需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成プログラム
【課題】需給計画表の作成過程において、負の生産台数を算出することなく、合理的な需給計画表を作成可能とする。
【解決手段】N月以前の月ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、N月以降の月ごとの製品販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得し、計画データに基づいてN月以降の月ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する。次に、前記計画在庫台数、前記実績データ及びN月の在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、N月以降の月ごとの到着台数である計画到着台数を算出し、前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における生産月別の台数内訳を算出する。そして、前記台数内訳からN月における製品の生産台数を算出する。
【解決手段】N月以前の月ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、N月以降の月ごとの製品販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得し、計画データに基づいてN月以降の月ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する。次に、前記計画在庫台数、前記実績データ及びN月の在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、N月以降の月ごとの到着台数である計画到着台数を算出し、前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における生産月別の台数内訳を算出する。そして、前記台数内訳からN月における製品の生産台数を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売計画による製品の販売台数や在庫計画による製品の在庫台数を考慮しながら、生産元における適切な製品の生産台数を算出し、合理的な需給計画を作成する需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、需要者(顧客)に製品を販売する販売店等では、将来の顧客からの受注台数を予測して販売台数を決定し、また将来の製品の在庫状況を予測して在庫台数を決定し、さらにこれらの販売台数や在庫台数を実現すべく、生産元(例えば生産工場など)に発注する製品の生産台数を算出して、需給計画を作成する。すなわち販売店等では、将来起こり得る製品の受注台数や在庫状況の変化を考慮しながら、最も合理的な販売台数、在庫台数、生産台数を決定し、需給計画を作成する。
【0003】
ここで上記の需給計画の作成に際し、将来起こり得る製品の受注台数や在庫状況を予測することは困難であり、また様々な予測を立てながら最も合理的な販売台数、在庫台数、生産台数を模索し決定する作業は、需給計画の作成者(プランナー)にとって大変な作業である。
【0004】
そこで、プランナーへの負担を軽減し、需給計画の作成を支援する技術として、例えば下記特許文献1に記載の装置がある。この装置は、過去に注文された製品ごとに製品仕様、注文時期、生産時期、到着時期、及び販売時期といった過去の実績データを記憶しており、この過去の実績データに基づいて、計画単位期間ごと(例えば月ごと)に、各期間内の生産台数、到着台数、受注台数、販売台数、総在庫台数、現地在庫台数及び受注残台数の7種の台数を示すセルを有した需給台数表を作成するものである。具体的には、この装置は、まずデータベースから収集可能な台数を収集して需給台数表の該当セルに充当する処理を行う。またプランナーが需給台数表のセルを選択して検討したい台数を入力すると、収集された台数及び入力された台数から計算可能なセルの台数を計算して需給台数表の該当セルに充当する処理を行う。こうして各セルに台数を充当する処理を行い、需給台数表を作成する。
【0005】
プランナーは、本装置により作成された需給台数表から、自身が入力した台数で決定した場合に将来生じる事象を認識できるため、将来生じる事象を認識しながら製品の需給計画を作成可能となる。また本装置は、プランナーが検討したい台数を変更して再入力したり需給台数表のセルを再選択して台数を変更したりすると、変更後の台数に応じて上記の計算処理を行い、需給台数表を再作成する。本装置では、このような台数の変更を行うことで需給台数表を容易に再作成できるため、プランナーは、最も合理的な販売台数、在庫台数、生産台数などを模索し決定する作業を行い易くなる。すなわち、この装置により、プランナーは最も合理的な需給計画を作成し易くなる。
【0006】
上記従来技術を用いた需給計画表の作成処理は、例えば次のような手順で行われる。以下、一例として図10から図12のような構成の需給計画表を作成する場合における処理手順について説明する。図10から図12は、(N−1)月にN月以降の需給計画の作成処理を行い、これにより得られる需給計画表の一例であり、前々々月の(N−3)月から5ヵ月後の(N+5)月までの月ごとの各種データが示される構成となっている。図10から図12の需給計画表において、「生産台数」は生産工場において生産された(または生産予定の)製品の台数、「現地到着台数」は生産工場から現地(販売店等)に供給され、現地に到着した(または到着予定の)製品の台数、「現地在庫台数」は現地における製品の在庫台数、「現地在庫レベル」は、翌月以降の販売台数何ヶ月分の台数を在庫しているかを示す値、「販売台数」は販売した(または販売予定の)製品の台数、をそれぞれ示す。
【0007】
図10の需給計画表において、(N−3)月及び(N−2)月における各台数は、N月以降の需給計画表を作成する(N−1)月の時点では過去の実績データであるため、需給計画表作成時には既に該当セル内に入力されている。また(N−1)月における生産台数も、(N−2)月の時点で既に決定されているため、過去の実績データとして既に該当セル内に入力されている。また、生産工場から現地までの物流リードタイムは予め分かっており、過去の実績データとして「現地到着比率」という形で該当セル内に入力されている。この現地到着比率において、P0は当月に生産された全製品の内で当月中に現地に到着する製品の割合、P1は前月に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合、P2は前々月に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合、P3は3ヶ月前(前々々月)に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合、をそれぞれ示している。図では、前月分の生産台数の内の60%と前々月分の生産台数の内の40%が当月に現地に到着することを示している。すなわち、物流リードタイムは1〜2ヶ月である。尚、図では現地到着比率はP0からP3までの4種類の比率を設定可能としているが、製品の物流リードタイムによっては、それ以上の種類の比率、すなわち4ヶ月以上前に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合を設定可能としても良い。
【0008】
以上のように台数の実績値と物流リードタイムに関する過去の実績データが収集され、且つ入力済みの状態で、プランナーは、まず販売店における将来の販売台数を決定し、決定した販売台数を該当セル内に入力する。図11では、販売計画により毎月の販売台数を1000台としている。ここで、N月における生産台数をProd(N)、N月における現地到着台数をArr(N)とすると、Arr(N)=P0×Prod(N)+P1×Prod(N-1)+P2×Prod(N-2)+P3×Prod(N-3)という関係式1が成立する。従って、この関係式1から(N−1)月及びN月における現地到着台数が算出される。また、N月における現地の在庫台数をLS(N)、N月における販売台数をSales(N)とすると、LS(N)=LS(N-1)+Arr(N)−Sales(N)という関係式2が成立する。従って、この関係式2から(N−1)月及びN月における現地在庫台数が算出される。さらに、(N−1)月及びN月における販売台数に対する現地在庫レベルが、プランナーにより決定された(N−1)月及びN月における販売台数と、上記関係式から算出された(N−1)月及びN月における現地在庫台数とから算出される。こうして算出された(N−1)月及びN月における現地到着台数、現地在庫台数及び現地在庫レベルは、図11のように需給計画表の該当セルに充当される。
【0009】
次にプランナーは、将来における希望の在庫レベルを決定し、該当セル内に入力する。例えばプランナーが、N月における現地の在庫レベル4.4を3ヵ月後以降は1.5に引き下げる計画を立てたとする。この場合、(N+3)月以降の現地在庫レベルは1.5となる。また(N+1)月及び(N+2)月の現地在庫レベルは、現地在庫レベルの減少率が一定であるとして決定される。すなわち図12のように、(N+1)月の現地在庫レベルは3.4、(N+2)月の現地在庫レベルは2.5と算出され、該当セル内に入力される。そして、算出された(N+1)月以降の現地在庫レベルと、既に決定済みの毎月の販売台数とに基づいて、(N+1)月以降の現地在庫台数が算出される。さらに、(N+1)月以降の現地在庫台数が算出されると、上記関係式2を用いて(N+1)月以降の現地到着台数が算出される。こうして(N+1)月以降の現地到着台数が算出されると、上記関係式1を用いてN月以降の生産台数が算出される。こうして算出された(N+1)月以降の現地在庫台数及び現地到着台数、ならびにN月以降の生産台数は、図12の需給計画表の該当セルに充当される。
【0010】
以上のような手順により、プランナーによって需給計画が作成される。尚、需給計画の作成を支援する技術には、下記特許文献1の他にも例えば下記特許文献2に開示の技術もある。
【0011】
【特許文献1】特開2002−175402号公報
【特許文献2】特開2003−29816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記の手順により需給計画表の作成処理が行われた際に、プランナーが希望する在庫レベルに対して、生産台数が負の値で算出されることがある。また、負の生産台数が一旦算出されると、将来の生産台数において、正の値と負の値とが交互に算出され、生産台数の推移に正負の振幅が発生する場合がある。例えば図12においては、N月における在庫レベル4.4を3ヵ月後の(N+3)月に1.5にする計画を立てた場合、N月における生産台数として−667台という負の値が算出されている。また、生産台数が負の値となるN月以降、翌月の(N+1)月における生産台数は611台という正の値、翌々月の(N+2)月における生産台数は−407台という負の値、(N+3)月における生産台数は1938台という正の値といった具合に推移している。換言すれば、生産台数の推移に正負の振幅が発生している。
【0013】
このような場合、プランナーは、負の生産台数が発生した要因を分析し、分析により把握された要因に関係する需給計画表のセルを選択して当該セルの台数を変更する、等の処理を行い、負の生産台数が発生しないように需給計画表を修正し、合理的な需給計画表の再作成を行わねばならない。
【0014】
しかしながら、負の生産台数が算出される要因は、例えば在庫レベル、グラデーション期間(在庫レベルを希望レベルに収束させるまでに要する期間であり、図12では3ヶ月となる)、販売アベイラビリティ(需要に対してどれだけ製品を販売できるかを示すものであり、例えば受注台数や現地在庫台数に対する販売台数の比率)、販売台数、前月の在庫台数、現地到着台数における実績値と予定値との差、前月以前の生産台数といった具合に複数存在し、しかもこれらの要因の内の一つの要因により負の生産台数が算出される場合もあれば、複数の要因が絡んで負の生産台数が算出される場合もある。従って、プランナーは、負の生産台数が発生した要因を分析するのが困難であり、需給計画表を修正しようにも、どこから修正すべきか対策を講じるのも困難であった。
【0015】
また、最初に算出された負の生産台数(図12におけるN月の生産台数に相当)の値をゼロに補正したとしても、翌月以降の生産台数の推移における振幅を一時的に小さくしただけで、負の値の生産台数の算出に起因して生じた将来の負の生産台数(図12における(N+2)月の生産台数に相当)を正の値に修正できるとは限らない。このように、負の生産台数を単純にゼロに補正しただけでは、根本的な解決にはならなかった。
【0016】
そこで、上記のように負の生産台数が算出された場合、プランナーは、考え得る要因に関係する台数の値を変更しては生産台数の算出を行うという処理を繰り返し行い、合理的な需給計画表を作成するという、非効率的な作業を行っていた。また、このような作業はプランナーにとって負担となっていた。
【0017】
本発明の目的は、生産台数が負の値とならないように補正制御しながら、合理的な需給計画表を作成可能な需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する需給計画作成装置であって、対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得された実績データ及び計画データに基づいて対象単位期間における製品の生産台数を算出する台数算出手段と、を備え、台数算出手段は、前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する処理と、前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する処理と、前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する処理と、前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、を行うことを特徴とする。
【0019】
ここで、上記構成の需給計画作成装置において、前記台数算出手段は、さらに、算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する処理と、算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する処理と、更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、を行うようにするのが好適である。
【0020】
また本発明は、典型的には、上述した各手段の機能及び処理動作を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させることにより実現される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、算出される生産台数が負の値とならないように補正制御しながら、合理的な需給計画表の作成を行うことができる。またこれにより、負の生産台数が算出されることにより生じていたプランナーへの作業負担を、軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、負の生産台数が算出される上記の要因を、プランナーの決定に左右される要因(在庫レベル、グラデーション期間、販売アベイラビリティ、販売台数)と、過去の実績による要因(前月の在庫台数、現地到着台数における実績値と予定値との差、前月以前の生産台数)とに分け、前者の要因に関する項目について、プランナーの希望を最大限加味しながら値を設定することで、負の生産台数を算出しないように補正制御を行うものである。以下に、本発明の実施の形態における需給計画作成システムの構成を、図1を参照して説明する。尚、以下の説明において、製品の個数を示す単位を「台数」と統一して表現する。これは必ずしも通常1台、2台とカウントする製品に限定するものではなく、1個、2個とカウントする製品についても、本発明は適用可能である。
【0023】
図1において、需給計画作成システムは、需給計画作成装置10とクライアント装置20とを含み、これらがインターネット等のネットワーク30によりデータ通信可能に接続された構成となっている。需給計画作成装置10は例えば販売店に設置され、クライアント装置20は例えば生産工場等の生産元に設置される。
【0024】
クライアント装置20は、所定期間ごと(例えば月ごと)に生産元にて生産された製品の台数(生産台数)に関するデータ等を需給計画作成装置10に送信する処理や、需給計画作成装置10から需給計画に則した発注データ(生産台数データ)を受信する処理を行う。
【0025】
需給計画作成装置10は、演算部11と、通信制御部12と、入力部13と、出力部14と、記憶装置15とを備え、これらは内部バスで相互に接続されている。通信制御部12は、クライアント装置20とネットワーク30を介してデータ通信可能に接続されている。入力部13は、例えばキーボード等のような、プランナーが需給計画作成装置10に対して所望の指令を入力するためのものである。出力部14は、後述の如く作成された需給計画表を需給計画作成装置10の外部(例えば表示装置や印刷装置等)に出力するためのものである。記憶装置15は、生産元にて生産済みの製品の台数(生産台数)、生産元から販売店までの物流リードタイムに関するデータ(過去実績データ)と、後述の如く作成された需給計画表データと、を記憶する。尚、本実施形態では、過去実績データと需給計画表データとは同一の記憶装置15内に記憶されるが、これに限定されるものではなく、別個に記憶されても良い。
【0026】
演算部11は、データ登録部11aと、需給計画項目データ検索部11bと、需給計画表作成部11cと、を備えている。データ登録部11aは、生産元のクライアント装置20から取得した前記過去実績データや、後述の如く作成された需給計画表データを記憶装置15に記憶する処理を行う。需給計画項目データ検索部11bは、新たに需給計画表を作成する際に必要なデータを、記憶装置15内に記憶されているデータから検索する処理を行う。需給計画表作成部11cは、需給計画項目データ検索部11bにより検索されたデータや、入力部13からプランナーにより入力されたデータ等を用いて、需給計画表を作成する処理を行う。
【0027】
次に、以上のような構成の需給計画作成装置10において行われる処理動作について、図2から図9を参照して説明する。本実施形態では、単位期間として月ごとの需給計画を作成するものとし、台数等を算出する対象となる単位期間をN月以降の各月として、(N−1)月にN月以降の需給計画を示す需給計画表を作成する場合について説明する。
【0028】
まず、本実施形態における需給計画表の構成について説明する。図3から図9は、(N−1)月にN月以降の需給計画の作成処理を行い、これにより得られる需給計画表の一例であり、前々々月の(N−3)月から5ヵ月後の(N+5)月までの月ごとの各種データが示される構成となっている。
【0029】
ここで、図3から図9の需給計画表において、「必要在庫レベル」は、翌月以降の販売台数何ヶ月分の台数を在庫しているかを示す値であり、(N+1)月以降についてはプランナーが希望する在庫レベルが入力される。「必要在庫台数」は、必要在庫レベルを台数に換算したものである。「必要到着台数1」は、算出された必要在庫台数を実現するのに必要な現地到着台数を示すものである。「必要到着台数2」は、初期値として「必要到着台数1」と同一の値が入力され、生産台数がマイナスにならないように補正制御しながら需給計画表を作成する過程で算出された生産台数及び現地到着台数と、設定済みの必要在庫レベルとの兼ね合いで、「必要到着台数1」を後述の如く修正して得られる到着台数である。「到着台数差分」は、「必要到着台数2」から「現地到着台数」を引いた差を示すものである。「必要到着台数内訳」は、「必要到着台数1」の内、当月に生産された製品の台数、前月に生産された製品の台数、前々月に生産された製品の台数、前々々月に生産された製品の台数、の内訳を示すものであり、現地到着比率に基づいて算出される。
【0030】
尚、「現地在庫レベル」、「現地在庫台数」、「現地到着台数」、「生産台数」、「販売台数」、「現地到着比率」については従来と同様であり、「現地到着比率」は、前月分の生産台数の内の60%と前々月分の生産台数の内の40%が当月に現地に到着するものとしている。尚、図では現地到着比率はP0からP3までの4種類の比率を設定可能としているが、製品の物流リードタイムによっては、それ以上の種類の比率、すなわち4ヶ月以上前に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合を設定可能としても良い。
【0031】
次に、需給計画作成装置10により上記構成の需給計画表を作成する処理について説明する。
【0032】
プランナーが、需給計画作成装置10に対して需給計画表の作成指令を入力部13から入力すると、需給計画項目データ検索部11bは、記憶装置15内の過去実績データや需給計画表データから需給計画表作成に必要なデータを検索し、続いて需給計画表作成部11cは、検索されたデータを該当セル内に入力する(ステップS10)。具体的には、需給計画表作成時の(N−1)月時点での過去実績データである(N−3)月及び(N−2)月における各台数及び現地在庫レベル、(N−1)月における生産台数、及び物流リードタイムを示す現地到着比率の項目が、需給計画表の該当セル内に入力される。また(N−3)月及び(N−2)月における項目の内、必要在庫レベルは現地在庫レベルと同一レベル、必要在庫台数は現地在庫台数と同一台数、必要到着台数1,2は現地到着台数と同一台数、到着台数差分はゼロとして、それぞれ該当セルに入力する。
【0033】
次にプランナーが将来の販売台数を決定し、決定した販売台数を入力部13から入力すると、需給計画表作成部11cは、決定した販売台数を需給計画表の該当セル内に入力する(ステップS11)。ここでは、販売計画により毎月の販売台数を1000台と決定した場合を示している。
【0034】
このように毎月の販売台数が入力されると、需給計画表作成部11cは、需給計画表の(N−1)月分及びN月分の生産台数及び販売台数以外の各需給計画項目に入力される値を算出し、算出値を該当セル内に入力する(ステップS12)。具体的には、従来の関係式1であるArr(N)=P0×Prod(N)+P1×Prod(N-1)+P2×Prod(N-2)+P3×Prod(N-3)を用いて、(N−1)月及びN月における現地到着台数を算出する。また従来の関係式2であるLS(N)=LS(N-1)+Arr(N)−Sales(N)を用いて、(N−1)月及びN月における現地在庫台数を算出する。さらに、(N−1)月及びN月における現地在庫レベルを、販売台数と、算出された現地在庫台数とを用いて算出する。例えば、(N−1)月の現地在庫台数4320台は翌月のN月以降の販売台数4.3ヶ月分に相当するので、(N−1)月の現地在庫レベルは4.3となる。以上のようにして算出された値が需給計画表の該当セル内に入力される。また、(N−1)月及びN月における項目の内、必要在庫レベルは現地在庫レベルと同一レベル、必要在庫台数は現地在庫台数と同一台数、必要到着台数1,2は現地到着台数と同一台数、到着台数差分はゼロとして、それぞれ該当セルに入力する。
【0035】
続いてプランナーが将来における希望の在庫レベルを決定し、決定した在庫レベルを入力部13から入力すると、需給計画表作成部11cは、月ごとの在庫レベルを算出し、必要在庫レベルの該当セル内に入力する(ステップS13)。例えばプランナーが、N月における現地の在庫レベル4.4を3ヵ月後以降は1.5に引き下げる計画を立てたとする。この場合には図3のように、(N+3)月以降の必要在庫レベルを1.5として入力する。また(N+1)月及び(N+2)月の現地在庫レベルは、現地在庫レベルの減少率が一定であるとして決定される。すなわち図4のように、(N+1)月の現地在庫レベルを3.4、(N+2)月の現地在庫レベルを2.5と算出し、該当セル内に入力する。
【0036】
こうして必要在庫レベルへの入力が完了すると、需給計画表作成部11cは、(N+1)月以降の必要到着台数1,2、必要在庫台数、及び必要到着台数内訳を算出し、該当セル内に入力する(ステップS14)。具体的には、(N+1)月以降の必要在庫レベルと販売台数とから(N+1)月以降の各月の必要在庫台数を算出する。この必要在庫台数は、算出された必要在庫レベル通りに推移するとした場合の在庫台数である。また、従来の関係式2と同様に、N月における必要到着台数1をReq Arr(N)_1、N月における必要在庫台数をReq LS(N)、N月における販売台数をSales(N)とすると、ReqLS(N)=Req LS(N-1)+Req Arr(N)_1−Sales(N)という関係式が成立するため、この関係式を用いて(N+1)月以降の必要到着台数1を算出し、該当セル内に入力する。ここで必要到着台数1の算出値が負の場合にはゼロを入力するものとする。また、必要到着台数2には、初期値として必要到着台数1と同じ値を入力する。
【0037】
さらにステップS14において、算出された必要到着台数1と現地到着比率とに基づき、必要到着台数1における生産月別の台数を算出する。本実施形態では前月分の生産台数の内の60%と前々月分の生産台数の内の40%が当月に現地に到着するので、必要到着台数1の内の60%が前月に生産された台数であり、必要到着台数1の内の40%が前々月に生産された台数であるということになる。必要到着台数1における生産月別の台数を(N+1)月以降の各月ごとに算出して該当セル内に入力すると、需給計画表は図4のような状態となる。
【0038】
こうして(N+1)月以降の必要到着台数1,2、必要在庫台数、及び必要到着台数内訳が入力されると、需給計画表作成部11cは、必要到着台数内訳に基づいてN月の生産台数を算出し、該当セル内に入力する(ステップS15)。N月の生産台数は、N月の当月分台数と(N+1)月の前月分台数と(N+2)月の前々月分台数と(N+3)月の3ヶ月前分台数の合計台数に相当するという関係が成立するが、本実施形態では、(N+1)月の前月分台数と(N+2)月の前々月分台数との合計台数となるため、N月の生産台数は40台と算出される。
【0039】
以上のように上記の処理手順によれば、従来のように過去の実績データを用いてN月の生産台数を算出するのではなく、販売計画通りに推移するとした場合に将来必要な到着台数から該必要到着台数における生産月別の台数の内訳を算出し、この内訳に基づいてN月の生産台数を算出するため、N月の生産台数が負の値となることが無い。こうして負の生産台数が発生しないように補正制御しながら、生産台数の算出が行われる。
【0040】
続いて、ステップS15により算出されたN月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは、(N+1)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する(ステップS16)。N月における生産台数をProd(N)、N月における現地到着台数をArr(N)とすると、従来の関係式1であるArr(N)=P0×Prod(N)+P1×Prod(N-1)+P2×Prod(N-2)+P3×Prod(N-3)を用いて(N+1)月の現地到着台数を算出し、該当セル内に入力する。また、N月における到着台数差分をDiffArr(N)とし、必要到着台数2をReq Arr(N)_2とすると、Diff Arr(N)=Req Arr(N)_2−Arr(N)という関係式が成り立つため、(N+1)月の到着台数差分を算出し、該当セル内に入力する。さらに従来の関係式2であるLS(N)=LS(N-1)+Arr(N)−Sales(N)を用いて、(N+1)月の現地在庫台数を算出し、該当セル内に入力する。そして、算出された現地在庫台数と販売台数とから(N+1)月の現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。こうしてステップS15、S16の処理を経て、(N+1)月について生産台数以外のデータが入力された図5のような状態の需給計画表が作成される。
【0041】
ここで、算出された(N+1)月の到着台数差分は、負の生産台数が発生しないように補正制御しながら、生産台数の算出が行われたことにより発生したものである。そこで需給計画表作成部11cは、(N+1)月以降の需給計画表の作成過程においてこの到着台数差分を反映させながら負の生産台数を発生させないように補正制御し、(N+1)月の生産台数の算出を行う。具体的には、(N+1)月の生産台数の内で最も多い台数が現地到着する月(以下、反映対象月という)の必要到着台数2に到着台数差分を足し合わせることにより、反映対象月の必要到着台数2を、到着台数差分を反映させた必要到着台数2に補正し、これに伴い反映対象月の必要到着台数内訳を補正する処理を行う(ステップS17)。本実施形態では、現地到着比率に基づき、反映対象月は翌月の(N+2)月であると特定できるため、(N+2)月の必要到着台数2を上記のように足し合わせた値に更新する。このとき、足し合わせた値が負の場合にはゼロを更新入力するものとする。図6では、(N+2)月の必要到着台数2が−324台と算出され、これに伴って必要到着台数内訳も前月分が−194台、前々月分が−130台と一旦算出されるが(図中括弧内)、必要到着台数2は最終的には0台として更新されるため、これに伴い必要到着台数内訳の前月分及び前々月分の台数も0台となる。以上の処理により、需給計画表は図6のような状態となる。
【0042】
こうして反映対象月である(N+2)月における必要到着台数内訳の補正が行われると、需給計画表作成部11cは、(N+1)月の生産台数が算出可能なときに限り、(N+1)月の生産台数を算出し、該当セル内に入力する(ステップS18,S19)。ここで、(N+1)月の生産台数が算出可能な場合とは、(N+1)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータが存在する場合である。そして以後の処理では、(N+1)月以降の生産台数が算出できなくなるまで、ステップS15以降の処理が繰り返し行われ、生産台数の算出ができなくなった時点で、需給計画表の作成は終了となる(ステップS18)。
【0043】
本実施形態では、(N+1)月の生産台数は、(N+2)月の前月分台数と(N+3)月の前々月分台数との合計台数となるため、(N+1)月の生産台数は0台と算出される。さらに、算出された(N+1)月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは上記ステップS16の処理を行い、(N+2)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。また上記ステップS17の処理を行い、反映対象月である(N+3)月の必要到着台数2を補正し、さらにこれに伴い反映対象月である(N+3)月の必要到着台数内訳を補正する。以上の処理により、需給計画表は図7のような状態となる。
【0044】
図7には、(N+2)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータが存在するため、(N+2)月の生産台数を算出する。本実施形態では、(N+2)月の生産台数は400台と算出される。さらに、算出された(N+2)月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは上記ステップS16の処理を行い、(N+3)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。また上記ステップS17の処理を行い、反映対象月である(N+4)月の必要到着台数2を補正し、さらにこれに伴い反映対象月である(N+4)月の必要到着台数内訳を補正する。以上の処理により、需給計画表は図8のような状態となる。
【0045】
図8には、(N+3)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータが存在するため、(N+3)月の生産台数を算出する。本実施形態では、(N+3)月の生産台数は856台と算出される。さらに、算出された(N+3)月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは上記ステップS16の処理を行い、(N+4)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。また上記ステップS17の処理を行い、反映対象月である(N+5)月の必要到着台数2を補正し、さらにこれに伴い反映対象月である(N+5)月の必要到着台数内訳を補正する。以上の処理により、需給計画表は図9のような状態となる。
【0046】
図9には、(N+6)月以降のデータが存在せず、(N+4)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータは存在しない。従って本実施形態では、図9の需給計画表が作成されて、全処理が終了となる。
【0047】
上記の各処理を経て得られた図9のような需給計画表のデータは、プランナーが需給計画作成装置10の入力部13から、需給計画表データを出力する旨の指令を入力することで出力部14より出力される。プランナーは、出力された需給計画表データを参照することで、得られた需給計画を採用するか、あるいは需給計画を再作成すべきかを明確に判断できるようになる。本実施形態では、作成された図9の需給計画表において、希望の在庫レベルにほぼ収束させるのに少なくとも4ヶ月は必要であるということが示されている。そこでプランナーは、この内容を踏まえ、3ヶ月で在庫レベルを1.5まで下げるという当初の予定を変更して4ヶ月で1.8まで下げるという需給計画を採用するか、あるいは需給計画項目の内でプランナーが入力可能な項目(販売台数や必要在庫レベル)の値を変更して需給計画表を再作成するかを判断することとなる。
【0048】
ここでプランナーが、得られた需給計画を採用すると判断し、作成された需給計画表データを記憶させる旨の指令を入力部13から入力すると、この需給計画表データはデータ登録部11aにより記憶装置15内に記憶される。また、この需給計画表データにおけるN月の生産台数のデータを、通信制御部12からネットワーク30を介して生産元のクライアント装置20に送信する。これにより、生産元では受信した生産台数のデータに基づいて、N月分の製品の生産を行うこととなる。
【0049】
以上のように、本実施形態における需給計画作成装置10によれば、従来のように需給計画表の作成過程において、負の生産台数を算出することなく、合理的な需給計画表を作成することができる。
【0050】
尚、上記実施形態における需給計画作成装置10は、典型的には、上述した各装置の機能及び処理動作を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させることにより実現される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態における需給計画作成システムの構成を示す図である。
【図2】図1の需給計画作成装置による需給計画表作成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図4】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図5】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図6】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図7】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図8】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図9】図2の需給計画表作成処理の手順により作成された需給計画表の一例を示す図である。
【図10】従来の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図11】従来の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図12】従来の需給計画表作成処理の手順により作成された需給計画表の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10 需給計画作成装置、11 演算部、11a データ登録部、11b 需給計画項目データ検索部、11c 需給計画表作成部、12 通信制御部、13 入力部、14 出力部、15 記憶装置、20 クライアント装置、30 ネットワーク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売計画による製品の販売台数や在庫計画による製品の在庫台数を考慮しながら、生産元における適切な製品の生産台数を算出し、合理的な需給計画を作成する需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、需要者(顧客)に製品を販売する販売店等では、将来の顧客からの受注台数を予測して販売台数を決定し、また将来の製品の在庫状況を予測して在庫台数を決定し、さらにこれらの販売台数や在庫台数を実現すべく、生産元(例えば生産工場など)に発注する製品の生産台数を算出して、需給計画を作成する。すなわち販売店等では、将来起こり得る製品の受注台数や在庫状況の変化を考慮しながら、最も合理的な販売台数、在庫台数、生産台数を決定し、需給計画を作成する。
【0003】
ここで上記の需給計画の作成に際し、将来起こり得る製品の受注台数や在庫状況を予測することは困難であり、また様々な予測を立てながら最も合理的な販売台数、在庫台数、生産台数を模索し決定する作業は、需給計画の作成者(プランナー)にとって大変な作業である。
【0004】
そこで、プランナーへの負担を軽減し、需給計画の作成を支援する技術として、例えば下記特許文献1に記載の装置がある。この装置は、過去に注文された製品ごとに製品仕様、注文時期、生産時期、到着時期、及び販売時期といった過去の実績データを記憶しており、この過去の実績データに基づいて、計画単位期間ごと(例えば月ごと)に、各期間内の生産台数、到着台数、受注台数、販売台数、総在庫台数、現地在庫台数及び受注残台数の7種の台数を示すセルを有した需給台数表を作成するものである。具体的には、この装置は、まずデータベースから収集可能な台数を収集して需給台数表の該当セルに充当する処理を行う。またプランナーが需給台数表のセルを選択して検討したい台数を入力すると、収集された台数及び入力された台数から計算可能なセルの台数を計算して需給台数表の該当セルに充当する処理を行う。こうして各セルに台数を充当する処理を行い、需給台数表を作成する。
【0005】
プランナーは、本装置により作成された需給台数表から、自身が入力した台数で決定した場合に将来生じる事象を認識できるため、将来生じる事象を認識しながら製品の需給計画を作成可能となる。また本装置は、プランナーが検討したい台数を変更して再入力したり需給台数表のセルを再選択して台数を変更したりすると、変更後の台数に応じて上記の計算処理を行い、需給台数表を再作成する。本装置では、このような台数の変更を行うことで需給台数表を容易に再作成できるため、プランナーは、最も合理的な販売台数、在庫台数、生産台数などを模索し決定する作業を行い易くなる。すなわち、この装置により、プランナーは最も合理的な需給計画を作成し易くなる。
【0006】
上記従来技術を用いた需給計画表の作成処理は、例えば次のような手順で行われる。以下、一例として図10から図12のような構成の需給計画表を作成する場合における処理手順について説明する。図10から図12は、(N−1)月にN月以降の需給計画の作成処理を行い、これにより得られる需給計画表の一例であり、前々々月の(N−3)月から5ヵ月後の(N+5)月までの月ごとの各種データが示される構成となっている。図10から図12の需給計画表において、「生産台数」は生産工場において生産された(または生産予定の)製品の台数、「現地到着台数」は生産工場から現地(販売店等)に供給され、現地に到着した(または到着予定の)製品の台数、「現地在庫台数」は現地における製品の在庫台数、「現地在庫レベル」は、翌月以降の販売台数何ヶ月分の台数を在庫しているかを示す値、「販売台数」は販売した(または販売予定の)製品の台数、をそれぞれ示す。
【0007】
図10の需給計画表において、(N−3)月及び(N−2)月における各台数は、N月以降の需給計画表を作成する(N−1)月の時点では過去の実績データであるため、需給計画表作成時には既に該当セル内に入力されている。また(N−1)月における生産台数も、(N−2)月の時点で既に決定されているため、過去の実績データとして既に該当セル内に入力されている。また、生産工場から現地までの物流リードタイムは予め分かっており、過去の実績データとして「現地到着比率」という形で該当セル内に入力されている。この現地到着比率において、P0は当月に生産された全製品の内で当月中に現地に到着する製品の割合、P1は前月に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合、P2は前々月に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合、P3は3ヶ月前(前々々月)に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合、をそれぞれ示している。図では、前月分の生産台数の内の60%と前々月分の生産台数の内の40%が当月に現地に到着することを示している。すなわち、物流リードタイムは1〜2ヶ月である。尚、図では現地到着比率はP0からP3までの4種類の比率を設定可能としているが、製品の物流リードタイムによっては、それ以上の種類の比率、すなわち4ヶ月以上前に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合を設定可能としても良い。
【0008】
以上のように台数の実績値と物流リードタイムに関する過去の実績データが収集され、且つ入力済みの状態で、プランナーは、まず販売店における将来の販売台数を決定し、決定した販売台数を該当セル内に入力する。図11では、販売計画により毎月の販売台数を1000台としている。ここで、N月における生産台数をProd(N)、N月における現地到着台数をArr(N)とすると、Arr(N)=P0×Prod(N)+P1×Prod(N-1)+P2×Prod(N-2)+P3×Prod(N-3)という関係式1が成立する。従って、この関係式1から(N−1)月及びN月における現地到着台数が算出される。また、N月における現地の在庫台数をLS(N)、N月における販売台数をSales(N)とすると、LS(N)=LS(N-1)+Arr(N)−Sales(N)という関係式2が成立する。従って、この関係式2から(N−1)月及びN月における現地在庫台数が算出される。さらに、(N−1)月及びN月における販売台数に対する現地在庫レベルが、プランナーにより決定された(N−1)月及びN月における販売台数と、上記関係式から算出された(N−1)月及びN月における現地在庫台数とから算出される。こうして算出された(N−1)月及びN月における現地到着台数、現地在庫台数及び現地在庫レベルは、図11のように需給計画表の該当セルに充当される。
【0009】
次にプランナーは、将来における希望の在庫レベルを決定し、該当セル内に入力する。例えばプランナーが、N月における現地の在庫レベル4.4を3ヵ月後以降は1.5に引き下げる計画を立てたとする。この場合、(N+3)月以降の現地在庫レベルは1.5となる。また(N+1)月及び(N+2)月の現地在庫レベルは、現地在庫レベルの減少率が一定であるとして決定される。すなわち図12のように、(N+1)月の現地在庫レベルは3.4、(N+2)月の現地在庫レベルは2.5と算出され、該当セル内に入力される。そして、算出された(N+1)月以降の現地在庫レベルと、既に決定済みの毎月の販売台数とに基づいて、(N+1)月以降の現地在庫台数が算出される。さらに、(N+1)月以降の現地在庫台数が算出されると、上記関係式2を用いて(N+1)月以降の現地到着台数が算出される。こうして(N+1)月以降の現地到着台数が算出されると、上記関係式1を用いてN月以降の生産台数が算出される。こうして算出された(N+1)月以降の現地在庫台数及び現地到着台数、ならびにN月以降の生産台数は、図12の需給計画表の該当セルに充当される。
【0010】
以上のような手順により、プランナーによって需給計画が作成される。尚、需給計画の作成を支援する技術には、下記特許文献1の他にも例えば下記特許文献2に開示の技術もある。
【0011】
【特許文献1】特開2002−175402号公報
【特許文献2】特開2003−29816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記の手順により需給計画表の作成処理が行われた際に、プランナーが希望する在庫レベルに対して、生産台数が負の値で算出されることがある。また、負の生産台数が一旦算出されると、将来の生産台数において、正の値と負の値とが交互に算出され、生産台数の推移に正負の振幅が発生する場合がある。例えば図12においては、N月における在庫レベル4.4を3ヵ月後の(N+3)月に1.5にする計画を立てた場合、N月における生産台数として−667台という負の値が算出されている。また、生産台数が負の値となるN月以降、翌月の(N+1)月における生産台数は611台という正の値、翌々月の(N+2)月における生産台数は−407台という負の値、(N+3)月における生産台数は1938台という正の値といった具合に推移している。換言すれば、生産台数の推移に正負の振幅が発生している。
【0013】
このような場合、プランナーは、負の生産台数が発生した要因を分析し、分析により把握された要因に関係する需給計画表のセルを選択して当該セルの台数を変更する、等の処理を行い、負の生産台数が発生しないように需給計画表を修正し、合理的な需給計画表の再作成を行わねばならない。
【0014】
しかしながら、負の生産台数が算出される要因は、例えば在庫レベル、グラデーション期間(在庫レベルを希望レベルに収束させるまでに要する期間であり、図12では3ヶ月となる)、販売アベイラビリティ(需要に対してどれだけ製品を販売できるかを示すものであり、例えば受注台数や現地在庫台数に対する販売台数の比率)、販売台数、前月の在庫台数、現地到着台数における実績値と予定値との差、前月以前の生産台数といった具合に複数存在し、しかもこれらの要因の内の一つの要因により負の生産台数が算出される場合もあれば、複数の要因が絡んで負の生産台数が算出される場合もある。従って、プランナーは、負の生産台数が発生した要因を分析するのが困難であり、需給計画表を修正しようにも、どこから修正すべきか対策を講じるのも困難であった。
【0015】
また、最初に算出された負の生産台数(図12におけるN月の生産台数に相当)の値をゼロに補正したとしても、翌月以降の生産台数の推移における振幅を一時的に小さくしただけで、負の値の生産台数の算出に起因して生じた将来の負の生産台数(図12における(N+2)月の生産台数に相当)を正の値に修正できるとは限らない。このように、負の生産台数を単純にゼロに補正しただけでは、根本的な解決にはならなかった。
【0016】
そこで、上記のように負の生産台数が算出された場合、プランナーは、考え得る要因に関係する台数の値を変更しては生産台数の算出を行うという処理を繰り返し行い、合理的な需給計画表を作成するという、非効率的な作業を行っていた。また、このような作業はプランナーにとって負担となっていた。
【0017】
本発明の目的は、生産台数が負の値とならないように補正制御しながら、合理的な需給計画表を作成可能な需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する需給計画作成装置であって、対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得された実績データ及び計画データに基づいて対象単位期間における製品の生産台数を算出する台数算出手段と、を備え、台数算出手段は、前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する処理と、前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する処理と、前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する処理と、前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、を行うことを特徴とする。
【0019】
ここで、上記構成の需給計画作成装置において、前記台数算出手段は、さらに、算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する処理と、算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する処理と、更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、を行うようにするのが好適である。
【0020】
また本発明は、典型的には、上述した各手段の機能及び処理動作を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させることにより実現される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、算出される生産台数が負の値とならないように補正制御しながら、合理的な需給計画表の作成を行うことができる。またこれにより、負の生産台数が算出されることにより生じていたプランナーへの作業負担を、軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、負の生産台数が算出される上記の要因を、プランナーの決定に左右される要因(在庫レベル、グラデーション期間、販売アベイラビリティ、販売台数)と、過去の実績による要因(前月の在庫台数、現地到着台数における実績値と予定値との差、前月以前の生産台数)とに分け、前者の要因に関する項目について、プランナーの希望を最大限加味しながら値を設定することで、負の生産台数を算出しないように補正制御を行うものである。以下に、本発明の実施の形態における需給計画作成システムの構成を、図1を参照して説明する。尚、以下の説明において、製品の個数を示す単位を「台数」と統一して表現する。これは必ずしも通常1台、2台とカウントする製品に限定するものではなく、1個、2個とカウントする製品についても、本発明は適用可能である。
【0023】
図1において、需給計画作成システムは、需給計画作成装置10とクライアント装置20とを含み、これらがインターネット等のネットワーク30によりデータ通信可能に接続された構成となっている。需給計画作成装置10は例えば販売店に設置され、クライアント装置20は例えば生産工場等の生産元に設置される。
【0024】
クライアント装置20は、所定期間ごと(例えば月ごと)に生産元にて生産された製品の台数(生産台数)に関するデータ等を需給計画作成装置10に送信する処理や、需給計画作成装置10から需給計画に則した発注データ(生産台数データ)を受信する処理を行う。
【0025】
需給計画作成装置10は、演算部11と、通信制御部12と、入力部13と、出力部14と、記憶装置15とを備え、これらは内部バスで相互に接続されている。通信制御部12は、クライアント装置20とネットワーク30を介してデータ通信可能に接続されている。入力部13は、例えばキーボード等のような、プランナーが需給計画作成装置10に対して所望の指令を入力するためのものである。出力部14は、後述の如く作成された需給計画表を需給計画作成装置10の外部(例えば表示装置や印刷装置等)に出力するためのものである。記憶装置15は、生産元にて生産済みの製品の台数(生産台数)、生産元から販売店までの物流リードタイムに関するデータ(過去実績データ)と、後述の如く作成された需給計画表データと、を記憶する。尚、本実施形態では、過去実績データと需給計画表データとは同一の記憶装置15内に記憶されるが、これに限定されるものではなく、別個に記憶されても良い。
【0026】
演算部11は、データ登録部11aと、需給計画項目データ検索部11bと、需給計画表作成部11cと、を備えている。データ登録部11aは、生産元のクライアント装置20から取得した前記過去実績データや、後述の如く作成された需給計画表データを記憶装置15に記憶する処理を行う。需給計画項目データ検索部11bは、新たに需給計画表を作成する際に必要なデータを、記憶装置15内に記憶されているデータから検索する処理を行う。需給計画表作成部11cは、需給計画項目データ検索部11bにより検索されたデータや、入力部13からプランナーにより入力されたデータ等を用いて、需給計画表を作成する処理を行う。
【0027】
次に、以上のような構成の需給計画作成装置10において行われる処理動作について、図2から図9を参照して説明する。本実施形態では、単位期間として月ごとの需給計画を作成するものとし、台数等を算出する対象となる単位期間をN月以降の各月として、(N−1)月にN月以降の需給計画を示す需給計画表を作成する場合について説明する。
【0028】
まず、本実施形態における需給計画表の構成について説明する。図3から図9は、(N−1)月にN月以降の需給計画の作成処理を行い、これにより得られる需給計画表の一例であり、前々々月の(N−3)月から5ヵ月後の(N+5)月までの月ごとの各種データが示される構成となっている。
【0029】
ここで、図3から図9の需給計画表において、「必要在庫レベル」は、翌月以降の販売台数何ヶ月分の台数を在庫しているかを示す値であり、(N+1)月以降についてはプランナーが希望する在庫レベルが入力される。「必要在庫台数」は、必要在庫レベルを台数に換算したものである。「必要到着台数1」は、算出された必要在庫台数を実現するのに必要な現地到着台数を示すものである。「必要到着台数2」は、初期値として「必要到着台数1」と同一の値が入力され、生産台数がマイナスにならないように補正制御しながら需給計画表を作成する過程で算出された生産台数及び現地到着台数と、設定済みの必要在庫レベルとの兼ね合いで、「必要到着台数1」を後述の如く修正して得られる到着台数である。「到着台数差分」は、「必要到着台数2」から「現地到着台数」を引いた差を示すものである。「必要到着台数内訳」は、「必要到着台数1」の内、当月に生産された製品の台数、前月に生産された製品の台数、前々月に生産された製品の台数、前々々月に生産された製品の台数、の内訳を示すものであり、現地到着比率に基づいて算出される。
【0030】
尚、「現地在庫レベル」、「現地在庫台数」、「現地到着台数」、「生産台数」、「販売台数」、「現地到着比率」については従来と同様であり、「現地到着比率」は、前月分の生産台数の内の60%と前々月分の生産台数の内の40%が当月に現地に到着するものとしている。尚、図では現地到着比率はP0からP3までの4種類の比率を設定可能としているが、製品の物流リードタイムによっては、それ以上の種類の比率、すなわち4ヶ月以上前に生産された全製品の内で当月に現地に到着する製品の割合を設定可能としても良い。
【0031】
次に、需給計画作成装置10により上記構成の需給計画表を作成する処理について説明する。
【0032】
プランナーが、需給計画作成装置10に対して需給計画表の作成指令を入力部13から入力すると、需給計画項目データ検索部11bは、記憶装置15内の過去実績データや需給計画表データから需給計画表作成に必要なデータを検索し、続いて需給計画表作成部11cは、検索されたデータを該当セル内に入力する(ステップS10)。具体的には、需給計画表作成時の(N−1)月時点での過去実績データである(N−3)月及び(N−2)月における各台数及び現地在庫レベル、(N−1)月における生産台数、及び物流リードタイムを示す現地到着比率の項目が、需給計画表の該当セル内に入力される。また(N−3)月及び(N−2)月における項目の内、必要在庫レベルは現地在庫レベルと同一レベル、必要在庫台数は現地在庫台数と同一台数、必要到着台数1,2は現地到着台数と同一台数、到着台数差分はゼロとして、それぞれ該当セルに入力する。
【0033】
次にプランナーが将来の販売台数を決定し、決定した販売台数を入力部13から入力すると、需給計画表作成部11cは、決定した販売台数を需給計画表の該当セル内に入力する(ステップS11)。ここでは、販売計画により毎月の販売台数を1000台と決定した場合を示している。
【0034】
このように毎月の販売台数が入力されると、需給計画表作成部11cは、需給計画表の(N−1)月分及びN月分の生産台数及び販売台数以外の各需給計画項目に入力される値を算出し、算出値を該当セル内に入力する(ステップS12)。具体的には、従来の関係式1であるArr(N)=P0×Prod(N)+P1×Prod(N-1)+P2×Prod(N-2)+P3×Prod(N-3)を用いて、(N−1)月及びN月における現地到着台数を算出する。また従来の関係式2であるLS(N)=LS(N-1)+Arr(N)−Sales(N)を用いて、(N−1)月及びN月における現地在庫台数を算出する。さらに、(N−1)月及びN月における現地在庫レベルを、販売台数と、算出された現地在庫台数とを用いて算出する。例えば、(N−1)月の現地在庫台数4320台は翌月のN月以降の販売台数4.3ヶ月分に相当するので、(N−1)月の現地在庫レベルは4.3となる。以上のようにして算出された値が需給計画表の該当セル内に入力される。また、(N−1)月及びN月における項目の内、必要在庫レベルは現地在庫レベルと同一レベル、必要在庫台数は現地在庫台数と同一台数、必要到着台数1,2は現地到着台数と同一台数、到着台数差分はゼロとして、それぞれ該当セルに入力する。
【0035】
続いてプランナーが将来における希望の在庫レベルを決定し、決定した在庫レベルを入力部13から入力すると、需給計画表作成部11cは、月ごとの在庫レベルを算出し、必要在庫レベルの該当セル内に入力する(ステップS13)。例えばプランナーが、N月における現地の在庫レベル4.4を3ヵ月後以降は1.5に引き下げる計画を立てたとする。この場合には図3のように、(N+3)月以降の必要在庫レベルを1.5として入力する。また(N+1)月及び(N+2)月の現地在庫レベルは、現地在庫レベルの減少率が一定であるとして決定される。すなわち図4のように、(N+1)月の現地在庫レベルを3.4、(N+2)月の現地在庫レベルを2.5と算出し、該当セル内に入力する。
【0036】
こうして必要在庫レベルへの入力が完了すると、需給計画表作成部11cは、(N+1)月以降の必要到着台数1,2、必要在庫台数、及び必要到着台数内訳を算出し、該当セル内に入力する(ステップS14)。具体的には、(N+1)月以降の必要在庫レベルと販売台数とから(N+1)月以降の各月の必要在庫台数を算出する。この必要在庫台数は、算出された必要在庫レベル通りに推移するとした場合の在庫台数である。また、従来の関係式2と同様に、N月における必要到着台数1をReq Arr(N)_1、N月における必要在庫台数をReq LS(N)、N月における販売台数をSales(N)とすると、ReqLS(N)=Req LS(N-1)+Req Arr(N)_1−Sales(N)という関係式が成立するため、この関係式を用いて(N+1)月以降の必要到着台数1を算出し、該当セル内に入力する。ここで必要到着台数1の算出値が負の場合にはゼロを入力するものとする。また、必要到着台数2には、初期値として必要到着台数1と同じ値を入力する。
【0037】
さらにステップS14において、算出された必要到着台数1と現地到着比率とに基づき、必要到着台数1における生産月別の台数を算出する。本実施形態では前月分の生産台数の内の60%と前々月分の生産台数の内の40%が当月に現地に到着するので、必要到着台数1の内の60%が前月に生産された台数であり、必要到着台数1の内の40%が前々月に生産された台数であるということになる。必要到着台数1における生産月別の台数を(N+1)月以降の各月ごとに算出して該当セル内に入力すると、需給計画表は図4のような状態となる。
【0038】
こうして(N+1)月以降の必要到着台数1,2、必要在庫台数、及び必要到着台数内訳が入力されると、需給計画表作成部11cは、必要到着台数内訳に基づいてN月の生産台数を算出し、該当セル内に入力する(ステップS15)。N月の生産台数は、N月の当月分台数と(N+1)月の前月分台数と(N+2)月の前々月分台数と(N+3)月の3ヶ月前分台数の合計台数に相当するという関係が成立するが、本実施形態では、(N+1)月の前月分台数と(N+2)月の前々月分台数との合計台数となるため、N月の生産台数は40台と算出される。
【0039】
以上のように上記の処理手順によれば、従来のように過去の実績データを用いてN月の生産台数を算出するのではなく、販売計画通りに推移するとした場合に将来必要な到着台数から該必要到着台数における生産月別の台数の内訳を算出し、この内訳に基づいてN月の生産台数を算出するため、N月の生産台数が負の値となることが無い。こうして負の生産台数が発生しないように補正制御しながら、生産台数の算出が行われる。
【0040】
続いて、ステップS15により算出されたN月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは、(N+1)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する(ステップS16)。N月における生産台数をProd(N)、N月における現地到着台数をArr(N)とすると、従来の関係式1であるArr(N)=P0×Prod(N)+P1×Prod(N-1)+P2×Prod(N-2)+P3×Prod(N-3)を用いて(N+1)月の現地到着台数を算出し、該当セル内に入力する。また、N月における到着台数差分をDiffArr(N)とし、必要到着台数2をReq Arr(N)_2とすると、Diff Arr(N)=Req Arr(N)_2−Arr(N)という関係式が成り立つため、(N+1)月の到着台数差分を算出し、該当セル内に入力する。さらに従来の関係式2であるLS(N)=LS(N-1)+Arr(N)−Sales(N)を用いて、(N+1)月の現地在庫台数を算出し、該当セル内に入力する。そして、算出された現地在庫台数と販売台数とから(N+1)月の現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。こうしてステップS15、S16の処理を経て、(N+1)月について生産台数以外のデータが入力された図5のような状態の需給計画表が作成される。
【0041】
ここで、算出された(N+1)月の到着台数差分は、負の生産台数が発生しないように補正制御しながら、生産台数の算出が行われたことにより発生したものである。そこで需給計画表作成部11cは、(N+1)月以降の需給計画表の作成過程においてこの到着台数差分を反映させながら負の生産台数を発生させないように補正制御し、(N+1)月の生産台数の算出を行う。具体的には、(N+1)月の生産台数の内で最も多い台数が現地到着する月(以下、反映対象月という)の必要到着台数2に到着台数差分を足し合わせることにより、反映対象月の必要到着台数2を、到着台数差分を反映させた必要到着台数2に補正し、これに伴い反映対象月の必要到着台数内訳を補正する処理を行う(ステップS17)。本実施形態では、現地到着比率に基づき、反映対象月は翌月の(N+2)月であると特定できるため、(N+2)月の必要到着台数2を上記のように足し合わせた値に更新する。このとき、足し合わせた値が負の場合にはゼロを更新入力するものとする。図6では、(N+2)月の必要到着台数2が−324台と算出され、これに伴って必要到着台数内訳も前月分が−194台、前々月分が−130台と一旦算出されるが(図中括弧内)、必要到着台数2は最終的には0台として更新されるため、これに伴い必要到着台数内訳の前月分及び前々月分の台数も0台となる。以上の処理により、需給計画表は図6のような状態となる。
【0042】
こうして反映対象月である(N+2)月における必要到着台数内訳の補正が行われると、需給計画表作成部11cは、(N+1)月の生産台数が算出可能なときに限り、(N+1)月の生産台数を算出し、該当セル内に入力する(ステップS18,S19)。ここで、(N+1)月の生産台数が算出可能な場合とは、(N+1)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータが存在する場合である。そして以後の処理では、(N+1)月以降の生産台数が算出できなくなるまで、ステップS15以降の処理が繰り返し行われ、生産台数の算出ができなくなった時点で、需給計画表の作成は終了となる(ステップS18)。
【0043】
本実施形態では、(N+1)月の生産台数は、(N+2)月の前月分台数と(N+3)月の前々月分台数との合計台数となるため、(N+1)月の生産台数は0台と算出される。さらに、算出された(N+1)月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは上記ステップS16の処理を行い、(N+2)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。また上記ステップS17の処理を行い、反映対象月である(N+3)月の必要到着台数2を補正し、さらにこれに伴い反映対象月である(N+3)月の必要到着台数内訳を補正する。以上の処理により、需給計画表は図7のような状態となる。
【0044】
図7には、(N+2)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータが存在するため、(N+2)月の生産台数を算出する。本実施形態では、(N+2)月の生産台数は400台と算出される。さらに、算出された(N+2)月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは上記ステップS16の処理を行い、(N+3)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。また上記ステップS17の処理を行い、反映対象月である(N+4)月の必要到着台数2を補正し、さらにこれに伴い反映対象月である(N+4)月の必要到着台数内訳を補正する。以上の処理により、需給計画表は図8のような状態となる。
【0045】
図8には、(N+3)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータが存在するため、(N+3)月の生産台数を算出する。本実施形態では、(N+3)月の生産台数は856台と算出される。さらに、算出された(N+3)月の生産台数に基づいて、需給計画表作成部11cは上記ステップS16の処理を行い、(N+4)月の現地到着台数、到着台数差分、現地在庫台数、及び現地在庫レベルを算出し、該当セル内に入力する。また上記ステップS17の処理を行い、反映対象月である(N+5)月の必要到着台数2を補正し、さらにこれに伴い反映対象月である(N+5)月の必要到着台数内訳を補正する。以上の処理により、需給計画表は図9のような状態となる。
【0046】
図9には、(N+6)月以降のデータが存在せず、(N+4)月の生産台数の算出に必要な必要到着台数内訳のデータは存在しない。従って本実施形態では、図9の需給計画表が作成されて、全処理が終了となる。
【0047】
上記の各処理を経て得られた図9のような需給計画表のデータは、プランナーが需給計画作成装置10の入力部13から、需給計画表データを出力する旨の指令を入力することで出力部14より出力される。プランナーは、出力された需給計画表データを参照することで、得られた需給計画を採用するか、あるいは需給計画を再作成すべきかを明確に判断できるようになる。本実施形態では、作成された図9の需給計画表において、希望の在庫レベルにほぼ収束させるのに少なくとも4ヶ月は必要であるということが示されている。そこでプランナーは、この内容を踏まえ、3ヶ月で在庫レベルを1.5まで下げるという当初の予定を変更して4ヶ月で1.8まで下げるという需給計画を採用するか、あるいは需給計画項目の内でプランナーが入力可能な項目(販売台数や必要在庫レベル)の値を変更して需給計画表を再作成するかを判断することとなる。
【0048】
ここでプランナーが、得られた需給計画を採用すると判断し、作成された需給計画表データを記憶させる旨の指令を入力部13から入力すると、この需給計画表データはデータ登録部11aにより記憶装置15内に記憶される。また、この需給計画表データにおけるN月の生産台数のデータを、通信制御部12からネットワーク30を介して生産元のクライアント装置20に送信する。これにより、生産元では受信した生産台数のデータに基づいて、N月分の製品の生産を行うこととなる。
【0049】
以上のように、本実施形態における需給計画作成装置10によれば、従来のように需給計画表の作成過程において、負の生産台数を算出することなく、合理的な需給計画表を作成することができる。
【0050】
尚、上記実施形態における需給計画作成装置10は、典型的には、上述した各装置の機能及び処理動作を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させることにより実現される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態における需給計画作成システムの構成を示す図である。
【図2】図1の需給計画作成装置による需給計画表作成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図4】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図5】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図6】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図7】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図8】図2の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図9】図2の需給計画表作成処理の手順により作成された需給計画表の一例を示す図である。
【図10】従来の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図11】従来の需給計画表作成処理の手順による作成途中の需給計画表の一例を示す図である。
【図12】従来の需給計画表作成処理の手順により作成された需給計画表の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10 需給計画作成装置、11 演算部、11a データ登録部、11b 需給計画項目データ検索部、11c 需給計画表作成部、12 通信制御部、13 入力部、14 出力部、15 記憶装置、20 クライアント装置、30 ネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する需給計画作成装置であって、
対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得された実績データ及び計画データに基づいて対象単位期間における製品の生産台数を算出する台数算出手段と、
を備え、
前記台数算出手段は、
前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する処理と、
前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する処理と、
前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する処理と、
前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を行うことを特徴とする需給計画作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の需給計画作成装置において、
前記台数算出手段は、さらに、
算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する処理と、
算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する処理と、
更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を行うことを特徴とする需給計画作成装置。
【請求項3】
単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する需給計画作成方法であって、
対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得するデータ取得工程と、
前記データ取得工程にて取得された実績データ及び計画データに基づいて対象単位期間における製品の生産台数を算出する台数算出工程と、
を備え、
前記台数算出工程は、
前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する工程と、
前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する工程と、
前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する工程と、
前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する工程と、
を含むことを特徴とする需給計画作成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の需給計画作成方法において、
前記台数算出工程は、さらに、
算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する工程と、
算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する工程と、
更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する工程と、
を含むことを特徴とする需給計画作成方法。
【請求項5】
単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する処理をコンピュータシステムに実行させる需給計画作成プログラムであって、
対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得する処理と、
前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する処理と、
前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する処理と、
前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する処理と、
前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を実行させることを特徴とする需給計画作成プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の需給計画作成プログラムにおいて、
さらに、
算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する処理と、
算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する処理と、
更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を実行させることを特徴とする需給計画作成プログラム。
【請求項1】
単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する需給計画作成装置であって、
対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得された実績データ及び計画データに基づいて対象単位期間における製品の生産台数を算出する台数算出手段と、
を備え、
前記台数算出手段は、
前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する処理と、
前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する処理と、
前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する処理と、
前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を行うことを特徴とする需給計画作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の需給計画作成装置において、
前記台数算出手段は、さらに、
算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する処理と、
算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する処理と、
更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を行うことを特徴とする需給計画作成装置。
【請求項3】
単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する需給計画作成方法であって、
対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得するデータ取得工程と、
前記データ取得工程にて取得された実績データ及び計画データに基づいて対象単位期間における製品の生産台数を算出する台数算出工程と、
を備え、
前記台数算出工程は、
前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する工程と、
前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する工程と、
前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する工程と、
前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する工程と、
を含むことを特徴とする需給計画作成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の需給計画作成方法において、
前記台数算出工程は、さらに、
算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する工程と、
算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する工程と、
更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する工程と、
を含むことを特徴とする需給計画作成方法。
【請求項5】
単位期間ごとの生産元での製品の生産台数、販売店への到着台数、販売店での在庫台数、及び製品の販売台数を設定した需給計画を作成する処理をコンピュータシステムに実行させる需給計画作成プログラムであって、
対象単位期間以前における単位期間ごとの製品の生産台数、到着台数、在庫台数、販売台数及び製品の生産元から販売店までの物流リードタイムに関する実績データと、対象単位期間以降における単位期間ごとの製品の販売台数及び在庫台数に関する計画データとを取得する処理と、
前記計画データに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの在庫台数である計画在庫台数を算出する処理と、
前記計画在庫台数、前記実績データ、及び対象単位期間における在庫台数及び販売台数に関するデータに基づいて、対象単位期間以降における単位期間ごとの到着台数である計画到着台数を算出する処理と、
前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を算出する処理と、
前記台数内訳から対象単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を実行させることを特徴とする需給計画作成プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の需給計画作成プログラムにおいて、
さらに、
算出された対象単位期間における製品の生産台数に基づいて、対象単位期間後の次単位期間における到着台数を算出する処理と、
算出された次単位期間における到着台数と、次単位期間以降における前記計画到着台数と、前記実績データの物流リードタイムに関するデータとに基づいて、次単位期間以降の前記計画到着台数における製品が生産された単位期間別の台数内訳を更新する処理と、
更新された台数内訳から次単位期間における製品の生産台数を算出する処理と、
を実行させることを特徴とする需給計画作成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−285400(P2006−285400A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101547(P2005−101547)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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