説明

静電容量検出装置

【課題】 列毎に出力線を備える場合でも高い検出精度で静電容量検出が行える静電容量検出装置を提供する。
【解決手段】 行列状に配置された静電容量検出素子、各行に配置された静電容量検出素子を選択するための行線RL、各列に配置された静電容量検出素子からの信号を出力するための出力線OLを備える。各静電容量検出素子には、行線RLからの信号に基づいて当該静電容量検出素子の信号の出力線OLへの出力を制御する行選択素子T2を備えている。行線RLからの選択信号に基づいて選択状態とされた静電容量検出素子からの信号が当該静電容量検出素子に配置されている出力線OLに出力されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は指紋等の微細な凹凸を有する対象物の表面形状を、対象物表面との距離に応じて変化する静電容量を検出することにより読み取る静電容量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指紋センサ等に用いられる静電容量検出装置は、静電容量検出電極上に誘電体膜を設け、その上に指が触れられた際に、指紋の山と谷との間で静電容量に差が生じることを利用して指紋を検出するものである。従来、例えば特開2003−254706号公報に記載されているような回路構成の静電容量検出装置が知られていた(特許文献1)。
【0003】
この従来技術の静電容量検出装置では、M行N列の行列状に配置されたM本の個別電源線と、N本の個別出力線、及びこれら交点に設けられた静電容量検出素子とを具備し、静電容量検出素子は信号検出素子と信号増幅素子とを含み、信号検出素子は容量検出電極とようよう検出誘電体膜とを含み、信号増幅素子はゲート電極とゲート絶縁膜と半導体膜とからなる信号増幅用MIS型薄膜半導体装置から構成されていた。
【特許文献1】特開2003−254706号公報(段落0007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記回路構成では、時として複数の静電容量検出素子からの信号が混合されてしまい、検出精度が低下するという問題があった。以下説明する。
【0005】
図9に上記特許文献1に示される静電容量検出装置の回路図を示す。図9では、電源線PLiと出力線OLjとの間に電圧ΔVを印加して、静電容量検出素子ECSEijからの信号OSijを出力線OLjに取り出す場合を示している。本来の取り出したい信号OSijの流れは、電源線PLiから出力線OLjに至る太い実線で示した電流経路Aである。しかし電源線PLiと出力線OLjに電圧ΔVが印加されている状態では、電流経路A以外にも、静電容量検出素子ECSEi(j+1)→ECSE(i+1)(j+1)→ECSE(i+1)jの電流経路B、静電容量検出素子ECSEi(j+1)→ECSE(i+2)(j+1)→ECSE(i+2)jの電流経路Cなど、図中に点線で示される複数経路が存在する。このような電流経路が存在することによって、静電容量検出素子に適切なしきい値を設定できなければ、電流経路BやCを介して信号が出力線OLjに混合されて出力されてしまい、検出精度を低下させてしまうのである。
【0006】
そこで、本発明は、列毎に出力線を備える場合でも高い検出精度で静電容量検出が行える静電容量検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、行列状に配置された静電容量検出素子と、各行に配置され、当該行に配置された当該静電容量検出素子を選択するための行線と、各列に配置され、当該列に配置された当該静電容量検出素子からの信号を出力するための出力線と、を備える。各静電容量検出素子は、当該行線からの信号に基づいて当該静電容量検出素子の信号の当該出力線への出力を制御する行選択素子を備えており、当該行線からの信号に基づいて選択状態とされた当該静電容量検出素子からの信号が当該静電容量検出素子に配置されている前記出力線に出力されるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
具体的に本発明は、対象物との距離に応じて変化する静電容量を検出することにより、当該対象物の表面形状を読み取る静電容量検出装置において、M行N列に配置された静電容量検出素子と、いずれかの当該静電容量検出素子を選択するためのM本の行線と、列毎に設けられ各列に配置された当該静電容量検出素子からの信号を出力するためのN本の出力線とを備え、当該静電容量検出素子は、a)当該静電容量に応じた電荷を蓄積する信号検出素子と、b)当該信号検出素子が蓄積した電荷に対応した信号を増幅する信号増幅素子と、c)当該行線からの信号に基づいて当該静電容量検出素子を選択状態とするための行選択素子とを含む。当該信号検出素子は、容量検出電極を含む。当該信号増幅素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有する。当該行選択素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有する。当該信号増幅素子のゲート電極と当該容量検出電極とが接続されている。当該行選択素子のゲート電極が当該行線に接続されている。当該信号増幅素子のソース電極及びドレイン電極と、当該行選択素子のソース電極及びドレイン電極とが、当該出力線と当該行線との間に直列に接続されている。
【0009】
静電容量検出素子の信号が出力線に出力されるようになっている場合、選択状態の有無に拘わらず選択された静電容量検出素子に隣接する素子からの信号が、出力線に漏れ出ることがある。このような場合には、出力線に選択された静電容量検出素子からの信号のみならず、隣接静電容量検出素子からの信号も混入されてしまう。上記構成によれば、列毎に出力線が配置されているものの、各静電容量検出素子の選択は行選択素子によるため、選択されていない限り、静電容量検出素子からの電流経路が遮断される。このため隣接する静電容量検出素子からの信号電流が当該出力線に流れ込むことを抑制できる。
【0010】
さらに本発明は、信号増幅素子のソース電極と行線とが接続され、信号増幅素子のドレイン電極と行選択素子のソース電極とが接続され、行選択素子のドレイン電極と出力線とが接続されている。
【0011】
また本発明は、静電容量検出素子は、リセット素子を含む。リセット素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを備える。リセット素子のソース電極は行線に接続されている。リセット素子のドレイン電極と信号増幅素子のゲート電極と容量検出電極とが接続されている。リセット素子のゲート電極が隣接行に配置された行線に接続されている。上記構成によれば、リセット素子が行線と容量検出電極とを適時に短絡可能に構成されているので、例えば測定直前に容量検出電極に蓄積された電荷を解放することができ、正確な静電容量検出が可能となっている。
【0012】
また、本発明では、対象物との距離に応じて変化する静電容量を検出することにより、当該対象物の表面形状を読み取る静電容量検出装置において、M行N列に配置された静電容量検出素子と、いずれかの当該静電容量検出素子を選択するためのM本の行線と、列毎に設けられ各列に配置された当該静電容量検出素子からの信号を出力するためのN本の出力線とを備える。当該静電容量検出素子は、a)当該静電容量に応じた電荷を蓄積する信号検出素子と、b)当該信号検出素子が蓄積した電荷に対応した信号を増幅する信号増幅素子と、c)当該行線からの信号に基づいて当該静電容量検出素子を選択状態とするための行選択素子とを含む。当該信号検出素子は、容量検出電極と基準コンデンサとを含む。当該信号増幅素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有する。当該行選択素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有する。当該信号増幅素子のゲート電極と当該容量検出電極と当該基準コンデンサの一方の電極とが接続されている。当該行選択素子のゲート電極が当該行線に接続されている。当該基準コンデンサの他方の電極が当該行線に接続されている。当該信号増幅素子のソース電極及びドレイン電極と、当該行選択素子のソース電極及びドレイン電極とが、当該出力線と隣接行に配置された行線との間に直列に接続されている。
【0013】
上記構成によれば、前述した隣接する静電容量検出素子からの電流の混入を防止できる他、信信号検出素子に接続されている信号増幅素子の製造工程等で生じる容量のバラツキを緩和する基準コンデンサが設けられているので、正確な静電容量検出が可能である。
【0014】
例えば、信号増幅素子のソース電極と隣接行に配置された行線とが接続され、信号増幅素子のドレイン電極と行選択素子のソース電極とが接続され、行選択素子のドレイン電極と出力線とが接続されている。
【0015】
さらに静電容量検出素子は、リセット素子を含む。リセット素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを備える。リセット素子のソース電極は行線に接続されている。リセット素子のドレイン電極と信号増幅素子のゲート電極と容量検出電極と基準コンデンサの一方の電極とが接続されている。リセット素子のゲート電極が隣接行に配置された行線に接続されている。上記構成によれば、リセット素子が行線と容量検出電極とを適時に短絡可能に構成されているので、例えば測定直前に容量検出電極に蓄積された電荷を解放することができ、正確な静電容量検出が可能となっている。
【0016】
ここで、行選択素子は出力線側に接続され、信号増幅素子は行線側に接続されていることが好ましい。非選択状態とされた行選択素子は総てオフ状態となるため、各出力線の静電容量検出素子に関する負荷容量は行選択素子のドレイン容量のみとなる。一方、信号増幅素子を出力線に接続した場合、信号増幅素子はスイッチング素子として機能するものではないため完全にオフ状態とはならず、信号増幅素子のゲート容量までもが出力線の負荷容量として加算される。従って、出力線側に行選択素子が配置されるように接続することで、負荷容量を減少させることが可能である。
【0017】
また、本発明は、上記静電容量検出装置を備えた電子機器でもある。本発明の静電容量検出装置は、指紋等、人体の微細形状を静電容量の相違として検出するセンサ装置に適しているため、認証などを必要とする様々な電子機器に適用可能である。例えば、個人認証機能を備えたスマートカード、携帯電話、セキュリティーゾーン入口に設置する指紋等人体の一部形状に基づいて認証する認証装置等に利用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態は、対象物との距離に応じて変化する静電容量を検出することにより、これら対象物の表面形状を読み取る静電容量検出装置を、指紋検出のための指紋センサに適用した例である。以下の実施形態では、「対象物」はすなわち指であり検出すべき表面形状は指紋である。
【0019】
(動作原理)
図1に基づいて、本発明における静電容量検出装置の動作原理を説明する。
図1には、本発明の静電容量検出装置において行列状に配置された静電容量検出素子ESCEの一つについての等価回路を示している。行線RLは、各行に配置され、各行に配置された静電容量検出素子を選択するようになっている。出力線OLは、各列に配置され、各列に配置された静電容量検出素子ESCEからの信号を出力するようになっている。各静電容量検出素子ESCEには、行線RLからの信号に基づいて当該静電容量検出素子ESCEの信号の当該出力線への出力を制御する行選択素子T2を備えている。
【0020】
この構成によれば、当該行線RLからの選択信号に基づいて選択状態とされたときにのみ当該静電容量検出素子ESCEからの信号が行選択素子T2によって許可されるので、隣接する静電容量検出素子においては、行線が選択状態でない限り、静電容量検出素子からの信号が出力線に出力されることがない。このため、隣接する静電容量検出素子からの信号電流は遮断され、一つの信号線には、選択した行の静電容量検出素子ESCEからの信号のみが出力されることになる。
【0021】
また本実施形態の静電容量検出装置のもう一つの特徴として、容量検出素子CDからの検出信号を信号増幅素子T1で増幅するように構成してある点がある。
図1の等価回路において、容量検出素子CDの容量検出電極ELは、指紋等が接した場合に静電容量CFとなる。この容量検出素子CDに誘起された電荷Qに対応する検出電圧VGを信号増幅素子T1が増幅するようになっている。信号増幅素子T1はゲート電極Gとゲート絶縁膜と半導体膜とからなり、ソース電極Sとドレイン電極Dとゲート電極Gとを有する。信号増幅素子T1のゲート電極Gと容量検出電極ELとが互いに接続されている。
【0022】
なお、本明細書では半導体装置のソース電極とドレイン電極とを区別しないが、便宜上、一方の電極をソース電極と名付け、他方の電極をドレイン電極と名付ける。物理的に厳密を期すならば、トランジスタのソース電極とドレイン電極とは、N型トランジスタでは電位の低い方がソース電極と定義され、P型トランジスタでは電位の高い方がソース電極と定義される。しかしどちらの電極の電位が高くなるかは動作状態に応じて変化する。そのために厳密にはソース電極とドレイン電極とは一つのトランジスタ内で常に入れ替わり得る。本明細書では説明を明瞭とする目的でこうした厳密性を排し、便宜上一方の電極をソース電極と呼び、他方の電極をドレイン電極と呼ぶことにする。
【0023】
上記構成において、指紋等の対象物が容量検出電極ELに接したりあるいは接近したりすると、容量検出電極ELには対象物との静電容量CFに応じて電位VGが発生する。この電位VGは、対象物の表面形状(指紋)に応じて変化する静電容量CFを有する容量検出素子CDのコンデンサと信号増幅素子T1のトランジスタ容量CTとの間に誘起される電圧となる。この電位VGは信号増幅素子T1のゲート電極Gに入力され、ゲート電圧を変化させる。この信号増幅素子T1のドレイン電極Dに所定の電圧が印加されていれば、誘起されたゲート電圧VGに応じて信号増幅素子T1のソースドレイン間に流れる電流Idsは著しく変調される。ゲート電極G等には電位VGに応じて電荷Qが発生しているが、これらの電荷は何処にも流れずに保存されるので、電流値Idsは一定となる。それ故にドレイン電圧を高くしたりあるいは測定時間を長くしたりすることで電流Idsの測定も容易になり、信号増幅素子に薄膜半導体装置を用いた場合であっても、対象物の表面形状を十分正確に計測し得るのである。対象物の静電容量情報を増幅した信号(電流や電圧)は出力線を介して読み取られる。対象物の静電容量を測定するには信号増幅素子T1を介する電流Idsを計測してもよいし、こうした電流Idsに対応して変化する電圧Vを測定してもよい。
【0024】
このような静電容量検出装置を構成する半導体装置は、薄膜形成技術を用いて製造される場合と、単結晶珪素基板から製造される場合とがある。静電容量検出装置を単結晶硅素基板上に形成した場合には、単結晶珪素基板が多大なエネルギーを消費して作られるため高価ものとなる。これに対し、薄膜形成技術を用いる場合、薄膜半導体装置は、通常硝子基板上に作成されるために、大面積を要する半導体集積回路を安価に製造することができる。つまり単結晶珪素基板を用いる場合に比べ、貴重な地球資源を浪費することなく安価に静電容量検出装置を作成しうる。また、薄膜半導体装置は転写技術を適応することで、プラスティック基板上に作成できる。静電容量検出装置についても転写技術によってプラスティック基板上に形成し得る。
【0025】
一方、薄膜形成技術で形成された薄膜半導体装置には、トランジスタ特性が単結晶硅素基板に形成された半導体装置ほどには優れず、また薄膜半導体装置間の特性偏差も大きいという欠点があるため、薄膜半導体装置によって、容量検出電極の出力をそのまま出力するような構成の静電容量検出装置を構成しても十分な特性が得られない。指紋等の接触により誘起される電荷Qは非常に小さいために、特性の悪い薄膜半導体装置ではこの小さな電荷Qを正確に読み取れないからである。
【0026】
この点、本発明によれば、小さな電荷Qに対応する電圧VGが、信号増幅素子の電流増幅作用によって一定の電流値Idsとして読み取り可能に出力される。このため薄膜半導体装置によって構成された場合であっても十分に測定精度を上げることができるのである。
【0027】
なお、図1の構成において、信号増幅素子T1のゲート電極に静電容量CRを有する基準コンデンサを設けてもよい。この場合、電位VGは、対象物の表面形状(指紋)に応じて変化する静電容量CFを有する容量検出素子CDのコンデンサと、基準コンデンサの静電容量CR及び信号増幅素子T1のトランジスタ容量CTの合成容量CR+CTとの間に誘起される電圧となる。
【0028】
以下、実施形態1及び2は、基準コンデンサを設けずに、基準コンデンサを信号増幅素子のトランジスタ容量で兼用する場合の回路例、実施形態3及び4は、基準コンデンサを設けた例として説明する。
【0029】
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、本発明の行選択素子と出力線とを備える静電容量検出装置を、基準コンデンサを信号増幅素子のトランジスタ容量で兼用させて構成した場合の回路例である。
図2に、本実施形態1の回路図を示す。図2に示すように、当該静電容量検出装置は、M行N列に配置された静電容量検出素子ESCEij(1≦i≦M、1≦j≦N)と、いずれかの静電容量検出素子ESCEを選択するためのM本の行線RLiと、列毎に設けられ各列に配置された当該静電容量検出素子ESCEからの信号を出力するためのN本の出力線OLjとを備えている。図2では、このうち、行線RLi-1〜RLi+1、出力線OLj〜OLj+1に接続されている隣接する四つの静電容量検出素子ESCEij〜ESCE(i+1)(j+1)について例示したものである。以下、特に明示の無い場合には、行線RLiと出力線OLjとに接続されている静電容量検出素子ESCEijを代表して説明する。
【0030】
静電容量検出素子ESCEijは、静電容量に応じた電荷を蓄積する容量検出素子CD、容量検出素子CDが蓄積した電荷に対応した信号を増幅する信号増幅素子T1、行線RLiからの信号に基づいて静電容量検出素子ESCEijを選択状態とするための行選択素子T2を含む。容量検出素子CDは、容量検出電極ELを含む。信号増幅素子T1は、ソース電極Sとドレイン電極Dとゲート電極Gとを有する。行選択素子T2は、ソース電極Sとドレイン電極Dとゲート電極Gとを有する。信号増幅素子T1のゲート電極Gと容量検出電極ELとが接続されている。行選択素子T2のゲート電極Gが行線RLiに接続されている。信号増幅素子T1のソース電極S及びドレイン電極Dと、行選択素子T2のソース電極S及びドレイン電極Dとが、行線RLiと出力線OLjとの間に直列に接続されている。
【0031】
当該静電容量検出装置では、信号増幅素子T1と行選択素子T2を含む総てのトランジスタをN型トランジスタで構成しているので、選択状態とされた行iの行線RLiには、高電位Vddが印加され、選択状態とされていない他の行の行線RLには低電位Vssが印加されるようになっている。非選択状態の行線おける行選択素子T2は、オフ状態となるので、行線RLiと出力線OLjとの間には静電容量検出素子ESCEijを介する電流経路しか存在しなくなり、他の行線経由の電流が出力線OLjに流れ込むことが無く、検出精度を向上できる。
【0032】
図7に各行線に加えられる選択信号の波形を示す。図7に示すように、順次一つの行のみを選択状態とする選択信号を加えることで、行を順次選択していくことが可能となる。選択状態とする期間は、出力線OLに現れる電流が安定し読み取りが十分可能となるような期間に設定する。
【0033】
図2に示す回路では、信号増幅素子T1のソース電極Sが行線RLiに接続されているため、選択状態とされて信号が読み出される場合には信号増幅素子T1のソース電極Sに高電位Vddが印加される。この回路では基準コンデンサを含まないため、信号増幅素子T1のゲート容量CTからなるコンデンサと対象物との間に電圧を掛けて電位VGを誘起する必要があるからである。
【0034】
ここで図2に示すように、出力線OLの負荷容量を減らすために、行選択素子T2のドレイン電極Dが出力線OLに接続されていることが好ましい。非選択状態とされた行選択素子T2は総てオフ状態となるため、各出力線OLの静電容量検出素子ESCEに関する負荷容量は行選択素子T2のドレイン容量のみとなる。一方、信号増幅素子T1を出力線OLに接続した場合、信号増幅素子T1はスイッチング素子として機能するものではないため完全にオフ状態とはならず、信号増幅素子T1のゲート容量までもが出力線OLの負荷容量として加算される可能性があるからである。
【0035】
上記構成によれば、非選択状態の行線おける行選択素子T2は、オフ状態となるので、選択状態とされた行線RLiと出力線OLjとの間には静電容量検出素子ESCEijを介する電流経路しか存在しなくなり、他の行線経由の電流が出力線OLjに流れ込むことが無くなる。すなわち、選択された静電容量検出素子以外の行に接続された静電容量検出素子からの電流経路が遮断されるので、この隣接する静電容量検出素子からの信号電流が当該出力線OLに流れ込むことを抑制できる。
【0036】
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、上記実施形態1の静電容量検出装置にさらにリセット素子を加えた場合の回路例である。
図3に、本実施形態2の回路図を示す。図3に示すように、当該静電容量検出装置の静電容量検出素子ESCEは、実施形態1と同様の回路構成に、さらにリセット素子T3を含む。リセット素子T3は、ソース電極Sとドレイン電極Dとゲート電極Gとを備える。リセット素子T3のソース電極Sは行線RLiに接続されている。リセット素子T3のドレイン電極Dと信号増幅素子T1のゲート電極Gと容量検出電極ELとが接続されている。リセット素子T3のゲート電極Gが隣接行に配置された行線RLi-1に接続されている。
【0037】
このリセット素子T3による電荷の除去は、可能な限り静電容量測定の直前であることが好ましい。このため、リセット素子T3の制御端子であるゲート電極Gは直前に選択状態となる隣接行の行線に接続されるべきである。例えば、図7に示されるような選択信号が行線に加えられる場合には、i行に配置される静電容量検出素子ESCEijのリセット素子T3のゲート電極Gは、i−1行の行線RLi-1に接続される。リセット素子T3のソース電極Sがi行目の行線RLiに接続され、ドレイン電極Dが容量検出電極EL及び信号増幅素子T1のゲート電極Gに接続されることで、i−1行の選択期間(期間A)に当該静電容量検出素子ESCEijの容量検出素子CDの電荷がリセットされる。このため、測定直前に、電荷が蓄積されていた容量検出電極ELと低インピーダンス状態である行線RLiとが短絡状態とされ、容量検出素子CDや信号増幅素子T1のゲート電極Gに蓄積されていた電荷が除去される。次いで、i行の選択期間(期間B)に入ると行線RLiが選択状態となるため、リセット素子T3はオフ状態とされ、代わりに行選択素子T2がオン状態とされて信号が出力線OLjに出力される。
【0038】
以上、本実施形態2の構成によれば、リセット素子T3が行線RLと容量検出電極ELとを短絡可能に構成されているので、例えば測定直前に容量検出電極に蓄積された電荷を解放することができ、正確な静電容量検出が可能となっている。
【0039】
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、本発明の行選択素子と出力線とを備える静電容量検出装置を、基準コンデンサを利用して構成した場合の回路例である。
図4に、本実施形態3の回路図を示す。図4に示すように、当該静電容量検出装置は、M行N列に配置された静電容量検出素子ESCEij(1≦i≦M、1≦j≦N)、いずれかの静電容量検出素子ESCEを選択するためのM本の行線RLi、及び列毎に設けられ各列に配置された当該静電容量検出素子ESCEからの信号を出力するためのN本の出力線OLjを備えている。図4では、このうち、行線RLi-1〜RLi+1、出力線OLj〜OLj+1に接続されている隣接する四つの静電容量検出素子ESCEij〜ESCE(i+1)(j+1)について例示したものである。以下、特に明示の無い場合には、行線RLiと出力線OLjとに接続されている静電容量検出素子ESCEijを代表して説明する。
【0040】
静電容量検出素子ESCEijは、静電容量に応じた電荷を蓄積する容量検出素子CD、容量検出素子CDが蓄積した電荷に対応した信号を増幅する信号増幅素子T1、行線RLiからの信号に基づいて静電容量検出素子ESCEijを選択状態とするための行選択素子T2を含む。ここまでは、前記実施形態1の構成と同じである。
【0041】
容量検出素子CDは、容量検出電極ELと基準コンデンサRCとを含む。信号増幅素子T1は、ソース電極S、ドレイン電極、及びゲート電極Gを有する。行選択素子T2は、ソース電極S、ドレイン電極D、及びゲート電極Gを有する。信号増幅素子T1のゲート電極G、容量検出電極EL、及び基準コンデンサRCの一方の電極(第1電極)が接続されている。行選択素子T2のゲート電極Gが行線RLiに接続されている。基準コンデンサRCの他方の電極(第2電極)が行線RLiに接続されている。信号増幅素子T1のソース電極S及びドレイン電極D、行選択素子T2のソース電極S及びドレイン電極Dが、当該出力線OLjと隣接行に配置された行線RLi-1との間に直列に接続されている。
【0042】
本実施形態3では基準コンデンサRCが含まれている。基準コンデンサRCを含む場合、基準コンデンサRCの一方の電極(第1電極)と対象物(例えば指)との間に電圧が印加され、信号増幅素子T1のゲート電極Gに電位VGが誘起される。対象物の表面が接地電位(=低電位Vss)であるとする場合、電圧VGはVddからVssの間で変化する。信号増幅素子T1のトランジスタをN型とすると、信号増幅素子T1のソース−ゲート電圧が正の電位で変化することが好ましい。したがって信号増幅素子T1のソース電極Sを隣接行の行線RLi-1に接続し、測定期間、すなわち信号読み出し時には、低電位Vssが印加されるように構成されている。
【0043】
上記構成によれば、基準コンデンサRCが存在する。信号増幅素子T1の出力である信号電流Idsはゲート電圧VGに対応することから、基準コンデンサが存在しない場合には、このゲート電圧VGは信号増幅素子T1のトランジスタ容量(ゲート容量)と容量検出素子CDにおける容量とで分配される。しかし、通常、薄膜半導体装置では製造工程上のバラツキが存在するため、静電容量検出素子ESCE毎に検出されるべき電圧VGが大きく変動する可能性がある。つまり、基準コンデンサが存在しない場合、同一条件の対象物の静電容量を同時期に検出しても、静電容量検出素子ESCE毎のトランジスタ容量にバラツキがあるが故に、検出される電圧VGに素子毎の変動が生じる。その結果として正確に対象物の形状を測定できない可能性が生じる。
【0044】
この点、本実施形態のように基準コンデンサRCが信号増幅素子T1のゲート電極Gに接続されていれば、検出される電圧VGは、対象物の静電容量CFと信号増幅素子T1のトランジスタ容量及び基準コンデンサRCの静電容量CRの合成容量CG+CRと分配される。この基準コンデンサRCの静電容量CRをトランジスタ容量CGに比べ十分大きく取っておけば、実質的に薄膜半導体装置の製造上のバラツキによって生じるトランジスタ容量の変動の影響を小さくできる。従って、本実施形態3によれば、基準コンデンサRCを備えているが故に、薄膜半導体装置の製造上のバラツキを緩和して、検出精度を高めることができるのである。
【0045】
(実施形態4)
本発明の実施形態4は、上記実施形態4の静電容量検出装置にさらにリセット素子を加えた場合の回路例である。
図5に、本実施形態4の回路図を示す。図5に示すように、当該静電容量検出装置の静電容量検出素子ESCEは、実施形態1と同様の回路構成に、さらにリセット素子T3を含む。リセット素子T3は、ソース電極Sとドレイン電極Dとゲート電極Gとを備える。リセット素子T3のソース電極Sは行線RLiに接続されている。リセット素子T3のドレイン電極Dと信号増幅素子T1のゲート電極Gと容量検出電極ELとが接続されている。リセット素子T3のゲート電極Gが隣接行に配置された行線RLi-1に接続されている。
【0046】
このリセット素子T3による電荷の除去は、可能な限り静電容量測定の直前であることが好ましい。このため、リセット素子T3の制御端子であるゲート電極Gは直前に選択状態となる隣接行の行線に接続されるべきである。例えば、図7に示されるような選択信号が行線に加えられる場合には、i行に配置される静電容量検出素子ESCEijのリセット素子T3のゲート電極Gは、i−1行の行線RLi-1に接続される。リセット素子T3のソース電極Sがi行目の行線RLiに接続され、ドレイン電極Dが容量検出電極EL及び信号増幅素子T1のゲート電極Gに接続されることで、i−1行の選択期間(期間A)に当該静電容量検出素子ESCEijの容量検出素子CDの電荷がリセットされる。このため、測定直前に、電荷が蓄積されていた容量検出電極ELと低インピーダンス状態である行線RLiとが短絡状態とされ、容量検出素子CDや信号増幅素子T1のゲート電極Gに蓄積されていた電荷が除去される。次いで、i行の選択期間(期間B)になると、行線RLiが選択状態となるため、リセット素子T3はオフ状態とされ、代わりに行選択素子T2がオン状態とされて信号が出力線OLjに出力される。
【0047】
以上、本実施形態4の構成によれば、リセット素子T3が行線RLと容量検出電極ELとを短絡可能に構成されているので、例えば測定直前に容量検出電極に蓄積された電荷を解放することができ、正確な静電容量検出が可能となっている。
【0048】
(実施形態5)
本発明の実施形態5は、上記実施形態1の静電容量検出装置において出力線に共通出力線を備えた回路例である。
図6に、本実施形態5の回路図を示す。図6に示すように、当該静電容量検出装置の静電容量検出素子ESCEについては実施形態1と同様の回路を備えているが、本実施形態では、各出力線OLの末端にパスゲート素子T4を備える。このパスゲート素子T4は、例えば薄膜半導体装置で構成され、ソース電極S、ドレイン電極D、及びゲート電極Gを備える。パスゲート素子T4のソース電極S及びドレイン電極Dは、計測器2と出力線OLとの間に介挿されており、ゲート電極Gは、列線CLj(1≦j≦N)に各々接続されている。各パスゲート素子T4からの信号は共通のラインに接続され、計測器2に接続されている。計測器2は、電流計または電圧計である。
【0049】
上記構成において、列線CLjが選択状態となると、その列線CLjに対応する出力線OLjの信号電流がパスゲート素子T4を介して計測器2に流れるようになっている。本発明では、出力線OLには信号電流が列毎に流れることになるため、いずれかの行線RLを選択状態とすることで、対応する静電容量検出素子ESCEから出力された信号が、それぞれの出力線OLに出力される。そのため、出力線OL毎に電流または電圧の計測器を設ける必要がある。しかしながら、万一これら複数の計測器の間に測定性能のバラツキがあると、測定される値自体に変動を生じる。そのため計測器はなるべく共通して同じものを使用した方が好ましい。また、計測器の数が少ないほど、コストダウンにもなる。
【0050】
この点、本実施形態5によれば、列線CLに印加する選択信号を、例えば行線RLにおける選択信号(図7参照)のように順次選択状態となるような波形にすることで、一つの列線CLが選択状態となっている場合に計測器2に入力される信号電流は一つの出力線OLからのもののみとすることができ、一つの計測器2で総ての出力線OLからの信号電流を測定することが可能となる。従って本実施形態5の構成によれば、一つの計測器で総ての出力線OLからの信号電流を測定できるので、測定器において生じるバラツキの影響を些少にすることができ、かつ、測定器の数を一個のみとしてコストダウンが図れる。
【0051】
(実施形態6)
本発明の実施形態6は、本発明の静電容量検出装置を備えた電子機器の例示である。
図8に、本発明の静電容量検出装置を備える電子機器の例として、携帯電話の概略図を示す。図8に示す携帯電話10は、アンテナ11、スピーカ12、ディスプレイ13、操作ボタン14、マイク15、及び本発明の静電容量検出装置16を備えている。
【0052】
当該携帯電話10は、静電容量検出装置16が利用者の指紋センサとして機能するように構成されている。携帯電話10の初期状態において、携帯電話10は、当該携帯電話10の所有者の指紋を静電容量検出装置16に検出させ、内部のメモリに画素のオンオフ情報としてユーザ登録する。その後の利用において、特定のセキュリティを要する操作がされた場合に、当該携帯電話10は、まずディスプレイ13に指紋照合が必要な旨を表示し、利用者に指紋照合を促す。静電容量検出装置16が利用者の指紋を読み取ると、携帯電話10は初期に登録された所有者の指紋と所定の照合方法によって指紋照合する。その結果、新たに検出された指紋が所有者の指紋と一致したと判断した場合には、指定された所定のセキュリティを要する操作を許可状態とする。このようなセキュリティを要する操作内容としては、例えば有料サイトにアクセスしたり、データを消去したり、プライバシーの高い情報を表示させたりするような場合である。本実施形態の静電容量検出装置は、薄膜半導体装置を用い、極めて薄く、かつ耐久性が高く、さらに検出精度も高いので、携帯電話のようなコンパクトな電子機器に適する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本実施形態の静電容量検出装置は、人体等の対象物形状を判定することを要する装置、例えば、個人認証機能を備えたスマートカード、携帯電話、セキュリティーゾーン入口に設置する指紋等人体の一部形状に基づいて認証する認証装置等にも利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の原理説明のための等価回路図
【図2】本発明の実施形態1における静電容量検出装置の回路図
【図3】本発明の実施形態2における静電容量検出装置の回路図
【図4】本発明の実施形態3における静電容量検出装置の回路図
【図5】本発明の実施形態4における静電容量検出装置の回路図
【図6】本発明の実施形態5における静電容量検出装置の回路図
【図7】実施形態における行線に印加される選択信号の波形例
【図8】本発明の静電容量検出装置を利用した電子機器の実施例(携帯電話)
【図9】従来の静電容量検出装置における問題点説明図
【符号の説明】
【0055】
2…計測器、10…携帯電話、11…アンテナ、12…スピーカ、13…ディスプレイ、14…操作ボタン、15…マイク、16…静電容量検出装置、CD…容量検出素子、CF…静電容量、CG…トランジスタ容量、CL、CLj…列線、、CR…基準コンデンサの静電容量、CT…ゲート(トランジスタ)容量、D…ドレイン電極、ECSEij…静電容量検出素子、EL…容量検出電極、G…ゲート電極、Ids…信号電流、OL、OLj…出力線
OLj-OLj…出力線、OSij…信号、PLi…電源線、Q…電荷、RC…基準コンデンサ、RL、RLi…行線、S…ソース電極、T1…信号増幅素子、T2…行選択素子、T3…リセット素子、T4…パスゲート素子、VG…ゲート(検出)電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置された静電容量検出素子と、
各行に配置され、当該行に配置された当該静電容量検出素子を選択するための行線と、
各列に配置され、当該列に配置された当該静電容量検出素子からの信号を出力するための出力線と、を備え、
前記各静電容量検出素子は、
当該行線からの信号に基づいて当該静電容量検出素子の信号の当該出力線への出力を制御する行選択素子を備えており、
当該行線からの信号に基づいて選択状態とされた当該静電容量検出素子からの信号が当該静電容量検出素子に配置されている前記出力線に出力されるように構成されていることを特徴とする静電容量検出装置。
【請求項2】
対象物との距離に応じて変化する静電容量を検出することにより、当該対象物の表面形状を読み取る静電容量検出装置において、
M行N列に配置された静電容量検出素子と、いずれかの当該静電容量検出素子を選択するためのM本の行線と、列毎に設けられ各列に配置された当該静電容量検出素子からの信号を出力するためのN本の出力線とを備え、
当該静電容量検出素子は、
a)当該静電容量に応じた電荷を蓄積する信号検出素子と、
b)当該信号検出素子が蓄積した電荷に対応した信号を増幅する信号増幅素子と、
c)当該行線からの信号に基づいて当該静電容量検出素子を選択状態とするための行選択素子とを含み、
当該信号検出素子は、容量検出電極を含み、
当該信号増幅素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有し、
当該行選択素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有し、
当該信号増幅素子のゲート電極と当該容量検出電極とが接続され、
当該行選択素子のゲート電極が当該行線に接続され、
当該信号増幅素子のソース電極及びドレイン電極と、当該行選択素子のソース電極及びドレイン電極とが、当該出力線と当該行線との間に直列に接続されていることを特徴とする静電容量検出装置。
【請求項3】
前記信号増幅素子のソース電極と前記行線とが接続され、
前記信号増幅素子のドレイン電極と前記行選択素子のソース電極とが接続され、
前記行選択素子のドレイン電極と前記出力線とが接続されている、請求項2に記載の静電容量検出装置。
【請求項4】
前記静電容量検出素子は、リセット素子を含み、
前記リセット素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを備え、
前記リセット素子のソース電極は前記行線に接続され、
前記リセット素子のドレイン電極と前記信号増幅素子のゲート電極と前記容量検出電極とが接続され、
前記リセット素子のゲート電極が隣接行に配置された行線に接続されている、請求項2または3に記載の静電容量検出装置。
【請求項5】
対象物との距離に応じて変化する静電容量を検出することにより、当該対象物の表面形状を読み取る静電容量検出装置において、
M行N列に配置された静電容量検出素子と、いずれかの当該静電容量検出素子を選択するためのM本の行線と、列毎に設けられ各列に配置された当該静電容量検出素子からの信号を出力するためのN本の出力線とを備え、
当該静電容量検出素子は、
a)当該静電容量に応じた電荷を蓄積する信号検出素子と、
b)当該信号検出素子が蓄積した電荷に対応した信号を増幅する信号増幅素子と、
c)当該行線からの信号に基づいて当該静電容量検出素子を選択状態とするための行選択素子とを含み、
当該信号検出素子は、容量検出電極と基準コンデンサとを含み、
当該信号増幅素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有し、
当該行選択素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを有し、
当該信号増幅素子のゲート電極と当該容量検出電極と当該基準コンデンサの一方の電極とが接続され、
当該行選択素子のゲート電極が当該行線に接続され、
当該基準コンデンサの他方の電極が当該行線に接続され、
当該信号増幅素子のソース電極及びドレイン電極と、当該行選択素子のソース電極及びドレイン電極とが、当該出力線と隣接行に配置された行線との間に直列に接続されていることを特徴とする静電容量検出装置。
【請求項6】
前記信号増幅素子のソース電極と前記隣接行に配置された行線とが接続され、
前記信号増幅素子のドレイン電極と前記行選択素子のソース電極とが接続され、
前記行選択素子のドレイン電極と前記出力線とが接続されている、請求項5に記載の静電容量検出装置。
【請求項7】
前記静電容量検出素子は、リセット素子を含み、
前記リセット素子は、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とを備え、
前記リセット素子のソース電極は前記行線に接続され、
前記リセット素子のドレイン電極と前記信号増幅素子のゲート電極と前記容量検出電極と前記基準コンデンサの一方の電極とが接続され、
前記リセット素子のゲート電極が隣接行に配置された行線に接続されている、請求項5または6に記載の静電容量検出装置。
【請求項8】
前記行選択素子は前記出力線側に接続され、前記信号増幅素子は前記行線側に接続されている、請求項2乃至7のいずれかに記載の静電容量検出装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の静電容量検出装置を備えたことを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−138675(P2006−138675A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326767(P2004−326767)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】