説明

震度情報ネットワークシステム

【課題】震度情報を確実に伝送することを可能とする震度情報ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】各震度観測局12(i)の発信装置は、計測震度計の計測結果である震度情報と、前記計測震度計を識別する震度計識別データとを含む震度情報フレームをケーブル14を介して震度情報収集装置16(1)に送信する一方で、無線18を介して震度情報収集装置16(2)に送信する。震度情報収集装置16(1)は、受信した前記震度情報フレーム内の前記震度情報から画像情報を生成し、この画像情報をケーブル20を介して各表示端末装置24(1)〜24(5)に送信する。一方、震度情報収集装置16(2)は、受信した前記震度情報フレーム内の前記震度情報から画像情報を生成し、この画像情報を無線22を介して各表示端末装置24(1)〜24(5)に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の計測地点に設置された震度計と、前記震度計に接続される発信装置と、前記発信装置に接続される震度情報収集装置とを備える震度情報ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術に係る震度情報ネットワークシステム100は、図10に示すように、市町村等の各地方自治体に設けられた震度観測局102(i)(i=1〜n)と、前記各地方自治体を統括する地方自治体(都道府県庁)に配置され、且つ各震度観測局102(i)にケーブル104を介して接続される震度情報収集装置106と、各防災関連機関(地方気象台、消防庁等)に配置され、且つ震度情報収集装置106にケーブル108を介して接続される表示端末装置110(1)〜110(5)とから構成されている(非特許文献1参照)。
【0003】
震度観測局102(i)は、震度計と発信装置とから構成されている。前記震度計は、地震によって自己の設置位置(計測地点)における地表面の揺れが発生した場合、前記揺れを連続的に計測し、この計測結果を震度情報として前記発信装置に出力する。前記発信装置は、入力された前記震度情報をケーブル104を介して震度情報収集装置106に送信する。
【0004】
震度情報収集装置106は、前記各発信装置から受信した前記各震度情報を収集し、収集した前記各震度情報をデータベースとして蓄積する一方で、前記各震度情報から画面情報を生成し、前記画面情報をケーブル108を介して表示端末装置110(1)〜110(5)に配信する。
【0005】
表示端末装置110(1)〜110(5)では、受信した前記画面情報の示す各計測地点における震度をディスプレイ上に表示する。さらに、地方気象台に配置された表示端末装置110(1)は、前記画面情報をケーブル112を介して気象庁に配置された表示端末装置114に転送し、表示端末装置114は、受信した前記画面情報の示す前記各計測地点における震度をディスプレイ上に表示する。
【0006】
近年では、震度観測局102(i)の前記発信装置から無線116を介して震度情報収集装置106に震度情報を送信することにより、震度観測局102(i)と震度情報収集装置106との間における前記震度情報の伝送路の二重化を図っている。この場合、無線116は、ケーブル104に対するバックアップ回線であり、例えば、人工衛星を利用した衛星通信により前記震度情報を前記発信装置から震度情報収集装置106に送信している。
【0007】
【非特許文献1】乾晋「特集イントラネット 被害情報収集・集約システム(イントラネットGIS) 〜横浜市リアルタイム地震防災システム〜」地方自治コンピュータ6月号(平成12年6月1日発行)4−9頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図13の震度情報ネットワークシステム100では、図11に示すように、地震が発生した際に、震度観測局102(i)と震度情報収集装置106とを接続するケーブル104が断線していれば、震度情報収集装置106は震度観測局102(i)からの震度情報を受信することができないので、計測地点の震度を収集することができない。
【0009】
この場合、震度情報収集装置106は、ケーブル104の断線により前記震度情報を収集できないのか、又は震度観測局102(i)内の各装置の故障により前記震度情報を収集できないのかを把握することができない。
【0010】
一方、無線116によるバックアップ回線を用いた場合でも、上述したように、震度観測局102(i)内の各装置や震度情報収集装置106が故障していれば、震度情報収集装置106において震度情報を収集することができない。
【0011】
さらに、図12に示すように、震度情報収集装置106が故障している場合、各震度観測局102(i)からケーブル104を介して震度情報収集装置106に震度情報を各々送信しても、震度情報収集装置106で前記各震度情報を収集することはできないので、各表示端末装置110(1)〜110(5)に前記各震度情報を配信することはできない。
【0012】
さらにまた、図13に示すように、震度情報収集装置106と各表示端末装置110(1)〜110(5)とを接続するケーブル108が断線していれば、震度情報収集装置106から各表示端末装置110(1)〜110(5)に前記震度情報を配信することができない。
【0013】
このように、従来技術に係る震度情報ネットワークシステム100では、地震が発生した際に、震度情報を確実に収集して配信することができない事態が発生するおそれがある。
【0014】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、震度計で計測した震度情報を震度情報収集装置で確実に収集して、この震度情報を前記震度情報収集装置から表示端末装置に確実に配信し、且つ前記震度情報を収集できない場合に、どのような原因によって前記震度情報を収集できないのかを前記震度情報収集装置で把握することを可能とする震度情報ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る震度情報ネットワークシステムは、計測地点に設置される震度計と、前記震度計に接続される発信装置と、前記発信装置に接続される少なくとも2つの震度情報収集装置とを備え、前記震度計は、前記計測地点で計測した震度情報を前記発信装置に出力し、前記発信装置は、前記各震度情報収集装置に前記震度情報を各々送信することを特徴とする。
【0016】
前記発信装置は、前記震度計から入力された前記震度情報を前記2つの震度情報収集装置に送信するので、前記発信装置からの前記震度情報は、2つのルートを介して前記各震度情報収集装置で受信されることになる。これにより、一方のルートに設置された震度情報収集装置が故障しても、他方のルートに設置した震度情報収集装置により前記震度情報を確実に受信することができるので、1つのルートを介して震度情報を収集する従来技術に係る震度情報ネットワークシステムと比較して、システム全体の信頼性を高めることができる。
【0017】
ここで、前記発信装置は、前記各震度情報収集装置のうち、一方の震度情報収集装置に対して有線により前記震度情報を送信し、他方の震度情報収集装置に対して無線により前記震度情報を送信することが好ましい。
【0018】
これにより、従来技術に係る震度情報ネットワークシステムの有線をそのまま利用して、本発明に係る震度情報ネットワークシステムを構築することができるので、低コスト且つ短期間でシステム全体を構築することが可能となる。
【0019】
また、各震度情報収集装置は、前記各震度情報収集装置間を接続する通信回線を介して、受信した自己の震度情報を他の震度情報収集装置に転送してもよい。
【0020】
これにより、前記他の震度情報収集装置では、前記通信回線を介して転送されてきた震度情報と、前記発信装置から受信した震度情報とを対比することにより、前記各震度情報が同一の情報であるか否かを判定することができるので、前記震度計で計測した前記震度情報を前記各震度情報収集装置において確実に収集することが可能となる。
【0021】
また、前記発信装置は、前記震度計を識別する震度計識別データと前記震度情報とを含む震度情報フレームを、前記各震度情報収集装置に送信し、前記各震度情報収集装置は、受信した前記震度情報フレームを前記通信回線を介して前記他の震度情報収集装置に転送し、前記他の震度情報収集装置は、前記発信装置から直接受信した震度情報フレーム内の震度計識別データ及び震度情報と、前記通信回線を介して転送された震度情報フレーム内の震度計識別データ及び震度情報とを比較して、同一の前記震度計からの前記各震度情報が一致するか否かを判定してもよい。
【0022】
これにより、前記各震度情報収集装置で受信した前記各震度情報が、同一の前記発信装置からの同一の前記震度情報であるか否かを判定することにより、上述した2つのルート上における故障箇所を特定することが可能となる。
【0023】
すなわち、前記他の震度情報収集装置は、前記発信装置から直接受信した前記震度情報フレームと、前記通信回線を介して受信した前記震度情報フレームとを比較して、比較した前記各震度情報フレーム内の各震度計識別データ及び各震度情報が各々一致しない場合に、前記震度計及び前記発信装置と前記震度情報収集装置との間で故障が発生しているものと判定する。
【0024】
ここで、前記各震度情報収集装置は、複数の震度情報表示装置に各々接続され、前記各震度情報収集装置は、受信した前記震度情報を前記各震度情報表示装置に各々配信し、前記各震度情報表示装置は、配信された前記震度情報を各々表示してもよい。
【0025】
これにより、前記各震度情報表示装置は、2つのルートを介して前記各震度情報収集装置から前記震度情報を配信されることになるので、一方のルートに設置された震度情報収集装置が故障しても、他方のルートに設置した震度情報収集装置により前記震度情報を確実に受信することができ、1つのルートで震度情報を配信する従来技術に係る震度情報ネットワークシステムと比較して、システム全体の信頼性を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る震度情報ネットワークシステムによれば、発信装置は、震度計から入力された震度情報を少なくとも2つの震度情報収集装置に送信するので、前記発信装置からの前記震度情報は、2つのルートを介して前記各震度情報収集装置で受信されることになる。これにより、一方のルートに設置された震度情報収集装置が故障しても、他方のルートに設置した震度情報収集装置により前記震度情報を確実に受信することができるので、1つのルートで震度情報を収集する従来技術に係る震度情報ネットワークシステムと比較して、システム全体の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に係る震度情報ネットワークシステムの好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る震度情報ネットワークシステム10の説明図である。
【0029】
震度情報ネットワークシステム10は、複数の震度観測局12(i)(i=1〜m)と、各震度観測局12(i)に、例えば、公衆回線を利用した有線によるケーブル14を介して接続される震度情報収集装置16(1)と、各震度観測局12(i)に衛星通信を利用した無線18を介して接続される震度情報収集装置16(2)と、震度情報収集装置16(1)に、例えば、公衆回線を利用した有線による有線によるケーブル20を介して接続され、且つ震度情報収集装置16(2)に衛星通信を利用した無線22を介して接続される複数の表示端末装置(震度情報表示装置)24(1)〜24(5)とから、基本的に構成されている。
【0030】
震度観測局12(i)は、各都道府県(図1ではA県)における市町村等の各地方自治体に1つずつ配置されており、ケーブル14を介して前記各地方自治体を統括する地方自治体の施設(前記A県の県庁)内に配置された震度情報収集装置16(1)に接続されている。また、震度観測局12(i)は、衛星通信を利用した無線18を介して他の都道府県における地方自治体の施設(B県の県庁)内に配置された震度情報収集装置16(2)に接続されている。
【0031】
また、A県の震度情報収集装置16(1)とB県の震度情報収集装置16(2)とは、通信回線26を介して接続されている。この通信回線26は、公衆回線を利用した有線によるケーブル、又は衛星通信を利用した無線であることが好ましい。
【0032】
さらに、表示端末装置24(1)〜24(5)は、前記A県における防災関連の各公共機関内に配置されており、図1において、表示端末装置24(1)は地方気象台内に配置され、表示端末装置24(2)は消防庁内に配置され、表示端末装置24(3)は前記A県の出先機関である地方振興局内に配置され、表示端末装置24(4)は各市町村内に配置され、表示端末装置24(5)は消防本部内に配置されている。
【0033】
これらの表示端末装置24(1)〜24(5)は、衛星通信を利用した無線22を介して前記B県に配置された震度情報収集装置16(2)に接続されている。
【0034】
さらにまた、前記地方気象台内の表示端末装置24(1)は、公衆回線を利用した有線によるケーブル28を介して中央官庁である気象庁の表示端末装置30に接続されている。
【0035】
このように、図1に示す震度情報ネットワークシステム10では、1都道府県(図1ではA県)内に、複数の震度観測局12(i)と、1つの震度情報収集装置16(1)と、複数の表示端末装置24(1)〜24(5)とが各々配置されて、これらの各装置間は、公衆回線を利用した有線を介して各々接続されている。さらに、各都道府県(図1のA県)内に配置された各震度観測局12(i)と各表示端末装置24(1)〜24(5)とは、他の都道府県(図1ではB県)に配置された1つの震度情報収集装置16(1)に対して、衛星通信を利用した無線を介して各々接続されている。これにより、B県に配置された震度情報収集装置16(2)は、A県に配置された震度情報収集装置16(1)に対するバックアップ用の装置として利用可能である。
【0036】
すなわち、地震が発生した際に、ケーブル14の断線、A県の震度情報収集装置16(1)の故障及びケーブル20の断線のうち、少なくとも1つが発生していることにより、各震度観測局12(i)からの震度情報の収集及び配信が行えない場合、無線18、B県の震度情報収集装置16(2)及び無線22を介して前記震度情報の収集及び配信を行う。
【0037】
図2は、図1の震度情報ネットワークシステム10における各装置の内部構成を示すブロック図であり、A県内には図1に示した各装置が配置され、さらに、B県内の各地方公共団体(市町村)には震度観測局32(j)(j=1〜n)が配置され、前記B県内の各防災関連の公共施設には表示端末装置24(6)〜24(10)が配置されている。
【0038】
ここで、A県内の各震度観測局12(i)は、ケーブル14(1)を介して震度情報収集装置16(1)に接続され、且つ無線18(1)を介して震度情報収集装置16(2)に接続されている。一方、B県内の各震度観測局32(j)は、ケーブル14(2)を介して震度情報収集装置16(2)に接続され、且つ無線18(2)を介して震度情報収集装置16(1)に接続されている。
【0039】
また、A県の震度情報収集装置16(1)は、ケーブル20(1)を介してA県内の各表示端末装置24(1)〜24(5)に接続され、且つ無線22(1)を介してB県内の各表示端末装置24(6)〜24(10)に接続されている。一方、B県内の震度情報収集装置16(2)は、ケーブル20(2)を介してB県内の各表示端末装置24(6)〜24(10)に接続され、且つ無線22(2)を介してA県内の各表示端末装置24(1)〜24(5)に接続されている。
【0040】
各震度観測局12(i)、32(j)は、図2に示すように、計測震度計34と処理装置36と発信装置38とから構成されている。
【0041】
計測震度計34は、前記各地方自治体での所望の計測地点(例えば、市町村役場近傍の地表面上)に配置され、地震が発生した場合、前記地震による前記計測地点の揺れを加速度センサにより3軸方向(X軸、Y軸及びZ軸方向)の加速度として連続的に計測し、計測結果を震度情報として処理装置36に出力する。
【0042】
処理装置36は、入力された前記震度情報の示す前記3軸方向の加速度から前記計測地点における震度を算出し、算出した前記震度を震度情報として発信装置38に出力する。
【0043】
発信装置38は、入力された前記震度情報と、自己の震度観測局12(i)、32(j)内の計測震度計34を識別する震度計識別データとから震度情報フレームを生成し、生成した前記震度情報フレームを通信回線(ケーブル14(1)、14(2)又は無線18(1)、18(2))に送信可能な信号に変換して、変換した信号を前記通信回線を介して各震度情報収集装置16(1)、16(2)に送信する。
【0044】
震度情報収集装置16(1)、16(2)は、接続部40と、スイッチングハブ42と、収集サーバ44と、データベースサーバ46と、表示サーバ48と、通信サーバ50と、判定処理サーバ52とから構成されている。
【0045】
接続部40は、各震度観測局12(i)の発信装置38から前記通信回線を介して受信した前記各信号を前記各震度情報フレームに変換し、変換された前記各震度情報フレームをスイッチングハブ42を介して収集サーバ44に順次出力する。
【0046】
スイッチングハブ42は、県庁内の接続部40、収集サーバ44、データベースサーバ46、表示サーバ48、通信サーバ50及び判定処理サーバ52に接続されているほかに、前記県庁内の図示しない端末装置にもLAN(Local Area Network)を介して接続されている。
【0047】
収集サーバ44は、入力された前記各震度情報フレームを収集し、スイッチングハブ42を介してデータベースサーバ46に順次出力する。
【0048】
データベースサーバ46は、入力された前記各震度情報フレームを順次蓄積する。
【0049】
表示サーバ48は、データベースサーバ46に蓄積されている前記各震度情報フレーム内の震度情報を呼び出して、各計測地点における各震度を示す1つの画面としての画面情報を生成する。
【0050】
通信サーバ50は、表示サーバ48で生成された前記画面情報を、スイッチングハブ42、接続部40及び通信回線(ケーブル20(1)、20(2)又は無線22(1)、22(2))を介して表示端末装置24(1)〜24(10)に配信するほか、スイッチングハブ42及び前記LANを介して図示しない前記表示端末にも配信する。また、通信サーバ50は、データベースサーバ46に蓄積されている前記震度情報フレームを呼び出して、スイッチングハブ42、接続部40及び通信回線26を介して他の震度情報収集装置に自己の前記震度情報フレームを転送する。
【0051】
すなわち、A県庁内に配置された震度情報収集装置16(1)の通信サーバ50は、データベースサーバ46に蓄積されている自己の各震度情報フレームを、通信回線26を介してB県庁内に配置された他の震度情報収集装置16(2)に転送する。一方、B県庁内に配置された震度情報収集装置16(2)の通信サーバ50は、データベースサーバ46に蓄積されている自己の各震度情報フレームを、通信回線26を介してA県庁内に配置された他の震度情報収集装置16(1)に転送する。
【0052】
判定処理サーバ52は、他の震度情報収集装置から転送された各震度情報フレームの内容と、データベースサーバ46に蓄積されている自己の各震度情報フレームの内容とを比較して、同一の発信装置38からの同一の震度情報であるか否かを判定する。
【0053】
表示端末装置24(1)〜24(10)は、震度情報収集装置16(1)、16(2)から通信回線(ケーブル20(1)、20(2)又は無線22(1)、22(2))を介して受信した前記画面情報の示す各計測地点の各震度を、図示しないディスプレイに表示する。
【0054】
図3は、人工衛星54による衛星通信を介して、各震度観測局12(i)、32(j)(図2参照)から震度情報収集装置16(1)、16(2)に震度情報フレームを送信する場合を示した説明図である。
【0055】
ここで、秋田県に配置された震度観測局12(i)から無線18(1)を介して愛知県内の震度情報収集装置16(2)に震度情報フレームを送信する一方で、愛知県に配置された震度観測局32(j)から無線18(2)を介して秋田県内の震度情報収集装置16(1)に震度情報フレームを送信している。
【0056】
このように、震度情報ネットワークシステム10では、互いに遠距離である秋田県と愛知県との間で、衛星通信により震度情報フレームのやり取りを行えば、秋田県又は愛知県のいずれか一方の県で地震が発生した場合、前記地震によって当該県内におけるケーブル14(1)、14(2)の断線や各装置の故障等が発生しても、前記地震の影響が少ない他方の県における各装置を利用することができるので、前記地震に関係なく震度情報の収集を行うことが可能となる。
【0057】
従って、上述した場合以外でも、例えば、茨城県と徳島県との間で無線18(3)、18(4)による震度情報フレームの送信を行ったり、福井県と熊本県との間で無線18(5)、18(6)による震度情報フレームの送信を行うことも可能である。
【0058】
本実施の形態に係る震度情報ネットワークシステム10は、基本的には、以上のように構成されるものであり、次に、計測震度計34で計測地点の震度を計測して、この計測結果を発信装置38から各震度情報収集装置16(1)、16(2)に送信し、各震度情報収集装置16(1)から各表示端末装置24(1)〜24(5)に配信する処理について、図4〜図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0059】
このフローチャートは、地震が発生した際に各計測震度計34で計測された前記震度を、各発信装置38において1計測分の震度情報として震度情報収集装置16(1)、16(2)に各々送信し、これらの1計測分の震度情報を震度情報収集装置16(1)から各表示端末装置24(1)〜24(5)に配信することを示すものである。
【0060】
ここでは、図1及び図2に示すように、代表的に、A県内における震度情報の収集を震度情報収集装置16(1)で行い、震度情報収集装置16(1)に対するバックアップ用としてB県内の震度情報収集装置16(2)を利用する場合について説明する。なお、以下の説明では、A県内に配置された震度情報収集装置16(1)をA装置16(1)と称し、B県内に配置された震度情報収集装置16(2)をB装置16(2)と称する。
【0061】
先ず、図3に示すように、A県及びその近県において地震が発生した場合、震度観測局12(i)の計測震度計34(図2参照)は、自己の計測地点における震度を所定の時間(数分程度)内で連続して計測する(ステップS1)。
【0062】
具体的には、計測震度計34内の前記加速度センサによって、地震による前記計測地点での地表面の揺れを3軸方向(X軸、Y軸及びZ軸方向)の加速度として連続的に計測し、この計測結果を震度情報として処理装置36に出力する。
【0063】
処理装置36は、入力された前記震度情報の示す前記3軸方向の加速度から、地震が発生して前記計測地点が揺れている間の前記計測地点の震度を算出し、算出した前記震度を前記計測地点に関する震度情報として発信装置38に出力する。
【0064】
発信装置38は、入力された前記震度情報と、自己の震度観測局12(i)における計測震度計34を識別する震度計識別データとから震度情報フレームを生成し、生成した前記震度情報フレームをケーブル14(1)に送信可能な信号に変換してから、変換した信号をケーブル14(1)を介してA装置16(1)に送信する(ステップS2)。また、発信装置38は、前記震度所情報フレームを無線18(1)に送信可能な信号に変換してから、変換した信号を無線18(1)を介して電波としてB装置16(2)に送信する。
【0065】
A装置16(1)の接続部40は、各震度観測局12(i)の発信装置38から各ケーブル14(1)を介して各々受信した前記各信号を震度情報フレームに変換し(ステップS3)、変換した前記各震度情報フレームをスイッチングハブ42を介して収集サーバ44に順次出力する。収集サーバ44は、入力された前記各震度情報フレームを収集し、スイッチングハブ42を介してデータベースサーバ46に順次出力する。データベースサーバ46は、入力された前記各震度情報フレーム(以下、便宜的に、Aフレームという)を順次蓄積する(ステップS4)。
【0066】
一方、B装置16(2)の接続部40は、A装置16(1)の接続部40と同様に、各震度観測局12(i)の発信装置38から各無線18(1)を介して各々受信した前記各信号を震度情報フレームに変換し(ステップS3)、変換した前記各震度情報フレームをスイッチングハブ42を介して収集サーバ44に順次出力する。収集サーバ44は、入力された前記各震度情報フレームを収集し、スイッチングハブ42を介してデータベースサーバ46に順次出力する。データベースサーバ46は、入力された前記各震度情報フレーム(以下、便宜的に、Bフレームという)を順次蓄積する(ステップS4)。
【0067】
次いで、B装置16(2)の通信サーバ50は、データベースサーバ46から蓄積された前記各Bフレームを呼び出し、呼び出した前記各Bフレームをスイッチングハブ42を介して接続部40に出力する。接続部40は、前記各Bフレームを通信回線26に送信可能な信号に変換してから、変換した信号を通信回線26を介してA装置16(1)に転送する(ステップS5)。
【0068】
A装置16(1)の接続部40は、B装置16(2)から通信回線26を介して受信した前記信号を前記各Bフレームに変換し(ステップS6)、変換した前記各Bフレームをスイッチングハブ42を介して判定処理サーバ52に出力する。判定処理サーバ52は、データベースサーバ46に蓄積された自己の各Aフレームを呼び出して、A装置16(1)に蓄積された自己の各Aフレームと、B装置16(2)から転送された他の各Bフレームとを比較して、前記各Aフレーム及び前記各Bフレームの内容が一致するか否かを判定する(ステップS7)。
【0069】
ステップS7において、A装置16(1)に蓄積された自己の各Aフレームと、B装置16(2)に蓄積された他の各Bフレームとの間で、内容が一致するフレームが存在する場合、A装置16(1)の表示サーバ48は、前述した判定結果に基づいて、データベースサーバ46に蓄積されている前記各震度情報フレームのうち、内容が一致したフレームに関する各震度情報を呼び出して、各計測地点における震度を示す1つの画面としての画面情報を生成する(ステップS8)。
【0070】
次いで、通信サーバ50は、表示サーバ48で生成された前記画面情報を、スイッチングハブ42、接続部40及びケーブル20(1)を介して表示端末装置24(1)〜24(5)に配信する(ステップS9)。
【0071】
表示端末装置24(1)〜24(5)は、震度情報収集装置16(1)からケーブル20(1)を介して受信した前記画面情報の示す各計測地点の震度を(ステップS10)、図示しないディスプレイ上に表示する(ステップS11)。
【0072】
なお、地震が発生した際に、この地震の影響によってケーブル14(1)の断線、A装置16(1)の故障及びケーブル20(1)の断線のうち、少なくとも1つが発生していることにより、各震度観測局12(i)からの各震度情報の収集及び配信をA装置16(1)で行えない場合、A装置16(1)に対するバックアップ用としてのB装置16(2)において、上述したステップS1〜S11の各処理を行う。これにより、各震度観測局12(i)からの前記各震度情報はB装置16(2)で収集され、このB装置16(1)から各表示端末装置24(1)〜24(5)に画面情報が配信される。
【0073】
次に、ステップS7における判定処理の詳細について、図5及び図6を参照しながら説明する。この判定処理は、A装置16(1)において、AフレームとBフレームとを比較することにより、震度観測局12(i)とA装置16(1)との間における通信状態や各装置の故障状態を判定するというものである。なお、以下、便宜的に、ステップS7の処理を異常・故障判定処理と称する。
【0074】
先ず、A装置16(1)内の判定処理サーバ52は、データベースサーバ46から蓄積されている自己の各Aフレームを呼び出して、前記各Aフレームに震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS20)。
【0075】
ステップS20において、前記各Aフレームに震度情報が格納されていることを確認できた場合、判定処理サーバ52は、B装置16(2)からの各Bフレームに震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS21)。
【0076】
ステップS21において、B装置16(2)からの前記各Bフレームに震度情報が格納されていることを確認できた場合、判定処理サーバ52は、前記各Aフレームのフレーム数と前記各Bフレームのフレーム数とが一致し、前記各Aフレームと前記各Bフレームとを比較できるか否かを判定する(ステップS22)。
【0077】
ステップS22において、前記各Aフレーム及び前記各Bフレームのフレーム数が一致した場合、判定処理サーバ52は、前記各Aフレームの内容と前記各Bフレームの内容とを比較して、各フレーム内に格納されている震度情報に相違があるか否かを判定する(ステップS23)。
【0078】
具体的に、判定処理サーバ52は、震度計識別コードの一致するAフレームとBフレームとを抽出し、前記Aフレームに格納されている震度情報の示す震度と、前記Bフレームに格納されている震度情報の示す震度とが一致するか否かを判定する。ステップS23では、このような判定処理を全てのフレームについて実施する。
【0079】
ステップS23において、前記各Aフレームの内容と前記各Bフレームの内容とに何らの相違点がなかった場合、判定処理サーバ52は、震度観測局12(i)とケーブル14(1)との間のルートと、震度観測局12(i)と無線18(1)とB装置16(2)と通信回線26とのルートとでは、通信状態が正常であり、故障状態にある装置は存在しないと判定する(ステップS24)。
【0080】
このステップS24で通信状態が正常であることを確認してから、図4に示すステップS8以降の処理が行われる。
【0081】
一方、図5のステップS23において、震度情報の一致しないAフレーム及びBフレームが発見された場合、判定処理サーバ52は、このAフレームに関連する震度観測局12(i)及びケーブル14(1)の少なくとも1つが故障しているか、あるいはこのBフレームに関連する震度観測局12(i)、無線18(1)、B装置16(2)及び通信回線26の少なくとも1つが故障又は異常状態にあるものと判定する(ステップS25)。
【0082】
また、ステップS22において、各Aフレームのフレーム数と各Bフレームのフレーム数とが一致しない場合、判定処理サーバ52は、A装置16(1)とB装置16(2)との間で収集されている震度情報の数が異なっているので、通信回線26の通信状態が良好でないと判定する(ステップS26)。
【0083】
ステップS21において、震度情報が格納されていないBフレームが存在することを確認した場合、判定処理サーバ52は、全てのBフレームに対して震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS27)。
【0084】
ステップS27において、震度情報が格納されているBフレームが1つでも存在することを確認できた場合、判定処理サーバ52は、震度情報が格納されていないBフレームに関係する無線18(1)の通信状態が良好ではなかったものと判定する(ステップS28)。
【0085】
ステップS27において、全てのBフレームに震度情報が格納されていなかった場合、判定処理サーバ52は、各震度観測局12(i)とB装置16(2)との間の無線18(1)の通信状態が良好ではなかったものと判定する(ステップS29)。
【0086】
ステップS20において、震度情報が格納されていないAフレームを発見した場合、判定処理サーバ52は、図6に示すように、判定処理サーバ52は、全てのAフレームに対して震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS30)。
【0087】
ステップS30において、震度情報が格納されているAフレームが1つでも存在することを確認できた場合、判定処理サーバ52は、各Bフレームに震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS31)。
【0088】
ステップS31において、震度情報が格納されていないBフレームが存在することを確認した場合、判定処理サーバ52は、全てのBフレームに対して震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS32)。
【0089】
ステップS32において、震度情報が格納されているBフレームが1つでも存在することを確認できた場合、判定処理サーバ52は、ステップS25と同様に、震度情報が収集されていないAフレームに関連する震度観測局12(i)及びケーブル14(1)の少なくとも1つが故障しているか、あるいは震度情報が収集されていないBフレームに関連する震度観測局12(i)、無線18(1)、B装置16(2)及び通信回線26の少なくとも1つが故障又は異常状態にあるものと判定する。
【0090】
ステップS32において、全てのBフレームに震度情報が格納されていないことを確認できた場合、判定処理サーバ52は、震度情報が格納されていないAフレーム及びBフレームが同じ震度計識別データを格納しているか否かを判定する(ステップS33)。
【0091】
ステップS33において、震度情報が格納されていないAフレーム及びBフレームについて、震度計識別データが一致しなかった場合、判定処理サーバ52は、ステップS25と同様に、震度情報が収集されていないAフレームに関連する震度観測局12(i)及びケーブル14(1)の少なくとも1つが故障しているか、あるいは震度情報が収集されていないBフレームに関連する震度観測局12(i)、無線18(1)、B装置16(2)及び通信回線26の少なくとも1つが故障又は異常状態にあるものと判定する。
【0092】
一方、ステップS33において、震度情報が格納されていないAフレーム及びBフレームが同じ震度計識別データを格納していることを確認できた場合、判定処理サーバ52は、前記震度計識別データの示す計測震度計34を有する震度観測局12(i)が故障状態にあるものと判定する(ステップS34)。
【0093】
また、ステップS31において、全てのBフレームに震度情報が格納されていることを確認した場合、判定処理サーバ52は、A装置16(1)と前記震度情報を収集できなかった震度観測局12(i)との間のケーブル14(1)が断線しているものと判定する(ステップS35)。
【0094】
ステップS30において、全てのAフレームに震度情報が格納されていないことを確認できた場合、判定処理サーバ52は、各Bフレームに震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS36)。
【0095】
ステップS36において、全てのBフレームに震度情報が格納されていることを確認できた場合、判定処理サーバ52はステップS35と同様に、A装置16(1)と前記震度情報を収集できなかった震度観測局12(i)との間のケーブル14(1)が断線しているものと判定する。
【0096】
一方、ステップS36において、震度情報が格納されていないBフレームが1つでも確認された場合、判定処理サーバ52は、全てのBフレームに対して震度情報が格納されているか否かを判定する(ステップS37)。
【0097】
ステップS37において、震度情報が格納されているBフレームが1つでも存在することを確認できた場合、判定処理サーバ52は、ステップS25と同様に、震度情報が収集されていないAフレームに関連する震度観測局12(i)及びケーブル14(1)の少なくとも1つが故障しているか、あるいは震度情報が収集されていないBフレームに関連する震度観測局12(i)、無線18(1)、B装置16(2)及び通信回線26の少なくとも1つが故障又は異常状態にあるものと判定する。
【0098】
一方、ステップS37において、全てのBフレームに震度情報が格納されていないことを確認できた場合、判定処理サーバ52は、ステップS34と同様に、前記震度計識別データの示す計測震度計34を有する震度観測局12(i)が故障状態にあるものと判定する(ステップS34)。
【0099】
なお、上述した異常・故障判定処理について、A装置16(1)に対するバックアップ用としてのB装置16(2)でも、A装置16(1)と同様の判定処理を行うことにより、このB装置16(2)と各震度観測局12(i)との間の通信状態を判定することも可能である。
【0100】
ここで、図7〜図9に示す本実施の形態に係る震度情報ネットワークシステム10における震度情報の収集と、図11〜図13に示す従来技術に係る震度情報ネットワークシステム100における震度情報の収集とを比較する。
【0101】
図11に示す震度情報ネットワークシステム100において、震度観測局102(1)と震度情報収集装置106とを接続するケーブル104が断線した場合、震度観測局102(1)から震度情報収集装置106に震度情報フレームが送信されることはない。
【0102】
上述した場合において、震度情報収集装置106は、前記各震度情報フレームを受信できない原因が、ケーブル104の断線によるものか、又は震度観測局102(i)内の各装置の故障によるものかを判定することはできない。
【0103】
また、図12に示す震度情報ネットワークシステム100において、震度情報収集装置106に故障が発生した場合、各震度観測局102(i)からケーブル104を介して震度情報フレームを各々送信しても、震度情報収集装置106で前記各震度情報フレームを収集することはできない。
【0104】
さらに、図13に示す震度情報ネットワークシステム100において、震度情報収集装置106と表示端末装置110(1)との間のケーブル108が断線した場合、震度情報収集装置106から表示端末装置110(1)に画像情報を配信することはできない。
【0105】
これに対して、図7に示す本実施の形態に係る震度情報ネットワークシステム10では、震度観測局12(2)とA装置16(1)とを接続するケーブル14が断線した場合、震度観測局12(2)から無線18を介してB装置16(2)に震度情報フレームを送信することが可能である。
【0106】
また、図7において、B装置16(2)から通信回線26を介してA装置16(1)に震度情報フレームを転送し、A装置16(1)において上述した異常・故障判定処理(図5及び図6参照)を行うことによって、震度観測局12(i)とA装置16(1)との間のどの箇所で故障や断線が発生しているのかを、A装置16(1)において特定することが可能である。
【0107】
また、図8に示すように、A装置16(1)が故障した場合でも、各震度観測局12(i)から無線18を介してB装置16(2)で震度情報フレームを受信することができる。
【0108】
さらにまた、図9に示すように、A装置16(1)と表示端末装置24(1)との間のケーブル20が断線していても、B装置16(2)から無線22を介して画面情報を配信することにより、表示端末装置24(1)内のディスプレイ上に前記画面情報の示す各計測地点の震度を表示することが可能である。
【0109】
このように、本実施の形態に係る震度情報ネットワークシステム10では、発信装置38が、計測震度計34からの震度情報を2つの震度情報収集装置16(1)、16(2)に送信するようにしたので、発信装置38からの前記震度情報は、2つのルートを介して各震度情報収集装置16(1)、16(2)で受信されることになる。これにより、一方のルートに設置された震度情報収集装置16(1)が故障しても、他方のルートに設置した震度情報収集装置16(2)により前記震度情報を確実に受信することができるので、1つのルートを介して震度情報を収集する従来技術に係る震度情報ネットワークシステム100と比較して、システム全体の信頼性を高めることができる。
【0110】
また、従来技術に係る震度情報ネットワークシステム100の有線であるケーブル104をそのまま利用して、本実施の形態に係る震度情報ネットワークシステム10を構築することができるので、低コスト且つ短期間でシステム全体を構築することが可能となる。
【0111】
さらに、震度情報収集装置16(1)では、通信回線26を介して震度情報収集装置16(2)から転送されてきた震度情報と、発信装置38から受信した震度情報とを対比することにより、前記各震度情報が同一の情報であるか否かを判定することができるので、計測震度計34で計測した前記震度情報を各震度情報収集装置16(1)、16(2)において確実に収集することが可能となる。
【0112】
さらにまた、各震度情報収集装置16(1)、16(2)で受信した前記各震度情報が、同一の発信装置38からの同一の前記震度情報であるか否かを判定することにより、上述した2つのルート上における故障箇所を特定することが可能となる。
【0113】
さらにまた、各表示端末装置24(1)〜24(10)は、2つのルートを介して各震度情報収集装置16(1)、16(2)から前記震度情報を含む画面情報を配信されるので、一方のルートに設置された震度情報収集装置16(1)が故障しても、他方のルートに設置した震度情報収集装置16(2)により前記震度情報を確実に受信することができ、1つのルートで震度情報を配信する従来技術に係る震度情報ネットワークシステム100と比較して、システム全体の信頼性を高めることができる。
【0114】
なお、本発明に係る震度情報ネットワークシステムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本実施の形態に係る震度情報ネットワークの説明図である。
【図2】図1の震度情報ネットワークを示すブロック図である。
【図3】図1及び図2の震度情報ネットワークに関し、衛星通信を利用した震度情報の送信を示す説明図である。
【図4】図1及び図2の震度情報ネットワークによる震度情報の収集処理を示すフローチャートである。
【図5】判定処理サーバにおける判定処理を示すフローチャートである。
【図6】判定処理サーバにおける判定処理を示すフローチャートである。
【図7】図1及び図2の震度情報ネットワークシステムにおける故障時の震度情報の収集を示す説明図である。
【図8】図1及び図2の震度情報ネットワークシステムにおける故障時の震度情報の収集を示す説明図である。
【図9】図1及び図2の震度情報ネットワークシステムにおける故障時の画像情報の配信を示す説明図である。
【図10】従来技術に係る震度情報ネットワークシステムの説明図である。
【図11】図10の震度情報ネットワークシステムにおける故障を示す説明図である。
【図12】図10の震度情報ネットワークシステムにおける故障を示す説明図である。
【図13】図10の震度情報ネットワークシステムにおける故障を示す説明図である。
【符号の説明】
【0116】
10…震度情報ネットワークシステム
12(i)、32(j)…震度観測局
14、14(1)、14(2)、20、20(1)、20(2)、28…ケーブル
16(1)、16(2)…震度情報収集装置
18、18(1)、18(2)、22、22(1)、22(2)…無線
24(1)〜24(10)、30…表示端末装置
26…通信回線 34…計測震度計
36…処理装置 38…発信装置
40…接続部 42…スイッチングハブ
44…収集サーバ 46…データベースサーバ
48…表示サーバ 50…通信サーバ
52…判定処理サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測地点に設置される震度計と、前記震度計に接続される発信装置と、前記発信装置に接続される少なくとも2つの震度情報収集装置と、
を備え、
前記震度計は、前記計測地点で計測した震度情報を前記発信装置に出力し、
前記発信装置は、前記各震度情報収集装置に前記震度情報を各々送信する
ことを特徴とする震度情報ネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1記載の震度情報ネットワークシステムにおいて、
前記発信装置は、前記各震度情報収集装置のうち、一方の震度情報収集装置に対して有線により前記震度情報を送信し、他方の震度情報収集装置に対して無線により前記震度情報を送信する
ことを特徴とする震度情報ネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の震度情報ネットワークシステムにおいて、
前記各震度情報収集装置は、前記各震度情報収集装置間を接続する通信回線を介して、受信した自己の震度情報を他の震度情報収集装置に転送する
ことを特徴とする震度情報ネットワークシステム。
【請求項4】
請求項3記載の震度情報ネットワークシステムにおいて、
前記発信装置は、前記震度計を識別する震度計識別データと前記震度情報とを含む震度情報フレームを、前記各震度情報収集装置に送信し、
前記各震度情報収集装置は、受信した前記震度情報フレームを前記通信回線を介して前記他の震度情報収集装置に転送し、
前記他の震度情報収集装置は、前記発信装置から直接受信した震度情報フレーム内の震度計識別データ及び震度情報と、前記通信回線を介して転送された震度情報フレーム内の震度計識別データ及び震度情報とを比較して、同一の前記震度計からの前記各震度情報が一致するか否かを判定する
ことを特徴とする震度情報ネットワークシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の震度情報ネットワークシステムにおいて、
前記各震度情報収集装置は、複数の震度情報表示装置に各々接続され、
前記各震度情報収集装置は、受信した前記震度情報を前記各震度情報表示装置に各々配信し、
前記各震度情報表示装置は、配信された前記震度情報を各々表示する
ことを特徴とする震度情報ネットワークシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−17576(P2006−17576A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195427(P2004−195427)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】