説明

鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造

【課題】燃料タンク外の燃料供給路に介装された燃料フィルタのメンテナンス性を確保し、振動や外力から保護できる、鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【解決手段】ヘッドパイプ10と、ヘッドパイプから後方に延出するメインフレーム15と、メインフレームの後方に延出する左右一対のリヤフレームを備えた車体フレーム4と、左右のリヤフレーム20の間に設けられた収納ボックス24と、収納ボックスの下方に配置された内燃機関2と、車体フレームに固定され、燃料ポンプ56を内蔵した燃料タンク25と、燃料供給路に介装された燃料フィルタ70とを有する鞍乗型車両1の燃料フィルタ配置構造において、収納ボックスの下方で、少なくとも一部が内燃機関よりも上方に配置された収納ボックス支持フレーム21が、収納ボックスを支持するとともに、左右のリヤフレームを連結し、燃料フィルタは、収納ボックスと反対側に設けられた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクから内燃機関へ燃料を供給するための燃料供給路に介装された燃料フィルタを有する鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両において、燃料タンクの燃料を内燃機関へ供給するための燃料供給路の途中に、燃料フィルタと燃料ポンプを備えたものが、例えば下記特許文献1に示されている。
特許文献1に示されるものは、スクータ型車両のステップフロア下に配置した燃料タンク上に、ストレーナ(燃料フィルタ)を配置するとともに、左右のサイドフレーム(リヤフレーム)のブラケットに支持された収納ボックスの下方で、左右の同ブラケットの間を連結するステーに燃料ポンプが支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-362484号公報(図1、図3、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示されるものでは、燃料タンクから突出する給油口の後方の低位置に燃料フィルタが配置されており、燃料フィルタのエレメントの交換等のメンテナンス作業が行いにくいおそれがある。
それに対処すべく、燃料フィルタを、燃料ポンプと同様に上記のステーに固定することが考えられるが、上記特許文献1に示されるような単に左右のブラケットを連結するステーでは、外力の影響を受け易くなる可能性がある。
また、近年の燃料噴射装置を備えた鞍乗型車両においては、燃料ポンプを燃料タンク内に配置して、燃料フィルタを、定期交換等の便宜のため、燃料タンク外で燃料ポンプの下流に配置する要請もある。
【0005】
本発明は、燃料タンクから内燃機関へ燃料を供給するための燃料供給路に介装された燃料フィルタを、定期交換の際等のメンテナンス性を確保しつつ、外力からの影響から保護できる、鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヘッドパイプと、同ヘッドパイプから後方に延出するメインフレームと、同メインフレームの後部から後方に延出する左右一対のリヤフレームを備えた車体フレームと、前記左右一対のリヤフレームの間に設けられた収納ボックスと、同収納ボックスの下方に配置された内燃機関と、前記車体フレームに固定され、燃料ポンプを内蔵した燃料タンクと、前記燃料ポンプから前記内燃機関へ燃料を供給するための燃料供給路に介装された燃料フィルタとを有する鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記収納ボックスの下方で、少なくとも一部が前記内燃機関よりも上方に配置された収納ボックス支持フレームが、前記収納ボックスを支持するとともに、前記左右一対のリヤフレームの間を連結し、前記燃料フィルタは、前記収納ボックス支持フレームを挟んで前記収納ボックスと反対側に設けられたことを特徴とする鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記燃料フィルタは、平面視で前記収納ボックス支持フレームと重なるように、同収納ボックス支持フレームの下部に取付けられたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記燃料フィルタは、平面視で前記収納ボックス支持フレームの前縁よりも後方に位置することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記燃料フィルタは、前記収納ボックス支持フレームの車幅方向中心よりも同収納ボックス支持フレームと前記リヤフレームとの連結部寄りに取付けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記鞍乗型車両は、前記燃料フィルタの前方を覆い同燃料フィルタの前方位置にリッドが設けられた車体カバーを備え、前記燃料供給路は、前記燃料フィルタに接続される管部材を含み、同管部材を前記収納ボックス支持フレームに支持する管支持部材が、前記収納ボックス支持フレームに備えられたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記リッドは、燃料フィルタ用リッドであり、前記車体カバーには同燃料フィルタ用リッドとは別体に、前記内燃機関に取付けられた点火プラグを覆う点火プラグ用リッドが設けられ、前記燃料フィルタ用リッドが塞ぐ燃料フィルタ用開口と前記点火プラグ用リッドが塞ぐ点火プラグ用開口とは、連なった開口を形成していることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記内燃機関は、その前部にシリンダヘッドと、同シリンダヘッドの前部に取付けられたシリンダヘッドカバーとを備え、前記内燃機関の点火プラグが、前記シリンダヘッドの車幅方向を向く一側面に取付けられるとともに、前記燃料フィルタが、平面視で前記シリンダヘッドカバーの前方且つ左右方向幅内に配置されたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造において、前記内燃機関は、その車幅方向一側にクランク軸の回転に連動する発電機を備え、同発電機に接続されるハーネスを、前記左右一対のリヤフレームのうちの一方に沿わせるとともに、前記燃料フィルタは、車両中心線に対して前記ハーネスと反対側となる位置に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造よれば、内燃機関に対して相対的に高位置となる収納ボックス支持フレームを挟んで収納ボックスと反対側に燃料フィルタが設けられたので、メンテナンスにおける作業スペースが拡大し、燃料フィルタへのアクセスも容易となり、燃料フィルタのメンテナンス性を向上させることができる。
また、収納ボックス支持フレームは、収納ボックスや、その上方のシートを介して運転者の体重を支えるために、比較的高強度に構成されるものであって、且つ左右一対のリヤフレームを連結するため、燃料フィルタは、収納ボックスと左右一対のリヤフレームとで強固に囲まれた空間に配置されることになるので、収納ボックス支持フレームやリヤフレームによって、車幅方向からの外力等の外的要因に対して燃料フィルタが保護される。
以上のことは、燃料フィルタのメンテナンス性向上の要請の高い、ガソリン、エタノール等の混合燃料を用いる内燃機関を搭載した鞍乗型車両において、特に有効である。
【0015】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、比較的高強度な収納ボックス支持フレームに燃料フィルタを強固に固定することができるとともに、収納ボックス支持フレームによって燃料フィルタの上部側が保護される。
【0016】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、収納ボックス支持フレームによって燃料フィルタの前部側が保護される。
【0017】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明の効果に加え、収納ボックス支持フレームの、より高強度の部分で燃料フィルタを固定できる。
【0018】
請求項5の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明の効果に加え、リッドを開けて、燃料フィルタの前方から燃料フィルタを着脱する際、燃料フィルタが管部材から外された状態であっても、管支持部材によって、管部材を収納ボックス支持フレームに支持させた状態とすることができ、燃料フィルタの着脱作業性が向上する。
【0019】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明の効果に加え、燃料フィルタ用リッドと点火プラグ用リッドとを分けて、各々のメンテナンス作業を容易に行うことができるうえ、必要に応じて、両方のリッドを開けてメンテナンス作業を行うことで、燃料フィルタ用開口と点火プラグ用開口が1つの開口を形成して開口面積が拡大し、メンテナンス作業スペースを拡大することができる。
【0020】
請求項7の発明によれば、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明の効果に加え、点火プラグが設けられる面と異なる位置に燃料フィルタが配置されるので、燃料フィルタのメンテナンス作業スペースが、より一層確保される。
【0021】
請求項8の発明によれば、請求項1ないし請求項7のいずれかの発明の効果に加え、ハーネスから燃料フィルタを離すことで、燃料フィルタのメンテナンス作業スペースが、より一層確保される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態1に係る燃料フィルタ配置構造を備えた鞍乗型車両の左側面図である。
【図2】図1中、II−II矢視による、車体カバー類、シート、収納ボックス等を外した鞍乗型車両の平面図である。
【図3】図1、図2中、III−III矢視による、車体カバー類、シート、収納ボックス等を外した鞍乗型車両の一部断面正面図である。
【図4】図1中、III−III矢視による、シート、収納ボックス等を外した鞍乗型車両の一部断面正面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る燃料フィルタ配置構造を備えた鞍乗型車両の左側面図である。
【図6】図5中、VI−VI矢視による、車体カバー類、シート、収納ボックス等を外した鞍乗型車両の平面図である。
【図7】図5中、VII−VII矢視による、シート、収納ボックス等を外した鞍乗型車両の一部断面正面図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る燃料フィルタ配置構造を備えた鞍乗型車両の、車体カバー類、シート等を簡略図示した左側面図である。
【図9】図8中、収納ボックス、燃料フィルタ周辺の拡大断面図である。
【図10】図9中、X−X矢視による、要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態1に係る鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造を、図1から図4に基づき説明する。
【0024】
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る燃料フィルタ配置構造を、鞍乗型車両に設けた状態での車両の向きに従うものとする。図中、矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
また、図中、添記した黒小矢印は、本発明に係る燃料の流れ方向を模式的に示す。
このことは、後述の実施形態2および実施形態3に係る鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造の説明においても同様である。
【0025】
図1は、本発明の実施形態1に係る鞍乗型車両としての自動二輪車1の左側面を示す。
実施形態1の自動二輪車1は、内燃機関2と後輪への動力伝達装置3とが一体化されて、車体フレーム4に対して揺動自在に取り付けられたパワーユニット5を、シート6の下方に備えており、内燃機関2は、単気筒の4ストロークサイクル内燃機関である。
パワーユニット5は、内燃機関2のクランク軸8を自動二輪車1の車幅方向に配向させて、自動二輪車1に搭載される。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車1では、車体フレーム4の前端部に位置するヘッドパイプ10に、前輪11を軸支する左右一対のフロントフォーク12がステアリングステム13を介して操舵可能に枢支される。また、ステアリングステム13の上部には、ステアリングハンドル14が取り付けられる。
【0027】
車体フレーム4は、ヘッドパイプ10から斜め下後方に一本のメインフレーム15が延出し、ヘッドパイプ15と運転者用のシート6との間を低部として跨ぎ易さを向上させたアンダーボーン型とされる。この低部には、シート6に着座した運転者の足を乗せるステップフロア16が配設される。
【0028】
メインフレーム15の後端部は、車体下部の前後中間部において左右に延在するクロスフレーム17の左右中間部に接合される。クロスフレーム17の左右端部には、パワーユニット5の前部を懸架リンク18を介して上下揺動可能に支持する左右一対のピボットプレート19が接合される。
また、クロスフレーム17の左右端部には、左右一対のリヤフレーム20(左リヤフレーム20L、右リヤフレーム20R)の前端部がそれぞれ接合される。
【0029】
左、右リヤフレーム20L、20Rは、クロスフレーム17から斜め上後方に延出した後、傾斜を緩くするように屈曲している。また、斜め上方に延びる途中において、車両前上方に向けて突出するように湾曲して形成された収納ボックス支持フレーム21によって互いが連結接合されるとともに、中間部、後端において、車幅方向水平に配向した連結部材22、23によって互いに連結接合される。
【0030】
左、右リヤフレーム20L、20Rの間には収納ボックス24が設けられ、収納ボックス24の下方で、収納ボックス支持フレーム21の車両前上方に向けて突出するように湾曲した部分が、パワーユニット5の内燃機関2よりも上方に配置され、収納ボックス24を支持している。
左、右リヤフレーム20L、20Rの後部には、燃料ポンプ56を内蔵した燃料タンク25が固定されている。
図1に示されるように、燃料タンク25に内蔵された燃料ポンプ56は、その上端部56aを燃料タンク25の上面上に貫通して、突出させている。
また、左、右リヤフレーム20L、20Rの上方には、運転者用及び同乗者用の座面を前後に有するシート6が配設され、シート6の前部が、収納ボックス24を覆い、シート6の後部が、燃料タンク25を覆っている。
【0031】
なお、図1中の符号26はフロントフェンダ、27はリヤフェンダ、28はテールライト、29はメインスタンド、30はピリオンステップ、である。
車体フレーム4は、主に合成樹脂からなる車体カバー31により覆われており、車体前部において車体カバー31には、ヘッドランプ32が配設されている。
【0032】
パワーユニット5は、その前部の内燃機関2と後部左側の動力伝達装置3とを一体化してなり、そのパワーユニットケース7の前方下部にハンガー部40を備えている。
ハンガー部40において、パワーユニット5が懸架リンク18を介してピボットプレート19に上下揺動可能に支持され、且つパワーユニット5の後部がリヤクッション33を介して、左、右リヤフレーム20L、20Rに近接離反可能に支持される。
また、パワーユニットケース7の後部側に設けられた動力伝達装置3の後端部には、後輪34が軸支される。
【0033】
パワーユニットケース7の前方側には、水平に近く前傾して、シリンダブロック41、シリンダヘッド42、シリンダヘッドカバー43が順次積み重ねられるように締結されてシリンダ部44を成し、パワーユニットケース7の前部をクランクケースとする内燃機関2が構成され、内燃機関2は、収納ボックス24の下方に配置される。
シリンダヘッド42の車幅方向を向く一側面、本実施形態では左側面に、内燃機関2の点火プラグ45が取付けられている。
なお、シリンダヘッド42から下方に向けて排気管46が取り付けられ、排気管46はクランクケース7の下方を後方へかつ右側へ迂回して車体右側に配設されたマフラー47に接続している。
【0034】
後輪34の左側で動力伝達装置3の上部には、内燃機関2のシリンダ部44に対して離間した位置にエアクリーナ50が支持されており、シリンダ部44とエアクリーナ50との間の位置にスロットルボディ52が配置されている。エアクリーナ50とスロットルボディ52は、コネクティングチューブ51で接続される。スロットルボディ52の下流側は、吸気管53を介してシリンダヘッド42に設けられた図示しない吸気ポートに通じている。
したがって、エアクリーナ50で浄化された空気は、コネクティングチューブ51、スロットルボディ52、吸気管53を介して内燃機関2のシリンダヘッド42内に送られる。
【0035】
吸気管53の上部には、図示しない吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射装置55の下部が嵌合されており、燃料タンク25の燃料ポンプ56に上流端が接続される燃料供給路57(図2、図3参照)の下流端が、燃料噴射装置55に接続されている。
燃料タンク25からの燃料は、燃料を供給するための燃料供給路57を介して、燃料噴射装置55によって内燃機関2のシリンダヘッド42内に供給される。
【0036】
本実施形態1において、内燃機関2は単気筒4ストロークサイクル内燃機関であるが、内燃機関2は、複数種の燃料、例えば混合比の異なるアルコールとガソリンの混合燃料による運転を行なう所謂フレックスフューエル内燃機関である。
そのため、アルコール分におけるダスト混入の可能性があり、混合燃料中のダストを除去するために、燃料タンク25内に設けられた燃料ポンプ56の下流側、すなわち内燃機関2側との間の燃料供給路57(図2、図3参照)に、燃料フィルタ70が介装されている。
【0037】
特に混合燃料による運転を行なう内燃機関2の場合、アルコール等の燃料成分による混入ダストを除去するため、燃料フィルタ70の交換頻度がガソリン等の単一種の燃料の場合に比べて高くなり、交換を容易にするため、燃料フィルタ70は、燃料タンク25の外部において、燃料タンク25から内燃機関2につながる燃料供給路57の途中に、着脱可能に介装されている。
【0038】
また、本実施形態の場合、燃料の供給圧を調整して内燃機関2側の燃料噴射装置55に供給するとともに、圧力調整によって余剰となった燃料を燃料タンク25に戻すためのプレッシャレギュレータ71が、燃料供給路57に介装されている。
すなわち、混合燃料のように燃料中のダストに対処する必要がある場合、燃料フィルタ70によって濾過された燃料の供給圧を調整したほうが、プレッシャレギュレータ71のダストによる負荷が少なくて済み、従来のように燃料タンク25内の燃料ポンプ56にプレッシャレギュレータを併設するよりも、燃料タンク25の外であって、燃料フィルタ70より下流側に設けたほうが耐久性が向上する。
【0039】
図1に示されるように、本実施形態の燃料フィルタ70は、収納ボックス支持フレーム21を挟んで収納ボックス24と反対側の、収納ボックス支持フレーム21の下側に取付けられており、プレッシャレギュレータ71は、左リヤフレーム20Lの下部に取り付けられている。
左、右のリヤフレーム20L、20Rの傾斜を緩める屈曲部近傍には、それぞれピリオンステップ30を取り付けるピリオンステップステー35の前後二又の脚部35aが接合されているが(図2、図3参照)、プレッシャレギュレータ71はその前後二又の脚部35aに前後を挟まれる位置にある。
【0040】
したがって、内燃機関2に対して相対的に高位置となる収納ボックス支持フレーム21の下方の空間に燃料フィルタ70が設けられたので、メンテナンスにおける作業スペースが拡大し、燃料フィルタ70のアクセスも容易となり、燃料フィルタ70のメンテナンス性を向上させることができる。
また、収納ボックス支持フレーム21は、収納ボックス24や、その上方のシート6を介して運転者の体重を支えるために、比較的高強度に構成されるものであって、且つ左右一対のリヤフレーム20(左リヤフレーム20L、右リヤフレーム20R)を連結するため、燃料フィルタ70は、収納ボックス支持フレーム21と左右一対のリヤフレーム20とで強固に囲まれた空間に配置されることになるので、収納ボックス支持フレーム21やリヤフレーム20によって、車幅方向からの外力等の外的要因に対して燃料フィルタ70が保護される。
【0041】
また、プレッシャレギュレータ71は、左リヤフレーム21Lの下部で、ピリオンステップステー35の前後の脚部35aで挟まれる位置にあるので、プレッシャレギュレータ71の保護も図られている
【0042】
燃料フィルタ70はまた、平面視で、収納ボックス支持フレーム21と重なるように、収納ボックス支持フレームの21の下部に取付けられており、比較的高強度な収納ボックス支持フレーム21に燃料フィルタ70を強固に固定できるとともに、収納ボックス支持フレーム21によって燃料フィルタ70の上部側が保護される。
そして、燃料フィルタ70は、平面視で、収納ボックス支持フレーム21の前縁よりも後方に位置しており、収納ボックス支持フレーム21によって燃料フィルタ70の前部側が保護される。
【0043】
図2、図3に示されるように、燃料タンク25の上面から突出した燃料ポンプ56の上端部56aには、ポンプ吐出口56bが設けられており、燃料吐出配管57aの上流端が接続している。
燃料吐出配管57aは左リヤフレーム21Lに取付けられた管支持ブラケット58に支持された後、左リヤフレーム21Lの内側に沿って前方に延設され、収納ボックス支持フレーム21の車体中心C1より左寄り、すなわち、収納ボックス支持フレーム21の車幅方向中心よりも収納ボックス支持フレーム21が左リヤフレーム20Lに溶接接合された連結部36L寄りに取付けられている燃料フィルタ70の、燃料入口70aに接続している。
【0044】
燃料フィルタ70は、そのような取付け箇所によって、収納ボックス支持フレーム21の、より高強度の部分で固定されたものとなる。
なお、そのためには燃料フィルタ24が、収納ボックス支持フレーム21の車体中心C1より右寄り、すなわち、収納ボックス支持フレーム21の車幅方向中心よりも収納ボックス支持フレーム21と右リヤフレーム20Rとの連結部36R寄りに取付けられてもよい。
【0045】
燃料フィルタ70の燃料出口70bには、燃料配管57bの上流端が接続し、燃料配管57bは収納ボックス支持フレーム21を燃料吐出配管57aに沿って逆向きに延設され、左リヤフレーム21Lの下部に設けられたプレッシャレギュレータ71の燃料入口71aに接続されている。
【0046】
プレッシャレギュレータ71の燃料出口31bには、燃料供給配管57cの上流端が接続し、燃料供給配管57cはシリンダ部44上方を弧を描いて空中に延在して、下流端が内燃機関2側の燃料噴射装置55に接続されている。
燃料噴射装置55は、パワーユニット5の上下揺動に伴って揺動するが、弧状の燃料供給配管57cの撓みによって、支障のない接続が得られる。
燃料吐出配管57aと、燃料配管57bと、燃料供給配管57cによって、本発明の燃料供給路57が構成される。
【0047】
プレッシャレギュレータ71の燃料戻し口71cには、燃料戻し配管59の上流端が接続し、燃料戻し配管59は左リヤフレーム21Lに沿って後上方に延設され、燃料ポンプ56の上端部56aにおいて、燃料タンク25内に連通するように接続されている。
【0048】
なお、収納ボックス支持フレーム21には、燃料フィルタ70の燃料入口70aに接続している側の燃料吐出配管(本発明の「管部材」)57aと燃料フィルタ70の燃料出口70bに接続している側の燃料配管(本発明の「管部材」)57bを、収納ボックス支持フレーム21に支持させる管支持部材60が備えられている。管支持部材60は、バンド、クランプ等適宜のものが用いられる。
【0049】
内燃機関2は、その車幅方向右側にクランク軸8の回転に連動する発電機80を備え、発電機80に接続されたACGハーネス(本発明の「ハーネス」)81が、右リヤフレーム20Rの内側に沿って前方に向けて延設されている。
ACGハーネス80は、収納ボックス支持フレーム21の右端部下側に取付けられたカプラ82を介して、さらに前方の図示しないバッテリやレギュレータ等に向けて延設される前部ハーネス83や、逆に後方の燃料ポンプ56や図示しないランプ類等に向けて延設される後部ハーネス84に接続している。
図2においては、発電機80は、パワーユニットケース7の右膨出部7a内に備えられるので、その位置を破線で示している。
【0050】
本実施形態において、図1、図4に示されるように、また、図3にその位置が2点鎖線で示されるように、シート6の下方で、前方に向け燃料フィルタ70の前方を覆った部分の車体カバー31には、燃料フィルタ70の前方位置に開閉可能な燃料フィルタ用リッド90が、設けられている。
【0051】
したがって、メンテナンス時に燃料フィルタ用リッド90を開けて、燃料フィルタ70の前方から燃料フィルタ70を交換のため着脱する際、燃料フィルタ70が、燃料吐出配管57aや燃料配管57bから外された状態であっても、上述の管支持部材60によって、管部材の燃料吐出配管57aや燃料配管57bを収納ボックス支持フレーム21に支持させた状態を維持することができるため、燃料フィルタの着脱作業性が向上する。
特に、管支持部材60は、図2に示されるように、平面視前後方向で、燃料フィルタ24と点火プラグ45との間に間隔を空けて設けられており、各配管57a、57bの保持によってメンテナンス性を向上させている。
【0052】
車体カバー31には、燃料フィルタ用リッド90とは別体に、内燃機関2に取付けられた点火プラグ45を覆う点火プラグ用リッド91が開閉可能に設けられている。
燃料フィルタ用リッド90は、燃料フィルタ70に臨み車体カバー31に開口する燃料フィルタ用開口92を塞ぎ、点火プラグ用リッド91は、点火プラグ45に臨み車体カバー31に開口する点火プラグ用開口93を塞ぐが、燃料フィルタ用開口92と点火プラグ用開口93とは、連なった開口を形成している。
【0053】
したがって、燃料フィルタ用リッド90と点火プラグ用リッド91とを分けて、各々のメンテナンス作業を容易に行うことができるうえ、必要に応じて、両方のリッド90、91を開けてメンテナンス作業を行えば、燃料フィルタ用開口92と点火プラグ用開口93が1つの開口を形成するので、開口面積が拡大して、メンテナンス作業スペースを拡大することができメンテナンス作業性が向上する。
【0054】
また、本実施形態の内燃機関2は、前述のように、点火プラグ45が、シリンダヘッド42の車幅方向を向く左側面に取付けられており、燃料フィルタ70は、平面視でシリンダヘッドカバー43の前方で左右方向幅(図2中、B)内に配置されている。
そのため、点火プラグ45が設けられる面と異なる位置に燃料フィルタ70が配置されるので、燃料フィルタ70のメンテナンス作業スペースが、より一層確保されている。
【0055】
そして図2に示されるように、燃料フィルタ70は、車両中心線C1に対して、上述の右リヤフレーム20Rの内側に沿って設けられているACGハーネス81と反対側に位置して設けられている。
そのため、ACGハーネス81から燃料フィルタ70を離すことで、燃料フィルタ70のメンテナンス作業スペースが、より一層確保される。
【0056】
また、点火プラグ45はシリンダヘッド42の左側面に取付けられているが、図2、図3に示されるように、本実施形態の内燃機関2のシリンダ軸線C2は、車両中心線C1よりも左側にオフセットされており、すなわち、シリンダ軸線C2は点火プラグ45側へオフセットされている。
したがって、点火プラグ45と燃料フィルタ24との距離が得られ、燃料フィルタ70のメンテナンス性がより一層向上する。
なお、点火プラグ45が、発電機80側、すなわちシリンダヘッド42の車幅方向を向く右側面に取付けられた場合は、燃料フィルタ24のメンテナンス性が良いうえ、発電機80やACGハーネス81と点火プラグ45等の電装品を同一側に纏めることができる。
【0057】
以上の本実施形態1の特徴は、燃料フィルタ70のメンテナンス性向上の要請の高い、ガソリン、エタノール等の混合燃料を用いる内燃機関2を搭載した自動二輪車1において、特に有効である。
【0058】
次に、本発明の実施形態2に係る鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造を、図5から図7に基づき説明する。
前後左右上下等の向きの記載、図示上の注記は、実施形態1、図1から図5について上記したと同様である。
【0059】
図5は、本発明の実施形態2に係る鞍乗型車両としての自動二輪車101の左側面を示す。
実施形態2の自動二輪車101は、内燃機関102と後輪への動力伝達装置103とが一体化されて、車体フレーム104に対して揺動自在に取り付けられたパワーユニット105を、シート106の下方に備えており、内燃機関102は、単気筒の4ストロークサイクル内燃機関である。
パワーユニット105は、内燃機関102のクランク軸108を自動二輪車101の車幅方向に配向させて、自動二輪車101に搭載される。
【0060】
図5に示されるように、自動二輪車101の車体フレーム104は、前端部を構成するヘッドパイプ110と、ヘッドパイプ110から下方へ延出して、屈曲部115aで屈曲して後方に延出するメインフレーム115と、メインフレーム115の後部に接続して後方に延出し、斜め上方に延びる左右一対のリヤフレーム120(左リヤフレーム120L、右リヤフレーム120R)を備えている。
メインフレーム115は屈曲部115aにおいて、左右に延在するクロスフレーム117に接合されるとともに左右一対のロアフレーム部115L、115Rを形成し、左右一対の接続部37において、それぞれ左右一対の左リヤフレーム20L、右リヤフレーム20Rと接続している。
【0061】
左、右リヤフレーム120L、120Rは、斜め上後方に延出した後、傾斜を緩くするように屈曲している。また、斜め上方に延びる途中において、車両前上方に向けて突出するように湾曲して形成された収納ボックス支持フレーム121によって互いが連結接合されるとともに、中間部、後端において、車幅方向水平に配向した図示しない連結部材によって互いに連結接合される。
また、左右のロアフレーム部115L、115Rと左リヤフレーム120L、右リヤフレーム120Rとのそれぞれの接続部137には、左右一対のピボットプレート119が接合されている。
【0062】
パワーユニット105は、その前部の内燃機関102と後部左側の動力伝達装置103とを一体化してなり、そのパワーユニットケース107の前方下部にハンガー部140を備えている。
ハンガー部140において、パワーユニット105が懸架リンク118を介して、ピボットプレート119に上下揺動可能に支持され、且つパワーユニット105の後部がリヤクッション133を介して、左、右リヤフレーム120L、120Rに近接離反可能に支持される。
また、パワーユニットケース107の後部側に設けられた動力伝達装置103の後端部には、後輪134が軸支される。
【0063】
ヘッドパイプ110には、操舵自在にフロントフォーク112が取り付けられ、フロントフォーク112の下端に前輪111が取り付けられ、上端にステアリングハンドル114が取り付けられている。
ロアフレーム部115L、115Rの上方には、運転者が足を載せるステップフロア116が支持され、ロアフレーム部115L、115Rの間にはまた、燃料ポンプ156を内蔵した燃料タンク125が設けられている。
図1に示されるように、燃料タンク125に内蔵された燃料ポンプ156は、その上端部156aを燃料タンク125の上面上に貫通して、突出させている。
【0064】
また、左、右リヤフレーム120L、120Rの間には収納ボックス124が設けられ、収納ボックス124の下方で、収納ボックス支持フレーム121の車両前上方に向けて突出するように湾曲した部分が、パワーユニット105の内燃機関102よりも上方に配置され、収納ボックス124を支持している。
また、左、右リヤフレーム120L、120Rの上方には、運転者用及び同乗者用の座面を前後に有するシート106が配設され、シート106が収納ボックス124を覆っている。
なお、図5中の符号126はフロントフェンダ、127はリヤフェンダであり、車体フレーム104は、主に合成樹脂からなる車体カバー131により覆われている。
【0065】
パワーユニットケース107の前方側には、水平に近く前傾して、シリンダブロック141、シリンダヘッド142、シリンダヘッドカバー143が順次積み重ねられるように締結されてシリンダ部144を成し、パワーユニットケース107の前部をクランクケースとする内燃機関102が構成され、内燃機関102は、収納ボックス124の下方に配置される。
シリンダヘッド142の車幅方向を向く一側面、本実施形態では右側面に、内燃機関102の点火プラグ145が取付けられている。
なお、シリンダヘッド142から下方に向けて排気管146が取り付けられ、排気管146はクランクケース107の下方を後方へかつ右側へ迂回して車体右側に配設されたマフラー147に接続している。
【0066】
後輪134の左側で動力伝達装置103の上部には、内燃機関102のシリンダ部144に対して離間した位置にエアクリーナ150が支持されており、シリンダ部144とエアクリーナ150との間の位置にスロットルボディ152が配置されている。エアクリーナ150とスロットルボディ152は、コネクティングチューブ151で接続される。スロットルボディ152の下流側は、吸気管153を介してシリンダヘッド142に設けられた図示しない吸気ポートに通じる。
したがって、エアクリーナ150で浄化された空気は、コネクティングチューブ151、スロットルボディ152、吸気管153を介して内燃機関102のシリンダヘッド142内に送られる。
【0067】
吸気管153の上部には、図示しない吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射装置155の下部が嵌合されており、燃料タンク125の燃料ポンプ156に上流端が接続される燃料供給路157の下流端が、燃料噴射装置155に接続されている(図6、図7参照)。
燃料タンク125からの燃料は、燃料を供給するための燃料供給路157を介して、燃料噴射装置155によって内燃機関102のシリンダヘッド142内に供給される。
【0068】
本実施形態2において、内燃機関102は単気筒4ストロークサイクル内燃機関であり、上述の実施形態1と同様に、複数種の燃料、例えば混合比の異なるアルコールとガソリンの混合燃料による運転を行なう所謂フレックスフューエル内燃機関である。
そのため、アルコール分におけるダスト混入の可能性があり、混合燃料中のダストを除去するために、燃料タンク125内に設けられた燃料ポンプ156の下流側、すなわち内燃機関102側との間の燃料供給路157(図6、図7参照)に、燃料フィルタ170が介装されている。
したがって、実施形態1と同等に、燃料フィルタ170は、燃料タンク125の外部において、燃料タンク125から内燃機関102につながる燃料供給路157の途中に、着脱可能に介装されている。
【0069】
また、本実施形態の場合も、燃料の供給圧を調整して内燃機関102側の燃料噴射装置155に供給するとともに、圧力調整によって余剰となった燃料を燃料タンク125に戻すためのプレッシャレギュレータ171が、燃料供給路157に介装されている。
すなわち、混合燃料のように燃料中のダストに対処する必要がある場合、燃料フィルタ170によって濾過された燃料の供給圧を調整したほうが、プレッシャレギュレータ171のダストによる負荷が少なくて済み、従来のように燃料タンク125内の燃料ポンプ156にプレッシャレギュレータを併設するよりも、燃料タンク125の外であって、燃料フィルタ170よりも下流側に設けたほうが耐久性が向上する。
【0070】
図5に示されるように、本実施形態の燃料フィルタ170は、収納ボックス支持フレーム121を挟んで収納ボックス124と反対側の、収納ボックス支持フレーム121の下側に取付けられており、プレッシャレギュレータ171も、収納ボックス支持フレーム121の下部に取り付けられている。
したがって、内燃機関102に対して相対的に高位置となる収納ボックス支持フレーム121の下方の空間に燃料フィルタ170が設けられたので、メンテナンスにおける作業スペースが拡大し、燃料フィルタ170のアクセスも容易となり、燃料フィルタ170のメンテナンス性を向上させることができる。
【0071】
また、収納ボックス支持フレーム121は、収納ボックス124や、その上方のシート106を介して運転者の体重を支えるために、比較的高強度に構成されるものであって、且つ左右一対のリヤフレーム120(左リヤフレーム120L、右リヤフレーム120R)を連結するため、燃料フィルタ170は、収納ボックス支持フレーム121と左右一対のリヤフレーム120とで強固に囲まれた空間に配置されることになるので、収納ボックス支持フレーム121やリヤフレーム120によって、車幅方向からの外力等の外的要因に対して燃料フィルタ170が保護される。
【0072】
燃料フィルタ170はまた、平面視で、収納ボックス支持フレーム121と重なるように、収納ボックス支持フレームの121の下部に取付けられており、比較的高強度な収納ボックス支持フレーム121に燃料フィルタ170を強固に固定できるとともに、収納ボックス支持フレーム121によって燃料フィルタ170の上部側が保護される。
そして、燃料フィルタ170は、平面視で、収納ボックス支持フレーム121の前縁よりも後方に位置しており、収納ボックス支持フレーム121によって燃料フィルタ170の前部側が保護される。
【0073】
図6、図7に示されるように、燃料タンク125の上面から突出した燃料ポンプ156の上端部156aには、ポンプ吐出口156bが設けられており、燃料吐出配管157aの上流端が接続している。
燃料吐出配管157aは、右ロアフレーム部15Rの内側に沿って弧を描いて後方に延設され、さらに収納ボックス支持フレーム121の下面に沿って左向きに延設される。
そして、収納ボックス支持フレーム121の車体中心C1より左寄り、すなわち、収納ボックス支持フレーム121の車幅方向中心よりも収納ボックス支持フレーム121が左リヤフレーム120Lに溶接接合された連結部136L寄りに取付けられている燃料フィルタ170の、燃料入口170aに接続している。
【0074】
燃料フィルタ170は、そのような取付け箇所によって、収納ボックス支持フレーム121の、より高強度の部分で固定されたものとなる。
なお、そのためには燃料フィルタ124が、収納ボックス支持フレーム121の車体中心C1より右寄り、すなわち、収納ボックス支持フレーム121の車幅方向中心よりも収納ボックス支持フレーム121と右リヤフレーム120Rとの連結部136R寄りに取付けられてもよい。
【0075】
燃料フィルタ170の燃料出口170bには、燃料配管157bの上流端が接続し、燃料配管157bは収納ボックス支持フレーム121に沿ってさらに左向きに延設され、収納ボックス支持フレーム121の下部に設けられたプレッシャレギュレータ171の燃料入口171aに接続されている。
なお、プレッシャレギュレータ171が、平面視で収納ボックス支持フレーム121と重なるように収納ボックス支持フレーム121の下部に取り付けられ、且つ収納ボックス支持フレーム121の前縁よりも後方に配置されているので、プレッシャレギュレータ171の保護が図られるとともに、燃料フィルタ170と接続する燃料配管157bの長さを短くできる。
【0076】
プレッシャレギュレータ171の燃料出口171bには、燃料供給配管157cの上流端が接続し、燃料供給配管157cはシリンダ部144上方を弧を描いて空中に延在して、下流端が内燃機関102側の燃料噴射装置155に接続されている。
燃料噴射装置155は、パワーユニット105の上下揺動に伴って揺動するが、弧状の燃料供給配管157cの撓みによって、支障のない接続が得られる。
燃料吐出配管157aと、燃料配管157bと、燃料供給配管157cによって、本発明の燃料供給路157が構成される。
【0077】
プレッシャレギュレータ171の燃料戻し口171cには、燃料戻し配管159の上流端が接続し、燃料戻し配管159は収納ボックス支持フレーム121の後部を燃料吐出配管157aに沿って逆向きに延設され、燃料ポンプ156の上端部156aにおいて、燃料タンク125内に連通するように接続されている。
【0078】
なお、収納ボックス支持フレーム121には、燃料フィルタ170の燃料入口170aに接続している側の燃料吐出配管(本発明の「管部材」)157aとプレッシャレギュレータ171の燃料戻し口171cに接続している側の燃料戻し配管159を、収納ボックス支持フレーム121に支持させる管支持部材160が備えられている。管支持部材160は、バンド、クランプ等適宜のものが用いられる。
【0079】
内燃機関102は、その車幅方向右側にクランク軸108の回転に連動する発電機180を備え、発電機180に接続されたACGハーネス(本発明の「ハーネス」)181が、右リヤフレーム120Rの内側に沿って前方に向けて延設されている。
図6においては、発電機180は、パワーユニットケース107の右膨出部107a内に備えられるので、その位置を破線で示している。
【0080】
本実施形態において、図5、図7に示されるように、シート106の下方で、前方に向け燃料フィルタ170の前方を覆った部分の車体カバー131には、燃料フィルタ170の前方位置に開閉可能な燃料フィルタ用リッド190が、設けられている。
【0081】
したがって、メンテナンス時に燃料フィルタ用リッド190を開けて、燃料フィルタ170の前方から燃料フィルタ170を交換のため着脱する際、燃料フィルタ170が燃料吐出配管157aや燃料配管157bから外された状態であっても、上述の管支持部材160によって、管部材の燃料吐出配管157aを収納ボックス支持フレーム121に支持させた状態を維持することができる。燃料配管157bは、下流端が燐在するプレッシャレギュレータ170に支持されている。
そのため、燃料フィルタ170の着脱作業性が向上する。
特に、管支持部材160は、図6に示されるように、平面視で、燃料フィルタ170と点火プラグ145との間に間隔を空けて設けられており、燃料吐出配管157aの保持によってメンテナンス性を向上させている。
【0082】
車体カバー131には、燃料フィルタ用リッド190とは別体に、内燃機関102に取付けられた点火プラグ145を覆う点火プラグ用リッド191が開閉可能に設けられている。
燃料フィルタ用リッド190は、燃料フィルタ170に臨み車体カバー131に開口する燃料フィルタ用開口192を塞ぎ、点火プラグ用リッド191は、点火プラグ145に臨み車体カバー131に開口する点火プラグ用開口193を塞ぐが、燃料フィルタ用開口192と点火プラグ用開口193とは、連なった開口を形成している。
【0083】
したがって、燃料フィルタ用リッド190と点火プラグ用リッド191とを分けて、各々のメンテナンス作業を容易に行うことができるうえ、必要に応じて、両方のリッド190、191を開けてメンテナンス作業を行えば、燃料フィルタ用開口192と点火プラグ用開口193が1つの開口を形成するので、開口面積が拡大して、メンテナンス作業スペースを拡大することができメンテナンス作業性が向上する。
【0084】
また、本実施形態の内燃機関102は、前述のように、点火プラグ145が、シリンダヘッド142の車幅方向を向く右側面に取付けられており、燃料フィルタ170は、平面視でシリンダヘッドカバー143の前方で左右方向幅(図6中、B)内に配置されている。
そのため、点火プラグ145が設けられる面と異なる位置に燃料フィルタ170が配置されるので、燃料フィルタ170のメンテナンス作業スペースが、より一層確保されている。
【0085】
そして図6に示されるように、燃料フィルタ170は、車両中心線C1に対して、上述の右リヤフレーム20Rの内側に沿って設けられているACGハーネス181と反対側に位置して設けられている。
そのため、ACGハーネス181から燃料フィルタ170を離すことで、燃料フィルタ170のメンテナンス作業スペースが、より一層確保される。
【0086】
また、点火プラグ145が、発電機180側、すなわちシリンダヘッド142の車幅方向を向く右側面に取付けられたので、発電機180やACGハーネス181と点火プラグ145等の電装品を同一側に纏めることができたうえ、点火プラグ145と燃料フィルタ124との距離が得られ、燃料フィルタ170のメンテナンス性が向上する。
また、本実施形態の内燃機関102のシリンダ軸線C2は、車両中心線C1よりも左側にオフセットされているので、内燃機関102の右側に纏められた電装品のメンテナンス性が向上している。
【0087】
以上の本実施形態2の特徴は、燃料フィルタ170のメンテナンス性向上の要請の高い、ガソリン、エタノール等の混合燃料を用いる内燃機関102を搭載した自動二輪車101において、特に有効である。
【0088】
次に、本発明の実施形態3に係る鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造を、図8から図10に基づき説明する。
前後左右上下等の向きの記載、図示上の注記は、実施形態1、図1から図5について上記したと同様である。
【0089】
図8は、本発明の実施形態3に係る鞍乗型車両としての自動二輪車201の左側面を示す。自動二輪車201は、車体フレーム204と、車体フレーム204に含まれ車体フレーム204の前端部を構成するヘッドパイプ210に挿嵌されるステアリングステム213と、ステアリングステム213から下方に延設されるフロントフォーク212およびステアリングステム212の上端部に延びているステアリングハンドル214と、フロントフォーク212の下端部に操向可能に支持されている前輪211と、車体フレーム204の中央部に配置される駆動源としての内燃機関202を備えたパワーユニット205と、車体フレーム204の後部に、前端が揺動自在に支持される左右一対のスイングアーム238と、スイングアーム238の後端部に回転自在に支持されている後輪234と、を備えている。
【0090】
車体フレーム204は、ヘッドパイプ210と、ヘッドパイプ210から斜め下、後方に延びる1本のメインフレーム215と、メインフレーム215の後部側から後方に、且つ、左右外方に水平に延設された後、斜め上、後方に延出する左右一対のリヤフレーム220(左リヤフレーム220L、右リヤフレーム220R)を備えている。
また、メインフレーム215の後部と左右のリヤフレーム220L、220Rから垂下されスイングアーム238の前端をピボット軸を介して上下揺動自在に支持する左右一対のピボットプレート219と、左右のリヤフレーム220L、220Rの後端部から後方に延設されるとともに、平面視で、略U字状を呈して左右のリヤフレーム220L、220Rを連結接続する後端フレーム239を備えている。
なお、左右のリヤフレーム220L、220Rの後端部と、左右一対のスイングアーム238の後端部との間には、それぞれリヤクッション233が備えられている。
【0091】
メインフレーム215の後部側に接続し、左右外方に水平に延設され後方に延出する部分の左右一対のリヤフレーム220(左リヤフレーム220L、右リヤフレーム220R)は、図10に示されるように、車幅方向に配向した収納ボックス支持フレーム221によって互いが連結接合されており、左、右リヤフレーム220L、220Rの間には収納ボックス224が設けられ、収納ボックス224の前方下部が、収納ボックス支持フレーム221上に支持されている。収納ボックス支持フレーム221は、パワーユニット205の内燃機関202よりも上方に配置されている。
【0092】
また、図9に示されるように、収納ボックス224の後方下部は、左、右リヤフレーム220L、220Rの間を車幅方向に連結接合するクロスフレーム217上に支持されており、収納ボックス224は、収納ボックス支持フレーム221およびクロスフレーム217に、クッションブッシュ261を挟んでボルト262によって締結されている。
【0093】
したがって、図8に示されるように、内燃機関202は収納ボックス224の下方に配置され、収納ボックス224の大部分の下方で、内燃機関202よりも上方に配置された収納ボックス支持フレーム221が、収納ボックス224を支持している。
収納ボックス224に後方には燃料タンク225が配置され、収納ボックス224から燃料タンク225の上方にわたり、乗員用のシート206が設けられている。
【0094】
車体フレーム204の外方は、車体カバー231で覆われている。
図8において、295はパワーユニット205の出力軸296に設けたドライブスプロケット、297は駆動チェーン、298はドリブンスプロケット、229はメインスタンド、226はフロントフェンダ、227はリヤフェンダである。
【0095】
パワーユニット205は、車体フレーム204に懸架されており、後部に変速機を内蔵するパワーユニットケース207の前部に、水平に近く前傾して、クランク軸208を車幅方向に配向するとともに、シリンダブロック241、シリンダヘッド242、シリンダヘッドカバー243が順次積み重ねられるように締結されてシリンダ部244を成し、パワーユニットケース207の前部をクランクケースとする内燃機関202が構成されている。
シリンダヘッド242の車幅方向を向く一側面、本実施形態では右側面に、内燃機関202の点火プラグ245(図10参照)が取付けられている。
なお、シリンダヘッド242から下方に向けて排気管246が取り付けられ、排気管246はクランクケース207の下方を後方へかつ右側へ迂回して車体右側に配設されたマフラー247に接続している。
【0096】
内燃機関202の上方でメインフレーム215の下部には、エアクリーナ250が支持されており、シリンダ部244とエアクリーナ250との間の位置にスロットルボディ252が配置されている。エアクリーナ250とスロットルボディ252は、コネクティングチューブ251で接続される。スロットルボディ252の下流側は、吸気管253を介してシリンダヘッド242に設けられた図示しない吸気ポートに通じている。
したがって、エアクリーナ250で浄化された空気は、コネクティングチューブ251、スロットルボディ252、吸気管253を介して内燃機関202のシリンダヘッド242内に送られる。
【0097】
スロットルボディ252には、図示しない吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射装置255の下部が嵌合されており、燃料タンク225に内蔵される燃料ポンプ256に上流端が接続される図示しない燃料供給路の下流端が、燃料噴射装置255に接続されている。
燃料タンク225からの燃料は、燃料を供給するための図示しない燃料供給路を介して、燃料噴射装置255によって内燃機関202のシリンダヘッド242内に供給される。
【0098】
本実施形態3において、内燃機関202は単気筒4ストロークサイクル内燃機関であり、上述の実施形態1と同様に、複数種の燃料、例えば混合比の異なるアルコールとガソリンの混合燃料による運転を行なう所謂フレックスフューエル内燃機関である。
そのため、アルコール分におけるダスト混入の可能性があり、混合燃料中のダストを除去するために、燃料タンク225内に設けられた燃料ポンプ256の下流側、すなわち内燃機関202側との間の図示しない燃料供給路に、燃料フィルタ270が介装されている。
したがって、実施形態1と同等に、燃料フィルタ270は、燃料タンク225の外部において、燃料タンク225から内燃機関202につながる燃料供給路の途中に、着脱可能に介装されている。
【0099】
また、本実施形態の場合も、燃料の供給圧を調整して内燃機関202側の燃料噴射装置255に供給するとともに、圧力調整によって余剰となった燃料を燃料タンク225に戻すためのプレッシャレギュレータ271が、図示しない燃料供給路に介装されている。
すなわち、混合燃料のように燃料中のダストに対処する必要がある場合、燃料フィルタ270によって濾過された燃料の供給圧を調整したほうが、プレッシャレギュレータ271のダストによる負荷が少なくて済み、従来のように燃料タンク225内の燃料ポンプ256にプレッシャレギュレータを併設するよりも、燃料タンク225の外であって、燃料フィルタ270よりも下流側に設けたほうが耐久性が向上する。
【0100】
本実施形態3においては、上述の実施形態1および実施形態2と同様に、図示しない燃料供給路は、図示しない燃料吐出配管、燃料配管、燃料供給配管で構成され、同様に燃料タンク225の燃料ポンプ256、燃料フィルタ270、プレッシャレギュレータ271、燃料噴射装置255との間に配管され、また、図示しない燃料戻し配管も配管され、それらの作用は同様である。
したがって、本実施形態の説明において、配管の図示、説明は省略し、燃料フィルタ270、プレッシャレギュレータ271の配置構造につき、以下説明する。
【0101】
図9、図10に示されるように、メインフレーム215に左、右リヤフレーム220L、220Rが接合する箇所のメインフレーム215上には、燃料フィルタ支持ステー263が取付けられている。
燃料フィルタ支持ステー263は、屈曲板状の部材であり、メインフレーム215の前方側から順に、メインフレーム215に溶接取付けされる前支持部263a、前支持部263aの後方で下に凸に折れ曲がる第1屈曲部263b、第1屈曲部263bより後上方で上に凸に折れ曲がる第2屈曲部263c、第2屈曲部263cから略水平に後方に延在する上壁部263d、上壁部263dの後部おいて上に凸に折れ曲がる第3屈曲部263e、第3屈曲部263eから下方に垂下する後壁部263f、後壁部263fの下端で収納ボックス支持フレーム221に、収納ボックス224の反対側で溶接取り付けされる後支持部263gで構成される。
【0102】
そのようにして、燃料フィルタ支持ステー263の下方には、メインフレーム215の上方に、機器収納空間264が形成され、上壁部263dの下面には適宜な支持部材265によって、燃料フィルタ270が軸方向を車幅方向に向けて取付けられ、後壁部263fの前面には宜な支持部材266によって、プレッシャレギュレータ271が軸方向を車幅方向に向けて取付けられている。
【0103】
燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271は、上方を燃料フィルタ支持ステー263に覆われるので、上方からの外力から保護され、且つ機器収納空間264の側方は開放されているので、車体カバー231に適宜なリッド267を設けることで、燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271のメンテナンスが容易に行えるものとなる。
また、燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271の下部側方には、左、右リヤフレーム220L、220Rが配されているので、車幅方向からの外力から保護される。
【0104】
以上のように、本実施形態3の燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271は、収納ボックス支持フレーム221を挟んで収納ボックス224と反対側で、収納ボックス支持フレーム221の上方に、燃料フィルタ支持ステー263を介して取付けられている。また、収納ボックス支持フレーム221は内燃機関202よりも上方に配置されている。
したがって、内燃機関202に対して相対的に高位置となる収納ボックス支持フレーム121を挟んで、収納ボックス224と反対側に燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271が設けられたので、メンテナンスにおける作業スペースが拡大し、燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271のアクセスも容易となり、燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271のメンテナンス性を向上させることができる。
【0105】
また、収納ボックス支持フレーム221は、収納ボックス224や、その上方のシート206を介して運転者の体重を支えるために、比較的高強度に構成されるものであって、且つ左右一対のリヤフレーム220(左リヤフレーム220L、右リヤフレーム220R)を連結するため、燃料フィルタ270は、収納ボックス支持フレーム221と左右一対のリヤフレーム220とで強固に囲まれた空間に配置されることになるので、収納ボックス支持フレーム221やリヤフレーム220によって、車幅方向からの外力等の外的要因に対して燃料フィルタ270とプレッシャレギュレータ271が保護される。
【0106】
以上の本実施形態3の特徴は、燃料フィルタ270のメンテナンス性向上の要請の高い、ガソリン、エタノール等の混合燃料を用いる内燃機関202を搭載した自動二輪車201において、特に有効である。
【0107】
以上、本発明の各実施形態の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造につき述べたが、本発明は各請求項の要旨の範囲内で、上記実施形態と異なる態様を含むことは勿論である。
例えば、本発明の鞍乗型車両は、上記実施形態の自動二輪車に限定されず、請求項1の構成を備える鞍乗型車両であれば、バギー等の小型車両を含む多様な鞍乗型車両でよい。
また、各実施形態において、鞍乗型車両は、複数種の燃料、例えば混合比の異なるアルコールとガソリンの混合燃料による運転を行なう所謂フレックスフューエル内燃機関を備えたものであるが、燃料タンクから内燃機関に燃料を供給するための燃料供給路の途中に介装された燃料フィルタを有する鞍乗型車両であれば、本発明は、同上内燃機関を備えた鞍乗型車両に限定されず、多様な内燃機関を備えた鞍乗型車両であってよい。
尤も、鞍乗型車両で、複数種の燃料、例えば混合比の異なるアルコールとガソリンの混合燃料による運転を行なうフレックスフューエル内燃機関を備えたものにおいて、本発明は特に作用効果が顕著である。
【符号の説明】
【0108】
1、101、201…自動二輪車(本発明の「鞍乗型車両」)、2、102、202…内燃機関、4、104、204…車体フレーム、5、105、205…パワーユニット、8、108…クランク軸、10、110、210…ヘッドパイプ、15、115、215…メインフレーム、20、120、220…リヤフレーム、21、121、221…収納ボックス支持フレーム、24、124、224…収納ボックス、25、125、225…燃料タンク、31、131…車体カバー、42、142…シリンダヘッド、43、143…シリンダヘッドカバー、45、145…点火プラグ、56、156、256…燃料ポンプ、57a、157a…燃料吐出配管(本発明の「管部材」)、57b…燃料配管(本発明の「管部材」)、60、160…管支持部材、70、170、270…燃料フィルタ、71、171、271…プレッシャレギュレータ、80、180…発電機、81、181…ACGハーネス(本発明の「ハーネス」)、90、190…燃料フィルタ用リッド、91、191…点火プラグ用リッド、92、192…燃料フィルタ用開口、93、193…点火プラグ用開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプ(10、110、210)と、同ヘッドパイプ(10、110、210)から後方に延出するメインフレーム(15、115、215)と、同メインフレーム(15、115、215)の後部から後方に延出する左右一対のリヤフレームを備えた車体フレーム(4、104、204)と、
前記左右一対のリヤフレーム(20、120、220)の間に設けられた収納ボックス(24、124、224)と、
同収納ボックス(24、124、224)の下方に配置された内燃機関(2、102、202)と、
前記車体フレーム(4、104、204)に固定され、燃料ポンプ(56、156、256)を内蔵した燃料タンク(25、125、225)と、
前記燃料ポンプ(56、156、256)から前記内燃機関(2、102、202)へ燃料を供給するための燃料供給路に介装された燃料フィルタ(70、170、270)とを有する鞍乗型車両(1、101、201)の燃料フィルタ配置構造において、
前記収納ボックス(24、124、224)の下方で、少なくとも一部が前記内燃機関(2、102、202)よりも上方に配置された収納ボックス支持フレーム(21、121、221)が、前記収納ボックス(24、124、224)を支持するとともに、前記左右一対のリヤフレーム(20、120、220)の間を連結し、
前記燃料フィルタ(70、170、270)は、前記収納ボックス支持フレーム(21、121、221)を挟んで前記収納ボックス(24、124、224)と反対側に設けられたことを特徴とする鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【請求項2】
前記燃料フィルタ(70、170)は、平面視で前記収納ボックス支持フレーム(21、121)と重なるように、同収納ボックス支持フレーム(21、121)の下部に取付けられたことを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【請求項3】
前記燃料フィルタ(70、170)は、平面視で前記収納ボックス支持フレーム(21、121)の前縁よりも後方に位置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【請求項4】
前記燃料フィルタ(70、170)は、前記収納ボックス支持フレーム(21、121)の車幅方向中心よりも同収納ボックス支持フレーム(21、121)と前記リヤフレーム(20、120)との連結部寄りに取付けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【請求項5】
前記鞍乗型車両(1、101)は、前記燃料フィルタ(70、170)の前方を覆い同燃料フィルタ(70、170)の前方位置にリッド(90、190)が設けられた車体カバー(31、131)を備え、
前記燃料供給路(57、157)は、前記燃料フィルタ(70、170)に接続される管部材(57a、57b、157a)を含み、同管部材(57a、57b、157a)を前記収納ボックス支持フレーム(21、121)に支持する管支持部材(60、160)が、前記収納ボックス支持フレーム(21、121)に備えられたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【請求項6】
前記リッドは、燃料フィルタ用リッド(90、190)であり、前記車体カバー(31、131)には同燃料フィルタ用リッド(90、190)とは別体に、前記内燃機関(2、102)に取付けられた点火プラグ(45、145)を覆う点火プラグ用リッド(91、191)が設けられ、
前記燃料フィルタ用リッド(90、190)が塞ぐ燃料フィルタ用開口(92、192)と前記点火プラグ用リッド(91、191)が塞ぐ点火プラグ用開口(93、193)とは、連なった開口を形成していることを特徴とする請求項5記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【請求項7】
前記内燃機関(2、102)は、その前部にシリンダヘッド(42、142)と、同シリンダヘッド(42、142)の前部に取付けられたシリンダヘッドカバー(43、143)とを備え、
前記内燃機関(2、102)の点火プラグ(45、145)が、前記シリンダヘッド(42、142)の車幅方向を向く一側面に取付けられるとともに、前記燃料フィルタ(70、170)が、平面視で前記シリンダヘッドカバー(43、143)の前方且つ左右方向幅内に配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。
【請求項8】
前記内燃機関(2、102)は、その車幅方向一側にクランク軸(8、108)の回転に連動する発電機(80、180)を備え、同発電機(80、180)に接続されるハーネス(81、181)を、前記左右一対のリヤフレーム(20、120)のうちの一方に沿わせるとともに、前記燃料フィルタ(70、170)は、車両中心線に対して前記ハーネス(81、181)と反対側となる位置に設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載の鞍乗型車両の燃料フィルタ配置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−100053(P2013−100053A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245584(P2011−245584)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】