説明

非接触充電用のコイル、そのコイルを備えるフィルム、そのコイルを備える成形品、そのコイルを備える電子機器、およびそのコイルを備えた成形品の製造方法

【課題】非接触充電を行う電子機器に非接触充電用のコイルを設けるにあたり、コイルを設けることによって起こる電子機器の意匠上の制約、すなわち外観デザインの自由度の低下を抑制する。
【解決手段】非接触充電に使用されるコイル14であって、銀のナノファイバー16を透明なバインダー樹脂18に分散してなる透明導電性材料20から作製されている。非接触充電に使用するコイル14が透明であるため、コイルが非透明である場合に比べて、コイルを設けることによって起こる電子機器の意匠上の制約、すなわち電子機器の外観デザインの自由度の低下を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触充電に使用するコイル、そのコイルを備えるフィルム、そのコイルを備える成形品、そのコイルを備える電子機器、およびそのコイルを備える成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、非接触の状態で給電側電子機器から受電側電子機器に送電する非接触充電方法が、例えば携帯電話や電動歯ブラシなどに採用されている。この非接触充電は、電磁誘導を利用した方法であって、受電側電子機器(例えば携帯電話)と給電側電子機器(例えば、携帯電話用の充電スタンド)のそれぞれにコイルを設け、給電側電子機器のコイルが発生した磁束によって受電側電子機器のコイルに起電力が生じることにより、給電側電子機器から受電側電子機器に送電する。このようなコイルとして、例えば特許文献1や2に記載するコイルがある。特許文献1や2に示すように、非接触充電に用いるコイルは、例えば、平坦なスパイラル(らせん)形状にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−173921号公報
【特許文献2】特開2009−158598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、非接触充電を行う電子機器は、非接触充電に使用するコイルによって意匠上の制約を受け、外観デザインの自由度が低くなることがある。充電効率を考慮するとコイルは電子機器の外面近くに設ける必要があり、そのために電子機器はコイルを考慮してデザインする必要がある。
【0005】
例えばコイルを見えないようにするために、特許文献1に記載するように、コイルは、樹脂膜(層)によって覆われて見えないようにされている。また例えば、コイルは、特許文献2が電池を収納するスペースを閉じる蓋の裏側にコイルを設けるように、電子機器の筐体の内面に設けられて見えないようにされている。このようにコイルを考慮することにより、電子機器のデザインは制約を受ける。
【0006】
そこで、本発明は、非接触充電用のコイルを設けることによって起こる電子機器の意匠上の制約、すなわち電子機器の外観デザインの自由度の低下を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、
非接触充電に使用されるコイルであって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料から作製された透明なコイルが提供される。
【0008】
また、本発明の第2の態様によれば、
非接触充電に使用されるコイルを備えるフィルムであって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料から作製された透明コイルをフィルムの表面に形成した、コイルを備えるフィルムが提供される。
【0009】
さらに、本発明の第3の態様によれば、
非接触充電に使用されるコイルを備える成形品であって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料から作製された透明コイルが表面に形成されたフィルムと、
コイルが形成されたフィルムが一体的に貼り付けられる成形品本体とを有する、コイルを備える成形品が提供される。
【0010】
さらにまた、本発明の第4の態様によれば、
透明コイルが成形品本体に対向した状態で、コイル担持フィルムが該成形品本体に一体的に貼り付けられた請求項3に記載のコイルを備える成形品が提供される。
【0011】
加えて、本発明の第5の態様によれば、
請求項3または4に記載の成形品と、
成形品のコイルと電気的に接続する電子部品とを有する電子機器が提供される。
【0012】
加えてまた、本発明の第6の態様によれば、
非接触充電に使用されるコイルを備える成形品の製造方法であって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料を用いて透明コイルをフィルムの表面に形成し、
透明コイルが形成されたフィルムを射出成形金型に固定し、
フィルムの一方の表面側に溶融樹脂を射出してフィルムが一体的に貼り付けられた成形品を作製する、コイルを備える成形品の製造方法が提供される。
【0013】
さらに加えて、本発明の第7の態様によれば、
透明コイルが形成されたフィルムを、完成品時の形状に成形した後に射出成形金型に固定する請求項6に記載のコイルを備える成形品の製造方法が提供される。
【0014】
さらに加えて、本発明の第8の態様によれば、
射出成形金型に固定したフィルムを加熱して軟化し、
軟化したフィルムを金型の一方の型の成形面に吸引して密着させ、
軟化したフィルムが一方の型の成形面に吸引密着した状態で、溶融樹脂をフィルムの密着していない表面側に射出する請求項6に記載のコイルを備える成形品の製造方法が提供される。
【0015】
さらに加えて、本発明の第9の態様によれば、
溶融樹脂をフィルムの透明コイルが形成された表面側に射出する請求項6から8のいずれか1項に記載のコイルを備える成形品の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、非接触充電に使用するコイルが透明であるため、コイルが非透明である場合に比べて、コイルを設けることによって起こる電子機器の意匠上の制約、すなわち電子機器の外観デザインの自由度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る、コイルを備えるフィルムを示す図である。
【図2】図1に示すフィルムの部分拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る、コイルを備える電子機器の図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、コイルを備える成形品の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る、コイルを備える成形品の製造方法を説明するための図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る、コイルを備える成形品の製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る、受電側電子機器(例えば、携帯電話などの携帯デバイス)に使用されるコイルを備えるシート状フィルム(以下、「コイル担持フィルム」と称する)を概略的に示している。また、図2は、図1に示すコイル担持フィルムの部分拡大断面図である。図1や図2に示すコイル担持フィルム10は、例えばフィルムインサート成形品(表面に一体的にフィルムが貼り付けられた成形品)に使用される。
【0019】
コイル担持フィルム10は、図1に示すように、基材フィルム12と、基材フィルム12の表面に形成された透明なコイル14とからなる。
【0020】
基材フィルム12は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂のシート状フィルムである。基材フィルム12は、後述するようにコイル担持フィルム10がフィルムインサート成形品に使用される場合、延伸性に優れた材料で作製されるのが好ましい。また、基材フィルム12は、透明または有色のいずれでもよいが、例えばコイル担持フィルム10がフィルムインサート成形品に使用され、且つ成形品本体を透けて見えるようにする場合は、透明なものが選択される。なお、基材フィルム12が有色である場合、絵柄や模様を備えてもよい。
【0021】
透明コイル14は、図2に示すように、多数の銀のナノファイバー16と、銀ナノファイバー16を保持する透明なバインダー樹脂18からなる透明導電性材料20によって形成されている。
【0022】
銀ナノファイバー16は、直径が例えば0.3〜300nmであって、長さが例えば0.1〜30μmの銀の極細短繊維であり、バインダー樹脂18内に分散されている。銀ナノファイバー16は、例えば、銀イオンを担持する前駆体の表面にプローブの先端から電圧または電流を印加し、このプローブの先端を前駆体から離れるように移動させることにより、前駆体から連続的に引き出されて作製される。
【0023】
バインダー樹脂18は、例えばアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの透明な樹脂である。なお、バインダー樹脂18は、後述するようにコイル担持フィルム10がフィルムインサート成形品に使用される場合、延伸性に優れた樹脂が好ましい。
【0024】
このバインダー樹脂18に分散する銀ナノファイバー16の分散量は、主に、透明導電性材料20に対して要求される透明性と導電性とによって決定される。
【0025】
透明導電性材料20の透明性は、実質的には、銀ナノファイバー16が小さいために、光がバインダー樹脂18内を銀ナノファイバー16に反射されるまたは吸収されることなく透過することにより実現される。しかし、銀ナノファイバー16の分散量が多すぎると、透明導電性材料20の透明性(透明度)は低下する。このように、透明導電性材料20の透明性は、透明バインダー樹脂18に対する銀ナノファイバー16の分散量によって決まる。
【0026】
透明導電性材料20の導電性は、バインダー樹脂18内の導電性の銀ナノファイバー16の分散量によって決まる。銀ナノファイバー16の分散量が多量であればあるほど透明導電性材料20の導電性は上がり、すなわち透明導電性材料20で作製された透明コイル14の抵抗が低くなる。これとは反対に、銀ナノファイバー16の分散量が少量であれば、透明導電性材料の導電性は下がり、透明コイル14の抵抗が高くなる。
【0027】
例えば、アクリル樹脂材料のバインダー樹脂から透明度90%、導電性絶縁抵抗値1×10Ωの透明導電性材料を作製する場合、バインダー樹脂100質量部あたり、銀ナノファイバーは6質量部だけ分散される。
【0028】
コイル14は、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などの印刷方法、またはインクジェット、ダイコータなどの塗布方法によって、上述の透明導電性材料20を基材フィルム12の表面にスパイラル(らせん)形状に印刷(塗布)することにより、形成される。なお、図1のコイル14の形状は、方形のスパイラルであるが、円形や楕円形のスパイラルであってもよい。また、コイル14の形状は、必要な磁束が発生するのであれば、スパイラル形状に限らず、例えばループ形状であってもよい。
【0029】
このような透明コイル14によれば、コイル14が設けられた電子機器の意匠性は、コイル14が設けられていない場合と同様に維持される。
【0030】
また、この透明コイル14は、実質的には樹脂であるので、後述において説明する図3および図4に示すように、透明導電性材料20と同様に透明な導電性材料であるITO(酸化インジウムスズ)から作製されたものに比べて可撓性に優れている。そのため、図3および図4に示すように、透明コイル14を湾曲させて曲面に設けることができる。
【0031】
次に、本発明の一実施形態に係る、コイルを備える成形品および電子機器について説明する。
【0032】
具体的には、本明細書で言う「コイルを備える成形品」は、非接触充電用のコイルを必要とする電子機器の筐体などとして使用される成形品であって、特には、上述のコイル担持フィルム10を使用して作製されたフィルムインサート成形品である。
【0033】
また、本明細書で言う「電子機器」は、コイルを介して非接触充電を行う電子機器であって、例えば、携帯電話などの携帯デバイス、電動歯ブラシであって、コイルと電気的に接続する電子部品、例えば二次電池などを有しているものを言う。
【0034】
図3は、本発明に係る電子機器を示している。図3に示す電子機器50は、コイル14を介して非接触充電を行う電子デバイスである。コイル14は、電子デバイス50の裏側の筐体部品52(充電時に、図示されていない充電スタンドと接触する部品)に内蔵されている。
【0035】
図4は、コイル14を内蔵する裏側筐体部品52の断面図である。この裏側筐体部品52は、コイル担持フィルム10が一体的に表面に貼り付けられたフィルムインサート成形品である。図4に示すように、フィルムインサート成形品(裏側筐体部品)52は、上述したコイル担持フィルム10と、表面にコイル担持フィルム10が一体的に貼り付けられた成形品本体54とからなる。なお、コイル担持フィルム10の貼り付け方法については後述する。
【0036】
図3に示すフィルムインサート成形品52では、コイル担持フィルム10の基材フィルム12として、透明なフィルムが選択されている。また、コイル14も上述したように透明な導電性材料20から作製されている。したがって、コイル担持フィルム10を介して成形品本体54が透けて見える。
【0037】
また、図3に示すように、フィルムインサート成形品52は、コイル14がコイル担持フィルム10の基材フィルム12と成形品本体54との間に位置するように作製されている。これにより、コイル14は、基材フィルム12によって保護されている。
【0038】
なお、この場合、基材フィルム12の厚さは、給電側電子機器のコイルと受電側電子機器(充電スタンド)のコイルとの間の距離が両コイルの間で短絡がおこらない最低限の距離になるような厚さに設定されている。
【0039】
ここからは、図4に示すフィルムインサート成形品52の製造方法について説明する。図5は、フィルムインサート成形品52の作製工程を概略的に示す図である。
【0040】
フィルムインサート成形品52は、射出成形によって作製される。まず、図5(A)に示すように、コイル担持フィルム10が、射出成形金型60の一方の型60aにクランプ装置(図示せず)によって固定される。このとき、コイル担持フィルム10は、コイル14が形成されている表面が他方の型60bに対向するように、一方の型60aに固定される。
【0041】
次に、射出成形金型60の一方の型60aに固定されているコイル担持フィルム10が、ヒータ(図示せず)によって加熱される。これにより、コイル担持フィルム10が軟化する。
【0042】
コイル担持フィルム10が十分に軟化すると、射出成形金型60の一方の型60aの成形面62で開口する複数の吸引孔64により、軟化したコイル担持フィルム10を一方の型60aの成形面62に吸引する。これにより、図4(B)に示すように、コイル担持フィルム10が一方の型60aの成形面62に密着して成形される。
【0043】
コイル担持フィルム10が射出成形金型60の一方の型60aの成形面62に密着すると、図4(C)に示すように、射出成形金型60が閉じられる。そして、他方の型60bに形成されたゲート66を介してキャビティ68に溶融した樹脂Pが射出される。すなわち、コイル担持フィルム10のコイル14側に溶融した樹脂Pが射出される。
【0044】
キャビティ68内の樹脂Pが硬化すると、図4(D)に示すように、射出成形金型60が開けられる。そして、余分なコイル担持フィルム10の部分を切り落とせば、図4に示すコイル14を備えるフィルムインサート成形品52が得られる。
【0045】
なお、コイルを備える成形品の製造方法は、図4に示す方法に限らない。
【0046】
例えば、コイル担持フィルム10を、射出成形金型に固定する前に、完成品(製品)時の形状に成形してもよい。例えば、射出成形金型に固定される前に、真空成形金型によってコイル担持フィルム10を成形してもよい。
【0047】
この場合、図6(A)に示すように、例えば真空成形金型(図示せず)によって成形されたコイル担持フィルム10を、射出成形金型160の一方の型160aに固定する。その後、図6(B)に示すように、射出成形金型160が閉じられ、他方の型160bに形成されたゲート166を介してキャビティ168に溶融した樹脂Pが射出される。キャビティ168内の樹脂Pが硬化すると、図6(C)に示すように、射出成形金型160が開けられる。そして、余分なコイル担持フィルム10の部分を切り落とせば、図4に示すコイル14を備えるフィルムインサート成形品52が得られる。
【0048】
また、別の方法として、射出成形金型に固定したシート状のコイル担持フィルム10に溶融した樹脂を射出し、この樹脂の熱と射出圧とによってコイル担持フィルム10を軟化して射出成形金型の成形面に密着させるようにしてもよい。
【0049】
本実施形態によれば、非接触充電に使用するコイル14が透明であるため、コイル14が非透明である場合に比べて、コイル14を設けることによって起こる電子機器50の意匠上の制約、言い換えると外観デザインの自由度の低下を抑制することができる。
【0050】
すなわち、本実施形態においては、図4を用いて説明すると、コイル14が透明でない場合、ココイル14によって成形品本体54が部分的に見えなくなる(あたかも、スパイラル形状の模様が描かれているように見える)。
【0051】
また、コイル14が透明でない場合、コイル14が透けて見えないように基材フィルム12を厚く有色のものにする必要がある。その結果、成形品本体54が見えなくなる。また、副次的なマイナスの作用として、基材フィルム12を厚くした分、電子機器50のコイル14と、充電スタンドのコイル(図示せず)との間の距離が大きくなり、充電効率が低下する。
【0052】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
【0053】
例えば、本発明に係る図1に示すような透明なコイル14は、受電側電子機器のみに限定されず、給電側電子機器にも使用可能である。また、非接触充電を行う受電側電子機器と給電側電子機器との両方に使用可能である。
【0054】
また、上述の実施形態の場合、図1に示すように、透明なコイル14は基材フィルム12の表面に形成されているが、本発明は、これに限らない。例えば、上述の透明導電性材料20を成形品の表面に直接塗布して透明なコイル14を該表面に形成することも可能である。
【0055】
さらに、上述の実施形態の場合、図1に示すコイル担持フィルム10は、射出成形によって成形品の表面に一体的に貼り付けられているが(フィルムインサート成形品のフィルムとして使用されているが)、接着剤を介在させて成形品に貼り付けてもよい。このとき、コイル担持フィルム10を介して成形品を透けて見えるようにする場合、透明な接着剤が使用される。
【0056】
さらにまた、上述の実施形態の場合、図4に示すように、コイル14は基材フィルム12と成形品本体54との間に配置されているが、すなわちフィルムインサート成形品52の内部に配置されているが、本発明はこれに限らない。コイル14は電子機器の外面上にあってもよい。ただし、受電側電子機器のコイルまたは給電側電子機器のコイルのいずれか一方は内部に配置される必要がある。受電側電子機器のコイルと給電側電子機器のコイルの両方が外面上に配置されていると、コイル同士が直接接触するからである。
【符号の説明】
【0057】
14 コイル
16 銀ナノファイバー
18 バインダー樹脂
20 透明導電性材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触充電に使用されるコイルであって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料から作製された透明なコイル。
【請求項2】
非接触充電に使用されるコイルを備えるフィルムであって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料から作製された透明コイルをフィルムの表面に形成した、コイルを備えるフィルム。
【請求項3】
非接触充電に使用されるコイルを備える成形品であって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料から作製された透明コイルが表面に形成されたフィルムと、
コイルが形成されたフィルムが一体的に貼り付けられる成形品本体とを有する、コイルを備える成形品。
【請求項4】
透明コイルが成形品本体に対向した状態で、コイル担持フィルムが該成形品本体に一体的に貼り付けられた請求項3に記載のコイルを備える成形品。
【請求項5】
請求項3または4に記載の成形品と、
成形品のコイルと電気的に接続する電子部品とを有する電子機器。
【請求項6】
非接触充電に使用されるコイルを備える成形品の製造方法であって、
銀のナノファイバーを透明なバインダー樹脂に分散してなる透明導電性材料を用いて透明コイルをフィルムの表面に形成し、
透明コイルが形成されたフィルムを射出成形金型に固定し、
フィルムの一方の表面側に溶融樹脂を射出してフィルムが一体的に貼り付けられた成形品を作製する、コイルを備える成形品の製造方法。
【請求項7】
透明コイルが形成されたフィルムを、完成品時の形状に成形した後に射出成形金型に固定する請求項6に記載のコイルを備える成形品の製造方法。
【請求項8】
射出成形金型に固定したフィルムを加熱して軟化し、
軟化したフィルムを金型の一方の型の成形面に吸引して密着させ、
軟化したフィルムが一方の型の成形面に吸引密着した状態で、溶融樹脂をフィルムの密着していない表面側に射出する請求項6に記載のコイルを備える成形品の製造方法。
【請求項9】
溶融樹脂をフィルムの透明コイルが形成された表面側に射出する請求項6から8のいずれか1項に記載のコイルを備える成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−216621(P2011−216621A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82461(P2010−82461)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】