静電記録装置
【課題】多様な記録媒体で印刷領域全域で欠陥の無い高画質の転写が、記録媒体の幅や厚み、環境の影響なく安定して行える長寿命で安価な静電記録装置を提供する。
【解決手段】転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、記録媒体が搬送ガイド下流側でかつ転写手段上流側でトナー像担持体と接触している領域で、記録媒体のトナー像担持体と接触する面とは反対の面に、記録媒体と非接触でトナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けた。
【解決手段】転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、記録媒体が搬送ガイド下流側でかつ転写手段上流側でトナー像担持体と接触している領域で、記録媒体のトナー像担持体と接触する面とは反対の面に、記録媒体と非接触でトナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙を用いる電子写真方式のプリンタ、複写機等の静電記録装置に係り、特に表面を帯電させたローラを記録媒体に当接することで像担持体からトナー像を記録媒体へ転写させる転写装置における画質向上に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた連続紙プリンタは、記録媒体ジャムなどの障害が少なく1000mm/sを超える高速で印刷を行えることから、ダイレクトメールや請求書、マニュアル、書物等の多用途の印刷に使用されるようになってきた。使用される用途の拡大に伴い、粗面紙など表面凹凸の大きい記録媒体が用いられる機会が増加しているが、このような記録媒体を用いた場合、感光体や中間転写媒体などのトナー像担持体から記録媒体へトナー像を転写する際、密着性が悪いため画像欠陥が生じやすいという問題がある。
【0003】
また、連続紙プリンタで両面印刷を行う場合、2台のプリンタを並べ1台目で印刷を行った後の記録媒体を反転させて2台目の装置で裏面を印刷するタンデム方式が一般に用いられているが、この場合、表面凹凸の少ない記録媒体においても、1台目の定着で記録媒体が収縮して凹凸が生じるため、2台目の転写の際に画像欠陥が生じやすい。
【0004】
記録媒体とトナー像担持体との密着性を確保できる転写方式としては、ローラやベルトなどの転写機構部材で記録媒体をトナー像担持体に押圧しながら静電気力でトナー像を記録媒体へ転写するローラ転写、ベルト転写方式が一般的に知られている。静電気力を生じさせる手段としては、転写機構部材に電圧あるいは電流を直接印加する方式(芯金印加方式)と、転写機構部材表面の誘電体層を帯電させる方式(外部帯電方式)が知られている。(特開昭51−151544号公報、特開昭49−18335号公報など)
芯金印加方式は、印刷速度が中低速のカット紙プリンタで一般的に用いられている方式であるが、弾性ローラやベルトなどの転写機構部材を介して記録媒体裏面に必要な電圧を印加したり、電流の供給を行う必要があるため、弾性ローラやベルトの抵抗値範囲が限定されるため、環境や経時での抵抗値の変化で転写効率や画質欠陥などの性能変動が大きく、且つ、その範囲が比較的低抵抗になるため、記録媒体の有無によって転写媒体を流れる電流値が大きく変化し、記録媒体の幅によって転写媒体に印加する電圧あるいは電流値を調整する必要がある。また、転写媒体の抵抗範囲が限定されるため用いる材料にも制限があり、長期にわたり性能を維持することが難しい。
【0005】
一方、転写機構部材の弾性層上に誘電体層を設け、この誘電体層表面にコロナ帯電器あるいはローラ帯電器などを用いて電荷を供給して所定の帯電を行う外部帯電方式では、感光体幅が500mmを超え、使用する記録媒体によっては記録媒体外の領域が非常に広くなる連続紙プリンタにおいても、芯金印加方式のように記録媒体外の領域で大量の電流が流れ記録媒体に必要な電界が形成できなくなるという問題が無く、表面の誘電体層にPFAなど耐久性に優れた材料を用いることが可能なため、耐久性の面からも有利である。
【0006】
しかし、外部帯電方式では帯電器により転写機構部材表面の誘電体層を帯電し、誘電体層に蓄積した電荷を転写機構部材の回転によって記録媒体との接触部(転写ニップ部)に搬送し、転写ニップ部で記録媒体に供給することで転写を行う方式であり、帯電器から転写機構部材の誘電体層に供給された電荷の一部しか転写ニップ部で記録媒体に移動しないため、誘電体層に供給する電荷量が多くなり、誘電体層の誘電率や膜厚設定によっては、誘電体層の帯電電位が心金印加方式に比べ高くなる場合がある。
【0007】
外部帯電方式によらず、転写機構部材の電位が高いと、記録媒体がトナー担持体と接触する領域である転写ニップ部(以下、転写ニップ部と呼ぶ)の前後の、記録媒体とトナー像担持体との空隙で放電を起こしたり、空隙のある状態でトナー像担持体上のトナーが記録媒体に移動してしまったりして、転写後の画質が劣化するという問題は従来から知られている。
【0008】
例えば特許文献3では、感光体ドラムに対して転写ベルトを介して補助転写ローラと主転写ローラとを配設し、補助転写ローラに高電界を発生させないための低い電圧を印加しつつ、主転写ローラに十分な転写を実現するための高転写電圧を印加する方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献4では、ニップ前後の記録媒体とトナー像担持体との間に空隙がある位置に記録媒体に接触させた電圧印加部材を設け、対向転写位置から離れるに従って前記環状部材の表面電位との差が漸次減少する分布を有するような構成が開示されている。
【0010】
また、特許文献5では、記録媒体の性質に応じて、トナーの電荷量を調整する電荷量調整手段と、前記電荷量調整手段によって調整されたトナーの電荷量に応じて、記録媒体のトナー転写面に、記録媒体とトナー担持体との間に空隙がある状態で、電荷を付与する電荷付与手段と、電荷付与手段により付与する被転写材の表面の電荷量を制御する制御手段とを備えた方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭51−151544号公報
【特許文献2】特開昭49−18335号公報
【特許文献3】特開2004−246323号公報
【特許文献4】特開2007−3880号公報
【特許文献5】特開2008−107692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
連帳紙プリンタの場合、連続した記録媒体に印刷するため、記録媒体に接触する部材の送り精度が記録媒体の走行性能に大きく関わる。
【0013】
特許文献3、4のように、補助ローラで記録媒体をトナー像担持体に押圧する方式を用いると、補助ローラ軸の傾き、偏芯や荷重の偏りなどによって記録紙の蛇行や、補助ローラ、転写ローラの速度差によってローラ間の記録媒体とトナー担持体の空隙変化を抑制することが難しくなるため、記録媒体に回転部材を押圧すること無くニップ近傍での画質劣化を防止する方式が望ましい。
【0014】
また、特許文献5のように、トナー像担持体と記録媒体との間に空隙がある状態で記録面と反対側に電圧を印加する方法では、各種の記録媒体に対し、補助ローラから転写ローラに至る領域の間で、放電を起こさず、かつ、空隙のある状態でトナーが記録媒体に転写されないような電界を安定して形成することが難しい。
【0015】
特許文献6のように、トナー担持体と記録媒体との間に空隙がある状態で、記録媒体表面に、電荷を付与する方法でも、電荷付与部から転写ローラに至る領域の間で、放電を起こさず、かつ、空隙のある状態でトナーが記録媒体に転写されないような電界を安定して形成することは難しい。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解決し、凹凸の大きい記録媒体など多様な連続記録媒体に高速で印刷領域全域にわたって欠陥の無い高画質の転写が、記録媒体の幅や厚み、環境の影響なく安定して行える長寿命で安価な静電記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために本発明の第1の手段は、トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が搬送ガイド下流側でかつ転写手段上流側のトナー像担持体と接触している領域で、記録媒体のトナー像担持体と接触する面とは反対の面に、記録媒体と非接触でトナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記搬送ガイドを接地したことを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第4の手段は、トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が転写手段上流側でトナー像担持体と接触している領域に対抗して、記録媒体のトナー像担持体と接触する面と反対の面に対向して、記録媒体と非接触で記録媒体表面に、トナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けた転写装置を有することを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第5の手段は前記第4の手段において、前記搬送ガイドを接地した転写装置を有することを特徴とするものである。
【0022】
本発明の第6の手段は前記第4の手段において、前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、外部帯電転写方式においても、転写ニップ部前後の、記録媒体とトナー担持体との空隙で放電を起こしたり、空隙のある状態でトナー像担持体上のトナーが記録媒体に移動してしまったりして、転写後の画質が劣化するという問題を解決可能で、紙厚や環境の影響を受けずに安定して画質劣化の少ない転写を行える長寿命で安価な静電記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る連続紙プリンタの概略構成図である。
【図2】その連続紙プリンタの転写装置に用いられる転写ローラの断面図である。
【図3】その連続紙プリンタの転写機構部の動作を示す概略図である。
【図4】本発明の実施例に係る連続紙プリンタの概略構成図である。
【図5】本発明の実施例に係る両面印刷連続紙プリンタの概略構成図である。
【図6】転写ローラ帯電電位と記録媒体への供給電荷量の関係を示す図である。
【図7】外部帯電方式での転写を近似したモデルを示す図である。
【図8】転写電位計算での記録媒体と転写ローラ、感光体の関係を示す図である。
【図9】用紙両側の空隙が等しい場合の空隙電位差の計算結果を示す図である。
【図10】用紙を巻きつけた場合の感光体側空隙電位差の計算結果を示す図である。
【図11】用紙を巻きつけた場合の転写ローラ側空隙電位差の計算結果を示す図である。
【図12】電荷付与手段の効果を示す転写後の画質評価結果を示す図である。
【図13】本発明の別の実施形態である転写装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に、本発明の一実施例として、トナー担持体として負帯電のOPC感光体1を用いた連続紙プリンタの概略構成を示す。
【0026】
感光体1の外周に帯電器2、露光装置3、現像機4及び転写機構部6が配置されている。帯電器2としてスコロトロン帯電器を用いて感光体1の表面を負極性に一様に帯電した後、露光装置3としてレーザ走査光学系を用い印刷情報に応じて感光体1の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成し、現像機4により静電潜像にトナーを付着させトナー画像を形成する。
【0027】
記録媒体16はトラクタ17により搬送され、転写機構部6により記録媒体16上に感光体1からトナー像が転写される。記録媒体16上のトナー像は図示しない定着機35により記録媒体16に溶融固着される。感光体1上に残留したトナーは清掃機5によって感光体から除去される。
【0028】
次に転写機構部6の構成について説明する。転写機構部6は記録媒体16をガイドする上部搬送ガイド8aと下部搬送ガイド8bを備える転写器ハウジング7、その内部に転写機構部材として配置した転写ローラ9、転写ローラ9の表面に電荷を供給する転写ローラ帯電手段としてコロトロン帯電器10、及び転写ローラ9が記録媒体16を介して感光体1と当接する転写ニップ部の後に転写ローラ電位検出手段11、電位検出手段よりも転写ローラ9の回転方向下流側にコロトロン除電器12を備える。
【0029】
下部搬送ガイド8bは、先端部が感光体1と転写ローラ9の接触位置より感光体寄りに配置することで、搬送ガイド8bを感光体1に押圧することなく、記録媒体16を転写ニップ上流側で感光体1に巻きつけるような送紙パスを構成させ、搬送ガイド8bと転写ローラ9が記録媒体16を介して感光体1と接触する位置との間で、記録媒体16と感光体1が接触した領域に対向して感光体1上のトナーと逆極性の電荷を記録媒体16のトナー転写面と反対の面に、記録媒体16と非接触で付与する電荷付与部材としてスコロトロン帯電器50が配置されている。
【0030】
転写ローラ9は、導電性のシャフト上に導電性の弾性層を有し、最表面は誘電体層で構成されている。この転写ローラ9は、回転可能、かつ揺動可能に支持され、感光体1との離接動作を行えるように構成されている。
【0031】
転写機構部6の上流側と下流側にトラクタが配置され、記録媒体16の送り穴にトラクタピンが嵌合し記録媒体1を搬送する。トラクタ17は図示しないトラクタシャフトで支持され記録媒体搬送モータからの駆動をトラクタ17に伝達し、トラクタ17を動作させる。
【0032】
記録媒体搬送モータが回転すると、転写ローラ9は同期して回転するようになっている。
【0033】
本実施例では、転写ローラ9の回転は、記録媒体と連動させた構成としているが、個別の駆動源を設けたり、記録媒体に従動して回転する構成としても良い。
【0034】
トラクタ17aと搬送ガイド8bの間には、テンショナー19が設けられており、転写ローラ9と、トラクタ17aの速度差などに起因する転写ローラ上流側での記録媒体16と感光体1との接触状態の変化を防止している。記録媒体16の感光体1への巻きつけ状態を決めている搬送ガイド8bの下流側に、転写ローラ9と感光体1との接触部まで記録媒体16に接触する部材が無いため、転写ニップ上流側で記録媒体16を安定して送行させることが可能となっている。
【0035】
転写ローラ9は感光体1に対して、適正な押圧力でニップ幅を形成可能なように、図示しないスプリングで押圧される。また、転写ローラ9の離接動作のため、転写機構部6はカムによって回動可能となっている。
【0036】
次に本発明に用いることができる転写ローラ9の構成を図3の断面図を用いて説明する。
【0037】
転写ローラシャフト9cは両端を軸受け26で支持され、端部にプーリ21aを設け、駆動モータ27にタイミングベルト28を介して接続されるとともに、接地されている。
【0038】
転写ローラシャフト9c上には、導電性の弾性層9bを設け、さらに最表面に誘電体層9aを被覆した構成としている。
【0039】
弾性層9bの材料としては、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムなど一般的な弾性材料に誘電体層9aの接地電極として作用させるため導電材を混合し体積抵抗率を108Ω・cm以下としたものを用いることが好ましく、106Ω・cm以下としたものを用いることがさらに好ましい。
【0040】
誘電体層9aとしては、PET、PENなどのポリエステルフィルム、PTFE、FEP、PFA、ETFE、PVDFなどのフィルムに代表される誘電体フィルムを用いることができるが、耐オゾン性に優れ離型性も良いPFAフィルムで厚みが30μmから100μmのものを用いることがさらに好ましい。
【0041】
上記のように構成された転写機構部6の動作について説明する。図3は印刷待機時と印刷時の転写機構部6の状態を示す。
【0042】
印刷待機時は感光体1と記録媒体16及び転写ローラ9は非接触の状態にある。印刷開始時には、トラクタ17により記録媒体16の搬送が開始され、転写器ハウジング7と転写ローラ9は記録媒体16の搬送動作開始から、若干、遅れて接離動作を開始し、記録媒体16の頁先頭位置が転写点に到達する時点で、転写ローラ9の押圧で感光体1に記録媒体16が接触して、適正なニップ幅が形成され、スプリングの荷重により、転写ローラ9は適正な押圧荷重を感光体1に与える。転写ローラ上流側では、搬送ガイド8bが感光体1側に移動することで記録媒体16が感光体1に巻きつき、転写ローラ上流側の記録媒体16と感光体1の接触領域で電荷付与部材50から記録媒体16にトナーと逆極性の電荷が付与される。
【0043】
転写ローラ9は、感光体1上のトナー画像部が転写ニップ部に到達した際に、表面が所定の電位に帯電された状態で転写ニップ部に到達している必要があり、前記離間時の回転状態でコロトロン帯電器9での帯電が開始され、規定電位に帯電した表面が転写ニップで記録媒体16に当接し転写動作を開始する。
【0044】
印刷停止時は起動時動作の逆の手順で行われ、次の印刷動作に備える。
【0045】
このように、外部帯電方式のローラ転写では、ローラ表面の誘電体層に外部から電荷を供給し、電荷を供給した誘電体層9a表面が、転写ニップ部で記録媒体16裏面に接触することで、記録媒体16とトナー担持体間に電界を形成して転写を行う方式であり、蓄積された電荷が全て記録媒体に供給されることは無く、誘電体層9aの厚みや誘電率によっては、適正な電界を形成するために、誘電体層9aに供給する電荷量が心金印加型のローラ転写に比べて大きくなる。
【0046】
図6は、誘電体層に30μmのPFAを用いた外部帯電方式の転写ローラを用いて、55kg紙で片面印刷を行った場合(シンプレックス)と、一度印刷を行った55kg紙の裏面に印刷を行う場合(デュプレックス)の、転写ニップ進入前の転写ローラ帯電電位と、転写ニップ通過前後の転写ローラの電位差から求めた記録媒体への供給電荷量の関係を示す一例である。
【0047】
一度定着機を通した記録媒体では、記録媒体含水率が低下して抵抗が増加するが、この記録媒体に転写を行った場合、転写ローラの帯電電位をシンプレックス印刷時と同じ電位に帯電した場合、記録媒体に供給される電荷量が少なくなるため、転写効率が低下してしまう。
【0048】
したがって、紙種や環境に応じて適切な転写効率を得られように転写ローラ9の電圧を設定しようとすると、転写ニップ部通過前の転写ローラ9の表面電位が高電圧になる場合があるが、転写ローラ電圧が高くなると、記録媒体16とトナー担持体間での放電や空隙でのトナー移動、あるいは記録媒体16と転写ローラ9間の空隙での放電によって、部分的に転写効率が低下したり、トナー散りが発生したりして転写後の画質が劣化することになる。
【0049】
外部帯電方式のローラ転写は、図7に示すように接地面の上に感光体層あるいは中間転写ベルトなどの誘電体層の上の空隙層にトナーがあり、その上方に同様に誘電体層である記録媒体、空気層、転写ローラ表面の誘電体層、誘電体層裏面に接地層がある5層の誘電体モデルで近似することができる。
【0050】
感光体からの転写も、中間転写ベルトや中間転写ドラムからの転写も基本的には同様であるが、感光体からの転写の場合、特に反転現像プロセスを用いた方式の場合、トナーの付着しない背景部がトナーの極性と同極性の高い電位に帯電した状態で転写が行われるため、転写ニップでの電界が背景部で特に大きくなり放電が発生しやすい。そのため、トナー画像部の周辺部でのトナー散りや放電による画像輪郭部の白抜けが、感光体からの転写で特に発生しやすい。
【0051】
このことから、初期状態として、感光体表面が電位V2、転写ローラ表面が電位V1に帯電した状態から、空気層+記録媒体+空気層を介して転写ローラ表層と感光体層を直列接続した際の記録媒体両面の空気層の電位差と、パッシェンの放電開始電位差との関係を上記近似モデルで求めた。
【0052】
転写ローラ表面層厚みを50μm、比誘電率を2.1、用紙厚みを80μm、比誘電率を2.3、感光体膜厚を32μm、比誘電率を3とした。
【0053】
図8に示すように、転写ローラと用紙、感光体と用紙の間隙が等間隔で変化する場合(a)と、トナー担持体である感光体面に記録媒体を間隙8μmで巻きつけて搬送する場合(b)で、記録媒体両面の空隙の電位差を、図7のモデルに基づき計算すると、(a)の場合は図9に示すように、記録媒体のどちらの面の空隙も同様に、転写ローラおよび、感光体電位によるが、間隙が狭くなり100μm程度になると電位差が放電開始電圧を越える、つまり、放電が発生する場合があることがわかる。
【0054】
一方、トナー担持体側に記録媒体を巻きつけた場合では、図10に示すように、巻きつけた側の感光体と記録媒体の間の空隙では、(a)と同様に転写ローラ電位が1800Vであっても放電が起きないことがわかる。
【0055】
ところが、図11に示すように、記録媒体をトナー担持体側に巻きつけた場合の、記録媒体と転写ローラ間の空隙では、(a)に比べ放電が発生しやすくなり、転写ローラ電位1800Vで感光体表面電位が0Vであっても放電してしまうことがわかる。
【0056】
つまり、トナー担持体面側での放電を抑制するには、記録媒体の巻きつけが有効であるが、裏面側での放電が発生しやすくなるため、外部帯電方式のように転写ローラ電位が高くなる転写方式では、裏面での放電抑制も考慮する必要がある。
【0057】
そこで、本発明では、画像面、裏面双方での放電を抑制するため、図10に示したように、空隙が狭くなっても放電開始電位差を越えないうちに、トナー担持体面に巻きつけることで、画像面での放電を抑制し、かつ、空隙電界が強くなることで、空隙があるうちにトナー担持体からトナーが記録媒体に付着してしまうことを抑制したうえで、記録媒体とローラ間の空隙での放電を抑制するために、記録媒体がトナー担持体と接触したのちに、記録媒体裏面に、トナーと逆極性の電荷つまり、転写ローラと同極性の電荷を付与することで、記録媒体と転写ローラ間の電位差を小さくすることで上記問題を解決した。
つまり、用紙ガイド8bによって記録媒体16をトナー担持体である感光体1に巻きつけることで、画像面での放電を抑制し、記録媒体16が感光体1と接触した領域で電荷付与部材であるコロトロン50から記録媒体16に非接触でトナーと逆極性つまり転写ローラ9の電位と同極性の電荷を付与することで、空隙での転写ローラ9と記録媒体16の電位差が放電開始電圧を越えないようにした。
【0058】
この際、上記のように用紙ガイド8bを感光体1に当接させず、かつ、用紙ガイド8bから、転写ローラ9と感光体1の接触部までの間に、記録媒体16と当接する部材を設けない構成としたことで、テンショナー19の効果によって、記録媒体16走行中の用紙ガイド8bから転写ローラ9間の記録媒体16の送行が安定し、転写ニップ近傍での空隙が変動することも無く、画質劣化の少ない転写を行うことが可能となった。
【0059】
図12は、上記構成で転写ローラ9を帯電するコロトロン帯電器9の放電電流と、転写機構部材16に電荷を付与するコロトロン帯電器50の放電電流を変化させたときの印刷速度1400mm/sでの転写画質評価結果を示すものであるが、記録媒体16への電荷付与によって、べた散りや放電による画質劣化の発生しない範囲を大幅に拡大することが可能になった。
【0060】
図13に示すように、搬送ガイド8bを接地し、上部搬送ガイド8aと導通した転写機ハウジング7を抵抗を介して接地した以外は、実施例1と同じ構成である。
【0061】
上部搬送ガイド8aから記録媒体16が剥離する部分でも剥離放電が発生する場合があるため、上部搬送ガイド8aを1MΩの抵抗を介して設置することで、剥離の際の電界変化を緩和させ、下部搬送ガイド8bは転写器ハウジング7とは絶縁して接地することで、記録媒体の搬送中の摩擦帯電などでの帯電を接地させた搬送ガイド8bに接触させて除電する構成としたものである。低湿環境での転写前の用紙除電と、転写後の搬送ガイドでの剥離放電での画質劣化を防止することが可能となり、環境変化時の画質安定性を向上させることが可能となる。
【0062】
さらに、上記で下部搬送ガイド8bを接地では無く、トナー極性と逆極性の電圧を印加可能なように電源を接続し、湿度センサで湿度を検出したうえで、湿度が低いほど印加する電圧の絶対値が大きくなるように、既知の制御方法で印加電圧を変更することで、高湿時にコロトロン50や転写ローラ9から記録媒体16に付与された電荷が、記録媒体16を介して搬送ガイド8bからリークすることで転写不良が発生することを防止することができる。
【0063】
図4に本発明の転写装置を用いた連続紙プリンタの一実施例を示す。
【0064】
直径262mmの感光体1の周面に沿って帯電器2、露光装置3、現像機4及び転写機構部6が配置されている。一方、記録媒体16は記録媒体搬送装置17、31、32により転写機構部6に搬送され、転写機構部6により記録媒体16上にトナー像が転写される。記録媒体16上のトナー像はプレヒータ32を通過時に、トナー樹脂の転移温度付近まで加熱された後、ヒータを内蔵した加熱ローラ33とバックアップローラ34からなる定着機35によりトナー像はウェブ16に溶融固着される。
なお、図5に示すように本画像形成装置を2台使用することで、両面印刷を行うことができる。
【0065】
本発明の転写装置を用いたことで、プロセス速度約1700mm/sの超高速で高画質の印刷を長期にわたり安定して行うことができる。
【0066】
以上、感光体からの転写で本発明を説明したが、感光体ではなく中間転写ベルトや中間転写ドラムから記録媒体への転写へも同様に適用可能である。
【0067】
したがって、本発明を中間転写方式を用いたカラー静電プリンタの2次転写に用いことで、紙厚や環境の影響を受けずに安定して画質劣化の少ない転写を行える長寿命で安価なカラー転写装置及び、これを用いたカラー連帳静電記録装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1:感光体、2:帯電部材、3:露光装置、4:現像機、6:転写機構部、7:転写ハウジング、9:転写ローラ、10:転写ローラ帯電手段、16:記録媒体、17a、17b:トラクタ、50:電荷付与手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙を用いる電子写真方式のプリンタ、複写機等の静電記録装置に係り、特に表面を帯電させたローラを記録媒体に当接することで像担持体からトナー像を記録媒体へ転写させる転写装置における画質向上に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた連続紙プリンタは、記録媒体ジャムなどの障害が少なく1000mm/sを超える高速で印刷を行えることから、ダイレクトメールや請求書、マニュアル、書物等の多用途の印刷に使用されるようになってきた。使用される用途の拡大に伴い、粗面紙など表面凹凸の大きい記録媒体が用いられる機会が増加しているが、このような記録媒体を用いた場合、感光体や中間転写媒体などのトナー像担持体から記録媒体へトナー像を転写する際、密着性が悪いため画像欠陥が生じやすいという問題がある。
【0003】
また、連続紙プリンタで両面印刷を行う場合、2台のプリンタを並べ1台目で印刷を行った後の記録媒体を反転させて2台目の装置で裏面を印刷するタンデム方式が一般に用いられているが、この場合、表面凹凸の少ない記録媒体においても、1台目の定着で記録媒体が収縮して凹凸が生じるため、2台目の転写の際に画像欠陥が生じやすい。
【0004】
記録媒体とトナー像担持体との密着性を確保できる転写方式としては、ローラやベルトなどの転写機構部材で記録媒体をトナー像担持体に押圧しながら静電気力でトナー像を記録媒体へ転写するローラ転写、ベルト転写方式が一般的に知られている。静電気力を生じさせる手段としては、転写機構部材に電圧あるいは電流を直接印加する方式(芯金印加方式)と、転写機構部材表面の誘電体層を帯電させる方式(外部帯電方式)が知られている。(特開昭51−151544号公報、特開昭49−18335号公報など)
芯金印加方式は、印刷速度が中低速のカット紙プリンタで一般的に用いられている方式であるが、弾性ローラやベルトなどの転写機構部材を介して記録媒体裏面に必要な電圧を印加したり、電流の供給を行う必要があるため、弾性ローラやベルトの抵抗値範囲が限定されるため、環境や経時での抵抗値の変化で転写効率や画質欠陥などの性能変動が大きく、且つ、その範囲が比較的低抵抗になるため、記録媒体の有無によって転写媒体を流れる電流値が大きく変化し、記録媒体の幅によって転写媒体に印加する電圧あるいは電流値を調整する必要がある。また、転写媒体の抵抗範囲が限定されるため用いる材料にも制限があり、長期にわたり性能を維持することが難しい。
【0005】
一方、転写機構部材の弾性層上に誘電体層を設け、この誘電体層表面にコロナ帯電器あるいはローラ帯電器などを用いて電荷を供給して所定の帯電を行う外部帯電方式では、感光体幅が500mmを超え、使用する記録媒体によっては記録媒体外の領域が非常に広くなる連続紙プリンタにおいても、芯金印加方式のように記録媒体外の領域で大量の電流が流れ記録媒体に必要な電界が形成できなくなるという問題が無く、表面の誘電体層にPFAなど耐久性に優れた材料を用いることが可能なため、耐久性の面からも有利である。
【0006】
しかし、外部帯電方式では帯電器により転写機構部材表面の誘電体層を帯電し、誘電体層に蓄積した電荷を転写機構部材の回転によって記録媒体との接触部(転写ニップ部)に搬送し、転写ニップ部で記録媒体に供給することで転写を行う方式であり、帯電器から転写機構部材の誘電体層に供給された電荷の一部しか転写ニップ部で記録媒体に移動しないため、誘電体層に供給する電荷量が多くなり、誘電体層の誘電率や膜厚設定によっては、誘電体層の帯電電位が心金印加方式に比べ高くなる場合がある。
【0007】
外部帯電方式によらず、転写機構部材の電位が高いと、記録媒体がトナー担持体と接触する領域である転写ニップ部(以下、転写ニップ部と呼ぶ)の前後の、記録媒体とトナー像担持体との空隙で放電を起こしたり、空隙のある状態でトナー像担持体上のトナーが記録媒体に移動してしまったりして、転写後の画質が劣化するという問題は従来から知られている。
【0008】
例えば特許文献3では、感光体ドラムに対して転写ベルトを介して補助転写ローラと主転写ローラとを配設し、補助転写ローラに高電界を発生させないための低い電圧を印加しつつ、主転写ローラに十分な転写を実現するための高転写電圧を印加する方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献4では、ニップ前後の記録媒体とトナー像担持体との間に空隙がある位置に記録媒体に接触させた電圧印加部材を設け、対向転写位置から離れるに従って前記環状部材の表面電位との差が漸次減少する分布を有するような構成が開示されている。
【0010】
また、特許文献5では、記録媒体の性質に応じて、トナーの電荷量を調整する電荷量調整手段と、前記電荷量調整手段によって調整されたトナーの電荷量に応じて、記録媒体のトナー転写面に、記録媒体とトナー担持体との間に空隙がある状態で、電荷を付与する電荷付与手段と、電荷付与手段により付与する被転写材の表面の電荷量を制御する制御手段とを備えた方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭51−151544号公報
【特許文献2】特開昭49−18335号公報
【特許文献3】特開2004−246323号公報
【特許文献4】特開2007−3880号公報
【特許文献5】特開2008−107692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
連帳紙プリンタの場合、連続した記録媒体に印刷するため、記録媒体に接触する部材の送り精度が記録媒体の走行性能に大きく関わる。
【0013】
特許文献3、4のように、補助ローラで記録媒体をトナー像担持体に押圧する方式を用いると、補助ローラ軸の傾き、偏芯や荷重の偏りなどによって記録紙の蛇行や、補助ローラ、転写ローラの速度差によってローラ間の記録媒体とトナー担持体の空隙変化を抑制することが難しくなるため、記録媒体に回転部材を押圧すること無くニップ近傍での画質劣化を防止する方式が望ましい。
【0014】
また、特許文献5のように、トナー像担持体と記録媒体との間に空隙がある状態で記録面と反対側に電圧を印加する方法では、各種の記録媒体に対し、補助ローラから転写ローラに至る領域の間で、放電を起こさず、かつ、空隙のある状態でトナーが記録媒体に転写されないような電界を安定して形成することが難しい。
【0015】
特許文献6のように、トナー担持体と記録媒体との間に空隙がある状態で、記録媒体表面に、電荷を付与する方法でも、電荷付与部から転写ローラに至る領域の間で、放電を起こさず、かつ、空隙のある状態でトナーが記録媒体に転写されないような電界を安定して形成することは難しい。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解決し、凹凸の大きい記録媒体など多様な連続記録媒体に高速で印刷領域全域にわたって欠陥の無い高画質の転写が、記録媒体の幅や厚み、環境の影響なく安定して行える長寿命で安価な静電記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために本発明の第1の手段は、トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が搬送ガイド下流側でかつ転写手段上流側のトナー像担持体と接触している領域で、記録媒体のトナー像担持体と接触する面とは反対の面に、記録媒体と非接触でトナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記搬送ガイドを接地したことを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第4の手段は、トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が転写手段上流側でトナー像担持体と接触している領域に対抗して、記録媒体のトナー像担持体と接触する面と反対の面に対向して、記録媒体と非接触で記録媒体表面に、トナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けた転写装置を有することを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第5の手段は前記第4の手段において、前記搬送ガイドを接地した転写装置を有することを特徴とするものである。
【0022】
本発明の第6の手段は前記第4の手段において、前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、外部帯電転写方式においても、転写ニップ部前後の、記録媒体とトナー担持体との空隙で放電を起こしたり、空隙のある状態でトナー像担持体上のトナーが記録媒体に移動してしまったりして、転写後の画質が劣化するという問題を解決可能で、紙厚や環境の影響を受けずに安定して画質劣化の少ない転写を行える長寿命で安価な静電記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る連続紙プリンタの概略構成図である。
【図2】その連続紙プリンタの転写装置に用いられる転写ローラの断面図である。
【図3】その連続紙プリンタの転写機構部の動作を示す概略図である。
【図4】本発明の実施例に係る連続紙プリンタの概略構成図である。
【図5】本発明の実施例に係る両面印刷連続紙プリンタの概略構成図である。
【図6】転写ローラ帯電電位と記録媒体への供給電荷量の関係を示す図である。
【図7】外部帯電方式での転写を近似したモデルを示す図である。
【図8】転写電位計算での記録媒体と転写ローラ、感光体の関係を示す図である。
【図9】用紙両側の空隙が等しい場合の空隙電位差の計算結果を示す図である。
【図10】用紙を巻きつけた場合の感光体側空隙電位差の計算結果を示す図である。
【図11】用紙を巻きつけた場合の転写ローラ側空隙電位差の計算結果を示す図である。
【図12】電荷付与手段の効果を示す転写後の画質評価結果を示す図である。
【図13】本発明の別の実施形態である転写装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に、本発明の一実施例として、トナー担持体として負帯電のOPC感光体1を用いた連続紙プリンタの概略構成を示す。
【0026】
感光体1の外周に帯電器2、露光装置3、現像機4及び転写機構部6が配置されている。帯電器2としてスコロトロン帯電器を用いて感光体1の表面を負極性に一様に帯電した後、露光装置3としてレーザ走査光学系を用い印刷情報に応じて感光体1の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成し、現像機4により静電潜像にトナーを付着させトナー画像を形成する。
【0027】
記録媒体16はトラクタ17により搬送され、転写機構部6により記録媒体16上に感光体1からトナー像が転写される。記録媒体16上のトナー像は図示しない定着機35により記録媒体16に溶融固着される。感光体1上に残留したトナーは清掃機5によって感光体から除去される。
【0028】
次に転写機構部6の構成について説明する。転写機構部6は記録媒体16をガイドする上部搬送ガイド8aと下部搬送ガイド8bを備える転写器ハウジング7、その内部に転写機構部材として配置した転写ローラ9、転写ローラ9の表面に電荷を供給する転写ローラ帯電手段としてコロトロン帯電器10、及び転写ローラ9が記録媒体16を介して感光体1と当接する転写ニップ部の後に転写ローラ電位検出手段11、電位検出手段よりも転写ローラ9の回転方向下流側にコロトロン除電器12を備える。
【0029】
下部搬送ガイド8bは、先端部が感光体1と転写ローラ9の接触位置より感光体寄りに配置することで、搬送ガイド8bを感光体1に押圧することなく、記録媒体16を転写ニップ上流側で感光体1に巻きつけるような送紙パスを構成させ、搬送ガイド8bと転写ローラ9が記録媒体16を介して感光体1と接触する位置との間で、記録媒体16と感光体1が接触した領域に対向して感光体1上のトナーと逆極性の電荷を記録媒体16のトナー転写面と反対の面に、記録媒体16と非接触で付与する電荷付与部材としてスコロトロン帯電器50が配置されている。
【0030】
転写ローラ9は、導電性のシャフト上に導電性の弾性層を有し、最表面は誘電体層で構成されている。この転写ローラ9は、回転可能、かつ揺動可能に支持され、感光体1との離接動作を行えるように構成されている。
【0031】
転写機構部6の上流側と下流側にトラクタが配置され、記録媒体16の送り穴にトラクタピンが嵌合し記録媒体1を搬送する。トラクタ17は図示しないトラクタシャフトで支持され記録媒体搬送モータからの駆動をトラクタ17に伝達し、トラクタ17を動作させる。
【0032】
記録媒体搬送モータが回転すると、転写ローラ9は同期して回転するようになっている。
【0033】
本実施例では、転写ローラ9の回転は、記録媒体と連動させた構成としているが、個別の駆動源を設けたり、記録媒体に従動して回転する構成としても良い。
【0034】
トラクタ17aと搬送ガイド8bの間には、テンショナー19が設けられており、転写ローラ9と、トラクタ17aの速度差などに起因する転写ローラ上流側での記録媒体16と感光体1との接触状態の変化を防止している。記録媒体16の感光体1への巻きつけ状態を決めている搬送ガイド8bの下流側に、転写ローラ9と感光体1との接触部まで記録媒体16に接触する部材が無いため、転写ニップ上流側で記録媒体16を安定して送行させることが可能となっている。
【0035】
転写ローラ9は感光体1に対して、適正な押圧力でニップ幅を形成可能なように、図示しないスプリングで押圧される。また、転写ローラ9の離接動作のため、転写機構部6はカムによって回動可能となっている。
【0036】
次に本発明に用いることができる転写ローラ9の構成を図3の断面図を用いて説明する。
【0037】
転写ローラシャフト9cは両端を軸受け26で支持され、端部にプーリ21aを設け、駆動モータ27にタイミングベルト28を介して接続されるとともに、接地されている。
【0038】
転写ローラシャフト9c上には、導電性の弾性層9bを設け、さらに最表面に誘電体層9aを被覆した構成としている。
【0039】
弾性層9bの材料としては、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムなど一般的な弾性材料に誘電体層9aの接地電極として作用させるため導電材を混合し体積抵抗率を108Ω・cm以下としたものを用いることが好ましく、106Ω・cm以下としたものを用いることがさらに好ましい。
【0040】
誘電体層9aとしては、PET、PENなどのポリエステルフィルム、PTFE、FEP、PFA、ETFE、PVDFなどのフィルムに代表される誘電体フィルムを用いることができるが、耐オゾン性に優れ離型性も良いPFAフィルムで厚みが30μmから100μmのものを用いることがさらに好ましい。
【0041】
上記のように構成された転写機構部6の動作について説明する。図3は印刷待機時と印刷時の転写機構部6の状態を示す。
【0042】
印刷待機時は感光体1と記録媒体16及び転写ローラ9は非接触の状態にある。印刷開始時には、トラクタ17により記録媒体16の搬送が開始され、転写器ハウジング7と転写ローラ9は記録媒体16の搬送動作開始から、若干、遅れて接離動作を開始し、記録媒体16の頁先頭位置が転写点に到達する時点で、転写ローラ9の押圧で感光体1に記録媒体16が接触して、適正なニップ幅が形成され、スプリングの荷重により、転写ローラ9は適正な押圧荷重を感光体1に与える。転写ローラ上流側では、搬送ガイド8bが感光体1側に移動することで記録媒体16が感光体1に巻きつき、転写ローラ上流側の記録媒体16と感光体1の接触領域で電荷付与部材50から記録媒体16にトナーと逆極性の電荷が付与される。
【0043】
転写ローラ9は、感光体1上のトナー画像部が転写ニップ部に到達した際に、表面が所定の電位に帯電された状態で転写ニップ部に到達している必要があり、前記離間時の回転状態でコロトロン帯電器9での帯電が開始され、規定電位に帯電した表面が転写ニップで記録媒体16に当接し転写動作を開始する。
【0044】
印刷停止時は起動時動作の逆の手順で行われ、次の印刷動作に備える。
【0045】
このように、外部帯電方式のローラ転写では、ローラ表面の誘電体層に外部から電荷を供給し、電荷を供給した誘電体層9a表面が、転写ニップ部で記録媒体16裏面に接触することで、記録媒体16とトナー担持体間に電界を形成して転写を行う方式であり、蓄積された電荷が全て記録媒体に供給されることは無く、誘電体層9aの厚みや誘電率によっては、適正な電界を形成するために、誘電体層9aに供給する電荷量が心金印加型のローラ転写に比べて大きくなる。
【0046】
図6は、誘電体層に30μmのPFAを用いた外部帯電方式の転写ローラを用いて、55kg紙で片面印刷を行った場合(シンプレックス)と、一度印刷を行った55kg紙の裏面に印刷を行う場合(デュプレックス)の、転写ニップ進入前の転写ローラ帯電電位と、転写ニップ通過前後の転写ローラの電位差から求めた記録媒体への供給電荷量の関係を示す一例である。
【0047】
一度定着機を通した記録媒体では、記録媒体含水率が低下して抵抗が増加するが、この記録媒体に転写を行った場合、転写ローラの帯電電位をシンプレックス印刷時と同じ電位に帯電した場合、記録媒体に供給される電荷量が少なくなるため、転写効率が低下してしまう。
【0048】
したがって、紙種や環境に応じて適切な転写効率を得られように転写ローラ9の電圧を設定しようとすると、転写ニップ部通過前の転写ローラ9の表面電位が高電圧になる場合があるが、転写ローラ電圧が高くなると、記録媒体16とトナー担持体間での放電や空隙でのトナー移動、あるいは記録媒体16と転写ローラ9間の空隙での放電によって、部分的に転写効率が低下したり、トナー散りが発生したりして転写後の画質が劣化することになる。
【0049】
外部帯電方式のローラ転写は、図7に示すように接地面の上に感光体層あるいは中間転写ベルトなどの誘電体層の上の空隙層にトナーがあり、その上方に同様に誘電体層である記録媒体、空気層、転写ローラ表面の誘電体層、誘電体層裏面に接地層がある5層の誘電体モデルで近似することができる。
【0050】
感光体からの転写も、中間転写ベルトや中間転写ドラムからの転写も基本的には同様であるが、感光体からの転写の場合、特に反転現像プロセスを用いた方式の場合、トナーの付着しない背景部がトナーの極性と同極性の高い電位に帯電した状態で転写が行われるため、転写ニップでの電界が背景部で特に大きくなり放電が発生しやすい。そのため、トナー画像部の周辺部でのトナー散りや放電による画像輪郭部の白抜けが、感光体からの転写で特に発生しやすい。
【0051】
このことから、初期状態として、感光体表面が電位V2、転写ローラ表面が電位V1に帯電した状態から、空気層+記録媒体+空気層を介して転写ローラ表層と感光体層を直列接続した際の記録媒体両面の空気層の電位差と、パッシェンの放電開始電位差との関係を上記近似モデルで求めた。
【0052】
転写ローラ表面層厚みを50μm、比誘電率を2.1、用紙厚みを80μm、比誘電率を2.3、感光体膜厚を32μm、比誘電率を3とした。
【0053】
図8に示すように、転写ローラと用紙、感光体と用紙の間隙が等間隔で変化する場合(a)と、トナー担持体である感光体面に記録媒体を間隙8μmで巻きつけて搬送する場合(b)で、記録媒体両面の空隙の電位差を、図7のモデルに基づき計算すると、(a)の場合は図9に示すように、記録媒体のどちらの面の空隙も同様に、転写ローラおよび、感光体電位によるが、間隙が狭くなり100μm程度になると電位差が放電開始電圧を越える、つまり、放電が発生する場合があることがわかる。
【0054】
一方、トナー担持体側に記録媒体を巻きつけた場合では、図10に示すように、巻きつけた側の感光体と記録媒体の間の空隙では、(a)と同様に転写ローラ電位が1800Vであっても放電が起きないことがわかる。
【0055】
ところが、図11に示すように、記録媒体をトナー担持体側に巻きつけた場合の、記録媒体と転写ローラ間の空隙では、(a)に比べ放電が発生しやすくなり、転写ローラ電位1800Vで感光体表面電位が0Vであっても放電してしまうことがわかる。
【0056】
つまり、トナー担持体面側での放電を抑制するには、記録媒体の巻きつけが有効であるが、裏面側での放電が発生しやすくなるため、外部帯電方式のように転写ローラ電位が高くなる転写方式では、裏面での放電抑制も考慮する必要がある。
【0057】
そこで、本発明では、画像面、裏面双方での放電を抑制するため、図10に示したように、空隙が狭くなっても放電開始電位差を越えないうちに、トナー担持体面に巻きつけることで、画像面での放電を抑制し、かつ、空隙電界が強くなることで、空隙があるうちにトナー担持体からトナーが記録媒体に付着してしまうことを抑制したうえで、記録媒体とローラ間の空隙での放電を抑制するために、記録媒体がトナー担持体と接触したのちに、記録媒体裏面に、トナーと逆極性の電荷つまり、転写ローラと同極性の電荷を付与することで、記録媒体と転写ローラ間の電位差を小さくすることで上記問題を解決した。
つまり、用紙ガイド8bによって記録媒体16をトナー担持体である感光体1に巻きつけることで、画像面での放電を抑制し、記録媒体16が感光体1と接触した領域で電荷付与部材であるコロトロン50から記録媒体16に非接触でトナーと逆極性つまり転写ローラ9の電位と同極性の電荷を付与することで、空隙での転写ローラ9と記録媒体16の電位差が放電開始電圧を越えないようにした。
【0058】
この際、上記のように用紙ガイド8bを感光体1に当接させず、かつ、用紙ガイド8bから、転写ローラ9と感光体1の接触部までの間に、記録媒体16と当接する部材を設けない構成としたことで、テンショナー19の効果によって、記録媒体16走行中の用紙ガイド8bから転写ローラ9間の記録媒体16の送行が安定し、転写ニップ近傍での空隙が変動することも無く、画質劣化の少ない転写を行うことが可能となった。
【0059】
図12は、上記構成で転写ローラ9を帯電するコロトロン帯電器9の放電電流と、転写機構部材16に電荷を付与するコロトロン帯電器50の放電電流を変化させたときの印刷速度1400mm/sでの転写画質評価結果を示すものであるが、記録媒体16への電荷付与によって、べた散りや放電による画質劣化の発生しない範囲を大幅に拡大することが可能になった。
【0060】
図13に示すように、搬送ガイド8bを接地し、上部搬送ガイド8aと導通した転写機ハウジング7を抵抗を介して接地した以外は、実施例1と同じ構成である。
【0061】
上部搬送ガイド8aから記録媒体16が剥離する部分でも剥離放電が発生する場合があるため、上部搬送ガイド8aを1MΩの抵抗を介して設置することで、剥離の際の電界変化を緩和させ、下部搬送ガイド8bは転写器ハウジング7とは絶縁して接地することで、記録媒体の搬送中の摩擦帯電などでの帯電を接地させた搬送ガイド8bに接触させて除電する構成としたものである。低湿環境での転写前の用紙除電と、転写後の搬送ガイドでの剥離放電での画質劣化を防止することが可能となり、環境変化時の画質安定性を向上させることが可能となる。
【0062】
さらに、上記で下部搬送ガイド8bを接地では無く、トナー極性と逆極性の電圧を印加可能なように電源を接続し、湿度センサで湿度を検出したうえで、湿度が低いほど印加する電圧の絶対値が大きくなるように、既知の制御方法で印加電圧を変更することで、高湿時にコロトロン50や転写ローラ9から記録媒体16に付与された電荷が、記録媒体16を介して搬送ガイド8bからリークすることで転写不良が発生することを防止することができる。
【0063】
図4に本発明の転写装置を用いた連続紙プリンタの一実施例を示す。
【0064】
直径262mmの感光体1の周面に沿って帯電器2、露光装置3、現像機4及び転写機構部6が配置されている。一方、記録媒体16は記録媒体搬送装置17、31、32により転写機構部6に搬送され、転写機構部6により記録媒体16上にトナー像が転写される。記録媒体16上のトナー像はプレヒータ32を通過時に、トナー樹脂の転移温度付近まで加熱された後、ヒータを内蔵した加熱ローラ33とバックアップローラ34からなる定着機35によりトナー像はウェブ16に溶融固着される。
なお、図5に示すように本画像形成装置を2台使用することで、両面印刷を行うことができる。
【0065】
本発明の転写装置を用いたことで、プロセス速度約1700mm/sの超高速で高画質の印刷を長期にわたり安定して行うことができる。
【0066】
以上、感光体からの転写で本発明を説明したが、感光体ではなく中間転写ベルトや中間転写ドラムから記録媒体への転写へも同様に適用可能である。
【0067】
したがって、本発明を中間転写方式を用いたカラー静電プリンタの2次転写に用いことで、紙厚や環境の影響を受けずに安定して画質劣化の少ない転写を行える長寿命で安価なカラー転写装置及び、これを用いたカラー連帳静電記録装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1:感光体、2:帯電部材、3:露光装置、4:現像機、6:転写機構部、7:転写ハウジング、9:転写ローラ、10:転写ローラ帯電手段、16:記録媒体、17a、17b:トラクタ、50:電荷付与手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が搬送ガイド下流側でかつ転写手段上流側のトナー像担持体と接触している領域で、記録媒体のトナー像担持体と接触する面とは反対の面に、記録媒体と非接触でトナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けたことを特徴とする静電記録装置。
【請求項2】
前記搬送ガイドを接地したことを特徴とする請求項1記載の静電記録装置。
【請求項3】
前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とする請求1記載の静電記録装置。
【請求項4】
トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が転写手段上流側でトナー像担持体と接触している領域に対抗して、記録媒体のトナー像担持体と接触する面と反対の面に対向して、記録媒体と非接触で記録媒体表面に、トナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けた転写装置を有することを特徴とする静電記録装置。
【請求項5】
前記搬送ガイドを接地したことを特徴とする請求項4記載の静電記録装置。
【請求項6】
前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とする請求項4記載の静電記録装置。
【請求項1】
トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が搬送ガイド下流側でかつ転写手段上流側のトナー像担持体と接触している領域で、記録媒体のトナー像担持体と接触する面とは反対の面に、記録媒体と非接触でトナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けたことを特徴とする静電記録装置。
【請求項2】
前記搬送ガイドを接地したことを特徴とする請求項1記載の静電記録装置。
【請求項3】
前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とする請求1記載の静電記録装置。
【請求項4】
トナー像担持体からトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、連続記録媒体と、記録媒体がトナー像担持体と接触する以前の位置で記録媒体と接触して記録媒体をトナー像担持体と転写機構部材の間に案内する搬送ガイドと、前記転写手段に最表面に誘電体層を有しローラ状に形成された転写機構部材と、前記転写機構部材の表面を外部から帯電させる転写機構部材帯電手段とを備えた静電記録装置において、
前記記録媒体が転写手段上流側でトナー像担持体と接触している領域に対抗して、記録媒体のトナー像担持体と接触する面と反対の面に対向して、記録媒体と非接触で記録媒体表面に、トナー極性と反対極性の電荷を供給する電荷付与手段を設けた転写装置を有することを特徴とする静電記録装置。
【請求項5】
前記搬送ガイドを接地したことを特徴とする請求項4記載の静電記録装置。
【請求項6】
前記搬送ガイドにトナー極性と同極性の電圧を印加したことを特徴とする請求項4記載の静電記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−164788(P2010−164788A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7214(P2009−7214)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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