説明

非接触給電設備

【課題】給電線に対する給電が停止するリスクを低減でき、変動する消費電力に応じて、最適な電力を供給することにより省エネを図ることを可能とし、停止中の電源装置を安全に取扱うことができる非接触給電設備を提供する。
【解決手段】給電線12に3台の電源装置31を送受電カプラ32を介して直列に接続し、各送電カプラ32Bの両端をそれぞれ短絡する短絡スイッチ38を備え、3台の受電カプラ32Aおよび給電線12からなる回路を、所定周波数fで直列共振回路に設定し、各送電カプラ32B、および電源装置31と送電カプラ32Bとの間を接続する線路からなる回路のインピーダンスを、所定周波数fで容量性リアクタンスに設定し、電源装置31を、給電線12へ流れる電流をフィードバックしながら前記線路からなる回路へ出力する電圧を制御することにより、所定周波数fの定電流を給電線へ出力する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置から電力供給対象に対して非接触で給電を行う非接触給電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような従来の非接触給電設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されている非接触給電設備は、電流位相を同期して電流を供給する複数の電源装置を給電線に直列接続し、給電中、電力供給対象の搬送台車の台数に応じて給電線に電源装置を投入し、搬送台車の台数に応じた電力を供給できるように構成されている。
またこの非接触給電設備は、給電設備全体を停止させることなく、電流装置と給電線との間を短絡手段により短絡することにより、給電中に何れかの電源装置だけを停止させる(切り離す)ことができるように構成され、運転中の電源装置のメンテナンスを行うことが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4100168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の非接触給電設備では、搬送台車の台数が許容台数を越えたときに、新たに電源装置を投入することにしており、搬送台車の負荷(走行用モータの回転数等)の変化により搬送台車の消費電力はリアルタイムに変化するため、搬送台車の台数の管理だけでは、電源装置を必要以上に給電線に投入してしまい、電力の無駄が発生する場合があった。
【0005】
また搬送台車側では、電源装置の状態とは無関係に電力が消費されているため、電源装置に不具合が生じた場合、直ちに搬送台車が電力不足に陥る恐れがあった。
【0006】
また他の電源装置から給電線へ電力の供給を行っている間、停止中の電源装置は、電源装置と給電線との間が短絡手段により短絡され、電気的には切り離されているが、停止中の電源装置と給電線との接続は機械的に維持されていることから、停止中の電源装置について安心してメンテナンスなどを行うことが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、給電線に対する給電が停止するリスクを低減でき、変動する消費電力に応じて、最適な電力を供給することにより省エネを図ることを可能とし、停止中の電源装置を安全に取扱うことができる非接触給電設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、給電線と、同期して前記給電線へ所定周波数の定電流を供給する複数の電源装置を備え、消費電力が変動する負荷へ前記給電線より非接触で給電する非接触給電設備であって、
前記各電源装置に対応して、前記給電線に直列に接続された受電カプラおよび前記電源装置に接続された送電カプラからなる送受電カプラを備え、前記各送受電カプラにそれぞれ、各送受電カプラに対応する電源装置を前記給電線より電気的に切り離す切離スイッチを備え、前記複数の受電カプラおよび前記給電線からなる回路を、前記所定周波数で直列共振回路に設定し、前記送電カプラ、および前記電源装置と送電カプラとの間を接続する電源線からなる回路のインピーダンスを、前記所定周波数で容量性リアクタンスに設定し、前記電源装置を、前記給電線へ流れる電流をフィードバックしながら前記電源線からなる回路へ出力する出力電圧を制御することにより、前記所定周波数の定電流を給電線へ出力する構成とし、前記各電源装置に前記負荷の消費電力の減少に応じて停止する順位を設定し、前記負荷の消費電力が減少すると、前記順位により停止対象の電源装置を決定し、この停止対象の電源装置に対応する前記切離スイッチを短絡することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、各電源装置はそれぞれ送受電カプラを介して給電線に直列に接続される。このとき、各電源装置の出力電流(定電流)は同期されていることにより、各電源装置の出力電流が互いに打ち消しあうことなく、各電源装置から負荷に電流を供給できる。また複数の電源装置により給電線へ給電することにより、異常が発生した電源装置を給電線より切り離しても、他の電源装置により、電流を供給し続けることができ、設備の信頼性を向上できる。
【0010】
また給電線が無負荷のとき、受電カプラを含めた給電線側回路のインピーダンスはゼロ(共振回路)であることにより、電源装置の出力電圧は、給電線へ供給する定電流に、電源線側の回路の容量性リアクタンスを乗算することにより求められる。この求めた出力電圧をもとに電源装置の出力電圧が制御される。すなわち、給電線に負荷が加わると、負荷は、電源装置には抵抗の増加として認識され、この抵抗に定電流を乗算して求める電圧を、各電源装置で分担して出力電圧を増加させることにより、定電流が維持される。実際には、給電線へ流れる電流をフィードバックし、この電流を定電流とするように出力電圧を制御することにより、定電流が維持される。なお、送電カプラを含めた電源線側の回路のインピーダンスが、ゼロであると(直列共振回路が形成されていると)、出力電圧は、無負荷の略ゼロVの状態から、抵抗と定電流を乗算して求める出力電圧まで、急激に増加させる必要があり、制御が困難となる。
【0011】
また負荷の消費電力が減少すると、順位に従って停止対象の電源装置が決定され、停止対象の電源装置に対応する切離スイッチが駆動され、これにより停止対象の電源装置が給電線より切り離され、電源装置を停止できる。なお、短絡しないで、停止対象の電源装置の出力電流を停止すると、送電カプラを含めた電源線側の回路の容量性リアクタンスが給電線の負荷となり、他の電源装置の出力電力が増加し、電源装置を切り離した意味がなくなる。
また送受電カプラの送電カプラを、受電カプラより機械的に切り離すことにより、電源装置を切り離すことができ、電源装置と給電線を保護できる。
【0012】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記負荷は複数の電力供給対象から構成されており、前記負荷の消費電力を、各電力供給対象の消費電力を加算して求め、求めた負荷の消費電力が、全電源装置の出力電力の所定の割合に達すると、各電力供給対象へ電力削減を指令することを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、各電力供給対象の消費電力を加算することにより、負荷の消費電力が求められ、負荷の消費電力が、全電源装置の出力電力の所定の割合に達すると、各電力供給対象へ電力削減を指令する。よって、負荷の消費電力が、全電源装置の出力電力の所定の割合を超えて過負荷になることが防止される。
【0014】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、各電源装置に、電源装置内の温度を検出する温度センサを設け、前記温度センサにより検出された温度が、電源装置が過負荷、あるいは過負荷に近づいたことにより達する温度より高くなると、各電力供給対象へ電力削減を指令することを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、電源装置が過負荷、あるいは過負荷に近づくと、発熱して温度が上昇し、これを温度センサにより検出すると、各電力供給対象へ電力削減を指令する。これにより、各電力供給対象の消費電力が減少され、過負荷の状態が解消され、電源装置が故障して給電線への電力の供給が突然遮断されることが防止され、設備の信頼性が向上する。
【0016】
また請求項4に記載の発明は、給電線と、同期して前記給電線へ所定周波数の定電流を供給する複数の電源装置を備え、消費電力が変動する負荷へ、記給電線より非接触で給電する非接触給電設備であって、
前記各電源装置に対応して、前記給電線に直列に接続された受電カプラおよび前記電源装置に接続された送電カプラからなる送受電カプラを備え、前記複数の受電カプラおよび前記給電線からなる回路を、前記所定周波数で直列共振回路に設定し、前記送電カプラ、および前記電源装置と送電カプラとの間を接続する電源線からなる回路を、前記所定周波数で直列共振回路に設定し、前記各電源装置は、フルブリッジに組まれたスイッチング素子、および各スイッチング素子に流れる電流と逆方向に電流が流れるよう各スイッチング素子の両端に接続されたダイオードを備え、供給される直流電流を、前記各スイッチング素子をそれぞれ駆動することにより前記所定周波数の定電流に変換して前記電源線へ出力する構成し、前記各電源装置に前記負荷の消費電力に応じて停止する優先順位を設定し、前記負荷の消費電力が減少すると、優先順位により停止する電源装置を決定し、停止する電源装置において、前記各スイッチング素子のうち前記直流電流のプラス側に接続される2つのスイッチング素子を駆動せず、直流電流のマイナス側に接続される2つのスイッチング素子を駆動することを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、電源装置を給電線から切り離すとき、各スイッチング素子のうち直流電流のプラス側に接続される2つのスイッチング素子を駆動せず、直流電流のマイナス側に接続される2つのスイッチング素子を駆動する。このように、スイッチング素子を駆動すると、送電カプラおよび電源線からなる回路は、直流電流のマイナス側に接続される2つのスイッチング素子およびこれらスイッチング素子の両端に接続されたダイオードにより、閉回路となり、給電線から所定周波数の定電流が流れる。このとき、前記電源線からなる回路のインピーダンスは、所定周波数でゼロであるので、給電線の負荷となることなく、電源装置は給電線より切り離される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の非接触給電設備は、次の効果を有している。
1.各電源装置はそれぞれ送受電カプラを介して給電線に直列に接続され、複数の電源装置により給電線へ給電できることにより、異常が発生した電源装置を給電線より切り離しても、他の電源装置により、電流を供給し続けることができ、設備の信頼性を向上できる。
2.変動する消費電力に応じて、電源装置を切り離す(スリープさせる)ことができ、最適な電力を供給しながら省エネを図ることができ、このとき定電流を維持でき、給電線側への影響を抑えることができる。
3.送受電カプラの送電カプラを、受電カプラより機械的に切り離すことにより、電源装置を給電線から電気的および機械的に切り離すことができ、電源装置のメンテナンスを安全に行うことができる。
4.電源線側の回路を容量性リアクタンスに設定することにより、降圧回路の出力電圧を制御して給電線の電流が一定になるようフィードバック制御するとき、増加する出力電圧は、容量性リアクタンスにより設定される出力電圧と比較して小さく、電圧制御を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における非接触給電設備の構成図である。
【図2】同非接触給電設備の回路構成図である。
【図3】同非接触給電設備の電源装置の電源制御装置の定電流制御ブロック図である。
【図4】同非接触給電設備の電源装置の起動/停止手順を示すフローチャートである。
【図5】同非接触給電設備の他の回路構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2における非接触給電設備の回路構成図である。
【図7】非接触給電設備の電源装置の停止時の電流の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
【0021】
図1は、実施の形態1における非接触給電設備の構成図であり、複数の搬送台車(電力供給対象の一例)11に非接触で給電する設備であり、搬送台車11が走行する経路に沿って、所定周波数f(たとえば10kHz)の定電流が供給される給電線12が敷設されている。
【0022】
[搬送台車]
搬送台車11には、図2に示すように、給電線12により起電力が誘起される受電コイル21が設けられ、この受電コイル21に受電ユニット22が接続され、この受電ユニット22にインバータ23を介して、搬送台車11を走行するための走行用モータ(消費電力が変動する負荷の一例)24が接続され、受電コイル21に誘導される起電力により走行用モータ24へ給電している。また搬送台車11には、搬送台車11の走行を制御するコントローラ(台車コントローラ)25が設けられ、この台車コントローラ25からの指令によりインバータ23が駆動され、搬送台車11の走行が制御されている。また台車コントローラ25は、通信装置26を備えており、後述する地上制御装置28の通信装置29との間で通信を行うことにより、地上制御装置28から搬送台車11の移動先(例えば、ステーション)や電力下げ指令(後述する)が受信され、地上制御装置28へ搬送台車11の状態の一例として、インバータ23からフィードバックされる消費電力を送信している。また台車コントローラ25は、前記電力下げ指令を入力すると、走行用モータ24の回転数を下げたり、停止したりして消費電力を下げる制御を実行する。
【0023】
[給電線12等]
前記給電線12には、図1に示すように、複数(実施の形態1では3台)の同一の電源装置31が、送受電カプラ32を介して直列に接続されており、これら電源装置31から給電線12に所定周波数fの定電流が供給されるように構成されている。以下、詳細に説明する。
【0024】
前記送受電カプラ32は、機械的に接続される受電カプラ32Aと送電カプラ32Bから構成され、これら受電カプラ32Aと送電カプラ32Bの巻数比は1対1としている。
また給電線12には、インピーダンスを調整するリアクトル33とコンデンサ34が直列に接続され、3台の受電カプラ32Aと給電線12とリアクトル33とコンデンサ34が直列に接続された回路は、所定周波数fで直列共振回路に形成されている。
【0025】
また各送電カプラ32Bと電源装置31との間を接続する電源線35に、インピーダンスを調整するコンデンサ36およびリアクトル37が直列に接続され、これら送電カプラ32Bとコンデンサ36とリアクトル37が直列に接続された回路の所定周波数fでのインピーダンスは、所定の容量性リアクタンスに調整(設定)されている。また送電カプラ32Bの両端に、両端を短絡する短絡スイッチ38が接続されている。また短絡スイッチ38より電源装置31側に、作業者の手動操作により送電カプラ32Bおよび短絡スイッチ38を切り離す手動スイッチ(断路器)39が設けられている。この手動スイッチ39は、常時は閉の状態とされている。上記短絡スイッチ38により、各送受電カプラ32にそれぞれ設けられ、各送受電カプラ32に対応する電源装置31を給電線12より電気的に切り離す切離スイッチが構成されている。
【0026】
また前記地上制御装置28とともに同期信号発生装置40が設けられており、この同期信号発生装置40は、各電源装置31へ所定周波数fの同期信号を出力している。
【0027】
[地上制御装置28]
地上制御装置28は、通信装置29を備え、次の機能を有している。なお、地上制御装置28には、予め、各電源装置31をスリープする順位(停止する順番)が設定され、また全電源装置31で供給可能な電力が設定されている。また各搬送台車11から通信装置29を介して消費電力を入力しており、これら消費電力を加算して全搬送台車11が消費している電力を求めている。また各電源装置31から、計測している降圧回路45の出力電圧(後述する)と、装置内温度が予め設定された温度以上となったときの温度異常信号(後述する)を入力している。
【0028】
(1)入力している電源装置31の降圧回路45の出力電圧が、予め設定された電圧まで下降すると(定電流が供給されている給電線12により消費される電力が低下すると、各電源装置31の出力電圧は低下する)、電源装置31の台数が多く、1台のスリープできると判断し、スリープする順位にしたがって停止する電源装置31を決定し、決定した電源装置31ヘ切り離し指令を出力する。
【0029】
(2)1台または2台の電源装置31がスリープしている状態で、入力している降圧回路45の出力電圧が、予め設定された電圧まで上昇すると(定電流が供給されている給電線12により消費される電力が増加すると、各電源装置31の出力電圧は上昇する)、あるいは給電中(運用中)の電源装置31より、後述する温度異常信号を入力すると、電源装置31の台数が不足し、スリープ中の電源装置31を投入する必要があると判断し、スリープしていた電源装置31へ投入指令を出力する。
【0030】
(3)全搬送台車11で消費されている電力が、全電源装置31が供給可能な電力に近い電力(所定の割合の電力;閾値電力)に近づいているかどうかを判断し、閾値電力を越えると、各搬送台車11に対して、通信装置29を介して、消費電力を下げる“電力下げ指令”を出力する。搬送台車11の台車コントローラ25は通信装置26を介してこの“電力下げ指令”を入力すると、例えば、走行速度を低下し、あるいは停止し、消費電力を低下させる。
【0031】
[電源装置]
電源装置31には、図2に示すように、電源装置31へ給電する交流電源41が接続されており、電源装置31は、交流電源41の接続・切り離しを行う電磁遮断器からなる投入スイッチ42と、投入スイッチ42を介して入力された交流電源41の交流電流を直流電流に変換する整流器(全波整流器)43と、起動・停止回路44と、整流器(全波整流器)43から起動・停止回路44を介して印加される直流電圧(例えば、297V)を降圧する降圧回路45(定格電圧は、例えば240V)と、同期信号発生装置40より所定周波数fの同期信号が入力されるインバータ46と、電源制御装置47から構成されている。このような構成により、フィードバックされる給電線12の電流に基づいて、降圧回路45からインバータ46へ出力される直流電圧(母線電圧)を制御することにより、給電線12の電流が一定になるようフィードバック制御され、インバータ46により同期して所定周波数fの電流(交流電流)へ変換されて給電線12へ出力される(詳細は後述する)。また電源装置31内には、温度センサ48が設置され、検出された温度のデータが電源制御装置47へ入力されている。
【0032】
前記起動・停止回路44は、整流器43と降圧回路45との間に直列に接続される突入抵抗51およびコイル(リアクトル)52と、前記突入抵抗51を短絡する起動コンダクタ53と、突入抵抗51およびコイル52の接続点と整流器43との間に直列に接続されている放電抵抗54および停止コンダクタ55から構成されている。
【0033】
前記降圧回路45は、起動・停止回路44の出力に並列に接続された入力コンデンサ61と、起動・停止回路44とインバータ46との間に直列に接続された降圧用スイッチング素子62およびコイル63と、降圧用スイッチング素子62とコイル63との接続点にカソードが接続されたダイオード65と、コイル63とインバータ46との接続点に一端が接続され、インバータ46に並列に接続された出力コンデンサ67と、前記降圧用スイッチング素子62をパルス制御する降圧コントローラ68から構成されている。
【0034】
降圧コントローラ68は、電源制御装置47からの指令に応じて、降圧用スイッチング素子62をパルス制御して、印加される直流電圧、例えば、297Vを、280V〜200Vの範囲(定格電圧は、例えば240V)で降圧させてインバータ46へ出力する。これにより、給電線12の電流が一定になるようフィードバック制御される(詳細は後述する)。電源制御装置47からの指令が、“電圧上げ指令”のとき、徐々に降圧用スイッチング素子62へ出力するパルスのオン時間を増して出力電圧を上昇させ、逆に“電圧下げ指令”のとき、徐々に降圧用スイッチング素子62へ出力するパルスのオン時間を減らして出力電圧を下降させ、いずれの指令も入力していないとき、パルスのオン時間を一定と維持して、出力電圧を一定に維持する。また降圧用スイッチング素子62に異常が発生して降圧制御が不可能となると、電源制御装置47へ異常信号を出力する。
【0035】
前記インバータ46は、フルブリッジに組まれたIGBTからなるスイッチング素子71と、各スイッチング素子71に流れる電流と逆方向に電流が流れるよう各スイッチング素子71の両端に接続されたダイオード72と、インバータコントローラ73から構成されている。
【0036】
インバータコントローラ73は、電源制御装置47から起動指令を入力すると、同期信号発生装置40から入力した所定周波数fの同期信号に同期して矩形波のゲート信号を出力し、直流電流のマイナス側に接続された下段側の2つのスイッチング素子71を180度ずつ導通させ、直流電流のプラス側に接続された上段側の2つのスイッチング素子71をほぼ120度の導通状態に制御する。この制御によって、直流電流は同期して所定周波数fの交流電流に変換され給電線12に給電される。このようにインバータ46は、パルス幅(duty)が一定に制御され、直流電流を所定周波数fの電流に変換する機能を果している。また電源制御装置47から停止指令を入力すると、スイッチング素子71の駆動を停止して電流の出力を停止する。またスイッチング素子71に異常が発生して周波数制御が不可能となると、電源制御装置47へ異常信号を出力する。
【0037】
電源制御装置47には、地上制御装置28の通信装置29とデータ通信を行う通信装置75が設けられ、電源制御装置47は、降圧回路45の出力電圧と、給電線12に流れる電流とを計測しており、温度センサ48から入力される温度データにより装置内温度が予め設定された温度(スイッチング素子62,71が過負荷、あるいは過負荷に近づいたことによって発熱し上昇する温度)以上となっているかどうかを監視している。そして、地上制御装置28へ、計測している降圧回路45の出力電圧を送信し、また装置内温度が予め設定された温度以上となったときに温度異常信号を送信し、逆に地上制御装置28から、給電線12への投入指令、および給電線12からの切り離し指令を受信している。
【0038】
電源制御装置47は、出力電流を定電流に制御する定電流制御機能と、電源装置31を給電線12へ投入し、給電線12から切り離す投入・切り離し機能を有している。
【0039】
定電流制御機能は、図3に示すように、給電線12の電流に応じて電源装置31の出力電圧を制御する。すなわち、目的の定電流(例えば、80A)からフィードバックされてきた給電線12に流れる電流を減算して偏差eを求め、この偏差eが、プラスα(正のゼロに近い定数)以上で、且つ降圧回路45の出力電圧が下限電圧(例えば、200V)以上のときに、上記“電圧下げ指令”を降圧回路45へ出力し、また偏差eが、マイナスα以下で、且つ降圧回路45の出力電圧が上限電圧(例えば、280V)以下のときに、上記“電圧上げ指令”を降圧回路45へ出力する。これにより、上述したように、降圧回路45の出力電圧を制御することにより給電線12の電流が一定になるようフィードバック制御される。
また投入・切り離し機能を、図4に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0040】
「投入時」
投入以前は、降圧回路45とインバータ46のスイッチング素子62,71は駆動されずにOFF状態にあり、投入スイッチ42は開状態、起動・停止回路44の起動コンダクタ53は開状態、停止コンダクタ55は開状態とされ、さらに短絡スイッチ38は閉状態(短絡状態)とされている。なお、手動スイッチ39は常時、閉状態とされている。
【0041】
このような状態で、電源制御装置47は地上制御装置28より上記投入指令を入力すると(ステップ−A1)、電源制御装置47は、まず投入スイッチ42を閉として交流電源41を接続する(ステップ−A2)。このとき、起動コンダクタ53は開状態であるので、突入抵抗51により突入電流が抑制されている。次に、投入スイッチ42の駆動から所定時間後に起動コンダクタ53を閉とし、突入抵抗51を短絡する(ステップ−A3)。
【0042】
続いて、降圧コントローラ68へ起動指令を出力し(ステップ−A4)、次に上記定電流制御機能により、上記電圧上げ指令、電圧下げ指令を出力して、降圧回路45の降圧用スイッチング素子62を駆動する(ステップ−A5)。これにより給電線12に流れる電流が得られるよう降圧回路45の出力電圧(母線電圧)が制御される。
【0043】
続いて、インバータ46のインバータコントローラ73へ起動指令を出力してスイッチング素子71を駆動する(ステップ−A6)。インバータコントローラ73により、上述したように、所定周波数fの電流が電源線35へ出力される。
続いて、短絡スイッチ38を開状態として、電源装置31を送受電カプラ32を介して給電線12へ投入する(ステップ−A7)。
【0044】
「切り離し停止時」
電源制御装置47は地上制御装置28より上記切り離し指令を入力すると(ステップ−B1)、まず短絡スイッチ38を閉状態(短絡状態)として、電源装置31を給電線12から電気的に切り離す(ステップ−B2)。
【0045】
続いて、インバータ46のインバータコントローラ73へ停止指令を出力してスイッチング素子71の駆動を停止し(ステップ−B3)、降圧コントローラ68へ停止指令を出力して降圧用スイッチング素子62を停止する(ステップ−B4)。
【0046】
続いて、投入スイッチ42を開として交流電源41から切り離し(ステップ−B5)、次に、停止コンダクタ55を閉として、放電抵抗54により電源装置31に蓄積されている電荷を消費し(ステップ−B6)、続いて起動コンダクタ53を開状態として(ステップ−B7)、終了する。
また降圧コントローラ68またはインバータコントローラ73から、異常信号を入力すると、地上制御装置28へ異常停止信号を出力する。
【0047】
上記構成による作用を説明する。
今、直列な3台の電源装置31により、給電線12へ所定周波数fの定電流(例えば、80A)が給電されているとする。このとき、各電源装置31の出力電流(定電流)は同期されていることにより、各電源装置31の出力電流が互いに打ち消しあうことなく、各電源装置31から搬送台車(負荷)11に電流を供給できる。
【0048】
また電源装置31の出力電圧は、給電線12が無負荷のとき(搬送台車11が受電していないとき)には、受電カプラ32Aを含めたインピーダンスはゼロ(共振回路)であるから、電源装置31の出力電圧は、給電線12へ供給する定電流に、電源線35側の回路に設定された容量性リアクタンスを乗算することにより求められ、高い電圧(例えば、240V)に設定される。そして、給電線12に負荷が加わると(搬送台車11が受電を開始すると)、負荷は、電源装置31には抵抗の増加として認識され、この抵抗に定電流を乗算して求める電圧を、各電源装置31で分担して出力電圧を増加させることにより、定電流が維持される。すなわち、上記定電流制御機能により、降圧回路45の出力電圧を制御することにより給電線12の電流が一定になるようフィードバック制御される。このとき、増加する出力電圧は、容量性リアクタンスにより設定される電圧と比較して小さく、電圧制御が容易となる。また運転中の電源装置31は分担して同じ電力を供給していることから降圧回路45の出力電圧は同じとなる。
【0049】
なお、電源線35側のインピーダンスが、ゼロであると(直列共振回路が形成されていると)、出力電圧は、無負荷の略ゼロVの状態から、抵抗と定電流を乗算して求める出力電圧まで、急激に増加させる必要があり、制御が困難となる。
【0050】
また負荷の消費電力に応じて、すなわち降圧回路45の出力電圧により、3台の電源装置31のうち運転する台数が決定され、降圧回路45の出力電圧が低くなると(負荷の消費電力が減少すると)、スリープの順位に従って停止対象の電源装置31が決定され、停止対象の電源装置31に切り離し指令が出力される。これにより停止対象の電源装置31の短絡スイッチ38が短絡され、停止対象の電源装置31が給電線12より切り離され、電源装置31がスリープする。すると、このスリープした電源装置31の分だけ給電線12への印加電圧が減少して給電線12の電流値は下がるので、残りの電源装置31の降圧回路45の出力電圧(母線電圧)はフィードバック制御で上昇し、定電流が維持される。
【0051】
なお、電源装置31に異常が発生すると、短絡スイッチ38が短絡され、給電線12より切り離され、電源装置31は異常停止する。このとき、同様に、停止した電源装置31の分だけ給電線12への印加電圧が減少して給電線12の電流値は下がるので、残りの電源装置31の降圧回路45の出力電圧(母線電圧)はフィードバック制御で上昇し、残りの電源装置31により給電線12へ供給する電力のバックアップが実行され、また残りの電源装置31の出力電力が不足するようであれば、搬送台車11へ“電力下げ指令”が出力され、給電線12の負荷を下げることで、残りの電源装置31が過負荷となり電力を供給できなくなる恐れを解消している。
【0052】
なお、短絡しないで、停止対象の電源装置31の出力電流を停止すると、送電カプラ32Bを含めた電源線35側の容量性リアクタンスが給電線12の負荷となり、その分だけ他の電源装置31の出力電力が増加し、電源装置31をスリープさせた意味がなくなる。
【0053】
また逆に、降圧回路45の出力電圧が高くなると(負荷の消費電力が増加すると)、スリープしていた電源装置31に投入指令が出力される。これによりスリープしていた電源装置31は、同期した所定周波数fの定電流を発生させたのち、短絡スイッチ38が開放され、電源装置31が給電線12に投入される。すると、新たに投入された電源装置31の分だけ給電線12への印加電圧が増加して給電線12の電流値は上がるので、残りの電源装置31の降圧回路45の出力電圧(母線電圧)はフィードバック制御で下降され、定電流が維持される。
【0054】
また電源装置31内の温度により過負荷となっていないかどうかが監視されており、過負荷と判断されると、スリープしている電源装置31がある場合は、スリープしていた電源装置31に投入指令が出力される。またスリープしている電源装置31が無い場合は、搬送台車11へ“電力下げ指令”が出力され、給電線12の負荷が下げられる。
また全搬送台車11の消費電力が、前記閾値電力を超えると、搬送台車11へ電力下げ指令が出力され、給電線12の負荷が下げられる。
【0055】
また送受電カプラ32の送電カプラ32Bと受電カプラ32Aは、機械的に切り離すことができることにより、作業者は、電源装置31と給電線12を、任意に機械的に完全に切り離すことができる。
【0056】
また電源装置31のメンテナンス時には、電源装置31をスリープ状態(短絡スイッチ38は短絡状態)として、作業者が手動スイッチ39を開操作することにより、電源装置31は、給電線12と電気的および機械的に切り離され、メンテナンスが安全に行われる。
【0057】
以上のように本実施の形態1によれば、3台の電源装置31により給電線12へ給電していることにより、1台の電源装置31に異常が発生しても、他の2台でバックアップでき(電力が不足するときは、搬送台車11で電力下げ指令が出力される)、給電線12が停電するリスクを低減できる。また、変動する消費電力に応じて、電源装置31をスリープさせることにより、最適な電力を供給しながら省エネを図ることができ、このとき残りの電源装置31により、定電流を維持でき、給電線12の電流変動を防止できる。
【0058】
また本実施の形態1によれば、電源線35側の回路を容量性リアクタンスに設定することにより、降圧回路45の出力電圧を制御することにより給電線12の電流が一定になるようフィードバック制御されるとき、増加する出力電圧は、容量性リアクタンスにより設定される電圧と比較して小さく、電圧制御を容易とすることができる。
【0059】
また本実施の形態1によれば、電源装置31内の温度により過負荷となっていないかどうかが監視され、スリープしている電源装置31がある場合は、スリープしていた電源装置31に投入指令が出力され、またスリープしている電源装置31が無い場合は、搬送台車11へ電力下げ指令が出力されることにより、給電線12の負荷を下げることができ、よって電源装置31の過負荷を解消することができる。
【0060】
また本実施の形態1によれば、全搬送台車11の消費電力が、前記閾値電力を超えると、搬送台車11へ“電力下げ指令”が出力されることにより、給電線12の負荷を下げることができ、よって電源装置31が過負荷となり電力を供給できなくなる恐れを解消できる。
【0061】
また本実施の形態1によれば、送受電カプラ32の送電カプラ32Bを、受電カプラ32Aより機械的に切り離すことにより、電源装置31を給電線12から機械的に緊急に完全に切り離すことができ、これにより、電源装置31あるいは給電線12に何らかの異常が発生した、あるいは発生する恐れがあるとき、互いを保護でき、また電源装置31のメンテナンスを安全に行うことができる。
【0062】
また本実施の形態1によれば、スリープした電源装置31(短絡スイッチ38は短絡状態)の手動スイッチ39を作業者が開操作することにより、電源装置31を電気的および機械的に切り離すことができ、電源装置31のメンテナンスを安全に行うことができる。
【0063】
なお、本実施の形態1では、電源装置31を給電線12より電気的に切り離す切離スイッチとして、図5(a)に示すように、送電カプラ32Bの両端に、両端を短絡する短絡スイッチ38を設けているが、このような短絡スイッチ38に代えて、図5(b)に示すように、受電カプラ32Aに第3次巻線に相当するコイル77を巻き、その両端を短絡する短絡スイッチ38’を設けるようにしてもよい。
この短絡スイッチ38’は、電源装置31より給電線12へ給電しているときは開状態(開放状態)とされており、電源制御装置47は地上制御装置28より上記切り離し指令を入力すると、この短絡スイッチ38’を閉状態(短絡状態)として、前記コイル77の両端を短絡する。これにより、送電カプラ32Bと受電カプラ32Aとの間に形成されていた磁路が遮断され、よって電源装置31を給電線12から電気的に切り離さすことができる。また短絡スイッチ38’が開放されているとき、送電カプラ32Bと受電カプラ32Aとの間に磁力が発生しており、送電カプラ32Bを受電カプラ32Aから引き外すには強い力が必要であるが、短絡スイッチ38’が短絡されると受電カプラ32Aで磁力がなくなるので、送電カプラ32Bを取り外しやすくできる。
また図5(c)に示すように、上記短絡スイッチ38と短絡スイッチ38’をともに設けるようにすることもしてもよい。
【0064】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2の非接触給電設備は、図6に示すように、上記実施の形態1における、短絡スイッチ38および手動スイッチ39を不要とし、さらに送電カプラ32Bとコンデンサ36とリアクトル37が直列に接続された回路を、所定周波数fで直列共振回路(インピーダンスをゼロ)としている。
【0065】
そして、電源装置31を給電線12から切り離すとき、短絡スイッチ38を短絡することに代えて、インバータコントローラ73によりインバータ46の各スイッチング素子71のうち直流電流のプラス側に接続された上段の2つのスイッチング素子71を導通せず、直流電流のマイナス側に接続された下段の2つのスイッチング素子71を、同期信号に合わせて180゜の導通状態に制御する。このように、スイッチング素子71を駆動すると、図7に示すように、降圧回路45からの電流の流入は無く、送電カプラ32Bとコンデンサ36とリアクトル37が直列に接続された回路は、直流電流のマイナス側に接続される2つのスイッチング素子71およびこれらスイッチング素子71の両端に接続されたダイオード72により、閉回路に形成され、給電線12から所定周波数fの定電流が流れる。このとき、この回路インピーダンスは、所定周波数fでゼロであるので、給電線12の負荷となることなく、電源装置31を切り離すことができる。
他の構成、作用は実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0066】
以上のように、実施の形態2によれば、短絡スイッチ38を設ける必要を無くすことができる。また送受電カプラ32の送電カプラ32Bを、受電カプラ32Aより機械的に切り離すとき、電源線35側の回路のインピーダンスは、所定周波数fでゼロであるので、給電線12側の負荷の上昇は最小限に抑えられ、他の電源装置31から電力を補充することなく、電源装置31を切り離すことができる。
【0067】
なお、上記実施の形態1,2では、降圧回路45により、定電流制御を実行しているが、インバータ46により、定電流制御を実行することも可能である。
このとき、インバータコントローラ46へ、給電線12に流れる電流をフィードバックし、定電流となるように、各スイッチング素子71のパルス幅(duty)を求め、同期信号に同期して各スイッチング素子71を駆動する。すると、電源線35からなる回路へ出力する出力電圧が、搬送台車(負荷)11に応じて制御され、所定周波数fの定電流が給電線12へ出力される。
そして、パルス幅(duty)により、電源装置31の切り離し・投入を次のように実行する。すなわち、3台の電源装置31では、通常負荷でパルス幅(duty)は120度になるところ、給電線12の負荷が軽い場合には、パルス幅(duty)は100度となる。そのときは、いずれか一つの電源装置31を切り離す(スリープする)。すると、スリープした電源装置31の分だけ給電線12への印加電圧が減少して給電線12の電流値は下がるので、残りの電源装置31のパルス幅(duty)は上昇することになる。
【0068】
また給電線12の負荷が重くなった場合には、パルス幅(duty)は140度となり、このときスリープしている電源装置31を投入する。すると、投入した電源装置31の分だけ給電線12への印加電圧が増加して給電線12の電流値は上がるので、残りの電源装置31のパルス幅(duty)は減少することになる。
【0069】
このように、給電線12へ流れる電流をフィードバックしながら、定電流となるように、インバータ46の各スイッチング素子71のパルス幅(duty)を変更することにより、電源線35からなる回路へ出力する出力電圧が制御され、インバータ46により所定周波数fの定電流制御を実行でき、またパルス幅(duty)を監視することにより、負荷の増減を認識し、負荷が減少したとき電源装置31をスリープでき、また負荷が増加してくると、電源装置31を投入できる。またこのとき、降圧回路45はなくてもよい。
【0070】
また本実施の形態1,2では、負荷を複数の搬送台車11としているが、消費電力が変動する負荷であればよく、また搬送台車11の台数を3台としているが、さらに多くの台数であってもよい。また電源装置31は3台としているが、3台に限ることはなく、さらに多く電源装置31を設けて直列に接続するようにしてもよい。
【0071】
また本実施の形態1,2では、降圧回路45に降圧コントローラ68を設け、インバータ46にインバータコントローラ73を設けているが、1台のコントローラに統合して降圧回路45とインバータ46を制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
11 搬送台車
12 給電線
24 走行用モータ
25 台車コントローラ
26 通信装置
28 地上制御装置
29 通信装置
31 電源装置
32 送受電カプラ
32A 受電カプラ
32B 送電カプラ
38,38’ 短絡スイッチ
39 手動スイッチ
40 同期信号発生装置
41 交流電源
42 投入スイッチ
43 整流器(全波整流器)
44 起動・停止回路
45 降圧回路
46 インバータ
47 電源制御装置
48 温度センサ
68 降圧コントローラ
73 インバータコントローラ
75 通信装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電線と、同期して前記給電線へ所定周波数の定電流を供給する複数の電源装置を備え、消費電力が変動する負荷へ前記給電線より非接触で給電する非接触給電設備であって、
前記各電源装置に対応して、前記給電線に直列に接続された受電カプラおよび前記電源装置に接続された送電カプラからなる送受電カプラを備え、
前記各送受電カプラにそれぞれ、各送受電カプラに対応する電源装置を前記給電線より電気的に切り離す切離スイッチを備え、
前記複数の受電カプラおよび前記給電線からなる回路を、前記所定周波数で直列共振回路に設定し、
前記送電カプラ、および前記電源装置と送電カプラとの間を接続する電源線からなる回路のインピーダンスを、前記所定周波数で容量性リアクタンスに設定し、
前記電源装置を、前記給電線へ流れる電流をフィードバックしながら前記電源線からなる回路へ出力する出力電圧を制御することにより、前記所定周波数の定電流を給電線へ出力する構成とし、
前記各電源装置に前記負荷の消費電力の減少に応じて停止する順位を設定し、前記負荷の消費電力が減少すると、前記順位により停止対象の電源装置を決定し、この停止対象の電源装置に対応する前記切離スイッチを短絡すること
を特徴とする非接触給電設備。
【請求項2】
前記負荷は複数の電力供給対象から構成されており、
前記負荷の消費電力を、各電力供給対象の消費電力を加算して求め、
求めた負荷の消費電力が、全電源装置の出力電力の所定の割合に達すると、各電力供給対象へ電力削減を指令すること
を特徴とする請求項1に記載の非接触給電設備。
【請求項3】
各電源装置に、電源装置内の温度を検出する温度センサを設け、
前記温度センサにより検出された温度が、電源装置が過負荷、あるいは過負荷に近づいたことにより達する温度より高くなると、各電力供給対象へ電力削減を指令すること
を特徴とする請求項2に記載の非接触給電設備。
【請求項4】
給電線と、同期して前記給電線へ所定周波数の定電流を供給する複数の電源装置を備え、消費電力が変動する負荷へ、記給電線より非接触で給電する非接触給電設備であって、
前記各電源装置に対応して、前記給電線に直列に接続された受電カプラおよび前記電源装置に接続された送電カプラからなる送受電カプラを備え、
前記複数の受電カプラおよび前記給電線からなる回路を、前記所定周波数で直列共振回路に設定し、
前記送電カプラ、および前記電源装置と送電カプラとの間を接続する電源線からなる回路を、前記所定周波数で直列共振回路に設定し、
前記各電源装置は、フルブリッジに組まれたスイッチング素子、および各スイッチング素子に流れる電流と逆方向に電流が流れるよう各スイッチング素子の両端に接続されたダイオードを備え、供給される直流電流を、前記各スイッチング素子をそれぞれ駆動することにより前記所定周波数の定電流に変換して前記電源線へ出力する構成し、
前記各電源装置に前記負荷の消費電力に応じて停止する優先順位を設定し、前記負荷の消費電力が減少すると、優先順位により停止する電源装置を決定し、停止する電源装置において、前記各スイッチング素子のうち前記直流電流のプラス側に接続される2つのスイッチング素子を駆動せず、直流電流のマイナス側に接続される2つのスイッチング素子を駆動すること
を特徴とする非接触給電設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−21769(P2013−21769A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151318(P2011−151318)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(592007601)株式会社コンテック (19)
【Fターム(参考)】