説明

静電チャック及びウェーハを支持する方法。

【課題】静電チャック、特に、基板に蓄積された電荷を放電するための放電要素を使用するチャックを提供する。
【解決手段】静電チャックは、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、ウェーハに接触するように配置された上側部分を有する複数の突起と、少なくとも1つの電極と複数の突起の上側部分との間に位置決めされた少なくとも1つの放電要素とを含み、この放電要素は、放電回路に結合された状態で絶縁基板に蓄積された電荷を放電するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2011年2月14日出願の米国特許仮出願第61/442,783号の非仮出願であり、それに対する優先権を請求し、かつそれを引用により組み込むものである。
【0002】
本発明は、静電チャックに関し、特に、基板に蓄積された電荷を放電するための放電要素を使用するチャックに関する。
【背景技術】
【0003】
走査型電子顕微鏡及び電気ビーム検査装置は、真空化されたチャンバ内に位置付けられたウェーハを支持するために静電チャック(ESC)を用いる。
【0004】
図1に、従来型のチャック60及びウェーハ10を示している。チャック60は、絶縁基板40と、2つの電圧供給源51及び52に接続した2つの電極31及び32と、ウェーハ10に接触する複数の微視的な突起20とを含む。
【0005】
チャック60はまた、ウェーハ10を電気的接地(ゼロ電位)に接続するための1つ又はそれよりも多くの接地要素(図示せず)を有する。
【0006】
絶縁基板40は、セラミック(アルミナを含む)のような絶縁材料で製造される。
【0007】
2つの電極31及び32は、絶縁基板40内に位置付けられ、かつ絶縁材料で取り囲まれている。一部の場合には(図1に示すように)、絶縁基板40の上側部分41は、絶縁基板40の下側部分42とは異なる材料で製造される。電極31及び32は、絶縁基板40を上側部分41と下側部分42に事実上分離することができる。
【0008】
典型的には、一方の電極31は、正電位(51)に接続され、他方の電極32は、負電位(52)に接続される。
【0009】
ウェーハ10と電極31及び32の各々との間の電圧差により、ウェーハ10は、チャック60の方へ引き寄せられる。
【0010】
この図(本出願の他の図と同様に)は、原寸には比例していないことに注意されたい。例えば、図1には、距離d2をd1よりも約5倍大きいように示しているが、d1:d2の実際の比率は、50を超える場合がある。ウェーハ10の下側面と絶縁基板40の上側面との間の距離d1は、約3ミクロン〜約4ミクロンとすることができ、一方でウェーハ10の下側面と電極31及び32との間の距離d2は、約200ミクロンとすることができる。
【0011】
絶縁基板40は、絶縁材料で製造され、それは、電荷を蓄積する。電荷は、電極31、32からの移動、ウェーハ10への接触、又はアンロード中のウェーハ10の放電によって生じる可能性がある。電荷は、通常は絶縁基板40の上側面の近くに生じ、かつ絶縁基板40の縁部の近くに集中する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この電荷は、ESCの性能を損なう可能性がある。残留電荷は、ウェーハ10をチャック60に向けて引き寄せる可能性があり、かつアンロード工程中にウェーハ10を静電チャック60から容易に取り外すのを妨げる可能性がある。電荷は、アンロード工程中にウェーハ10を破損させる可能性さえある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態によって構成される静電チャックは、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、ウェーハに接触するように配置された上側部分を有する複数の突起と、その少なくとも1つの電極と複数の突起の上側部分との間に位置決めされた少なくとも1つの放電要素(例えば、シート)とを含む。放電要素は、放電回路に結合された状態で絶縁基板に蓄積された電荷を放電するように配置される。そのような放電回路は、少なくとも1つのスイッチを含むことができ、これは、チャックモードでの作動時に放電要素を電気的接地から切断し、かつ放電モードでの作動時に放電要素を接地に接続するように配置される。
【0014】
放電要素の導電率は、ウェーハと静電チャックの間の放電を制限するように選択することができる。例えば、放電要素の導電率は、平方単位当たり10メガオーム〜平方単位当たり10ギガオームの範囲内とすることができる。代替的に、放電要素の導電率は、平方単位当たり10メガオームを超えるか、又は平方単位当たり1ギガオームを超える場合がある。
【0015】
静電チャックは、電極よりも大きい数の放電要素を含むことができる。代替的に、チャックは、等しい数の放電要素と電極を含むことができる。あるいは、チャックは、電極よりも少ない数の放電要素を含むことができる。
【0016】
一部の事例では、静電チャックは、絶縁基板の縁部の近くに位置決めされた放電要素を含むことができる。更に、一部の場合には、放電要素は、環状形を有し、かつ絶縁基板の縁部の近くに位置決めすることができる。
【0017】
一部の実施形態では、チャックは、複数の電極及び複数の放電要素を有することができる。そのような場合には、放電要素の形状は、その下に位置決めされたそれぞれの電極の形状と同じ形状とすることができる。代替的に、各放電要素の形状は、当該の放電要素の下に位置決めされた各それぞれの電極の形状と同じ形状とすることができる。あるいは、各それぞれの放電要素の形状及び大きさは、当該の放電要素の下に位置決めされた各それぞれの電極と同じ形状及び大きさとすることができる。勿論、他の実施形態では、各放電要素の形状は、当該の放電要素の下に位置決めされた各それぞれの電極の形状と同じ形状とすることができるが、各放電要素の大きさは、当該の放電要素の下に位置付けられた各それぞれの電極の大きさよりも大きい場合がある。一部の場合には、放電要素のうちの少なくとも1つは、グリッドとして成形することができる。
【0018】
一部の実施形態では、異なる電圧レベルに設定されるように配置された複数の電極の上には、放電要素は位置決めされない。1つの特定的な実施形態では、チャックは、少なくとも4つの放電要素を有する。
【0019】
本発明の更に別の実施形態は、静電チャックを作動させる方法を提供する。ウェーハは、静電チャックの突起上に置かれ、このチャックは、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、この少なくとも1つの電極と複数の突起の上側部分との間に位置決めされた少なくとも1つの放電要素とを含み、チャックは、少なくとも1つの放電要素が浮遊電位に置かれている間にチャックモードで作動する。静電チャックはまた、放電要素が絶縁基板に蓄積された電荷を放電するための放電回路に結合された放電モードでも作動する。その後、ウェーハは、静電チャックから除去される。
【0020】
本発明のこれら及び更に別の実施形態を以下でより詳細に説明する。
【0021】
発明と考えられる主題を本明細書の結びの部分に具体的には指摘し、かつ明確に特許請求する。しかし、本発明は、その目的、特徴、及び利点と共に編成及び作動方法の両方に関して添付図面と併せて読めば以下の詳細説明を参照することによって最も良く理解することができる。
【0022】
当然のことながら、図面を簡潔かつ明確にするために、図示の要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことは認められるであろう。例えば、明確にするために、要素のうちの一部の寸法は、他の要素に比べて誇張される場合がある。更に、適切であると考えられる場合、図の間で参照番号は、繰返し使用して対応又は類似する要素を示す場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ウェーハ及び従来の静電チャックを示す図である。
【図2】本発明の実施形態による静電チャックの断面図である。
【図3】本発明の実施形態による静電チャックの断面図である。
【図4】本発明の実施形態による静電チャックの断面図である。
【図5】本発明の実施形態による円形絶縁基板の半円形放電要素及び半円形電極の上面図である。
【図6】本発明の実施形態による円形絶縁基板の半円形放電要素及び半円形電極の上面図である。
【図7】本発明の実施形態による円形絶縁基板の半リング形放電要素及び半円形電極の上面図である。
【図8】本発明の実施形態による円形絶縁基板の四分円形放電要素及び四分円形電極の上面図である。
【図9】本発明の実施形態による2つのグリッド形放電要素の上面図である。
【図10】本発明の実施形態による方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細説明では、本発明を十分に理解することができるように多くの具体的な詳細を説明する。しかし、当業者には、本発明は、これらの具体的な詳細なしで実施することができることが理解されるであろう。別の例では、公知の方法、手順、及び構成要素については、本発明を分かりにくくしないように特に説明していない。
【0025】
本発明の実施形態によれば、静電チャックは、上側面を有する絶縁基板と、この上側面の上方に位置決めされた1つ又はそれよりも多くの放電要素とを含む(それらは、絶縁基板と一体化して上側面又は上側面の一部を形成することができるが)。放電要素は、絶縁基板の放電を助け、かつ特に上側面に近接する電荷を放電することができる放電回路に接続することができる。更に別の実施形態では、静電チャックは、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、ウェーハに接触するように配置された上側部分を有する複数の突起と、少なくとも1つの電極と複数の突起の上側部分との間に位置決めされた少なくとも1つの放電要素とを含み、この少なくとも1つの放電要素は、放電回路に結合された状態で絶縁基板に蓄積された電荷を放電するように配置される。本発明の別の実施形態は、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、この少なくとも1つの電極と複数の突起の上側部分との間に位置決めされた少なくとも1つの放電要素とを含む静電チャックの突起上にウェーハを置く段階と、少なくとも1つの放電要素が浮遊電位に置かれている間にチャックモードで静電チャックを作動させる段階と、放電要素が絶縁基板に蓄積された電荷を放電するための放電回路に結合された放電モードで静電チャックを作動させる段階と、ウェーハを静電チャックから除去する段階とを含む静電チャックを作動させる方法を提供する。
【0026】
チャック作動を可能にするために、放電要素は、チャックモードでの作動時に電気的に浮遊し、かつ放電モードでの作動時に接地される(又は別の方法で放電される)べきである。
【0027】
本発明の様々な実施形態により、静電チャックを提供する。これは、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、ウェーハに接触するように配置された上側部分を有する複数の突起と、少なくとも1つの放電要素(少なくとも1つの電極と複数の突起の上側部分との間に位置決めすることができる)とを含むことができる。少なくとも1つの放電要素は、放電回路によって放電された状態で、絶縁基板に蓄積された電荷を放電するように配置される。
【0028】
静電チャックは、放電回路を含むことができ、又はそのような放電回路に接続することができる。静電チャック又は放電回路(又は放電回路の導体)は、静電チャック又は導体の高さの変更及び導体の回転などのような機械的移動を用いることにより、互いに接触することができる。
【0029】
放電回路は、チャックモードでの作動時に少なくとも1つの放電要素を接地から切断し、かつ放電モードでは少なくとも1つの放電要素を接地するように配置された少なくとも1つのスイッチを含むことができる。スイッチは、各放電要素に割り当てることができるが、複数の放電要素を同じスイッチに接続することができる。
【0030】
放電要素の導電率は、ウェーハと静電チャックの間の放電を制限するように選択される。この放電は短絡であり、放電要素内に蓄積された全ての電荷によって給送されるべきではない。平方単位当たりの抵抗値が高い方が、放電に関わることになる放電要素内の電荷量を制限することができ、かつウェーハが損傷するのを防止することができる。
【0031】
導電率は、放電による損傷の制限(より高い平方単位当たりの抵抗)と放電時間の低減(より低い平方単位当たりの抵抗)との間のトレードオフとして選択することができる。
【0032】
放電要素の導電率は、平方単位当たり10メガオーム〜平方単位当たり10ギガオームの範囲内とすることができる。
【0033】
放電要素の導電率は、平方単位当たり10メガオームを超える場合がある。
【0034】
放電要素の導電率は、平方単位当たり1ギガオームを超える場合がある。
【0035】
1つ又はそれよりも多くの放電要素は、シートとして成形することができるが、他の形状を設けることもできる。放電要素の厚みは、数ミクロン程度とすることができるが、これは必ずしもそうであるとは限らず、厚みは、数ミクロン未満、1ミクロン未満とすることができ、又は数ミクロンを超えることができる。
【0036】
放電要素の数は、電極の数を超える場合がある。
【0037】
放電要素の数は、電極の数に等しくてもよい。
【0038】
放電要素の数は、電極の数よりも少なくてもよい。
【0039】
静電チャックは、絶縁基板の縁部の近くに位置決めされた放電要素を含むことができる。
【0040】
静電チャックは、環状形を有して絶縁基板の縁部の近くに位置決めされた放電要素を含むことができる。
【0041】
静電チャックは、複数の電極と複数の放電要素を含むことができる。
【0042】
1つの放電要素の形状は、この放電要素の下に位置決めされた電極の形状と同じとすることができる。
【0043】
各放電要素の形状は、放電要素の下に位置決めされた各電極の形状と同じとすることができる。
【0044】
各放電要素の形状及び大きさは、放電要素の下に位置決めされた各電極の形状及び大きさと同じとすることができる。
【0045】
各放電要素の形状は、放電要素の下に位置決めされた各電極の形状と同じとすることができ、かつ各放電要素の大きさは、放電要素の下に位置付けられた各電極の大きさよりも大きくすることができる。
【0046】
一部の場合には、放電要素のいずれも、複数の電極の上に位置決めされない場合がある。
【0047】
あるいは、複数の電極が異なる電圧レベルに設定されるように配置された場合、放電要素のいずれも、複数の電極の上に位置決めされない場合がある。
【0048】
放電要素は、グリッドとして成形することができる。
【0049】
静電チャックは、少なくとも4つの放電要素を含むことができる。
【0050】
図2は、本発明の実施形態による静電チャック160の断面図である。
【0051】
図2の静電チャック160は、2つの放電要素71及び72と2つの放電回路81及び82とを含む点で静電チャック60とは異なっている。
【0052】
放電要素71は、第1の電極31の上方に位置決めされ、かつ放電回路81に接続される。放電要素72は、第2の電極32の上方に位置決めされ、かつ放電回路82に接続される。
【0053】
各放電回路81、82は、電気的接地と放電要素との間に接続したスイッチを含んで示されている。スイッチは、チャックモードでの作動時に開放され、放電モードでの作動時に閉鎖される。放電モードは、チャックモードの後に続き、放電モードの後に、チャック160からウェーハ10を除去する段階が続くことができる。
【0054】
ウェーハのアンロードには、静電チャックを放電モードで作動させてウェーハのアンロードによって発生した電荷を放電する段階が続くことができることに注意されたい。
【0055】
図2には、電極31全体を「覆う」ように放電要素71を示し、電極32全体を「覆う」ように放電要素72を示している。
【0056】
図3は、本発明の実施形態による静電チャック260の断面図である。
【0057】
図3の静電チャック260は、絶縁基板240の縁部に近接してそれぞれの電極31、32の小部分のみを「覆う」2つの放電要素71及び72を含む点で図2の静電チャック160とは異なっている。放電要素71及び72の各々は、半リング形を有することができる。
【0058】
図4は、本発明の実施形態による静電チャック260の断面図である。
【0059】
図4の静電チャック360は、各々がそれぞれの電極31、32の小部分のみを「覆う」5つの放電要素71〜75を含む点で図2の静電チャック160とは異なっている。
【0060】
放電要素71及び72の各々は、半リング形を有することができる。異なる放電要素を互いに絶縁することができるが、1つ又はそれよりも多くを互いに接続することもできる。放電要素の数は、2つ又は5つとは異なる可能性があることに注意されたい。放電要素は、例えば、5つを超えることができる。
【0061】
図5は、本発明の実施形態による円形絶縁基板40の半円形放電要素71及び72、並びに半円形電極31及び32の上面図である。
【0062】
図5には、半円形電極31及び32よりも若干大きい放電要素71及び72を示している。
【0063】
図6は、本発明の実施形態による円形絶縁基板40の半円形放電要素71及び72、並びに半円形電極31及び32の上面図である。
【0064】
図6には、半円形電極31及び32と同じ大きさ及び形状の放電要素71及び72を示している。
【0065】
図7は、本発明の実施形態による円形絶縁基板40の半リング形放電要素71及び72、並びに半円形電極31及び32の上面図である。
【0066】
図7には、絶縁基板40の縁部の近くに位置付けられた半リング形放電要素71及び72を示している。
【0067】
図8は、本発明の実施形態による円形絶縁基板40の四分円形放電要素71及び72、並びに四分円形電極31及び32の上面図である。
【0068】
図8には、四分円形電極31及び32よりも若干大きい四分円形放電要素71及び72を示している。
【0069】
図9は、本発明の実施形態による2つのグリッド形放電要素71及び72の上面図である。
【0070】
1つの放電要素の形状は、別の放電要素の形状とは異なる可能性があることに注意されたい。
【0071】
1つの放電要素の大きさは、別の放電要素の大きさとは異なる可能性があることに注意されたい。
【0072】
突起は、放電要素と同じ材料で製造することができるが、これは必ずしもそうであるとは限らず、突起は、ダイヤモンド等級コーティングのような別の材料から製造することができることに更に注意されたい。
【0073】
方法を提供することができ、かつ上述の静電チャックを用いて実行することができる。
【0074】
本方法は、(i)上述の静電チャックのいずれかを準備する段階、(ii)ウェーハを静電チャック上に置く段階、(iii)チャックの各電極に電圧を供給して放電要素を電気的に浮遊させることによってチャックモードで作動させる段階、(iv)チャックの放電要素を接地することによって放電モードで作動させ、すなわち、少なくとも1つの放電要素及び少なくとも1つの放電回路を通じて絶縁基板に蓄積された電荷を放電する段階、及び(v)ウェーハを静電チャックから除去する段階を含むことができる。
【0075】
図10に、本発明の実施形態による方法1000を示している。
【0076】
方法1000は、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、この少なくとも1つの電極と複数の突起の上側部分との間に位置決めされた少なくとも1つの放電要素とを含むことができる静電チャックの突起上にウェーハを置く段階を用いて1010で開始される。上述のように、この静電チャックは、上述の静電チャックのいずれかとすることができる。
【0077】
段階1010には、少なくとも1つの放電要素の電位が浮遊させられている間にチャックモードで静電チャックを作動させる1020が続く。
【0078】
段階1020には、絶縁基板に蓄積された電荷を放電するための放電回路(例えば、電気的接地に結合された回路)に放電要素が結合された放電モードで静電チャックを作動させる1030が続く。
【0079】
段階1030には、静電チャックからのウェーハの除去の1040が続く。
【0080】
段階1040には、段階1020又は1030のいずれかが続くことができる。
【0081】
各放電期間中に、全ての放電要素を接地することができ、又はチャックの放電要素の少数のみをそのように接地することができることに注意されたい。
【0082】
放電要素を接地する段階は、放電要素を別の電位(正電位又は負電位を含む)に結合する段階を含むことができることに注意されたい。
【0083】
本発明のある一定の特徴を図示して本明細書に説明したが、多くの修正、置換、変形、及び均等物は、当業者によってこの時点で想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正及び変形が本発明の真の精神に該当するとして含まれるように意図していることは理解されるものとする。
【符号の説明】
【0084】
31、32 電極
51、52 電圧供給源
71、72 放電要素
160 静電チャック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、
ウェーハに接触するように配置された上側部分を有する複数の突起と、
前記少なくとも1つの電極と前記複数の突起の前記上側部分との間に位置決めされ、放電回路に結合された状態で前記絶縁基板に蓄積された電荷を放電するように配置された少なくとも1つの放電要素と、
を含むことを特徴とする静電チャック。
【請求項2】
前記放電回路を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記放電回路は、チャックモードでの作動時に前記少なくとも1つの放電要素を電気的接地から切断し、かつ放電モードでの作動時に該少なくとも1つの放電要素を接地に接続するように配置された少なくとも1つのスイッチを含むことを特徴とする請求項2に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記放電要素の導電率が、前記ウェーハと静電チャックの間の放電を制限するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項5】
前記放電要素の導電率が、平方単位当たり10メガオームと平方単位当たり10ギガオームの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項6】
前記放電要素の導電率が、平方単位当たり10メガオームを超えることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項7】
前記放電要素の導電率が、平方単位当たり1ギガオームを超えることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項8】
前記放電要素は、シートであることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項9】
電極の数よりも大きい数の放電要素を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項10】
等しい数の放電要素及び電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項11】
電極の数よりも少ない数の放電要素を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項12】
前記絶縁基板の縁部の近くに位置決めされた放電要素を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項13】
環状形を有し、かつ前記絶縁基板の縁部の近くに位置決めされた放電要素を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項14】
複数の電極及び複数の放電要素を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
【請求項15】
1つの放電要素の形状が、該1つの放電要素の下に位置決めされた電極の形状と同じ形状であることを特徴とする請求項14に記載の静電チャック。
【請求項16】
各放電要素の形状が、それぞれの放電要素の下に位置決めされた各電極の形状と同じ形状であることを特徴とする請求項14に記載の静電チャック。
【請求項17】
各放電要素の形状及び大きさが、それぞれの放電要素の下に位置決めされた各電極と同じ形状及び大きさであることを特徴とする請求項14に記載の静電チャック。
【請求項18】
各放電要素の形状が、それぞれの放電要素の下に位置決めされた各電極の形状と同じ形状であり、各放電要素の大きさが、該それぞれの放電要素の下に位置付けられた各電極の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項14に記載の静電チャック。
【請求項19】
放電要素が、異なる電圧レベルに設定されるように配置された複数の電極の上に位置決めされないことを特徴とする請求項14に記載の静電チャック。
【請求項20】
前記放電要素の少なくとも1つが、グリッドとして成形されることを特徴とする請求項14に記載の静電チャック。
【請求項21】
少なくとも4つの放電要素を含むことを特徴とする請求項14に記載の静電チャック。
【請求項22】
静電チャックを作動させる方法であって、
ウェーハを静電チャックの突起上に置く段階であって、該静電チャックが、少なくとも1つの電極を取り囲む絶縁基板と、該少なくとも1つの電極と該複数の突起の上側部分との間に位置決めされた少なくとも1つの放電要素とを含む前記置く段階と、
前記少なくとも1つの放電要素が浮遊電位に置かれている間に前記静電チャックをチャックモードで作動させる段階と、
前記放電要素が、前記絶縁基板に蓄積された電荷を放電するための放電回路に結合された放電モードで前記静電チャックを作動させる段階と、
前記ウェーハを前記静電チャックから除去する段階と、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−212866(P2012−212866A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−45939(P2012−45939)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【出願人】(504144253)アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド (27)
【Fターム(参考)】