説明

非対称マニホルドを有するマルチユニット血液プロセッサ及びバッグセット

【課題】
【解決手段】少なくとも2つの体積に分けられた複合液体を少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離する装置であって、該装置は、血液バッグ・チューブセットに非対称接合部又はマニホルドを備える。非対称接合部又はマニホルドにより、バッグ及びチューブを装置内へと装填する際、装填ミスが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの体積に分けられた血液を少なくとも2つの成分にそれぞれ分離させるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第7,674,221号明細書は、体積を分けた複合液体(例えば、血液)を少なくとも2つの成分へと分離するための装置について記載する。
【0003】
該発明の装置及び方法は、水性成分及び1つ以上の細胞成分を含む生体液の分離用途に特に適している。該発明の可能な用途としては、ある体積の全血からの血漿成分及び細胞成分(血小板、白血球、及び赤血球を含む)の抽出が挙げられる。成分(例えば、洗浄赤血球)を、フィルタリングし、残留プリオン、白血球又は血小板を赤血球から除去してもよい。
【0004】
少なくとも2つの体積(特に、複合液体の種々の成分の比率が各体積によって異なるような2つの不均等な体積)に分けられた複合液体を同時に処理することができる血液成分処理装置が米国特許第7,674,221号明細書から公知である。同特許において、少なくとも2つの体積に分けられた複合液体を少なくとも第1の成分及び第2の成分へ分離するための方法が記載されている。この方法は、ロータ上に取り付けられた分離セル内に2つの体積に分けた複合液体を含む少なくとも2つの分離バッグを備える。この方法は、ロータ上の少なくとも1つのコンテナ内に、前記少なくとも2つの分離バッグにそれぞれ接続された少なくとも2つの第1の成分バッグを格納する工程と、前記各分離バッグ内の少なくとも第1の成分及び第2の成分を分離する工程と、第1の分離された成分の少なくとも1部分を成分バッグ内へ移送させる工程と、各分離バッグ内のある位置における成分の特性を検出する工程と、第1の所定位置において成分の特性が検出された場合、第1の成分の1部分の移送を停止する工程とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の血液ユニットを同時に処理することが可能な遠心血液分離装置の改良を含む。この改良された遠心血液分離装置は、血液バッグ及びチューブが装置内へと装填される際に間違いを抑制するための、血液バッグ・チューブセットの非対称接合部又はマニホルドを有する。
【0006】
本発明によれば、少なくとも2つの体積に分けられた複合液体を少なくとも第1の成分と第2の成分へと分離するための装置が提供される。該装置は、遠心分離機と制御ユニットとを備える。該遠心分離機は、回転軸を備えたロータと、ロータ上に取り付けられた、ある体積の複合液体(例えば、血液)を含む分離バッグを受容するように適合された少なくとも2つの分離セルと、分離セル内の分離バッグ内に分離された成分の特性に関連する情報を生成するために、各分離セルと関連づけられた少なくとも1つのセンサーと、を有する。該制御ユニットは、各分離セルと関連づけられた前記少なくとも1つのセンサーによって生成された情報を受信するようにプログラムされ、さらに、前記少なくとも2つの分離セルに関連づけられた前記少なくとも1つのセンサーのうち1つによって生成された情報を考慮して回転速度を制御するようにプログラムされる。該装置は、チューブ接続された使い捨てバッグセットを受容するように適合される。使い捨てバッグセットは好適には、初期において全血を含み、血液成分(例えば、血漿又は血小板)を受容するために少なくとも1つの(好適には2つの)成分バッグに流体接続される一次バッグを備える。廃棄用バッグを設けてもよい。使い捨てバッグセットはさらに、フィルタを通じて一次バッグに流体接続された赤血球採取バッグをさらに備えてもよい。
【0007】
該装置は、各分離セルと関連づけられた複数の弁を有する。該弁は、少なくとも1つの成分バッグ内への流体流れを制御するように適合された少なくとも1つの弁を含み、より好適には、2つの成分バッグが設けられた2つの弁を含み、各成分弁は、成分バッグに関連づけられる。該弁は、洗浄溶液廃棄用バッグ内への使用済洗浄溶液の流体流れを制御するための廃棄弁をさらに含んでもよい。本発明の弁は、シャフト上に取り付けられた回転頭部を有する。該回転頭部は、使い捨てバッグセットのチューブを、ロータ上の指定位置に迅速且つ確実に挿入することを可能にする「装填」位置状態をとる。頭部が旋回して「開放」位置に来ると、チューブは指定位置に固定されるが、チューブにおける開放ルーメンは維持され、これにより、血液又は血液成分がチューブ内を通って流れることができる。頭部は、「閉鎖」位置に引かれる場合もある。頭部が閉鎖位置にある場合、血液又は血液成分は、チューブ内を通って流れることができない。頭部はまた、高周波エネルギをチューブへと搬送して、チューブを密閉及び切断してもよい。弁装置は、チューブが溶融され且つ密閉される際、チューブに一定圧力をかけ、チューブとの接触を維持する手段を備える。一定圧力手段は、予め組み込まれたバネ又は類似の構造(例えば、予め組み込まれた空気圧式アクチュエータ)を含んでもよい。該弁は、チューブを密閉する高周波(RF)溶接時の間、シャフト及び頭部をステッピングモーターから機械的且つ電気的に接続解除してもよい。
【0008】
使い捨てバッグセットは、バッグセットの複数のチューブを接合する非対称形状接合部を有する。非対称形状接合部は、1つの配向のみにおいて(弁を収容する)ロータ上に取り付けることが可能である。これにより、使い捨てバッグセットのチューブを適切な弁の近隣に配置できる。このようなバッグセットは、装置上に迅速且つ確実に取り付けることが可能であり、オペレータが間違いを起こす可能性も低い。
【0009】
さらに、弁近傍のロータ中央部にウェル部を設けてもよい。該ウェル部は、血液成分バッグ又は廃棄物バッグを受容するように適合される。該バッグは、装置のロータの回転軸の近隣に取り付けられ、該バッグの内容物をバッグセットの他のバッグに1回以上移送してもよい。例えば、採血した血液成分中の不要な種類の細胞又は他の粒子の存在を低減するために、洗浄用流体を複数回使用してもよい。
【0010】
ロータの回転によって発生する遠心力場の比較的高い力の領域内に処理バッグが配置され、一方で成分バッグは力のより低い領域内又は中程度の力の領域内に配置され、さらにウェル部内に配置される小型バッグは、力が最小となる領域内又は力の低い領域内に配置されるように、ウェル部は位置づけられる。ウェル部内の小型バッグ内に、空気が集中的に集まる傾向となり、より短いライン又はチューブを用いて、小型バッグをバッグアセンブリ全体へと接続することができる。これらの3つの配置ゾーンにより、バッグアセンブリの簡素化が可能となり、バッグアセンブリをロータ内に装填するプロセスがより容易になる。
【0011】
該装置の他の特徴としては、制御ユニットが挙げられる。制御ユニットは以下を行うようにプログラムされる。すなわち、少なくとも2つの分離セル中にそれぞれ含まれる少なくとも2つの一次バッグ又は分離バッグ中の少なくとも2つの成分を分離するための沈降速度でロータを回転させるように、また、各分離セルに関連づけられた少なくとも1つの弁が、各分離バッグと、各分離バッグに接続された成分バッグとの間の流体の流動を可能とするように、さらに、成分移送手段により、分離された成分のうち少なくとも一部を、少なくとも2つの分離バッグそれぞれから、該少なくとも2つの分離バッグに接続された成分バッグへ移送させるように、さらにまた、分離セルに関連づけられたセンサーが分離された成分の特性を検出した場合、各分離セルに関連づけられた少なくとも1つの弁が、分離セル内の分離バッグと該分離セルに接続された成分バッグとの間の流体流れを遮断させるように、プログラムされる。制御ユニットはまた、ロータを減速し、一次バッグに隣接するブラダーから作動液を引き抜き、洗浄弁を開放し、これにより、洗浄溶液を一次バッグ内に流入させてもよい。そして、制御ユニットは、ブラダーからさらに作動液を排出させ、これにより、一次バッグ内に遊離液体表面(free fluid surface)が生成される。制御ユニットは、ロータを揺動させてもよく、これにより、残りの血液成分及び洗浄溶液が第1のバッグ内において攪拌される。その後、制御ユニットは、残りの血液成分及び洗浄溶液を分離するための沈降速度でロータを回転させる。制御ユニットは、洗浄溶液廃棄弁を開放し、これにより、使用済洗浄溶液が洗浄溶液廃棄用バッグ内へと流入する。残りの血液成分は複数回洗浄されてもよく、これにより、細胞成分又は他の成分(例えば、プリオン)のレベルを医学的な許容レベルまで低下させる。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の記載及び添付図面から明らかとなる。以下の記載及び添付図面は、ひとえに例示的なものにすぎないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、分離装置と協働するように設計された第1のバッグセットの概略図である。
【図2】図2は、第1の実施形態の分離装置の、部分的に直径面に沿った断面により示される概略図である。
【図3】図3は、図2の分離装置の、分離装置上に取り付けられたバッグセットの少なくとも一部及び非対称マニホルドを示す上面図である。
【図4】図4は、図3によるコア及びバッグセットの斜視図である。
【図5】図5は、弁の斜視図である。
【図6】図6は、ハウジングが取り外された状態の、図5の弁の斜視図である。
【図7】図7は、図5の弁の、線7−7に沿った断面図である。
【図8】図8は、図5の弁の平面図である。
【図9】図9は、他の非対称マニホルドを示し、コア、及びコアに取り付けられたバッグセットの少なくとも一部の他の実施形態の上面図である。
【図10】図10は、図9によるコア及びバッグセットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
明瞭さのため、本発明は、特定の用途、すなわち、全血の少なくとも2つの成分(具体的には、血漿成分及び赤血球成分、あるいは血漿成分、血小板成分及び赤血球成分)への分離について説明される。本明細書中、以下において言及する分けられた体積は一般的には、供血の体積である。供血の体積は、供血者によって異なる場合がある(例えば、米国では500mlからプラスマイナス10%)。血液中の成分比率も、通常、供血者によって異なる点にも留意されたい。具体的には、供血者のヘマトクリット値も、個人によって異なる。ヘマトクリット値は、対象となる全血サンプルの体積に対する赤血球体積の比である。換言すれば、血液密度は、供血者によって若干異なる場合がある。しかしながら、本用途は例示目的のみのためのものであることが理解されるべきである。
【0015】
図1は、複合液体(例えば、全血)の、少なくとも1つの成分(例えば、血漿、血小板又はこれら両方)及び第2の成分(例えば、赤血球)への分離に用いられるように適合されたバッグセット10の一例を示す。このバッグセットは、可撓性の一次分離バッグ12と、分離バッグ12に接続された2つの可撓性の成分バッグ14及び16とを備える。
【0016】
当該複合液体が全血である場合、分離バッグ12は2つの目的、すなわち、採血バッグとして、及び分離バッグとして連続的に用いられる。分離バッグ12は、先ず、供血者からの全血の分離された体積(通常は約500ml)を受容するために用いられ、その後分離装置内の分離チャンバとして用いられる。分離バッグ12は平坦であり、一般に矩形である。分離バッグ12は、プラスチック材料の2枚のシートを相互に溶接することによって作製され、これにより、シート間に三角形状の近位部につながる主矩形部を有する内部空間が形成される。第1のチューブ18は三角形状部の近位端に接続され、第2のチューブ20及び第3のチューブ22は、第1のチューブ18近傍の両側部に接続される。これら3つのチューブ18、20、22の近位端は、2枚のプラスチック材料シート間において平行になるように埋設される。分離バッグ12は、3つのチューブ18、20、22近傍の2つの近位角部にそれぞれ穴部24を有する。これらの穴部24は、分離バッグを遠心血液分離装置上の分離セルに固定するために用いられてもよい。
【0017】
初期においては、分離バッグは、ある体積の抗凝固溶液(典型的には、約450mlの供血に対して約63mlのクエン酸・リン酸・ブドウ糖溶液)を含む。第1のチューブ18及び第3のチューブ22の近位端には破壊可能なストッパー26、28がそれぞれ取り付けられ、これにより、第1のチューブ18及び第3のチューブ22における液体の流れが遮断される。破壊可能なストッパーは、しばしば「易壊(frangible)」とも呼ばれる。第2のチューブ20は採血チューブであり、針30が遠位端に接続されている。供血開始時において、針30が供血者の静脈内に挿入され、血液が分離バッグ12中に流入する。所望量の血液が分離バッグ12内に採血されると、採血チューブ20は密閉及び切断され、針はバッグセット10から接続解除される。或いは、以前に採血された血液が採血チューブ20を通じて分離バッグ12内へと移送されてもよく、その際、針30は用いても用いなくてもよい。
【0018】
第1の成分バッグ14は、血漿成分を受容するために使用される。バッグ14は平坦であり、略矩形である。バッグ14は、血漿採取チューブ32及び非対称マニホルド34を通じて第1のチューブ18に接続される。第2の成分バッグ16は、血小板成分を受容するために使用される。第2の成分バッグ16も平坦であり、略矩形である。バッグ16は、血小板採取チューブ36及び非対称マニホルド34を通じて第1のチューブ18に接続される。第3の成分バッグ38は、一次バッグ12から赤血球成分(洗浄されてもよい)を受容するために使用される。赤血球は、フィルタ40を含んでもよいチューブ22を通じて第3の成分バッグ38内へと排出されてもよい。破壊可能なストッパー42、すなわちチューブ22における易壊によって、第3の成分バッグ38内への早いタイミングでの赤血球の流入が防止される。
【0019】
使用の際、洗浄溶液バッグ44は、当初、洗浄溶液(例えば、生理食塩水又はSAGMのようなストレージソリューション)を含んでもよい。一次バッグ12が高ヘマトクリットの血球を含む場合、洗浄溶液は、洗浄溶液チューブ46及び非対称マニホルド34を通して第1のチューブ18を経由して一次バッグ12内へと移送されてもよい。「高ヘマトクリット」とは、合計流体体積に対する赤血球体積のパーセンテージが少なくとも80パーセント、より好適には90パーセント、さらにより好適には95パーセントであることを指す。洗浄溶液は高ヘマトクリット赤血球と混合され、分離された後、使用済洗浄溶液は第1のチューブ18、非対称マニホルド34、及び廃棄チューブ46を通じて洗浄溶液廃棄用バッグ44へ取り出されてもよい。フィルタ負荷を低下させるために、廃棄用バッグ44を比較的希少な血液成分(例えば、間充織幹細胞又は特定の白血球)を採取するために用いることもできる。
【0020】
図2は、4つの体積に分けられた複合液体を、遠心分離により同時に分離するための装置60の第1の実施形態を示す。該装置は、遠心分離機62と、成分移送手段とを備える。遠心分離機62は、図1に示す4つのバッグセット10を受容するように適合され、4つの体積に分けられた複合液体は、4つの一次分離バッグ12内に収容される。成分移送手段は、各分離バッグからの少なくとも1つの分離された成分を、成分移送手段に接続された成分バッグへと移送するためのものである。装置60は、残留高ヘマトクリット赤血球成分を洗浄する手段をさらに含んでもよい。
【0021】
遠心分離機62は、ベアリング組立体67によって支持されたロータ64を備える。ベアリング組立体67によって、ロータ64は回転軸68を中心として回転する。該ロータは、滑車72が接続される円筒型ロータシャフト70と、成分バッグを収容するための中央円筒型コンテナ74を備える格納手段とを備える。コンテナ74は、その上端部においてロータシャフト70に接続され、これにより、ロータシャフト70の長手方向軸及びコンテナ74の長手方向軸が回転軸68と一致する。4つの同一の分離セル78が、回転軸68に対して対称配置となるように、中央コンテナ74に連結される。遠心分離機は、モーター80をさらに含む。モーター80は、回転軸68を中心としてロータが回転するように、滑車72の溝部内に係合されたベルト82によってロータに連結される。
【0022】
各分離セル78は、コンテナ84を備える。コンテナ84の全体の形状は直方体形状である。分離セル78は、分離セル78の中央長手方向軸86が回転軸68と交差するように、中央コンテナ74に取り付けられ、これにより、分離セル78は回転軸68から略同一距離に配置され、また、中央長手方向軸86間の角度は略同一(すなわち、90度)となる。分離セル78の中央軸86は、回転軸68に対して垂直な面に対して下方に傾斜される。
【0023】
各コンテナ84は、キャビティ88を含む。キャビティ88は、図1に示すような、液体が満たされた分離バッグ12を緩やかに収容できるような形状及び寸法である。キャビティ88(以下では「分離区画」とも呼ぶ)は、回転軸68から最も遠位位置にある底部壁と、コンテナ74に最も近い下部壁と、下部壁に対向する上部壁と、2つの横方向壁部とによって規定される。キャビティ88は、主部と、上側部又は近位部とを含む。主部は、底部壁から延在し、丸められた角部及び縁部を有する略直方体形状である。上側部又は近位部は、収束三角形状の基部を有する略角柱形状である。換言すれば、キャビティ88の上部は、コンテナ84の中央軸86に向かって集束する2組の2つの対向する壁部により、規定される。この設計の1つの興味深い特徴は、遠心分離後に複合流体の微量成分(例えば、全血中の血小板)の薄い層の半径方向膨張が発生し、分離バッグの上部において該層がより容易に検出できるようになることである。これは、チューブ内への移送が漏斗的に徐々に行われるため、成分層間の混合も低減する。分離セル78の上部の2対の対向する壁部は、3つの円筒型平行チャンネル(図示せず)に向かって集束し、コンテナ84の上部において開口し、分離バッグ12がコンテナ84内にセットされる際、3つのチューブ18、20、22がこれを通じて延びる。
【0024】
コンテナ84は、ヒンジ連結された横方向蓋部96も有する。蓋部96は、コンテナ84の外部壁部の上部からなる。蓋部96は、開放時に、液体が満たされた分離バッグ12を分離セル78内に容易に装填できるように寸法設定される。コンテナ84は、蓋部96をコンテナ84の残り部分に対してロックするためのロック手段(図示せず)を備える。コンテナ84はまた、分離バッグ12を分離セル78内に固定又は配置するための、固定手段又は配置手段を有する。バッグ固定手段又はバッグ配置手段は、分離セル78の上部の近くの蓋部96の内面上で突出する2本のピン(図示せず)と、コンテナ84の上部に設けられた2つの対応する凹部とを含む。これら2本のピンは、分離バッグ12の上側角部の2つの穴部24内に嵌合するように、離間され且つ寸法設定される。
【0025】
分離装置は、成分移送手段をさらに備える。成分移送手段は、各分離バッグからの少なくとも1つの分離された成分を成分移送手段に接続された成分バッグ内へと移送するためのものである。成分移送手段は、搾出システムを有する。搾出システムは、分離区画88内の分離バッグ12を搾り、分離された成分を成分バッグ14、16内へと移送させるためのものである。搾出システムは、可撓性ダイヤフラム98を有する。ダイヤフラム98は、そのキャビティ内において拡張可能チャンバ100を規定するように各コンテナ84に固定される。より具体的には、ダイヤフラム98は、キャビティ88の底部壁と、キャビティ88の下部壁の大部分とを覆うような寸法である。さらに、搾出システムは、環形状を形成する周辺円形マニホルド102を有する。各拡張チャンバ100は、供給チャンネル104によってマニホルド102に接続される。供給チャンネル104は、各コンテナ84底部近くの壁部内を延在する。搾出システムは、分離セル78内の拡張可能チャンバ100内へ、及び拡張可能チャンバ100から作動液をポンピングするための液圧ポンプ設備106をさらに有する。作動液は、分離される複合液体中の成分のうち最も高密度の成分(例えば、複合液体が血液である場合、赤血球)の密度よりも若干高密度を有するように、選択される。その結果、遠心分離の間、拡張可能チャンバ100内の作動液は、その体積に関わらず、通常、分離セル78の最外部に残留する。ポンプ設備106は、ロータリーシール108を介して、ダクト110によって、拡張可能チャンバ100へと接続される。ダクト110は、ロータシャフト70を通って、中央コンテナ74の底壁部及び側壁部を通じて半径外方向に延在し、マニホルド102に接続する。ポンプ設備106は、ピストン112を有するピストンポンプを備える。ピストン112は、ロータリーシール又は流体接続部108を介してロータダクト110へと流体接続された液圧シリンダー114内において移動することができる。ピストン112は、ピストンロッドに接続された送りねじ118を移動させるブラシレスDCモーター116によって作動される。液圧シリンダー114はまた、作動液リザーバ120にも接続される。作動液リザーバ120は、2つの弁122a及び122bによって制御されるアクセス経路を有し、これにより、液圧シリンダー114、ロータダクト110及び拡張可能液圧チャンバ100を含む往復液圧回路に対する作動液の導入又は排出を選択的に行うことが可能になる。内部の液圧を測定するための圧力ゲージ124が液圧回路に接続される。
【0026】
分離装置は、中央コンテナ74の開口部の周囲のロータ上に取り付けられる3つのピンチ弁128、130、132を1組とする4組のピンチ弁をさらに有する。各組のピンチ弁128、130、132は、該ピンチ弁の組と関連づけられた分離セル78と向き合う。ピンチ弁128、130、132は、可撓性プラスチックチューブ内を通過する流れを選択的に閉鎖、又は許容し、且つプラスチックチューブを選択的に密閉及び切断できるように、設計される。各ピンチ弁128、130、132は、長尺な円筒体134と、顎部138を有する頭部136とを含む。顎部138は、静止した下部プレート又はアンビル140によって規定される空隙を形成する。顎部138は、「装填」位置と、「開放」位置と、「閉鎖」位置との間で移動することができる。空隙は、顎部が開放位置にあるときに、図1に示すバッグセットのチューブ18、32、36、46のうちの1つが空間内に隙間なく係合することができるように、寸法設定される。該長尺体は、顎部を移動させるための機構を含み、高周波発生器へと接続される。この高周波発生器は、プラスチックチューブの密閉及び切断に必要なエネルギを供給する。ピンチ弁128、130、132は、中央コンテナ74の内側において、内面に隣接するように取り付けられ、これにより、その長手方向軸は回転軸68に対して平行であり、且つそれらの頭部はコンテナ74の端の上方に突出する。1組のピンチ弁128、130、132と関連づけられた分離セル78に分離バッグ12を配置する場合の該1組のピンチ弁128、130、132の、分離バッグ12及び該分離バッグ12に接続されているチューブ32、36、46に対する位置を、図1中の点線によって示す。電力は、ロータシャフト70の下部の周囲に取り付けられたスリップリングアレイを通じて、ピンチ弁128、130、132へと供給される。
【0027】
マルチユニット血液分離器内に複数のバッグセット10を装填する作業は、時間がかかり、また繰り返し行われる可能性がある。この点について、「装填」位置において、弁顎部は回転して、チューブを受容するように適合された経路又は溝部から完全に離間しているため、チューブ(例えば、チューブ18、32、36、46)をより迅速に配置することが可能となる。また、非対称マニホルド34の使用により、チューブを高精度に配置することが可能となる。マニホルドは、比較的硬質のプラスチックからなり、少なくとも3つの(好適には4つの)可撓性チューブの接合部を構成する。チューブの接続部は、マニホルドの周囲において離間して非対称に配置される。図1、図3、図4に示すように、非対称マニホルド34の一実施形態は、「E」字型の構成を含む。この「E」字型構成は、チューブ32、18、36にそれぞれ接続される3つのスタブ168、171、173を有する中央硬質チューブ166を備える。3つのスタブから直径方向の反対側に、第4のスタブ175がチューブ46へと接続し、ひいては補助バッグ44へと接続する。第4のスタブ175は、チューブ166に沿って非対称に配置される。マニホルドは非対称形状であるため、マニホルドは、中央コア150上の成形された凹部内に1方向のみにおいて取り付けることができる。その結果、バッグセット10のチューブ18、32、36、46はそれぞれ、適切な弁128、130、132又はセンサー158(以下に記載)に確実に配置される。
【0028】
分離装置はまたコントローラ157を備える。該コントローラ157は、制御ユニット(例えば、マイクロプロセッサ)と、メモリユニットとを含む。メモリユニットは、種々の分離プロトコル(例えば、血漿成分及び血球成分の分離のためのプロトコル、又は血漿成分、血小板成分及び赤血球成分の分離のためのプロトコル)と、このような分離プロトコルに従った装置の動作とに関する情報及びプログラムされた命令をマイクロプロセッサへと提供する。具体的には、マイクロプロセッサは、分離プロセスの種々の段階(例えば、成分分離段階、血漿成分絞り出し段階、血漿分画における血小板の懸濁段階、血小板成分絞り出し段階など)においてロータを回転させる遠心分離速度に関する情報と、分離された成分を分離バッグ12から成分バッグ14、16へと移送させるための種々の移送流量に関する情報とを受け取るように、プログラムされる。種々の移送流量に関する情報は、例えば、液圧回路内の作動液流量として表すことができ、或いは、液圧ポンプ設備106のブラシレスDCモーター116の回転速度として表すことができる。マイクロプロセッサは、圧力ゲージ124からの情報及び4対のフォトセル(以下に記載)からの情報を直接的に又はメモリを通じて受信し、また、ポンプ設備106の遠心分離機モーター80、ブラシレスDCモーター116及び4組のピンチ弁128、130、132を制御するようにプログラムされ、これにより、分離装置を選択された分離プロトコルに沿って作動させる。
【0029】
第1のバランス手段は、分離セル78内に含まれる4つの分離バッグ12の重量が異なる場合、先ずロータをバランスさせる。第1の平衡手段は、上述した成分移送手段の要素(すなわち、周辺円形マニホルド102によって相互接続された4つの拡張可能液圧チャンバ100、及び円形マニホルド102に接続されたロータダクト110を通じて作動液を液圧チャンバ100内へと送出する作動液ポンプ設備106)と同じ構造要素を実質的に含む。遠心分離力下において、分離バッグ12の重量差に応じて作動液が4つの分離セル78内に不均等に分配され、ロータをバランスさせる。
【0030】
図3は、ロータ64の上面図を示す。対称に離間配置された4つの分離セル78(それぞれ、蓋部96を有する)が中央コア150を包囲して示される。中央コア150は、4組の弁128、130、132を有し、非対称マニホルド34及びバッグセット10のチューブを支持する。コア150は、4つの半径方向に延在する支持アーム152を含むスパイダー構造により、ロータの中央において支持される。アーム152は、分離セル78と、中央コア150上の弁128、130、132の隣接する組との間にキャビティ154を規定する。(それぞれ、血漿及び血小板用)成分バッグ14及び16と、フィルタ40を有する赤血球成分バッグ38とは、バッグセット10がロータ64に装填される際、キャビティ154に配置される。採血分離バッグ12は、全血の採血単位を初期において含み、隣接する分離セル78内に配置される。一時的流体保存、廃液採取又は希少若しくは少量血液成分の採取に用いられる補助バッグ44は、ロータの回転軸68(図2を参照)に近いウェル部156に配置される。ウェル部156は、バッグセット10と関連づけられた弁のうち少なくともいくつかの弁よりも回転軸に近い位置にある。図1に示すように、ウェル部156は、矩形バッグ44を収容できるような円筒型又は矩形であってもよい。ウェル部は以下となるように位置づけられる。すなわち、処理又は一次分離バッグ12がロータの回転に起因して発生する遠心力場における比較的高い力の領域内に位置づけられ、一方で、成分バッグ14、16は、より低い力の領域内に位置づけられ、また、ウェル部に配置される小型の洗浄溶液又は廃棄用バッグ44は、力が最小となる領域内に配置される。遠心力場の高い力の領域、中程度の力の領域及び低い力の領域内にバッグを配置することにより、ウェル部156の洗浄バッグ44中に空気が集中して集まる傾向となる。さらに、より短いライン又はチューブを用いて、小型バッグをバッグアセンブリ全体へと接続することができる。これらの3つの配置ゾーンにより、バッグアセンブリの簡素化が促進され、バッグアセンブリをロータ内に装填するプロセスがより容易になる。
【0031】
図3は、「E」字型構成を有する非対称マニホルド34を示す。この非対称マニホルド34について、以下に詳述する。弁の各組について、2つの外側弁128、132が「装填」構成にある様子が図示されている。すなわち、弁の顎部は、隣接チューブを越えて延びていないため、マニホルド34及びチューブを中央コア150上に適切な構成で取り付けることが可能となる。弁の各組について、内側又は中央弁130は、弁頭部及び顎部の垂直位置によるが、「開放」又は「閉鎖」位置にある状態が示されており、「開放」位置の場合、隣接チューブ内の流れが許容され、「閉鎖」位置にある場合、流れは妨げられる。
【0032】
チューブセンサー158は、チューブ18内の液体の存在又は不在を検出することができ、また、液体中の血球を検出することができる。各センサー158は、赤外LED及び光検出器を含む光電セルを含んでもよい。ロータシャフト70の下部の周囲に取り付けられたスリップリングアレイを通じて、電力がセンサー158へと供給される。血液を成分部分に分離するプロセスにおいて、流体成分(例えば、血漿又は血小板)は、分離セル78の分離バッグ12からキャビティ154の成分バッグ14、16内へ絞り出される。センサー158は、血小板又は赤血球の存在を検出してもよい。これに応答して、コントローラ157は、新規状態が感知されたある特定のバッグセットの処理を中断又は変更してもよい。血液分離プロセスは異なる血液ユニットに対しては異なる速度で進行するため、異なるバッグ及びロータ上の異なる位置における流体の体積及び重量も異なる。キャビティ154中の成分バッグ14、16内へと移送された成分の重量が異なる場合、第2のバランス手段160はロータをバランスさせる。例えば、2つの供血のヘマトクリット値が同一であるが、体積が異なる場合、各供血から抽出された血漿体積も異なる。2つの供血の体積が同一であるが、ヘマトクリット値が異なる場合においても、同様である。第2のバランス手段は、バランスアセンブリ又はリング160を含み、より詳細には、2007年5月22日出願の米国特許出願第11/751,748号に記載され、この参照により、該米国特許出願は本明細書に組み込まれる。分離装置のバランス装置は、1つ又は2つのバランスアセンブリを備える。各バランスアセンブリは、ロータ回転軸を中心とし且つロータ回転軸に対して垂直な特定の円形軌道上において自由に移動することができる一連の高重量サテライト又はボールを含む。ハウジングは、球状の高重量サテライト(ボール)162用のコンテナを備える。これらの高重量サテライト(ボール)162は、円筒型の外輪(outer race)に収容される。この外輪においてボールは若干係合し、ロータが回転する際、この溝上においてボールが転がる。バランス手段160は、複数のボールを含む。ボールが相互に接触すると、ボールはリングの約180度の部分を占有する。バランス手段160はまた、ボールの移動に対して抵抗を与えるためのダンパー又はダンパー流体又はダンパー要素を備える。
【0033】
弁128、130、132のための弁ユニット170が図5、図6、図7、図8に図示される。弁ユニット170は、弁ハウジング172を備える。弁ハウジング172の底部はステッピングモーター174に取り付けられ、頂部は非導電性弁カバー176に取り付けられる。弁頭部136及び顎部138は、弁カバー176を貫通して突出する。「開放」位置又は「閉鎖」位置のいずれかにおいて、又は溶接が行われる場合、顎部138は溶接アンビル178の上方の中央に配置される。弁ハウジング172の側面上の位置センサー180は、ハウジング内部のシャフトアセンブリ182の垂直変位を感知し、この位置情報をコントローラ157へと通信する。シャフトアセンブリ182は、シャフト184を含む。シャフト184は、シャフト184の遠位端において、バネ式接続部186と係合し、シャフトの近位端において弁頭部136と係合する。アセンブリの近位端の近隣のカム及びベアリング188の組み合わせは、静止ピン192と係合するガイドスロット190を有する。スロットのらせん部194は、シャフト184がステッピングモーター174によって変位されるのにともない、頭部136及び顎部138を90度だけ回転させる。スロットの直線部196は、頭部136及び顎部138を回転させずに上方又は下方に平行移動させる。ベアリングとして、カムベアリング188はシャフト184を支持し、それにより、シャフトを上方及び下方に平行移動させ、回転させる。Oリングシール198により、弁ユニット170内への流体進入が防止される。
【0034】
バネ式接続部186は、感知表面202と長手方向スロット204を有するケーシング200を備える。感知表面202は位置センサー180と磁気接触する。長手方向スロット204はピン206と係合し、これによって接続部186が弁ハウジング172内において回転せずに上下移動することが可能となる。ケーシング200内にあり且つシャフト184を包囲するバネ208は、ケーシング200の上端210及びシャフト184の下端のワッシャ212に対して押圧する。ワッシャ下側のベアリング213により、シャフト184が回転可能となる。プランジャ214及びジョイント216は、ステッピングモーターを接続部186へと連結し、ステッピングモーターの動きを接続部186へと伝達する。接続部が下降すると、シャフト184は頭部136を下方に牽引し、頭部136の下降と共にカムベアリング188がシャフト184を回転させ、最初に顎部138を回転させ、その後、顎部がチューブと接触するまで、顎部が回転せずに下降する。この顎部がチューブと接触する位置を「開放」位置と呼ぶ。ステッピングモーターの作用によって接続部186がさらに下降すると、顎部がチューブを締め付け、チューブが閉鎖されて流体流れが阻止される。この作用により、バネ208が圧縮される。その後、高周波エネルギが顎部138及び電気的に接地された溶接アンビル178を通じて送られると、チューブが溶融し、密閉される。このプロセスにおいて、バネ208が伸張し、その結果、顎部と溶融するチューブとの接触を維持した状態で、顎部138は比較的一定の圧力によってアンビル178に向かって下降する。
【0035】
中央コア150’及び非対称マニホルド34’の他の実施形態を図9及び図10に示す。図10において、弁は上昇位置又は「装填」位置にある様子が図示されており、この位置において、バッグセットに関連づけられた非対称マニホルド及びチューブを装置内に迅速且つ正確に装填することが可能となる。非対称マニホルド34’の他の実施形態は、「F」字型構成を含む。この「F」字型構成は、分離又は全血バッグへと接続されたチューブである、チューブ18へ直接接続された半径方向中央硬質チューブ166’を含む。3つのスタブ168’、173’、175’が、チューブ32’、36’、46’へとそれぞれ接続される。スタブ175’は、チューブ46’へと接続し、そこから補助バッグ44へと接続する。スタブ175’は、チューブ166’に沿ってスタブ168’、173’の反対側に非対称に配置される。ここでも、マニホルドの非対称形状により、マニホルドは1方向のみにおいて中央コア150’上の成形された凹部内に取り付けることが可能である。その結果、バッグセットのチューブ18、32’、36’、46’のそれぞれが、適切な弁128’、130’、132’又はセンサー158へと確実に取り付けられる。この実施形態において、分離バッグ12を除く全てのバッグ14、16、38、44は分離セル78内に配置される。これには、上記実施形態において、中央ウェル部156に配置された洗浄溶液/廃棄用バッグ44が含まれている。
【0036】
本明細書中に記載の弁設計により、血液バッグ及び関連づけられたチューブ・バッグセットの装填及び取り外しが容易化されると考えられる。加えて、血液バッグ・チューブセットにおける非対称接合部により、バッグ・チューブセットが装置内へ装填されるときの間違いが抑制される。さらに、上述したような回転軸の近隣のロータ上にウェル部を設けて、比較的希少な血液成分(例えば、間充織幹細胞(MSC))の受容又は複数回使用することが可能な流体(例えば、洗浄溶液)の受容を行ってもよい。
【0037】
当業者であれば、本明細書中に記載の装置及び方法において種々の改変が可能であることは明白であろう。よって、本発明は本明細書中に記載の内容に限定されないことが理解されるべきである。すなわち、本発明は、改変及び変更を含むことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの体積に分けられた複合液体を少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離する装置であって、
回転軸(68)を中心として回転するように適合され、且つ流体的に相互接続されたバッグ(14、16)のセット(10)を受容するように適合された遠心分離機ロータ(64)であって、前記バッグセットは、少なくともある体積の複合液体を含む分離バッグ(12)と、少なくとも1つの成分バッグ(14、16)と、前記バッグ(14、16)に流体接続する複数のチューブ(18、32、36、46)と、前記チューブ(18、32、36、46)に流体接続する非対称マニホルド(34)とを有する、遠心分離機ロータ(64)と、
前記分離バッグ(12)を受容するように適合された、前記ロータ(64)上の少なくとも1つの分離セル(78)と、
少なくとも前記成分バッグ(14、16)を受容するように適合されたキャビティ(88)と、
前記相互接続されたバッグ(14、16)セットの部分間の流体流れを制御するように適合された複数の弁(128、130、132)と、
前記弁(128、130、132)の状態を制御する、前記弁(128、130、132)に電気的に接続されたコントローラ(157)と、
を備え、
前記弁(128、130、132)は、前記非対称マニホルド(34)が唯一の方向において受容されるように配置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、複数の分離セルをさらに備え、前記各分離セルは関連づけられたキャビティを有することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記ロータは、前記マニホルドを唯一の方向において受容するように成形された凹部をさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、複数の分離セルをさらに備え、前記各分離セルは関連づけられたキャビティを有することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記凹部は、前記マニホルドに接続された少なくとも3つのチューブを受容するように適合されることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、複数の分離セルをさらに備え、前記各分離セルは関連づけられたキャビティを有することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記凹部は、「E」字型形状を有することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、複数の分離セルをさらに備え、前記各分離セルは関連づけられたキャビティを有することを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、前記凹部は、「F」字型形状を有することを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、複数の分離セルをさらに備え、前記各分離セルは関連づけられたキャビティを有することを特徴とする装置。
【請求項11】
遠心分離機血液処理装置において血液を分離可能な成分へと処理するための使い捨てバッグ(12、14、16、44)セット(10)であって、前記セットは、
ある量の全血を受容するように適合された分離バッグ(12)と、
血液成分を受容するように適合された前記分離バッグ(12)と流体連通する少なくとも1つの成分バッグ(14、16)と、
前記バッグ(12、14、16、44)と流体接続する複数のチューブ(18、32、36、46)と、
前記チューブ(18、32、36、46)と流体接続する非対称マニホルド(34)と、
を備えるバッグセット。
【請求項12】
請求項11記載の装置において、前記マニホルドは硬質であることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項11記載の装置において、少なくとも3つのチューブは前記マニホルドに連結されることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項11記載のバッグセットにおいて、前記非対称マニホルドは「E」字型形状を有することを特徴とするバッグセット。
【請求項15】
請求項11記載のバッグセットにおいて、前記非対称マニホルドは「F」字型形状を有することを特徴とするバッグセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−512758(P2013−512758A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543116(P2012−543116)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/055906
【国際公開番号】WO2011/071634
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(507114521)テルモ ビーシーティー、インコーポレーテッド (39)
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
【Fターム(参考)】