静電容量型タッチスイッチ装置
【課題】パネルスイッチに指でタッチするとき明確に押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチを提供する。
【解決手段】パネルスイッチは、弾力性のある部材で形成された表面パネル、スリットの入った検出電極と周辺にGND電極を印刷した電極シート、前記電極シートを補強板(誘電体)に貼り付けた構成。 制御基板は、発振回路を利用した容量変化を周波数変化に変換するC/F変換回路、閾値データを記憶するための不揮発性メモリ、波形の幅が計測できるインプットキャプチャ機能付きカウンタが内蔵されたCPUで構成。 押し圧の程度に応じて検出電極と指の間隔が変化する弾力性の部材で構成された表面パネルを組み合わせることで、表面パネルを挟んだ指と検出電極との間の静電容量変化に応じ、段階別に計測する機能を備えることで、パネルスイッチに対する押し圧状態が判断でき、押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチ装置。
【解決手段】パネルスイッチは、弾力性のある部材で形成された表面パネル、スリットの入った検出電極と周辺にGND電極を印刷した電極シート、前記電極シートを補強板(誘電体)に貼り付けた構成。 制御基板は、発振回路を利用した容量変化を周波数変化に変換するC/F変換回路、閾値データを記憶するための不揮発性メモリ、波形の幅が計測できるインプットキャプチャ機能付きカウンタが内蔵されたCPUで構成。 押し圧の程度に応じて検出電極と指の間隔が変化する弾力性の部材で構成された表面パネルを組み合わせることで、表面パネルを挟んだ指と検出電極との間の静電容量変化に応じ、段階別に計測する機能を備えることで、パネルスイッチに対する押し圧状態が判断でき、押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力方式に静電容量方式を採用した静電容量型タッチスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1に示した従来型の静電容量型タッチスイッチは、パネルスイッチと制御基板から構成される。パネルスイッチは、図2−1で示すPETフィルムに銀ペーストを印刷した電極シートをアクリルやガラス等からなる誘電体に接着剤(両面テープ等)で貼り付けたもので構成される。(図2−2)
図3−1で示すパネルスイッチに指(導通部材)が近づくと、誘電体を電極と指で挟んだ平行板コンデンサが形成され静電容量が増加する。また、逆にパネルから指が離れると前記した原理とは反対に静電容量が減少する。制御基板は、この静電容量の変化をC/V(容量を電圧)変換回路で電圧に変換し、CPUのADC(A/Dコンバータ)でデジタルデータに置き換え、演算プログラムよりスイッチON/OFF状態を判断しているのが、静電容量型タッチスイッチの一般的な動作原理である。
しかし図3で示すように、パネルスイッチ表面に指が触れると容量変化が発生する。そのため不注意に指や体の一部がパネルスイッチに触れた場合でも、スイッチが押されたと判断し、誤入力の原因となる。
【0003】
【特許文献1】特許登録第3880652号
【特許文献2】特開2005−18669号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って従来の方式では、不注意にパネルスイッチに指や体の一部が触れただけでも、容量変化が生じ、誤動作が発生する。したがって、軽いタッチで操作して使用する機器のファンクションキーの入力手段として使用する場合は問題ないが、家電製品等(テレビや洗濯機等)の電源スイッチや、運転しながら操作する車載用スイッチ等には静電容量型のタッチスイッチは、前記したように不注意に指や体の一部がパネルスイッチに触れただけで、スイッチが入ってしまうので、誤動作に繋がり搭載できない難点があった。
そこで本発明は上記問題を解決することを目的とし、パネルスイッチに指でタッチするとき明確に押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチを提供する事にある。
【0005】
更に従来の静電容量型タッチスイッチを利用したスライドキーや、サークルキーを構成する場合、スライドキーやサークルキーを摺動操作しながら目的の場所までカーソル等を移動し、更に項目を選択するために決定キーを押す必要がある。そのためスライドキーの決定キーは、スライドキーの近辺(図4−1)に配置され、サークルキーの決定キーはサークルキーの内側(図4−2)に配置され、タクトスイッチ等で構成された専用キーを設けているのが一般的である。しかしこの決定キーは、スライドキーやサークルキー上とは別の場所に配置されているため、一端指を離す必要があり操作の連続性が無くなり操作感が損なわれる。
そこで本発明は、静電容量型タッチスイッチを利用したスライドキーやサークルキーを構成する場合でも、タクトスイッチ等により構成された決定キーを無くし、静電容量型タッチスイッチに摺動機能と決定機能を両立させ、操作の連続性が損なわれないスライドキーやサークルキーを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明の静電容量型タッチスイッチは、容量変化を段階的に変化させるために、検出電極に図5に示したスリットを4カ所設けた検出電極シートと、図6に示した押し圧の程度に応じて検出電極への接触面積が変化し、押し圧の程度に応じて検出電極と指の間隔が変化する弾力性の部材で構成された表面パネルを備えたことを特徴とする。
【0007】
図7で示した平行板コンデンサの原理(静電容量は、C=ε・S/dの式で表せる。Cは静電容量,εは誘電率,Sは電極の面積,dは電極間の間隔)を応用して、押し圧の程度に応じて検出電極への接触面積が変化し、押し圧の程度に応じて検出電極と指の間隔が変化する弾力性の部材で構成された表面パネルを組み合わせることで、表面パネルを挟んだ指と検出電極との間の静電容量変化に応じて段階的に4つの状態(図8に示した非接触状態/接触状態/軽い押し圧状態/強い押し圧状態)に区分し、段階別に静電容量を計測する機能を備え、パネルスイッチを確実に押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチが実現できる。
【0008】
上記静電容量型押し圧式タッチスイッチを、直線上に複数連結することで、スライドスイッチが実現でき、円形上に複数連結することでサークルスイッチが実現できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、静電容量型タッチスイッチのパネルスイッチに不注意で指や体の一部が触れた場合でも誤動作しないため、家電製品等(テレビや洗濯機等)の電源スイッチ、運転しながら操作する車載用スイッチ等にも搭載可能となる。
【0010】
更に本発明によれば静電容量型タッチスイッチをスライドキーやサークルキーとして使用した場合、決定キーも一体化した機能として内蔵できるため決定専用のタクトスイッチ等を設けることなく項目選択が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、図9で示す通りパネルスイッチと制御基板から構成する。
パネルスイッチは、指で押すことで変形する弾力性のあるゴム等の部材で形成された表面パネル、PETフィルムにスリットの入った検出電極と周辺にGND電極を印刷した電極シート、前記電極シートを補強板(誘電体)に両面テープや接着剤で貼り付けた構成となる。
前記検出電極のスリットは、図8に示すパネルスイッチの状態で示した非接触状態/接触状態/軽い押し圧状態/強い押し圧状態の4つに区分し、押し圧と状態別静電容量変化が図10の状態になり、境界点を明確にし、判断しやすくするために設けたものである。また、押し圧状態を軽い押し圧状態/強い押し圧状態の2段階に分けたのは入力時初めから強い押し圧状態にあるとき、接触状態と押し圧状態の区別が付かず2段階に分けて回避することが目的とする。
更に表面パネルは、図6−1で示す通り伸縮性の弾性体で形状は台形で、材質はゴム等でできている。表面パネルに於いて検出電極と対向する形状を台形にする目的は、押し圧状態に応じて検出電極との接触面積が変化し、押し圧力も沈み込みに応じて反発力が大きくなるために、押し圧と表面パネルの沈み込みにより比例関係が生まれ、押した感触も醸し出すことが出来る。
制御基板は、発振回路を利用した容量変化を周波数変化に変換するC/F変換回路、押し圧データを記憶するための不揮発性メモリ、波形の幅が計測できるインプットキャプチャ機能付きカウンタが内蔵されたCPUで構成する。
【実施例1】
【0012】
以下本発明を具体化した実施例について図面を参照して説明する。
静電容量型タッチスイッチのONを判断する方式について、図11の静電容量測定回路に基づいて説明する。図11に示す静電容量測定回路は、発振回路に接続されたパネルスイッチの静電容量の変化量を周波数に変換し(C/F変換回路)、CPUのインプットキャプチャ機能により周波数を測定し、前記測定した周波数データをCPUのI/O端子1に接続された不揮発性メモリに記憶する機能を有している。
まず始めに、パネルスイッチに対する非接触状態/接触状態/軽い押し圧状態/強い押し圧状態の初期発信周波数を順番に測定する。その測定周波数データを図11で示したCPUのI/O端子1に接続された不揮発性メモリに記憶する。測定結果から押し圧と周波数の関係をグラフ化したものが図12である。図12により接触状態2と軽い押し圧状態3の間に容量変化の少ないタイミングが発生する。これは検出電極のスリットの影響で接触面積が変加しないため一定の期間容量変化の少ないタイミングが発生する。更に軽い押し圧状態3と強い押し圧状態4の間にも、検出電極のスリットの影響で容量変化の少ないタイミング発生する。2回容量変化の少ないタイミングを不揮発性メモリに内蔵したプログラムで検知できれば、正しい操作でパネルスイッチが徐々に押されたことの証明となるため重要な鍵になる。前記プログラムで確認できた後、強い押し圧状態4が10mS以上維持出来たとき初めて静電容量型タッチスイッチをONと規定する。
そこで、不注意にパネルスイッチに指や体の一部が触れた場合、図11の検出電極のCもしくは(B+C+D)の接触面積程度で容量変化も少なく、その為周波数変化も図12の2または3の状態までしか変化せずONに至らず誤動作も発生しない。
【実施例2】
【0013】
次に静電容量型タッチスイッチをスライドキーとして使用した場合、決定専用のタクトスイッチ等を設けることなく項目選択が可能となる方式について説明する。
図13で示した静電容量型スライドスイッチの構成図に基づいて説明する。
パネルスイッチのスライド操作はSW1からSW3上を指が摺動している状態で、容量変化も図12の2から3の状態で静電容量型タッチスイッチはONにならない。スライドスイッチSW1を強く押し込むと容量変化図12の4の状態になりSW1がON状態となる。この操作は、決定キーを押した操作と同一となる。
【0014】
この原理により、不注意にパネルスイッチに指や体の一部が触れて容量変化が生じても誤動作が発生しない。またパネルスイッチに指でタッチするとき明確に押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチが実現できる。
更に、静電容量型タッチスイッチをスライドキーやサークルキーとして使用した場合、決定キーも一体化した機能として内蔵できるため決定専用のタクトスイッチ等を設けることなく項目選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】静電容量型タッチスイッチの構造図。
【図2】一般的なパネルスイッチ構造図。
【図3】静電容量変化メカニズム。
【図4】一般的なスライドキーやサークルキー。
【図5】検出電極シート。
【図6】パネルスイッチ構造。
【図7】平行板コンデンサの動作原理。
【図8】パネルスイッチの状態。
【図9】静電容量型タッチスイッチのシステム構成図。
【図10】検出電極の接触面積と各状態別容量変化。
【図11】静電容量変化測定回路(C/F変換回路)。
【図12】押し圧と周波数の関係。
【図13】静電容量型スライドスイッチの構成図。
【符号の説明】
【0016】
1 発信回路
2 CPU
3 I/O端子
4 電極切り替え回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力方式に静電容量方式を採用した静電容量型タッチスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1に示した従来型の静電容量型タッチスイッチは、パネルスイッチと制御基板から構成される。パネルスイッチは、図2−1で示すPETフィルムに銀ペーストを印刷した電極シートをアクリルやガラス等からなる誘電体に接着剤(両面テープ等)で貼り付けたもので構成される。(図2−2)
図3−1で示すパネルスイッチに指(導通部材)が近づくと、誘電体を電極と指で挟んだ平行板コンデンサが形成され静電容量が増加する。また、逆にパネルから指が離れると前記した原理とは反対に静電容量が減少する。制御基板は、この静電容量の変化をC/V(容量を電圧)変換回路で電圧に変換し、CPUのADC(A/Dコンバータ)でデジタルデータに置き換え、演算プログラムよりスイッチON/OFF状態を判断しているのが、静電容量型タッチスイッチの一般的な動作原理である。
しかし図3で示すように、パネルスイッチ表面に指が触れると容量変化が発生する。そのため不注意に指や体の一部がパネルスイッチに触れた場合でも、スイッチが押されたと判断し、誤入力の原因となる。
【0003】
【特許文献1】特許登録第3880652号
【特許文献2】特開2005−18669号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って従来の方式では、不注意にパネルスイッチに指や体の一部が触れただけでも、容量変化が生じ、誤動作が発生する。したがって、軽いタッチで操作して使用する機器のファンクションキーの入力手段として使用する場合は問題ないが、家電製品等(テレビや洗濯機等)の電源スイッチや、運転しながら操作する車載用スイッチ等には静電容量型のタッチスイッチは、前記したように不注意に指や体の一部がパネルスイッチに触れただけで、スイッチが入ってしまうので、誤動作に繋がり搭載できない難点があった。
そこで本発明は上記問題を解決することを目的とし、パネルスイッチに指でタッチするとき明確に押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチを提供する事にある。
【0005】
更に従来の静電容量型タッチスイッチを利用したスライドキーや、サークルキーを構成する場合、スライドキーやサークルキーを摺動操作しながら目的の場所までカーソル等を移動し、更に項目を選択するために決定キーを押す必要がある。そのためスライドキーの決定キーは、スライドキーの近辺(図4−1)に配置され、サークルキーの決定キーはサークルキーの内側(図4−2)に配置され、タクトスイッチ等で構成された専用キーを設けているのが一般的である。しかしこの決定キーは、スライドキーやサークルキー上とは別の場所に配置されているため、一端指を離す必要があり操作の連続性が無くなり操作感が損なわれる。
そこで本発明は、静電容量型タッチスイッチを利用したスライドキーやサークルキーを構成する場合でも、タクトスイッチ等により構成された決定キーを無くし、静電容量型タッチスイッチに摺動機能と決定機能を両立させ、操作の連続性が損なわれないスライドキーやサークルキーを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明の静電容量型タッチスイッチは、容量変化を段階的に変化させるために、検出電極に図5に示したスリットを4カ所設けた検出電極シートと、図6に示した押し圧の程度に応じて検出電極への接触面積が変化し、押し圧の程度に応じて検出電極と指の間隔が変化する弾力性の部材で構成された表面パネルを備えたことを特徴とする。
【0007】
図7で示した平行板コンデンサの原理(静電容量は、C=ε・S/dの式で表せる。Cは静電容量,εは誘電率,Sは電極の面積,dは電極間の間隔)を応用して、押し圧の程度に応じて検出電極への接触面積が変化し、押し圧の程度に応じて検出電極と指の間隔が変化する弾力性の部材で構成された表面パネルを組み合わせることで、表面パネルを挟んだ指と検出電極との間の静電容量変化に応じて段階的に4つの状態(図8に示した非接触状態/接触状態/軽い押し圧状態/強い押し圧状態)に区分し、段階別に静電容量を計測する機能を備え、パネルスイッチを確実に押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチが実現できる。
【0008】
上記静電容量型押し圧式タッチスイッチを、直線上に複数連結することで、スライドスイッチが実現でき、円形上に複数連結することでサークルスイッチが実現できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、静電容量型タッチスイッチのパネルスイッチに不注意で指や体の一部が触れた場合でも誤動作しないため、家電製品等(テレビや洗濯機等)の電源スイッチ、運転しながら操作する車載用スイッチ等にも搭載可能となる。
【0010】
更に本発明によれば静電容量型タッチスイッチをスライドキーやサークルキーとして使用した場合、決定キーも一体化した機能として内蔵できるため決定専用のタクトスイッチ等を設けることなく項目選択が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、図9で示す通りパネルスイッチと制御基板から構成する。
パネルスイッチは、指で押すことで変形する弾力性のあるゴム等の部材で形成された表面パネル、PETフィルムにスリットの入った検出電極と周辺にGND電極を印刷した電極シート、前記電極シートを補強板(誘電体)に両面テープや接着剤で貼り付けた構成となる。
前記検出電極のスリットは、図8に示すパネルスイッチの状態で示した非接触状態/接触状態/軽い押し圧状態/強い押し圧状態の4つに区分し、押し圧と状態別静電容量変化が図10の状態になり、境界点を明確にし、判断しやすくするために設けたものである。また、押し圧状態を軽い押し圧状態/強い押し圧状態の2段階に分けたのは入力時初めから強い押し圧状態にあるとき、接触状態と押し圧状態の区別が付かず2段階に分けて回避することが目的とする。
更に表面パネルは、図6−1で示す通り伸縮性の弾性体で形状は台形で、材質はゴム等でできている。表面パネルに於いて検出電極と対向する形状を台形にする目的は、押し圧状態に応じて検出電極との接触面積が変化し、押し圧力も沈み込みに応じて反発力が大きくなるために、押し圧と表面パネルの沈み込みにより比例関係が生まれ、押した感触も醸し出すことが出来る。
制御基板は、発振回路を利用した容量変化を周波数変化に変換するC/F変換回路、押し圧データを記憶するための不揮発性メモリ、波形の幅が計測できるインプットキャプチャ機能付きカウンタが内蔵されたCPUで構成する。
【実施例1】
【0012】
以下本発明を具体化した実施例について図面を参照して説明する。
静電容量型タッチスイッチのONを判断する方式について、図11の静電容量測定回路に基づいて説明する。図11に示す静電容量測定回路は、発振回路に接続されたパネルスイッチの静電容量の変化量を周波数に変換し(C/F変換回路)、CPUのインプットキャプチャ機能により周波数を測定し、前記測定した周波数データをCPUのI/O端子1に接続された不揮発性メモリに記憶する機能を有している。
まず始めに、パネルスイッチに対する非接触状態/接触状態/軽い押し圧状態/強い押し圧状態の初期発信周波数を順番に測定する。その測定周波数データを図11で示したCPUのI/O端子1に接続された不揮発性メモリに記憶する。測定結果から押し圧と周波数の関係をグラフ化したものが図12である。図12により接触状態2と軽い押し圧状態3の間に容量変化の少ないタイミングが発生する。これは検出電極のスリットの影響で接触面積が変加しないため一定の期間容量変化の少ないタイミングが発生する。更に軽い押し圧状態3と強い押し圧状態4の間にも、検出電極のスリットの影響で容量変化の少ないタイミング発生する。2回容量変化の少ないタイミングを不揮発性メモリに内蔵したプログラムで検知できれば、正しい操作でパネルスイッチが徐々に押されたことの証明となるため重要な鍵になる。前記プログラムで確認できた後、強い押し圧状態4が10mS以上維持出来たとき初めて静電容量型タッチスイッチをONと規定する。
そこで、不注意にパネルスイッチに指や体の一部が触れた場合、図11の検出電極のCもしくは(B+C+D)の接触面積程度で容量変化も少なく、その為周波数変化も図12の2または3の状態までしか変化せずONに至らず誤動作も発生しない。
【実施例2】
【0013】
次に静電容量型タッチスイッチをスライドキーとして使用した場合、決定専用のタクトスイッチ等を設けることなく項目選択が可能となる方式について説明する。
図13で示した静電容量型スライドスイッチの構成図に基づいて説明する。
パネルスイッチのスライド操作はSW1からSW3上を指が摺動している状態で、容量変化も図12の2から3の状態で静電容量型タッチスイッチはONにならない。スライドスイッチSW1を強く押し込むと容量変化図12の4の状態になりSW1がON状態となる。この操作は、決定キーを押した操作と同一となる。
【0014】
この原理により、不注意にパネルスイッチに指や体の一部が触れて容量変化が生じても誤動作が発生しない。またパネルスイッチに指でタッチするとき明確に押した感触が認識できる静電容量型押し圧式タッチスイッチが実現できる。
更に、静電容量型タッチスイッチをスライドキーやサークルキーとして使用した場合、決定キーも一体化した機能として内蔵できるため決定専用のタクトスイッチ等を設けることなく項目選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】静電容量型タッチスイッチの構造図。
【図2】一般的なパネルスイッチ構造図。
【図3】静電容量変化メカニズム。
【図4】一般的なスライドキーやサークルキー。
【図5】検出電極シート。
【図6】パネルスイッチ構造。
【図7】平行板コンデンサの動作原理。
【図8】パネルスイッチの状態。
【図9】静電容量型タッチスイッチのシステム構成図。
【図10】検出電極の接触面積と各状態別容量変化。
【図11】静電容量変化測定回路(C/F変換回路)。
【図12】押し圧と周波数の関係。
【図13】静電容量型スライドスイッチの構成図。
【符号の説明】
【0016】
1 発信回路
2 CPU
3 I/O端子
4 電極切り替え回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUとC/F変換回路とメモリを備えた制御基板を備えた静電容量型タッチスイッチにおいて、静電容量を段階的に変化させるために電極にスリットを設けた検出電極と、押した力の程度により、前記検出電極への接触面積が変化する弾性力の有る部材で構成された押圧部材を設けたパネルスイッチを作成し、該パネルスイッチを押圧したときの静電容量を連続的に測定し、該静電容量を前記C/F変換回路により周波数に変換し、前記周波数の変化の少ない部分を、前記押圧部材を押したときの境界とし、押圧部材が押されている状態を検出することを特徴とする静電容量型タッチスイッチ装置。
【請求項1】
CPUとC/F変換回路とメモリを備えた制御基板を備えた静電容量型タッチスイッチにおいて、静電容量を段階的に変化させるために電極にスリットを設けた検出電極と、押した力の程度により、前記検出電極への接触面積が変化する弾性力の有る部材で構成された押圧部材を設けたパネルスイッチを作成し、該パネルスイッチを押圧したときの静電容量を連続的に測定し、該静電容量を前記C/F変換回路により周波数に変換し、前記周波数の変化の少ない部分を、前記押圧部材を押したときの境界とし、押圧部材が押されている状態を検出することを特徴とする静電容量型タッチスイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−300247(P2008−300247A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146283(P2007−146283)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】
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