説明

霊芝有効成分の抽出方法

【課題】 霊芝の有効成分を無駄なく充分に引き出すことができると共に、歩留まりの良い霊芝の抽出方法を得る。
【解決手段】 約70℃から90℃に温められた水を入れた密閉タンク1の中に霊芝3を浸漬して所定時間放置する行程と、上記所定時間放置後に密閉タンク1内を加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程と、約7℃から15℃の水を入れた密閉タンク1の中に霊芝3を浸漬して加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程とを含む霊芝の抽出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、霊芝の有効成分を抽出する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の霊芝有効成分の抽出方法は、熱水による煮出し法、又は、クエン酸、乳酸、或いはリンゴ酸等の有機酸、砂糖類、及びビタミンCを含有した5〜10℃の低温水溶液で抽出し、低温抽出霊芝エキスを得る方法などがある。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】 特許公開平8−154627号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような従来の霊芝有効成分抽出方法では、まだまだ多量の有効成分が固形物の中に残ったまま廃棄されていて、無駄が多いと言う問題点があった。また、歩留まりが悪いためコストも高くなると言う問題点があった。
【0004】
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、霊芝の有効成分を無駄なく充分に引き出すことができると共に、歩留まりの良い霊芝の抽出方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の霊芝有効成分の抽出方法は、約70℃から90℃に温められた水を入れた密閉タンクの中に霊芝を浸漬して所定時間放置する行程と、上記所定時間放置後に密閉タンク内を加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程とを含むものである。
【0006】
また、約7℃から15℃の水を入れた密閉タンクの中に霊芝を浸漬して加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程の後、密閉タンクの中を加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程とを含むものである。
【0007】
また、請求1の抽出方法で得られた温水エキスと、請求項2の抽出方法で得られた冷水エキスとを混合する工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の霊芝有効成分の抽出方法は、約70℃から90℃に温められた水を入れた密閉タンクの中に霊芝を浸漬して所定時間放置する行程と、上記所定時間放置後に密閉タンク内を加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程とを採用したので、霊芝の有効成分を無駄なく充分に引き出すことができると共に、歩留まりが向上し、製造コストが安くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示す霊芝有効成分の加圧抽出方法の説明図である。図において、1は円柱状の密閉タンクである。2は密閉タンク1の内部に入れられた水、3は水2の中に浸漬された霊芝、4は気体である。5は密閉タンク1の上面に取り付けられた吸排気バルブである。6は密閉タンク1の上面に取り付けられた開閉口であり、水2や霊芝3を出し入れする。
【0010】
次に、霊芝有効成分の抽出方法を説明する。
先ず、図1(A)に示す通り、密閉タンク1へ約70℃から90℃に温められた水2と霊芝3を開閉口6から投入する。なお、温められた水の温度は79℃から82℃の範囲にするのが望ましい。次に、開閉口6を閉じると温められた水2の熱により密閉タンク1の内部は加圧されることにより、図1(B)に示す通り、霊芝3の組織内へ水2が浸透する。そのまま所定時間、例えば6時間放置する間に、密閉タンク1の内部は負圧となり、図1(C)に示す通り、有効成分は温められた水2に溶け出してくる。
【0011】
吸排気バルブ5を通して図示しない加圧装置により密閉タンク1内を加圧し、図1(D)に示す通り、密閉タンク1の内部を2気圧から20気圧にする。望ましくは、2気圧から8気圧の範囲が良い。
次に、密閉タンク1を加圧したまま所定時間、例えば48時間冷蔵保管し、図1(E)に示すとおり、一気に大気圧まで減圧すると、有効成分の内、多糖類と脂肪酸と糖タンパクが水2の中に抽出する。
上述の有効成分が抽出した水2を、図1(F)に示すとおり、開閉口6から取り出す。図1の工程で出来上がった水を温水エキス10と呼ぶ。
【0012】
上述の様な霊芝の加圧抽出方法においては、約70℃から90℃に温められた水の中に浸漬された霊芝を加圧装置により加圧及び減圧する工程を採用したので、霊芝の有効成分のうち温度を加えることで分離する成分を十二分に抽出することができ、無駄が少なくなると共に、歩止まりが向上しコストが安くなる。
【0013】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2を示す霊芝の抽出方法の説明図である。
図において、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付けてその説明を省略する。
まず、密閉タンク1へ7℃から12℃に冷やした水2と霊芝3を開閉口6から投入後、開閉口6を閉めて、図2(G)に示す通り、2気圧から20気圧まで加圧し、所定時間例えば12時間冷蔵保管する。望ましくは、2気圧から8気圧の範囲が良い。
冷蔵保管後、図2(H)に示す通り、一気に減圧すると有効成分の内、ボルバトキシンやガノデランA及びBが、7℃から12℃に冷やした水2の中に抽出する。
次に、図2(I)に示すとおり、再度2〜20気圧まで加圧する。望ましくは、2気圧から8気圧の範囲が良い。これが2回目の加圧である。
【0014】
次に、24時間冷蔵保管の後、図2(J)に示すとおり、一気に大気圧まで減圧すると、有効成分の内霊芝3の中に残っていたボルバトキシンやガノデランA及びBが7℃から12℃に冷やした水2の中に抽出する。
次に、図2(K)に示す通り、水2を開閉口6から取り出す。図2の工程で出来上がった水を、冷水エキス20と呼ぶ。
【0015】
上述の様な霊芝の加圧抽出方法においては、7℃に冷やされた水の中に浸漬された霊芝を加圧装置により加圧及び減圧する工程を採用したので、霊芝の有効成分のうち熱に弱いボルバトキシンやガノデランA及びBを十二分に抽出することができ、無駄が少なくなると共に、歩止まりが向上しコストが安くなる。
【0016】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3を示す霊芝有効成分の混合方法の説明図である。
図に示すとおり、実施の形態1の抽出方法で得られた温水エキス10と、実施の形態2の抽出方法で得られた冷水エキス20を、1対1割合でブレンドする。
次に、図示しない殺菌装置により殺菌処理工程を経て、霊芝エキス30が得られる。
上述の様な霊芝有効成分の混合方法においては、異なる有効成分を保持する2種類の温水エキス10と冷水エキス20を、1対1割合でブレンドしたので、熱を加えることで抽出効率が高まった有効成分を多く含むエキスと、熱に弱い有効成分を壊すことなく加圧により効率よく取り出したエキスの両方により、霊芝の有効成分を効率よく抽出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す霊芝有効成分の抽出方法を示す説明図である。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す霊芝有効成分の抽出方法を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態3を示す霊芝有効成分を混合方法の説明図である。
【符号の説明】
【0018】
1 密閉タンク、2 水、3 霊芝、10 温水エキス、20 冷水エキス、
30 霊芝エキス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約70℃から90℃に温められた水を入れた密閉タンクの中に霊芝を浸漬して所定時間放置する行程と、上記所定時間放置後に密閉タンク内を加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程とを含むことを特徴とする霊芝有効成分の抽出方法。
【請求項2】
約7℃から15℃の水を入れた密閉タンクの中に霊芝を浸漬して加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程の後、密閉タンクの中を加圧し所定時間冷蔵保管する工程と、上記冷蔵保管後に一気に大気圧まで減圧する工程を含むことを特徴とする霊芝有効成分の抽出方法。
【請求項3】
請求項1の抽出方法で得られた温水エキスと、請求項2の抽出方法で得られた冷水エキスとを混合する工程とを含むことを特徴とする霊芝有効成分の抽出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−126531(P2010−126531A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324690(P2008−324690)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(508362413)株式会社TOPJAPAN (1)
【Fターム(参考)】