説明

音声再生装置、音声再生方法及びプログラム

【課題】種々の音源機器を切り替えて音声再生を行う場合であっても、容易かつ適切に音声再生モードを設定して好適な音声再生を行う。
【解決手段】音声再生装置100は、スピーカ部13からの音声再生時において、音源装置21〜24のいずれかをセレクタ6、入力部8で選択して出力するという切り替えが操作部5の操作指示に基づいて行われた際に、当該選択に対応して予め記憶部3に記憶された音声再生モードに基づいた制御をシステムマイコン1が行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声再生装置、音声再生方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオ回路や表示回路などの不要な回路の電源をオフにしてオーディオ信号への干渉を低減させ、CD(Compact Disk)などの音源を高品位に再生する音声再生モードを有する音声再生装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、オーディオ信号のみが記録されているディスクを再生している場合に、ビデオ信号処理部への電力供給を停止する技術が開示されている。特許文献2には、多チャンネルAVアンプに簡単な切替回路と遅延回路とを追加し、ステレオ再生時にはフロント用スピーカをパラレル駆動バイアンプ構成で駆動することで更なる高音質再生を行う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−271715号公報
【特許文献2】特開2006−237928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、音声再生装置では、CD、DVD(Digital Versatile Disk)、MD(MiniDisc)又はUSB(universal serial bus)などを経由して転送される音声データ等の種々の音源機器をセレクタで切り替えて音声再生しており、いずれかの音源機器から音声再生を行う場合はセレクタ切り替えを行った後に上述した音声再生モードの切り替えを行う必要があるため不便であった。
【0005】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、種々の音源機器を切り替えて音声再生を行う場合であっても、容易かつ適切に音声再生モードを設定して好適な音声再生を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数音源からの信号に基づいて音声再生を行う音声再生装置において、
前記複数音源より音声再生を行うべき音源を選択する選択手段と、
前記選択手段による選択毎に前記音声再生に係る音声再生モードを記憶する第1の記憶手段と、
前記選択手段で選択されたいずれかの音源からの出力信号に基づいて音声再生を行う際に、前記第1の記憶手段に記憶された前記選択に対応する音声再生モードに基づいて制御を行う制御手段と、
を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
操作指示を受け付ける操作手段と、
前記操作指示に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶される前記選択手段での選択毎の前記音声再生モードを設定する設定手段と、
を更に備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記設定手段は、前記操作指示に基づくとともに、前記選択手段で選択されたいずれかの音源からの信号に基づいて音声再生モードを設定する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記音声再生モードは、前記選択手段により選択された音源の再生に不要な要素を作動させないことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、
前記音声再生モードは、前記選択手段により選択された音源が有するチャンネル出力に不要な出力を行わないことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、複数音源から音声再生を行う音源を選択し、当該音源の信号に基づいた音声再生を行う音声再生装置の音声再生方法であって、
前記選択されたいずれかの音源からの信号に基づいた音声再生を行う際に、記憶部に記憶された選択毎の音声再生に係る音声再生モードに基づいた制御を行う。
【0012】
請求項7に記載の発明は、複数音源から音声再生を行う音源を選択し、当該音源の信号に基づいた音声再生を行う音声再生装置のコンピュータに、
前記選択されたいずれかの音源からの信号に基づいた音声再生を行う際に、記憶部に記憶された選択毎の音声再生に係る音声再生モードに基づいた制御を行う制御手段、
として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数音源の中からいずれかの音源を選択して音声再生を行う場合であっても、当該選択に対応した音声再生モードが記憶されており、その選択に対応した音声再生モードで制御されるため、ユーザが音源の選択に伴って音声再生モードを設定する必要が無く、容易かつ適切に高品位な音声再生を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定しない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい一形態を示すものであり、発明の範囲はこれに限定するものではない。
【0015】
[第1の実施の形態]
先ず、音声再生装置の第1の実施の形態について、図1、図2を参照して説明する。図1は、音声再生装置100の機能的構成を例示している。図2は、音声再生装置100のシステムマイコン1が実行して行う動作をフローチャートで例示している。
【0016】
図1に示すように、音声再生装置100は、システムマイコン1、ビデオ制御部2、記憶部3、表示部4、操作部5、セレクタ6、A/D変換器7、入力部8、DSP9、D/A変換器10、アンプ部11、リレー12及びスピーカ部13を有する構成である。なお、図中の点線は、音声信号の流れを示している。
【0017】
システムマイコン1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。CPUは、ユーザによる操作部5からのキー操作に応じて、ROMに格納されている各種制御プログラムを読み出し、RAM内のプログラム格納領域に展開し、該制御プログラムに従って各部に信号を出力し、各部の動作を集中制御する。また、CPUは、読み出した制御プログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM内の所定の領域に一時的に格納したり、表示部4に表示させたりする。
【0018】
また、システムマイコン1は、上述した制御プログラムに従って後述する動作の制御を行うことで、スピーカ部13からの音声再生時において、入力される音源装置21〜24のセレクタ6や入力部8での切り替えに対応し、その選択に対して予め設定された音声再生モードに基づいた各部の制御を行う。この音源装置21〜24の切り替えに対して予め設定された音声再生モードは、例えば、再生音質の向上を図る高音質再生モードなどがある。システムマイコン1は、この高音質再生モードのオン/オフに基づいて不要な処理の停止や不要な機能部への電源供給の停止を行うことで、スピーカ部13からの音声再生への影響を低減させることができる。
【0019】
ビデオ制御部2は、映像処理用DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、システムマイコン1から入力される指示に従って、音源装置21〜24から入力されて特に図示しない出力端子からモニタなどへ出力する映像信号に対して、ビデオ信号処理等の各種映像処理、モニタへオンスクリーン表示を行うためのOSD(On Screen Display)映像信号の出力処理や、モニタの電源オン/オフや音量調整などのモニタ制御信号の出力などを行う。
【0020】
記憶部3は、半導体メモリ等であり、システムマイコン1から入力される書き込み/読み出し指示に従って、システムマイコン1から出力されるデータの格納や、読み出したデータのシステムマイコン1への出力を行う。具体的には、記憶部3は、後述するセレクタ6や入力部8の選択毎の音声再生モード/再生用スピーカを設定情報として記憶する(第1の記憶手段/第2の記憶手段)。
【0021】
表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、システムマイコン1から入力される指示に従って、表示画面上に、動作状況(例えば、現在再生されている音楽のトラック番号や進行時間、ディスクの全録音時間等の情報や動作モード等)の表示を行う。
【0022】
操作部5は、EJECTキー、ソース(CD/MD/DVD/USB)指定キー、再生キー、テンキー、高音質再生や通常再生などの再生モードの切り替えや再生するスピーカの切り替え等を指定するモード切替キー、SKIP UP/DOWNキー、停止キー等の各種機能キーを備え、キー操作による操作信号をシステムマイコン1へ出力することで操作手段としての機能を提供する。また、操作部5は、無線や赤外線通信等のリモートコントロールによる操作信号をシステムマイコン1へ出力するようにしてもよい。
【0023】
セレクタ6は、スピーカ部13からの音声再生時に、システムマイコン1から入力される指示に応じて、音源装置21、22から入力されるアナログ信号(音声)を選択してA/D変換器7へ出力することで、選択手段としての機能を提供する。なお、セレクタ6は、音源装置21、22から入力される映像信号についてはビデオ制御部2へ出力する。A/D変換器7は、入力されるアナログ音声信号をデジタル変換する変換器であり、変換後のデジタル音声信号をDSP9へ出力する。
【0024】
入力部8は、スピーカ部13からの音声再生時に、システムマイコン1から入力される指示に応じて、音源装置23、24から入力されるデジタル信号(音声)を選択してDSP9へ出力することで、選択手段としての機能を提供する。なお、入力部8は、音源装置23、音源装置22から入力される映像信号についてはビデオ制御部2へ出力する。
【0025】
DSP9は、A/D変換器7又は入力部8から入力されるデジタル音声信号に対して、符号化されている信号の復号化などの変換処理を行い、変換後のデジタル音声信号をD/A変換器10へ出力する。D/A変換器10は、入力されるデジタル音声信号をアナログ変換する変換器であり、変換後のアナログ音声信号をアンプ部11へ出力する。
【0026】
アンプ部11は、入力されるアナログ音声信号を、システムマイコン1から入力される指示に基づいて増幅した上でリレー12に出力する。
【0027】
リレー12は、入力されるアナログ音声信号をスピーカ部13に出力して当該スピーカ部13からの音声再生を行う。また、リレー12は、システムマイコン1から入力されるステレオ再生指示に基づいて、入力されるアナログ音声信号を左右のチャンネルの信号に分離して左音声再生用のスピーカ13L、右音声再生用のスピーカ13Rに出力する。
【0028】
音源装置21〜24は、CD、DVD(Digital Versatile Disk)、MD(MiniDisc)又はUSB(universal serial bus)などの通信を介して接続する外部機器であり、再生すべき音声や映像などの情報を含むアナログ信号又はデジタル信号をセレクタ6又は入力部8の端子(特に図示しない)へ出力する。
【0029】
ここで、システムマイコン1が制御プログラムに従ってスピーカ部13からの音声再生時に行う音声再生装置100の動作処理について詳細に説明する。先ず、処理が開始されると、図2に示すように、音声再生モードの切り替え入力が操作部5から行われたか否かが判定され(ステップS11)、切り替え入力が行われた場合(YES)はステップS12〜S16に示す処理が行われる。
【0030】
音声再生モードの切り替えが入力された場合は、その入力指示が高音質再生モードオンへの切り替えか否かが判定される(ステップS12)。この判定において、高音質再生モードオンであると判定された場合(YES)は、音源装置21〜24のいずれを選択しているかというセレクタ6、入力部8の選択状態を取得し、その選択に対応する音声再生モードとして高音質再生モードオンが記憶部3に記憶され(ステップS13)、高音質再生モードオンに基づいてビデオ制御部2におけるビデオ信号処理やモニタ等の表示用電源をオフにする高音質再生モードへ切り替えた制御が行われる(ステップS14)。
【0031】
また、ステップS12の判定において、高音質再生モードオフであると判定された場合(NO)は、ステップS13と同様にセレクタ6、入力部8の選択状態を取得してその選択に対応する音声再生モードとして高音質再生モードオフが記憶部3に記憶され(ステップS14)、高音質再生モードオフに基づいてビデオ制御部2におけるビデオ信号処理やモニタ等の表示用電源をオンにする通常再生モードへ切り替えた制御が行われる(ステップS16)。
【0032】
音声再生装置100では、上述したステップS11〜S16に示した処理を行うことで、操作部5からの操作指示に基づいて、セレクタ6、入力部8の選択毎の音声再生モードの設定を行う(設定手段)ことができる。また、セレクタ6、入力部8の選択毎の音声再生モードの設定は、音源装置21〜24のいずれかを選択してリレー12に出力している再生時において、操作部5による音声再生モードの切り替え入力があった際にその選択状態を取得して行うため、スピーカ部13による音声再生中に行うことができる。
【0033】
次いで、操作部5からの入力指示に基づいたセレクタ6、入力部8の切り替え、つまり、再生すべき音源の切り替えの有無が判定され(ステップS17)、切り替えが行われた場合(YES)はステップS18〜S22に示す処理が行われる。
【0034】
操作部5からの入力指示に基づいて再生すべき音源の切り替えを行う場合は、セレクタ6、入力部8の切り替えが行われ(ステップS18)、切り替え後のセレクタ(セレクタ6、入力部8の選択状態)に関連する設定情報が記憶部3から読み出される(ステップS19)。つまり、ステップS19では、その切り替え選択に対応する音声再生モードの読み出しが行われる。
【0035】
ステップS19に次いで、その切り替え選択に対応して設定されている音声再生モードが高音質再生モードオンか否かが判定され(ステップS20)、高音質再生モードオンである場合(YES)は、ステップS14と同様に高音質再生モードへ切り替えた制御が行われる。また、ステップS20において高音質再生モードオフであると判定された場合(NO)は、ステップS16と同様に通常再生モードへ切り換えた制御が行われる(ステップS22)。
【0036】
ステップS21、S22に次いで、操作部5からの入力指示に基づいて処理を終了するか否かが判定され(ステップS23)、処理を継続する場合(NO)はステップS11へ戻る。つまり、スピーカ部13からの音声再生時には、上述した音声再生切り替えの入力指示やセレクタ切り替えの入力指示に基づいた処理(ステップS11〜S22)が行われる。
【0037】
音声再生装置100では、上述したステップS17〜S22に示した処理を行うことで、音声再生時において音源装置21〜24のいずれかをセレクタ6、入力部8で選択するという、セレクタの切り替えが操作部5の操作指示に基づいて行われた際に、当該選択に対応して予め記憶部3に記憶された音声再生モードに基づいた制御を行う。このため、音声再生装置100では、セレクタの切り替えに連動した制御を行うことができ、選択された音源装置に好適であり高品位な音声再生を容易に行うことができる。
【0038】
具体的には、記憶部3にはセレクタ6、入力部8の選択に対応した音声再生モードとして高音質再生モードのオン/オフが記憶されており、当該高音質再生モードのオン/オフに基づいて、音声再生には不要なビデオ制御部2におけるビデオ処理やモニタ等の表示用電源をオフにするなどの制御を行い、セレクタと連動した高音質再生モードのオン/オフを制御する。この場合は、例えばCDなどの音源装置を選択した際に、それに連動して不要な映像処理などを停止する高音質再生モードにすることができ、ユーザが高音質モードへ設定する手間を省くことができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
次に、音声再生装置の第2の実施の形態について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、音声再生装置200の機能的構成を例示している。図4、5は、音声再生装置100のシステムマイコン1が実行して行う動作をフローチャートで例示している。なお、前述した第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図3に示すように、音声再生装置200は、システムマイコン1、ビデオ制御部2、記憶部3、表示部4、操作部5、セレクタ6、A/D変換器7、入力部8、DSP9、D/A変換器10、アンプ部11、リレー12a、12b、スピーカ部13、13sを有する構成である。
【0041】
リレー12a、12bは、入力されるアナログ音声信号をスピーカ部13、13sに出力して音声再生を行う。リレー12aは、システムマイコン1から入力されるステレオ再生指示に基づいて、入力されるアナログ音声信号を左右のチャンネル信号に分離して左音声再生用のスピーカ13L、右音声再生用のスピーカ13Rに出力する。
【0042】
リレー12bは、システムマイコン1から入力されるサラウンド再生指示に基づいて、入力されるアナログ音声信号を正面、左後方、右後方のチャンネル信号に分離して、正面再生用のスピーカ13C、左後方再生用のスピーカ13LS、右後方再生用のスピーカ13RSに出力する。
【0043】
音声再生装置200は、上述したスピーカ部13、13sを有し、システムマイコン1からの指示に基づいてスピーカ部13によるモノラル/ステレオ再生やスピーカ部13、13sによるサラウンド再生などの再生用スピーカの切り替えが可能な構成である。
【0044】
ここで、システムマイコン1が制御プログラムに従ってスピーカ部13、13sからの音声再生時に行う音声再生装置200の動作処理について詳細に説明する。
【0045】
先ず、処理が開始されると、図4に示すように、音声再生モードの切り替え入力が操作部5から行われたか否かが判定され(ステップS31)、切り替え入力が行われた場合(YES)は前述のステップS12〜S16と同様の処理がステップS32〜S36で行われる。
【0046】
次いで、入力チャンネルの設定が操作部5から行われたか否かが判定され(ステップS37)、設定されている場合(YES)はステップS38〜S42に示す処理が行われる。
【0047】
入力チャンネルの設定がなされた場合は、その入力指示が2チャンネル再生を行う入力であるか、サラウンド再生のような多チャンネル再生を行う入力であるかが判定される(ステップS38)。この判定において、多チャンネル再生を行う入力であると判定された場合(NO)は、音源装置21〜24のいずれをセレクタ6、入力部8で選択しているかという選択状態を取得し、その選択に対応する再生用スピーカとして多チャンネル再生が可能な再生スピーカへの出力を行うことが記憶部3に記憶され(ステップS39)、リレー12a及びリレー12bによる出力に切り替えられて、スピーカ部13、13Sによるサラウンド再生のような多チャンネル再生に切り替えられる(ステップS40)。
【0048】
また、ステップS38の判定において、入力指示が2チャンネル再生を行う入力であると判定された場合(YES)は、ステップS39と同様にセレクタ6、入力部8の選択状態を取得してその選択に対応する再生用スピーカとして2チャンネル再生用スピーカへの出力を行うことが記憶部3に記憶され(ステップS41)、リレー12aのみからの出力に切り替えられて、スピーカ部13による2チャンネル再生に切り替えられる(ステップS42)。
【0049】
音声再生装置200では、上述したステップS37〜S42に示した処理を行うことで、操作部5からの操作指示に基づいて、セレクタ6、入力部8の選択毎の再生用スピーカの設定を行うことができる。また、セレクタ6、入力部8の選択毎の再生用スピーカの設定は、音源装置21〜24のいずれかを選択した再生時において、操作部5による再生用スピーカの切り替え入力が有った際にその選択状態を取得して行うため、スピーカ部13、13sによる音声再生中に行うことができる。
【0050】
次いで、図5に示すように、操作部5からの入力指示に基づいたセレクタ6、入力部8の切り替え、つまり、再生すべき音源の切り替えの有無が判定され(ステップS43)、切り替えが行われた場合(YES)はステップS44〜S52に示す処理が行われる。
【0051】
操作部5からの入力指示に基づいたセレクタ6、入力部8の切り替えを行う場合は、セレクタ6、入力部8の切り替えが行われ(ステップS44)、切り替え後のセレクタ(セレクタ6、入力部8の選択状態)に関連する設定情報が記憶部3から読み出される(ステップS45)。つまり、ステップS45では、その切り替え選択に対応する音声再生モードや再生用スピーカの読み出しが行われる。
【0052】
ステップS45に次いで、その切り替え選択に対応して設定されている音声再生モードが高音質再生モードオンか否かが判定され(ステップS46)、高音質再生モードオンである場合(YES)は、ステップS34と同様に高音質再生モードへ切り換えた制御が行われる(ステップS47)。また、ステップS46において高音質再生モードオフであると判定された場合(NO)は、ステップS36と同様に通常再生モードへ切り換えた制御が行われる(ステップS48)。
【0053】
次いで、ステップS44の切り替え選択に対応して設定されている入力チャンネルが2チャンネル再生を行う入力であるか否かが判定され(ステップS49)、多チャンネル再生を行う入力であると判定された場合(NO)は、ステップS40と同様に多チャンネル再生に切り替えられる(ステップS50)。
【0054】
また、ステップS49において切り替え選択に対応して設定されている入力チャンネルが2チャンネル再生である場合(YES)、ステップS42と同様にスピーカ部13による2チャンネル再生に切り替えられる(ステップS51)。その際、ステップS46において高音質モードが設定されている場合は、アンプ部11における2チャンネルの再生に必要の無い増幅処理や増幅部の電源をオフとする(ステップS52)
【0055】
ステップS50、S52に次いで、操作部5からの入力指示に基づいて処理を終了するか否かが判定され(ステップS53)、処理を継続する場合(NO)はステップS31へ戻る。つまり、スピーカ部13、13sからの音声再生時には、上述した音声再生/再生用スピーカ切り替えの入力指示やセレクタ切り替えの入力指示に基づいた処理(ステップS31〜S52)が行われる。
【0056】
音声再生装置200では、上述したステップS43〜S52に示した処理を行うことで、音声再生時において音源装置21〜24のいずれかをセレクタ6、入力部8で選択するという、セレクタの切り替えが操作部5の操作指示に基づいて行われた際に、当該選択に対応して予め記憶部3に記憶された音声再生モードに基づいたチャンネルによるスピーカ出力を行うとともに、不要なスピーカ出力に関する回路の電源等をオフとしたため、選択された音源機器に適合した高品位な音声再生を容易に行うことができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態における記述は、一例を示すものであり、これに限定するものではない。上述した実施の形態における構成及び動作に関しては、適宜変更が可能である。
【0058】
例えば、図2に示すステップS19〜S22の処理や図5に示すステップS45〜S51の処理は、セレクタ6、入力部8の選択を切り替えたタイミングで行われるが、電源投入時や操作部5から入力指示があったタイミングで行われてもよい。この場合は、セレクタ6、入力部8による音源の切り替え以外においてもセレクタ6、入力部8の選択状態に応じた音声再生モードでの制御や再生用スピーカの切り替えを行うことができる。
【0059】
また、音声再生装置100、200において、セレクタ6、入力部8が入力する信号のチャンネル数(モノラル/ステレオ/サラウンド)や信号の種別(PCM(Pulse Code Modulations)音声信号/デジタルサラウンド音声信号、映像信号の有無)を識別する構成を有する場合は、その入力信号に基づいた音声再生モードの切り替えや再生用スピーカの切り替えを行ってもよい。
【0060】
具体的には、ステップS11、S31で音源装置21〜24から入力される信号のチャンネル数や種別を判定し、その判定に基づいてステップS12、S32で高音質再生モードのオン/オフの切り替えを判定してもよい。例えば、チャンネル数がステレオである場合、信号種別がPCM音声信号である場合又は映像信号を含まない場合は高音質再生モードをオンにする、チャンネル数がモノラル/サラウンドである場合、信号種別がデジタルサラウンド音声信号である場合又は映像信号を含む場合は高音質再生モードをオフにする構成などがある。この場合は、入力される信号に応じた音声モードの設定をセレクタ6、入力部8の選択毎に行うことができる。
【0061】
同様に、ステップS37で音源装置21〜24から入力される信号のチャンネル数や種別を判定し、その判定に基づいてステップS38でサラウンド再生用スピーカへの切り替えを判定してもよい。例えば、チャンネル数がサラウンドである場合、信号種別がデジタルサラウンド音声信号である場合又は映像信号を含む場合はサラウンド再生用スピーカへ切り替える、チャンネル数がステレオ/モノラルである場合、信号種別がPCM音声信号である場合又は映像信号を含まない場合は通常再生用スピーカへ切り替える構成などがある。この場合は、入力される信号に応じた再生用スピーカの設定をセレクタ6、入力部8の選択毎に行うことができる。
【0062】
また、ステップS49では、ステップS44の切り替え選択に対応して設定されている再生用スピーカを判定する処理構成を例示したが、チャンネル数や信号種別による上述した判定と同様に再生用スピーカを判定してもよい。この場合は、セレクタ6、入力部8の選択が切り替えられた際に好適な再生用スピーカの選択を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施の形態における音声再生装置の構成を例示するブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における音声再生装置の動作を例示するフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態における音声再生装置の構成を例示するブロック図である。
【図4】第2の実施の形態における音声再生装置の動作を例示するフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態における音声再生装置の動作を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
100、200 音声再生装置
1 システムマイコン
2 ビデオ制御部
3 記憶部
4 表示部
5 操作部
6 セレクタ
7 A/D変換器
8 入力部
9 DSP
10 D/A変換器
11 アンプ部
12、12a、12b リレー
13、13s スピーカ部
13L、13R、13C、13LS、13RS スピーカ
21〜24 音源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数音源からの信号に基づいて音声再生を行う音声再生装置において、
前記複数音源より音声再生を行うべき音源を選択する選択手段と、
前記選択手段による選択毎に前記音声再生に係る音声再生モードを記憶する第1の記憶手段と、
前記選択手段で選択されたいずれかの音源からの出力信号に基づいて音声再生を行う際に、前記第1の記憶手段に記憶された前記選択に対応する音声再生モードに基づいて制御を行う制御手段と、
を備える音声再生装置。
【請求項2】
操作指示を受け付ける操作手段と、
前記操作指示に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶される前記選択手段での選択毎の前記音声再生モードを設定する設定手段と、
を更に備える請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記操作指示に基づくとともに、前記選択手段で選択されたいずれかの音源からの信号に基づいて音声再生モードを設定する請求項2に記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記音声再生モードは、前記選択手段により選択された音源の再生に不要な要素を作動させないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の音声再生装置。
【請求項5】
前記音声再生モードは、前記選択手段により選択された音源が有するチャンネル出力に不要な出力を行わないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の音声再生装置。
【請求項6】
複数音源から音声再生を行う音源を選択し、当該音源の信号に基づいた音声再生を行う音声再生装置の音声再生方法であって、
前記選択されたいずれかの音源からの信号に基づいた音声再生を行う際に、記憶部に記憶された選択毎の音声再生に係る音声再生モードに基づいた制御を行う音声再生方法。
【請求項7】
複数音源から音声再生を行う音源を選択し、当該音源の信号に基づいた音声再生を行う音声再生装置のコンピュータに、
前記選択されたいずれかの音源からの信号に基づいた音声再生を行う際に、記憶部に記憶された選択毎の音声再生に係る音声再生モードに基づいた制御を行う制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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