説明

非破壊検査装置

【課題】 磁気センサの個数を増加させることなく空間分解能を向上させる。
【解決手段】 複数の領域を形成するように配置された複数の励磁コイルを含み、当該複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択して、検査対象物に渦電流を誘導する交流磁界を発生させる磁界発生部と、前記渦電流によって発生する磁界に応じた測定磁界データを出力する磁気センサと、前記測定磁界データに基づいて、前記渦電流によって発生する磁界を前記複数の領域ごとに求めるデータ処理部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非破壊検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物を物理的に破壊することなく、きずや欠陥などの不連続部を検出する非破壊検査技術として、検査対象物表面からの磁界(磁場)を磁気センサによって測定するものが知られている。例えば、磁気センサとして、高感度のFG(Flux-Gate:フラックスゲート)センサやMI(Magneto-Impedance:磁気インピーダンス)センサ、さらに高感度のSQUID(Superconducting QUantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)などを用いて、検査対象物の内部や表面の不連続部に起因する漏洩磁束を測定することによって、当該不連続部を検出することができる。
【0003】
また、コイルから発生する磁界によって検査対象物に渦電流を誘導し、当該渦電流によって発生する磁界を測定して検査対象物の不連続部を検出する、渦電流探傷試験(渦流探傷試験)と呼ばれる非破壊検査方法(以下、渦電流法と称する)も一般に知られている。例えば、特許文献1では、当該渦電流法によって測定された磁界の各周波数成分の振幅を算出し、異なる周波数成分の振幅間で差分を計算することによって、磁気センサと検査対象物との距離の変化による影響を低減することができる非破壊検査装置が開示されている。
【0004】
ところで、上記のような非破壊検査装置は、固定された磁気センサのセンサ面に対して略平行に検査対象物側を移動させる走査方式のものと、固定された検査対象物表面に対して略平行に磁気センサ側を移動させる走査方式のものとに大別することができる。そして、例えば電力設備などのように、検査対象物が大型構造物である場合には、一般に、磁気センサ側の走査方式が採用される。例えば、特許文献2では、多軸ロボットを用いて磁気センサを走査することによって、磁気センサと検査対象物との距離および角度を一定に保つ非破壊検査装置・方法が開示されている。
【0005】
このようにして、検査対象物側または磁気センサ側を走査し、検査対象物表面からの磁界を測定することによって、検査対象物の不連続部を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−149212号公報
【特許文献2】特開2006−329632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記の渦電流法を用いる一般的な非破壊検査装置の構成の一例を図13に示す。
図13に示されている非破壊検査装置において、センサ部1は、例えばSQUIDなどを備えており、検出コイル11が接続されて磁気センサを構成している。また、交流電流供給部4は、交流磁界を発生する励磁コイル41が接続されて磁界発生部を構成している。そして、当該非破壊検査装置は、検査対象物9側、または検出コイル11および励磁コイル41側を走査するが、いずれの場合も、検出コイル11の面積を小さくするほど、検査の空間分解能を向上させることができる。
【0008】
しかしながら、検出コイル11の面積を小さくすると、検査対象物9全体の検査時間が長くなってしまう。また、空間分解能と検査時間とを両立させるため、複数の検出コイルを隣接して配置した場合、検出コイルと同じ個数だけセンサ部が必要となる。例えば図14に示すように、3×3個の領域AないしIにそれぞれ対応して検出コイル11aないし11iを配置した場合、9個のセンサ部1aないし1iが必要となる。
【0009】
そのため、各センサ部が備えるSQUIDなども検出コイルと同じ個数だけ必要となり、非破壊検査装置のコストの上昇を招くこととなる。また、センサ部の個数が増加するほど、SQUIDなどの特性を揃えることが困難になり、さらに、センサ部および検出コイル間を接続する配線も困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決する主たる本発明は、複数の領域を形成するように配置された複数の励磁コイルを含み、当該複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択して、検査対象物に渦電流を誘導する交流磁界を発生させる磁界発生部と、前記渦電流によって発生する磁界に応じた測定磁界データを出力する磁気センサと、前記測定磁界データに基づいて、前記渦電流によって発生する磁界を前記複数の領域ごとに求めるデータ処理部と、を有することを特徴とする非破壊検査装置である。
【0011】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、磁気センサの個数を増加させることなく空間分解能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態における非破壊検査装置の構成の詳細を示す平面図である。
【図2】本発明の第1ないし第3実施形態における非破壊検査装置の構成の概略を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態における非破壊検査装置の構成の詳細を示す平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態における渦電流によって発生する磁界の領域ごとの分布の算出方法を説明する図である。
【図5】本発明の第3実施形態における非破壊検査装置の構成の詳細を示す平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態における渦電流によって発生する磁界の領域ごとの分布の算出方法を説明する図である。
【図7】三角形コイルを隣接して配置する配置例を示す図である。
【図8】三角形コイルを隣接して配置する他の配置例を示す図である。
【図9】正六角形コイルを隣接して配置する配置例を示す図である。
【図10】矩形コイルの一部を重ねて配置する他の配置例を示す図である。
【図11】矩形コイルの一部を重ねて配置するさらに他の配置例を示す図である。
【図12】正六角形コイルの一部を重ねて配置する配置例を示す図である。
【図13】一般的な非破壊検査装置の構成の一例を示す斜視図である。
【図14】複数の検出コイルを隣接して配置した非破壊検査装置の構成の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0015】
<第1実施形態>
===非破壊検査装置の構成===
以下、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態における非破壊検査装置の構成について説明する。なお、図2は、非破壊検査装置の構成の概略を示す斜視図であり、図1は、非破壊検査装置のうち、特に交流電流供給部3および励磁コイル群31の構成の詳細を示す平面図である。
【0016】
図2に示されている非破壊検査装置は、渦電流法を用いて検査対象物9の内部や表面の不連続部91を検出するための装置であり、センサ部1、検出コイル11、データ処理部2、交流電流供給部3、および励磁コイル群31を含んで構成されている。また、センサ部1は、検出コイル11が接続されて磁気センサを構成しており、交流電流供給部3は、励磁コイル群31が接続されて磁界発生部を構成している。さらに、図1に示されているように、交流電流供給部3は、交流発生部32、DEMUX(デマルチプレクサ)33、およびカウンタ34を含んでおり、励磁コイル群31は、励磁コイル31aないし31iを含んでいる。
【0017】
交流発生部32の出力信号は、DEMUX33のデータ入力に入力され、カウンタ34から出力されるカウント値CNは、DEMUX33の選択制御入力に入力されている。また、DEMUX33の選択制御入力の値に対応する9つの出力には、略同一の矩形(正方形または長方形)コイルである励磁コイル31aないし31iがそれぞれ接続されている。そして、励磁コイル31aないし31iは、図1に示されているように、3行3列の行列状に隣接して平面的に配置され、それぞれ略同一の矩形領域AないしIを形成している。
【0018】
センサ部1には、検出コイル11が接続されており、センサ部1から出力される測定磁界データHqは、データ処理部2に入力されている。また、データ処理部2には、カウント値CNも入力されている。
【0019】
===非破壊検査装置の動作===
次に、本実施形態における非破壊検査装置の動作について説明する。なお、本実施形態において、センサ部1は、渦電流によって発生する磁界H2を測定するのに十分な感度を有しているものとする。本実施形態では、一例として、センサ部1がSQUIDを備えている場合について説明する。
【0020】
本実施形態の非破壊検査装置は、検査対象物9側および検出コイル11側のいずれを走査してもよい。検査対象物9側を走査する場合には、検出コイル11は固定されており、検査対象物9は、検出コイル11のコイル面に対して略平行に移動する。この場合の検査対象物9の移動方向は、図1および図2において、x0方向およびy0方向の矢印で示されている。一方、検出コイル11側を走査する場合には、検査対象物9は固定されており、検出コイル11は、検査対象物9表面に対して略平行に移動する。この場合の検出コイル11の移動方向は、図1および図2において、x1方向およびy1方向の矢印で示されている。なお、検出コイル11側を走査する場合でも、検出コイル11と励磁コイル群31との位置関係が変化しないように構成されているものとする。
【0021】
交流電流供給部3のカウンタ34は、順次カウントアップまたは順次カウントダウンし、カウント値CNを出力する。本実施形態では、カウンタ34は、例えば4ビットのバイナリカウンタであり、カウント値CNが0から8まで(2進数で0000から1000まで)順次増加、または8から0まで順次減少する。また、DEMUX33は、カウント値CNに応じて励磁コイル31aないし31iのうちの何れか1つを順次選択し、当該選択されている励磁コイルに、交流発生部32が発生する交流電流を供給する。したがって、交流電流供給部3は、励磁コイル31aないし31iにそれぞれ交流電流IaないしIiを順次流して、それぞれ矩形領域AないしIに交流磁界を順次発生させ、検査対象物9に渦電流を誘導する。
【0022】
検出コイル11は、当該渦電流によって発生する磁界H2を検出する。また、センサ部1は、検出コイル11の位置における磁界の強さまたは磁束密度に応じて、測定磁界データHqを出力する。したがって、測定磁界データHqは、検査対象物9表面に対する検出コイル11の垂直位置における、渦電流によって矩形領域AないしIに順次発生する磁界H2の強さまたは磁束密度に応じて出力される。
【0023】
データ処理部2は、測定磁界データHqと、DEMUX33において選択されている励磁コイルを示すカウント値CNとに基づいて、渦電流によって発生する磁界H2の矩形領域AないしIごとの分布を算出する。ここで、検査対象物9に不連続部91が存在すると、不連続部91によって渦電流に乱れが生じ、当該渦電流によって発生する磁界H2が弱くなるため、測定磁界データHqの値は減少する。そのため、算出される磁界分布は、検査対象物9の内部や表面における不連続部91の分布を間接的に示している。
【0024】
なお、交流発生部32が発生する交流電流の周波数を高くし、励磁コイル群31から発生させる交流磁界の周波数を高くすると、表皮効果によって検査対象物9の略表面のみに渦電流が誘導され、検査対象物9表面の不連続部91を検出することができる。反対に、周波数を低くすると、表皮深さが大きくなるため、検査対象物9内部の不連続部91を検出することができるようになる。また、当該交流電流および交流磁界は、複数の周波数成分を含んでいてもよい。
【0025】
このようにして、各測定箇所(検査対象物9表面に対する検出コイル11の水平位置)において、渦電流によって発生する磁界H2の矩形領域AないしIごとの分布を算出することによって、検査対象物9の不連続部91を検出することができる。したがって、SQUIDを備える1個のセンサ部1を用いて、9個の矩形領域ごとの磁界分布を算出することができる。また、測定箇所を励磁コイル群31全体のサイズごとに移動させることによって、検査対象物9全体の検査時間が長くなることなく、空間分解能を向上させることができる。以下、このような励磁コイル群31全体のサイズごとに移動させる検査工程を、基本検査工程と称する。
【0026】
<第2実施形態>
===非破壊検査装置の構成===
以下、図3を参照して、本発明の第2の実施形態における非破壊検査装置の構成について説明する。なお、本実施形態における非破壊検査装置の構成の概略は、第1実施形態と同様に、図2に示されている。また、図3は、非破壊検査装置のうち、特に交流電流供給部3および励磁コイル群31の構成の詳細を示す平面図である。
【0027】
本実施形態の非破壊検査装置では、図3に示されているように、交流電流供給部3は、交流発生部32、DEMUX33、およびカウンタ34を含んでおり、励磁コイル群31は、励磁コイル31rおよび31sを含んでいる。
【0028】
第1実施形態の非破壊検査装置と同様に、交流発生部32の出力信号は、DEMUX33のデータ入力に入力され、カウンタ34から出力されるカウント値CNは、DEMUX33の選択制御入力に入力されている。また、DEMUX33の選択制御入力の値に対応する2つの出力には、励磁コイル31rおよび31sがそれぞれ接続されている。
【0029】
励磁コイル31rおよび31sは、略同一の矩形コイルであり、互いに略2分の1ずつ重なって配置されている。ここで、図3に示すように、各励磁コイルのサイズを2a×bとすると、励磁コイル31rおよび31sは、略a×bのサイズの矩形領域JないしLを形成する。したがって、略同一の2個の矩形コイルによって、当該矩形コイルの略2分の1の面積を有する3個の矩形領域が形成され、1個の励磁コイル当たり平均(3÷2=)1.5個の領域が形成されている。
【0030】
===非破壊検査装置の動作===
次に、本実施形態における非破壊検査装置の動作について説明する。なお、第1実施形態と同様に、本実施形態においても、センサ部1は、SQUIDを備えているものとする。
【0031】
第1実施形態と同様に、本実施形態の非破壊検査装置は、検査対象物9側および検出コイル11側のいずれを走査してもよい。
【0032】
交流電流供給部3のカウンタ34は、順次カウントアップまたは順次カウントダウンし、カウント値CNを出力する。本実施形態では、カウンタ34は、例えば1ビットのバイナリカウンタであり、カウント値CNが0から1まで順次増加、または1から0まで順次減少する。また、DEMUX33は、カウント値CNに応じて励磁コイル31rまたは31sの何れか一方を順次選択し、当該選択されている励磁コイルに、交流発生部32が発生する交流電流を供給する。
【0033】
したがって、交流電流供給部3は、励磁コイル31rおよび31sにそれぞれ交流電流IrおよびIsを順次流して、交流磁界を順次発生させ、検査対象物9に渦電流を誘導する。なお、励磁コイル31rに交流電流Irが流れている間、交流磁界は矩形領域JおよびKに発生する。また、励磁コイル31sに交流電流Isが流れている間、交流磁界は矩形領域KおよびLに発生する。
【0034】
第1実施形態の非破壊検査装置と同様に、検出コイル11は、渦電流によって発生する磁界H2を検出する。また、センサ部1は、検出コイル11の位置における磁界の強さまたは磁束密度に応じて、測定磁界データHqを出力する。さらに、データ処理部2は、測定磁界データHqと、DEMUX33において選択されている励磁コイルを示すカウント値CNとに基づいて、渦電流によって発生する磁界H2の矩形領域JないしLごとの分布を算出する。なお、本実施形態における磁界分布の算出方法についての詳細な説明は後述する。
【0035】
このようにして、各測定箇所において、渦電流によって発生する磁界H2の矩形領域JないしLごとの分布を算出することによって、検査対象物9の不連続部91を検出することができる。したがって、SQUIDを備える1個のセンサ部1を用いて、3個の矩形領域ごとの磁界分布を算出することができる。
【0036】
===磁界分布の算出方法===
以下、図3および図4を参照して、本実施形態における磁界分布の算出方法について説明する。
【0037】
前述したように、本実施形態の非破壊検査装置は、センサ部1がSQUIDを備えているため、渦電流によって発生する微弱な磁界H2も測定することができる。したがって、本実施形態の非破壊検査装置は、初期段階の小さな不連続部を、検査対象物9に対する悪影響が顕在化する前に検出することができ、交換や修理などの対策を適宜実施している場合には、1回の検査において検出される不連続部の個数は通常少ない。そこで、まず、渦電流に乱れが生じるような不連続部の個数が、1つの測定箇所において1個以下の場合について説明する。
【0038】
図4は、不連続部が矩形領域JないしLのいずれにも存在しない場合、または何れか1つに1個存在する場合において、各励磁コイルに交流電流が流れている間の測定磁界データHqの値およびその減少分を示している。なお、図4においては、説明の便宜上、渦電流によって測定磁界データHqの値が2(矩形領域当たり1)となるような磁界H2が発生し、不連続部が存在する矩形領域にはまったく渦電流が流れないものとしている。また、図4の各上段の(括弧が付いていない)値は、不連続部による測定磁界データHqの値の減少分を示しており、この場合の測定磁界データHqの値は、図4の各下段の(括弧が付いている)式のように求めることができる。
【0039】
不連続部が矩形領域JないしLのいずれにも存在しない場合(以下、図4および図6において、「なし」と記載)には、いずれも、不連続部による測定磁界データHqの値の減少分は0となり、Hq=2−0=2となる。また、不連続部が矩形領域Jに1個存在する場合には、励磁コイル31rに交流電流Irが流れている間のみ、測定磁界データHqの値が1個の矩形領域に相当する1だけ減少(以下、図4および図6において、「−1」と記載)し、Hq=2−1=1となる。さらに、不連続部が矩形領域Lに1個存在する場合には、励磁コイル31sに交流電流Isが流れている間のみ、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=2−1=1となる。そして、不連続部が矩形領域Kに1個存在する場合には、いずれも、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=2−1=1となる。
【0040】
以上から明らかなように、測定磁界データHqと、交流電流が流れている励磁コイルを示すカウント値CNとに基づいて、不連続部が存在する矩形領域を識別することができる。また、測定箇所を励磁コイル群31全体のサイズ(略3a×b)ごとに移動させる基本検査工程において、検査対象物9全体の検査時間が長くなることなく、空間分解能を向上させることができる。
【0041】
なお、本実施形態の非破壊検査装置は、用いる励磁コイルの個数(2個)が矩形領域の個数(3個)より少なくなっているため、交流電流供給部3および励磁コイル群31間を容易に配線することができる。
【0042】
次に、渦電流に乱れが生じるような不連続部の個数が、1つの測定箇所において2個以上の場合について説明する。
【0043】
複数の不連続部が存在する場合における、不連続部による各測定磁界データの値の減少分は、図4の各矩形領域における値(0または−1)を不連続部の個数分だけ加算すればよい。
例えば、不連続部が矩形領域JおよびKに1個ずつ存在する場合、励磁コイル31rに交流電流Irが流れている間には、測定磁界データHqの値が2だけ減少し、Hq=2−2=0となる。また、励磁コイル31sに交流電流Isが流れている間には、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=2−1=1となる。
【0044】
また、例えば、不連続部が矩形領域JおよびLに1個ずつ存在する場合には、いずれも、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=2−1=1となる。この場合、不連続部が矩形領域Kに1個存在する場合と区別することができないが、図3において、測定箇所をx0(x1)方向に距離aだけ、すなわち、矩形領域1個分だけ移動させることによって、両者を区別することが可能となる。当該移動によって、移動前に不連続部が矩形領域JおよびLに1個ずつ存在した場合には、移動後には不連続部が矩形領域Kに1個存在することとなる。一方、移動前に不連続部が矩形領域Kに1個存在した場合には、移動後には不連続部が矩形領域Jに1個存在することとなる。
【0045】
このようにして、測定箇所をx0(x1)方向に矩形領域1個分だけ移動させることによって、不連続部が複数の矩形領域に存在する場合についても区別することがより望ましい。なお、このような細かい移動を検査対象物9全体に対して行う必要はなく、基本検査工程において測定磁界データHqの値の減少分がいずれも0でなかった測定箇所に対してのみ、追加的に行えば十分である。したがって、検査対象物9全体の検査時間が大幅に長くなることはない。以下、このような矩形領域1個分だけ移動させる検査工程を、追加検査工程と称する。
【0046】
<第3実施形態>
===非破壊検査装置の構成===
以下、図5を参照して、本発明の第3の実施形態における非破壊検査装置の構成について説明する。なお、本実施形態における非破壊検査装置の構成の概略は、第1実施形態と同様に、図2に示されている。また、図5は、非破壊検査装置のうち、特に交流電流供給部3および励磁コイル群31の構成の詳細を示す平面図である。
【0047】
本実施形態の非破壊検査装置では、図5に示されているように、交流電流供給部3は、交流発生部32、DEMUX33、およびカウンタ34を含んでおり、励磁コイル群31は、励磁コイル31rないし31uを含んでいる。
【0048】
第1実施形態の非破壊検査装置と同様に、交流発生部32の出力信号は、DEMUX33のデータ入力に入力され、カウンタ34から出力されるカウント値CNは、DEMUX33の選択制御入力に入力されている。また、DEMUX33の選択制御入力の値に対応する4つの出力には、励磁コイル31rないし31uがそれぞれ接続されている。
【0049】
励磁コイル31rないし31uは、略同一の矩形コイルである。また、隣接する2つの励磁コイル同士、すなわち、励磁コイル31rと31s、31rと31t、31sと31u、および31tと31uは、互いに略2分の1ずつ重なって配置されている。ここで、図5に示すように、各励磁コイルを2a×2aのサイズの矩形(正方形)コイルとすると、励磁コイル31rないし31uは、略a×aのサイズの矩形(正方形)領域AないしIを形成する。したがって、略同一の4個の矩形コイルによって、当該矩形コイルの略4分の1の面積を有する9個の矩形領域が形成され、1個の励磁コイル当たり平均(9÷4=)2.25個の領域が形成されている。
【0050】
===非破壊検査装置の動作===
次に、本実施形態における非破壊検査装置の動作について説明する。なお、第1実施形態と同様に、本実施形態においても、センサ部1は、SQUIDを備えているものとする。
【0051】
第1実施形態と同様に、本実施形態の非破壊検査装置は、検査対象物9側および検出コイル11側のいずれを走査してもよい。
【0052】
交流電流供給部3のカウンタ34は、順次カウントアップまたは順次カウントダウンし、カウント値CNを出力する。本実施形態では、カウンタ34は、例えば2ビットのバイナリカウンタであり、カウント値CNが0から3まで(2進数で00から11まで)順次増加、または3から0まで順次減少する。また、DEMUX33は、カウント値CNに応じて励磁コイル31rないし31uのうちの何れか1つを順次選択し、当該選択されている励磁コイルに、交流発生部32が発生する交流電流を供給する。
【0053】
したがって、交流電流供給部3は、励磁コイル31rないし31uにそれぞれ交流電流IrおよびIsを順次流して、交流磁界を順次発生させ、検査対象物9に渦電流を誘導する。なお、励磁コイル31rに交流電流Irが流れている間、交流磁界は矩形領域A、B、D、およびEに発生する。また、励磁コイル31sに交流電流Isが流れている間、交流磁界は矩形領域B、C、E、およびFに発生する。さらに、励磁コイル31tに交流電流Itが流れている間、交流磁界は矩形領域D、E、G、およびHに発生する。そして、励磁コイル31uに交流電流Iuが流れている間、交流磁界は矩形領域E、F、H、およびIに発生する。
【0054】
第1実施形態の非破壊検査装置と同様に、検出コイル11は、渦電流によって発生する磁界H2を検出する。また、センサ部1は、検出コイル11の位置における磁界の強さまたは磁束密度に応じて、測定磁界データHqを出力する。さらに、データ処理部2は、測定磁界データHqと、DEMUX33において選択されている励磁コイルを示すカウント値CNとに基づいて、渦電流によって発生する磁界H2の矩形領域AないしIごとの分布を算出する。なお、本実施形態における磁界分布の算出方法についての詳細な説明は後述する。
【0055】
このようにして、各測定箇所において、渦電流によって発生する磁界H2の矩形領域AないしIごとの分布を算出することによって、検査対象物9の不連続部91を検出することができる。したがって、SQUIDを備える1個のセンサ部1を用いて、9個の矩形領域ごとの磁界分布を算出することができる。
【0056】
===磁界分布の算出方法===
以下、図5および図6を参照して、本実施形態における磁界分布の算出方法について説明する。
【0057】
前述したように、本実施形態の非破壊検査装置は、センサ部1がSQUIDを備えているため、渦電流によって発生する微弱な磁界H2も測定することができる。したがって、本実施形態の非破壊検査装置は、初期段階の小さな不連続部を、検査対象物9に対する悪影響が顕在化する前に検出することができ、交換や修理などの対策を適宜実施している場合には、1回の検査において検出される不連続部の個数は通常少ない。そこで、まず、渦電流に乱れが生じるような不連続部の個数が、1つの測定箇所において1個以下の場合について説明する。
【0058】
図6は、不連続部が矩形領域AないしIのいずれにも存在しない場合、または何れか1つに1個存在する場合において、各励磁コイルに交流電流が流れている間の測定磁界データHqの値およびその減少分を示している。なお、図6においては、説明の便宜上、渦電流によって測定磁界データHqの値が4(矩形領域当たり1)となるような磁界H2が発生し、不連続部が存在する矩形領域にはまったく渦電流が流れないものとしている。また、図6の各上段の値は、不連続部による測定磁界データHqの値の減少分を示しており、この場合の測定磁界データHqの値は、図6の各下段の式のように求めることができる。
【0059】
例えば、不連続部が矩形領域Aに1個存在する場合には、励磁コイル31rに交流電流Irが流れている間のみ、測定磁界データHqの値が1個の矩形領域に相当する1だけ減少し、Hq=4−1=3となる。また、例えば、不連続部が矩形領域Eに1個存在する場合には、いずれも、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=4−1=3となる。さらに、例えば、不連続部が矩形領域Fに1個存在する場合には、励磁コイル31sに交流電流Isが流れている間、および励磁コイル31uに交流電流Iuが流れている間のみ、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=4−1=3となる。
【0060】
図6から明らかなように、測定磁界データHqと、交流電流が流れている励磁コイルを示すカウント値CNとに基づいて、不連続部が存在する矩形領域を識別することができる。また、測定箇所を励磁コイル群31全体のサイズ(略3a×3a)ごとに移動させる基本検査工程において、検査対象物9全体の検査時間が長くなることなく、空間分解能を向上させることができる。
【0061】
なお、本実施形態の非破壊検査装置は、用いる励磁コイルの個数(4個)が矩形領域の個数(9個)より少なくなっているため、交流電流供給部3および励磁コイル群31間を容易に配線することができる。また、1個の励磁コイル当たり形成される領域の平均個数が第2実施形態の非破壊検査装置より多いため、さらに効率よく空間分解能を向上させることができる。
【0062】
次に、渦電流に乱れが生じるような不連続部の個数が、1つの測定箇所において2個以上の場合について説明する。
複数の不連続部が存在する場合における、不連続部による各測定磁界データの値の減少分は、第2実施形態の場合と同様に、図6の各矩形領域における値(0または−1)を不連続部の個数分だけ加算すればよい。
【0063】
例えば、不連続部が矩形領域DおよびEに1個ずつ存在する場合、励磁コイル31rに交流電流Irが流れている間、および励磁コイル31tに交流電流Itが流れている間には、測定磁界データHqの値が2だけ減少し、Hq=4−2=2となる。また、励磁コイル31sに交流電流Isが流れている間、および励磁コイル31uに交流電流Iuが流れている間には、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=4−1=3となる。
【0064】
また、例えば、不連続部が矩形領域BおよびHに1個ずつ存在する場合には、いずれも、測定磁界データHqの値が1だけ減少し、Hq=4−1=3となる。この場合、不連続部が矩形領域Eに1個存在する場合と区別することができないが、図5において、測定箇所をy0(y1)方向に距離aだけ、すなわち、矩形領域1個分だけ移動させることによって、両者を区別することが可能となる。当該移動によって、移動前に不連続部が矩形領域BおよびHに1個ずつ存在した場合には、移動後には不連続部が矩形領域Eに1個存在することとなる。一方、移動前に不連続部が矩形領域Eに1個存在した場合には、移動後には不連続部が矩形領域Bに1個存在することとなる。
【0065】
さらに、同様に、不連続部が矩形領域DおよびFに1個ずつ存在する場合と、矩形領域Eに1個存在する場合とは、図5において、測定箇所をx0(x1)方向に矩形領域1個分だけ移動させることによって、両者を区別することができる。
【0066】
このようにして、測定箇所をx0(x1)方向またはy0(y1)方向に矩形領域1個分だけ移動させる追加検査工程によって、不連続部が複数の矩形領域に存在する場合についても区別することがより望ましい。なお、当該追加検査工程は、基本検査工程において測定磁界データHqの値の減少分が複数の励磁コイルについて0でなかった測定箇所に対してのみ、追加的に行えば十分である。したがって、検査対象物9全体の検査時間が大幅に長くなることはない。
【0067】
===励磁コイルの他の配置例===
励磁コイル群31は、図1、図3、および図5に示した励磁コイルの配置例以外にも様々な構成が可能である。なお、各励磁コイルの形状や各領域の形状が異なる場合、測定磁界データHqは、不連続部が存在しない測定箇所においても変動してしまい、データ処理部2において、励磁コイルや領域ごとに重み付けなどの補正する必要がある。そのため、上記第1ないし第3実施形態のように、各励磁コイルの形状および各領域の形状を略同一にすることが望ましい。以下、各励磁コイルの形状および各領域の形状が略同一である励磁コイルの他の配置例を示す。
【0068】
まず、図7ないし図9を参照して、図1の配置例と同様に、各励磁コイルを隣接して平面的に配置した配置例を示す。
【0069】
図7および図8は、三角形コイルを用いた配置例を示している。図7の配置例では、6個の三角形コイルT1ないしT6が、それぞれの1つの頂点を共有するように配置され、励磁コイル群31全体の形状は、3組の対辺が平行で等しい平行六角形(平行六辺形)となっている。また、図8の配置例では、三角形コイルT1とT2、T3とT4、T5とT6、およびT7とT8が、それぞれ平行四辺形を形成するように隣接して配置され、励磁コイル群31全体の形状は、当該4個の平行四辺形を組み合わせた平行四辺形となっている。なお、各三角形コイルの形状が正三角形である場合には、図7の配置例における励磁コイル群31全体の形状は正六角形となり、図8の配置例における励磁コイル群31全体の形状は菱形となる。
【0070】
図9は、正六角形コイルを用いた配置例を示している。図9に示されているように、7個の正六角形コイルH1ないしH7は、隣接してハニカム状に配置されている。
【0071】
なお、矩形コイル、三角形コイル、および正六角形コイルは、いずれも、平面を隙間なく敷き詰めることができる、平面充填可能な形状である。これらのうち、図1の配置例で用いられている矩形コイルは、検査対象物9側または検出コイル11側をx0(x1)方向およびy0(y1)方向に走査するのに好適である。また、図9の配置例で用いられている正六角形コイルは、平面充填可能な形状のうち、最も円に近い形状である。
【0072】
次に、図10ないし図12を参照して、図3および図5の配置例と同様に、各励磁コイルの一部を重ねて配置した配置例を示す。
【0073】
図10は、図5の配置例と同様に、隣接する2つの矩形コイル同士を互いに略2分の1ずつ重ねて配置することによって、16個の矩形領域を形成する配置例を示している。図10に示されているように、8個の矩形コイルS1ないしS8は、16個の矩形領域S11ないしS26のうち、それぞれ丸印の付いた4個を囲むように配置されている。したがって、図10の配置例では、1個の検出コイル当たり平均(16÷8=)2個の領域が形成されている。なお、矩形領域S16、S17、S20、およびS21を囲む矩形コイルは不要である。
【0074】
図11は、図10の配置例と同様に、8個の矩形コイルを用いて、16個の矩形領域を形成する他の配置例を示している。図11に示されているように、8個の矩形コイルR1ないしR8は、16個の矩形領域S11ないしS26のうち、それぞれ縦一列または横一列の4個を囲むような形状をしている。なお、図10の配置例と同様に、図11の配置例でも、1個の検出コイル当たり平均2個の領域が形成されている。
【0075】
図12は、正六角形コイルを用いた配置例を示している。図12に示されているように、6個の正六角形コイルH1ないしH6は、12個の菱形領域R11ないしR16、およびR21ないしR26のうち、それぞれ丸印の付いた3個を囲むように配置されている。したがって、図12の配置例では、1個の検出コイル当たり平均(12÷6=)2個の領域が形成されている。なお、各菱形領域の形状は、正六角形コイルの1つおきの3つの頂点と重心とを結んで形成されるような、正六角形コイルの3分の1の面積を有する菱形である。
【0076】
前述したように、複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択し、当該選択されている励磁コイルから検査対象物9に渦電流を誘導する交流磁界を発生させ、当該渦電流によって発生する磁界H2に応じた測定磁界データHqに基づいて、領域ごとの磁界分布を算出することによって、磁気センサの個数を増加させることなく非破壊検査装置の空間分解能を向上させることができる。
【0077】
また、励磁コイル群31において形成される各領域の形状を略同一にすることによって、データ処理部2において重み付けなどの補正する必要がなく、処理速度を向上させることができる。
【0078】
また、励磁コイルとして略同一の複数の矩形コイルを用いて、これらを隣接して平面的に配置することによって、検査対象物9側または検出コイル11側をx0(x1)方向およびy0(y1)方向に走査する場合に好適な構成とすることができる。
【0079】
また、励磁コイルとして略同一の複数の三角形コイルを用いて、これらを隣接して平面的に配置することによって、励磁コイル群31全体のコイル面を隙間なく敷き詰めることができる。
【0080】
また、励磁コイルとして略同一の複数の正六角形コイルを用いて、これらをハニカム状に配置することによって、最も円に近い形状の励磁コイルで励磁コイル群31全体のコイル面を隙間なく敷き詰めることができる。
【0081】
また、励磁コイル群31に含まれる複数の励磁コイルの一部を重ねて配置することによって、用いる励磁コイルの個数が領域の個数より少なくなり、交流電流供給部3および励磁コイル群31間を容易に配線することができる。
【0082】
また、励磁コイルとして略同一の複数の矩形コイルを用いて、これらの一部を重ねて配置することによって、略同一の複数の矩形領域を形成することができ、検査対象物9側または検出コイル11側をx0(x1)方向およびy0(y1)方向に走査する場合に好適な構成とすることができる。
【0083】
また、略同一の4個の矩形コイルのうち、隣接する2個同士を互いに略2分の1ずつ重ねて配置することによって、当該矩形コイルの略4分の1の面積を有する9個の矩形領域を形成することができる。
【0084】
また、DEMUX33によって複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択し、当該選択されている励磁コイルに交流発生部32から交流電流を供給することによって、検査対象物9に渦電流を誘導する交流磁界を複数の励磁コイルから順次発生させることができる。
【0085】
また、カウンタ34から出力されるカウント値CNに応じて複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択することによって、測定磁界データHqと、交流電流が流れている励磁コイルを示すカウント値CNとに基づいて、渦電流によって発生する磁界H2の領域ごとの分布を算出することができる。
【0086】
なお、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0087】
上記実施形態では、センサ部1がSQUIDを備える場合について説明したが、これに限定されるものではない。センサ部1は、SQUID以外にFGセンサやMIセンサを備えていてもよい。
【0088】
上記実施形態および励磁コイルの配置例では、いずれも、励磁コイル群31全体のサイズと、略同一面積の領域の合計サイズとが等しくなっているが、これに限定されるものではない。励磁コイル群31は、略同一面積の領域以外の不使用領域を含むような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 センサ部
1a〜1i センサ部
2 データ処理部
3、4 交流電流供給部
9 検査対象物
11 検出コイル
11a〜11i 検出コイル
31 励磁コイル群
31a〜31i 励磁コイル
31r〜11u 励磁コイル
32 交流発生部
33 DEMUX(デマルチプレクサ)
34 カウンタ
41 励磁コイル
91 不連続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域を形成するように配置された複数の励磁コイルを含み、当該複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択して、検査対象物に渦電流を誘導する交流磁界を発生させる磁界発生部と、
前記渦電流によって発生する磁界に応じた測定磁界データを出力する磁気センサと、
前記測定磁界データに基づいて、前記渦電流によって発生する磁界を前記複数の領域ごとに求めるデータ処理部と、
を有することを特徴とする非破壊検査装置。
【請求項2】
前記複数の領域は、略同一形状であることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項3】
前記複数の励磁コイルは、隣接して平面的に配置された略同一の複数の矩形コイルであることを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査装置。
【請求項4】
前記複数の励磁コイルは、隣接して平面的に配置された略同一の複数の三角形コイルであることを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査装置。
【請求項5】
前記複数の励磁コイルは、ハニカム状に配置された略同一の複数の正六角形コイルであることを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査装置。
【請求項6】
前記磁界発生部は、前記複数の領域を形成するように一部が重なって配置された、前記複数の領域より少ない個数の前記複数の励磁コイルを含むことを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査装置。
【請求項7】
前記複数の励磁コイルは、略同一の複数の矩形領域を形成するように一部が重なって配置された、略同一の複数の矩形コイルであることを特徴とする請求項6に記載の非破壊検査装置。
【請求項8】
前記複数の励磁コイルは、それぞれの略4分の1の面積の9個の矩形領域を形成するように一部が重なって配置された、略同一の4個の矩形コイルを含むことを特徴とする請求項7に記載の非破壊検査装置。
【請求項9】
前記磁界発生部は、
交流電流を発生する交流発生部と、
前記複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択して前記交流電流を供給するデマルチプレクサと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の非破壊検査装置。
【請求項10】
前記磁界発生部は、順次増加または順次減少するカウント値を出力するカウンタをさらに含み、
前記デマルチプレクサは、前記カウント値に応じて前記複数の励磁コイルのうちの何れか1つを順次選択し、
前記データ処理部は、前記測定磁界データおよび前記カウント値に基づいて、前記渦電流によって発生する磁界を前記複数の領域ごとに求めることを特徴とする請求項9に記載の非破壊検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−13181(P2011−13181A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159772(P2009−159772)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】