説明

非接触IC実装体およびその取り付け方法

【課題】クリーニング等の際の熱、溶剤、機械力に対しても脱落等せず、非接触IC実装体を被着物である繊維製品等に強固にかつ容易に装着すること。
【解決手段】フィラメント部2Fの一方の片端部に設けたT字部2T1と、もう一方の片端部に設けた別のT字部2T2とを備える少なくとも一つの継ぎ手部2が、IC実装体本体部1の貫通孔1h及び被着体3である衣服をフィラメント部が貫通することによって、非接触IC実装体として被着体に強固にかつ容易に装着できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服、鞄、靴、アクセサリー等に取り付けて使用される非接触IC実装体に関する。この非接触IC実装体は、RFID(Radio Frequency Identification:無線自動識別)タグとも呼ばれ、商品管理、クリーニング工程管理、顧客管理等のデータの交信等を外部電波により行なう。更にそのような衣服等の被着体に非接触IC実装体を取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個人の情報管理や物流管理または通勤通学等に使用される定期券等に新しい情報記録媒体としてICチップを搭載した小型電子機器が普及しつつある。特に携帯用として便利なICカードと称されるカード型大容量可変情報記録媒体が大きく普及し始めている。
これらのICチップを搭載した小型電子機器はいわゆるデータキャリアとも呼ばれており、通称ICカードと呼ばれるが、必ずしもカード形態をとるものだけでなく、物に貼り付けられるシート状のタグや容器に封入されたタグや腕時計型等種々の形態のキャリア、本明細書のIC実装体本体部も含まれるものである。
【0003】
データの交換を電波介して非接触で行う、非接触型ICカードは、たとえば従来の切符、定期券等、磁気記録層が片面に設けられている乗車券に代わる記録媒体として注目されている。特に、改札通過の際に、一々乗車券を取り出す必要がなく、定期入れや鞄等の中からでもデータ交換できるため、利便性が大きく向上するものと期待されている。
物流分野においてもバーコードや磁気記録に取って代わり、移動体とのデータ交換を電波にて行うRFIDタグと称されるICキャリアーによる管理が主流になりつつある。
【0004】
この流れの応用として衣服、鞄、靴、アクセサリー等に取り付けて使用するRFIDタグが各種提案されている。シート状の糊で貼り付けるタイプ、コイン型や棒状で衣服に縫い込むタイプなどが代表例である。
しかしながら、シート状のものは耐久性に問題があり、棒状・コイン型は後付けする場合困難であったり、異物としての違和感があり外観上好ましくない。
【0005】
このようなRFIDタグにかわって、本発明者は簡便にかつ堅固に被着体に装着できるRFID媒体として、本発明の非接触IC実装体に至った。
これに類する課題を解決するための技術が特許文献1に開示されている。この文献ではアンテナとICチップが樹脂製のハウジングに封入されてなるボタン状の非接触IC実装体を、糸状部材で繊維製品に取り付けようとするものである。
【0006】
【特許文献1】特開平9−61520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1ではボタンと同じように外装を仕上げた非接触IC実装体に、糸状部材を掛け止めたり、ボタン穴を通して非接触IC実装体を繊維製品に縫い付ける手法が紹介されている。これは顧客に違和感が少なく、ボタンと同等の耐久性が期待できる方法であるが、縫い付ける作業に時間がかかりすぎて、短時間で作業できないという問題点があり、現実性が低かった。
【0008】
本発明は前述の問題点を鑑みて、クリーニング等の際の熱、溶剤、機械力に対しても脱落等せず、非接触IC実装体を繊維製品等に強固にかつ容易に装着することを目的に実施されたものであり、リネンサプライやクリーニング、足拭きマットのように顧客から繊維製品を集めてきて、洗濯・洗浄して顧客に返すという業態の他、繊維製品、鞄、靴、アクセサリーの製造時および流通時に非接触IC実装体を装着するような場合にも使用可能である。具体的にはアパレル業界や通信販売業界で商品管理やピッキング検査の合理化、あるいは偽造ブランド商品を見分けるために非接触IC実装体を活用しようという試みに有効に活用できる。
さらに本発明の手法を使用し、幌、ポリプロピレンなどの平板状の結束ベルト、ロープ、ナイロンスリングなどにも堅牢に非接触IC実装体を装備することが可能になり、屋内外を問わず保管されている、資材の管理に有効に非接触IC実装体を活用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る非接触IC実装体は、
少なくとも一つの貫通孔を設けたIC実装体本体部、
フィラメント部と、該フィラメント部の一方の片端部に設けたT字部と、もう一方の片端部に設けた別のT字部又は扁平部とを備える少なくとも一つの継ぎ手部であって、前記IC実装体本体部の貫通孔に該フィラメント部を貫通することによって、前記IC実装体本体部と接続する継ぎ手部、を備える。
また、IC実装体本体部の貫通孔周囲部をIC実装体表面から前記継ぎ手部のT字部又は扁平部の厚み分少なくとも低く構成して継ぎ手部接触面として設けることにより、貫通孔を設けたIC実装体本体部の貫通孔周囲の窪みからT字部がはみ出さないので、外力等によって外れたり破損しにくくなる。
更に、前記継ぎ手部接触面を前記継ぎ手部のT字部又は扁平部の外形と略同一に立体的に形成し、該継ぎ手部のT字部又は扁平部が該継ぎ手部接触面と嵌合して接続することが好ましい。すなわち、これにより非接触IC実装体として継ぎ手部とIC実装体本体部が全体的に一体的になって被着体と接合する。
(1)IC実装体本体部、(2)フィラメント部と、該フィラメント部の一方の片端部に設けたT字部と、を備える継ぎ手部であって、もう一方の片端部に前記IC実装体本体部を接続固定した、前記IC実装体本体部と固定的に接続する継ぎ手部、を備える非接触IC実装体であってもよい。この場合は非接触IC実装体として継ぎ手部とIC実装体本体部が一体的に分離不可能な状態となって被着体と接合する。
本発明の非接触IC実装体の取り付け方法は、フィラメント部の片端部のT字部を被着体に貫通させることによって、T字部をストッパーとして働かせ、非接触IC実装体の被着体からの脱落を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の第1の例について衣服に取り付けた状態の断面を図1に示した。図1は貫通孔を設けた偏平板状のIC実装体本体部を継ぎ手部を使って被着体に装着した状態を示す一部断面図である。扁平円板状のIC実装体本体部1の略中央部に設けた貫通孔1hに継ぎ手部2が挿入されている。継ぎ手部2は更に衣服等に代表される被着体3をも貫通している。継ぎ手部のIC実装体本体部1を貫通している略直線状の部分をフィラメント部2Fという。フィラメント部2Fの両端にフィラメント部と直交しストッパーとなるT字部2T1,2T2が設けられて継ぎ手部2を構成している。この継ぎ手部のみの外形図を図2に示した。図2は継ぎ手部の斜視図である。本継ぎ手部ではフィラメント部の少なくとも片側にT字部を備えていることが必要である。
【0011】
具体的な継ぎ手部の装着方法は例えば特公平6−59894号公報などに説明されている。同公報中ではこのような継ぎ手部を係止片と呼ばれている。図3に示すようにして継ぎ手部が被着体とIC実装体本体部の貫通孔を貫通してIC実装体本体部を被着体に留めている。図3は継ぎ手部が被着体とIC実装体本体部の貫通孔を貫通してIC実装体本体部を被着体に留める際の中間の状況を示す一部断面図である。図示を省略したピストル状の打ち込み機の先端に付いた中空の針31を被着体3に付き刺して貫通させ、その針を通して継ぎ手部2のT字部2T1を被着体3に貫通させている。ピン打ち込み機の針の中空部を通って被着体を通り抜けるように、継ぎ手部のT字部はフィラメント部との接合部2cを中心にフィラメント部2Fと略同一直線状になるまで一旦捻転される。装着後は継ぎ手部の捻転が元の形状に復元するので、T字部2T1がストッパとなり、被着体3にひっかかて抜けなくなる。すなわちT字部をつけたフィラメント部が貫通することによって、非接触IC実装体として被着体に強固にかつ容易に装着できるわけである。このようにT字部を抜け落ち防止のストッパとさせる必要があるので、継ぎ手部の材質は柔軟であるが、腰が強く捻転してもまたもとの形状にもどるような性質を有し、変形せずに割れてしまう可能性がある脆性のある素材ではないことが必要である。
【0012】
アパレル関係では一般的にはポリプロピレンやナイロン樹脂やポリウレタン樹脂などが継ぎ手部の材料に用いられるが、上記のごとくの柔軟性、反発性を持っていればバネのような金属であってもよい。また資材をまとめるのに使用される結束バンドなどに非接触IC実装体を取り付ける場合など長期間屋外暴露されることが予想される場合は、継ぎ手部の素材としてフッ素系樹脂やクロロプレン系ゴムなどの劣化に強い樹脂やゴム、ステンレススチール、FRP、上記のような柔軟で反発性のある金属を覆った樹脂被覆金属のような耐候性のある材料を単体あるいは複合材として使用することが好ましい。この他、竹材や木材も単体あるいは複合材として使用することが可能である。樹脂を含む素材の継ぎ手部を使用する場合は、樹脂部の劣化を防止するために紫外線吸収剤や顔料、可塑剤などの添加剤を適宜加えることが好ましい。
【0013】
フィラメント部、T字部の太さに特に制限はないが、被着体を貫通する必要があるので、あまり太いものは好ましくなく、直径0.1mmから3.0mmφ程度が適当である。
フィラメント部の長さはピン打ち込み時の変形を考えると原理的にT字部の頭部の長さの略1/2以上が必要である。フィラメント部の長さの上限は被着体の厚さ以上であれば特に制限はないが、被着体の厚みより無用に長いとガタツキが大きくなるので部材同士の擦れ合いなどが起こり耐久性上不利となる。またピストル型の打ち込み機を使用する場合などは、中空針を通して被着体を貫通させることになるので、中空針が実用に耐える剛度を保ちうる長さに抑えることが好ましく、現実的な長さは1mmから100mm程度と考えられる。
【0014】
貫通孔を設けた扁平板状のIC実装体本体部を取り付ける場合はそのIC実装体本体部の厚さに加えて衣料の厚さ分程度の長さのフィラメント部を使用することがより好ましい。衣料品等圧縮すれば厚さが薄くなるような被着体の場合はフィラメント部の長さをその圧縮時の長さに合わせて少し短めにすることにより衣料品の圧縮から復元する圧力により、IC実装体本体部と継ぎ手部がより強く被着体である衣料品等に密着するので、継ぎ手部とIC実装体本体部のこすれ等も減るのでより好ましい。
【0015】
被着体を貫通後復元してストッパになるT字部の頭部は長さが短いと、装着後外力がかかった場合、フィラメント部との接合部分を中心にV字型に変形して抜け落ちるなど、脱落のリスクが大きくなる。数mmから50mm程度が好ましい。
フィラメント部の形状は被着体を貫通する際に障害にならなければ特に制限はないが、接触面積を下げて摩擦抵抗を減らし、かつ断面積を大きくして強度を出す意味からは断面形状としては円形や楕円形それに近い形が好ましい。
【0016】
さらに図4に示したIC実装体本体部は本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の第2の例について示すものである。図4(a)は本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の第2の例の断面図、(b)は同例の側面図である。この例においては、貫通孔11h周囲部をIC実装体表面11Sから継ぎ手部のT字部又は扁平部の厚み分少なくとも低く構成するように円筒形状の窪み11Kを作り、窪んだ面の表面が継ぎ手部接触面11STとなっている。このような継ぎ手部接触面11STがあるので、継ぎ手部のT字部がこの継ぎ手部接触面11STに密着すると、T字部2T2はIC実装体本体部表面11Sより内側に収納されるようになる。この状態を確保するため、T字部は、貫通孔を設けた偏平板状のIC実装体本体部のこの窪みからはみ出す部分が無いような形状、長さとすることになる。各種形状の非接触IC実装体についてのクリーニングの実地試験を試行した結果、貫通孔を設けた偏平板状のIC実装体本体部を装備したまま洗濯・クリーニングされることを考えると、貫通孔を設けた偏平板状のIC実装体本体部の中央部の窪みからはみ出したT字部分にはプレスやアイロンなどの外力に直接さらされることになり塑性変形が起こり剛性が低下してIC実装体本体部が脱落し易くなることが発明者の試験で確認されている。しかし、このように構成すると、該T字部が外部から受ける力学的ダメージを軽減することができ、貫通孔を設けた偏平板状のIC実装体本体部の被着体への取りつけの信頼性をより向上させることを見出したのである。また、この窪み11Kの中で継ぎ手部2が比較的自由に動くことができるので機械的ストレスが溜まりにくい利点もある。すなわちこの例では継ぎ手部2とIC実装体本体部の接合がある程度ルーズなためより好ましい。
【0017】
図5に継ぎ手部の他の一例の斜視図を示した。この図5の継ぎ手部12はフィラメント部12Fの片側にはT字部12T1、もう一方の側には偏平部12T2を備えている例である。T字部の断面形状としては被着体を貫通する必要があるので、そのT字部12T1の頭部は前述のようにフィラメント部と同様の太さ、形状を有することが好ましい。被着体を貫通する必要のない扁平部12T2はT字部12T1と違って変形による脱落のリスクを下げるという面からは偏平な形状にして引き抜き方向のV字変形に対する応力を上げることが好ましい。この継ぎ手部12は本第1の実施の形態の各例に使用されている各継ぎ手部の代わりに使用できることは言うまでもない。
【0018】
先の例では貫通孔周囲部をIC実装体表面から継ぎ手部のT字部又は扁平部の厚み分少なくとも低く構成して窪んだ面を継ぎ手部接触面とした。これに対して窪んだ面を窪み部として面全体を窪ませるのではなく、例えば前出のT字部2T2が嵌合するようにT字部の形状に沿って窪ませることができる。このような例を本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の第3の例として図6に示した。図6(a)は本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の第3の例の一部断面図、(b)は同例の側面図である。図から分かるように継ぎ手部2の円筒形のT字部2T2がIC実装体本体部31の矩形の溝型の窪み部31Kに嵌って、嵌合している。従って、このような場合、継ぎ手部2とIC実装体本体部31が結合されて非接触IC実装体として全体的に一体的に被着体と接合するのでより好ましい。このように嵌合して結合する場合も上述の非接触IC実装体の第1の実施の形態の各例とはIC実装体本体部が継ぎ手部と着脱自在に結合している点で共通している。これに対して後で説明する本発明の非接触IC実装体の第2の実施の形態ではIC実装体本体部が継ぎ手部と完全に着脱不可能に一体化している例である。
【0019】
一般的に非接触IC実装体は金属材料が近傍にあると通信特性が変化する場合があるので、本発明の継ぎ手部に金属を使用するときは配慮が必要な場合がある。貫通孔を設けた偏平板状のIC実装体本体部に本発明の継ぎ手部を通す穴は通常1箇所あれば良いが、IC実装体本体部や被着体の形状によっては2個以上備えることが好ましい場合もある。
【0020】
本発明は使用されるICチップやアンテナに限定されないため、125〜135KHz、4.9MHz、6.5MHz、13.56MHz、UHF(900−1000MHz帯)、2.45GHz帯等の種々の周波数帯のRFIDに適用可能であるが、本実施の形態の説明では簡単のために金属製の巻線アンテナとモジュールチップを使用した13.56MHz帯の電磁誘導方式の非接触IC実装体を被着体に取り付けることを想定した。この場合は大体小型扁平の円板状になることが多い。尚、一般にUHF帯や2.45GHz帯などの電波方式の非接触IC実装体は、そのアンテナ形状が波長に応じた長辺(2−300mm)を有した長方形や棒状になることが多いので、貫通孔を一つにして一箇所を継ぎ手部で固定してもぶらぶらして不安定である。特にポリプロピレン結束バンドのような細長い被着体に非接触IC実装体を取り付けるときはIC実装体本体部に複数の貫通孔を設け、その貫通孔毎に継ぎ手部を使用して留めることが好ましい。
【0021】
また、上記のような例えばポリプロピレン結束バンドにつけて屋外で使用される場合など風雨によってIC実装体本体部がガタツクことによりIC実装体本体部や被着体の貫通孔部分と継ぎ手部のフィラメント部が擦れあって孔部分が大きくなり脱落のリスクが大きくなることが想定される場合には、IC実装体本体部や被着体の孔部に金属や樹脂でできた補強部材を予め装着しておくことも可能である。具体的には嵌合やカシメによって一体化できるリング状の補強部材を表裏から装着し、孔部を補強する方法などが挙げられる。このような補強部材を適用した例を図7に示した。図7は本発明の非接触IC実装体をカシメを介して装着する状態を示す一部断面図である。被着体3であるポリプロピレン結束バンドにステンレス製のハトメ4を装着した上で、継ぎ手部2を貫通させてIC実装体本体部をハトメ4を介して被着体3に留める。
【0022】
被着体には特に制限はないが本発明に使用する継ぎ手部の素材の強度に合わせて、貫通できる硬さ、稠密性を持つ物であることが必要である。硬くともピストル型ピン打ち込み機の中空針で貫通できる硬さであり、厚さ的には本発明の継ぎ手部のフィラメント部の長さ程度の厚さであることが好ましい。具体的には職布、不職布などの繊維製品、紙、樹脂、網、金網などを単体または複合材料として被着体とすることが可能である。
【0023】
洗濯処理中の他の物品との接触による他力による脱落等のおそれを考えるとT字部2T1とT字部2T2間の被着体とIC実装体本体部がそれぞれ隙間なく密着していることが好ましい。継ぎ手部のフィラメント部長や非接触IC実装体の厚みだけでは調整できにくい場合もあるので、ドーナッツ状のスペーサ板をT字部2T1/被着体間、被着体/IC実装体本体部間、IC実装体本体部/T字部2T2間等に適宜挟みこんでおいて取り付けることも好ましい。スペーサ板の材質はプラスチック材料や繊維材料等が好ましく使用できる。
【0024】
次に、本発明の非接触IC実装体の第2の実施の形態の一例の斜視図を図8に示した。フィラメント部22Fの一方の片端部がIC実装体本体部21の片側表面の略中央部に接続、固定されている。フィラメント部22Fのもう一方の片端部にはT字部22T1が設けられている。このT字部22T1は前出の継ぎ手部のT字部2T1と同様であり、ピン打ち込み機によって、被着体を貫通してこの非接触IC実装体22を被着体に取り付ける際のストッパの役目を果たすものである。この例ではIC実装体本体部21が前述継ぎ手部のT字部の一方そのものとなり、結局、IC実装体本体部と継ぎ手部が一体化して接合固定して本発明の非接触IC実装体の第2の実施の形態となっている。
【0025】
具体的な製作方法としては、扁平板状のIC実装体本体部製造時に本発明の継ぎ手部を埋め込む形で注形工法で形成したり、本体部と継ぎ手部を一体としてインジェクション射出成形したり、IC実装体本体部を、接着剤、カシメなどによって継ぎ手部に固定することによることなどが挙げられる。
ここでいうカシメ固定とはIC実装体本体部を注形工法や削り出しによって準備しておき、金属製の片端にT字部を有するフィラメント部のもう一方の端にカシメ用の金具を形成しておき、この金具でIC実装体本体部をカシメることによってIC実装体本体部と継ぎ手部を一体化するものである。
【0026】
以下に本発明による非接触IC実装体の使用部品や製造工程について説明する。
1.非接触IC実装体の主要構成部品
本発明の非接触IC実装体はIC実装体本体部と継ぎ手部から構成され、IC実装体本体部は主にICチップとアンテナ回路からなるICチップ実装部とその周囲を封止する封止樹脂などから構成される。必要に応じてコンデンサ等が実装される場合もある。
1.1 ICチップ
フィリップス社(オランダ)ではFCP(フリップチップパッケージ/フィリップス社の呼称)という型式で、インフィニオン社(フランス)ではMFCC1などの型式で市販されている。
【0027】
1.2 アンテナ回路
アンテナ回路は環状アンテナ回路が用いられることが多いが、周波数帯によって例えばUHF帯やマイクロ波帯の周波数の場合は、スロットアンテナやダイポールアンテナ、
マイクロストリップラインアンテナ、八木アンテナ、パッチアンテナ、あるいはこれらを元に組み合わせたり工夫された平板形状のものも使用される。巻線(被覆銅線)、エッチング、印刷、蒸着、メッキなどの方法で作成することが可能であるが、小型化するため重ね巻が容易で、回路の断面積が比較的大きく低抵抗で、低コストの巻線アンテナを使用することが好ましい。
巻線アンテナには銅、アルミ、金等の材料が使用されるが、銅線が最も多く使用されており種類も多い。エナメル線とも呼ばれているように銅の金属線の被覆には、絶縁性の樹脂が設けられている。コイルを成型する場合は絶縁被覆の外側にホットメルト或いは溶剤可溶性接着剤が設けられた線材を使用し、線を重ね巻きしながら接着剤で線同士を接着して解れないようにする。
【0028】
1.3 封止樹脂
封止樹脂は、ICチップ実装体本体部の最外殻を覆う材料であり、耐久性が必要である。IC実装体本体部を注形工法で作成する場合、外殻の部位によっては2種以上の樹脂を使用することも可能である。輸送・運搬中の振動・衝撃、使用中の擦れ・落下・手脂、クリーニング時に受ける熱、圧、溶剤、による条件下で、IC実装体本体部のチップやアンテナ等を保護し、IC実装体本体部自体の形状を保持する封止樹脂の材料としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、尿素、カゼイン、ナイロン、ポリイミド、ポリマーアロイ、エポキシ、エンジニアリングプラスチックなどの単体或いは複合体、ガラス繊維等の繊維と樹脂を混ぜ合わせた材料等が使用できる。特に以上説明した第2の実施形態に使用するIC実装体本体部などは射出形成で作製されることが多い。
封止樹脂は用途によって透明、半透明、不透明のものが使用できる。透明以外のほとんどの樹脂は、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、カーボン、有機顔料などの顔料や染料が樹脂中に練り込まれている。また、出来上がった後で染色する場合もある。
【0029】
2 継ぎ手部
本発明に使用される継ぎ手部分を樹脂で形成する場合は、多くの場合射出成型で形成することが合理的である。具体的には所望の形態の継ぎ手の金型を準備し、そこに熱溶融させた樹脂を注入し冷却固化させることで任意の形状の本発明の継ぎ手部が形成できる。使用可能な材料としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、ナイロン、ポリマーアロイ、エンジニアリングプラスチックなどの単体或いは複合体、等熱可塑性の樹脂である。本発明の継ぎ手部の最も一般的な樹脂としてはポリウレタン、ポリエステル樹脂、ナイロンに代表されるポリアミド樹脂、ポリプロピレンが挙げられる。中でも耐久性等でポリアミド樹脂が好ましい。
【0030】
3.IC実装体本体部の製作、形状
(1)先ず本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態について使用するIC実装体本体部について説明する。以上のような構成部品で構成されるIC実装体本体部は円板形状、平板状の長方形形状等の所謂扁平形状のものが多い。円板状のIC実装体本体部では略中央部に貫通孔を一つ設ける。IC実装体本体部としてできるだけ小型、薄型にする要求が多いので環状アンテナ回路の略中央部に貫通孔が位置することが多い。使用する周波数によって長方形状になった場合は例えば両端部に貫通孔を設けることが好ましい。
【0031】
(2)本発明の非接触IC実装体の第2の実施の形態について使用するIC実装体本体部について説明する。このIC実装体本体部は上記のような第1の実施の形態の本体部と先に説明した継ぎ手部と一体となって接合して非接触IC実装体を形成することに特徴がある。
【0032】
例えば、注形工法でIC実装体本体部を製作する例を以下に説明する。
図9に円柱状の切削加工が可能な材料を示した。図9は本発明の非接触IC実装体のIC実装体本体部を収納する収納部分の一部となる外装筒部の加工前の斜視図である。この外装筒部の材料としては用途に応じて合成樹脂、セラミック、木材などが使用できるが、金属を使用すると電磁波がシールドされるため非接触IC実装体の機能を阻害する場合があり、このようなときは内蔵されるICチップ実装部を金属対応にするなどの配慮が望ましい。次に図9に示した外装筒部にICチップ実装部を収納する穴部を切削加工により形成する。図10および11に穴部を形成した外装筒部5を示した。図10は穴部5Hを形成した外装筒部5の斜視図、図11は同図10の外装筒部の断面図である。図から分かるように本例では円柱状の穴部5Hとした。
【0033】
次に図12に示すように穴部に環状アンテナ7およびICチップ8よりなるICチップ実装部6を収納する。図12は外装筒部にICチップ実装部を単に収納した状態を示す模式的断面図である。ICチップ実装部はその部分のみであってもリーダ/ライタ装置と通信可能な機能的に最小限の部品である。従って通信に必要なICチップとアンテナが接合されていれば本ICチップ実装部となる。構造上ICチップやアンテナを固定またはアンテナ自体を形成するためにインレットシート等と呼ばれる基板を有するものもあるが、無いものもある。
【0034】
次に図13に示すようにICチップ実装部6をそれを収納する収納部分である外装筒部5に収納し、穴5Hを封止樹脂の一部である充填材を充填することにより塞ぐ。図13は外装筒部にICチップ実装部を収納してIC実装体本体部を形成する途中の状態を示す模式的断面図である。孔5Hに液状の充填材9を充填している。充填材としては2液硬化型のポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セメントなどの熱、光、放射線、湿気などの外部刺激によって硬化する液状の材料が挙げられる。
【0035】
次に図14に示したように充填材9が流動性を維持している状態において、その表面に、継ぎ手部22の一端のT字部22T2を穴5Hの中に挿入し、外装筒部5に対して継ぎ手部22が略鉛直の状態で充填材9が固まるまで保持する。図14は本発明の非接触IC実装体の第2の実施形態の一例の製作途中を示す斜視図である。その結果、IC実装体本体部21と継ぎ手部22とが一体となって接合した本発明の非接触IC実装体の第2の実施形態の一例が得られる。図中環状アンテナ7およびICチップ8を分かりやすく実線表示してあるが実際は外装筒部5内部にある。
【0036】
充填材として2液硬化型ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂、湿気硬化型樹脂やUV硬化型樹を用い、主剤と硬化剤を混合した直後や、湿気硬化型樹脂やUV硬化型樹脂で硬化前あるいは硬化初期で樹脂がまだ流動性を保っている状態で継ぎ手部の端部を挿入し、後に外部刺激によって充填材を硬化させて継ぎ手部を硬化一体化させる手法が主に挙げられる。他には、封止樹脂の少なくとも一部、すなわち継ぎ手部の端部を挿入する部分、を熱可塑性樹脂にて構成し、その個所を融点以上に加熱し流動性を持たせた間中に継ぎ手部を挿入し冷却して固化硬化させる手法も挙げられる。他には、封止樹脂の少なくとも一部、すなわち継ぎ手部の端部を挿入する部分、を有機溶剤などで膨潤・溶解させ流動性を持たせた中に継ぎ手部を挿入し乾燥によって固化させる手法なども挙げられる。
【0037】
本発明に係わる非接触IC実装体では特に素材に限定はないが、実用的には切削加工可能な素材5、充填材9、本発明の継ぎ手部とも樹脂を使用することが合理的である。樹脂を使用することによって、非接触IC実装体の封止樹脂の一部に流動性を持たせて本発明の継ぎ手部の一部を挿入した状態で固化一体化させることが容易に達成可能となる。
【0038】
[インジェクション成型]
以上に説明した注型法による本発明に係わる非接触IC実装体の製造工程の他に以下に説明するインジェクション成型の方法がある。ICチップ実装部を金型にセットし、200℃以上に溶融・液化した樹脂を注入する方法を使用して継ぎ手部とIC実装体本体部を同時に成形する方法である。ICチップ実装部と同時に熱硬化性樹脂や金属でできた継ぎ手部をセットすることによって継ぎ手部を備える非接触IC実装体を製作することも可能である。
【0039】
また、インジェクション成型の方法でも金属製の継ぎ手部を使用することが可能である。形状の一部に継ぎ手部のT字部を有する非接触IC実装体の下部台座金型に溶融した樹脂を注入して下部台座を成形する。次にIC実装体本体部と金属で形成された本発明の継ぎ手部を下部台座に固定する。この部品を形状の一部に本発明の継ぎ手部のT字部を有する非接触IC実装体の上部が成形される金型にセットし、200℃以上に溶融・液化した樹脂を型に注入して、固定継ぎ手部とする方法である。この場合T字部をステンレススチールなどの腐食し難い金属を使用し、インジェクションする樹脂にPPS(ポリフェニレンサルファイド)などのようなエンジニアリングプラスチックやPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などのフッ素樹脂を使用することにより、屋外や高温下などの厳しい環境で使用可能な本発明に係わる非接触IC実装体を得ることが可能である。
【0040】
4.本発明の非接触IC実装体の被着体への取り付け
本発明の非接触IC実装体を被着体にとりつける方法を以下に順を追って説明する。どの実施の形態の例でも取り付け方法は本質的には殆ど変わらないので、以上に説明した第1の実施形態の第1の例の非接触IC実装体を取り付ける例を説明する。
【0041】
図2に示した継ぎ手部がフィラメント部2Fの略中央部でスポット的に接続されて紙面の鉛直方向に数十以上連なって束となっている継ぎ手部束を使用するのが一般的である。この束の端の1個の継ぎ手部を打ち込み機に装填し、打ち込み取り付けが終わると自動的に束の中の次の継ぎ手部が装填されるように打ち込み機は構成されている。図15に打ち込み機に装填された継ぎ手部をICチップ実装体本体部及び被着体に打ち込む途中の状態を示す一部断面図を示した。この打ち込み機30にはT字部2T1を被着体3に押し込むピストン32と、被着体を貫通してT字部2T1およびフィラメント部2Fを送り込むためのスリットGの入った中空針31が装備されている。中空針31に貫通孔1hを設けた偏平板状のIC実装体本体部1を通した後、中空針31により被着体3を貫通させている。
【0042】
ピストン32がスライドし、継ぎ手部2のT字部2T1を端部から中空針31の中に押し込む。このとき継ぎ手部2のフィラメント部2FとT字部2T2は中空針31に設けられたのスリットGを通して介して針の筒の外に存在し、ピストン32に押されてスライドしていくT字部2T1と連動して図中左方向に移動していく。この状態が図15に示されている。
【0043】
続いて更にピストン32が図中左方向に押されて、T字部2T1はピストン32に押され、中空針31の筒内を通って最終的には被着体3の向こう側、図中左側に出る。この状態を図16に示した。図16は打ち込み機に装填された継ぎ手部をICチップ実装体本体部及び被着体に打ち込む途中の状態を示す一部断面図の2である。中空針31のスリットGを通して針の筒外に出ていたT字部2T2は被着体3の手前側、図中右側に残る。フィラメント部2FはT字部2T1と2T2を連結しているため、貫通孔1hを設けた偏平板状のIC実装体本体部1と被着体3を貫通した状態になっている。
【0044】
本発明の継ぎ手部打ち込み機30の中空針31を被着体3から引き抜いて、本発明に係わる非接触IC実装体の取り付けが完了する。この状態を図17に示した。図17は打ち込み機に装填された継ぎ手部をICチップ実装体本体部及び被着体に打ち込み直後の状態を示す一部断面図である。
【0045】
以上は第1の実施形態の第1の例のものについての取り付けを説明したが、本発明の非接触IC実装体の第2の実施の形態についてもほぼ同様である。
【0046】
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるものではない。
【0047】
実施例1
本実施例1は、本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の一例になるものであり、扁平円板形状のIC実装体本体部を使用した。IC実装体本体部のICチップとしてi−codeSLI/FPC(フィリップス社製)を、環状アンテナ回路として20回巻きの空芯コイル状の巻線アンテナを使用した。
【0048】
<IC実装体本体部の作製>
以上のICチップ及び環状アンテナ回路と封止樹脂としてエポキシ樹脂を使用して、注型法にて直径15mm厚さ3mmの扁平円板形状のIC実装体本体部を作製した。本体部の中央に直径2.0mmの貫通孔を穿った。
【0049】
<非接触IC実装体の取り付け>
図2に示したごとくの継ぎ手部(バノック社製US−15)材質ポリウレタン製を使用した。フィラメント部2Fの長さ3mm、T字部2T1,2T2の長さは各6mmで各部の太さは同一で直径1mmであった。先に図15から17に従って説明したようにバノック社製303Sピストル型打ち込み機によって被着体として衣服3に装着した。打ち込み機の針の外径は1.8mmであった。装着した状態は図1に示すものと同様である。
【0050】
実施例2
本実施例2は、本発明の非接触IC実装体の第2の実施の形態の一例になるものである。図8に本実施例2の斜視図を示した。IC実装体本体部21としては前記実施例1と同様の形状の本体部とした。
【0051】
<IC実装体本体部の作製>
製造方法は先に図9から図14に従って説明した通りに行った。IC実装体本体部のICチップとしてi−codeSLI/FPC(フィリップス社製)を、環状アンテナ回路として20回巻きの空芯コイル状の巻線アンテナを使用した。外装筒部5としては直径15mm高さ3mmのテトラフルオロエチレンを用い、充填材としてはハックルボーン社製クリアポリエステル樹脂HB−PS100CLと硬化剤としてハックルボーン社製硬化剤HB−PEMを併用した。継ぎ手部22としては実施例1で使用した継ぎ手部と同じものを使用した。最終的に図14に示したようなIC実装体本体部を得た。
【0052】
<非接触IC実装体の取り付け>
バノック303Sピストル型打ち込み機によって実施例1と同様にして非接触IC実装体を被着体として結束用ポリプロピレンバンドに装着した。
【0053】
(評価)
実施例作成した各サンプルについて以下のテストにより評価を行なった。
<洗濯テスト>
洗剤を入れPH9に調整した水系洗濯液中、65℃×45分間 ドラム型洗濯機で洗濯し、50℃×60分間乾燥する工程を50回繰り返し行った。
上記各テスト後の通信特性をリーダーライタにより確認し、外観を目視により確認した。各サンプルはいずれのテストにおいてもIC実装体本体部の被着体からの脱落や外観・通信特性の異常は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】偏平板状のIC実装体本体部を継ぎ手部を使って被着体に装着した状態を示す一部断面図。
【図2】継ぎ手部の一例の斜視図。
【図3】継ぎ手部が被着体とIC実装体本体部の貫通孔を貫通してIC実装体本体部を被着体に留める際の中間の状況を示す一部断面図。
【図4】(a)は本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の第2の例の一部断面図、(b)は同例の側面図。
【図5】継ぎ手部の他の一例の斜視図。
【図6】(a)は本発明の非接触IC実装体の第1の実施の形態の第3の例の一部断面図、(b)は同例の側面図。
【図7】本発明の非接触IC実装体をカシメを介して装着する状態を示す一部断面図。
【図8】本発明の非接触IC実装体の第2の実施の形態の一例の斜視図。
【図9】本発明の非接触IC実装体のIC実装体本体部を収納する収納部分の一部となる外装筒部の加工前の斜視図。
【図10】穴部5Hを形成した外装筒部5の斜視図。
【図11】図10の外装筒部の断面図。
【図12】外装筒部にICチップ実装部を単に収納した状態を示す模式的断面図。
【図13】外装筒部にICチップ実装部を収納してIC実装体本体部を形成する途中の状態を示す模式的断面図。
【図14】本発明の非接触IC実装体の第2の実施形態の一例の製作途中を示す斜視図。
【図15】打ち込み機に装填された継ぎ手部をICチップ実装体本体部及び被着体に打ち込む途中の状態を示す一部断面図。
【図16】打ち込み機に装填された継ぎ手部をICチップ実装体本体部及び被着体に打ち込む途中の状態を示す一部断面図の2。
【図17】打ち込み機に装填された継ぎ手部をICチップ実装体本体部及び被着体に打ち込み直後の状態を示す一部断面図。
【符号の説明】
【0055】
1 IC実装体本体部
2 継ぎ手部
2T1,2T2 T字部
2F フィラメント部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの貫通孔を設けたIC実装体本体部、
フィラメント部と、該フィラメント部の一方の片端部に設けたT字部と、もう一方の片端部に設けた別のT字部又は扁平部とを備える少なくとも一つの継ぎ手部であって、前記IC実装体本体部の貫通孔に該フィラメント部を貫通することによって、前記IC実装体本体部と接続する継ぎ手部、
を備える非接触IC実装体。
【請求項2】
IC実装体本体部の貫通孔周囲部をIC実装体表面から前記継ぎ手部のT字部又は扁平部の厚み分少なくとも低く構成して継ぎ手部接触面として設けた請求項1記載の非接触IC実装体。
【請求項3】
前記継ぎ手部接触面を前記継ぎ手部のT字部又は扁平部の外形と略同一に立体的に形成し、該継ぎ手部のT字部又は扁平部が該継ぎ手部接触面と嵌合して接続する請求項2記載の非接触IC実装体。
【請求項4】
(1)IC実装体本体部、(2)フィラメント部と、該フィラメント部の一方の片端部に設けたT字部と、を備える継ぎ手部であって、もう一方の片端部に前記IC実装体本体部を接続固定した、前記IC実装体本体部と固定的に接続する継ぎ手部、
を備える非接触IC実装体。
【請求項5】
前記フィラメント部の片端部のT字部を被着体に貫通させることによって請求項1から4のいずれか一項に記載の非接触IC実装体を被着体に取り付ける非接触IC実装体の取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−39714(P2006−39714A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215443(P2004−215443)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】