説明

静電チャック及びその製造方法

【課題】静電チャック及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】静電チャックは、基体と、基体上に形成された非晶質の第1絶縁層と、第1絶縁層上に形成された静電気力発生用電極層と、電極層上に形成された誘電層とを含む。従って、静電チャックは漏洩電流によるアーキング発生を抑制し、電気的特性及び耐久性が向上される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静電チャック及びその製造方法に関し、より詳しくは、プラズマを利用した半導体製造装置において、基板を吸着支持するための静電チャック及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置のうち、プラズマ処理装置は、チャンバ内の基板支持台に半導体基板を
固定した状態で工程ガスをプラズマ状態に変換して半導体基板を加工する。前記基板支持台としては、半導体基板の固定に静電気力を利用する静電チャックを挙げることができる。
【0003】
前記静電チャックは、誘電層間に電極層が埋設されるように具備され、電極層に電圧を印加して誘電層上に形成される静電気力で半導体基板を静電吸着し固定することになる。ここで、プラズマ処理装置で使われる静電チャックの場合、プラズマ状態の工程ガスによってエッチングされることを防ぐための溶射コーティング層を利用して誘電体を形成する。
【0004】
一般的に、プラズマ処理装置の静電チャックで誘電層として使用される溶射コーティング層は、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)等を含むセラミック系の溶射コーティング用粉末を利用して溶射コーティング工程によって形成される。
【0005】
このように、セラミック系の溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング層は、結晶構造を有することになり、結晶構造を有する溶射コーティング層の場合、誘電率が相対的に良いという長所を有する。
【0006】
しかし、結晶構造を有する溶射コーティング層の場合、気孔が相対的に多く存在して、体積抵抗が低いという短所によって漏洩電流が発生し、漏洩電流によるアーキングの発生が問題になっている。これを改善するために結晶構造の溶射コーティング層に含まれた気孔を埋める封孔処理を通じて体積抵抗を増加させる方案が開発されたが、長時間使用によって体積抵抗が減少してアーキング発生及び静電吸着機能が低下するという問題点があった。
【0007】
また、最近基板の大型化が急速に進行していて大面積の基板を吸着するために電極層に印加される電圧が低電圧から高電圧に増加している。しかし、高電圧に増加すればするほど、基体と溶射コーティング層の熱膨張係数の差によるクラック(crack)発生によって絶縁破壊現象が発生しやすく、静電吸着機能を増大させることが難しいという問題点がある。
【0008】
従って、静電気力形成に必要な誘電率を維持しながら漏洩電流防止のために体積抵抗が増加した誘電層を有する静電チャックが要求されているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明が解決しようとする一課題は、静電気力の形成に必要な誘電率の減少なしで体積抵抗を増加させて、漏洩電流によるアーキング発生を抑制できる静電チャックを提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記静電チャックを製造するための方法を提供す
ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記本発明の一課題を達成するために本発明の一実施形態に係る静電チャックは、基体
と、前記基体上に形成された非晶質の第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された静電気力発生用電極層と、前記電極層上に形成された誘電層を含む。
【0012】
ここで、一実施形態に係る静電チャックにおいて、前記誘電層は前記電極層上に形成された非晶質の第1誘電層と、前記第1誘電層上に形成された結晶質の第2誘電層を含むことができる。
【0013】
他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記第1誘電層の厚さは100um〜300umであり、前記第2誘電層の厚さは200um〜400umであることができる。
【0014】
また他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記第1誘電層は気孔率が0.5%〜2
%であり、前記第2誘電層は気孔率が3%〜7%であることができる。
【0015】
また他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記第1誘電層は表面粗度(Ra)が4um〜8umであり、前記第2誘電層は表面粗度(Ra)が3um〜5umであることができる。
【0016】
また他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記第1誘電層及び第2誘電層は、硬度が650Hv以上であり、接着強度が14Mpa以上であることができる。
【0017】
また他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記第1誘電層と前記第2誘電層の全体積抵抗は1014〜1015Ω・cmであることができる。
【0018】
また他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記電極層は前記第1誘電層によって埋設されて、前記第1誘電層は前記第2誘電層によって埋設されるように形成することを特徴とすることができる。
【0019】
また他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記第1絶縁層は厚さが400um〜600umであることができる。
【0020】
また他の実施形態に係る静電チャックにおいて、前記基体と前記電極層との間に形成された結晶質の第2絶縁層をさらに含むことができる。また、前記第1絶縁層は厚さが100um〜300umであり、前記第2絶縁層は厚さが200um〜400umであることができる。
【0021】
前記本発明の一課題を達成するために本発明の一実施形態に係る静電チャックは、基体と、前記基体上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された静電気力発生用電極層と、前記電極層上に形成された非晶質の第1誘電層と、前記第1誘電層上に形成された結晶質の第2誘電層とを含む。
【0022】
前記本発明の他の課題を達成するために本発明の一実施形態に係る静電チャックの製造方法は、基体を準備する段階と、前記基体上に非晶質の第1絶縁層を形成する段階と、前記第1絶縁層上に静電気力発生用電極層を形成する段階と、前記電極層上に誘電層を形成する段階とを含む。
【0023】
この時、一実施形態に係る静電チャック製造方法において、前記誘電層を形成する段階は
、前記電極層上に非晶質の第1誘電層を形成する段階と、前記第1誘電層上に結晶質の第2誘電層を形成する段階とを含むことができる。
【0024】
他の実施形態に係る静電チャック製造方法において、前記第1誘電層は、前記電極層を包むように形成され、前記第2誘電層は前記第1絶縁層、前記第1誘電層、及び前記基体を包むように形成されることができる。
【0025】
また他の実施形態に係る静電チャック製造方法において、前記第1絶縁層、前記第1誘電層及び第2誘電層は、大気プラズマ溶射工程、高速酸素−燃料溶射工程、真空プラズマ溶射工程、または、キネティック噴射工程のうち、いずれか1つによって形成することができる。
【0026】
また他の実施形態に係る静電チャック製造方法において、前記第1絶縁層と、前記第1誘電層及び第2誘電層に対して個別的またはグループ単位または一括的に封孔処理材を利用して封孔処理する段階をさらに含むことができる。
【0027】
また他の実施形態に係る静電チャック製造方法において、前記電極層を形成する段階以前に前記第1絶縁層上に、または、前記第1絶縁層を形成する段階以前に前記基体上に、結晶質の第2絶縁層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0028】
また、前記第2絶縁層は大気プラズマ溶射工程、高速酸素−燃料溶射工程、真空プラズマ溶射工程、または、キネティック噴射工程のうち、いずれか1つによって形成することができる。また、前記第1絶縁層及び第2絶縁層と、前記第1誘電層及び第2誘電層とに対して個別またはグループ単位または一括的に封孔処理材を利用して封孔処理する段階をさらに含むことができる。
【0029】
前記本発明の他の課題を達成するために本発明の一実施形態に係る静電チャックの製造方法は、基体を準備する段階と、前記基体上に第1絶縁層を形成する段階と、前記第1絶縁層上に静電気力発生用電極層を形成する段階と、前記電極層上に非晶質の第1誘電層を形成する段階と、前記第1誘電層上に結晶質の第2誘電層を形成する段階とを含む。
【発明の効果】
【0030】
このように構成された本発明による静電チャックは、誘電層が非晶質の溶射コーティング層と結晶質の溶射コーティング層を含む多重層構造で形成されるので、静電気力形成のための適正な誘電率を有しながら、かつ、体積抵抗は増加するので、漏洩電流を抑制してアーキング発生を抑制し、静電吸着力を向上させ、電気的特性を向上させる。
【0031】
また、電極層に電圧を印加するための端子の接続部分にバッファ層を具備することによって、熱応力によって端子の接続部分で頻繁に発生するクラック不良を改善することができる。
【0032】
従って、静電チャックの維持費用を節減でき、静電チャックの機能向上を通じて工程効率を向上させることができ、耐久性向上で静電チャックの寿命を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態による静電チャックの構成を示す概略図である。
【図2】図1に図示したコネクタの一実施形態を示す概略図である。
【図3】図1に図示したコネクタのまた他の実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る静電チャックの構成を示す概略図である。
【図5】本発明による静電チャック及び従来技術による静電チャックにおいて電極層に印加される電圧による絶縁抵抗を示すグラフである。
【図6】本発明による静電チャック及び従来静電チャックの使用時間による漏洩電流及び冷却ガス供給量を示すグラフである。
【図7】本発明による静電チャックを利用したエッチング工程後のエッチング率を示すグラフである。
【図8】従来静電チャックを利用したエッチング工程後のエッチング率を図示したグラフである。
【図9】図1に図示した非晶構造を有する溶射コーティング層の形成に利用される第1溶射コーティング用粉末を説明するための写真である。
【図10】図9に図示した第1溶射コーティング用粉末の製造方法を説明するための工程図である。
【図11】図10に図示した第1スラリー組成物の形成方法を説明するための工程図である。
【図12】図10に図示した第2スラリー組成物の形成方法を説明するための工程図である。
【図13】図10に図示した混合スラリー組成物の形成方法において、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの結合を説明するための図面である。
【図14】本発明の一実施形態による静電チャック製造方法を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態に係る静電チャック及びその製造方法に対して詳細に説明する。
【0035】
本発明は多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示して本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解するべきである。各図面 を説明しながら類似の
参照符号を類似の構成要素に対して使った。添付した図面において、構造物のサイズは本発明の明確性を期するために実際より拡大して示した。第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するのに使用しているが、これらの構成要素がこのような用語によって限定されるものではない。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使った。例えば、本発明の権利範囲から逸脱しなければ第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名することができる。
【0036】
本明細書で使用する用語は単に特定の実施形態を説明するために使用するもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。 本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に
記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたのが存在するということを指定しようとするものであって、一つまたは、それ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたものの存在または、付加の可能性を、予め排除しない。
【0037】
別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含み、本明細書中において使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、一般的に理解するのと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書において定義する用語と同じ用語は関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと理解するべきで、本明細書において明白に定義しない限り、理想的或いは過度に形式的な意味として解釈してはならない。
【0038】
静電チャックは、1つの電極を有するユニポーラ(unipolar)タイプと2つの電極を有するバイポーラ(bipolar)タイプを含む。ここでは、1つの電極を有するユニポーラタイプの静電チャックに対して説明する。
【0039】
図1は本発明の一実施形態に係る静電チャックの構成を示す概略面である。
【0040】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態に係る静電チャック100は、基体110、第1絶縁層120、電極層140、第1誘電層150、第2誘電層160、及びコネクタ170を含む。
【0041】
特に、前記静電チャック100において、第1絶縁層120と第1誘電層150は、非晶構造を有する溶射コーティング層であり、第2誘電層160は、結晶構造を有する溶射コーティング層である。即ち、前記静電チャック100の誘電層は、非晶質の溶射コーティング層と結晶質の溶射コーティング層を含む多重層で構成され、前記多重層構成を通じて静電気力形成に必要な誘電率を確保すると同時に、高い体積抵抗を確保することによって電気的特性が向上される。また、基体110と電極層140を絶縁させるための絶縁層は、非晶質の溶射コーティング層で構成されることによって、非晶質の溶射コーティング層が有する高い体積抵抗特性によって絶縁特性が向上される。
【0042】
前記基体110は、平板形態またはシリンダー形態を有する。基体110は、一般的に吸着対象物(例えば、基板)に対応する大きさを有する。即ち、基体110は、半導体素子または平板表示素子を製造するための基板の大きさと同じであるか、または、前記基板の大きさより大きいことができる。一例として、基体110は金属から形成することができる。前記金属の例としては、アルミニウム(Al)を含むことができる。他の例としては、基体110は、その表面に金属コーティング層を含むことができる。
【0043】
前記第1絶縁層120は、基体110上に形成される。例えば、第1絶縁層120は、基体110の上部面の一部領域に形成されることができる。第1絶縁層120は、非晶構造を有し、第1溶射コーティング用粉末を利用して溶射コーティング工程によって収得される。即ち、第1溶射コーティング用粉末は、非晶質の溶射コーティング層を形成するための溶射コーティング用粉末である。例えば、第1溶射コーティング用粉末は、酸化イットリウム及び酸化アルミニウムを含み、20um〜60umの平均粒子直径を有する粗粒粒子からなることができる。具体的に、前記第1溶射コーティング用粉末は、第1スラリー組成物と第2スラリー組成物との混合スラリー組成物から収得される粗粒粒子からなることができる。ここで、前記第1スラリー組成物は、0.01um〜2umの直径を有する
酸化イットリウム粒子、前記酸化イットリウム粒子を均一に分散させる第1分散剤、前記酸化イットリウム粒子間に結合力を提供する第1結合剤、及び余分の第1溶媒を含む。前記第2スラリー組成物は、0.5um〜2umの直径を有する酸化アルミニウム粒子、前
記酸化アルミニウム粒子を均一に分散させる第2分散剤、前記酸化アルミニウム粒子間に結合力を提供する第2結合剤、及び余分の第2溶媒を含む。また、前記混合スラリー組成物で、第1スラリー組成物の酸化イットリウムと第2スラリー組成物の酸化アルミニウムが1:0.4〜1の重量比を有する。前記第1溶射コーティング用粉末に対しては以下に
おいてより詳細に説明する。
【0044】
前記第1絶縁層120は、400um〜600umの厚さを有する。第1絶縁層120は、基体110と電極層140を絶縁させるが、第1絶縁層120の厚さが400um未満の場合には絶縁のための体積抵抗を有しても耐電圧特性が悪くなって電極層140と基体110との間の絶縁性が低下するので望ましくない。第1絶縁層120は非晶構造を有することによって高い体積抵抗を有する。例えば、第1絶縁層120は、約1013Ω・cmの体積抵抗を有する。また、第1絶縁層120は後処理工程によって溶射コーティング
層に含まれた気孔を埋める封孔処理が進行されることができ、前記封孔処理を通じて第1絶縁層120の体積抵抗は、約1014〜1015Ω・cmに増加する。また、第1絶縁層120は、非晶構造を有するということによってコーティング層内部の空間を最小化することができて低い気孔率を有する。前記第1絶縁層120は2%以下の気孔率を有し、望ましくは1%以下の気孔率を有する。具体的に第1絶縁層120は、約0.5%〜2%
の気孔率を有し、望ましくは約0.5%〜1%の気孔率を有する。また、第1絶縁層12
0は、一定水準以上の接着強度を確保するために4um〜8umの表面粗度(Ra)を有し、これを通じて14Mpa以上の接着強度を有することになる。また、第1絶縁層120は650Hv以上の硬度を有する。
【0045】
前記基体110と第1絶縁層120との間にはボンディング層115を備えることができる。前記ボンディング層115は、基体110と第1絶縁層120を接着する役割をする。前記ボンディング層115は、基体110の熱膨張率と第1絶縁層120の熱膨張率の中間程度の熱膨張率を有し、互いに異なる熱膨張率を有する基体110と第1絶縁層120との間で緩衝役を果たす。前記ボンディング層115は、金属合金を含み、前記金属合金の例としては、ニッケル−アルミニウム合金を挙げることができる。前記ボンディング層115は、30um〜50umの厚さを有し、約5%以下の気孔率を有することが望ましい。
【0046】
前記電極層140は、第1絶縁層120上に形成される。例えば、電極層140は、第1絶縁層120の上部面の一部領域に形成されることができる。電極層140は、静電気力発生のために具備される。電極層140は、前記第1誘電層150及び第2誘電層160を誘電体として、第2誘電層160の上面に静電気力を発生させ、前記静電気力で第2誘電層160上に安着される基板を静電吸着して固定し維持することになる。電極層140は導電性材質からなる。前記導電性材質の一例としては、タングステンを挙げることができる。一例として、電極層140は溶射コーティング工程によって形成されることができる。これとは違って、電極層140はスクリーン印刷技法を使用して形成されることができる。前記電極層140は約30um〜50umの厚さを有する。電極層140の厚さが30um未満の場合、電極層140内の気孔率及びその他の欠陥によって抵抗値が増加することになり、前記抵抗値の増加によって静電吸着力が低下する現象が発生するので望ましくない。電極層140の厚さが50umを超過すると過電流が発生してアーキングが発生することになるので望ましくない。従って、電極層140は約30um〜50umの厚さを有することが望ましい。
【0047】
前記電極層140は、静電気力を形成するために外部から高電圧の印加を受けることになり、高電圧の印加は前記コネクタ170を通じて行われる。前記コネクタ170は、基体110及び第1絶縁層120を貫通して電極層140に接続される。
【0048】
図2は図1に図示したコネクタの一実施形態を示す概略図である。
【0049】
図2を参照すれば、一実施形態に係る前記コネクタ170は、端子171、絶縁部材172及びバッファ層173を含む。
【0050】
前記端子171は、基体110及び第1絶縁層120を貫通して電極層140に電気的に接続され、実質的に外部の電源(図示せず)から供給される高電圧を電極層140に伝達する役割をする。従って、基体110及び第1絶縁層120には、端子171を貫通させるための貫通ホールが具備される。端子171は、導電性材質からなる。例えば、端子172は、タングステン、モリブデン、チタンなどの導電性材質からなることができる。
【0051】
前記絶縁部材172は、端子171の絶縁のために具備される。従って、絶縁部材172
は、端子171を包むように形成する。例えば、絶縁部材172は、端子171と基体110との間、端子171と第1絶縁層120との間に形成する。また、絶縁部材172は、電極層140と接触する端子171の先端の一部を除いた端子171と電極層140との間にも形成されることができる。絶縁部材172は、例えば、セラミック焼結体で形成されることができる。セラミック焼結体は、気孔が少ないため、絶縁性を極大化させることができるという長所がある。ここで、絶縁部材172は、約2000umの厚さで形成されることができ、表面抵抗を低くしてアーキング発生を減らすために0.1um〜2u
mの表面粗度(Ra)を有するように形成されることができる。
【0052】
前記静電チャック100には、基板に対する工程(例えば、プラズマ工程)が進行される間に熱応力(例えば、プラズマ温度による熱応力)が加えられる。具体的に、静電チャック100には、工程中に発生する熱によって熱膨張が発生するが、熱応力は基体110、第1絶縁層120、及び絶縁部材172の熱膨張の程度が各々違うので発生することになる。このような熱応力は、絶縁部材172と基体110の接触面の端部及び第1絶縁層120の接触面の端部などで最大になる。また、熱応力は相対的に強度の弱い第1絶縁層120側に伝播されてクラックを発生させ、さらには第1誘電層150及び第2誘電層160側に成長して静電チャック100の寿命を短縮させる要因となる。
【0053】
このような熱応力による損傷を最小化させるためにバッファ層173が具備される。
【0054】
前記バッファ層173は、絶縁部材172の上部の一部領域を包むように形成する。例えば、バッファ層173は、絶縁部材172と基体110の接触面のうち少なくとも一部、絶縁部材172と第1絶縁層120の接触面、絶縁部材172と電極層140の接触面に形成されることができる。バッファ層173は、セラミックを含むことができ、前記セラミックの例としては、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、BxCy、BN、SiO、SiC、YAG、Mullite、AlF等を挙げることができる。この時、これらのセラミックは、単独または組合わせて使用することができる。一例として、バッファ層173は、溶射コーティング工程を利用して形成することができる。
【0055】
前記バッファ層173は、100um〜250umの厚さを有し、望ましくは、150um〜200umの厚さを有する。バッファ層173の厚さが250umを超過する場合、バッファ層173内部に気孔などが生成してクラックが発生されることができるので望ましくなく、バッファ層173の厚さが100um未満の場合には、緩衝役が果たせなくなるので望ましくない。また、バッファ層173は、表面抵抗を低くすることによって、アーキング発生を減らすために、0.1um〜2umの表面粗度(Ra)を有するように形
成することが望ましい。
【0056】
前記バッファ層173は、工程中に静電チャック100の温度上昇に起因して発生する熱応力を吸収(緩衝)する役割をする。例えば、静電チャック100が熱を受けて基体110が膨張することになる時に生成される熱応力が、絶縁部材172に直接的に伝えられずにバッファ層173によって吸収されることになる。
【0057】
本実施形態において、バッファ層173による熱応力の緩衝効果を極大化するために、バッファ層173の気孔率は、基体110、第1絶縁層120、第1誘電層150及び第2誘電層160の気孔率と同じであるか、または、それ以上であるのが望ましい。例えば、バッファ層173は、2%〜10%の気孔率を有することができ、望ましくは、2%〜7%の気孔率を有する。バッファ層173の気孔率が10%を超過する場合にはバッファ層173内部の気孔が増加して強度が落ち、さらには、バッファ層173自体が落ちることがあるので望ましくなく、バッファ層173の気孔率が2%未満の場合にはバッファ層1
73にクラックが発生することがあるので望ましくない。
【0058】
また、バッファ層173のエッジ部は、鋭く(sharp)ないラウンド形状または面取り(chamfer)形状を有するように形成することが望ましい。バッファ層173のエッジ部が鋭い形状を有することになれば、その部分に応力が集中されてクラックの発生確率を増加させることができるためである。
【0059】
図3は図1に図示したコネクタの他の実施形態を示す概略図である。
【0060】
ここで、図3に図示したコネクタ170は、図2を参照して上述したコネクタ170と形態上の差異点を除けば非常に類似している。従って、説明上の便宜のために差異点中心に簡略に説明し、説明しない部分は上述した図2に図示した構成と同一であることと理解するべきである。
【0061】
図3を参照すれば、他の実施形態に係る前記コネクタ170は、端子177、絶縁部材178、及びバッファ層179を含む。
【0062】
前記端子177は、基体110及び第1絶縁層120を貫通して電極層140に電気的に接続され、外部電源(図示せず)からの高電圧を電極層140に伝達する役割をする。
【0063】
前記絶縁部材178は基体110と端子177との間に形成され、基体110と端子を絶縁させる役割をする。絶縁部材178は、基体110領域に対して形成される。即ち、絶縁部材178は、端子177と基体110との間に形成される。
【0064】
前記バッファ層179は熱応力を緩衝するために具備される。バッファ層179は、第1バッファ層179aと第2バッファ層179bを含む。
【0065】
前記第1バッファ層179aは、絶縁部材178の上段部の一部領域及び絶縁部材178から露出された端子177の上段部を包むように形成される。例えば、第1バッファ層179aは、基体110と絶縁部材178の接触面のうちの一部、絶縁部材178と第1絶縁層120の接触面、及び端子177と第1絶縁層120の接触面に対して形成されることができる。ここで、言及したように、第1バッファ層179aが絶縁部材178及び端子177の上段部の一部を包むように形成しているにもかかわらず、クラックが発生することができる。即ち、第1バッファ層179aが熱応力を完全に吸収できない場合、基体110と絶縁部材178の接触面の端部でクラックが発生することができるが、このクラックは成長して第1誘電層150及び第2誘電層160に伝播されることができる。従って、第1バッファ層179aが形成されているにもかかわらず、発生したクラックが第1誘電層150及び第2誘電層160に伝播されることを抑制するために第2バッファ層179bを具備する。
【0066】
前記第2バッファ層179bは、絶縁部材178の上段部付近に形成される。例えば、第2バッファ層179bは、絶縁部材178と第1絶縁層120との間、及び、基体110と第1絶縁層120の接触面のうち一部領域に形成されることができる。ここで、絶縁部材178と第1絶縁層120との間には、実質的に第1バッファ層179aと第1絶縁層120との間に第2バッファ層179bが形成されることになる。このような第2バッファ層179bは形成位置を除けば、材質、厚さ、表面粗度などの特性が第1バッファ層179aと実質的に同じである。
【0067】
言及した通り、熱応力が最も大きく発生する地点である基体110と絶縁部材178の接触面の周囲に、第1バッファ層179a及び第2バッファ層179bが形成されることに
よって、発生した熱応力を2段階にかけて吸収するので、クラック発生をより効果的に防止できるようになる。従って、静電チャック100の寿命短縮を改善することができる。一方、前記バッファ層179が第1バッファ層179a及び第2バッファ層179bを含んでいると説明したが、他の実施形態においては、第2バッファ層179bは省略することもできる。
【0068】
本実施形態において、基体110は端子177及び絶縁部材178が貫通する位置に対応して傾斜面を有する。前記基体110の傾斜面によって第1絶縁層120のA領域の密度が傾斜面を除いた基体110上のB領域の密度より相対的に低いことができる。反面、A領域の厚さがB領域の厚さより厚いため、A領域の第1絶縁層120に含まれた気孔を通じての電流漏洩を減少させることができる。従って、基体110と電極層140との間のアーキングの発生を減らすことができる。また、A領域の厚さが相対的に厚いので、基体110と絶縁部材178との境界面部位の第1絶縁層120にクラックの発生を防ぐことができる。従って、クラックを通じての基体110と電極層140との間のアーキング発生を減らすことができる。
【0069】
また、電極層140は端子177の上方領域の電極層140の上部面が、第1絶縁層120の上方領域の電極層140の上部面より低く形成することが望ましい。これを通じて、端子177の上方のC領域に形成される第1誘電層150及び第2誘電層160の厚さが残りのD領域に形成される第1誘電層150及び第2誘電層160の厚さより厚く形成されることが望ましい。これは、端子177を通じて高電圧の電源が電極層140に印加されても電極層140と、第2誘電層160上に安着し支持される基板との間の放電現象を防止するためである。
【0070】
再び、図1を参照すれば、前記第1誘電層150は、電極層140上に形成される。第1誘電層150は電極層140を包むように形成されて電極層140が埋設されるようにする。例えば、第1誘電層150は、電極層140が形成されていない第1絶縁層120の上部面の残りの領域及び電極層140の上部面に対して形成されることができる。第1誘電層150は、第1溶射コーティング用粉末を利用して溶射コーティング工程によって収得される。従って、第1誘電層150もやはり非晶構造を有する。即ち、第1誘電層150の形成に使用される第1溶射コーティング用粉末は、第1絶縁層120の形成に使用される第1溶射コーティング用粉末と同一である。
【0071】
前記第1誘電層150は、100um〜300umの厚さを有する。第1誘電層150は非晶構造を有することによって、コーティング層内部の空間を最小化することができるので、低い気孔率を有する。第1誘電層150は、2%以下の気孔率を有し、望ましくは1%以下の気孔率を有する。具体的に、第1誘電層150は約0.5%〜2%の気孔率を有
し、望ましくは約0.5%〜1%の気孔率を有する。また、第1誘電層150は、接着強
度を確保するために4um〜8umの表面粗度(Ra)を有し、これを通じて14Mpa以上の接着強度を有することになる。また、第1誘電層150は650Hv以上の硬度を有する。
【0072】
前記第2誘電層160は、第1誘電層150上に形成され、その上部面に基板が安着される。例えば、第2誘電層160は、第1誘電層150の上部面に形成されることができる。これと共に、第2誘電層160は、第1絶縁層120、第1誘電層150、及び基体110の露出面全体に対して形成されることができる。即ち、第2誘電層160は、基体110、第1絶縁層120、及び第1誘電層150の側面の露出面まで完全にカバーすることによって、前記部材が損傷されることを抑制することになる。第2誘電層160は第2溶射コーティング用粉末を利用して溶射コーティング工程によって収得される。ここで、第2溶射コーティング用粉末は、結晶質のコーティング層を形成するための溶射コーティ
ング用粉末である。例えば、第2溶射コーティング用粉末は、セラミックを含むことができる。前記セラミックの例としては、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、BxCy、BN、SiO、SiC、YAG、Mullite、AlF等を挙げることができる。これらは単独または組合わせて使用することができる。
【0073】
前記第2誘電層160は、200um〜400umの厚さを有する。第2誘電層160は、結晶構造を有することによって第1誘電層150より相対的に高い気孔率を有する。従って、第2誘電層160は、3%〜7%の気孔率を有する。第2誘電層160はコーティング層間の接着強度を確保するために3um〜5umの表面粗度(Ra)を有し、これを通じて14Mpa以上の接着強度を有することになる。また、第2誘電層160は、650Hv以上の硬度を有する。
【0074】
本実施形態において、誘電層の第1誘電層150及び第2誘電層160の厚さは、各々100um〜300um及び200um〜400umの範囲を有する。第1誘電層150及び第2誘電層160の厚さが言及した範囲を有するのは、誘電率、体積抵抗(例えば、絶縁抵抗)、静電吸着力などに起因する。誘電層の厚さ、つまり、第1誘電層150及び第2誘電層160の全厚さが500umを超過する場合、電極層140と基板(例えば、吸着対象物)との距離が遠くなって静電吸着力が減少することができて望ましくない。従って、第1誘電層150及び第2誘電層160の全厚さは500umを超過しないことが望ましい。また、前記誘電層の誘電率は、結晶構造を有する第2誘電層160によって大きく左右されるが、第2誘電層160の厚さが200um未満の場合、静電気力形成に必要な十分な誘電率が確保されなくて望ましくない。また、体積抵抗は非晶構造を有する第1誘電層150により大きく左右されるが、第1誘電層150の厚さが100um未満の場合、体積抵抗が低くなって望ましくない。従って、第1誘電層150及び第2誘電層160は全厚さが500umを超過しないで第1誘電層150は100um以上の厚さを有し、第2誘電層160は200um以上の厚さを有することが望ましい。結果的に、第1誘電層150及び第2誘電層160は上記の条件が満足できるように、第1誘電層150の厚さは100um〜300umを有し、第2誘電層160の厚さは200um〜400umを有することが望ましい。
【0075】
このように、本実施形態に係る静電チャック100において、誘電層は結晶質の溶射コーティング層と非晶質の溶射コーティング層を含む多重層で構成されることによって、従来に比べて誘電率の減少なしで体積抵抗が増加する効果を有する。例えば、一般的に結晶質の溶射コーティング層は、約10〜1011Ω・cmの体積抵抗を有する反面、非晶質の溶射コーティング層は、約1013Ω・cmの体積抵抗を有する。即ち、第2誘電層160は、約10〜1011Ω・cmの体積抵抗を有し、第1誘電層150は、約1013Ω・cmの体積抵抗を有する。さらに、誘電体役割をする第1誘電層150及び第2誘電層160の全体積抵抗は、約1013 Ω・cmの体積抵抗を有することになる。結果的に、誘電層を非晶質層と結晶質層の多重層で構成することによって、従来のような誘電率を維持しながら体積抵抗が増加する。従って、絶縁抵抗が増加された効果をもたらし、絶縁抵抗の増加を通じて絶縁特性が増加されるので、電気的特性が向上された誘電層が具現できるようになる。また、前記静電チャック100において、絶縁層の第1絶縁層120は体積抵抗特性の良い非晶構造の溶射コーティング層からなることによって、体積抵抗が増加して絶縁特性が向上される。
【0076】
前記第1絶縁層120と、第1誘電層150及び第2誘電層160は、溶射コーティング工程の後処理工程として、溶射コーティング層に含まれた気孔及びクラックなどの多孔質を埋める封孔処理工程を経ることができる。前記封孔処理は、第1絶縁層120と、第1誘電層150及び第2誘電層160全体に対して一括的に実行されることができ、グルー
プ単位または個別単位で実行されることができる。第1絶縁層120と第1誘電層150及び第2誘電層160の封孔処理に使われる封孔処理材は樹脂を含み、一例として、前記樹脂はシリコン系のアクリル樹脂であることができる。
【0077】
このような封孔処理を通じて、第1絶縁層120と第1誘電層150及び第2誘電層160は、体積抵抗が増加される効果を得る。例えば、結晶構造を有する第2誘電層160の体積抵抗は、封孔処理前には、約10〜1011Ω・cmを有するが、封孔処理後には、約1013Ω・cmに増加する。また、非晶構造を有する第1絶縁層120及び第1誘電層150の体積抵抗は、封孔処理前には、約1013Ω・cmを有するが、封孔処理後には、約1014〜1015Ω・cmに増加する。さらに、第1誘電層150及び第2誘電層160の全体積抵抗は、封孔処理前には、約1013Ω・cmを有するが、封孔処理後には、約1014〜1015 Ω・cmに増加する。
【0078】
従って、多重層構造を有する誘電層は、静電気力形成に必要な十分な誘電率を有しならも体積抵抗が増加することによって、漏洩電流の抑制を通じてアーキング発生を抑制し、電気的特性を向上させる。さらに、非晶構造の絶縁層は非晶構造の溶射コーティング層が高い体積抵抗を有するので、絶縁特性が向上される。
【0079】
本実施形態において、非晶質の第1誘電層150上に結晶質の第2誘電層160を形成して最上層(例えば、最外郭)に結晶質のコーティング層が配置されることを説明した。誘電層は、誘電率及び体積抵抗のみを見ると、結晶質のコーティング層上に非晶質のコーティング層を形成しても上述した効果と同じ効果を得ることができる。しかし、非晶質のコーティング層は物理的側面では高い体積抵抗を有する反面、熱膨張係数が小さいので、工程中にクラックが発生することができ、機能的側面で非晶質のコーティング層が最上層に位置する時、誘電率増加に従がってプラズマによるアーキング発生の危険性を有するようになる。従って、非晶質のコーティング層が最上層に配置されることは望ましくなく、結晶質のコーティング層が最上層に配置されることが望ましい。従って、本実施形態において、誘電層を形成する時、非晶質の第1誘電層150上に結晶質の第2誘電層160を形成することによって、最上層に結晶質のコーティング層が配置されるように構成する。
【0080】
図4は本発明の他の実施形態に係る静電チャックの構成を示す概略面である。
【0081】
ここで、図4に図示した静電チャック200は、図1を参照して上述した静電チャック100の構成と非常に類似しているので、同一部材に対しては同じ符号を使用し、差異点中心に簡略に説明する。
【0082】
本発明の他の実施形態に係る静電チャック200は、基体110、第1絶縁層220、第2絶縁層230、電極層140、第1誘電層150、第2誘電層160、及びコネクタ170を含む。
【0083】
前記基体110は、平板形態またはシリンダー形態を有し、金属で形成されることができる。前記金属の例としては、アルミニウム(Al)を含むことができる。
【0084】
前記第1絶縁層220は基体110上に形成する。第1絶縁層220は基体110の上部面の一部領域に形成されることができる。第1絶縁層220は、第1溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程で収得され、非晶構造を有する。第1絶縁層220は少なくとも100um以上の厚さを有し、望ましくは100um〜300umの厚さを有する。第1絶縁層220の厚さが100um未満の場合、体積抵抗が低くて電極層140層と基体110との間の絶縁特性が低下されるので望ましくない。従って、第1絶縁層220は、少なくとも100um以上の厚さを有することが望ましい。第1絶縁層220
は非晶構造を有するので気孔率が2%以下、望ましくは1%以下を有する。例えば、第1絶縁層220は、約0.5%〜2%の気孔率を有し、望ましくは約0.5%〜1%の気孔率を有する。また、第1絶縁層220は、接着強度を確保するために4um〜8umの表面粗度(Ra)を有し、これを通じて14Mpa以上の接着強度を有するようになる。また、第1絶縁層220は650Hv以上の硬度を有する。
【0085】
前記第2絶縁層230は第1絶縁層220上に形成する。例えば、前記第2絶縁層230は、第1絶縁層220の上部面に対応して形成することができる。第2絶縁層230は、第2溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程によって収得される。ここで、第2溶射コーティング用粉末は結晶質のコーティング層を形成するための溶射コーティング用粉末である。例えば、第2溶射コーティング用粉末は、セラミックを含むことができる。前記セラミックの例としては、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、BxCy、BN、SiO、SiC、YAG、Mullite、AlF等を挙げることができる。これらは単独または組合わせて使用することができる。
【0086】
前記第2絶縁層230は、200um〜400umの厚さを有する。第2絶縁層230は結晶構造を有することによって第1絶縁層220より高い気孔率を有する。例えば、第1誘電層230は、3%〜7%の気孔率を有する。第2絶縁層230はコーティング層間の接着強度を確保するために3um〜5umの表面粗度(Ra)を有し、これを通じて14Mpa以上の接着強度を有するようになる。また、第1誘電層150は650Hv以上の硬度を有する。
【0087】
一方、前記静電チャック200において、第2絶縁層230が第1絶縁層220上に形成されることと図示及び説明したが、これとは異なって、第2絶縁層230は基体110上に形成されることができる。即ち、第2絶縁層230は、基体110と第1絶縁層220との間に形成されることができる。本実施形態で基体110と電極層140の絶縁のために、第1絶縁層220及び第2絶縁層230が形成される時、第1絶縁層220及び第2絶縁層230の配置位置は変更可能である。前記静電チャック200において、基体110と電極層140を絶縁させる絶縁層は、非晶質の第1絶縁層220と結晶質の絶縁層230を含む多重層構成を有することによって、体積抵抗の増加を通じて絶縁抵抗特性が向上された構成であれば十分である。
【0088】
前記第2絶縁層230上には電極層140が形成する。例えば、電極層140は第2絶縁層230の一部領域に形成することができる。電極層140は導電性材質からなる。前記導電性材質の例としてはタングステンを挙げることができる。
【0089】
前記電極層140上には第1誘電層150及び第2誘電層160が順次に形成される。
【0090】
前記第1誘電層150及び第2誘電層160は、電極層140によって静電気力が形成されるように誘電体役割をする。第1誘電層150は、第1溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程で収得され、第2誘電層160は第2溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程で収得される。従って、第1誘電層150は非晶構造を有し、第2誘電層160は結晶構造を有する。
【0091】
このように、前記静電チャック200は絶縁層及び誘電層が各々非晶構造の溶射コーティング層と結晶構造の溶射コーティング層とを含む多重層からなる。従って、結晶構造の溶射コーティング層によって静電気力形成に必要な誘電率を確保することになり、非晶構造の溶射コーティング層によって体積抵抗が増加し、体積抵抗の増加によって絶縁抵抗が増加して絶縁特性が向上される。結果的に、誘電率の減少なしで体積抵抗が増加されるので
、絶縁抵抗特性が向上して漏洩電流による不良を改善することによって、電気的特性が向上されることになる。
【0092】
前記コネクタ170は、基体110、第1絶縁層220及び第2絶縁層230を貫通して電極層140に接続される。コネクタ170は外部からの高電圧を電極層140に印加する役割をする。
【0093】
前記コネクタ170の構成は、基体110、第1絶縁層220及び第2絶縁層230を貫通して電極層140に接続されることを除けば、図2及び図3を参照して説明した構成と非常に類似している。即ち、図1を参照して説明した静電チャック100においては、基体110と電極層140との間に第1絶縁層120のみが位置するが、前記静電チャック200においては、基体110と電極層140との間に第1絶縁層220及び第2絶縁層230が位置する構成を有する。このような差異点を除いては上述した場合と同一であるので、前記コネクタ170についての詳細な説明は上述した説明に代替する。
【0094】
以下、本発明による静電チャックと従来静電チャックの比較を通じて本発明による静電チャックの効果に対して簡略に説明する。
【0095】
図5は本発明による静電チャック及び従来技術による静電チャックにおいて電極層に印加される電圧による絶縁抵抗を示すグラフである。
【0096】
ここで、本発明の静電チャック100、200及び従来静電チャックは、次の条件と同一である。静電チャックのサイズは、300φ×45Tを有し、基体上に形成された全体コーティング層(例えば、絶縁層と誘電層)の厚さは、950um〜1050umの範囲を有し、誘電層の厚さは400um〜500umの範囲を有する。前記絶縁抵抗の測定は、電極層に印加される電圧を500Vから2500Vまで、500V単位で段階的に増加させて測定した値を図示した。
【0097】
図5に図示したように、本発明による静電チャック100、200の誘電層の絶縁抵抗は、従来静電チャックの誘電層の絶縁抵抗に対して少なくとも2.5倍以上高いということ
が分かる。従って、本発明による構成として非晶質の溶射コーティング層と結晶質の溶射コーティング層を含む多重層構成の誘電層は、結晶質の単一層からなっている誘電層より体積抵抗が顕著に増加することが分かる。
【0098】
従って、本発明に係る静電チャック100、200の場合、誘電層が有する絶縁抵抗が増加することによって、漏洩電流が減少することになり、前記漏洩電流の減少によって漏洩電流に起因するアーキングなどの不良発生が減少するので電気的特性が向上される。
【0099】
特に、従来静電チャックにおいて、電極層に印加される電圧が500Vから2500Vに段階的に増加されることに伴った絶縁抵抗の変化が非常に少ないことが分かる。即ち、従来静電チャックは、電極層に500Vの電圧が印加される場合、約5530MΩの絶縁抵抗を有し、電極層に2500Vの電圧が印加される場合にもそれほど変わりのない約5780MΩの絶縁抵抗を有する。電極層に印加される電圧が1000V、1500V、2000Vの場合に、各々、5640MΩ、5780MΩ、5650MΩの絶縁抵抗を有する。従って、従来静電チャックは、電極層に印加される電圧が高電圧化されるほど、漏洩電流が増加(同一抵抗で電流は電圧に比例するので)することになり、前記漏洩電流の増加はアーキングなどの不良を誘発する。このように、従来静電チャックは電極層に印加される電圧が高電圧化されるほど電気的特性が悪くなる。
【0100】
反面、本発明による静電チャック100、200は、電極層に印加される電圧が500V
から2500Vに段階的に増加することに伴って絶縁抵抗が増加することが分かる。電極層に500Vの電圧が印加される時、約14,900MΩの絶縁抵抗を有し、電極層に2
500Vの電圧が印加される時、約24,600MΩの絶縁抵抗を有することを示し、絶
縁抵抗が約65%増加したことが分かる。さらに、電極層に印加される電圧が1000V、1500V、2000Vの場合に、各々18,200MΩ、21,200MΩ、23,5
00MΩの絶縁抵抗を有する。従って、本発明による静電チャックの場合、電極層に印加される電圧が増加(例えば、高電圧化)されることにより、絶縁抵抗が増加するので、漏洩電流の増加幅は大きくないことが分かる。このように電極層に印加される電圧が増加される場合にも、漏洩電流を低水準に維持することができるようになるので、漏洩電流に起因するアーキングなどの不良を抑制することができる。
【0101】
結論的に、本発明による静電チャック100、200は、誘電層(または、絶縁層)が非晶構造のコーティング層と結晶構造のコーティング層を含む多重層からなることによって、絶縁抵抗が増加する効果を有する。前記絶縁抵抗の増加は、漏洩電流を減少させる効果を有し、漏洩電流の減少はアーキングなどの不良を抑制して電気的特性が向上されるようになる。
【0102】
図6は本発明による静電チャック及び従来静電チャックの使用時間による漏洩電流及びHe漏洩量を示すグラフである。
【0103】
図6に図示したように、本発明の静電チャック100、200が有する使用時間経過に伴う漏洩電流は、従来静電チャックが有する使用時間経過に伴う漏洩電流より低いことが分かる。
【0104】
一般的に、半導体基板の製造工程中には、プラズマによって基板の温度が増加することになるが、基板の温度増加は工程不良の原因になるので基板の温度を低くする必要がある。このために、基体及びコーティング層を貫通して形成された貫通ホールを通じて基板の下面に温度調節用ヘリウム(He)ガスを供給して基板を冷却させることによって基板を適正温度に維持することになる。即ち、ヘリウム(He)ガスは、冷却ガスの役割をする。前記ヘリウム(He)ガスの供給量は、静電チャックの吸着力によって変わることになる。例えば、静電チャックの吸着力が良ければ、基板と静電チャックとの間の密封が良くなって基板と静電チャックとの間を通じて外部に漏洩されるガス量が少なくなり、静電チャックの吸着力が悪ければ、相対的に基板と静電チャックとの間の密封が悪くなって漏洩されるガス量が増加することになる。
【0105】
上記のような観点から見れば、本発明の静電チャック100を利用した製造工程時に、ヘリウム(He)ガスの漏洩量が従来静電チャックを利用した製造工程時のヘリウム(He)ガス漏洩量より少ないので、本発明の静電チャック100、200が相対的に静電吸着力が良いことが分かる。特に、従来静電チャックは、使用時間経過に伴って現れるヘリウム(He)ガス漏洩量の変化幅が大きく現れることが分かる。即ち、従来静電チャックを利用した製造工程においては、ヘリウム(He)ガス漏洩量の均一性が低下されたことが分かる。反面、本発明の静電チャックは、使用時間経過に伴って現れるヘリウム(He)ガス供給量の変化幅が非常に少なく現れることが分かる。
【0106】
結果的に、本発明の静電チャック100、200において、漏洩電流及びヘリウム(He)ガス漏洩量が従来静電チャックより低いのは、本発明の静電チャック100、200の静電吸着力が従来静電チャックの静電吸着力より向上したことを反証するデータである。さらに、本発明の静電チャック100、200は、使用時間経過に伴う静電吸着力の均一性が確保される。
【0107】
図7は本発明による静電チャックを利用したエッチング工程後のエッチング率を図示したグラフであり、図8は従来静電チャックを利用したエッチング工程後のエッチング率を図示したグラフである。
【0108】
ここで、本発明による静電チャック及び従来技術による静電チャックを利用するということを除けば、同一工程条件でエッチング工程を実行した後、エッチング対象物の領域をマトリックス形態に区画して各領域のエッチング率を示したグラフである。前記エッチング工程条件は、プラズマ形成空間のギャップ(Gap)は120mmであり、工程圧力は250mTorrであり、RF電圧は5kWである。また、工程ガスのSF及びOの供給量は、各々400mTorr及び7000mTorrである。
【0109】
本発明の静電チャックを利用したエッチング工程のエッチング率
【表1】

【0110】
従来静電チャックを利用したエッチング工程のエッチング率
【表2】

【0111】
ここで、前記エッチング均一度は、下記の式により求める。
〔数1〕
エッチング均一度=(最大値−最小値)/(最大値+最小値)
【0112】
図7及び図8は、各々前記〔表1〕及び〔表2〕を基盤にして図示したグラフである。
【0113】
図7及び図8を参照すれば、本発明の静電チャック100、200を利用したエッチング工程のエッチング平均値は、13290.7であり、従来静電チャックを利用したエッチ
ング工程のエッチング平均値は10840.7である。即ち、本発明の静電チャック10
0、200の静電チャックを利用してエッチング工程を進行する時、相対的にエッチング率が向上されたことが分かる。
【0114】
また、従来静電チャックを利用したエッチング工程のエッチング 均一度は約18.80
%である反面、本発明の静電チャック100、200の利用したエッチング工程のエッチング均一度は約7.15%と測定され、本発明の静電チャック100、200を利用する
時に相対的に均一なエッチングが可能であることが分かる。
【0115】
このように、本発明の静電チャック100、200を利用する場合、より均一なエッチング面の形成が可能であるので、前記静電チャック100、200を利用する時、エッチング工程の信頼性が向上される効果を有する。
【0116】
以下、非晶構造を有する溶射コーティング層を形成するための第1溶射コーティング用粉末に対して簡略に説明する。
【0117】
図9は図1に図示した非晶構造を有する溶射コーティング層の形成に利用される第1溶射コーティング用粉末を説明するための写真である。
【0118】
図9を参照すれば、前記第1溶射コーティング用粉末は、第1スラリー組成物と第2スラリー組成物の混合スラリー組成物から収得する。以下に説明する組成物の含量は、重量%を基準とする。
【0119】
前記第1スラリー組成物は、酸化イットリウム粒子、第1分散剤、第1結合剤、及び余分の第1溶媒を含む。
【0120】
前記酸化イットリウム粒子は、約0.01um〜2umの直径を有する。前記酸化イット
リウム粒子の直径が0.01um未満の場合、第1溶射コーティング用粉末の平均粒子直
径が小さくなることができ、球形の粗粒粒子を形成しにくくなるので望ましくなく、直径が2umを超過する場合、粒子が塊りを成して粗粒粒子の平均直径が大きくなりすぎることができるので望ましくない。
【0121】
前記第1分散剤は、前記第1スラリー組成物で前記酸化イットリウム粒子を互いに均等に分散させる役割をする。前記第1分散剤は塩基性を有することができる。前記第1分散剤の例としては、カルボキシル系物質、エステル系物質、アミド系物質などを挙げることができ、これらは単独で使用するか、または、2つ以上を混合して使用することができる。前記第1分散剤はpHが約10〜12であることもでき、より望ましくは、pHが約10であることができる。前記塩基性を有する第1分散剤で前記酸化イットリウムは(−)表面電荷を有する。前記第1分散剤の含量は、約0.3%〜0.5%であることが望ましい。前記第1分散剤の含量が約0.5%を超過すると、噴射乾燥工程を通じて第1溶射コーテ
ィング用粉末を球形に形成することができなく、約0.3%未満の場合には前記第1スラ
リー組成物の粘度が増加されて望ましくない。
【0122】
前記第1結合剤は前記第1スラリー組成物で酸化イットリウム粒子間に結合力を提供する。前記第1結合剤の含量は約2%〜3%であることが望ましい。前記第1結合剤の含量が約2%未満の場合、前記酸化イットリウム粒子が十分に結合されないで、第1溶射コーティング用粉末を球形に形成することができなく、約3%を超過する場合、前記第1スラリー組成物の粘度が急激に増加するので望ましくない。前記第1結合剤の例としてはビニル系物質、アクリル系物質などを挙げることができる。
【0123】
前記第1スラリー組成物は余分の第1溶媒を含む。前記第1溶媒は、前記有機物または水
系であることができる。前記第1結合剤がビニル系物質の場合、第1溶媒がエタノールなどのような有機物であることが望ましく、前記第1結合剤がアクリル系物質の場合、前記第1溶媒が水系であることが望ましい。前記ビニル系物質の例としては、エチレンビニルアセテート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルピロリジン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル等を挙げることができ、これらは単独で使用するか、または、2つ以上を混合して使用することができる。また、前記アクリル系物質の例としては、メタクリル樹脂、ポリメチルメタクリル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ノルマルブチルアクリル樹脂、ポリスチレンポリメチルメタアクリル樹脂等を挙げることができ、これらは単独で使用するか、または、2つ以上を混合して使用することができる。
【0124】
前記第1スラリー組成物は、ボールミル(ball mill)を使用して形成することができる。前記第1スラリー組成物の固形分比率は、第1分散剤の含量に比例する。前記第1スラリー組成物は前記固形分比率が約20%未満の場合には、第1溶媒内に粗粒粒子の大きさが小さいこともあり、約30%を超過する場合には粘度が高まって前記第1溶射コーティング用粉末を製造する工程制御が容易ではなく、非球形の粉末が生成されることができる。従って、前記第1スラリー組成物の固形分の比率は、約20%〜30%であることが望ましい。
【0125】
前記第2スラリー組成物は、酸化アルミニウム粒子、第2分散剤、第2結合剤及び余分の第2溶媒を含む。
【0126】
例えば、前記酸化アルミニウム粒子は、約0.5um〜2umの直径を有する。前記酸化
アルミニウム粒子の直径が、約0.5um未満の場合には第1溶射コーティング用粉末の
平均直径が小さくなることができて球形の粗粒粒子を形成しにくくなり、約2umを超過する場合には粗粒粒子の平均直径が大きくなりすぎることができる。
【0127】
前記第2分散剤は、前記第2スラリー組成物で前記酸化アルミニウム粒子を互いに均等に分散させる役割をする。前記第2分散剤は酸性を有することができる。前記第2分散剤の例としては、カルボキシル系物質、エステル系物質、アミド系物質などを挙げることができる。これらは単独で使用するか、または、2つ以上を混合して使用することができる。前記第2分散剤はpHが約2〜4であることもでき、より望ましくは、pHが約2であることができる。前記塩基性を有する第2分散剤で前記酸化アルミニウムは(+)表面電荷を有する。前記第2分散剤の含量は、約0.3%〜2%であることが望ましい。前記第2
分散剤の含量の範囲は、前記第1スラリー組成物で第1分散剤の場合と同じ理由を有する。
【0128】
前記第2結合剤は、前記第2スラリー組成物で酸化アルミニウム粒子間に結合力を提供する。前記第2結合剤の含量は約2%〜3%であることが望ましい。前記第2結合剤の含量が約2%未満の場合には、前記酸化アルミニウム粒子が十分に結合されなくて第1溶射コーティング用粉末を球形に形成することができなく、約3%を超過する場合には、前記第1溶射コーティング用粉末を球形に形成することはできるが、前記第2スラリー組成物の粘度が急激に増加するので望ましくない。前記第2結合剤の例に対する説明は、前記第1結合剤の例に対する説明と実質的に同一である。
【0129】
前記第2スラリー組成物は余分の第2溶媒を含む。前記第2溶媒は、前記有機物または水系であることができる。前記第2溶媒に対する説明は前記第1溶媒に対する説明と実質的に同一である。
【0130】
前記第2スラリー組成物は、ボールミル(ball mill)を使って形成することが
できる。前記第2スラリー組成物の固形分の比率は、第2分散剤の含量に比例する。前記第2スラリー組成物の前記固形分の比率が約20%未満の場合には、第2溶媒内に前記酸化アルミニウム粉末含量が低くて粗粒粒子の大きさが小さいことがあり、約30%を超過する場合には粘度が高まって前記第1溶射コーティング用粉末を製造する工程制御が容易ではなく、非球形の粉末が生成されることができる。従って、前記第2スラリー組成物の固形分の比率は、約20%〜30%であることが望ましい。
【0131】
前記混合スラリー組成物で前記酸化イットリウムと前記酸化アルミニウムの重量比が1:9〜4:6の場合、前記混合スラリー組成物から収得した第1溶射コーティング用粉末を使用して形成したコーティング層は、主に酸化アルミニウムの特性を有し、強度は高いが接着力が弱いという短所がある。前記混合スラリー組成物で前記酸化イットリウムと前記酸化アルミニウムの重量比が8:2〜9:1の場合、前記混合スラリー組成物から収得した第1溶射コーティング用粉末を使用して形成したコーティング層は、主に酸化イットリウムの特性を有し、強度及び接着力が弱いという短所がある。従って、前記混合スラリー組成物で前記酸化イットリウムと前記酸化アルミニウムは、約5:5〜約7:3の重量比を有することが望ましく、約5:5の重量比を有することがより望ましい。
【0132】
前記第1溶射コーティング用粉末は、前記第1スラリー組成物と前記第2スラリー組成物が混合されたスラリー組成物から収得された粗粒粒子を含み、前記粗粒粒子は約20um〜60umの平均直径を有し、約30um〜40umの平均直径を有することがより望ましい。前記粗粒粒子の平均直径が約20um未満の場合には、粉末の大きさが小さすぎて溶射コーティングを実行する時、粉末自体が対象物まで十分に伝達しなくなる可能性もあって望ましくなく、約60umを超過する場合には、粉末が大きすぎて溶射コーティングを実行する時、塊りができるような現象が発生して均一なコーティングが成り立たないことができて望ましくない。
【0133】
図10は図9に図示した第1溶射コーティング用粉末の製造方法を説明するための工程図である。
【0134】
図10を参照すれば、前記第1溶射コーティング用粉末の製造方法は、先ず第1スラリー組成物を形成する(S110)。前記第1スラリー組成物は0.01um〜2umの直径
を有する酸化イットリウム粒子、前記酸化イットリウム粒子を均一に分散させる第1分散剤、前記酸化イットリウム粒子間に結合力を提供する第1結合剤及び余分の第1溶媒を含む。前記酸化イットリウム粒子間の結合力が十分な場合には、前記第1スラリー組成物は、前記第1結合剤を含まないことができる。
【0135】
図11は図10に図示した第1スラリー組成物の形成方法を説明するための工程図である。
【0136】
図11を参照すれば、前記第1スラリー組成物の形成方法は第1溶媒を準備し(S111)、順次に前記第1溶媒に0.01um〜2umの直径を有する酸化イットリウム粒子を
投入し(S112)、約0.3%〜0.5%の含量で第1分散剤を投入し(S113)、約2%〜3%の含量で第1結合剤を投入する(S114)。ここで、前記第1分散剤によって前記酸化イットリウム粒子は(−)表面電荷を有する。これとは違って、前記酸化イットリウム粒子、前記第1分散剤、前記第1結合剤を前記第1溶媒に投入する順番が変わっても構わない。
【0137】
以後、ボールミルを使って前記酸化イットリウム粒子、前記第1分散剤、前記第1結合剤、及び第1溶媒を互いに混合させて前記第1スラリー組成物を形成する。
【0138】
再び、図10を参照すれば、第2スラリー組成物を形成する(S120)。
【0139】
前記第2スラリー組成物は、0.5um〜2umの直径を有する酸化アルミニウム粒子、
前記酸化アルミニウム粒子を均一に分散させる第2分散剤、前記酸化アルミニウム粒子間に結合力を提供する第2結合剤及び余分の第2溶媒を含む。前記酸化アルミニウム粒子間の結合力が十分な場合、前記第2スラリー組成物は前記第2結合剤を含まないことができる。
【0140】
図12は図10に図示した第2スラリー組成物の形成方法を説明するための工程図である。
【0141】
図12を参照すれば、第2溶媒を準備し(S121)、順次に前記第2溶媒に0.5um
〜2umの直径を有する酸化アルミニウム粒子を投入し(S122)、約0.3%〜2%
の含量で第2分散剤を投入し(S123)、約2%〜3%の含量で第2結合剤を投入する(S124)。ここで、第2分散剤によって酸化アルミニウム粒子は(+)表面電荷を有する。これとは違って、前記酸化アルミニウム粒子、前記第2分散剤、前記第2結合剤を前記第2溶媒に投入する順番が変わっても構わない。
【0142】
以後、ボールミルを使って前記酸化アルミニウム粒子、前記第2分散剤、前記第2結合剤及び溶媒を互いに混合させて前記第2スラリー組成物を形成する。
【0143】
また、図10を参照すれば、前記第1スラリー組成物と前記第2スラリー組成物を混合して混合スラリー組成物を形成する(S130)。この時、前記第1スラリー組成物の酸化イットリウムと前記第2スラリー組成物の酸化アルミニウムが、7:3〜5:5の重量比、即ち、1:0.4〜1の重量比を有する。
【0144】
図13は、図10に図示した混合スラリー組成物の形成方法において、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの結合を説明するための図面である。
【0145】
図13を参照すれば、前記酸化イットリウムが(−)表面電荷を有し、前記酸化アルミニウムが(+)表面電荷を有するので、静電気的引力によって前記酸化イットリウムが容易に結合されることができる。
【0146】
再び、図10を参照すれば、前記混合スラリー組成物を噴霧乾燥(spray drying)工程を実行して酸化イットリウムと酸化アルミニウムを含む粗粒粒子を形成する(S140)。前記噴霧乾燥工程は、噴霧乾燥器から前記混合スラリー組成物を噴射しながら高温で加熱して実行する。前記噴霧乾燥工程は、約800℃〜1500℃の温度で実行することが望ましく、前記温度範囲で前記噴霧乾燥工程で高い硬度を有する粗粒粒子を形成することができる。
【0147】
前記噴霧乾燥工程を実行して、前記混合スラリー組成物は約20um〜60umの平均粒子直径を有し、酸化イットリウム及び酸化アルミニウムを含む粗粒粒子で形成される。
【0148】
一方、前記第1溶射コーティング用粉末の製造工程、即ち、前記第1スラリー組成物を形成する段階(S110)、前記第2スラリー組成物を形成する段階(S120)、前記混合スラリー組成物を形成する段階(S130)、及び前記混合スラリー組成物を噴霧乾燥する段階(S140)は、空気、水素、酸素、及び窒素雰囲気、または、これらが混合された雰囲気で行われることができる。
【0149】
以下、本発明による静電チャック製造方法に対して説明する。ここで、図4に図示した静
電チャック200の構成と図3に図示したコネクタ170の構成を基準として説明する。
【0150】
図14は本発明の一実施形態に係る静電チャック製造方法を説明するための工程図である。
【0151】
図3、図4及び図14を参照すれば、本発明による静電チャック200の製造方法は、基体110を準備する(S210)。基体110は平板形態またはシリンダー形態を有することができる。基体110はコネクタ170を挿入のための貫通ホールが形成された状態に準備する。
【0152】
前記コネクタ170を準備する(S220)。コネクタ170の準備は、基体110の準備段階と個別的に行われる。コネクタ170は、端子177の周辺に絶縁部材178を形成し、絶縁部材178の上段部の一部に第1バッファ層179aを形成した状態に準備する。
【0153】
前記基体110とコネクタ170が、各々個別準備されると、次に、基体110に形成されているコネクタ170用貫通ホールにコネクタ170を挿入する(S230)。即ち、コネクタ170を基体110の定位置させる。コネクタ170が定位置に配置されれば、第2バッファ層179bを形成する。第2バッファ層179bは、以下形成される第1絶縁層220と絶縁部材178との間の領域及び第1絶縁層220と基体110との接触面のうち、一部領域に形成する。
【0154】
続いて、第2バッファ層179bを含むコネクタ170領域を除いて、基体110の上部面に対してボンディング層115を形成する(S240)。ボンディング層115は、基体110と第1絶縁層220との接着のために形成し、金属合金を含む。前記金属合金の例としては、ニッケル−アルミニウム合金を挙げることができる。
【0155】
続いて、基体110上に第1溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程を実行して非晶構造を有する第1絶縁層220を形成する(S250)。第1絶縁層220は基体110の上部面の一部領域に形成される。前記第1溶射コーティング用粉末に対しては、図8及び図12を参照して説明したので、その詳細な説明は省略する。前記第1絶縁層220は、第1溶射コーティング用粉末を溶融噴射する溶射コーティング工程によって形成する。前記溶射コーティング工程の例としては、大気プラズマ溶射(Atmospherically Plasma Spray:APS)工程、高速酸素−燃料溶射工程、真空プラズマ溶射工程、キネティック噴射工程などを挙げることができる。
【0156】
続いて、第1絶縁層220上に第2溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程を実行して結晶構造を有する第2絶縁層230を形成する(S260)。第2絶縁層230は、第1絶縁層220の上部面に対して形成される。前記第2溶射コーティング用粉末は、結晶質のコーティング層を形成するための粉末であって、セラミックを含むことができる。前記セラミックの例としてはAl、Y、Al/Y、ZrO、AlC、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、BxCy、BN、SiO、SiC、YAG、Mullite、AlF等を挙げることができ、これらは単独または組合わせて使用することができる。
【0157】
前記第2絶縁層230は、第2溶射コーティング用粉末を溶融噴射する溶射コーティング工程によって形成する。前記溶射コーティング工程の例としては大気プラズマ溶射(Atmospherically Plasma Spray:APS)工程、高速酸素−燃料溶射工程、真空プラズマ溶射工程、キネティック噴射工程などを挙げることができる。即ち、第1絶縁層130の形成方法と互いに異なるコーティング用粉末を使用することを
除いては同一である。
【0158】
前記第2絶縁層230を形成した後に第2絶縁層230の平坦調節段階を実行する。さらに、第2絶縁層230の平坦調節段階を行いながらコネクタ170が、以下形成する電極層140と接触できるようにコネクタ170の接触部(例えば、上端平面)を露出させる。一方、図1に図示した静電チャック100の場合、基体110と電極層140との間に第1絶縁層120のみが形成されるので、第1絶縁層120を形成した後に第1絶縁層120の平坦調節段階を実行することになり、この過程でコネクタ170を露出させる。
【0159】
続いて、第2絶縁層230上に導電性材質を利用して電極層140を形成する(S270)。電極層140は第2絶縁層230の上部面の一部領域に形成することができる。電極層140を形成するための導電性材質の例としてはタングステンを挙げることができる。
【0160】
続いて、電極層140を形成した後に、電極層140上に第1溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程を実行して非晶構造を有する第1誘電層150を形成する(S280)。第1誘電層150は電極層140が形成されていない第2絶縁層230の上部面の残り領域及び電極層140の上部面に形成する。即ち、第1誘電層150は電極層140を完全に包むように形成される。第1誘電層150を形成するための第1溶射コーティング用粉末は第1絶縁層220を形成するための粉末と同一であり、第1誘電層150を形成するための溶射コーティングの例は、上述した第1絶縁層220を形成するための溶射コーティングの例と同一である。
【0161】
続いて、第1誘電層150上に第2溶射コーティング用粉末を利用した溶射コーティング工程を実行して結晶質の第2誘電層160を形成する(S290)。第2誘電層160は、第1誘電層150を完全に包むように形成され、さらに、コーティング層が形成されていない基体100の上端面の残り領域(例えば、端部領域)及び基体110の側面と、第1絶縁層220及び第2絶縁層230の側面、並びに、第1誘電層150の側面を同時にコーティングする。即ち、第2誘電層160は、基体110をはじめとして、全てのコーティング層220、230、150の露出面に対してコーティングする。形成過程において、前記コーティング層220、230、150の間の溶射界面が存在することができるが、前記溶射界面は今後のクラックに発展することができ、前記クラックによってアーキングが発生される可能性があって問題になる。従って、このような問題を改善するために第2誘電層160を形成する時、基体110をはじめとして、コーティング層220、230、230の側面の露出部位まで第2誘電層160を同時にコーティングする。
【0162】
前記第2誘電層160を形成するために使われる第2溶射コーティング用粉末は、第2絶縁層230を形成するために使用されたコーティング用粉末と同一である。また、第2誘電層160を形成するための溶射コーティングの例としては、上述した第1絶縁層220を形成するための溶射コーティングの例と同一である。
【0163】
前記第2誘電層160が形成された後には、第2誘電層160の上面に突起部を加工する段階を含むことができる。
【0164】
第1誘電層150及び第2誘電層160まで形成すると、第1絶縁層220及び第2絶縁層230と、第1誘電層150及び第2誘電層160に含まれた気孔を埋めるための封孔処理を行う(S300)。前記封孔処理は、封孔処理材を利用して実行される。前記封孔処理材は樹脂を含み、一例として、前記樹脂はシリコン系のアクリル樹脂であることもできる。封孔処理を通じて第1絶縁層220及び第2絶縁層230と、第1誘電層150及び第2誘電層160に含まれた気孔を埋めることによって、体積抵抗を増加させる。
【0165】
一方、上記において、封孔処理が第1絶縁層220及び第2絶縁層230と、第1誘電層150及び第2誘電層160に全部形成された後に一括的に実行されると説明した。これとは違って、封孔処理は、第1絶縁層220及び第2絶縁層230と、第1誘電層150及び第2誘電層160の形成後に各々実行されるか、または、第1絶縁層220及び第2絶縁層230と、第1誘電層150及び第2誘電層160をグループ単位で分けて実行することもできる。即ち、封孔処理時期及び処理回数は変更することができる。
【0166】
また、上記において平坦調節段階は第2絶縁層230のみに対して説明したが、各段階の形成後、必要に応じて平坦調節段階を含むことができる。即ち、ボンディング層115、第1絶縁層220、電極層140、第1誘電層150、第2誘電層160の形成後、各々必要に応じて平坦調節段階を適用することが可能である。
【0167】
上記の静電チャック製造方法において、図4に図示した静電チャック200を基準として説明した。即ち、絶縁層が非晶質の第1絶縁層220及び結晶質の第2絶縁層230を含む多重層構成を有する静電チャック200の製造方法に対して説明した。
【0168】
これとは違って、図1に図示したように、絶縁層が非晶質の単一層からなった静電チャック100の場合、第2絶縁層230を形成する段階(S260)が省略され、第1絶縁層120を形成した後、第1絶縁層120上に電極層140を形成する差異点のみを有する。
【0169】
上述したように、本発明の静電チャック及びその製造方法によれば、誘電層が非晶質の溶射コーティング層と結晶質の溶射コーティング層からなった多重層で構成されることによって、非晶質の溶射コーティング層を通じて誘電率の減少なしで体積抵抗が増加するので、漏洩電流によるアーキング発生を抑制し、電気的特性が向上された静電チャックを具現することができる。
【0170】
また、絶縁層は非晶質の溶射コーティング層を含んで構成されるので非晶質の溶射コーティング層が有する高い体積抵抗特性を通じて、基体と電極層との間の絶縁特性が向上された静電チャックを具現することができる。
【0171】
また、電極層に高電圧を印加するための端子の接続部にバッファ層が具備されることによって、工程中に発生する熱応力によって端子の接続部位で発生するクラックを改善して静電チャックの耐久性を向上し、維持管理費用を節減することができる。さらに、静電チャックの寿命を増加させることができる。
【0172】
従って、電気的特性が安定し、耐久性が向上した静電チャックを要する半導体製造装置で望ましく使用することができる。
【0173】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の属する技術の分野における熟練した当業者は、下記特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域の範疇内において、本発明を多様に修正及び変更させることができるものと了解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体上に形成された非晶質の第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に形成された静電気力発生用電極層と、
前記電極層上に形成された誘電層と、を含む静電チャック。
【請求項2】
前記誘電層は、
前記電極層上に形成された非晶質の第1誘電層と、
前記第1誘電層上に形成された結晶質の第2誘電層と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記第1誘電層の厚さは100um〜300umであり、前記第2誘電層の厚さは200um〜400umであることを特徴とする請求項2に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記第1誘電層は気孔率が0.5%〜2%であり、前記第2誘電層は気孔率が3%〜7%
であることを特徴とする請求項2に記載の静電チャック。
【請求項5】
前記第1誘電層は表面粗度(Ra)が4um〜8umであり、前記第2誘電層は表面粗度(Ra)が3um〜5umであることを特徴でする請求項2に記載の静電チャック。
【請求項6】
前記第1及び第2誘電層は硬度が650Hv以上であり、接着強度が14Mpa以上であることを特徴とする請求項2に記載の静電チャック。
【請求項7】
前記第1誘電層と前記第2誘電層の全体積抵抗は、1014〜1015ル・cmであることを特徴とする請求項2に記載の静電チャック。
【請求項8】
前記電極層は前記第1誘電層によって埋設され、前記第1誘電層は前記第2誘電層によって埋設されるように形成されることを特徴とする請求項2に記載の静電チャック。
【請求項9】
前記第1絶縁層の厚さは400um〜600umであることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項10】
前記基体と前記電極層との間に形成された結晶質の第2絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項11】
前記第1絶縁層の厚さは100um〜300umであり、前記第2絶縁層の厚さは200um〜400umであることを特徴とする請求項10に記載の静電チャック。
【請求項12】
基体と、
前記基体上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された静電気力発生用電極層と、
前記電極層上に形成された非晶質の第1誘電層と、
前記第1誘電層上に形成された結晶質の第2誘電層とを含む静電チャック。
【請求項13】
基体を準備する段階と、
前記基体上に非晶質の第1絶縁層を形成する段階と、
前記第1絶縁層上に静電気力発生用電極層を形成する段階と、
前記電極層上に誘電層を形成する段階と、を含む静電チャック製造方法。
【請求項14】
前記誘電層を形成する段階は、
前記電極層上に非晶質の第1誘電層を形成する段階と、
前記第1誘電層上に結晶質の第2誘電層を形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項13に記載の静電チャック製造方法。
【請求項15】
前記第1誘電層は、前記電極層を包むように形成され、
前記第2誘電層は、前記第1絶縁層、前記第1誘電層、及び前記基体を全部包むように形成されることを特徴とする請求項14に記載の静電チャック製造方法。
【請求項16】
前記第1絶縁層、前記第1誘電層及び第2誘電層は、大気プラズマ溶射工程、高速酸素−燃料溶射工程、真空プラズマ溶射工程、またはキネティック噴射工程のうち、いずれか1つによって形成されることを特徴とする請求項14に記載の静電チャック製造方法。
【請求項17】
前記第1絶縁層と、前記第1誘電層及び第2誘電層に対して、個別またはグループ単位または一括的に封孔処理材を利用して封孔処理する段階をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の静電チャック製造方法。
【請求項18】
前記電極層を形成する段階以前に前記第1絶縁層上に、または、前記第1絶縁層を形成する段階以前に前記基体上に、結晶質の第2絶縁層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の静電チャック製造方法。
【請求項19】
前記第2絶縁層は、大気プラズマ溶射工程、高速酸素−燃料溶射工程、真空プラズマ溶射工程、または、キネティック噴射工程のうち、いずれか1つによって形成され、前記第1絶縁層及び第2絶縁層と、前記第1誘電層及び第2誘電層とに対して、個別的またはグループ単位または一括的に封孔処理材を利用して封孔処理する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の静電チャック製造方法。
【請求項20】
基体を準備する段階と、
前記基体上に第1絶縁層を形成する段階と、
前記第1絶縁層上に静電気力発生用電極層を形成する段階と、
前記電極層上に非晶質の第1誘電層を形成する段階と、
前記第1誘電層上に結晶質の第2誘電層を形成する段階と、を含む静電チャック製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−502721(P2013−502721A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525475(P2012−525475)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005408
【国際公開番号】WO2011/021824
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(502394184)コミコ株式会社 (12)
【住所又は居所原語表記】79,Sinmosan−dong,Anseong−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】