説明

非電話方式無線送信によるCE機器への無線オファーの供給

【課題】非電話方式無線送信を使用した家庭用電化製品(CE)機器への無線販売オファーの供給に関する技術を提供する。
【解決手段】ローカルデジタル広告板ネットワークに対する製造業者の製品保証情報の相互登録メタデータに基づいて、地理的及び社会経済的にターゲティングしたメディア、広告、及び電子クーポンを携帯型家庭用電子機器及び通信機器に非電話方式無線方法を介して配信する方法。本方法は、CE機器が供給ユニットの近くにあることを検出する段階、CE機器のIDを使用してデータベースにアクセスする段階、データベースからCE機器のIDに相関付けられたユーザ情報を取得する段階、ユーザ情報を使用して、提示される少なくとも1つの販売オファーを特定する段階、及び電話方式システムを使用せずにCE機器に販売オファーを無線送信する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、非電話方式無線送信を使用した家庭用電化製品(CE)機器への無線販売オファー(offer)の供給に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店には、販売される商品を広告する広告板が設けられる。本明細書で理解されるように、広告板は、デジタル式、すなわちプロセッサによって駆動することができ、広告板上に表示される広告を容易に変更することができる。同じく本明細書で理解されるように、広告を含む販売オファーは、受信者の人口統計的、社会経済的地位などの知識を用いて消費者に対してターゲティングする場合に、より有効である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の様々な態様及び特徴は、添付の特許請求の範囲に規定されている。
【0004】
一実施形態では、家庭用電化製品(CE)機器のユーザに販売オファーを供給する方法は、CE機器がデジタル対応の広告板のような供給ユニットの近くにあることを検出する段階、及びCE機器のIDを使用してデータベースにアクセスする段階を含む。本方法はまた、CE機器のIDに相関付けられたユーザ情報をデータベースから取得する段階、及びユーザ情報を使用して、供給する少なくとも1つの販売オファーを特定する段階を含む。本方法は、電話方式システムを使用せずにCE機器に販売オファーを無線送信する段階を含む。広告板は、検出する動作を行うことができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、ユーザ情報は、ユーザを個人的に特定しない人口統計的情報及び/又は地理的情報を含むことができる。販売オファーは、広告を含むことができ、かつワイ・ファイ、又はBluetooth(登録商標)、又は超広帯域無線(UWB)通信、又は他の無線非電話方式手段を使用して広告板からCE機器に送信することができる。いずれの場合も、CE機器が供給ユニットの近くで検出されると、CE機器のユーザは、機器の電源を入れることだけが必要であり、それ以上の行為を行う必要なく、供給ユニットから販売オファーを受け取る。
【0006】
別の態様では、デジタル対応の広告板は、プロセッサと、プロセッサと通信する非電話方式無線送受信機とを保持するハウジングを含む。プロセッサは、CE機器が近くにあることを示す信号を受け取る。信号は、CE機器IDを含み、プロセッサは、機器IDを販売オファーサーバに送信し、それに応答して、非電話方式無線送受信機を介したCE機器への販売オファーの供給のための販売オファーが特定される。
【0007】
別の態様では、システムは、機器IDを有するCE機器の存在を検出するための手段と、機器IDを、少なくとも1つの販売オファーに相関付ける販売オファー手段に機器IDを送信するための手段とを含む。非電話方式無線送信手段が設けられ、CE機器に販売オファーを送信するために検出するための手段と関連付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施形態は、その構造及び作動の両方に関して、同じ参照番号が同じ部分を示す添付図面を参照して最も良く理解することができる。
【0009】
最初に図1を参照すると、一般的に10としたシステムが示され、1つ又はそれよりも多くの家庭用電化製品(CE)機器12(明瞭にするために1つだけのCE機器12を示す)を含む。CE機器12は、以下に限定されるものではないが、無線電話方式対応機器とすることができ、その場合、以下に限定されるものではないが、GSM又はCDMA送受信機のような無線電話方式送受信機14を含む。あるいは、CE機器12は、例えば、無線電話方式に対応していない、ラップトップコンピュータ、又は携帯情報端末、又はデジタルカメラ、又は他の機器とすることができる。いずれの場合も、CE機器12は、限定されるものではないが、ディスクストレージ又は固体ストレージのような有形のデータ記憶媒体20にアクセスすることができるCE機器プロセッサ18によって制御することができる非電話方式無線送受信機16を含む。非電話方式無線送受信機16は、Bluetooth送受信機、超広帯域無線(UWB)送受信機、ワイ・ファイ送受信機、又は他のブロードバンド無線非電話方式送受信機とすることができる。プロセッサ18は、視覚的ディスプレイ22を制御し、CE機器12の構成要素は、単一の携帯型ハウジングに収容され、1つ又はそれよりも多くの充電式バッテリ24によって電力供給することができる。
【0010】
CE機器は、オンライン又は実際の小売り施設26から購入することができ、かつ典型的には購入過程の一部として(又はその直後に)、購入者は、人口統計的情報(例えば、年齢、性別、収入のうちの1つ又はそれよりも多く)、ユーザに関する地理的情報(例えば、居住都市)、及びユーザが特定した個人嗜好を含む保証情報を小売り施設(又は関連エンティティ)に提出して戻す。ユーザの氏名又は社会保障番号のようなユーザを個人的に特定する情報も提供することができるが、更に以下に開示するように、ターゲット情報を提供するのに使用しないことが好ましい。情報は、データベース28に格納することができる。
【0011】
購入に続いて、CE機器12の購入者(「ユーザ」とも言う)は、CE機器を手にして、小売り施設26又は他の場所を含む施設に入ることができる。ユーザは、販売オファー供給ユニットの近くを通ることができる。一実施例では、販売オファー供給ユニットは、キオスクと考えることもできるデジタル対応の広告板30とすることができる。
【0012】
広告板30は、典型的には、広告のような情報を表示することができるフラットパネルディスプレイのようなディスプレイ32を含む。ディスプレイ32は、ディスクベースメモリ又は固体メモリとして実装することができるコンピュータストレージ38にアクセスする広告板プロセッサ34によって制御される。プロセッサ34はまた、CE機器12の非電話方式無線送受信機16と通信することができる非電話方式無線送受信機38を制御する。広告板はまた、広告板プロセッサ34によって制御されるプリンタ39を含み、広告板30の上記構成要素は、単一の広告板ハウジングに配置することができ、かつ電池式の、すなわち交流網から電力供給されないものとすることができる。
【0013】
以下に説明する論理は、それぞれのプロセッサ18、34による実行のために例えばストレージ20、36上に格納することができる。従って、本発明は、上述の媒体のような有形のコンピュータ可読媒体の実装によって具現化することができる。
【0014】
ここで図2を参照すると、上述のように、そしてブロック40に示すように、ユーザは、CE機器12を購入する。ブロック42に進むと、ユーザは、典型的には機器登録過程の一部として、上述のユーザ関連情報を提供する。この情報は、ブロック44によって示されるように例えばデータベース28に格納される。
その後、図3のブロック46に示すように、ユーザが、CE機器12を手にしてデジタル対応の広告板30の近くに入ると、広告板30は、機器12を検出する。これは、例えば、非電話方式無線送受信機16からネットワーク探索信号を検出することによって行うことができる。探索信号は、広告板30の非電話方式無線送受信機38によって受け取られて広告板プロセッサ34によって処理され、CE機器12が近くにあると判断することができる。典型的には、探索信号、又は無線ネットワークの発見に成功することによって引き起こされた付随メッセージはCE機器12のIDを含み、広告板プロセッサ34が機器IDを受け取ることができる。他の検出方法も本明細書で考えられている。
【0015】
ブロック48に進むと、広告板30は、例えば入力引数として機器IDを使用して、例えばインターネットを介してデータベース28と通信することができる。機器IDは、機器12を購入した個人に関連する情報と相関付けられる。個人識別情報がデータベース28にあるかないかに関係なく、CE機器12を登録した個人についての個人的に特定可能でない消費者人口統計及び嗜好情報だけが使用されることが好ましい。
【0016】
ブロック50において、ユーザの人口統計的及び/又は地理的及び/又は嗜好情報に基づいて、広告板プロセッサ34は、限定するものではないが広告板ストレージ36のような広告板30に関連するデータベースにアクセスし、広告板ストレージ36内の1つ又はそれよりも多くの製品オファーをCE機器12に相関付けることができる。例えば、CE機器12の購入者が中年男性であることが分ると、プロセッサ34は、広告板ディスプレイ32及び/又はCE機器ディスプレイ22上に新しいゴルフクラブを購入するオファー又は広告を提示すべきであると判断することができ、これは、ユーザが広告板30の近くから離れる前にブロック52で即座に実行することができる。すなわち、広告板ディスプレイ32上に提示されるメッセージは、広告板30の近くにあるCE機器12の機器IDに従って変更することができ、及び/又は販売オファーは、非電話方式無線送受信機16、38を通じてCE機器12に送信し、CE機器12のディスプレイ22上に販売オファーを表示することができる。あるいは、クーポンの形での販売オファーは、CE機器12のユーザによるその取り出しのために広告板プリンタ39で印刷することができ、又はクーポンは、販売オファーの形式でCE機器12に無線送信することができる。いずれの場合も、図3の論理は、好ましくは、CE機器12の電源を入れさせる以外にオファーの通知を受け取るいかなるユーザ行為も必要とせずに、ユーザに対して自動的かつ透明に行われる。
【0017】
必要に応じて、ユーザには、広告板30からのプロンプトの手段によってオファーを受け取る選択肢を与えることができる。ユーザは、オファーを受け取ることができ、それは、次に機器12上に提示され、及び/又は将来の小売り取引に使用するために機器ストレージ20に格納される。データストレージ、広告板、及び送信媒体は、全て、必要に応じて異なるエンティティによって所有することができる。
【0018】
特定の「非電話方式無線送信を使用するCE機器への無線オファーの供給」を本明細書に示して詳細に説明したが、本発明が包含する内容は、特許請求の範囲によってのみ限定されることは理解されるものとする。例えば、データベース28は、それ自体が機器IDをユーザの人口統計に相関付け、次に適切な販売オファーをその表示のためにインターネットを介して広告板30に戻すことができる。更に、特許請求の範囲に規定した特徴及び方法段階の組合せは、特許請求の範囲の特定の従属性によって指定されたもの以外、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の原理による例示的システムのブロック図である。
【図2】ユーザ情報を取得する論理を示す流れ図である。
【図3】デジタル対応の広告板からCE機器に販売オファーを供給する論理を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用電化製品(CE)機器のユーザに販売オファーを供給する方法であって、
前記CE機器が供給ユニットの近くにあることを検出する段階と、
前記CE機器のIDを使用してデータベースにアクセスする段階と、
前記CE機器の前記IDに相関付けられたユーザ情報を前記データベースから取得する段階と、
前記ユーザ情報を使用して、供給する少なくとも1つの販売オファーを特定する段階と、
電話方式システムを使用せずに、前記販売オファーを前記CE機器に無線送信する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記供給ユニットは、デジタル対応の広告板であり、該広告板は、検出する動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、人口統計的情報及び/又は地理的情報を含み、かつ前記ユーザを個人的に特定しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記販売オファーは、広告を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記販売オファーは、ワイ・ファイを使用して前記広告板から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記販売オファーは、Bluetoothを使用して前記広告板から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記販売オファーは、超広帯域無線(UWB)通信を使用して前記広告板から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記CE機器が前記供給ユニットの近くで検出されると、前記CE機器のユーザは、該機器の電源を入れることだけが必要であり、それ以上の行為を行う必要なく、該供給ユニットから前記販売オファーを受け取ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジング内のプロセッサと、
前記プロセッサと通信する前記ハウジング内の非電話方式無線送受信機と、
を含み、
前記プロセッサは、CE機器が近くにあることを示す信号を受信し、該信号は、CE機器IDを含み、該プロセッサは、販売オファーサーバにアクセスし、販売オファーが、前記非電話方式無線送受信機を介した前記CE機器への該販売オファーの供給のために、該機器IDに応答して特定される、
ことを特徴とするデジタル対応の広告板。
【請求項10】
前記機器IDは、ユーザを個人的に特定しない人口統計的情報及び/又は地理的情報を含むユーザ情報に相関付けられていることを特徴とする請求項9に記載の広告板。
【請求項11】
前記販売オファーは、広告を含むことを特徴とする請求項9に記載の広告板。
【請求項12】
前記販売オファーは、ワイ・ファイを使用して前記広告板から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項9に記載の広告板。
【請求項13】
前記販売オファーは、Bluetoothを使用して前記広告板から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項9に記載の広告板。
【請求項14】
前記販売オファーは、超広帯域無線(UWB)通信を使用して前記広告板から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項9に記載の広告板。
【請求項15】
前記CE機器が前記供給ユニットの近くで検出されると、前記CE機器のユーザは、該機器の電源を入れることだけが必要であり、それ以上の行為を行う必要なく、該供給ユニットから前記販売オファーを受け取ることを特徴とする請求項9に記載の広告板。
【請求項16】
機器IDを有するCE機器の存在を検出するための手段と、
前記機器IDを、少なくとも1つの販売オファーに該機器IDを相関付ける販売オファー手段に送信するための手段と、
前記検出するための手段に関連付けられた、前記販売オファーをCE機器に送信するための非電話方式無線送信手段と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記販売オファーは、ワイ・ファイを使用して前記無線送信手段から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記販売オファーは、Bluetoothを使用して前記無線送信手段から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記販売オファーは、超広帯域無線(UWB)通信を使用して前記無線送信手段から前記CE機器に送信されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記機器IDは、ユーザを個人的に特定しない人口統計的情報及び/又は地理的情報を含むユーザ情報と相関付けられていることを特徴とする請求項16に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−295054(P2008−295054A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−145101(P2008−145101)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【Fターム(参考)】