説明

面取り切断装置

面取り切断装置が記載される。面取り切断装置は、取付けブラケットと、取付けブラケットに堅く取り付けられた電磁石と、電磁石に磁気的に結合された保持/解放アームと、保持/解放アームに堅く取り付けられた面取り面形成具とを含み、面取りカッターは、それぞれが面取り点で終端する2つの屈曲梁を備え、刃は取付けブラケットに堅く接続され、かつ面取り点の間に位置付けられる。かかる面取り切断装置を組み込んだディスペンサ、及び面取り切断方法もまた記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切断時に材料の切端に面取りされた縁部を形成するための装置に関する。材料の切断時に面取りされた縁部を形成する方法もまた開示される。
【背景技術】
【0002】
それぞれが同じ材料からなり、かつ同一寸法を有する多数の部品にアクセスするのが望ましい用途が多く存在している。それぞれが同じ材料からなり、サイズ又は形状が異なる多数の部品にアクセスできるのが望ましい用途もまた、多く存在している。どちらの場合にも、1つの一般的な手法は、事前に切断された部品が供給されることであるが、一部の用途では、材料が連続的に供給されて(例えば、ロール)、必要に応じてこのロールから個々の部品を切断するのがより効率的である場合がある。これは、所望の部品のサイズがその用途の直前に決定される用途において、及び/又は離散的な数の部品サイズではなく、所望のサイズの連続的分配が存在する場合に、特に有利である。
【0003】
使用目的によっては、切断部品の正確な寸法がきわめて重大であり得る。例えば、無鉛ホイールウエイトシステム(wheel weight system)が、3M Company(St.Paul,Minnesota)から入手可能であり、これは、無鉛ホイールバランシング材料と粘着テープを組み合わせたものである。ホイールウエイトシステムは、様々な長さ、幅、及び高さのロールで入手可能である。材料の特定の密度、幅、及び高さに基づいて、ロールストックから正確な長さを切断することによって、所望の重量の部品を取り出すことができる。使用目的によっては(例えば、ホイールバランシング)、部品(即ち、無鉛ホイールウエイトシステム)の長さは、組み立てのために部品が必要となる直前に決定される。
【0004】
多くの切断及び分配用途では、材料の幅及び高さを横断する直線切断が適切である。しかしながら、手で適用することが意図される厚い材料では、切り口の形状は、製品の人間工学及びその使用目的に影響を与える可能性がある。例えば、鋭角角部又は縁部を有する部品を繰り返し手で適用することは、切断部品を所定位置に圧入する際に、指又は親指がこの縁部に押し付けられる又はその上を滑ることになるので、不快感が生じる場合がある。
【0005】
所望の端部断面を形成するために部品の面取りされた縁部を形成することは、既知である。図1に示されるように、第1の面取りされた角部21は、部品40の上面30と第1の切断側壁31とを結ぶ、第1の切断縁部11の輪郭部分である。いくつかの実施形態では、第2の面取りされた角部22は、第2の切断縁部12の一部を形成し、また、上面30と第2の切断側壁32とを同様に結んでいる。
【0006】
本明細書で使用するとき、「面取りされた角部」は、傾斜角部及び丸みを帯びた角部を包含する。第1の面取りした面21は、傾斜角部、即ち、上面及び切断側壁と90度以外の角度で交差する、実質的に平面的な角部を示している。用語「実質的に平面的な」とは、例えば、傾斜角部と上面との交差位置、及び傾斜角部と側壁との交差位置における何らかの丸み付けを含む、任意の製造プロセスにおいて典型的な通常の変動を包含することを意味する。
【0007】
図1を参照すると、傾斜角部と切断側壁との間の角度A1と、傾斜角部と上面との間の角度A2の合計は、90度になる。いくつかの実施形態では、角度A1は、少なくとも10度、例えば、少なくとも20度、又は更には少なくとも30度である。いくつかの実施形態では、角度A1は、80度以下、例えば70度以下、又は更には60度以下である。いくつかの実施形態では、角度A1は、30度以上及び60度以下、例えば、40度以上及び50度以下である。
【0008】
第2の面取りされた角部22は、丸みを帯びた角部を示している。本明細書で使用するとき、「丸みを帯びた角部」は、上面と切断側壁を結ぶ連続的で弓状の角部から本質的に成る。丸みを帯びた角部は、凸状又は凹状であってもよい。用語「連続的で弓状の角部から本質的に成る」とは、任意の製造プロセスにおいて典型的な通常の変動、特に、面取りされた縁部と、上面及び切断側縁部の一方又は両方との交差位置において生じ得る変動を包含することを意味する。
【0009】
多くの場合、面取りされた角部は、部品が切断された後に形成される。一般に、面取りされた角部(chamfered)は、上面と切断縁部との交点の近くを、所望の輪郭が得られるまで材料を除去する(例えば、切断する又は研磨する)ことによって形成される。しかしながら、まれな応用例(例えば、精密なホイールウェイトセグメントの形成)では、材料の除去の結果、部品の質量が望ましくなく減少することになる。この問題は、所望の輪郭を用いて部品を成形することによって克服され得るが、このような手法は、オンデマンドの用途、又は部品寸法の連続的分配を必要とする用途には実用的でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、使用目的によっては(it someapplications)、部品を所望の長さに切断することと、面取りされた縁部を形成することとを同一工程で行うことができる装置を提供することが望ましくあり得る。材料を除去せずに面取りされた縁部を形成することもまた、望ましくあり得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
簡潔に述べると、一態様において、本開示は面取り切断装置を提供する。いくつかの実施形態では、面取り切断装置は、取付けブラケットと、取付けブラケットに堅く取り付けられる電磁石と、電磁石に磁気的に結合される保持/解放アームと、保持/解放アームに堅く取り付けられる面取り面形成具とを含む。一般に、面取りカッターは、それぞれが面取り点で終端する2つの屈曲梁を含む。面取り切断装置は、取付けブラケットに堅く接続され、かつ面取り点の間に位置付けられる刃を更に含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、取付けブラケットは、アクチュエータアームと、電磁石支持体と、刃ホルダーとを含む。アクチュエータアームの一方の端部は刃ホルダーに堅く接続され、かつアクチュエータアームの他端部はアクチュエータに堅く接続される。電磁石は、刃ホルダーに堅く接続された電磁石支持体に堅く接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、面取り面形成具は、2つのローブを更に含み、1つのローブは、面取り点から離れるように各屈曲梁から延出する。
【0014】
別の態様において、本開示は、ベースと壁部とを有するフレームと、フレームに装着される面取り切断装置とを備えるディスペンサを提供する。いくつかの実施形態では、フレームは、切断装置の刃の下方に位置付けられた一対の側方ガイドと、ベースの上方に保持された側方ガイドの上部に取り付けられて、材料がハードストップの下でかつ側方ガイドの間を通過するための経路を形成する一対のハードストップと、を更に含む。
【0015】
上記の本開示の概要は、本発明のそれぞれの実施形態を説明することを目的としたものではない。本発明の1以上の実施形態の詳細を以下の説明文においても記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、その説明文から、また「特許請求の範囲」から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】面取りされた角部を有する部品を示す。
【図2】本発明のいくつかの実施形態による1つの代表的な切断装置を示す。
【図3A】本発明のいくつかの実施形態による代表的な面取り面形成具の側面図。
【図3B】本発明のいくつかの実施形態による別の代表的な面取り面形成具の側面図。
【図4A】材料の切断及び面取り前の、本発明のいくつかの実施形態による面取り面形成具の側面図。
【図4B】材料の切断及び面取りの開始時の、本発明のいくつかの実施形態による面取り面形成具の側面図。
【図4C】引き続き材料の切断及び面取りして、そのローブがハードストップに衝突したときの、本発明のいくつかの実施形態による面取り面形成具の側面図。
【図4D】材料の切断及び面取り完了時の、本発明のいくつかの実施形態による面取り面形成具の側面図。
【図5】本開示のいくつかの実施形態によるディスペンサの側面図。
【図6】本発明のいくつかの実施形態による切断装置の側面及び正面の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
3M Companyは、自動車市場に無鉛のホイールウエイトシステムを供給している。場合によっては、無鉛のホイールウエイトシステムは、特定のウェイトの形態で、又は事前に切断された特定のウェイト部品として提供される。別の場合では、システムはロール形態で提供され、ディスペンサが顧客のホイールバランサーに直接接合されている。ディスペンサは、タイヤのバランスをとるのに必要である正確なウェイトを切断する。1つのそのような市販のディスペンサは、3M TN276ディスペンサ(3M Company,St.Paul,MN)である。
【0018】
切断されたウェイトは、一般に、5〜6秒毎に1つの部品である典型的な適用速度で、バランスがとられるホイールに手で適用される。場合によっては、鋭い縁部又は角部を有する部品の反復適用は、例えば、部品を所定位置に圧入する際に、指又は親指が角部を押圧する又はその上を滑るので、不快感をもたらし得る。
【0019】
本発明者は、面取りされた角部を形成するのと同時に、正確な長さの部品を切断することができる切断装置を開発した。切断作業の間に面取りされた角部が形成されるので、時間がかかりかつコストのかかる別個の工程を必要としない。更に、面取りした面は、材料の損失が全くかほとんどなく形成されるので、正確な重量の部品を提供する必要性は犠牲とされず、排棄物が最小限に抑えられる。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態による代表的な切断装置が図2に示されている。切断装置100は刃101を含み、この刃101は、所望の部品長さを提供するように材料を切断する。一般に、例えば、かみそりの刃、カッターナイフの刃等などを含む、任意の市販の刃を使用してもよい。
【0021】
刃101の一部は、屈曲梁面取り面形成具120によって覆われている。面取り面形成具120は、保持/解放アーム140に機械的に接続されている。保持/解放アーム140の上部は、電磁石105最上部の上に延びている。作業中、保持/解放アーム140は、電磁石105に磁気的に結合されることができる。一般に、電磁石は、制御可能な電源に接続される。例えば、電磁石を流れる電流、及び電磁石と持/解放アームとの間の距離などの既知の方法を用いて、保持/解放アームを電磁石105に結合する磁力の大きさを制御してもよい。
【0022】
取付けブラケット103は、アクチュエータアーム102と、電磁石支持体104と、刃ホルダー106とを備える。アクチュエータアーム102の一方の端部は、刃ホルダー106に堅く接続されており、他端部は、アクチュエータ駆動アーム193を介してアクチュエータ107に接続されている。電磁石105は、電磁石支持体104に堅く接続されており、磁石支持体104は、例えば、ボルト108を介して刃ホルダー106に堅く接続されている。こうして刃101は、刃ホルダー106によって定位置に保持される。
【0023】
部品を堅く取り付ける又は接続する方法としては、例えば、接着剤、機械的締結具、溶接等の使用が挙げられる。
【0024】
アクチュエータ107は、取付けブラケット103をピストンのように下方に駆動するために必要な力を提供する。一般に、任意の既知のアクチュエータを使用することができる。いくつかの実施形態では、空気圧式アクチュエータが使用され、気体の圧力、例えば、空気圧を用いて、取付けブラケットを下方に駆動する。いくつかの実施形態では、油圧アクチュエータを使用してもよい。いくつかの実施形態では、電磁アクチュエータを使用してもよい。アクチュエータは、支持体、例えば、図2の壁部180として図示されているフレームに堅く取り付けられる。作動されると、アクチュエータ107は、クチュエータ駆動アーム193を下方に押し進める。半サイクルの終わりに、アクチュエータ107は、アクチュエータ駆動アーム193をアクチュエータ107に向かって後退させる。
【0025】
切断作業中、アクチュエータは、例えば、何らかの予めセットされたプログラムに従って、手動又は自動のいずれかで作動される。作動されると、アクチュエータは、アクチュエータ駆動アームを介して、取付けブラケット全体を下方に駆動する。取付けブラケットに機械的に連結されて、刃及び電磁石もまた下方に駆動される。保持/解放アームは、電磁石に磁気的に結合されているので、面取り面形成具を支持した状態で取付けブラケットが下方に駆動されると、保持/解放アームもまた下降する。
【0026】
面取り面形成具が、切断されるべき材料の上面と衝突すると、形成具は材料の中に圧入されて、材料を変形させ始める。この時点で、刃と面取り面形成具の動きは、取付けブラケットの動きとリンクし、したがって、同じ速度で下降し、刃は材料の切断を開始する。
【0027】
取付けブラケットが下降し続けるにつれて、面取り面形成具を材料の中に圧入する力は、保持/解放アームと電磁石とを結合する磁力を越えるまで増加する。この時点で、保持/解放アームは電磁石から解放され、アクチュエータが取付けブラケットを下方に駆動し続けるときに、面取り面形成具はこれ以上下方に運ばれない。取付けブラケットの連続した下降運動により、刃が材料の切断を完了させるのが可能になる。
【0028】
切断サイクルの下方部分の完了時、アクチュエータを使用して取付けブラケットを上方に後退させて、刃、電磁石、保持/解放アーム、及び面取り面形成具を、それらの開始位置に戻す。上方に戻されるとき、保持/解放アーム140の動きは、リセットアーム145(これはフレームの一部であってもよく、又はフレームに取り付けられていてもよい)によって停止され、保持/解放アーム140は、電磁石105の最上部と再度磁気的に結合する位置へとしっかりと押し戻される。これにより、切断装置の1つの切断サイクルが完了する。
【0029】
図3aは、本開示のいくつかの実施形態による代表的な面取り面形成具を示している。面取り面形成具220は、屈曲梁223と面取り点225とを含む。刃201は、取付けブラケット203に接続されて、面取り点225の対向面227の間に位置付けられている。刃201は、その先端が面取り点225の先端と平行な状態で示されている。しかしながら、刃201の位置は、面取り点225の先端から延出する、又はそこから奥まった所に置かれるように調整され得る。
【0030】
別の代表的な面取り面形成具221が、図3bに示されている。面取り点226が面取り点225と比べて異なる輪郭を有することを除いては、面取り面形成具221は、図3aの面取り面形成具220と同一である。
【0031】
図3a及び図3bに示される面取り面形成具は、一部の用途に適しているが、本発明者は、これらの設計に関するいくつかの不都合を確認した。第1に、面取り点が材料に圧入されるとき、面取り点は、刃から離れて外方に曲がることが制限される。実際、いくつかの用途では、面取り点は内側に向けて曲げられて、刃に押し付けられる可能性がある。刃と面取り点の対向面との間に生じる摩擦は非常に大きいので、アクチベータから利用できる力は、材料を通して刃を下方に駆動し続けるのに十分でない場合がある。この問題は、刃と面取り点の対向面との間に間隙を残すことによって低減される可能性がある。しかしながら、面取り面形成具が押し下げられると、そのような間隙により、材料がこの間隙の中へと押し上げられる結果となり得ることを、本発明者は見出した。このことは、切断縁部に沿って望ましくない隆起部を生じさせる可能性がある。この間隙は、切断部品からの材料の望ましくない除去の原因となり、完成部品の質量を変更させ、かつくずを生じさせることにもなり得る。
【0032】
第2の不利点は、そのように面取り面形成具を材料に圧入する力は、材料の機械的特性(例えば、圧縮弾性率)に依存することである。これは、面取り面形成具を材料の中に駆動するのに必要な力が、保持/解放アームを電磁石に連結する磁力を越えたときに生じる深さの変動の原因となり得る。このことは、面取りされた角部の寸法の望ましくない変動を生じさせる可能性がある。
【0033】
本開示のいくつかの実施形態による代替の代表的な面取り面形成具が、図4a〜図4cに示されている。面取り面形成具320は、屈曲梁323と面取り点325とを含んでいる。面取り面形成具320は、屈曲梁323の側面から面取り点325の反対側に延出するローブ329を更に含んでいる。刃301は、取付けブラケット303に接続されており、かつ、面取り点325の対向面327の間に位置付けられている。以下で論じられるように、対向面と刃との間に間隙を形成することができるが、対向面は、あらゆる間隙を最小限にする又は更には排除するように位置付けられて、作業中に材料が間隙に詰め込まれることに関する問題を低減又は解消することもできる。
【0034】
材料320もまた図4a〜図4cに示されている。材料320は、切断装置のベース360によって支持されている。側方ガイド364は、ベース360の上面と一体であってもよく、又はそこに取り付けられてもよい。側方ガイドは、材料が面取りカッターの下の所望の経路をたどるように、材料320の動きを制限する。ハードストップ370は、側方ガイド364に装着され、かつ、材料320が側方ガイドの下方を通過するように、ベース360の上方に位置付けられている。
【0035】
図4aに示されるように、取付けブラケット303が下方に駆動されると、面取り面形成具320及び刃301は、ハードストップ370の間を通る。図4bを参照すると、取付けブラケット303が下降し続けると、面取り面形成具320は材料320に圧入されて、面取りされた角部を形成し始める。図4cを参照すると、面取り面形成具320が材料320に圧入し続けると、ローブ329はハードストップ370と接触し、これらの相互作用により、屈曲梁323が開き始める。解き放たれた刃301は、対向面327との接触から生じるあらゆる摩擦力を形成(from)する。
【0036】
最終的に、図4dに示されるように、ローブ320がハードストップ370の上に完全に嵌まると、面取り面形成具320を下方に駆動し続けるのに必要な力は上昇し、保持/解放アームを電磁石に保持する磁力を急速に上回ることになる。このように、材料を支持するベースに対してハードストップを単に位置付けることにより、切断される材料の機械的特性とは無関係に、面取りされた縁部の深さを制御することができる。図4dに同様に示されるように、保持/解放アームが電磁石から分離された時点で、刃301は、面取り面形成具320から独立して移動自在となり、材料320を貫通してその下の溝365に入る切断を終了することができる。
【0037】
一般に、本開示の切断装置の様々な部品を作製するのに使用される材料は重要でなく、重量、コスト、強度、及び耐久性などの慣用の設計考慮に従って選択され得る。しかしながら、面取り面形成具の材料を選択する際には、付加的要因を考慮すべきである。
【0038】
面取り点に関し、その材料は、切断されることが意図される材料に対して耐浸食性又は耐摩耗性があるように選択されるべきである。更に、面取り点は、多数回の繰り返し切断の間の変形に耐える機械的強度を有する材料で作製されるべきである。他の要因としては、切断される材料に対する摩擦係数、及びかかる材料との化学的適合性を挙げることができる。
【0039】
屈曲梁に関し、梁の長さ及び厚さ、並びに構成材料の弾性率は、ローブがハードストップと衝突した際に梁が刃から離れて曲がるときに、所望の梁曲げ力をもたらすように選択されるべきである。屈曲梁はまた、最大曲げ応力が、梁材料の降伏強さを越えないように設計されるべきである。
【0040】
いくつかの実施形態では、面取り面形成具の屈曲梁を刃から離れて曲げるのに必要な力は、全面的に、面取り面形成具のローブとハードストップとの相互作用によってもたらされる。高い降伏強さ及び塑性係数を有する材料が、面取りされかつ切断される場合、面取り面形成具を材料に圧入するのに必要な力は、保持/解放アームと電磁石とを結合する電磁力を超える場合がある。その場合、面取り面形成具のローブがハードストップに衝突する前に、刃は、面取り面形成具に対して下方に移動し始める。そのような実施形態では、刃の幅広部分を面取り面形成具の対向面の間に押圧するのに必要な力は、刃と面取り面形成具の対向面との間の摩擦係数、及び屈曲梁の曲げ剛性の両方が高くなるにつれて増加する。したがって、いくつかの実施形態では、使用可能な最大アクチュエータ力を超えることなくそのような用途に適合するように、屈曲梁を設計するのが有用であり得る。
【0041】
一般に、本開示の切断装置は、あらゆるディスペンサ装置と一緒に使用され得る。本開示のいくつかの実施形態による切断装置を組み込んだ代表的なディスペンサ装置の側面図が、図5に示されている。
【0042】
ディスペンサ装置400は、ベース460と側壁465とを有するフレーム480を含む。ディスペンサ装置はまた、材料420の連続ロール421を支持するためのホルダー490を含む。材料420は、巻き出され、かつ、カタプーラ(caterpuller)495などの任意の既知の手段によって、ディスペンサ装置を通って切断装置500の下を前進することができる。カタプーラは、ベルトの表面速度が材料420と接触する際に、ほぼ等しくなるように駆動される。
【0043】
ディスペンサ装置400の正面図が、図6に示されている。側方ガイド464は、ベース460から延びている、又はベース460に装着されている。側方ガイド464は、材料20が切断装置500の下を通過するときに、材料20の側方移動を防止する。ハードストップ470は、材料20が側方ガイドの間に方向付けられたときに、材料20がハードストップ470下を通過するように、側方ガイド464に装着される。
【0044】
ディスペンサ装置は、例えば、カタプーラの速度、アクチュエータによってもたらされる力、及び電磁石と保持/解放アームとの間の電磁力を制御するための制御装置といった、当該技術分野において既知である種々の追加機構のいずれかを有してもよい。追加機構は、安全シールド及び停止機構を包含し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面取り切断装置であって、
取付けブラケットと、
前記取付けブラケットに堅く取り付けられた電磁石と、
前記電磁石に磁気的に結合された保持/解放アームと、
前記保持/解放アームに堅く取り付けられた面取り面形成具と、ここで、前記面取りカッターは、それぞれが面取り点で終端する2つの屈曲梁を含む、
前記取付けブラケットに堅く接続され、かつ面取り点の間に位置付けられる刃と、を含む面取り切断装置。
【請求項2】
前記取付けブラケットが、アクチュエータアームと、電磁石支持体と、刃ホルダーと、を含み、前記アクチュエータアームの一方の端部が前記刃ホルダーに堅く接続され、かつ前記アクチュエータアームの他端部がアクチュエータに堅く接続され、前記電磁石が、前記刃ホルダーに堅く接続された前記電磁石支持体に堅く接続される、請求項1に記載の面取り切断装置。
【請求項3】
前記面取り面形成具が、2つのローブを更に含み、1つのローブは、前記面取り点から離れるように各前記屈曲梁から延出する、請求項1に記載の面取り切断装置。
【請求項4】
ベースと壁部とを有するフレームと、前記フレームに装着される請求項1〜3のいずれか一項に記載の面取り切断装置と、を備える、ディスペンサ。
【請求項5】
前記フレームが、前記切断装置の前記刃の下方に位置付けられた一対の側方ガイドと、前記ベースの上方に保持された前記側方ガイドの上部に取り付けられて、材料がハードストップの下でかつ前記側方ガイドの間を通過するための経路を形成する一対のハードストップと、を更に含む、請求項4に記載のディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−532029(P2012−532029A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517763(P2012−517763)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/039960
【国際公開番号】WO2011/002681
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】