説明

静電容量検出装置

【課題】 静電容量検出装置において、起動初期時においても物体の近接を検出できるように、起動時における応答性を向上させること。
【解決手段】 静電容量検出装置100に初期参照値決定回路16を持たせ、所定時間経過以前に検出されたカウント値C対する初期参照値Cを設定するようにした。したがって、所定時間以前に演算されたカウント値Cであっても、上記初期値Cとの差分量ΔCが演算でき、この差分量ΔCとそれに対応する閾値Cthとの比較結果から物体の近接を判断することができるようになった。よって、所定時間経過前でも物体検出が可能になり、静電容量検出装置の起動初期時における応答性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量の変化から人体等の物体の近接を検知する静電容量検出装置に係り、特に、この種の静電容量検出装置において、起動してからの応答性を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
静電容量の変化に基づいて物体の近接等を検知する静電容量検出装置は従来から知られており、近年では、自動車等の乗車用ドアの開閉を制御するシステムにおける開錠(アンロック)操作のトリガ検出用にも静電容量検出装置が用いられる。具体的には、ユーザが車両に近づき、車両側とユーザの携帯機との間でIDコード照合が行われて車両側がアンロック許可モードに遷移したとき、ユーザが車両用ドアのアウトサイドハンドル内に設置されたアンロックセンサ(電極)に触れると、車両側はアンロックセンサ電極の静電容量の変化を検出してアンロック動作を実現する。すなわち、上記静電容量検出装置は、ユーザからのアンロックの意思をアンロックセンンサの出力(静電容量の変化)として検出する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
静電容量検出装置において、検出した静電容量の変化量から実際に目的とする物体の近接があったものかどうかを判断する場合には、現在取得した静電容量の変化に関連する数量と、過去に取得した静電容量の変化に関連する数量との差分量が閾値以上であるか以下であるかに基づいて行う必要がある。つまり、物体が近接する際には静電容量の変化履歴に特徴的なプロフィールが存在するため、その特徴的なプロフィールを正確に察知して近接判断を行わないと、誤作動を引き起こす原因ともなってしまう。よって、現在取得した静電容量の変化に関連する数量の変化が目的とする物体が近接していることに起因しているのかを確実に判断するため、過去の静電容量の変化に関連する数量を参照して判断する必要があるということである。
【0004】
一般的に、人体が近接する場合には、その静電容量の変化履歴を示すプロフィールから、約250ミリ秒前の静電容量の変化量に関連する数量を参照しないと人体の近接を判断できないといわれる。従って、静電容量検出装置が起動してから250ミリ秒の間は、その静電容量検出装置で人体の検出はできないことになる。
【0005】
ところが、上記従来技術で説明した車両の開錠に静電容量検出装置が使用される場合には、静電容量検出装置が常に起動しているわけではなく、車両とユーザとの間でのIDコードの照合によりユーザと認識された後に静電容量検出装置が起動するものであるから、ユーザと認識されてから250ミリ秒の間は人体検知をできないことになる。このため、ユーザが早めに車両の開錠をしたいと思っていても、いまだ静電容量検出装置の起動から250ミリ秒が経過していない場合には開錠ができない。よって、この種の静電容量検出装置を車両の開錠に適用する際の応答性の向上が要求されてきた。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、静電容量検出装置において、起動初期時においても物体の近接を検出できるように、起動時における応答性を向上させることを、その技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために講じた請求項1の発明は、
静電容量の変化に基づいて物体の近接を検知する静電容量検出装置において、
静電容量の変化量を検出する検出電極と、
該検出電極で検出された静電容量の変化量に関連する数量を演算する演算回路と、
前記演算回路で演算された数量が、前記静電容量検出装置が起動してから所定時間経過した後に演算された通常値であるか、前記静電容量検出装置が起動してから所定時間経過する前に演算された初期値であるかを判断する判断回路と、
該判断回路で初期値であると判断された数量に対する初期参照数量を決定する初期参照数量決定回路と、
該判断回路で通常値と判断された数量と該数量が演算されるよりも前記所定時間以上前に演算された数量との差分量を演算し、又は、前記判断回路で初期値と判断された数量と前記初期数量との差分量を演算する差分量演算回路と、
前記差分量演算回路で演算された差分量とその差分量に対応する閾値との大きさを比較し、比較の結果から物体の近接を判定する判定回路と
を具備することを特徴とする、静電容量検出装置とすることである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、検出電極によって静電容量の変化を検出するとともに、検出された静電容量の変化量から、その変化量に関連する数量が演算される(演算回路)。また、判断回路では、演算回路で演算された数量が、静電容量検出装置の起動から所定時間(例えば250ミリ秒)経過した後に演算されたもの(通常値)であるか、所定時間経過前に演算されたもの(初期値)であるかを判断する。初期参照数量決定回路では、上記判断回路で初期値と判断された数量に対する初期参照数量を決定する。そして、差分量演算回路で、演算された数量と所定の参照数量との差分量が求められる。本発明において、この参照数量は、演算された数量が判断回路で通常値と判断されるか初期値と判断されるかに応じ、それぞれ別の方法により導かれる。演算された数量が判断回路で通常値と判断された場合(静電容量検出装置の起動から所定時間経過した後に演算した数量である場合)については、その数量が演算された時点よりも上記所定時間以上前に演算された数量を参照数量とする。これに対し、演算された数量が判断回路で初期値と判断された場合(静電容量検出装置の起動から所定時間経過していないときに演算された数量である場合)については、初期数量決定回路で決定した数量(初期参照数量)を参照数量とする。本発明はこのようにして、判断回路で初期値と判断された場合においても参照数量との差分が演算できるように、初期参照数量を参照数量として設定しておく。さらに、差分量演算回路で演算された差分量は、判定回路にて、その差分量に対応する閾値と比較され、比較の結果から物体の近接を判定する。
【0009】
本発明で特徴的な部分は、静電容量検出装置に初期参照数量決定回路を設け、この初期参照数量決定回路で決定された初期参照数量を、所定時間経過以前に検出された静電容量の変化量に関連する数量に対する参照数量として、両者の差分量を演算できるようにしていることである。これにより、所定時間以前における静電容量の変化量に対応する上記差分量がそれに対応する閾値と比較され、物体の近接を判断することができるようになったため、所定時間以前での物体の近接も判断でき、静電容量検出装置の起動初期時における応答性を高めることができる。
【0010】
尚、上記において、「静電容量の変化に関連する数量」とは、静電容量の変化量を示す数量であれば、どのようなものでも良い。この場合において、検出装置の小型化の面から、上記数量はデジタル処理が可能な数量であるのが好ましい。
【0011】
また、判断回路にて判断の基準とする「所定時間」は、検出する物体によっても異なるため一概に特定の時間を示すことができない。ただし、検出する物体によってはその静電容量の変化の履歴などから固有の判断時間を特定することができる場合があるため、検出する物体が定まれば、所定時間もある程度定まる。尚、上述したように、人体を検出しようとするのであれば、上記所定時間は、おおよそ250ミリ秒である。
【0012】
また、初期参照数量決定回路において決定する初期参照数量は、予め決定された数量としても良いが、差分の対象となる数量(実数量)が演算されるよりも前に演算された数量に基づいて定めるのが、誤検出の可能性を低くする面から好ましい。特に、静電容量検出装置が起動してから2回目に演算された数量や、3回目に演算された数量の平均値をとったものを初期参照数量とすると、実数量との時間間隔が大きく採れるため、より誤検出の可能性を低くできるため、好ましい。尚、この場合において、所定時間以内、又は、初期参照数量を決定するための時間内における演算間隔(演算頻度)を、それ以降における演算間隔よりも短く(即ち演算頻度を多く)することで、初期参照数量の精度をさらに良好にすることができる。例えば、所定時間以内(例えば250ミリ秒以内)、又は、初期参照数量を決定する演算を行う時間以内における、演算の時間間隔(スキャン間隔)を2ミリ秒とし、それ以降における演算の時間間隔を4ミリ秒として、初期参照数量の精度を高めることができる。また、静電容量検出装置が起動してから1回目に演算された数量は、検出電極がまだ不安定であることに起因して異常値を示す場合が多いから、これを初期参照数量の決定に使用するのは好ましくない。
【0013】
また、判定回路において判定の基準となる閾値は、固定的な値であっても良いし、可変値であっても良い。可変値とする際には、演算された数量の絶対値に比例するように可変させることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本例における静電容量検出装置の回路構成図である。この静電容量検出装置は、車両等に取り付けられて、人体の近接を検知するセンサとして用いられるものである。
【0016】
図に示すように、本例の静電容量検出装置100は、検出部1と、制御回路10とを有する。検出部1は、一方端が電位源V1に接続された基準容量Csの両端T1,T2間に配置した第1開閉スイッチS1、一方端が第2の電位源V2もしくは自由空間に接続された被測定容量(検出電極)Cx1の他方端T3と前記基準容量Csの他方端T2の間に配置した第2開閉スイッチS2、及び、被測定容量Cx1の他方端T3と電位源V2間に配置した第3開閉スイッチS3を備える。また、基準容量Csの他方端T2には、該他方端T2の電位を測定する電位測定手段としてのコンパレータCOMPが設けられている。ここで、第1の電位源V1は定電圧回路の出力であり、第2の電位源V2は、接地部位(グランド)であり、自由空間はグランドと等価な低インピーダンスの電位である。また、コンパレータCOMPの+端子に参照電圧Vrefが接続され、コンパレータCOMPの−端子に基準容量Csの他方端T2が接続されている。
【0017】
制御回路10は、ハードロジック回路又はマイコン等を利用して構成される。この制御回路10には、前記各開閉スイッチS1,S2,S3に対する駆動信号が出力されるとともに、コンパレータCOMPの出力信号Voutが入力される。
【0018】
上記制御回路10内には、図2に示す波形のように、第1開閉スイッチS1を閉状態(図ではハイレベルで表す)にしてから開状態(図ではローレベルで表す)に戻す第1スイッチ操作を行った後、第2開閉スイッチS2を閉状態にしてから開状態に戻す第2スイッチ操作と第3開閉スイッチS3を閉状態にしてから開状態に戻す第3スイッチ操作を交互に繰り返すスイッチ制御を実行するスイッチ制御手段11が設けられている。さらに、制御回路10内には、第2スイッチ操作の繰り返し回数をカウントするカウンター12(演算回路)、静電容量検出装置100が起動してから250ミリ秒経過を計測するタイマ13、カウンター12でカウントされ保持されたカウント値が初期カウント値であるか通常カウント値であるかをの判断する判断回路14の他、安定化検出回路15、初期参照値決定回路16、差分量演算回路17、判定回路18が設けられている。
【0019】
検出電極1において、基準容量Csの他方端T2の初期電位は第1の電位源V1の電位であり、参照電圧Vrefはこの初期電位V1よりも設定電位だけ小さい値に設定されている(設定電位=V1−Vref)ので、コンパレータCOMPの出力信号Voutは、第1スイッチ操作後、ローレベルとなる。その後、第2スイッチ操作が行われると、基準容量Csから被測定容量Cx1に電流が流れて被測定容量Cx1が充電され、その分だけ基準容量Csの他方端T2の電位が低下する。その後、第3スイッチ操作が行われると、被測定容量Cx1が放電される。このような第2スイッチ操作と第3スイッチ操作の繰り返しによって、基準容量Csの他方端T2の電位が低下していき、初期電位V1から設定電位(V1−Vref)分以上の電位の低下によりT2での電位が参照電圧Vrefを下回った時点で、コンパレータCOMPの出力信号Voutがローレベルからハイレベルに変化する。一方、カウンター12では、コンパレータCOMPの出力信号Voutがローレベルになった時点からハイレベルへ変化する時点までのカウント値(第2スイッチ操作と第3スイッチ操作の繰り返し回数)を保持する。その後、カウント値をリセットし、所定時間間隔(例えば4ミリ秒間隔)で上記図2に示す処理を実行し、各処理毎にコンパレータCOMPの出力信号Voutがローレベルになった時点からハイレベルに変化した時点までのカウント値を保持する。尚、上記図2に示す処理中に人体の近接などがあると、被測定容量Cx1の容量変化が起こり、近接がないときと比べて1回の第2スイッチ操作で余分に基準容量Csから電荷を奪う。このため、人体の近接があった場合には、Voutがハイレベルに変化するまでに行われる第2スイッチ操作回数(カウント値)が減少する傾向にある。このように、上記カウント値は、人体の近接に伴う静電容量の変化に関連する数量であり、しかも、デジタル処理が可能な数量である。
【0020】
図3は、制御回路10において、人体の近接の検知を判断するまでのアルゴリズムである。上述したように、まず制御回路10内にはカウンター12が設けられており、このカウンター12でカウント値Cをカウント(演算)し、保持する。尚、例えば上記のように4ミリ秒間隔でカウント値Cを保持しようとすると、それを格納すべきレジスタの容量を大きくしなければならず、不経済であるとともに、省スペース化の面からも不利である。そこで、本例では、32ミリ秒の間にカウントされたカウント値の平均を演算し、この平均値をレジスタに格納している。例えば、静電容量検出装置が起動してから、4、8、12、16、20、24、28、32ミリ秒後にそれぞれカウントしたカウント値Cの平均値Cavを採って、この平均値をレジスタに格納している。こうすることにより、格納領域を減少することができ、コスト的、スペース的に有利となる。
【0021】
カウンター12でカウント(演算)されたカウント値Cは、判断回路14で初期カウント値(初期値)か通常カウント値(通常値)かに分けられる。この判断回路14における振り分け判断は、タイマ13における計測時間を参照して判断される。すなわち、タイマ13が250ミリ秒を計測している間、即ち、静電容量検出装置100が起動してから250ミリ秒が経過する前にカウンター12で保持されたカウント値Cは、初期カウント値と判断される。一方、タイマ13が250ミリ秒を計測した後、即ち、静電容量検出装置100が起動してから250ミリ秒が経過した後にカウンター12で保持されたカウント値Cは、通常カウント値と判断される。なお、車両に取り付けられて人体の近接を検知する静電容量検出装置においては、該検出装置が常に起動しているわけではなく、ユーザが車両から離れている間は起動しておらず、ユーザと車両との間でIDコードの照合が行われてユーザと判断された後に起動する。したがって、ユーザと車両との間でのID照合によりユーザが認識される度に静電容量検出装置が起動し、そのたびにタイマ13が250ミリ秒を計測する。
【0022】
また、判断回路14で初期カウント値と判断されたカウント値Cは、安定化回路15で安定値であるか判断される。安定化回路15における安定化判断は、タイマ13からの経過時間情報及びカウンター14でカウントされたカウント値Cから、取得したカウント値が安定値であるかを判断するものである。一般的に、静電容量検出装置が起動してから最初のカウント値は、検出電極1が不安定であるために異常値を示すことが多いため、最初のカウント値は異常値とすることが多い。また、最初のカウント値でなくても、一般的なカウント値とはかけ離れた値を示すものであれば、未だ不安定なものとみなし、異常値とすることが多い。
【0023】
安定化回路15で安定値と判断された場合には、初期参照値決定回路16で初期参照値Cが決定される。この初期参照値Cは、演算されたカウント値Cが判断回路で初期カウント値と判断された場合にそのカウント値に対して差分を求めるための参照値Crefであり、本例においては、静電容量検出装置100が起動してから2〜n回目に演算された数量の平均値を初期値としている。
【0024】
差分量演算回路17では、演算されたカウント値Cと参照値Crefとの差分を計算する。この場合において、判断回路14で通常カウント値に振り分けられたカウント値Cに対する参照値Crefとしては、そのカウント値Cがカウントされるよりも250ミリ秒以上前に取得した過去のカウント値を参照値とする。本例においては、上述のように連続する8回のカウント値の平均値をカウント値Cavとしてレジスタに格納しているため、参照値Crefも連続する8回のカウント値の平均値となる。例えば、演算されたカウント値が、静電容量検出装置100の起動後260〜292ミリ秒の間にカウントされたカウント値の平均値Cav260−292である場合、それに対する参照値Crefは、静電容量検出装置100の起動後8〜40ミリ秒の間にカウントされたカウント値の平均値Cav8−40となる。また、演算されたカウント値が、静電容量検出装置100の起動後296〜328ミリ秒の間にカウントされたカウント値の平均値Cav296−328である場合には、それに対する参照値Crefは、静電容量検出装置100の起動後44〜76ミリ秒の間にカウントされたカウント値Cav44−76となる。そして、カウント値Cと参照値Crefとの差分ΔCを求める
一方、判断回路14で初期カウント値に振り分けられたカウント値Cは、そのカウント値Cがカウントされるよりも250ミリ秒以上前にカウントされたカウント値が存在しないため、上記とは別の手法により参照値を決定する必要がある。この場合において、本例では、初期参照値決定回路16で決定された初期参照値Cを、初期カウント値に振り分けられたカウント値に対する参照値Crefとする。そして、カウント値Cと参照値Crefとの差分ΔCを求める。
【0025】
次いで、判定回路18で、カウント値Cと参照値Crefとの差分量ΔCと、それに対応する閾値ΔCthとが比較比較されて、比較結果に基づき人体の近接が判定される。一般的に人体が近接すると、カウント値が減少するので、差分量ΔCは大きくなる。したがって、差分量ΔCが閾値ΔCthよりも小さければ人体が近接していないと判断され、逆に大きければ人体が近接していると判断される。例えば、ΔC=30であり、ΔCth=40である場合は人体が近接していないと判断され、ΔC=50であり、ΔCth=40である場合は人体が近接していると判断される。
【0026】
このように、本例においては、静電容量検出装置100に初期値決定回路16を持たせ、これにより所定時間(本例では250ミリ秒)経過以前に演算されたカウント値Cに対しても、差分ΔCに対する参照値Crefを初期値Cとして設定することができる。したがって、初期カウント値Cと参照値Cref(=C)との差分ΔCをそれに対応する閾値ΔCthと比較でき、物体の近接を判断することができる。ゆえに、静電容量検出装置の起動初期時における応答性を高めることができる。
【0027】
(実施例)
図4は、本発明の静電容量検出装置を適用した車両の開錠システムのブロック図である。このシステムによれば、電波によるワイヤレス通信によりキーを照合してユーザの認識を行い、照合後、ユーザが車両のドアハンドルに触れたことを検出した後、ドアロックが解除されるものである。このシステムにおいて本発明を適用すれば、車両を開錠する際の応答性が極めて良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態における、静電容量検出装置の回路構成図である。
【図2】図1における回路構成図の動作波形図である。
【図3】本発明の実施形態における、制御回路で人体の近接の検知を判断するまでのアルゴリズムである。
【図4】本発明に斯かる静電容量検出装置を車両の開錠システムに適用した場合のブロック図である。
【符号の説明】
【0029】
1:検出部、 10:制御回路、 12:カウンター(演算回路)、 13:タイマ、 14:判断回路、 15:安定化検出回路、 16:初期参照値決定回路、 17:差分量演算回路、 18:判定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量の変化に基づいて物体の近接を検知する静電容量検出装置において、
静電容量の変化量を検出する検出電極と、
該検出電極で検出された静電容量の変化量に関連する数量を演算する演算回路と、
前記演算回路で演算された数量が、前記静電容量検出装置が起動してから所定時間経過した後に演算された通常値であるか、前記静電容量検出装置が起動してから所定時間経過する前に演算された初期値であるかを判断する判断回路と、
該判断回路で初期値であると判断された数量に対する初期参照数量を決定する初期参照数量決定回路と、
該判断回路で通常値と判断された数量と該数量が演算されるよりも前記所定時間以上前に演算された数量との差分量を演算し、又は、前記判断回路で初期値と判断された数量と前記初期参照数量との差分量を演算する差分量演算回路と、
前記差分量演算回路で演算された差分量とその差分量に対応する閾値との大きさを比較し、比較の結果から物体の近接を判定する判定回路と
を具備することを特徴とする、静電容量検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−207269(P2006−207269A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−21342(P2005−21342)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】