説明

非接触充電器

【課題】余分な電力を送電しないで高効率な非接触充電器を提供することを目的とする。
【解決手段】ポータブル機器の二次電池への充電を制御する充電制御回路からの二次電池の充電状態を通信する機器通信部の情報を受信する充電器通信部を設け、この充電器通信部で得た情報によって入力部から供給される電力を無線送電部から無線送電する電力量を制御する制御回路を駆動制御するように構成し、非接触の充電中に必要電力量を置き台より前記ポータブル機器に送る際、前記充電制御回路より送った必要電力量情報と比較して基準値以下となる場合、異常と判断し充電を止めることが可能とした非接触充電器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非接触充電器の特にその制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の非接触充電器のブロック図を図4に示す。
【0003】
図4において、負荷405は充電制御装置406と二次電池407からなる。受電側制御装置408は二次電池407の過充電を検出する過充電検出回路409を含む。403は負荷変調部であり、受電装置402のID認証情報や検出した過充電を送電装置401に通信する。
【0004】
また、負荷405への電力制御は、給電制御部404によって必要な電力を適正に変換していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−11129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の非接触充電器では、ポータブル機器等に内蔵される受電部と充電回路との間のDC/DCコンバータやシリーズレギュレータ等の給電制御部が、二次電池に必要な電力を適正に変換するため、送電部からは余分な電力も送電し、電力ロスが大きいという課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の非接触充電器は、機器回路の電源としての二次電池に充電電力を供給する無線受電部を備えたポータブル機器に入力部から得た電力を無線送電部から無線送電するポータブル機器の置き台を備えた非接触充電器において、前記ポータブル機器の二次電池への充電を制御する充電制御回路からの二次電池の充電状態を通信する機器通信部の情報を受信する充電器通信部を設け、この充電器通信部で得た情報によって入力部から供給される電力を無線送電部から無線送電する電力量を制御する制御回路を駆動制御するように構成し、非接触の充電中に必要電力量を置き台より前記ポータブル機器に送る際、前記充電制御回路より送った必要電力量情報と比較して基準値以下となる場合、異常と判断し充電を止めることを特徴とする非接触充電器。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、高効率の制御を用いて電力を送ることが可能な非接触充電器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に示す非接触充電器の回路ブロック図
【図2】本発明の実施の形態2に示す非接触充電器の波形図
【図3】本発明の実施の形態3に示す非接触充電器の回路ブロック図
【図4】従来の非接触充電器のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
ポータブル機器の受電部を受電コイルとするとともに送電部を送電コイルとし、送電コイルから受電コイルへの無線送電を正弦波で行い、無線送電量を振幅電圧可変することで電力量を制御するようにしたことおよびポータブル機器に二次電池の情報を保存する電池メモリ部を有し、この電池メモリ部の情報を読出して機器通信部より充電器通信部に送信し、この送信情報に基づいて無線送電する電力量を決定し、制御回路で無線送電するようにした非接触充電で高効率に電力を送ることができるものである。
【0011】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における非接触充電器の回路ブロック図である。図1において、置き台10があり、非接触で電力伝送を行う。送電コイル101があり、電力を伝送する。ドライブ回路102があり、送電コイル101を正弦波でドライブする。
【0013】
DC/DCコンバータ103でドライブ回路102に電力を供給する。置き台用通信機104に置き台10で外部と非接触で通信を行う。
【0014】
置き台制御回路105で置き台用通信機104の情報をもとにDC/DCコンバータ103の制御を行う。DC入力107で外部からの電源を利用して置き台10に電力を供給する。
【0015】
ポータブル機器20で非接触で充電される。受電コイル201で送電コイル101より電力を受ける。整流回路202で充電コイル201に発生する正弦波を整流する。
【0016】
充電制御回路203でポータブル機器20内の小型二次電池を充電制御する。
【0017】
ポータブル機器用通信機204で置き台10の置き台用通信機104に制御信号を送る。ポータブル機器負荷205である。
【0018】
小型二次電池206であり、充電制御回路203より充電され、ポータブル機器20に電力を供給する。同図を用いて、本実施の形態における充電制御を詳細に説明する。
【0019】
充電制御回路203は小型二次電池206の電池電圧、充電電流、電池温度をもとに、充電に必要な電力量を想定し、ポータブル機器用通信機204、置き台用通信機104を通して置き台用制御回路105に小型二次電池に状態に応じた必要電力量情報を送る。
【0020】
置き台制御回路105はDC/DCコンバータ103とドライブ回路102を充電制御回路203から送られる必要電力量に調整を行うことにより、充電制御回路203に入力される電力を最適にすることにより余分な電力ロスが発生しない高効率な充電制御を実現するという特有の効果を有する。
【0021】
例えば、送電コイル101における想定の電力量を電圧10V、電流1A分と仮定すると10Wとなり、充電制御回路203で受ける電力量を測定する。
【0022】
現行のポータブル機器20と置き台10との組み合わせからくる構造上からのロス分を予め確定しておき、最適な組み合わせでの効率を80%ある場合とすると、電力のロス分が20%となり、想定した10Wの電力の場合では、8.0W分が充電制御回路203で受電することになるが、その基準値80%となる。
【0023】
この80%よりもさらに小さくなる場合、例えば、8.0W分からさらに10%、20%などの量でロスがあると、送電コイル101と受電コイル201との間に、異物が挟んでいる場合、または、送電コイル101と受電コイル201との距離が大きい場合などが考えられる。
【0024】
異物がある場合、そのまま継続して充電すると安全面での問題が発生する可能性があり、電力量のロスが大きい場合には、充電制御回路203から充電を止める指令を出して充電を停止させるようにする。
【0025】
また、その際、図2に示すとおり、置き台制御回路105からDC/DCコンバータ103の出力電圧を制御しドライブ回路102の供給電圧を可変することにより送電コイル101に供給される正弦波の振幅電圧(小)301であったり、正弦波の振幅電圧(大)302のようなに振幅の大小にように変えることにより、伝送電力量の調整が可能になり必要電力量のみ供給可能になる。
【0026】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における非接触充電器のブロック図である、実施の形態1と同じところ説明を省略する。207は必要電力量想定メモリで充電時の電池電圧や充電電流や電池温度のおのおのの状態において必要電力量をあらかじめ情報として保存している。
【0027】
送電電力用メモリ106で必要電力量想定情報に応じたDC/DCコンバータ103とドライブ回路102を制御する情報が保存してある。同図において本実施の形態における充電制御を詳細に説明する。
【0028】
充電時に充電制御回路203は小型二次電池206の電池電圧、充電電流、電池温度を検出し、その電池の状態にあった電力量情報を必要電力量想定メモリ207より呼び出し、ポータブル機器用通信機204と置き台用通信機104をとおして置き台制御回路105に必要電量情報を送る、置き台制御回路は必要電力量情報に基づき送電電力用メモリ106からDC/DCコンバータ103やドライブ回路102を制御する情報を入手し、DC/DCコンバータ103やドライブ回路102を制御することにより、送電コイル101から伝送する電力量を最適にし、高効率な充電制御を実現するという特有の効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明にかかる非接触充電器は、高効率に電力を送ることが可能になるので、非接触電力伝送を利用した充電器等として有用である。
【符号の説明】
【0030】
10 置き台
101 送電コイル
102 ドライブ回路
103 DC/DCコンバータ
104 置き台用通信機
105 置き台制御回路
106 送電電力用メモリ
107 DC入力
20 ポータブル機器
201 受電コイル
202 整流回路
203 充電制御回路
204 ポータブル機器用通信機
205 ポータブル機器負荷
206 小型二次電池
207 必要電力量想定メモリ
301 振幅電圧(小)
302 振幅電圧(大)
401 送電装置
402 受電装置
403 負荷変調部
404 給電制御部
405 負荷
406 充電制御装置
407 二次電池
408 受電側制御装置
409 過充電検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器回路の電源としての二次電池に充電電力を供給する無線受電部を備えたポータブル機器に入力部から得た電力を無線送電部から無線送電するポータブル機器の置き台を備えた非接触充電器において、前記ポータブル機器の二次電池への充電を制御する充電制御回路からの二次電池の充電状態を通信する機器通信部の情報を受信する充電器通信部を設け、この充電器通信部で得た情報によって入力部から供給される電力を無線送電部から無線送電する電力量を制御する制御回路を駆動制御するように構成し、非接触の充電中に必要電力量を置き台より前記ポータブル機器に送る際、前記充電制御回路より送った必要電力量情報と比較して基準値以下となる場合、異常と判断し充電を止めることを特徴とする非接触充電器。
【請求項2】
前記ポータブル機器の受電部を受電コイルとするとともに送電部を送電コイルとし、送電コイルから受電コイルへの無線送電を正弦波で行い、無線送電量を振幅電圧可変することで電力量を制御し、前記ポータブル機器に二次電池の情報を保存する電池メモリ部を有し、この電池メモリ部の情報を読出して機器通信部より充電器通信部に送信し、この送信情報に基づいて無線送電する電力量を決定し、制御回路で無線送電するようにした請求項1記載の非接触充電器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−217282(P2012−217282A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81460(P2011−81460)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】