霧化装置
【課題】微粒子が単分散されて均一に噴霧される霧化装置を提供する。
【解決手段】振動子15と、この振動子15により振動される枠体16と、この枠体16に設けられ液体が通過する多数のノズル孔17を有するノズル板18とを備え、枠体16は振動子15と固定される環状の鍔部19と、この鍔部19から突き出し中央開口部20にノズル板18が設けられる突出部21とを有し、この突出部21を湾曲させたものである。このように、枠体16は湾曲した強度のある構造体であるため、枠体16が振動子15によって発生させた弾性振動により振動するとともにこの枠体16と一体になってノズル板18全体が上下方向に振動することにより、微粒子が単分散されて均一に噴霧されるようになる。
【解決手段】振動子15と、この振動子15により振動される枠体16と、この枠体16に設けられ液体が通過する多数のノズル孔17を有するノズル板18とを備え、枠体16は振動子15と固定される環状の鍔部19と、この鍔部19から突き出し中央開口部20にノズル板18が設けられる突出部21とを有し、この突出部21を湾曲させたものである。このように、枠体16は湾曲した強度のある構造体であるため、枠体16が振動子15によって発生させた弾性振動により振動するとともにこの枠体16と一体になってノズル板18全体が上下方向に振動することにより、微粒子が単分散されて均一に噴霧されるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動子等の振動子によりノズル板を振動させて液体を霧化する霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、喘息患者が薬を吸引するためのネブライザーや、香料を散布する香料発生器等に使用される霧化装置は、多数の超微細なノズル孔を有するノズル板を圧電振動子で振動させることにより薬や香料の液体を霧化させるものであり、特許文献1や特許文献2で提唱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−371273号公報
【特許文献2】特開平6−7720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2に記載のような霧化装置において、図9Aに示すようにノズル板1Aが平面形状である場合、圧電振動子2によって発生させた弾性振動によりノズル板1Aが一点鎖線で示すように図面の上下方向に波を打って振動するため、ノズル孔3から振幅の大きいA点では微粒子が多量に噴出されるが、振幅の小さいB点では微粒子が少量しか噴出されず、振幅されないC点では微粒子が噴出されない不具合があり、このため微粒子が単分散されず均一に噴霧されない課題があった。
【0005】
また、図9Bに示すように、ノズル板1Bが半球面形状である場合、圧電振動子2によって発生させた弾性振動によりノズル板1Bが図面の上下方向に波を打って振動する際、ノズル板1Bの中央部分D点のノズル孔3からは微粒子が多量に噴出されるが、ノズル板1Bの周辺部分E点からは微粒子が少量しか噴出されない不具合があり、このため、上述と同様、微粒子が単分散されず均一に噴霧されない課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に着目し、微粒子が単分散されて均一に噴霧される霧化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の霧化装置では、振動子と、この振動子により振動される枠体と、この枠体に設けられ液体が通過する多数のノズル孔を有するノズル板とを備え、前記枠体は前記振動子と固定される環状の鍔部と、この鍔部から突き出し中央開口部に前記ノズル板が設けられる突出部とを有し、この突出部を湾曲させたものである。このように、枠体を湾曲した強度のある構造体としたため、枠体が振動子によって発生させた弾性振動により上下方向に振動するとともにこの枠体と一体になってノズル板全体が上下方向に振動するようになり、図9Aに示すようにノズル板が波を打つのを解決したものである。
【0008】
請求項2に記載の霧化装置では、前記突出部を最も強度のある半球形の形状にしたものである。
【0009】
請求項3記載の霧化装置では、ノズル孔を液体の入口側から出口側へ向かってこの出口側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部から出口端までストレート形状にしたものである。このようにすることにより、ノズル孔の入口側へ液体が円滑に供給されるとともに出口端からは微粒子が粒径制御され、均一に且つ垂直方向へ噴霧されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の霧化装置によれば、突出部が湾曲した強度のある枠体がノズル板と一体になって振動するため、ノズル板は従来のように波を打って振動することはなくノズル板全体が均一に上下方向に振動するため、ノズル板の全てのノズル孔から微粒子を単分散させて均一に噴霧させることができるという優れた効果を得ることができる。
【0011】
請求項2に記載の霧化装置によれば、突出部を半球形の形状にしたので、枠体は最も強度のある構造となって、枠体の全体が均一に振動するため、ノズル孔から微粒子を単分散させて均一に噴霧させるという優れた効果を確実に得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の霧化装置によれば、ノズル孔を液体の入口側から出口側へ向かってこの出口側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部から出口端までストレート形状にしたため、ノズル孔の入口側へ液体が円滑に供給されるとともに出口端からは微粒子が粒径制御され、単分散されて均一に且つ垂直方向へ噴霧させるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示す霧化装置を使用したネブライザーの断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す霧化装置を使用したネブライザーの平面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す枠体の拡大断面図である。
【図4】本発明の他の第1実施形態を示す枠体の断面図である。
【図5】本発明の他の第2実施形態を示す枠体の断面図である。
【図6】本発明の実施形態を示すノズル板の断面図である。
【図7】本発明の実施形態を示すノズル板の一部拡大断面図である。
【図8A】本発明の他の第1実施形態を示すノズル板の拡大断面図である。
【図8B】本発明の他の第2実施形態を示すノズル板の拡大断面図である。
【図8C】本発明の他の第3実施形態を示すノズル板の拡大断面図である。
【図9A】従来の霧化装置の断面図である。
【図9B】従来の他の霧化装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図1〜図8に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態について何ら限定されるものではない。
【0015】
図1及び図2において、10はネブライザーであり、本体11には薬の液体を本体11内に注入する注入口12と本発明の霧化装置13が設けられている。
【0016】
この霧化装置13は、リード線14より電圧が印加され図面の左右方向へ振動する圧電振動子タイプの振動子15と、この振動子15により図面の上下方向に振動される枠体16と、この枠体16に設けられ液体が通過する多数のノズル孔17を有するノズル板18とを備えている。
【0017】
枠体16は振動子15と固定される環状の鍔部19と、この鍔部から突き出し中央開口部20にノズル板18が設けられる突出部21とを有し、この突出部21を湾曲した半球形の形状にしている。このように枠体16は半球形の形状にしたことにより最も強度のある構造としている。
【0018】
そして、中央開口部20にはこの開口部20を覆うようにノズル板18が、鍔部19には振動子15がそれぞれ接着剤により固着されている。
【0019】
枠体16は、図3に示すように、厚さTが50μm〜2mm、鍔部19の外径Aが15mm、鍔部19の内径Bが5mm、突出部21の高さHが1.8mmで、ニッケルやステンレスまたはこれらの合金から形成されている。中央開口部20の口径Cは2mmである。
【0020】
上述した実施形態は、ネブライザーに使用する霧化装置の場合であるが、本発明の霧化装置を、例えば、香料を多量に発生する香料発生器や農薬を多量に噴霧させる噴霧器等に使用する場合は、図4に示すように複数個の枠体16Aを一体成形すれば極めて有用である。
【0021】
即ち、鍔部19に固着された振動子15により複数個の枠体16Aが同時に図面の上下方向に振動されることにより、突出部21Aに設けられた複数個のノズル板18で同時に多量な超微細な粒子が噴霧させることができる。
【0022】
図5は枠体16の他の実施形態を示すもので、突出部21Bの一部22を湾曲させて、枠体16Bに強度を持たせ、この湾曲部22の振動によりノズル板18を図面の上下方向に振動させるようにしたものであるが、図3に示した枠体16の方が上述したように突出部21を半球形の形状にした方が最も強度があり、好ましい。
【0023】
図6はノズル板18の断面図、図7はノズル板18の一部拡大断面図であり、ノズル孔17を液体の入口23側から出口24側へ向かってこの出口24側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部25から出口24端までストレート部26にした形状にしている。
【0024】
具体例として、ノズル板18の厚みtを30μm〜300μm、入口23の角度aを30°〜120°、ストレート部25は長さbを5μm〜50μm、口径cを0.5μm〜100μmとしている。
【0025】
このような形状にすることにより、ノズル孔17の入口23側へ液体が円滑に供給されるとともに出口24端からは微粒子が粒径制御され、均一に且つ垂直方向へ噴霧されるようにしたものである。
【0026】
図8A〜図8Cはノズル板18の他の実施形態を示したものである。図8Aに示すようにノズル孔17Aを入口23Aから出口24Aまでストレートに形成したり、図8Bに示すようにノズル孔17Bを入口23Bから出口24Bまで徐々に曲線的に細くしたり、図8Cに示すようにノズル孔17Cを入口23Cから出口24Cまで徐々に直線的に細くしたりしても良い。
【0027】
但し、図8Aの場合は入口23A側へ液体が円滑に供給されない恐れがある。図8B及び図8Cの場合は出口24B及び24Cにストレート部26がないため垂直方向へ噴霧されない恐れがある。このため、ノズル孔17は図6に示す形状にした方が好ましい。
【0028】
(作用)
本実施形態は上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、振動子15がリード線14より電圧が印加されて図面の左右方向へ振動すると、発生した弾性振動により枠体16の突出部21が図面の上下方向に振動する。
【0029】
このとき、突出部21は強度のある湾曲した半球形の形状となっているため、図1において一点鎖線で示すように突出部21の全体が振動するので、ノズル板18が枠体16と一体になって一点鎖線で示すように上下方向に振動する。
【0030】
このように、ノズル板18全体が均一に上下方向に振動するため、図9Aに示した従来のように波を打って振動することはなく、ノズル板18の全てのノズル孔17から微粒子が単分散されて均一に、且つ多量に噴霧される。
【0031】
しかも、ノズル孔17を液体の入口23側から出口24側へ向かってこの出口24側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部25から出口24端までストレート部26にした形状にすることにより、ノズル孔17の入口23側へ液体が円滑に供給されるとともに出口24端からは微粒子が粒径制御され、単分散されて均一に且つ垂直方向へ噴霧されることが確認できた。
【符号の説明】
【0032】
13 霧化装置
15 振動子
16 枠体
17 ノズル孔
18 ノズル板
19 鍔部
20 開口部
21 突出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動子等の振動子によりノズル板を振動させて液体を霧化する霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、喘息患者が薬を吸引するためのネブライザーや、香料を散布する香料発生器等に使用される霧化装置は、多数の超微細なノズル孔を有するノズル板を圧電振動子で振動させることにより薬や香料の液体を霧化させるものであり、特許文献1や特許文献2で提唱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−371273号公報
【特許文献2】特開平6−7720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2に記載のような霧化装置において、図9Aに示すようにノズル板1Aが平面形状である場合、圧電振動子2によって発生させた弾性振動によりノズル板1Aが一点鎖線で示すように図面の上下方向に波を打って振動するため、ノズル孔3から振幅の大きいA点では微粒子が多量に噴出されるが、振幅の小さいB点では微粒子が少量しか噴出されず、振幅されないC点では微粒子が噴出されない不具合があり、このため微粒子が単分散されず均一に噴霧されない課題があった。
【0005】
また、図9Bに示すように、ノズル板1Bが半球面形状である場合、圧電振動子2によって発生させた弾性振動によりノズル板1Bが図面の上下方向に波を打って振動する際、ノズル板1Bの中央部分D点のノズル孔3からは微粒子が多量に噴出されるが、ノズル板1Bの周辺部分E点からは微粒子が少量しか噴出されない不具合があり、このため、上述と同様、微粒子が単分散されず均一に噴霧されない課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に着目し、微粒子が単分散されて均一に噴霧される霧化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の霧化装置では、振動子と、この振動子により振動される枠体と、この枠体に設けられ液体が通過する多数のノズル孔を有するノズル板とを備え、前記枠体は前記振動子と固定される環状の鍔部と、この鍔部から突き出し中央開口部に前記ノズル板が設けられる突出部とを有し、この突出部を湾曲させたものである。このように、枠体を湾曲した強度のある構造体としたため、枠体が振動子によって発生させた弾性振動により上下方向に振動するとともにこの枠体と一体になってノズル板全体が上下方向に振動するようになり、図9Aに示すようにノズル板が波を打つのを解決したものである。
【0008】
請求項2に記載の霧化装置では、前記突出部を最も強度のある半球形の形状にしたものである。
【0009】
請求項3記載の霧化装置では、ノズル孔を液体の入口側から出口側へ向かってこの出口側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部から出口端までストレート形状にしたものである。このようにすることにより、ノズル孔の入口側へ液体が円滑に供給されるとともに出口端からは微粒子が粒径制御され、均一に且つ垂直方向へ噴霧されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の霧化装置によれば、突出部が湾曲した強度のある枠体がノズル板と一体になって振動するため、ノズル板は従来のように波を打って振動することはなくノズル板全体が均一に上下方向に振動するため、ノズル板の全てのノズル孔から微粒子を単分散させて均一に噴霧させることができるという優れた効果を得ることができる。
【0011】
請求項2に記載の霧化装置によれば、突出部を半球形の形状にしたので、枠体は最も強度のある構造となって、枠体の全体が均一に振動するため、ノズル孔から微粒子を単分散させて均一に噴霧させるという優れた効果を確実に得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の霧化装置によれば、ノズル孔を液体の入口側から出口側へ向かってこの出口側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部から出口端までストレート形状にしたため、ノズル孔の入口側へ液体が円滑に供給されるとともに出口端からは微粒子が粒径制御され、単分散されて均一に且つ垂直方向へ噴霧させるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示す霧化装置を使用したネブライザーの断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す霧化装置を使用したネブライザーの平面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す枠体の拡大断面図である。
【図4】本発明の他の第1実施形態を示す枠体の断面図である。
【図5】本発明の他の第2実施形態を示す枠体の断面図である。
【図6】本発明の実施形態を示すノズル板の断面図である。
【図7】本発明の実施形態を示すノズル板の一部拡大断面図である。
【図8A】本発明の他の第1実施形態を示すノズル板の拡大断面図である。
【図8B】本発明の他の第2実施形態を示すノズル板の拡大断面図である。
【図8C】本発明の他の第3実施形態を示すノズル板の拡大断面図である。
【図9A】従来の霧化装置の断面図である。
【図9B】従来の他の霧化装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図1〜図8に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態について何ら限定されるものではない。
【0015】
図1及び図2において、10はネブライザーであり、本体11には薬の液体を本体11内に注入する注入口12と本発明の霧化装置13が設けられている。
【0016】
この霧化装置13は、リード線14より電圧が印加され図面の左右方向へ振動する圧電振動子タイプの振動子15と、この振動子15により図面の上下方向に振動される枠体16と、この枠体16に設けられ液体が通過する多数のノズル孔17を有するノズル板18とを備えている。
【0017】
枠体16は振動子15と固定される環状の鍔部19と、この鍔部から突き出し中央開口部20にノズル板18が設けられる突出部21とを有し、この突出部21を湾曲した半球形の形状にしている。このように枠体16は半球形の形状にしたことにより最も強度のある構造としている。
【0018】
そして、中央開口部20にはこの開口部20を覆うようにノズル板18が、鍔部19には振動子15がそれぞれ接着剤により固着されている。
【0019】
枠体16は、図3に示すように、厚さTが50μm〜2mm、鍔部19の外径Aが15mm、鍔部19の内径Bが5mm、突出部21の高さHが1.8mmで、ニッケルやステンレスまたはこれらの合金から形成されている。中央開口部20の口径Cは2mmである。
【0020】
上述した実施形態は、ネブライザーに使用する霧化装置の場合であるが、本発明の霧化装置を、例えば、香料を多量に発生する香料発生器や農薬を多量に噴霧させる噴霧器等に使用する場合は、図4に示すように複数個の枠体16Aを一体成形すれば極めて有用である。
【0021】
即ち、鍔部19に固着された振動子15により複数個の枠体16Aが同時に図面の上下方向に振動されることにより、突出部21Aに設けられた複数個のノズル板18で同時に多量な超微細な粒子が噴霧させることができる。
【0022】
図5は枠体16の他の実施形態を示すもので、突出部21Bの一部22を湾曲させて、枠体16Bに強度を持たせ、この湾曲部22の振動によりノズル板18を図面の上下方向に振動させるようにしたものであるが、図3に示した枠体16の方が上述したように突出部21を半球形の形状にした方が最も強度があり、好ましい。
【0023】
図6はノズル板18の断面図、図7はノズル板18の一部拡大断面図であり、ノズル孔17を液体の入口23側から出口24側へ向かってこの出口24側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部25から出口24端までストレート部26にした形状にしている。
【0024】
具体例として、ノズル板18の厚みtを30μm〜300μm、入口23の角度aを30°〜120°、ストレート部25は長さbを5μm〜50μm、口径cを0.5μm〜100μmとしている。
【0025】
このような形状にすることにより、ノズル孔17の入口23側へ液体が円滑に供給されるとともに出口24端からは微粒子が粒径制御され、均一に且つ垂直方向へ噴霧されるようにしたものである。
【0026】
図8A〜図8Cはノズル板18の他の実施形態を示したものである。図8Aに示すようにノズル孔17Aを入口23Aから出口24Aまでストレートに形成したり、図8Bに示すようにノズル孔17Bを入口23Bから出口24Bまで徐々に曲線的に細くしたり、図8Cに示すようにノズル孔17Cを入口23Cから出口24Cまで徐々に直線的に細くしたりしても良い。
【0027】
但し、図8Aの場合は入口23A側へ液体が円滑に供給されない恐れがある。図8B及び図8Cの場合は出口24B及び24Cにストレート部26がないため垂直方向へ噴霧されない恐れがある。このため、ノズル孔17は図6に示す形状にした方が好ましい。
【0028】
(作用)
本実施形態は上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、振動子15がリード線14より電圧が印加されて図面の左右方向へ振動すると、発生した弾性振動により枠体16の突出部21が図面の上下方向に振動する。
【0029】
このとき、突出部21は強度のある湾曲した半球形の形状となっているため、図1において一点鎖線で示すように突出部21の全体が振動するので、ノズル板18が枠体16と一体になって一点鎖線で示すように上下方向に振動する。
【0030】
このように、ノズル板18全体が均一に上下方向に振動するため、図9Aに示した従来のように波を打って振動することはなく、ノズル板18の全てのノズル孔17から微粒子が単分散されて均一に、且つ多量に噴霧される。
【0031】
しかも、ノズル孔17を液体の入口23側から出口24側へ向かってこの出口24側の途中まで先細形状にするとともに、この先細端部25から出口24端までストレート部26にした形状にすることにより、ノズル孔17の入口23側へ液体が円滑に供給されるとともに出口24端からは微粒子が粒径制御され、単分散されて均一に且つ垂直方向へ噴霧されることが確認できた。
【符号の説明】
【0032】
13 霧化装置
15 振動子
16 枠体
17 ノズル孔
18 ノズル板
19 鍔部
20 開口部
21 突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子と、この振動子により振動される枠体と、この枠体に設けられ液体が通過する多数のノズル孔を有するノズル板とを備えた霧化装置において、前記枠体は前記振動子と固定される環状の鍔部と、この鍔部から突き出し中央開口部に前記ノズル板が設けられる突出部とを有し、この突出部を湾曲させていることを特徴とする霧化装置。
【請求項2】
前記突出部は、半球形の形状である請求項1記載の霧化装置。
【請求項3】
前記ノズル孔は、液体の入口側から出口側へ向かってこの出口側の途中まで先細形状であるとともに、この先細端部から出口端までストレート形状である請求項1記載の霧化装置。
【請求項1】
振動子と、この振動子により振動される枠体と、この枠体に設けられ液体が通過する多数のノズル孔を有するノズル板とを備えた霧化装置において、前記枠体は前記振動子と固定される環状の鍔部と、この鍔部から突き出し中央開口部に前記ノズル板が設けられる突出部とを有し、この突出部を湾曲させていることを特徴とする霧化装置。
【請求項2】
前記突出部は、半球形の形状である請求項1記載の霧化装置。
【請求項3】
前記ノズル孔は、液体の入口側から出口側へ向かってこの出口側の途中まで先細形状であるとともに、この先細端部から出口端までストレート形状である請求項1記載の霧化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2011−235202(P2011−235202A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106035(P2010−106035)
【出願日】平成22年5月1日(2010.5.1)
【出願人】(396026710)株式会社オプトニクス精密 (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月1日(2010.5.1)
【出願人】(396026710)株式会社オプトニクス精密 (34)
【Fターム(参考)】
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