線32が開放された後(S63)、本制御フローが終了する。
【0098】
なお、図3〜図11に示すフローチャートから明らかなように、本実施形態に係るファクシミリ装置では、CallerIDを検出する前に、ファクシミリデータの受信を行った場合、又は外付電話機3もしくはハンドセット47にて通話を行った場合であっても、こらの行為が終了した後に、CallerIDの検出が再び行われる。
【0099】
3.本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴
本実施形態に係るファクシミリ装置1では、呼出信号が検出された場合であって、かつ、ファクシミリデータの受信、又は外付電話機3もしくはハンドセット47にて通話が行われなかった場合には、最初の呼出信号が終了した後は勿論のこと、2回目以降の呼出信号が終了した後であってもCallerIDの検出が行われる。
【0100】
したがって、仮に、交換機から最初の呼出信号として送信されてきた信号の後にCallerIDが送信されず、2回目以降の呼出信号の後にCallerIDが送信された場合であっても、CallerIDの検出が行われるので、2回目以降の呼出信号の後にCallerIDが送信された場合であっても、CallerIDを検出することができる。
【0101】
また、仮に、交換機から送信される最初の呼出信号の継続時間が例えば500ミリ秒未満である、又は交換機から送信される最初の呼出信号の周波数が16Hz未満となっているためにファクシミリ装置1にて最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、2回目以降の呼出信号に続けてCallerID信号が送信されていれば、CallerIDを検出することができるので、最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、CallerIDを検出することができる。
【0102】
したがって、本実施形態によれば、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することができる。
また、本実施形態に係るファクシミリ装置1では、CallerIDが既に検出されている場合には、再度、CallerIDの検出を行わないので、不必要な制御ステップが実行されることがなく、CPU11の負荷が不必要に増大してしまうことを未然に防止できる。
【0103】
ところで、モデム20がCallerID受信モードとなっている場合には、ファクシミリデータを受信することができないが、本実施形態に係るファクシミリ装置1では、CNG信号を検出した場合には、モデム20をファクシミリモードとしてファクシミリデータの受信を優先させるので、ファクシミリデータを確実に受信することができる。
【0104】
また、本実施形態では、CallerIDを検出している際に、公衆電話回線32の回線電圧(検出回線電圧Vc)が判定電圧Vtより低くなった場合には、CallerID受信モードを解除するので、CallerIDを検出している場合であっても、外付電話機3又はファクシミリ装置1に並列に公衆電話回線32に接続された電話機によって通話をすることができる。
【0105】
また、ハンドセット47はモデム20を介して通話を行うので、モデム20がCallerID受信モードとなっているとき、つまりCallerIDを検出しているときには、ハンドセット47による通話ができない。このため、従来は、モデム20がCallerID受信モードに移行して所定時間(本実施形態では、6秒)が経過するまでは、ハンドセット47による通話ができなかった。
【0106】
これに対して、本実施形態では、ハンドセット47がフックアップされたことが検出されると、CallerID受信モードが解除されて通話モードに移行するので、モデム20がCallerID受信モードに移行して所定時間が経過する前であっても、ハンドセット47により通話を行うことができる。
【0107】
4.実施形態と特許請求の範囲に記載された発明特定事項との対応関係
本実施形態では、リング検出回路39及びS1〜13により呼出信号検出手段が構成され、電圧検出回路34及びS123により識別情報検出手段が構成され、CPU11により発信元識別情報検出制御手段が構成され、S23によりファクシミリ信号検手段が構成され、電圧検出回路34により電圧検出手段が構成され、S53により公衆回線監視手段が構成され、フックスイッチ48によりフック状態検出手段が構成され、LCD5により発信元情報表示手段が構成され、S127により着信履歴記憶手段が構成されている。
【0108】
また、公衆電話回線32を介して送信された信号CNG信号であるか否か、ハンドセット47がフックアップ状態であるか否か、及び検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが、特許請求の範囲に記載された所定条件に相当する。
【0109】
そして、公衆電話回線32を介して送信された信号CNG信号でないば場合、ハンドセット47がフックダウン状態である場合、及び検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上である場合に、特許請求の範囲に記載された所定条件が成立した場合に相当し、公衆電話回線32を介して送信された信号CNG信号である場合、ハンドセット47がフックアップ状態である場合、又は検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低い場合のいずれかの場合には、特許請求の範囲に記載された所定条件が不成立となった場合に相当する。
【0110】
また、本実施形態をプログラム(ソフトウェア)にて実現する場合には、公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段をなすリング検出回路39、及び公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段をなすモデム20を、コンピュータをなすCPU11にて制御することとなる。
【0111】
そして、このような場合においては、S1〜13が呼出信号判定手段に相当し、S21〜S27が条件判定手段に相当し、S31が発信元識別情報検出制御手段に相当することとなる。
【0112】
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に係るファクシミリ装置1において、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いと判定された場合(S47)、つまり外付電話機3により公衆電話回線32が閉結されたと判定された場合に、モデム20の設定をファクシミリデータ受信モードに設定するものである。
【0113】
以下、本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的制御作動について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態に係るフローチャート(図3〜図11)のうち図4に示すフローチャートのみが相違し、他は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態との相違点のみ説明する。
【0114】
図12は、本実施形態における図4に相当するフローチャートであり、S21(図3参照)にて呼出信号回数が規定回数以上であると判定された場合には(S21:YES)、送信されてきた信号がCNG信号であるか否かが判定される(S201)。
【0115】
このとき、送信されてきた信号がCNG信号であると判定された場合には(S201:YES)、モデム20の設定がファクシミリデータ受信モード(V.21)に設定された後(S203)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S205、S207)。
【0116】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放され(S209)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S211)、S21に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0117】
また、S201にて、送信されてきた信号がCNG信号でないと判定された場合には(S201:NO)、送信されてきた信号は通話信号であると見なすことができるので、外付電話機3及びハンドセット47に呼出信号が送信され(S213)、外付電話機3及びハンドセット47は呼び出し音を発する。
【0118】
次に、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが判定され(S215)、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低い場合には(S215:YES)、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示された後(S217)、モデム20の設定がファクシミリデータ受信モードに設定される(S219)。
【0119】
そして、CNG信号、つまりファクシミリ信号の監視が開始され(S221)、CNG信号が検出された場合には(S221:YES)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S223、S225)。なお、このとき、ファクシミリデータの受信と外付電話機3による通話が同時に行われるので、外付電話機3を用いて通をしている者に対して、ファクシミリデータの受信をしている旨を通知するようにしてもよい。
【0120】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放され(S209)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S227)、S21に戻る。
【0121】
一方、S221にてCNG信号が検出されなかった場合には(S221:NO)、外付電話機3による通話が終了したか否かが判定される(S229、S231)。具体的には、公衆電話回線32の回線電圧が検出され(S229)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S231)。
【0122】
そして、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S231:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除されるとともに(S233)、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S221)、S21に戻る。
【0123】
また、S215にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S215:NO)、フックスイッチ48の検出信号に基づいてハンドセット47がフックアップされているか否かが判定される(S235)。
【0124】
ここで、ハンドセット47がフックアップされていると判定された場合には(S235:YES)、モデム20が通話モードに設定された後(S237)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が可能となる(S239、S241)。
【0125】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S243)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S243:YES)、公衆電話回線32が開放され(S245)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S211)、S21に戻る。
【0126】
次に、本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴を説明する。
外付電話機3により公衆電話回線32が閉結されたと判定された場合に、モデム20の設定をファクシミリデータ受信モードに設定するので、外付電話機3等の公衆電話回線32に対してファクシミリ装置1と並列に接続された他の電話機による通話中に、ファクシミリデータが送信されてきた場合であっても、即座にファクシミリデータを受信することがができる。
【0127】
なお、上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、S219が特許請求の範囲に記載されたファクシミリモード移行手段に相当する。
(その他の実施形態)
また、上述の実施形態では、外付電話機3を接続するための外付電話端子T1、T2を有するファクシミリ装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、外付電話端子T1、T2を有しておらず、外付けの分配機等で公衆電話回線32を分配するファクシミリ装置にも適用することができる。
【0128】
また、上述の実施形態では、ハンドセット47を有するファクシミリ装置1であったが、ハンドセット47が無いファクシミリ装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態では、発信元に関する情報(番号や名前等)をLCD5に表示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発信元に関する情報を、例えば音声にてユーザに伝達してもよい。
【0129】
また、上述の実施形態では、着信履歴をRAM14に記憶したが、本発明はこれに限定されるものではなく、着信履歴の記憶を廃止する、又はRAM14以外の記憶装置に記憶する等してもよい。
【0130】
また、上述の実施形態では、判定電圧Vtは、電話回線31が開放状態である場合における回線電圧の基準電圧よりも小さく、かつ、基準電圧との電圧差が所定の電圧差ΔV以上となる電圧値であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これとは逆に、基準電圧よりも大きく、かつ、基準電圧との電圧差が所定の電圧差ΔV以上となる電圧値を判定電圧Vtとしてもよい。
【0131】
また、上述の実施形態では、番号と名前等との関係を示すテーブルを予めEEPROM13に記憶させ、このテーブルと受信したCallerID(発信元電話番号又は発信元ファクシミリ番号)とから発信元の名前又は名称を特定したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0132】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態に係るファクシミリ装置1の電気的構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るファクシミリ装置1の回線I/F部19のブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
1…ファクシミリ装置、3…外付電話機、4…操作パネル、
13a…定常電圧値メモリ、13b…閾値メモリ、14a…回線電圧値メモリ、
14b…判定値メモリ、15…画像メモリ、19…回線I/F部、20…モデム、
21…バッファ、22…スキャナ、23…復号化部、24…復号化部、
25…プリンタ、27…アンプ、28…スピーカ、29…交換機、
30…バスライン、31…電話回線、32…公衆電話回線、34…電圧検出回路、
35…絶縁部、35a…コンデンサ、35b…コンデンサ、36…CMLリレー、
37…整流器、39…リング検出回路、42…送信アンプ、43…トーンアンプ、
44…ハイブリットネットワーク、44…ハイブリッドネットワーク、
45…トランジスタ、46…トランス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼出信号の合間に発呼側電話番号等の発信元識別情報が送信されるサービス等に対応した電話装置に関するものであり、特に、ファクシミリ機能に加えて、プリンタ機能やスキャナ機能等が付加された多機能型のファクシミリ装置に適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
発信元識別情報等を表示する機能として、例えばナンバーディスプレイサービスに対応した電話装置では、交換機から送信された発呼側電話番号を示す情報(信号)を検出する検出シーケンスを作動させて、その検出した発呼側電話番号を電話装置に設けられた表示部に表示している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−177666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、発呼側電話番号等の発信元識別情報は、通常、最初の呼出信号の送信が終了した後に送信されるので、一般的な、発信元識別情報等を表示するとができる電話装置では、最初の呼出信号を検出(受信)した後、その最初の呼出信号の送信が終了したことを検出した時から所定時間が経過するまで、又は次の呼出信号が送信されるまでの1回のみ発信元識別情報を検出する検出シーケンス(以下、識別情報検出シーケンスという。)が実行される。
【0004】
そして、通常の電話装置では、500ミリ秒以上連続する16Hzの矩形波信号を呼出信号と見なすように設定されているので、発信元識別情報等を表示するとができる通常の電話装置では、500ミリ秒以上連続する16Hzの矩形波信号を最初に検出した後、その検出した信号の送信が終了したことを検出した時から識別情報検出シーケンスが実行される。
【0005】
しかし、交換機の種類によっては、呼出信号として最初に送信する信号以前に、500ミリ秒以上続く周波数が16Hzの信号が送信される場合がある。そして、このような場合には、電話装置は、交換機から最初に送信されたきた信号を最初の呼出信号として検出してしまうので、交換機が最初の呼出信号を送信する以前に識別情報検出シーケンスが作動してしまい、当然、交換機からは発信元識別情報は送信されてこないため発信元識別情報を検出することができない。
【0006】
また、識別情報検出シーケンスは、最初の呼出信号の送信が終了した後、1回のみ作動するので、最初のの呼出信号の送信が終了した後、発信元識別情報が送信されているときに識別情報検出シーケンスが作動しないこととなり、発信元識別情報を検出することができない。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段と、公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段と、識別情報検出手段の作動を制御する発信元識別情報検出制御手段とを有し、発信元識別情報検出制御手段は、呼出信号検出手段が呼出信号を検出した場合であって、かつ、所定条件が成立した場合には、識別情報検出手段を作動させ、一方、呼出信号検出手段により呼出信号を検出されなかった場合、又は所定条件が不成立の場合には、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする。
【0009】
これにより、本発明では、交換機から最初に送信されてきた信号を呼出信号として検出してしまった場合、すなわち、このの後には当然発信元識別情報が送信されず、2回目以降の呼出信号として検出した信号の後に発信元識別情報が送信された場合であっても、前記所定条件が成立すれば、識別情報検出手段が作動するので、2回目以降の呼出信号として検出した信号の後に発信元識別情報が送信された場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。
【0010】
また、仮に、交換機から送信される最初の呼出信号の継続時間が例えば500ミリ秒未満である、又は交換機から送信される最初の呼出信号の周波数が16Hzと異なっているために電話装置側にて最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、前記所定条件が成立すれば、2回目以降の呼出信号に続けて発信元識別情報が送信されていれば発信元識別情報を検出することができるので、最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。
【0011】
したがって、本発明によれば、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することができる。
請求項2に記載の発明では、発信元識別情報検出制御手段は、発信元識別情報が既に検出されているときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする。
【0012】
これにより、発信元識別情報が既に検出されているのにも拘わらず、識別情報検出手段が作動してしまうことを防止できるので、不必要に識別情報検出手段が作動してしまうことを未然に防止できる。
【0013】
ところで、ファクシミリ機能を備える従来の電話装置では、最初の呼出信号を検出すると、その時点で識別情報検出手段が作動し始め、識別情報検出手段が停止しない限り、ファクシミリデータを受信することができなかった。
【0014】
これに対して、請求項3に記載の発明では、ファクシミリ信号を検出するファクシミリ信号検出手段を有し、発信元識別情報検出制御手段は、ファクシミリ信号検出手段によりファクシミリ信号が検出されたときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴としているので、識別情報検出手段が作動している場合、又は作動しようとする場合であっても、ファクシミリデータを受信することができる。
【0015】
また、電話装置に電話機が接続されている場合、又は電話装置と並列に電話機が公衆電話回線に接続されている場合において、従来の電話装置では、最初の呼出信号を検出すると、その時点で識別情報検出手段が作動し始め、識別情報検出手段が停止しない限り、接続された他の電話機による通話をすることができなかった。
【0016】
これに対して、請求項4に記載の発明では、公衆電話回線の回線電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段が検出した電圧と基準電圧との電圧差に基づいて、公衆電話回線が閉結されているか否かを判定する公衆回線監視手段とを有し、発信元識別情報検出制御手段は、公衆回線監視手段により公衆電話回線が閉結されていると判定されたときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴としているので、識別情報検出手段が作動している場合、又は作動しようとする場合であっても、接続された他の電話機による通話をすることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明では、公衆回線監視手段により公衆電話回線が閉結されていると判定された場合に、ファクシミリデータを受信可能な状態とするファクシミリモード移行手段を有しているので、仮に、接続された他の電話機による通話中に、ファクシミリデータが送信されてきた場合であっても、即座にファクシミリデータを受信することがができる。
【0018】
また、従来の電話装置では、最初の呼出信号を検出すると、その時点で識別情報検出手段が作動し始め、識別情報検出手段が停止しない限り、内蔵された通話用の送受信器を用いて通話をすることができなかった。
【0019】
これに対して、請求項6に記載の発明では、通話用の送受話器が上げられた否かを検出するフック状態検出手段を有し、発信元識別情報検出制御手段は、フック状態検出手段により送受話器が上げられた状態であると判定されたときは、所定条件が不成立の場合であるとして、識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴としているので、識別情報検出手段が作動している場合、又は作動しようとする場合であっても、通話用の送受話器を用いて通話をすることができる。
【0020】
なお、請求項7に記載の発明のごとく、発信元識別情報検出制御手段が検出した発信元識別情報に基づいて、発信元の情報を表示する発信元情報表示手段を設けてもよい。
また、請求項8に記載の発明のごとく、発信元識別情報検出制御手段が検出した発信元識別情報に基づいて、着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段を設けてもよい。
【0021】
請求項9に記載の発明では、公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段、及び公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段を有する電話装置に内蔵されるコンピュータを、識別情報検出手段の作動を制御する識別情報検出制御装置として機能させる電話装置制御プログラムであって、コンピュータを、呼出信号検出手段により呼出信号が検出されたか否かを判定する呼出信号判定手段識別情報検出手段を作動させるための所定条件が成立したか否かを判定する条件判定手段、並びに呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、条件判定手段により所定条件が成立したものと判定された場合には、識別情報検出手段を作動させ、一方、呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、条件判定手段により所定条件が不成立であると判定された場合には、識別情報検出手段を停止又は作動させない発信元識別情報検出制御手段、として機能させることを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項1に記載の発明と同様に、2回目以降の呼出信号の後に発信元識別情報が送信された場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。また、最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、発信元識別情報を検出することができる。したがって、本発明も、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る電話装置を、プリンタ機能やスキャナ機能等が付加された多機能型のファクシミリ装置に適用したものであるり、図1は、本発明の実施形態に係るファクシミリ装置1の電気的構成を示したブロック図であり、図2は回線I/F部19のブロック図である。
【0024】
1.ファクシミリ装置1の概要
ファクシミリ装置1には、図1に示すように、CPU11、ROM12、EEPROM13、RAM14、画像メモリ15、回線I/F部19、モデム20、バッファ21、スキャナ22、符号化部23、及び復号化部24等から構成されるファクシミリ回路、並びにプリンタ25、操作パネル4、LCD(液晶表示パネル)5、アンプ27及び通話用のハンドセット47が設けられており、これらがバスライン30を介して互いに接続されている。
【0025】
なお、LCD5は、CPU11から指令信号に基づいて、様々な情報を文字又は画像を通じてユーザに向けて発するものであり、その情報としては、例えば、ファクシミリ回路に対して並列に公衆電話回線32に接続された外付電話機3が使用中である旨、FAXデータを送受信中である旨、又は発信元の電話番号もしくはファクシミリ番号や発信元の名前もしくは名称等の発信元の情報等が挙げられる。
【0026】
回線I/F部19は、回線制御を行うためのものであり、図2に示すように、半導体化DAA33を有して構成されており、この回線I/F部19は、交換機29から送られる呼出信号(リング信号)や相手側装置の電話番号等の発信元識別情報(以下、発信元識別情報をCallerIDという。)を示す信号等の各種信号を受信するとともに、操作パネル4上のキーの操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機29へ送信する。
【0027】
また、回線I/F部19には、外付電話機3をファクシミリ回路に対して並列に公衆電話回線32に接続するための外付電話端子T1、T2が設けられており、ファクシミリ装置1(ファクシミリ回路)及び外付電話機3は、この回線I/F部19を介して電話回線31に接続される。
【0028】
なお、CPU11は、回線I/F部19を介して送受信される各種信号に従って、バスライン30により接続された各部を制御し、ファクシミリ動作、すなわち、画像データ等の送受信(データ通信)等を実行するコンピュータを構成するものである。ROM12は、このファクシミリ装置1で実行される制御プログラム等を格納した書換不能記憶装置であり、このROM12には、図3〜図11に示されるフローチャートを実行するプログラムが格納されている。
【0029】
RAM14は、ファクシミリ装置1の各動作の実行時に各種のデータや着信履歴等を記憶するための随時読込書換可能記憶装置であり、このRAM14は、回線電圧値メモリ14a及び判定値メモリ14b等から構成されている。
【0030】
回線電圧値メモリ14aは、電話回線31の開放時、すなわち半導体化DAA33において、回線網を制御するための直流回路が開放された状態である時に半導体化DAA33に供給される電圧値を記憶するメモリであり、この回線電圧値メモリ14aは、電話回線31の開放時において、電圧検出回路34(図2参照)により検出された電圧値を、その検出順に記憶する。因みに、電圧検出回路34は、公衆電話回線32の回線電圧を検出する電圧検出手段を構成するものである。
【0031】
なお、本実施形態に係る回線電圧メモリは、複数個(例えば、10個)の電圧値を記憶することができ、この回線電圧値メモリ14aに記憶された複数個の電圧値は、その記憶された複数個の電圧値の平均値が算出された後、回線電圧値メモリ14aから消去される。そして、その算出された電圧値の平均値が定常時の待機電圧値Vrとして、後述する定常電圧値メモリ13aに記憶される。
【0032】
また、判定値メモリ14bは、外付電話機3がフックアップ状態であるか又はフックダウン状態であるかを判定するための判断基準値となる判定電圧Vtを記憶するメモリである。この判定電圧Vtは、電話回線31が開放状態である場合における回線電圧の基準電圧よりも小さく、かつ、基準電圧との電圧差が所定の電圧差ΔV以上となる電圧値である。なお、本実施形態では、基準電圧として、前記の待機電圧値Vrを採用している。
【0033】
因みに、外付電話機3がフックアップ状態であるとは、外付電話機3が公衆電話回線32を閉結している状態(オンフック状態)をいい、外付電話機3がフックダウン状態であるとは、外付電話機3が公衆電話回線32を開放している状態(オフフック状態)をいう。。
【0034】
また、図1中、EEPROM13は、定常電圧値メモリ13a及び閾値メモリ13b等を有して構成されたもので、ファクシミリ装置1の電源が遮断された後も書き込まれた(記憶された)データを保持することができる書換可能な不揮発性記憶装置である。
【0035】
定常電圧値メモリ13aは、上記回線電圧値メモリ14aに記憶された10個分の電圧値の平均値である待機電圧値Vrを記憶するためのメモリであり、この定常電圧値メモリ13aは、回線電圧値メモリ14aに10個の電圧値が記憶されると、その10個の電圧値から算出される平均値により更新されるので、電話回線31が開放状態である間は定期的に更新される。
【0036】
閾値メモリ13bは、外付電話機3のフックアップを判定するため判定電圧Vtを算出するための係数Ct(例えば、0.5)を記憶する記憶装置である。つまり、本実施形態において判定電圧Vtは、定常電圧値メモリ13aに記憶された待機電圧値Vrに、閾値メモリ13bに記憶された係数Ctを乗算した値として算出された後、判定値メモリ14bに記憶される。因みに、本実施形態では、閾値メモリ13bに記憶される係数Ctは、ユーザやサービスマンが操作パネル4を操作することにより、変更することができる。
【0037】
画像メモリ15は、画像データ及び印刷のためのビットイメージを記憶するための記憶装置であり、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。そして、受信された画像データは、一旦画像メモリ15に記憶され、プリンタ25によって記録紙に印刷された後に、この画像メモリ15から消去される。また、スキャナ22によって読み取られた画像データも、この画像メモリ15に記憶される。
【0038】
モデム20は、画情報及び通信データを変調及び復調して伝送するとともに、伝送制御用の各種手順信号を送受信するためのものである。バッファ21は、相手側装置との間で送受信される符号化された画情報を含むデータを一時的に記憶するためのものである。
【0039】
スキャナ22は、原稿挿入口に挿入された原稿を画像データとして読み取るためのものであり、原稿搬送用モータを備えている。符号化部23は、スキャナ22により読み取られた画像データの符号化を行うものである。
【0040】
復号化部24は、バッファ21又は画像メモリ15に記憶された画像データを読み出して、これを復号化するものであり、復号化されたデータは、プリンタ25により記録紙に印刷される。アンプ27は、そのアンプ27に接続されたスピーカ28を鳴動して、呼出音や音声を出力するためのものである。
【0041】
因みに、本実施形態に係るプリンタ25は、記録紙を搬送する記録紙用搬送モータ、印字ヘッドを搭載したキャリッジを移動させるキャリッジモータ、及び記録紙へインクを吐出する印字ヘッド等を備えた、周知のインクジェット方式のプリンタで構成されている。
【0042】
また、ハンドセット47は、送信された音声信号を再生するスピーカと通話者が発する音声をピックアップするマイクロフォン等とが一体化された通話用の送受話器であり、このハンドセット47又はファクシミリ装置本体には、図2に示すように、ハンドセット47が上げられたか否かを検出するフック状態検出手段をなすフックスイッチ48が設けられている。そして、ハンドセット47が上げられた場合、つまりハンドセット47がフックアップされた場合には、フックスイッチ48からCPU11にオン信号が入力される。
【0043】
なお、「ハンドセット47が上げられた」とは、ユーザがハンドセット47による通話をしようとしたことを意味するものであるので、ハンドセット47がファクシミリ装置本体から実際に上げられた場合は勿論のこと、携帯電話のように通話開始用のスイッチが操作された場合等も含まれるものである。
【0044】
このように構成されたファクシミリ装置1は、回線I/F19を介して、電話回線31に接続されている。この電話回線31は、本ファクシミリ装置1の交換機29に接続され、この交換機29は公衆電話回線32に接続される。
【0045】
半導体化DAA33は、図2に示すように、主に回線終端、ハイブリット、リング信号の検出等の機能を持っている。そして、半導体化DAA33とモデム20との間には、半導体化DAA33とモデム20とを直流的に絶縁し、かつ、データ及び信号等を伝達する絶縁部である絶縁部35が介在している。
【0046】
また、回線I/F部19のうち、半導体化DAA33の以外の構成部品としては、TEL(音声通信)とFAX(画像通信)とを切り換えるためConnect MODEM to Lineリレー36(以下、CMLリレー36と記す。)、整流器37、及び直流ループカット用コンデンサ38a、38b、38c、38d等が設けられている。なお、L1、L2は電話回線31側への端子であり、T1、T2は外付電話機3側への端子である。
【0047】
因みに、FAXデータのA/D変換、D/A変換を行うCODEC40が半導体化DAA33に設けられているので、絶縁部35はディジタル伝達になる。このため、本実施形態では、絶縁部35に高絶縁のコンデンサ35a、35bが用いられる。
【0048】
CMLリレー36は、待機時においては、図2に示すように、外付電話機3側に閉結されており、FAX通信が始まると、混線を防止すべく、CPU11は、CMLリレー制御信号をオフにして外付電話機3を公衆電話回線32から開放する。
【0049】
整流器37は、回線網の直流ループ電流の極性を一方向へ整流するものである。半導体化DAA33の電源は、トランス46を通してモデム20側から供給され、整流器37により整流されて電話回線31の電圧極性に関係なく一定極性の電圧になる。
【0050】
電圧検出回路34は整流器37により整流されて半導体DAA33に供給される電圧を検出するものであり、図2に示すように、整流器37とハイブリッドネットワーク44とを結ぶ接続線とCODEC40とに接続されている。電圧検出回路34による検出結果は、半導体化DAA33から、モデム20を介して、CPU11へ出力される。
【0051】
ハイブリットネットワーク44は、回線網の開放及び閉結を行うためのものであり、電話回線31からのFAXデータを送信又は受信データに分離する2線−4線変換回路、送信データの受信経路への回り込みを抑制するキャンセラー回路、及びフィルタ回路等から構成されている。このハイブリッドネットワーク44には、回線網、CODEC40、シリアルI/F41及びグランドが接続されている。なお、CODEC40との間には、送信アンプ42が介在している。
【0052】
CODEC40は、FAX受信データ及び送信データのA/D変換及びD/A変換を行うためのものであり、このCODEC40には、回線網、外付電話機3、ハイブリッドネットワーク44及びシリアルI/F41が、送信アンプ42又はトーンアンプ43を介して、接続されている。
【0053】
なお、送信アンプ42は、送信データのゲイン調整を行うためのものである。また、トーンアンプ43は差動型の増幅器であり、電話回線31の端子L1、L2に対し、差動入力になっている。
【0054】
そして、CODEC40に電話回線31又は外付電話機3からトーン信号が到来すると、トーンアンプ43→CODEC40→シリアルI/F41→絶縁部35→モデム20の順に流れ、CODEC40から送信されるトーン検出信号がCPU11により検出される。
【0055】
リング検出回路39は、回線網、外付電話機3及びシリアルI/F41に接続されている。そして、リング検出回路39に電話回線31から呼出信号(リング信号)が到来すると、それと同じサイクルで、リング検出信号がリング検出回路39→シリアルI/F41→絶縁部35のコンデンサaを通り、リング検出信号がL(ローレベル)からH(ハイレベル)へ(又はその逆へ)変化することにより、モデム20を介して、CPU11により検出される。
【0056】
トランジスタ45は、電圧検出回路34により検出される回線閉結時の回線電圧が予め定められた電圧電流特性となるように、ベース電位を変えることにより、半導体化DAA33の見かけ上の抵抗値を調整するためのものである。
【0057】
シリアルI/F41は、リング検出回路39からのリング検出信号等の各信号、及びCODEC40からのFAX受信データを、絶縁部35のコンデンサ35bに対しシリアルデータに一本化しながら、電話回線31の閉結、開放を半導体化DAA33に行わせるための制御信号及びCODEC40へのFAX送信データに対し、絶縁部35のコンデンサ35aからのシリアル信号をそれぞれに分離するものである。
【0058】
なお、CODEC49は、ハンドセット47による通話が行われる際に、ハンドセット47とモデム20との間でA/D変換及びD/A変換を行うためのものである。
2.CallerIDの検出制御
次に、本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的制御作動である、CallerIDの検出制御について説明する。なお、以下の制御フローはCPU11により実行されるものである。
【0059】
2.1CallerID検出制御の概要
図3〜図6はCallerID検出制御の概要を示すフローチャートであり、ファクシミリ装置1に電源が投入されると、図3〜図6のフローチャートに示される制御フローが実行され、先ず、図3に示すように、公衆電話回線32の回線電圧変動周期Tが検出される(S1)。
【0060】
なお、ここで、回線電圧変動周期Tを検出するのは、呼出信号は、「事業用電気通信設備規則第31条第2号」等に規定されているように、通常、所定時間以上連続する所定周波数を有する矩形波にて構成されることから、回線電圧変動周期Tを検出すれば、交換機29から呼出信号が発せられたか否かを検出することができるからである。
【0061】
次に、その検出された回線電圧変動周期Tの周波数が所定周波数(本実施形態では、16Hz)以上であるか否かが判定され(S3)、検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数未満であると判定された場合には(S3:NO)、S1に戻って再び回線電圧変動周期Tが検出される。
【0062】
一方、S1にて検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であると判定された場合には(S3:YES)、検出された信号が呼出信号である可能性が高いので、内蔵されたタイマーにより時間(以下、この時間を呼出信号送信時間T1という。)の計測が開始されるとともに(S5)、再び、回線電圧変動周期Tが計測される(S7)。
【0063】
次に、回線電圧変動周期Tの回線電圧変動が所定時間(本実施形態では、500ミリ秒)以上経過したか否かが判定される(S9〜S13)。具体的には、回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であるか否かが判定され(S9)、回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であると判定された場合には、S5にて計測が開始された呼出信号送信時間T1が取得されるとともに(S11)、その取得した呼出信号送信時間T1が所定時間を超えたか否かが判定される(S13)。
【0064】
そして、所定周波数の回線電圧変動周期Tが所定時間を経過した場合(S13:YES)、つまり呼出信号と見なすことができる信号を受信した場合には、現在検出した呼出信号が終了したか否かが判定される(S15、S17)。具体的には、所定周波数の回線電圧変動周期Tが所定時間を経過したときに(S13:YES)、回線電圧変動周期Tが再び検出されるとともに(S15)、その検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であるか否かが判定される(S17)。
【0065】
そして、S15にて検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数以上であると判定された場合には(S17:YES)、呼出信号が未だ終了していないものと見なすことができるので、S15に戻り再び回線電圧変動周期Tが検出される。
【0066】
一方、S15にて検出された回線電圧変動周期Tが所定周波数未満であると判定された場合には(S17:NO)、呼出信号が終了したものと見なすことができるので、次の制御ステップ、つまりRAM14に記憶されている呼出信号回数に1を加算するとともに(S19)、RAM14に記憶されている呼出信号回数が規定回数(本実施形態では、4回)以上となったか否かが判定される(S21)。
【0067】
そして、RAM14に記憶されている呼出信号回数が規定回数未満であると判定された場合には(S21:NO)、フックスイッチ48の検出信号に基づいてハンドセット47がフックアップされているか否かが判定され(S23)、ハンドセット47がフックアップされていないと判定された場合には(S23:NO)、公衆電話回線32の回線電圧が検出される(S25)。
【0068】
次に、検出された回線電圧(以下、この回線電圧を検出回線電圧Vcという。)が前記判定電圧Vtより低いか否かが判定され(S27)、検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S27:NO)、つまり外付電話機3がフックダウン状態と見なすことができる場合には、CallerIDが既に取得されているか否かが判定される(S29)。なお、CallerIDが既に取得されているか否かの判定は、本実施形態では、CallerIDが既にRAM14に記憶されているか否かに基づいて判定される。
【0069】
そして、CallerIDが既に取得されていると判定された場合には(S29:YES)、S1に戻り、一方、CallerIDが未だ取得されていないと判定された場合には(S29:NO)、CallerIDの取得、及びファクシミリデータの受信又は通話のための処理が実行される(S31)。なお、CallerIDの取得、及びファクシミリデータの受信又は通話のための処理の詳細は後述する。
【0070】
また、S21にて呼出信号回数が規定回数以上であると判定された場合には(S21:YES)、図4に示すように、送信されてきた信号がファクシミリデータを示す音声データ信号(以下、この信号をCNG信号という。)であるか否かが判定される(S33)。
【0071】
このとき、送信されてきた信号がCNG信号であると判定された場合には(S33:YES)、モデム20の設定がファクシミリデータ受信モード(V.21)に設定された後(S35)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S37、S39)。
【0072】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放され(S41)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S43)、S1に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0073】
また、S33にて、送信されてきた信号がCNG信号でないと判定された場合には(S33:NO)、送信されてきた信号は通話信号であると見なすことができるので、外付電話機3及びハンドセット47に呼出信号が送信され(S45)、外付電話機3及びハンドセット47は呼び出し音を発する。
【0074】
次に、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが判定され(S47)、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低い場合には(S47:YES)、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示された後(S49)、外付電話機3による通話が終了したか否かが判定される(S51、S53)。具体的には、公衆電話回線32の回線電圧が検出され(S51)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S53)。
【0075】
そして、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S53:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除されるとともに(S55)、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S43)、S1に戻る。
【0076】
また、S47にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S47:NO)、フックスイッチ48の検出信号に基づいてハンドセット47がフックアップされているか否かが判定される(S57)。
【0077】
ここで、ハンドセット47がフックアップされていると判定された場合には(S57:YES)、モデム20が通話モードに設定された後(S59)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が可能となる(S61、S63)。
【0078】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S65)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S65:YES)、公衆電話回線32が開放され(S67)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S43)、S1に戻る。
【0079】
また、S23(図3参照)にてハンドセット47がフックアップされていると判定された場合には(S23:YES)、図5に示すように、モデム20が通話モードに設定された後(S69)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が可能となる(S71、S73)。
【0080】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S75)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S75:YES)、公衆電話回線32が開放され(S77)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S79)、S1に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0081】
また、S27(図3参照)にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上より低いと判定された場合には(S27:YES)、図6に示すように、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示される(S81)。
【0082】
そして、外付電話機3による通話が終了したか否かが判定される(S83、S85)。すなわち、公衆電話回線32の回線電圧が検出されるとともに(S83)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S85)。
【0083】
このとき、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S85:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除されるとともに(S87)、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S89)、S1に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0084】
2.2CallerIDの取得等のための処理
図7〜図11はCallerIDの取得、及びファクシミリデータの受信又は通話のための処理(図3のS31の詳細)を示すフローチャートであり、この制御フローが起動されると、先ず、モデム20がCallerID受信モード(V.23)に設定されるとともに(S101)、内蔵されたタイマーにより時間(以下、この時間をID受信時間T2という。)の計測が開始される(S103)。
【0085】
次に、公衆電話回線32を介して送信される信号が検出されるとともに(S105)、その検出された信号が、CallerIDを示す信号であるか否かが判定され(S107)、その検出された信号がCallerIDを示す信号でないと判定された場合には(S107:NO)、その検出された信号がCNG信号であるか否かが判定される(S109)。
【0086】
そして、その検出された信号がCNG信号でないと判定された場合には(S109:NO)、公衆電話回線32の回線電圧が検出されるとともに(S111)、その検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが判定される(S113)。
【0087】
このとき、検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S113:NO)、ハンドセット47がフックアップされているか否かが判定され(S115)、ハンドセット47がフックアップされていないと判定された場合には(S115:NO)、ID受信時間T2が計測されるとともに(S117)、その計測されたID受信時間T2が所定時間(本実施形態では、6秒)経過したか否かが判定される(S119)。
【0088】
そして、計測されたID受信時間T2が所定時間未満であると判定された場合には(S119:NO)、S105に戻り、再びCallerIDの検出フローが実施される。一方、計測されたID受信時間T2が所定時間を経過したものと判定された場合には(S121)、CallerID受信モードが解除されて(S121)、本制御フローが終了する。
【0089】
また、S107にて検出された信号がCallerIDを示す信号であると判定された場合には(S107:YES)、図8に示すように、CallerIDが受信され(S123)、その受信したCallerIDがRAM14に記憶されるとともに(S125)、着信履歴としてRAM14に記憶される(S127)。
【0090】
次に、CallerID受信モードが解除されるとともに(S129)、CallerID、つまり発信元電話番号又は発信元ファクシミリ番号、及びその番号に対応する発信元の名前又は名称がLCD5に表示された後(S131)、本制御フローが終了する。
【0091】
因みに、本実施形態では、番号と名前等との関係を示すテーブルが予めEEPROM13に記憶されており、このテーブルと受信したCallerID(発信元電話番号又は発信元ファクシミリ番号)とから発信元の名前又は名称を特定している。
【0092】
また、S109(図7参照)にて検出された信号がCNG信号であると判定された場合には(S109:YES)、図9に示すように、モデム20の設定がCallerID受信モードからファクシミリデータ受信モードに設定変更された後(S133、S135)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S137、S139)。
【0093】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放された後(S141)、本制御フローが終了する。
また、S113(図7参照)にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いと判定された場合には(S113:YES)、図10に示すように、CallerID受信モードが解除されるとともに(S143)、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示される(S145)。
【0094】
そして、外付電話機3による通話が終了したか否かの判定、つまり公衆電話回線32の回線電圧が検出され(S147)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S149)。
【0095】
このとき、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S149:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除された後(S151)、本制御フローが終了する。
【0096】
また、S115(図7参照)にてハンドセット47がフックアップされたものと判定された場合には(S115:YES)、図11に示すように、モデム20の設定がCallerID受信モードからが通話モードに設定変更された後(S153、S155)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が開始される(S157、S159)。
【0097】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S161)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S161:YES)、公衆電話回線32が開放された後(S63)、本制御フローが終了する。
【0098】
なお、図3〜図11に示すフローチャートから明らかなように、本実施形態に係るファクシミリ装置では、CallerIDを検出する前に、ファクシミリデータの受信を行った場合、又は外付電話機3もしくはハンドセット47にて通話を行った場合であっても、こらの行為が終了した後に、CallerIDの検出が再び行われる。
【0099】
3.本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴
本実施形態に係るファクシミリ装置1では、呼出信号が検出された場合であって、かつ、ファクシミリデータの受信、又は外付電話機3もしくはハンドセット47にて通話が行われなかった場合には、最初の呼出信号が終了した後は勿論のこと、2回目以降の呼出信号が終了した後であってもCallerIDの検出が行われる。
【0100】
したがって、仮に、交換機から最初の呼出信号として送信されてきた信号の後にCallerIDが送信されず、2回目以降の呼出信号の後にCallerIDが送信された場合であっても、CallerIDの検出が行われるので、2回目以降の呼出信号の後にCallerIDが送信された場合であっても、CallerIDを検出することができる。
【0101】
また、仮に、交換機から送信される最初の呼出信号の継続時間が例えば500ミリ秒未満である、又は交換機から送信される最初の呼出信号の周波数が16Hz未満となっているためにファクシミリ装置1にて最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、2回目以降の呼出信号に続けてCallerID信号が送信されていれば、CallerIDを検出することができるので、最初の呼出信号を検出することができない場合であっても、CallerIDを検出することができる。
【0102】
したがって、本実施形態によれば、交換機の種類によらず、発信元識別情報を確実に検出することができる。
また、本実施形態に係るファクシミリ装置1では、CallerIDが既に検出されている場合には、再度、CallerIDの検出を行わないので、不必要な制御ステップが実行されることがなく、CPU11の負荷が不必要に増大してしまうことを未然に防止できる。
【0103】
ところで、モデム20がCallerID受信モードとなっている場合には、ファクシミリデータを受信することができないが、本実施形態に係るファクシミリ装置1では、CNG信号を検出した場合には、モデム20をファクシミリモードとしてファクシミリデータの受信を優先させるので、ファクシミリデータを確実に受信することができる。
【0104】
また、本実施形態では、CallerIDを検出している際に、公衆電話回線32の回線電圧(検出回線電圧Vc)が判定電圧Vtより低くなった場合には、CallerID受信モードを解除するので、CallerIDを検出している場合であっても、外付電話機3又はファクシミリ装置1に並列に公衆電話回線32に接続された電話機によって通話をすることができる。
【0105】
また、ハンドセット47はモデム20を介して通話を行うので、モデム20がCallerID受信モードとなっているとき、つまりCallerIDを検出しているときには、ハンドセット47による通話ができない。このため、従来は、モデム20がCallerID受信モードに移行して所定時間(本実施形態では、6秒)が経過するまでは、ハンドセット47による通話ができなかった。
【0106】
これに対して、本実施形態では、ハンドセット47がフックアップされたことが検出されると、CallerID受信モードが解除されて通話モードに移行するので、モデム20がCallerID受信モードに移行して所定時間が経過する前であっても、ハンドセット47により通話を行うことができる。
【0107】
4.実施形態と特許請求の範囲に記載された発明特定事項との対応関係
本実施形態では、リング検出回路39及びS1〜13により呼出信号検出手段が構成され、電圧検出回路34及びS123により識別情報検出手段が構成され、CPU11により発信元識別情報検出制御手段が構成され、S23によりファクシミリ信号検手段が構成され、電圧検出回路34により電圧検出手段が構成され、S53により公衆回線監視手段が構成され、フックスイッチ48によりフック状態検出手段が構成され、LCD5により発信元情報表示手段が構成され、S127により着信履歴記憶手段が構成されている。
【0108】
また、公衆電話回線32を介して送信された信号CNG信号であるか否か、ハンドセット47がフックアップ状態であるか否か、及び検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが、特許請求の範囲に記載された所定条件に相当する。
【0109】
そして、公衆電話回線32を介して送信された信号CNG信号でないば場合、ハンドセット47がフックダウン状態である場合、及び検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上である場合に、特許請求の範囲に記載された所定条件が成立した場合に相当し、公衆電話回線32を介して送信された信号CNG信号である場合、ハンドセット47がフックアップ状態である場合、又は検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低い場合のいずれかの場合には、特許請求の範囲に記載された所定条件が不成立となった場合に相当する。
【0110】
また、本実施形態をプログラム(ソフトウェア)にて実現する場合には、公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段をなすリング検出回路39、及び公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段をなすモデム20を、コンピュータをなすCPU11にて制御することとなる。
【0111】
そして、このような場合においては、S1〜13が呼出信号判定手段に相当し、S21〜S27が条件判定手段に相当し、S31が発信元識別情報検出制御手段に相当することとなる。
【0112】
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に係るファクシミリ装置1において、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いと判定された場合(S47)、つまり外付電話機3により公衆電話回線32が閉結されたと判定された場合に、モデム20の設定をファクシミリデータ受信モードに設定するものである。
【0113】
以下、本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的制御作動について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態に係るフローチャート(図3〜図11)のうち図4に示すフローチャートのみが相違し、他は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態との相違点のみ説明する。
【0114】
図12は、本実施形態における図4に相当するフローチャートであり、S21(図3参照)にて呼出信号回数が規定回数以上であると判定された場合には(S21:YES)、送信されてきた信号がCNG信号であるか否かが判定される(S201)。
【0115】
このとき、送信されてきた信号がCNG信号であると判定された場合には(S201:YES)、モデム20の設定がファクシミリデータ受信モード(V.21)に設定された後(S203)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S205、S207)。
【0116】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放され(S209)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S211)、S21に戻る。なお、RAM14にCallerIDが記憶されていないときは、呼出信号回数のみが削除される。
【0117】
また、S201にて、送信されてきた信号がCNG信号でないと判定された場合には(S201:NO)、送信されてきた信号は通話信号であると見なすことができるので、外付電話機3及びハンドセット47に呼出信号が送信され(S213)、外付電話機3及びハンドセット47は呼び出し音を発する。
【0118】
次に、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低いか否かが判定され(S215)、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより低い場合には(S215:YES)、「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示がLCD5に表示された後(S217)、モデム20の設定がファクシミリデータ受信モードに設定される(S219)。
【0119】
そして、CNG信号、つまりファクシミリ信号の監視が開始され(S221)、CNG信号が検出された場合には(S221:YES)、公衆電話回線32が閉結されてファクシミリデータの受信が開始される(S223、S225)。なお、このとき、ファクシミリデータの受信と外付電話機3による通話が同時に行われるので、外付電話機3を用いて通をしている者に対して、ファクシミリデータの受信をしている旨を通知するようにしてもよい。
【0120】
そして、ファクシミリデータの受信が終了すると、公衆電話回線32が開放され(S209)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S227)、S21に戻る。
【0121】
一方、S221にてCNG信号が検出されなかった場合には(S221:NO)、外付電話機3による通話が終了したか否かが判定される(S229、S231)。具体的には、公衆電話回線32の回線電圧が検出され(S229)、その検出した検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いか否かが判定される(S231)。
【0122】
そして、検出回線電圧Vcが判定電圧Vtより高いと判定された場合には(S231:YES)、外付電話機3による通話が終了したものと見なされて「ソトヅケデンワシヨウチュウ」といった旨の表示が解除されるとともに(S233)、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S221)、S21に戻る。
【0123】
また、S215にて検出回線電圧Vcが判定電圧Vt以上であると判定された場合には(S215:NO)、フックスイッチ48の検出信号に基づいてハンドセット47がフックアップされているか否かが判定される(S235)。
【0124】
ここで、ハンドセット47がフックアップされていると判定された場合には(S235:YES)、モデム20が通話モードに設定された後(S237)、公衆電話回線32が閉結されてハンドセット47による通話が可能となる(S239、S241)。
【0125】
そして、ハンドセット47による通話が終了したか否か、つまりハンドセット47がフックダウンされたか否かが判定され(S243)、ハンドセット47による通話が終了したものと判定された場合には(S243:YES)、公衆電話回線32が開放され(S245)、かつ、RAM14に記憶されているCallerID及び呼出信号回数が削除された後(S211)、S21に戻る。
【0126】
次に、本実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴を説明する。
外付電話機3により公衆電話回線32が閉結されたと判定された場合に、モデム20の設定をファクシミリデータ受信モードに設定するので、外付電話機3等の公衆電話回線32に対してファクシミリ装置1と並列に接続された他の電話機による通話中に、ファクシミリデータが送信されてきた場合であっても、即座にファクシミリデータを受信することがができる。
【0127】
なお、上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、S219が特許請求の範囲に記載されたファクシミリモード移行手段に相当する。
(その他の実施形態)
また、上述の実施形態では、外付電話機3を接続するための外付電話端子T1、T2を有するファクシミリ装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、外付電話端子T1、T2を有しておらず、外付けの分配機等で公衆電話回線32を分配するファクシミリ装置にも適用することができる。
【0128】
また、上述の実施形態では、ハンドセット47を有するファクシミリ装置1であったが、ハンドセット47が無いファクシミリ装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態では、発信元に関する情報(番号や名前等)をLCD5に表示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発信元に関する情報を、例えば音声にてユーザに伝達してもよい。
【0129】
また、上述の実施形態では、着信履歴をRAM14に記憶したが、本発明はこれに限定されるものではなく、着信履歴の記憶を廃止する、又はRAM14以外の記憶装置に記憶する等してもよい。
【0130】
また、上述の実施形態では、判定電圧Vtは、電話回線31が開放状態である場合における回線電圧の基準電圧よりも小さく、かつ、基準電圧との電圧差が所定の電圧差ΔV以上となる電圧値であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これとは逆に、基準電圧よりも大きく、かつ、基準電圧との電圧差が所定の電圧差ΔV以上となる電圧値を判定電圧Vtとしてもよい。
【0131】
また、上述の実施形態では、番号と名前等との関係を示すテーブルを予めEEPROM13に記憶させ、このテーブルと受信したCallerID(発信元電話番号又は発信元ファクシミリ番号)とから発信元の名前又は名称を特定したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0132】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態に係るファクシミリ装置1の電気的構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るファクシミリ装置1の回線I/F部19のブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係るファクシミリ装置1の特徴的作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
1…ファクシミリ装置、3…外付電話機、4…操作パネル、
13a…定常電圧値メモリ、13b…閾値メモリ、14a…回線電圧値メモリ、
14b…判定値メモリ、15…画像メモリ、19…回線I/F部、20…モデム、
21…バッファ、22…スキャナ、23…復号化部、24…復号化部、
25…プリンタ、27…アンプ、28…スピーカ、29…交換機、
30…バスライン、31…電話回線、32…公衆電話回線、34…電圧検出回路、
35…絶縁部、35a…コンデンサ、35b…コンデンサ、36…CMLリレー、
37…整流器、39…リング検出回路、42…送信アンプ、43…トーンアンプ、
44…ハイブリットネットワーク、44…ハイブリッドネットワーク、
45…トランジスタ、46…トランス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段と、
公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段と、
前記識別情報検出手段の作動を制御する発信元識別情報検出制御手段とを有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、
前記呼出信号検出手段が呼出信号を検出した場合であって、かつ、所定条件が成立した場合には、前記識別情報検出手段を作動させ、
一方、前記呼出信号検出手段が呼出信号を検出した場合であって、かつ、前記所定条件が不成立の場合には、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする電話装置。
【請求項2】
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記発信元識別情報が既に検出されているときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
ファクシミリ信号を検出するファクシミリ信号検出手段を有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記ファクシミリ信号検出手段により前記ファクシミリ信号が検出されたときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1又は2に記載の電話装置。
【請求項4】
前記公衆電話回線の回線電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出した電圧と基準電圧との電圧差に基づいて、前記公衆電話回線が閉結されているか否かを判定する公衆回線監視手段とを有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記公衆回線監視手段により前記公衆電話回線が閉結されていると判定されたときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項5】
前記公衆回線監視手段により前記公衆電話回線が閉結されていると判定された場合に、ファクシミリデータを受信可能な状態とするファクシミリモード移行手段を有することを特徴とする請求項4に記載の電話装置。
【請求項6】
通話用の送受話器が上げられた否かを検出するフック状態検出手段を有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記フック状態検出手段により前記送受話器が上げられた状態であると判定されたときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項7】
前記発信元識別情報検出制御手段が検出した前記発信元識別情報に基づいて、発信元の情報を表示する発信元情報表示手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項8】
前記発信元識別情報検出制御手段が検出した前記発信元識別情報に基づいて、着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項9】
公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段、及び公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段を有する電話装置に内蔵されるコンピュータを、前記識別情報検出手段の作動を制御する識別情報検出制御装置として機能させる電話装置制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記呼出信号検出手段により呼出信号が検出されたか否かを判定する呼出信号判定手段
前記識別情報検出手段を作動させるための所定条件が成立したか否かを判定する条件判定手段、並びに
前記呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、前記条件判定手段により前記所定条件が成立したものと判定された場合には、前記識別情報検出手段を作動させ、一方、前記呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、前記条件判定手段により前記所定条件が不成立であると判定された場合には、前記識別情報検出手段を停止又は作動させない発信元識別情報検出制御手段、
として機能させることを特徴とする電話装置制御プログラム。
【請求項1】
公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段と、
公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段と、
前記識別情報検出手段の作動を制御する発信元識別情報検出制御手段とを有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、
前記呼出信号検出手段が呼出信号を検出した場合であって、かつ、所定条件が成立した場合には、前記識別情報検出手段を作動させ、
一方、前記呼出信号検出手段が呼出信号を検出した場合であって、かつ、前記所定条件が不成立の場合には、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする電話装置。
【請求項2】
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記発信元識別情報が既に検出されているときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
ファクシミリ信号を検出するファクシミリ信号検出手段を有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記ファクシミリ信号検出手段により前記ファクシミリ信号が検出されたときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1又は2に記載の電話装置。
【請求項4】
前記公衆電話回線の回線電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出した電圧と基準電圧との電圧差に基づいて、前記公衆電話回線が閉結されているか否かを判定する公衆回線監視手段とを有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記公衆回線監視手段により前記公衆電話回線が閉結されていると判定されたときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項5】
前記公衆回線監視手段により前記公衆電話回線が閉結されていると判定された場合に、ファクシミリデータを受信可能な状態とするファクシミリモード移行手段を有することを特徴とする請求項4に記載の電話装置。
【請求項6】
通話用の送受話器が上げられた否かを検出するフック状態検出手段を有し、
前記発信元識別情報検出制御手段は、前記フック状態検出手段により前記送受話器が上げられた状態であると判定されたときは、前記所定条件が不成立の場合であるとして、前記識別情報検出手段を停止又は作動させないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項7】
前記発信元識別情報検出制御手段が検出した前記発信元識別情報に基づいて、発信元の情報を表示する発信元情報表示手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項8】
前記発信元識別情報検出制御手段が検出した前記発信元識別情報に基づいて、着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電話装置。
【請求項9】
公衆電話回線を介して送信される呼出信号を検出する呼出信号検出手段、及び公衆電話回線を介して送信される発信元識別情報を検出する識別情報検出手段を有する電話装置に内蔵されるコンピュータを、前記識別情報検出手段の作動を制御する識別情報検出制御装置として機能させる電話装置制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記呼出信号検出手段により呼出信号が検出されたか否かを判定する呼出信号判定手段
前記識別情報検出手段を作動させるための所定条件が成立したか否かを判定する条件判定手段、並びに
前記呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、前記条件判定手段により前記所定条件が成立したものと判定された場合には、前記識別情報検出手段を作動させ、一方、前記呼出信号判定手段により呼出信号が検出されたものと判定され、かつ、前記条件判定手段により前記所定条件が不成立であると判定された場合には、前記識別情報検出手段を停止又は作動させない発信元識別情報検出制御手段、
として機能させることを特徴とする電話装置制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−319431(P2006−319431A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137452(P2005−137452)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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