説明

音声出力装置

【課題】2つのスピーカーでサラウンド音響効果をシミュレーションすることができる音声出力装置を提供する
【解決手段】
本発明の音声出力装置は、第1のディジタル信号を生成するディジタル信号生成装置、ディジタル信号生成装置に接続し、第1のディジタル信号を受け、選択信号を生成するデマルチプレクサー、デマルチプレクサーに接続し、選択信号を第1の処理信号に変換し、当該第1の処理信号を演算し、第2の処理信号に変換するドルビデコーダ、ドルビデコーダ(Dolby decoder)に接続し、第2の処理信号を受け、変調信号を生成するパルス幅変調器、及びパルス幅変調器に接続し、変調信号を音声信号に変換する出力装置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音声出力装置に関し、特に、背面投影型テレビに用いる音声出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のサラウンド音響を発生する音声装置を示す。
【0003】
図1に示すように、従来、サラウンド音響効果を得るために、音声出力装置は少なくとも5つのスピーカーを用いて音声を出力する必要がある。これら5つのスピーカーは、それぞれ聴者の前方、右前方、左前方、右後方、左後方に配設され、音声を出力し、サラウンド音響効果を発生する。しかし、図1のような音声出力装置は、大きなスペースし必要とするので、製品のコストが高い。
【0004】
一方、現在使われている背面投影型テレビは2つのスピーカーしか有しておらず、そのため、5つのスピーカーで得られるサラウンド音響効果は得られない。本発明は、この問題を解決することができる背面投影型テレビに用いる音声出力装置を提供する。
【0005】
本発明は、米国ドルビ(Dolby)実験室が開発したドルビ・バーチャル・スピーカー技術(Dolby Virtual Speaker Technology)を用い、例えば、米国特許第5502747号に開示されたように、ドルビ・ディジタル復号化された音声信号について、ドルビ・バーチャル・スピーカー・デコーダによりディジタル信号処理を行い、これにより、背面投影型テレビの2つのスピーカーで、ドルビ・ディジタル音響効果から、ドルビ・ディジタルのサラウンド音響効果をシミュレーションする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一の目的は、2つのスピーカーで、サラウンド音響効果をシミュレーションすることができる音声出力装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、2つのスピーカーを備え、サラウンド音響効果をシミュレーションすることができる背面投影型テレビを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するために、本発明の音声出力装置は、第1のディジタル信号を生成するディジタル信号生成装置、前記ディジタル信号生成装置に接続し、前記第1のディジタル信号を受け、選択信号を生成するデマルチプレクサー、前記デマルチプレクサーに接続し、前記選択信号を第1の処理信号に変換し、当該第1の処理信号を演算し、第2の処理信号に変換するドルビデコーダ、前記ドルビデコーダに接続し、前記第2の処理信号を受け、変調信号を生成するパルス幅変調器(Pulse Width Modulation, PWM)、及び前記パルス幅変調器に接続し、前記変調信号を音声信号に変換する出力装置を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の音声出力装置は、ドルビデコーダによりディジタル信号を演算し処理信号に変換し、また、音声信号を生成する。これによって、テレビの2チャンネルのスピーカーで、ドルビ・ディジタルのサラウンド音響効果をシミュレーションすることができる。よって、家電の音響効果が向上され、従来の5つのスピーカーの構成に必要とされる空間及びコストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、添付した図面を参照しながら、本発明の音声出力装置の実施形態を説明する。
【0011】
図2は、本発明の実施形態に係る音声出力装置20の構成例を示すブロック図である。音声出力装置20は、例えば、映像・音声を出力するビデオシステムに用いることができる。
【0012】
図2に示すように、音声出力装置20は、ディジタル信号生成装置22、デマルチプレクサー24、ドルビデコーダ(Dolby decoder)26、パルス幅変調器28、及び出力装置30を備えている。
【0013】
ディジタル信号生成装置22は、第1のディジタル信号23を生成する。
【0014】
デマルチプレクサー24は、ディジタル信号生成装置22に接続し、第1のディジタル信号23を受け、選択信号25を生成する。
【0015】
ドルビデコーダ26は、デマルチプレクサー24に接続し、選択信号25を受け、第1の処理信号(図示されていない)に変換し、当該第1の処理信号を演算し、第2の処理信号29に変換する。
【0016】
一例として、ドルビデコーダ26における第1の処理信号は、6チャンネルの出力信号を含み、該6チャンネルの出力信号は、ドルビ・バーチャル・スピーカーが出力する6チャンネルの信号である。
【0017】
さらに、一例として、ドルビデコーダ26における第2の処理信号29は、1チャンネルの音声シミュレーション信号を含み、該1チャンネルの音声シミュレーション信号は、第1の処理信号に対して演算を行い音声シミュレーション信号に変換して得られるものである。
【0018】
パルス幅変調器28は、ドルビデコーダ26に接続し、第2の処理信号29を受け、変調信号31を生成する。
【0019】
出力装置30は、パルス幅変調器28に接続し、変調信号31を音声信号に変換する。
【0020】
図3は、音声出力装置20における出力装置30の構成例を示すブロック図である。
【0021】
図3に示すように、出力装置30は、増幅器32、及び一組のスピーカー34を備えている。
【0022】
増幅器32は、変調信号31を増幅し、増幅された信号35を出力する。
【0023】
一組のスピーカー34は、増幅器32に接続し、増幅された信号35を音声信号33に変換する。
【0024】
一例として、一組のスピーカー34は、2つのスピーカーを含み、増幅器32は、
変調信号31を増幅し、信号35を出力し、スピーカー組34の2つのスピーカーは、信号35を音声信号33に変換して出力する。
【0025】
これにより、2チャンネルのスピーカーにより、5チャンネルのスピーカーにより発生されるサラウンド音響効果が得られる。
【0026】
例えば、音声出力装置20は、背面投影型テレビである。
【0027】
ディジタル信号生成装置22は、次のように第1のディジタル信号23を生成する。
【0028】
図4は、一実施形態としてディジタル信号生成装置40の構成例を示すブロック図である。
【0029】
ディジタル信号生成装置40は、ビデオ・インターフェイス42、スイッチ44、及びアナログ/ディジタル変換器(ADC)46を備えている。
【0030】
ビデオ・インターフェイス42は、ビデオ信号41を受け、スイッチ44に入力する。
【0031】
スイッチ44は、ビデオ・インターフェイス42に接続し、ビデオ信号41をスイッチ信号43に変換する。
【0032】
ADC46は、スイッチ44に接続し、スイッチ信号43を第1のディジタル信号23に変換する。
【0033】
図5は、一実施形態としてディジタル信号生成装置50の構成例を示すブロック図である。
【0034】
ディジタル信号生成装置50は、ディジタル・チューナ(digital tuner)・インターフェイス52、及びアナログ/ディジタル変換器(ADC)54を備えている。
【0035】
ディジタル・チューナ・インターフェイス52は、ビデオ信号51を受け、ADC54に入力する。
【0036】
ADC54は、ディジタル・チューナ・インターフェイス52に接続し、ビデオ信号を前記第1のディジタル信号23に変換する。
【0037】
例えば、ビデオ信号51は、アナログ信号である。
【0038】
図6は、一実施形態としてディジタル信号生成装置60の構成例を示すブロック図である。
【0039】
ディジタル信号生成装置60は、ディジタル・チューナ・インターフェイス62、ディジタル音響出力インターフェイス(例えば、Sony/Philips Digital Interface, S/PDIF)64、及びトランシーバー66を備えている。
【0040】
ディジタル・チューナ・インターフェイス62は、ビデオ信号61を受け、ディジタル音響出力インターフェイス64に入力する。
【0041】
ディジタル音響出力インターフェイス64は、ディジタル・チューナ・インターフェイス62に接続し、ビデオ信号61を受け、第1のビデオ信号63に変換する。
【0042】
トランシーバー66は、ディジタル音響出力インターフェイス64に接続し、第1のビデオ信号63を第1のディジタル信号23に変換する。
【0043】
例えば、ビデオ信号61は、ディジタル信号である。
【0044】
図7は、一実施形態としてディジタル信号生成装置70の構成例を示すブロック図である。
【0045】
ディジタル信号生成装置70は、ファイバー同軸インターフェイス72、及びトランシーバー74を備えている。
【0046】
ファイバー同軸インターフェイス72は、ビデオ信号71を受け、トランシーバー74に入力する。
【0047】
トランシーバー74は、ファイバー同軸インターフェイス72に接続し、ビデオ信号71を第1のディジタル信号23に変換する。
【0048】
従来、2つのスピーカーは2チャンネルの音場しか出力できず、サラウンド音響効果は、5つのスピーカーでしか得られなかったが、本発明の音声出力装置により、2つのスピーカーにより、サラウンド音響効果をシミュレーションすることができる。
【0049】
本発明は、ドルビ・バーチャル・スピーカー技術をディジタル家電に応用して、ドルビ・ディジタル符号化された音声信号は、ディジタル信号処理がなされ、これにより、ドルビ・ディジタル音響効果はテレビにおける2つのスピーカーでシミュレーションされ得るようになる。
【0050】
本発明は、例えば、背面投影型テレビや、プラズマテレビ、及び液晶テレビなどの映像表示装置に応用できる。
【0051】
本発明により、家電の音響効果が向上される。また、テレビが占めるスペースを減少することができ、従来の5つのスピーカーによる高いコストを削減でき、商業上の効果が大きい。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来のサラウンド音響を発生する音声装置の概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る音声出力装置20の構成例を示すブロック図である。
【図3】音声出力装置20における出力装置30の構成例を示すブロック図である。
【図4】ディジタル信号生成装置の一構成例を示すブロック図である。
【図5】ディジタル信号生成装置の他の一構成例を示すブロック図である。
【図6】ディジタル信号生成装置の他の一構成例を示すブロック図である。
【図7】ディジタル信号生成装置の他の一構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
20 音声出力装置20
22、40、50、60、70 ディジタル信号生成装置
23 第1の処理信号
24 デマルチプレクサー
26 ドルビデコーダ(Dolby decoder)
28 パルス幅変調器
29 第2の処理信号
30 出力装置
31 変調信号
32 増幅器
34 一組のスピーカー
41、51、61、71 ビデオ信号
42 ビデオ・インターフェイス
43 スイッチ信号
44 スイッチ
46 アナログ/ディジタル変換器(ADC)46
52、62 ディジタル・チューナ・インターフェイス
63 第1のビデオ信号
64 ディジタル音響出力インターフェイス
66、74 トランシーバー
72 ファイバー同軸インターフェイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のディジタル信号を生成するディジタル信号生成装置と、
前記ディジタル信号生成装置に接続し、前記第1のディジタル信号を受け、選択信号を生成するデマルチプレクサーと、
前記デマルチプレクサーに接続し、前記選択信号を第1の処理信号に変換し、当該第1の処理信号を演算し、第2の処理信号に変換するドルビデコーダと、
前記ドルビデコーダに接続し、前記第2の処理信号を受け、変調信号を生成するパルス幅変調器(Pulse Width Modulation, PWM)と、
前記パルス幅変調器に接続し、前記変調信号を音声信号に変換する出力装置と
を有する
音声出力装置。
【請求項2】
前記ドルビデコーダにおける前記第1の処理信号は、6チャンネルの出力信号を含む
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項3】
前記ドルビデコーダにおける前記第2の処理信号は、1チャンネルの音声シミュレーション信号を含む
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項4】
前記出力装置は、
前記変調信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器に接続し、前記増幅された信号を音声信号に変換する一組のスピーカーと
を有する
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項5】
前記一組のスピーカーは、2つのスピーカーを含む
請求項4に記載の音声出力装置。
【請求項6】
前記ディジタル信号生成装置は、
ビデオ信号が入力されるビデオ・インターフェイスと、
前記ビデオ・インターフェイスに接続し、前記ビデオ信号をスイッチ信号に変換するスイッチと、
前記スイッチに接続し、前記スイッチ信号を前記第1のディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と
を有する
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項7】
前記ディジタル信号生成装置は、
ビデオ信号が入力されるディジタル・チューナ・インターフェイスと、
前記ディジタル・チューナ・インターフェイスに接続し、前記ビデオ信号を前記第1のディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と
を有する
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項8】
前記ビデオ信号は、アナログ信号である
請求項7に記載の音声出力装置。
【請求項9】
前記ディジタル信号生成装置は、
ビデオ信号が入力されるディジタル・チューナ・インターフェイスと、
前記ディジタル・チューナ・インターフェイスに接続し、前記ビデオ信号を第1のビデオ信号に変換するディジタル音響出力インターフェイスと
前記ディジタル音響出力インターフェイスに接続し、前記第1のビデオ信号を前記第1のディジタル信号に変換するトランシーバーと
を有する
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項10】
前記ビデオ信号は、ディジタル信号である
請求項9に記載の音声出力装置。
【請求項11】
前記ディジタル信号生成装置は、
ビデオ信号が入力されるファイバー同軸インターフェイスと、
前記ファイバー同軸インターフェイスに接続し、前記ビデオ信号を前記第1のディジタル信号に変換するトランシーバーと
を有する
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項12】
前記音声出力装置は、背面投影型テレビである
請求項1に記載の音声出力装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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