説明

非接触式温度センサ

【課題】 本発明は、簡単な構成により、直射日光が当たったとしても、正確に温度を検出することができるようにした非接触式温度センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 透明板材の内側に配置され且つ上記透明板材から放射される遠赤外線を検出する遠赤外線受光部11と、上記遠赤外線受光部からの検出信号に基づいて、検出温度を演算する演算回路13と、から成る非接触式温度センサ10であって、上記遠赤外線受光部に隣接して配置され且つ上記遠赤外線受光部とほぼ同じ指向特性を備えた日射センサ12と、この日射センサからの検出信号に基づいて日射量を演算する増幅回路14と、上記演算回路からの検出温度及び上記増幅回路からの日射量に基づいて、補正温度を出力する制御回路15と、を備えるように、非接触式温度センサ10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス等の透明板材の温度を検出する非接触式温度センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のフロントガラス等のガラスの温度を検出する方法としては、接触式温度センサや非接触式温度センサが知られている。
接触式温度センサは、例えば特許文献1による湿度検出装置及び車両用空調装置における温度センサのように、温度センサ自体が温度を検出すべきガラスに対して直接に取り付けられている。
このため、ガラスの外側から温度センサが見えてしまい、外観見栄えが悪くなる。また、ガラスに直接に温度センサが取り付けられていることから、温度センサに応力が作用することになる。
【0003】
これに対して、ガラスに影響を与えない温度センサとしての非接触式温度センサ1は、例えば図8に示すように構成されている。
図8において、非接触式温度センサ1は、温度を検出すべきガラス2の内側に配置された遠赤外線センサとして構成されている。
即ち、非接触式温度センサ1は、より詳細には、ガラス2の内側に配置された遠赤外線受光部3と、演算回路4と、から構成されている。
これらの遠赤外線受光部3及び演算回路4は、回路基板5上に実装されている。
【0004】
上記遠赤外線受光部3は、公知の構成であって、ガラス2から放射される遠赤外線を検出して、検出信号を出力する。
上記演算回路4は、同様に公知の構成であって、上記遠赤外線受光部3からの検出信号に基づいて演算を行なって、検出温度Toを算出して出力する。
【0005】
このような構成の非接触式温度センサ1は、以下のように動作する。
まず、ガラス2の温度に対応してガラス2から放射される遠赤外線L1が上記遠赤外線受光部3に入射する。
これにより、上記遠赤外線受光部3は、この遠赤外線の強度に対応した検出信号を上記演算回路4に出力する。
【0006】
これを受けて、上記演算回路4は、上記演算回路4からの検出信号に基づいて演算を行ない、温度、即ち上記遠赤外線受光部3の温度、そしてガラス2の測定温度を算出し、検出温度Toとして出力する。
これにより、ガラス2の温度を検出することができる。
【0007】
また、特許文献2においては、遠赤外線検知器及び近赤外線検知器と、これらの検知器の検出信号により監視領域内の人体を検知するCPUと、周囲の環境温度を検出する温度センサと、CPUに対して基準設定温度を与える温度設定部とを備え、CPUが温度センサで検出された環境温度が基準温度以下の場合に両検知器の検出信号を有効として動作し、環境温度が基準温度を超えている場合には近赤外線検知器からの検出信号のみを有効として動作する、赤外線人体検知装置が開示されている。
このような赤外線人体検知装置によれば、監視領域の温度に影響されることなく、即ち夏場での検出不良がなく、また降雪や積雪及びその他の外乱光等により誤検知することがなく、人体を正確に検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−094380号公報
【特許文献2】特開平10−239450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した非接触式温度センサ1においては、自動車のフロントガラスや住宅の窓等の屋外に面したガラスの温度を検出する場合、遠赤外線センサの受光部に直接に太陽光が当たると、測定温度Toが高めに誤差を含むことになる。
即ち、太陽光Lに含まれる遠赤外線の多くはガラスを透過する際に反射または吸収されるが、一部の遠赤外線L2は透過して、遠赤外線センサに入射する。
【0010】
従って、遠赤外線センサには、温度測定すべきガラスから放射される遠赤外線L1に加えて、上述したガラスを透過する遠赤外線L2が入射する。これにより、遠赤外線センサへの遠赤外線の入射光量(L1+L2)が多くなる。
このため、演算回路4により算出される検出温度Toが高めとなり、ガラスを透過する遠赤外線L2の入射光量分だけ、高めの誤差が発生する。
【0011】
これに対して、特許文献2による赤外線人体検知装置においては、環境温度が基準温度を超えている場合には、遠赤外線検知器からの検出信号を無効にすることにより、近赤外線検知器からの検出信号のみで人体を検出するようになっている。
ここで、例えば直射日光が当たっているような周囲温度が高い場合に、近赤外線検知器からの検出信号のみによって、即ち近赤外線の変化により人体を検出している。従って、近赤外線の検出により人体を容易に且つ確実に検知することができるが、遠赤外線に関しては全く検出していないので、例えば温度を検出するには不適である。
【0012】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、直射日光が当たったとしても、正確に温度を検出することができるようにした非接触式温度センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は、本発明の第一の態様によれば、透明板材の内側に配置され且つ上記透明板材から放射される遠赤外線を検出する遠赤外線受光部と、上記遠赤外線受光部からの検出信号に基づいて、検出温度を演算する演算回路と、から成る非接触式温度センサであって、上記遠赤外線受光部に隣接して配置され且つ上記遠赤外線受光部とほぼ同じ指向特性を備えた日射センサと、この日射センサからの検出信号を増幅して日射量を生成する増幅回路と、上記演算回路からの検出温度及び上記増幅回路からの日射量に基づいて、補正温度を算出して出力する制御回路と、を備えていることを特徴とする、非接触式温度センサにより、達成される。
【0014】
この第一の態様では、ガラス等の透明板材の内側に配置された遠赤外線受光部が、この透明板材から放射される遠赤外線を検出する。そして、この遠赤外線受光部からの検出信号に基づいて、上記演算回路が検出温度を演算する。
ここで、上記透明板材を介して遠赤外線受光部に直射日光が当たると、上記日射センサが日光を検出する。そして、この日射センサからの検出信号に基づいて、上記増幅回路が日射量を生成する。
これにより、上記制御回路は、上記増幅回路からの日射量を参照して、上記演算回路からの検出温度を補正し、補正温度として出力する。
【0015】
従って、上記透明板材を介して上記遠赤外線受光部に直射日光が当たって、上記遠赤外線受光部が直射日光による遠赤外線をも検出したとしても、その直射日光による遠赤外線の上乗せ分が、上記日射量に基づいて修正される。
これにより、上記透明板材を介して上記遠赤外線受光部に直射日光が当たったとしても、上記制御回路が、直射日光の影響を受けない真の検出温度を演算して、出力する。
このようにして、本発明による非接触式温度センサによれば、遠赤外線受光部に直射日光が当たったとしても、透明板材から放射される遠赤外線によって、上記透明板材の温度を正確に測定することができる。
【0016】
本発明の第二の態様による非接触式温度センサは、前記第一の態様による非接触式温度センサにおいて、上記制御回路が、上記増幅回路からの日射量に対応して、上記演算回路からの検出温度を補正して、補正温度を生成することを特徴とする。
この第二の態様では、直射日光の日射量に対応して、検出温度が補正されることによって、正確な検出温度(補正温度)が得られる。
【0017】
本発明の第三の態様による非接触式温度センサは、前記第一または第二の態様による非接触式温度センサにおいて、上記日射センサが、近赤外線センサであることを特徴とする。
この第三の態様では、上記日射センサが直射日光のうち近赤外線成分を受光することによって、日射量に対応した検出信号を出力する。ここで、この近赤外線成分は、上記透明板材から放射される遠赤外線とは波長が異なる。従って、正確な日射量を演算することが可能となり、さらに検出温度の補正が高精度で行なわれて、より正確な検出温度(補正温度)が得られる。
【0018】
このようにして、本発明による非接触式温度センサによれば、上記遠赤外線受光部に透明板材を介して直射日光が当たったとしても、この直射日光による日射量のみが日射センサ及び増幅回路により生成される。
これにより、上記制御回路が、この日射量に基づいて、上記遠赤外線受光部及び演算回路により演算された検出温度を補正する。従って、直射日光の影響を排除して、正確な検出温度(補正温度)を生成することができるので、直射日光が当たっても、上記透明板材の正確な温度を測定することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成により、直射日光が当たったとしても、正確に温度を検出することができるようにした非接触式温度センサが提供され得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による非接触式温度センサの一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の非接触式温度センサにおける遠赤外線受光部及び日射センサを示す概略斜視図である。
【図3】図2の遠赤外線受光部及び日射センサの自動車のフロントガラス内側への設置例を示す概略図である。
【図4】フロントガラスからの遠赤外線の放射エネルギー特性及び図2の日射センサによる受光感度特性を示すグラフである。
【図5】図2の遠赤外線受光部による温度別の温度検出誤差を示すグラフである。
【図6】図5の温度別の温度検出誤差における近似的な傾きを示すグラフである。
【図7】図1の非接触式温度センサにおける制御回路による補正後の温度別の温度検出誤差を示すグラフである。
【図8】従来の非接触式温度センサの一例の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施形態を図1乃至図7を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
図1は、本発明による非接触式温度センサの一実施形態の構成を示している。
図1において、非接触式温度センサ10は、遠赤外線受光部11と、日射センサ12と、演算回路13と、増幅回路14と、制御回路15と、から構成されている。
【0023】
遠赤外線受光部11は、図8に示した従来の非接触式温度センサ1における遠赤外線受光部3と同様に、例えば公知の構成の遠赤外線センサから構成されており、温度を検出すべき自動車のフロントガラス(後述)の内側に配置される。
これにより、遠赤外線受光部11は、フロントガラスから放射される遠赤外線L1を受光し、その光量に応じた検出信号を出力する。
【0024】
上記日射センサ12は、上記遠赤外線受光部11とほぼ同じ指向特性を有する近赤外線センサ、例えばフォトダイオードから構成されている。
そして、上記日射センサ12は、上述した遠赤外線受光部11に隣接して配置されている。
これにより、上記日射センサ12は、ガラスから放射される遠赤外線L1に対しては感度が低く、ガラスを透過して入射する直射日光に対して高い感度を有するようになっている。
【0025】
上記遠赤外線受光部11及び日射センサ12は、図2に示すように、受光ユニット16として一体に構成されている。
そして、この受光ユニット16即ち上記遠赤外線受光部11及び日射センサ12は、例えば図3に示すように、自動車20のフロントガラス21の内側に、図示の場合には上記フロントガラス21の近傍でインストルメントパネル22上に配置されている。
【0026】
ここで、フロントガラス21の放射エネルギー特性及び日射センサ12の受光感度特性は、図4のグラフに示すようになっている。
即ち、フロントガラス21の放射エネルギー特性は、図4において、符号A1(ガラス温度−20℃),符号A2(ガラス温度0℃),符号A3(ガラス温度20℃),符号A4(ガラス温度40℃),符号A5(ガラス温度60℃),符号A6(ガラス温度80℃),符号A7(ガラス温度100℃),符号A8(ガラス温度120℃)で示すように、遠赤外線領域で高いエネルギー値を有し、ガラス温度に対応したエネルギー値を有していることが分かる。
【0027】
また、日射センサ12の受光感度特性は、図4において、符号Bで示すように、近赤外線領域に感度を有しており、フロントガラス21の放射エネルギー特性とは完全に波長が異なっている。
これにより、日射センサ12は、フロントガラス21から放射される遠赤外線の影響を受けることなく、直射日光(太陽光)のみを検出することができる。
【0028】
上記演算回路13は、図8に示した従来の非接触式温度センサ1における演算回路4と同様に、上記遠赤外線受光部11からの検出信号に基づいて演算を行なって、検出温度Toを算出する。
【0029】
上記増幅回路14は、上記日射センサ12からの検出信号を増幅することにより、日射量Isを生成する。
【0030】
上記制御回路15は、上記演算回路13からの検出温度To及び増幅回路14からの日射量Isに基づいて、直射日光の影響を排除した補正温度Dt2即ちガラス温度Tgを演算して、出力する。
【0031】
この制御回路15による検出温度Toの補正演算について、以下に説明する。
即ち、一般に、黒体の放射エネルギーEと熱力学温度Tの間には、
(数1) E=σT (シュテファン−ボルツマンの放射法則)
が成り立つ。
従って、温度測定すべきフロントガラス21から放射されるエネルギーをEg,誤差となるフロントガラス21を透過する遠赤外光のエネルギーをEsとし、真のガラス温度をTg,太陽光による温度検出誤差をTsとすると、
(数2) Eg+Es=σ(Tg+Ts)
となる。
この式を温度検出誤差Tsについて解くと、
(数3) Ts={(Eg+Es)/σ}-4−Tg
となる。
この式により、ガラス温度Tgが−20℃,0℃,20℃,40℃,60℃,80℃,100℃の場合について、それぞれ図5のグラフにおいて符号A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7で示すように表わされる。
図5のグラフから、各温度別の温度検出誤差Tsの傾きを求めると、図6に示すように、ガラス温度Tgが低いほど、温度検出誤差Tsが大きいことが分かる。
【0032】
図6のグラフを一次近似化するために、温度検出誤差Tsの補正のための補正係数βは、
(数4) β=aTo−bTo+c(Toは検出温度、a,b,cは定数)
により求められる。
従って、この補正係数βを使用して、遠赤外線受光部11及び演算回路13から得られた検出温度Toから、真のガラス温度Tgは、
(数5) Tg=To−β×Is(Isは日射量)
により得られる。
【0033】
本発明による非接触式温度センサ10は、以上のように構成されており、以下のように動作する。
即ち、自動車20のフロントガラス21の内側に配置された遠赤外線受光部11が、フロントガラス21から放射される遠赤外線を受光して、検出信号を演算回路13に出力する。
他方、上記日射センサ12が、フロントガラス21を透過して入射する直射日光を受光して、検出信号を増幅回路14に出力する。
【0034】
これにより、演算回路13は、遠赤外線受光部11からの検出信号に基づいて検出温度Toを算出し、また増幅回路14は、日射センサ12からの検出信号を増幅して、日射量Isを生成する。
【0035】
そして、上記制御回路15は、演算回路13からのガラス温度To及び増幅回路14からの日射量Isに基づいて、上記式5による演算を行なって、真のガラス温度(補正温度)Tgを算出する。
【0036】
このようにして、上記制御回路15が出力する真の補正温度Tgについて、各温度における温度検出誤差Tsに関して、図7のグラフにて符号Aで示すように、直射日光による影響がほぼ完全に排除されることになる。
従って、本発明による非接触式温度センサ10によれば、遠赤外線受光部11に対して自動車20のフロントガラス21を介して直射日光が当たっていたとしても、直射日光の影響を受けることなく、真のガラス温度(即ち補正温度)Tgを測定することが可能となる。
【0037】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、直射日光が当たったとしても、正確に温度を検出することができるようにした、極めて優れた非接触式温度センサを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
上述した実施形態においては、日射センサ12を構成する近赤外線センサとして、フォトダイオードが使用されているが、これに限らず、フロントガラス21から放射される遠赤外線の領域に感度を持たず、直射日光のみに対してのみ感度を有する近赤外線センサが使用されてもよいことは明らかである。
【0039】
また、上述した実施形態においては、温度を検出すべき透明板材として、自動車20のフロントガラス21の場合について説明したが、これに限らず、屋外で使用するガラス等の透明板材であれば、建物の窓ガラス等の温度を測定するための非接触式温度センサであってもよい。
【0040】
さらに、上述した実施形態においては、温度を検出すべき透明板材として、ガラスの場合について説明したが、これに限らず、ガラス以外の例えばプラスチック等の透明板材の温度を測定するための非接触式温度センサであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 非接触式温度センサ
11 遠赤外線受光部
12 日射センサ
13 演算回路
14 増幅回路
15 制御回路
16 受光ユニット
20 自動車
21 フロントガラス
22 インストルメントパネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明板材の内側に配置され且つ上記透明板材から放射される遠赤外線を検出する遠赤外線受光部と、上記遠赤外線受光部からの検出信号に基づいて、検出温度を演算する演算回路と、から成る非接触式温度センサであって、
さらに、上記遠赤外線受光部に隣接して配置され且つ上記遠赤外線受光部とほぼ同じ指向特性を備えた日射センサと、この日射センサからの検出信号を増幅して日射量を生成する増幅回路と、上記演算回路からの検出温度及び上記増幅回路からの日射量に基づいて、補正温度を算出して出力する制御回路と、を備えていることを特徴とする、非接触式温度センサ。
【請求項2】
上記制御回路が、上記増幅回路からの日射量に対応して、上記演算回路からの検出温度を補正して、補正温度を生成することを特徴とする、請求項1に記載の非接触式温度センサ。
【請求項3】
上記日射センサが、近赤外線センサであることを特徴とする、請求項1または2に記載の非接触式温度センサ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−223682(P2010−223682A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69760(P2009−69760)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】