音楽的に相互作用する化身のためのシステム
数ある中で、互いに音楽的に相互作用するためのシステム、方法および技術が提供されている。一つの代表的実施態様において、サーバーは、仮想環境のホスティングをし、各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信するが、こうした各クライアント装置は、仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成される。第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第一のユーザーを表す第一の化身の第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかが変更される。同様に、第二のクライアント装置は第二のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第二のユーザーを表す第二の化身の第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかが変更される。第一の化身は、第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性および第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性についての現在の設定に基づく音楽列を演奏する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許出願第61/103,205号(2008年10月6日出願)の利益を主張し、また米国特許出願第11/738,433号(2007年4月20日出願、第'433号出願とする)の一部継続出願であり、よってさらに米国特許仮出願第60/745,306号(2006年4月21日(第'306号出願)の利益を主張するものである。上述の出願を、参照することにより、本明細書にその全体が記載されているごとくに本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、それを通してユーザーがインターネットなどのネットワーク上で音楽的に相互作用する化身を用いて対話することができるシステム、方法および技術に関連する。
【背景技術】
【0003】
二次元(2-D)または三次元(3-D)仮想世界を提供する様々な異なるウェブサイトが存在する。一般に、それぞれ個別のユーザーは、ユーザーを表す化身を操作することにより、これらの仮想世界内で他者と相互作用する。一部の場合において、ユーザーは、本人を表す化身の一定の視覚的特性を選択して、それによって本人の化身の外観をある程度までカスタム化する能力を持つ。現時点で、いくつかの最も人気のある仮想世界サイトは、World of WarcraftTMおよびSecond LifeTMであるが、これは主に成人向けである。ところが、その他各種の仮想世界サイトも利用できる。あるものはティーンエイジャー向けで、その他には13歳未満向け、さらに他には(Club Penguinなど)それより年少の子供向けのものもある。非成人向けサイトの多くは、男子および女子を等しく引き付けることを狙いとするが、なかには主に男子向けのもの、また他にも主に女子向けのものもある。
【0004】
仮想世界内での相互作用が可能な従来的に利用可能なサイトでは、ユーザーに各種の組の機能および能力が提供されていることがよくある。例えば、ユーザーが他者との商行為に参加することが許容されているもの、教育的なコンテンツを提供するもの、テーマをベースにしたもの(例えば、音楽をテーマとしたFranktown Rocksや、車をテーマにしたMokitownやRevnjenz)およびユーザーが他者と共にゲームをすることができるものなどがある。ただし、特にユーザーに他者との間での斬新でユニークな方法で相互作用を許容するにあたっては、追加的な特徴が常に望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、例えば、それを通して化身が互いに音楽的に相互作用できるような斬新な特徴を含めて、仮想環境内に実施しうる追加的な様々な新機能を提供することにより、このニーズに対処する。
【0006】
こうして、発明の一実施態様は、サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、こうしたそれぞれのクライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して互いに相互作用し、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象としたものである。第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第一のユーザーを表す第一の化身の第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかが変更される。同様に、第二のクライアント装置は第二のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第二のユーザーを表す第二の化身の第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかが変更される。第一の化身は、第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性および第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性についての現在の設定に基づく音楽列を演奏する。
【0007】
別の実施態様は、サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、こうしたそれぞれのクライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して互いに相互作用し、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象としたものである。第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第一のユーザーを表す第一の化身の音楽スタイルを変更する。第二の化身との近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つに基づき、第一の化身は、第一の化身の音楽的スタイルおよび第二の化身の音楽スタイルの組み合わせであるフュージョン音楽スタイルでの音楽列を演奏する。
【0008】
なおさらなる発明の実施態様は、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象とする。サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、それぞれの前記クライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成されている。第一のクライアント装置はユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第一の化身の少なくとも1つの様相を変化させ、また第二のクライアント装置はユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第二の化身の少なくとも1つの形態を変化させる。第一の化身は、(1)第一の化身の視覚的特性および(2)第二の化身の視覚的特性に基づく音楽列を演奏する。
【0009】
なおさらなる実施態様は、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象とする。サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、こうしたそれぞれのクライアント装置は、仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成されている。第一のクライアント装置は、ユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第一の化身の少なくとも1つの形態を変化させる。第二のクライアント装置は、ユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第二の化身の少なくとも1つの形態を変化させる。第一の化身は第一の化身の視覚的特性に基づく音楽列を演奏し、また第二の化身は、第一の化身により演奏される音楽列に伴奏して、第二の音楽列を演奏するが、第二の音楽列は第二の化身の視覚的特性に基づく。
【0010】
上述の概要は、単に発明の一定の形態についての簡単な説明を提供することを意図するだけである。発明についてのより完全な理解は、請求項および以下の望ましい実施態様の詳細な説明を添付の図に関連させて参照することにより得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の開示において、発明は添付の図を参照しながら説明している。ただし、図面は単に本発明の一定の代表的および/または例示的な実施態様および特色を描写するものであり、また本発明の範囲をいかなるかたちでも制限することは意図していないことが理解されるべきである。下記は、それぞれの添付の図についての簡単な説明である。
【0012】
【図1】図1は、本発明の代表的実施態様によるシステムの主要コンポーネントを図示したブロック図である。
【0013】
【図2】図2は、代表的サーバーの一定の機能性を図示したものである。
【0014】
【図3】図3は、代表的クライアント装置の一定の機能性を図示したものである。
【0015】
【図4】図4は、本発明の代表的実施態様による、特定の視覚的特性に関連する視覚的属性の、対応する音楽的特性に関連する音楽的属性に対するマッピングを概念的に図示したものである。
【0016】
【図5A】図5Aは、本発明の代表的実施態様により、ユーザーが化身をデザインするための、グラフィカルユーザーインターフェースの各部を図示したものである。
【図5B】図5Bは、本発明の代表的実施態様により、ユーザーが化身をデザインするための、グラフィカルユーザーインターフェースの各部を図示したものである。
【0017】
【図6】図6は、指定した一定の視覚的特性について個別の属性を選択することによってデザインされた化身の例を図示したものである。
【0018】
【図7】図7は、本発明の代表的システム内のクライアント装置とサーバーとの間での一定の通信を図示したものである。
【0019】
【図8】図8は、本発明の代表的実施態様による第一の音楽的相互作用プロセスを図示した流れ図である。
【0020】
【図9】図9は、本発明の代表的実施態様による第二の音楽的相互作用プロセスを図示した流れ図である。
【0021】
【図10】図10は、個別の化身が、本発明の代表的実施態様に従い音楽を生成するためのシステムのブロック図を図示したものである。
【0022】
【図11】図11は、本発明の代表的実施態様による現在の音楽演奏スタイルの構造を示すブロック図を図示したものである。
【0023】
【図12】図12は、本発明の代表的実施態様により、音楽スタイル特性が即時の相互作用によって時間経過と共にどのように変化しうるかの一例を示すタイムラインを図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、各セクションに分けられる。第一のセクションは、本発明の望ましい実施態様による一定のシステムコンポーネントを記述する。第二のセクションは、仮想環境内での音楽的相互作用に関連する一定の例示的な技術を記述する。その後の各セクションは、その見出しで示すようにその他の情報を提供する。
システム構成要素
【0025】
図1は、本発明の代表的実施態様によるシステムの主要コンポーネント10を図示したブロック図である。図示したとおり、中央のサーバー20は、一つ以上の有線ネットワーク30および/または無線ネットワーク32を通して、様々な異なるクライアント装置(例えば、クライアント装置25〜28)と通信する。
【0026】
図示した実施態様において、サーバー20は、単一の装置として示されている。ところが、代替的な実施態様において、サーバー20は、例えば、単一の論理ユニットとして集合的に機能し、および/またはこうした個別のサーバー装置の少なくともいくつかが地理的に分散されている多数の個別のサーバー装置を備える。一定の実施態様において、複数の同一または類似したサーバーが、一つ以上の負荷バランサーと共に使用される。
【0027】
クライアント装置25〜28には、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ、小型の手持ち式携帯装置(無線電話やPDAなど)、ゲーム用コンソールや装置、および/またはディスプレイを含み、支援ネットワークと接続する能力のあるその他任意の装置が含まれうる。図1にクライアント装置25〜28が4つだけ図示されているが、この描画は単に例示的なもので、一般には常時、これより多くのクライアント装置が、例えば、数百、数千またはさらに多くのクライアント装置25〜28が、サーバー20に接続されることが理解されるべきである。
【0028】
通常、ネットワーク30には、サーバー20と通信するクライアント装置25〜28を通した主な手段として、インターネットが含まれる。ところが、代替的な実施態様において、通信は完全にまたは主にローカルエリアネットワーク(有線または無線)、ワイドエリアネットワーク、またはその他任意の個別のネットワークまたは相互接続されたネットワークの集合を介して発生する。現在の実施態様において、無線基地局(例えば、携帯電話ベースの無線システム用)またはアクセスポイント(例えば、任意の802.11x標準を使用した通信用)34は、各種の無線装置(無線装置25および26など)を有線ネットワーク30(例えば、インターネット)に接続し、それによってそれらが無線ネットワーク32を経由してサーバー20と通信できるようにしている。
【0029】
図2は、本発明の代表的実施態様におけるシステム10内のサーバー20およびそれによって実施される一定の機能性を図示したものである。こうした一つの機能51は、その中でユーザーがそれぞれ各自のクライアント装置25〜28を通して互いに相互作用することができる仮想環境を維持・提供することである。
【0030】
例えば、一つの実装において、仮想環境は仮想3-Dアイランドで、各ユーザーは、アイランドの周辺でそれぞれの化身を移動させることができ、その過程で他のユーザーを表す化身に遭遇する。こうしたケースにおいて、サーバー20は、位相幾何学、背景の動物や植物、人工の構造(建物、道、通路および橋等の)および周辺環境(例えば、海)などに関してアイランド(またはその他の仮想環境)のモデルを維持する。次に、サーバー20は、このモデルの各部分を、特定のクライアント装置によって操作されている化身の位置、並びに化身が面している、および/または見ている方向に基づきクライアント装置25〜28に表現する。
【0031】
化身のうち少なくともいくつかは、例えば、他の化身にとっては招待によってのみアクセス可能な、個人的な(またはホーム)スペースが提供されていることが望ましい。このホームスペースは、実際の家(ホーム)として構成され、希望に応じてユーザーが装飾することができる(例えば、本人の化身を通して)ことが望ましい。例えば、絵を壁にかけることができるが、例えば、仮想環境にアップロードした画像、仮想環境内で撮影した写真(下記に説明)、および/または仮想環境内でゲームをする過程で獲得したポイントで購入した画像やアートワークなどが利用できる。同様に、ユーザーのホームスペースには、例えば、アップロードしたか、または仮想環境内で獲得したポイントで購入したアルバムや曲などの音楽コレクションを含めることができる。
【0032】
仮想環境内で獲得したポイントは、仮想環境内で使用するためのその他の品目の購入、および/または実際の品目の購入に使用することもできることが望ましいことが注目される。一定の実施態様において、ポイントは、現物の品目を獲得するために引き換えることができ、また同時に、化身には同一の(または対応する)品目が仮想環境内で提供される。
【0033】
一定の実施態様において、仮想環境には、主要環境(上記のアイランドなどで、個人的なスペースと公共のスペースがある)および化身が主要環境から入っていくこともできる一つ以上のサブワールドまたはサブレベルの両方が含まれる。こうしたサブワールドまたはサブレベルは、主要環境内のポータルからアクセスし、および特定のゲームまたはコンテストのプレーなど個人別のテーマのある体験が提供されることが望ましい。例えば、こうしたサブワールドまたはサブレベルは、主要環境内にある建物内部に含まれているものとして表すことができ、および/またはそれらと主要環境との間に一つ以上のポータルのある開かれた環境として表すことができる。
【0034】
現在の発明の実施態様においてサーバー20の別の機能53は、音楽ライブラリの維持とそれへのアクセスである。概して、この音楽ライブラリ(下記にさらに詳しく考察する)は、事前に定義した一定の音楽的な配列、セグメントおよび構成のための貯蔵庫であり、それを用いて化身は互いに相互作用することができる。
【0035】
現在の実施態様におけるサーバー20のなおさらなる機能55は、様々なユーザー(またはプレーヤー)および/またはそれらのそれぞれの化身に関連する情報のデータベースの維持(これについても下記にさらに詳しく考察する)。例えば、こうしたデータベースは、それぞれのプレーヤーにより作成された個別の化身に関連する視覚的および/または音楽的特性を格納することが望ましい。
【0036】
図3は、本発明の代表的実施態様による、システム10内の代表的クライアント装置25およびそれにより実行される一定の機能性を図示したものである。単に言及を簡単にするために、単一のクライアント装置を本明細書では一般にクライアント装置25として言及し、複数のクライアント装置は本明細書では一般にクライアント装置25〜28として言及することが注記される。ところが、こうした言及が、関与しうる特定種類または特定数のクライアント装置について何らかを暗示することは意図していない。
【0037】
クライアント装置25の一つの好ましい機能71は、サーバー20により提供された仮想環境内でプレーヤーを表す化身の作成、カスタム化およびデザインのためのユーザーインターフェースの提供である。望ましい実施態様において、下記により詳しく考察するとおり、それぞれ個別のユーザーは、本人の化身の様々な異なる視覚的特性のそれぞれを、例えば、身体のタイプ、色、目および羽の外観などを含めて変更する能力を持つ。また下記により詳しく考察するとおり、これらの視覚的特性のうち少なくともいくつかは、化身が互いに音楽的に相互作用する方法に関連して、対応する音楽的特性に影響を及ぼすことが望ましい。例えば、対応する音楽的特性に影響を及ぼす複数のユーザーカスタム化可能な化身の視覚特性からなる組と、影響を及ぼさない複数のユーザーカスタム化可能な化身の視覚特性からなる別の組が存在しうる。
【0038】
一定の実施態様において、ユーザーは、その化身の非視覚的特性を直接的に変更する能力も持つ。例えば、一定の発明の実施態様において、ユーザーは、本人の化身に一定の個性、特性またはスタイルコードを、任意の視覚的特性と独立して割り当てることができる。こうした個性またはスタイルコードが、例えば、特定の性格特性についての強度または強度の値として指定することができ、および/またはユーザーの化身が所定の音楽列を演奏する方法(例えば、より荒々しいスタイルまたはよりゆったりとしたスタイルを反映)および/または化身の外観がどうであるか(姿勢など)またはどのようにタスクを遂行するか(歩き方および/または踊り方など)についてのその他の側面に影響を及ぼしうる。こうした個性またはスタイルコードが使用される場合、いったん定義すれば、その後でユーザーによりおよび/またはその後のイベント(例えば、下記に説明するとおり)により変更されない限り、一定のままであることが望ましい。また一定の実施態様では、ユーザーが現在のセッションについてのみ有効なムードコードを定義することができるが、そうでなくても、音楽が演奏される方法、その他の行為が化身によってどのように実行されるか、および/または化身がどのように描写されるかについて類似した効果をもつことができる。この点に関して、特定の化身の全体的なスタイルは、個性コード(これは、ある期間に全体でより一定であることが望ましい)およびムードコード(これは、時間経過に伴い変化し、それによって、ユーザーが本人の現在のムードを反映させることができるようにすることが望ましい)の組み合わせとしうる。
【0039】
さらに、望ましい実施態様において、各ユーザーは、本人の化身に帰属することになるテーマ音楽を選択または作成することができる。この点について、各ユーザーは、本人の化身用に事前に指定した楽曲の一節の組の一つを選択する能力を持つことが望ましい。別の方法として、またはその代わりに、ユーザーが希望する場合には、本人が本人の化身用にカスタムの楽曲の一節を、例えば、対応する音符に割り当てられた個別の英数字キーを用いて希望の音符を演奏するために本人のクライアント装置25のキーボードまたはキーパッドを使用して、および/または希望する任意のミキシング、ルーピングおよび/または編集を実行することにより、デザインすることができるようにすることが望ましい。任意のイベントにおいて、選択または作成したテーマ音楽は、ユーザーが(例えば、クライアント装置25のキーボードまたはキーパッドの指定したキーをたたくことにより)命令したときにはいつでも、または一定の実施態様において、および/またはユーザーが指定した場合には、指定したイベントの発生時に(例えば、別の化身のテーマ音楽に応答して)自動的に、化身によって演奏されることが望ましい。
【0040】
最後に、一定の発明の実施態様において、どんな関係が化身によって形成されるかを示すコードを化身に割り当てることができる。こうしたコードは、ユーザーによって直接選択されるか、ユーザーにより提供されたその他の(例えば、個性)コードに基づきサーバー20によって割り当てられるか、サーバー20によって無作為に割り当てられるか、または上記の要因の任意の組み合わせによるものとしうる。異なる化身について割り当てられた個性に基づき形成される各種の関係をサーバー20が割り当てるような実施態様において、この目的で、例えば、従来的な任意の仲介アルゴリズムまたはそれを修正したものをサーバー20で使用することができる。
【0041】
現在の実施態様におけるクライアント装置25の別の機能73は、ユーザーの化身用のアニメーションコントロールである。さらに具体的に言えば、クライアント装置25は、サーバー20により提供されている仮想環境内での本人の化身の動きをユーザーがコントロールするようにすることが望ましい。こうした動きには、ゼスチャーや表現(例えば、化身の腕や目での)だけでなく、仮想環境内のある場所から別の場所への化身の動きも含まれうることが望ましい。さらに、アニメーションコントロール73には、(例えば、下記により詳しく考察するとおり)ユーザーの化身から発せられる言語的および/または非言語的な伝達に対するコントロールも含まれうる。
【0042】
現在の実施態様において、クライアント装置25のなおさらなる機能75は音楽的コントロールである。この点について、一定の発明の実施態様において、特定の化身により演奏される(またはそれに帰属する)は、部分的に自動化(例えば、化身の外観または視覚的特性に基き、また、一部のケースで、他の化身の視覚的特性に基づき)され、また部分的にユーザーの管理下(ユーザーのクライアント装置25のユーザーインターフェースを通じて)にある。下記に考察した一定の具体的な実施態様において、ユーザーは、リアルタイムで、および/または事前に、本人のクライアント装置25のインターフェースを通じて、本人の化身によって演奏される音楽に影響を及ぼすことができる。同様に、一定の実施態様において、ユーザーは、本人のクライアント装置25のインターフェースを通じて、代わりのまたは追加的な音楽を、リアルタイムで供給することができる。
【0043】
クライアント装置25〜28のうちの一つにより実行される本明細書で説明した任意の機能性は、例えば、クライアント装置自体上の特化したクライアントソフトウェア(例えば、サーバー20からダウンロードしたもの)を使用して、またはサーバー上に常駐し、クライアント装置25上の汎用インターフェースソフトウェア(インターネットブラウザなど)を介してアクセスするソフトウェアを使用して実施することができることが注目される。機能性の望ましい割当は、個別のクライアント装置25〜28の予想される処理力、ネットワーク待ち時間およびその他のエンジニアリング上の考慮事項に依存する。
【0044】
より一般的には、代替的な実施態様において、特定の機能性および/またはデータストレージは、上記の説明とは異なり、サーバー20と個別のクライアント装置25〜28の間に割り当てられることに注意すべきである。例えば、代替的な一つの実施態様において、各クライアント装置25は、それ自身の化身に関連するカスタム化した全ての情報をローカルで保存する。この場合でも、機能性およびデータストレージの実際の割当は、実際上のおよびエンジニアリング上の考慮事項に依存することが望ましい。
【0045】
望ましい実施態様において、ユーザーがまずサーバー20により提供される仮想環境への参加を希望するとき、本人は、本人のクライアント装置25に特殊目的のプレーヤーをサーバー20からダウンロードさせる。プレーヤーのダウンロード中、および/またはインストール中、ユーザーは、本人の化身を選択・カスタマイズする能力を持つことが望ましい。例えば、ユーザーは、本人の化身の名前を選択し、化身の外観をデザインし、且つ(上述のとおり)化身用のテーマ音楽ピースを選択または作成することができることが望ましい。さらには、化身の異なる視覚的特性は異なる音楽的特性に対応し、特定の視覚的特性についての属性の選択も、対応する音楽的特性について対応する音楽的属性の選択に相当することが望ましい。
【0046】
この概念の一般的な例を図4に図示する。ここで、視覚的特性110は、4つの考えられる属性111〜114に関連付けられ、そこからユーザーは、一つ(例えば、属性112)を選択して本人の化身に適用することができる。例えば、視覚的特性110は身体の色であり、またこの視覚的特性110について考えられる4つの視覚的属性111〜114は、それぞれ白、黄色、赤および黒が考えられる。希望する視覚的属性を選択する前に、ユーザーには、この特定の視覚的特性110が音楽特性120に対応すること、および利用可能なそれぞれの色がこの音楽特性120についてそれぞれ異なる選択または属性121〜124に対応することが通知されるすることが望ましい。例えば、音楽特性120は、音声または音色の範囲で、属性121〜124はそれぞれソプラノ、アルト、テノールおよびバリトン/バスでもよい。したがって、図4に示す例において、視覚的属性で黄色112を選択すると、結果的にアルトの音声122を選択することになる。
【0047】
望ましい実施態様において、ユーザーは、対応する利用可能な組の属性から、本人の化身の様々な異なる視覚的特性について属性を選択することができる。この目的での例示的なユーザーインターフェースの一部は、図5Aおよび5Bに図示している。具体的には、図5Aに示すユーザーインターフェースの第一の部分140において、ユーザーには、身体のタイプについて3つの選択肢141〜143、くちばしのデザインについて3つの選択肢144〜146、および羽毛のデザインについて3つの選択肢147〜149が提示される。現在の実施態様において、これらの選択肢のそれぞれは、他とは独立したものとしうる。さらに、図5Bで図示したユーザーインターフェースの第二の部分150において、ユーザーには、化身の目を描写する方法について1〜3組の選択肢が提示される。この実施態様でユーザーに提示される特定のセットは、以下のとおり、ユーザーが身体のデザインについてどの選択をしたかに依存し、すなわち、ユーザーが身体のデザイン141を選択したばあいには、ユーザーには、目151〜153が提示され、どれか一つの対を選択することができ、ユーザーが身体のデザイン 142を選択した場合には、ユーザーには、目154〜156が提示され、どれか一つの対を選択することができ、またユーザーが身体のデザイン143を選択した場合には、ユーザーには、目157〜159が提示され、および一つの対を選択できる。上述のとおり、ユーザーはまた(またはその代わりに)身体の色など、一つ以上の他の視覚的特性を選択することもできる。より一般的に、上記の例は単に例示的なものであり、他の実施態様においては、ユーザーは、本明細書で特に考察した任意の視覚的特性の代わりに、またはそれに加えてその他任意の視覚的特性を指定することができることに注意すべきである。
【0048】
上記の例で示したとおり、特定の視覚的特性について利用可能な属性の組は、(1)別の視覚的特性について行った選択に依存する場合と、(2)そうしたその他の選択に依存しない場合のいずれかがある。例えば、図5Aにおいて、考えられる目の組(151〜153の組、前記154〜156または157〜159の組)は、選択した身体のスタイル(それぞれ、身体のスタイル141〜143)に依存し、すなわち、異なる身体のスタイルを選択することで、結果として利用可能な目の完全に異なる組がユーザーに提示されることになる。一方、くちばしの組144〜146および羽の組147〜149は、どの身体のタイプが選択されているかにかかわらず同じである。
【0049】
図6は、ユーザーインターフェース140および150によってデザインした完成した化身175の例を図示したものである。具体的には、化身175のデザインにあたり、ユーザーは、身体のタイプ143、くちばし 146、羽149および目158(身体タイプの選択143に基づき提示された目157〜159を含む組から)を選択した。
【0050】
ユーザーが本人の化身の外観をカスタム化できる従来的な他のサイトと異なり、ユーザーにより選択される視覚的属性のうち少なくともいくつかは、結果的な化身が他の化身と音楽的に相互作用する方法、および/または別の化身と相互作用していないとき(例えば、単独でいるとき)に音楽を演奏する方法に影響を及ぼすことが望ましい。個別の視覚的属性と対応する音楽的属性との間の対応は、(例えば、ユーザーが本人の化身の外観をデザインする時点で)グラフィカルユーザーインターフェースによりユーザーに知らされることが望ましい。
さらには、それぞれの視覚的特性は、音楽特性に対応することが望ましく、例えば、身体のタイプ、色、羽のタイプ、目およびくちばしがそれぞれ、音楽のスタイル/感覚(例えば、ジャズ、チャチャチャまたはコンガ)、音声/トーン(例えば、ソプラノ、アルト、テノール、バリトンまたはバス)、楽器タイプ(例えば、ホーン、弦楽器または打楽器)、および/または上記のいずれかの任意のサブカテゴリー(例えば、ニューオリンズジャズまたはシカゴジャズ)に対応していることが望ましい。
【0051】
上述のとおり、視覚的特性およびそれらの組の属性は、一対一で音楽的特性および属性にそれぞれ対応することが望ましい。したがって、一つの視覚的特性について利用可能となっている属性の組が異なる視覚的特性について行った選択に依存するという少なくとも一つの理由は、一つの視覚的特性について利用可能となっている属性の組が異なる視覚的特性について行った選択に依存するという属性に応じて、異なる音楽特性についてそれまでに選択されている属性に応じて異なる音楽属性が利用できるということが考えられる。システム10のデザイナーが、視覚的属性と音楽的属性との間に一対一対応をもたせることを希望する場合には、それ以前の選択が、後の選択で利用可能な属性の組に影響を及ぼすことが望ましい(例えば、ユーザーが楽器クラス「ホーン」に対応する属性を選択した場合には、特定の楽器の選択について利用可能な属性の組は、ユーザーが楽器クラス「弦楽器」を選択した場合とは異なる)。別の方法として、他の実施態様において、その他の特性についての選択と独立して、同じ組の視覚的属性が利用できるが、対応する音楽的属性という点でのその意味は、その他の特性について行った選択に応じて異なることがある(例えば、特定の目のスタイルは、楽器クラス「ホーン」がそれまでに選択されている場合には「トランペット」を表すが、楽器クラス「弦楽器」がそれまでに選択されている場合には同一の目のスタイルは「チェロ」を表す)。
【0052】
同様に、視覚的特性の組、およびそれに対応する音楽特性またはその他の特性は、化身のタイプなどユーザーによってなされた基本的な選択に応じて異なることがある。一例において、ユーザーはまず、動物の組から選択でき、次にカスタム化する視覚的特性は選択した動物に特定のもの(例えば、あるものは鳥についての視覚的特性の組、また別の組は犬について)から選択できる。ただし、こうしたケースにおいても、視覚的特性は共通の音楽的特性の組にマップすることが望ましい。
【0053】
任意のイベントにおいて、視覚的特性に関連してこうした選択がなされた後、対応する属性がまとめて組み立てられて、化身の全体的な視覚的表現が提供される。音楽的特性への影響に加えて、こうした視覚的選択の任意または全ても同様に(またはその代わりに)、歩き方および/または踊るスタイルなど、化身のその他の形態に影響を及ぼしうる。別の方法として、または加えて、ユーザーは、これらのその他の特性のうち任意または全てについての属性を、視覚的特性に関する選択とは独立して、直接選択する能力をもつことができる。
【0054】
この点について、本明細書で使用するとき、「視覚的特性」および「視覚的属性」という表現は、アクションベースの特性に対して、化身が移動していないときでさえも存在しかつ見える化身のなんらかの形態の外観のことを意味することが注目される。本発明の望ましい実施態様の一形態は、一つ以上の化身の視覚的特性を単にカスタム化することにより、本人の化身の一つ以上のアクションベースの特性(特に音楽的特性)をカスタム化する能力をユーザーに提供することである。
音楽的相互作用テクニック
【0055】
図7は、本発明の代表的実施態様による、クライアント装置25〜28およびサーバー20の間の一定の通信を図示したブロック図であり、化身間での音楽的相互作用に関する通信を特に強調している。図示したとおり、この実施態様において、サーバー20には、仮想環境を生成するモジュール190が含まれる。一般に、生成モジュール 190は、内蔵モデルに基づく仮想環境を生成するソフトウェアモジュールである。次に一般にその内蔵モデルが、少なくとも本質的部分において、システムのデザイナー10によって作成される。
【0056】
上記の例を踏まえて、モジュール190により生成される仮想環境は、主にアイランドとして構成される。化身が仮想環境内を移動すると、他のユーザーによって操作される他の化身に遭遇する。上述のとおり、仮想環境の各種の形態は、少なくとも当初は、サーバー20またはシステム10のデザイナーにより、生成されたものである。ところが、一定の実施態様において、ユーザーは、生成された仮想環境の初期設定をそのそれぞれの化身によって、例えば、そうした化身を使用して、新しい構造を作成したり、既存の構造を修正したり、樹木およびその他の植物を植えたり維持したり、既存のアイテムの場所を並べ替えたり、これに類似した方法によって、変更することができる。それに応答して、サーバー20は、それに従い保存された仮想環境のモデル51を変更する。
【0057】
現在の実施態様において、サーバー20には、システム10のユーザーおよび/またはそれらの化身に関連した情報を格納するためのデータベース192も含まれる。データベース192に格納された情報には、化身についての識別(ID)コードが含まれることが望ましく、そのため、これは、少なくとも部分的に上記で考察した化身の属性選択から構成されることが望ましい。言い換えれば、こうした全ての選択した属性は、ときには化身に関する他の情報と組み合わせて、集合的にシステム10に対して化身を識別すする。
【0058】
現在の実施態様において、上記のとおり、サーバー20により格納されているが、こうした化身IDコードは、代わりにユーザーのクライアント装置に単にローカルに格納することができる。いずれにしても、こうしたIDコードを、ジェネレータ190に供給して、そこで対応する化身を適切に表現・アニメーション化し、またそのための音楽およびその他の音声を提供することが望ましい。一定の実施態様において、これらの化身に関連した機能は、ユーザーによる(化身のIDコードに加えて)リアルタイム操作にも基づく。
【0059】
図示したとおり、図7に示す実施態様のサーバー20には、音楽的構成、配列および/またはセグメントを格納するためのデータベース195も含まれる。望ましい実施態様において、音楽はデータストア192内の特定のIDコードに関連して、および/またはこうしたIDコードの組み合わせに関連して、データベース195内に格納される。
【0060】
クライアント装置25〜28は、これらの様々なサーバー組み合わせ20と、直接的および間接的の両方で、多数の異なる方法で相互作用することができることが望ましい。例えば、上記に既に記載したとおり、各ユーザーは、ジェネレータ190により作成された仮想環境内で化身として表現されることが望ましい。ユーザーは、化身についての属性120を選択し、それによってデータベース192内の化身のIDコードに対応する変化を直接的にもたらすことにより、本人の化身の各種の特性を修正することができることが望ましい。本明細書で説明した化身の特性のほとんどは、化身の外観によって明らかになるが、一定の発明の実施態様において、データベース192には、視覚的には表現されない少なくともいくつかの化身の特性が格納される。
【0061】
現在の実施態様における個別のクライアント装置25〜28とサーバー20との間の通信のその他の主なカテゴリーは、ジェネレータ190により生成された仮想環境内でのクライアント装置25〜28の相互作用203(または、より具体的には、それらの対応する化身の相互作用)によって発生する。この点について、それぞれのクライアント装置25のユーザーインターフェースは、対応するユーザーが仮想環境全体内で本人の化身を移動させることができ、またその化身が他のユーザーの化身と相互作用することができることが望ましい。下記により詳しく考察するとおり、一定の発明の実施態様において、こうした相互作用203により、例えば:(1)結果的に、音楽ライブラリ195からの音楽的構成、配列および/またはセグメントを使用した演奏がなされるか(これは、さらには、相互作用する化身についての識別コードに基づくことが望ましい)、および/または(2)相互作用する化身についての識別コード192に影響を与えることができる。
【0062】
一定の実施態様において、相互作用203によって、結果的に、追加的な音楽的構成、配列および/またはセグメントが音楽ライブラリ195に保存されるようにできる。例えば、下記にさらに詳しく記載する一定の状況において、新しい音楽の作成および/またはユーザーにより提供された変形がライブラリ195に追加される。
【0063】
同様に、上記で考察したとおり、一定の実施態様において、相互作用203によって、ユーザー自身の化身への単なる修正を超えて、ジェネレータ190により生成された仮想環境を変化させることができる。例えば、Second Life?サイトと同様に、一定の実施態様では、ユーザー(例えば、それらの化身によって)が、構造物を作成または変更することができ、これがその後、仮想環境の一時的または永久的なパーツとなる。
【0064】
本発明の一形態は、仮想環境内の化身間での相互作用に基づく音楽列の自動生成である。こうした特色を取り入れた一定の実施態様を、ここで図8に示すプロセス230を参照しながら記述する。プロセス230のステップは、プロセス230全体が、コンピュータ読み取り可能媒体からコンピュータ実行可能なプロセスステップ(これには複数のコンピュータ読み取り可能媒体に分割されたこうしたプロセスステップも含まれうる)を実行することで、または本明細書に記載したその他任意の方法によって実行できるよう、完全に自動化された方法で実行されることが望ましい。通常、一定の実施態様において、こうしたステップのうち一つ以上は、相互作用する化身をコントロールしているクライアント装置25〜28により実行(全体またはその一部)されるが、プロセス230の全てのステップは、サーバー20により実行される。
【0065】
図示したとおり、プロセス230の開始点は、トリガーイベント231であることが望ましい。以下のステップでより詳しく考察するとおり、少なくとも一つの音楽列は、所定のトリガーイベント231に応答して開始されることが望ましい。トリガーイベント231は、対応するクライアント装置25のキーボードの特定のキーを押すなど、任意に定義されたイベントとしうる。ところが、他の実施態様において、トリガーイベント231は、2つの化身間の相互作用に関連したものである。例えば、代表的実施態様の一つの組では、トリガーイベントは、仮想環境内での2つの化身の近接度である(またはそれが含まれる)。こうした近接度は、最小空間的距離として指定したり、および/または視覚的近接度、すなわち、第一の化身が第二の化身を確認する能力に関連させることができる。特定の一実施態様において、少なくとも一つの潜在的なトリガーイベント231は、単に第一の化身が第二の化身を見ること、または第一および第二の化身の両方が互いに見ること(例えば、一方の化身が他方を見たとき、その頭が他の方向を向いていて、かつ仮想環境内で2つの化身の間に視覚的障害物がない)である。
【0066】
こうして、この後者の場合において、第一のユーザーは、(本人自身の化身の目によって)第二のユーザーの化身を見ることができ、また第二の化身が異なる方向を見ていることも観察することができる。この場合には、第二の化身が第一のユーザーの化身の方を向き、それによってトリガーイベント231が発生するように、第一のユーザーは、本人の化身に第二の化身に呼びかけさせるか、またその他の方法でその関心を引かせることができる。なおさらなる実施態様において、潜在的なトリガーイベント231には、互いに手を振って合図するか、またはそれ以外の方法で互いに信号をおくる2つの化身が関与する(すなわち、互いに見るだけ以上のことが関与する)。
【0067】
トリガーイベント231は、連接的および/または離接的な組の任意の条件またはイベントが含まれるように 、希望する任意の方法で定義できることが注目される。例えば、トリガー231は、互いに挨拶をする2つの化身として定義できるが、ここで「挨拶」という用語は、例えば、手を振る、「ハイ」または「ハロー」という、その他任意の所定の挨拶内容またはゼスチャーをする、または他方の化身に対して任意の言葉を何か話す(例えば、他の化身に十分に近い距離内で向かい合っている間、使用する音声ボリュームに比例して)などのうちいずれかを含むものとして定義される。最後に、トリガーイベント231は、単に音楽列または「ジャム」の演奏を希望する両方の化身からの表示としうる。言い換えれば、本発明による演奏の開始は、完全に手動(例えば、演奏を開始する特定の命令)、仮想環境内で指定した出来事に応答して自動的、またはその両方の組み合わせ(例えば、「開始」ボタンをクリックすることと、仮想環境内での指定した出来事との組み合わせ)としうる。いずれの場合も、プロセス230のステップは、有効なトリガーイベント231の発生によってのみ実行されることが望ましい。
【0068】
ステップ232において、音楽列が、第一の化身について選択される。図8に示すとおり、第一の音楽列の選択は、第一の化身についての一つ以上の(望ましくは、視覚的な)属性244、および/または第二の化身についての一つ以上の(これも、望ましくは、視覚的な)属性245に基づくものとしうる。一つの代表的実施態様によれば、このステップ232で選択した音楽列は、第一の化身について一つ以上の所定の特性および第二の化身について一つ以上の所定の特性を用いたテーブルルックアップに基づくものであり、例えば、音楽列は、対応する属性の考えられるそれぞれの組み合わせについて事前に格納されている。上述のとおり、こうした特性には、視覚的−音楽的な対が含まれることが望ましい。
【0069】
例えば、ユーザーが2つの異なる音楽的(または視覚的−音楽的な対)な特性についての属性を選択できる場合に、一方の特性(色など)が4つの潜在的な属性値を持ち、および他方の特性(身体のタイプなど)が3つの潜在的な属性値を持つ場合には、ユーザーの化身について合計で12の異なる組み合わせがある。他の化身のユーザーにも同じ選択肢が利用可能であると仮定すると、2つの化身間で、144の異なる組み合わせが存在し、これは両方の化身の特性が考慮される実施態様において、公称数144の異なる音楽列を格納でき、第一および第二の化身間での属性の組み合わせに基づき、適切な音楽列が選択されることを意味する。別の方法として、選択した音楽列が、第一の化身の属性にのみ基づく場合には、公称数12の異なる音楽列を格納しうる。一方、複数の属性の組み合わせが同じ音楽列をポイントする場合、あるいは下記により詳しく考察するとおり、音楽的特性のうち1つが事前に格納されたベースの音楽列への固定的リアルタイム変更として表現されている場合、より少ない音楽列が格納されうる。同様に、追加的な音楽列が格納されうる。例えば、属性の特定の組み合わせが一つ以上の音楽列にマップされている場合、そこで他の条件(例えば、時刻)、またはその他任意の根拠に基づき、マッチする音楽列の一つが無作為に選択される。
【0070】
少なくとも一定の音楽的特性に関して、一定の実施態様において、異なる属性によって、必ずしも結果的に異なる音楽列が格納されることにはならず、事前に格納されたベースの音楽列への固定的リアルタイム変更となることが注目される。例えば、ベースの音楽列は、一定の音楽的特性について選択された特定の属性に関するものに基づき、(例えば、楽器音、ピッチ、キーまたはオクターブの変化により)格納した後に変更できる。
【0071】
ステップ233において、ステップ232で選択した音楽列が、第一の化身により演奏される。つまり、音楽列は、第一の化身がそれを演奏しているように見えるような方法で演奏されるが、例えば、第一の化身に第一の音楽列(すなわち、視覚的合図を使用)に従い移動および/またはゼスチャーを自動的に実行させることにより、および/または音楽列を第一の化身(すなわち、音声の合図を使用)の「音声」(例えば、楽器)で演奏することによる。視覚的合図の場合、こうした移動および/またはゼスチャーは、対応する音楽列に関連して格納されることが望ましい。音声による合図の場合には、(例えば、化身の割り当てられた楽器用のシンセサイザーを用いて)音楽列は、適切な音声の合図と共に格納されるか、そうでなければ、標準形式で格納されるかで、その後適切な音声の合図に基づき変更される。
【0072】
下記により詳しく考察するとおり、ステップ232で選択した音楽列 の演奏は、
は、固定でなく、第一の化身の音楽的特性に基づき変化することが望ましく、また、第二の化身の音楽的特性にも基づくことがさらに望ましい。この点について、参加するそれぞれの化身は、対応する組のユーザーカスタム化可能な視覚特性を持ち、その一部または全部が化身が表すユーザーによって修正されていることが望ましい(その他は、潜在的にデフォルト値のまま残されている)。こうして、音楽列の選択(ステップ232)、および音楽列の演奏(ステップ233)の方法のどちらも、第一の化身のユーザーカスタム化可能な視覚特性(または、代替的に、ユーザーカスタム化可能な音楽特性)の組についての現在の設定に基づくことが望ましく、また第二の化身のユーザーカスタム化可能な視覚特性(または、代替的に、ユーザーカスタム化可能な音楽特性)の組についての現在の設定にも基づくことがさらに望ましい。望ましい実施態様において、第一の化身のユーザーカスタム化可能な音楽特性が主に影響を及ぼす。
【0073】
一定の実施態様において、第一の音楽列の演奏は、完全に自動化されるが、これはいったん選択されると完全に所定のものとなることを意味する。ところが、他の実施態様において、音楽の演奏は、ダイナミックにリアルタイムで変更される。こうした一定の実施態様に従い、こうした変更が影響する一つの方法は、本人のクライアント装置25のユーザーインターフェースを通して音楽の演奏に対してユーザーになんらかのコントロール247を許容することである。
【0074】
例えば、一定の実施態様において、クライアント装置25のユーザーインターフェースには、選択した音楽列演奏の一つ以上の形態を変更するためのコントロール、例えば、選択した音楽列が演奏されるテンポの変更(早くするか、または遅くする)、および/または演奏される実際のメロディ(すなわち、音符の組み合わせ)を変更するなどが提供されている。
【0075】
後者について、例えば、一定の実施態様において、(1)基本的な音楽列がライブラリ195内に全体的なコード構造範囲内で許容可能な変形と共に格納され、および(2)クライアント装置25のアルファニューメリックキーボードまたはキーパッドのキーが、こうしたメロディーの変形が発生するかどうか、およびどのように発生するかをコントロールする(例えば、一般には音符が高くなるか低くなるかであるが、現在の和音による特定の音符について、および/または個別の音符をどの程度長く保つかの制御に制約がある)。一定の実施態様において、ユーザーは、さらに(または代わりに)、クライアント装置25のアルファニューメリックキーボードまたはキーパッドのキー(そのそれぞれが特定の音符に対応している)を演奏することで、メロディを完全にコントロールできる。
【0076】
上記の実施態様は、クライアント装置25に装備されている標準ユーザーインターフェース(一般に、アルファニューメリックキーボードまたはキーパッド)の使用を強調した。代替的な実施態様において、ユーザーは、周辺装置を取り付け(例えば、USBなどの有線接続により、またはBluetoothなどの無線接続により)、そうした周辺装置を使用してメロディをコントロールすることができる。望ましい実施態様において、こうした周辺装置は、ユーザーの化身が演奏するかまたは複製している実際の楽器など、実際の楽器と類似するかまたは同一となるように構成される。例としては、ピアノの鍵盤の電子版、ギター、ドラム、トランペット、サクソホーン、フルートまたはバイオリンが含まれうる。こうした周辺装置は、音楽教育にとって特に有用であり、本発明で意図されている仮想環境内での相互作用が許容され、またその過程で異なる楽器および/または音楽理論について実際に学習できることが注目される。
【0077】
これらの理由から、通常の楽器相当物と比較して、周辺装置を変更することが望ましいことがよくある。例えば、本発明のピアノ鍵盤周辺装置に、どの音符が現在演奏中であるか、および/または現在の和音に従いどの音符の演奏が許容されるかを示す、発光するキーを搭載することができる。
【0078】
同様に、ギター周辺機器は、別な方法で実際のギターに似せたものであるが、弦の代わりにフレットに沿って、および/または通常の場合に弦がひかれる部分の本体に、発光するボタンを使用することができる。後者については、ときとして個別の音符のみが演奏される場合にはボタンが望ましく、また、かき鳴らすことが意図されている場合には弦または同等なセンサーが一般に望ましい。
【0079】
なおさらに、本発明の吹奏楽器周辺装置に、正しい吹奏技術を学習することなく子供が即座に音楽を演奏し始めることができるように、機械的リードの代わりに、空気流センサーを搭載することができる。こうした吹奏楽器周辺装置には、学習をより直感的なものにするための発光ボタンを搭載することもできる。
【0080】
上記に示したとおり、本発明は、いくつかの異なる動作モードを意図している。第一に、主に初心者向けであるが、ユーザーは、それぞれ個別の音符に対する完全なコントロールなしに演奏されている音楽に影響を及ぼすことができる。第二の段階において、ユーザーは、潜在的に発光ボタンのガイドによって、それぞれ個別の音符を(少なくとも、希望の時間の間)コントロールする。標準アルファニューメリックキーボードまたはキーパッドを使用することも考えられるが、これらの理由から、一定の実施態様において、ユーザーは、演奏される実際の楽器をより適切に表し、学習プロセスを促進する追加的な特徴(例えば、発光ボタン)が装備されている、周辺装置を入手して使用することが推奨される。
【0081】
ステップ235において、第二の音楽列は、第二の化身用に選択される。この選択に関連する考慮事項は、ステップ232に関連して上記で説明した第一の音楽列の選択と類似している。ここで、選択は、第二の化身の(望ましくは、視覚的な)属性に基づくか、または第一および第二の両方の化身の(これも、望ましくは、視覚的な)属性に基づくものとしうる。加えて、またはその代わりに、選択は、第一の音楽列(すなわち、ステップ232で選択した配列)に基づいてなしうる。概して、第二の音楽列は、第一の音楽列と同時進行的に演奏され、したがって第一の音楽列と関連しているべきであることが意図されるため、第二の音楽列は、このステップ235で、(1)第一の化身の一つ以上の属性または(2)選択された第一の音楽列のうち少なくとも一つに基づき、選択されることが望ましい。
【0082】
ステップ236において、第二の音楽列(ステップ235で選択)は、第二の化身により演奏される。この場合もそうであるが、また本明細書全体を通して、「〜によって演奏」は上述したものと同じ意味で使用される。第二の音楽列の少なくとも一部(例えば、全て、実質的に全てまたは少なくとも大半)は、第一の音楽列(例えば、それと伴奏して)と同時進行的に演奏される。第一の音楽列と同様、一定の発明の実施態様において、第二の音楽列も、例えば、第二の化身をコントロールするクライアント装置25に取り付けたユーザーインターフェースによりリアルタイムで、、コントロールされうる248(例えば、変更されうる)ことが望ましい。
【0083】
上記の考察と同様に、ステップ235で選択した音楽列の演奏(選択および演奏される方法の両方について)は、固定ではなく、第二の化身の音楽的特性に基づき変化することが望ましく(そのため、これは選択した視覚的特性に依存することが望ましい)、また、第一の化身のそれらにも基づくことがさらに望ましい。望ましい実施態様において、第二の化身のユーザーカスタム化可能な音楽特性が主な影響を及ぼす。
【0084】
両方の化身が互いに同時進行的に演奏する状況で、一方または両方のユーザーが、演奏中の音符または現在の和音を構成する音符を示す発光ボタンまたは別の表示インターフェースが搭載された上記に記載した別個の楽器周辺装置を使用している場合、こうしたユーザーは、本人自身の化身により演奏中のメロディ、または他の化身により演奏中のメロディのいずれかを反映するように、本人の楽器を切り替える能力をもつことが望ましい。ただし、各ユーザーは、多くても本人自身の化身により演奏されるメロディをコントロールする能力のみを持つことが望ましい。
【0085】
上記の考察において、また図8においても、ステップ235および236は、ステップ232および233の後に発生することを示す。ただし、そうではなく、ステップ235および236は、ステップ232および233の前に、またさらには同時進行的に発生しうることに注目すべきである。後者の場合に、両方の化身が音楽列を演奏する状況で、2つの音楽列により定義される全体的構成は、2つの化身の(望ましくは、視覚的な)属性(例えば、ユーザー選択の視覚的属性)の組み合わせに基づき選択されることが望ましい。例えば、構成は、2つの化身により表される楽器およびそれら2つのスタイルのフュージョンに基づき選択および/または演奏される。
【0086】
音楽的構成は、その全体を既存の音楽ライブラリ(例えば、ライブラリ195)から選択することも、ライブラリ195内の適切な音楽セグメントを使用して進行中に組み合わせることで選択することもできることが注目される。いずれの場合でも、音楽的構成全体または構成を形成する個別の音楽セグメントのどちらも、対応する識別コード値(または値の範囲)にそれら(例えば、作曲者によって割り当てられたもの)を関連付けしうる。したがって、一つの実施態様において、構成全体の選択には、一緒に演奏する全ての化身についての識別コードセットと一致する(または少なくとも十分に近接した)構成の検索が関与する。別の実施態様において、音楽セグメントの部分集合が同様な方法で選択され、個別のセグメントが構成に組み込まれる。
【0087】
後者については、個別の音楽セグメントを単一の構成に組み合わせることができる方法は、個別の音楽セグメントが構成された方法に依存することが望ましい。例えば、単純な和音の組を使用して構成したとき、異なる音楽セグメントを任意の(例えば、無作為な)順序で組み合わせることがよく考えられる。一実施態様において、それぞれの化身は、その8つの鍵盤を演奏し、一緒に順序どおりに演奏するとき、和音とメロディが構成される。別の実施態様において、8つの鍵盤が無作為にシャッフルされ、任意の順序で演奏でき、2つのこうしたシャッフルした配列が一緒に演奏されたとき、和音とメロディが構成されるが、これは、非常に単純な和音の組で音楽を構成することで達成することが望ましい。
【0088】
より複雑な実施態様において、ライブラリ195内の個別のセグメントは、他のどの音楽セグメントを一緒に演奏できるか、および他のどの音楽セグメントに従うことができるか(またはどれによって従われるか)を示すラベル付けがなされる。こうしたケースで、異なる化身によって演奏される各種のパートは、こうした規則に従い組み立てられ、新しいそれぞれの音楽的構成をユニークなものとするには、一定の量の無作為抽出を使用することが望ましい。
【0089】
代替的な実施態様において、音楽的構成の選択は、参加する化身の合計よりも少ないため、データベース192内の識別コードに基づく。例えば、一部のケースで、選択は、唯一のこうした化身についてはデータベース192内の識別コードに基づき、また他のケースでは、選択は、こうした任意の識別コードとは独立したものである。下記により詳しく考察するとおり、一定の実施態様において、化身の演奏スタイルは、演奏される音楽的構成に基づき、また一緒に演奏する他の化身のデータベース192内の識別コードに基づき修正される。
【0090】
現在部分がステップ233および/または236で演奏されているときに構成の将来的な部分を提供するために、ステップ232および/または235を実行し続けることができる(すなわち、複数プロセッサの使用またはマルチスレッド環境の使用のいずれかにより、両方のステップが同時進行的に演奏されるように)ことが注目される。このアプローチの一つの利点は、これによって、例えば、構成の演奏中に新しい化身が参入したときなど、新しい状況に基づき、構成の適応ができることである。
【0091】
参加する化身は、単一の曲を多数の異なる任意の方法で協同的に演奏できる。例えば、化身全員が調和してまたは別の方法で同時進行的に演奏することができる。別の方法として、ある化身が「Happy...」と歌い、別の化身が「...Birthday...」と歌い、第三の化身が「...To...」、第四の化身が「...You...」と歌うといった具合に、化身は順次に演奏することができる。なおさらに、複数の化身が単一の曲を演奏するときに、これらの演奏パターンの任意の組み合わせを組み込むことができる。化身は、楽器をシミュレートして、および/または例えば、人の声でまたは漫画的な人のような声で実際に歌うことにより、音楽を演奏できることが注目される。
【0092】
上記の考察は、一般に、2つの相互作用する化身に対応する2つの音楽列が呼応して演奏する例が意図されている。ところが、一定の実施態様においてまたは一定の状況において、例えば、ステップ235および236が省略されるように、単一の化身だけが、特定の相互作用に応答して音楽列を演奏する。
【0093】
同様に、上記の配列では、2つの化身の間の相互作用が意図されているが、一定の実施態様において、および/または特定の実施態様内での一定の状況において、3つ以上の化身が互いに相互作用し、それに応答して、例えば、3つ以上の対応する化身により3つ以上の音楽列が演奏されるように(例えば、同時進行的にまたは多様に同時進行的および順次的に)、音楽的構成を一緒に同時進行的に演奏する。こうした一つの例において、2つの化身が、互いに出会い、演奏し、第三の化身がそのグループの加わった後、第三の化身が全体的音楽構成の第三のパートを演奏することにより加わる。
【0094】
上記の考察は、主に、それによって化身が自動的に単独または互いにのどちらかで、トリガーイベント231に応答して演奏するようにしうる各種の技術に関する。こうした自動演奏は、データベース192内に格納された参加する化身のIDコードに応答してアクセスされた事前に保存された音楽列に基づくことが望ましい。さらに、ステップ238において、演奏の変更は、時間経過に伴い発生することが望ましい。上記に既に記載したとおり、こうした変更が発生しうる一つの方法は、個別のユーザーが、例えば、その対応するクライアント装置25〜28のユーザーインターフェースを操作することにより、その対応する化身によって演奏される音楽列に対していくらかのコントロールをもつことである。一般に演奏中の音楽への自動修正が関与する他の技術については、例えば、図9〜12を参照しながら、下記に記述する。
【0095】
ステップ239において、任意の追加的なユーザー提供の音楽列が全体的なパフォーマンスに追加される。上記で既に考察したとおり、一定の実施態様において、ユーザーは、その対応する化身のそうでなければ完全に自動化された演奏に対して、なんらかのコントロールを持つ。さらに、一定の実施態様において、ユーザーは、また(またはその代わりに)、例えば、それらのクライアント装置25〜28に取り付けられたユーザーインターフェースを通じて、こうした新しい音楽列(それらの化身の演奏を変更するために上記で説明した方法と類似した、任意に、または指定された制約内でのいずれかで)を作成することにより、全く新しい音楽列を全体的な演奏に追加することができる。こうして、例えば、2つの化身が一緒に演奏すると、2つの対応するユーザーのそれぞれが、本人自身の音楽パートを提供することがあり、結果的に最高4つのパートを持つ構成となる。
【0096】
上記の考察では、一つ以上の化身が音楽を演奏している間に、ユーザーがそれらの化身の演奏を変更し、および/または追加的な音楽パートを追加する能力について話題にしている。本発明の一定の実施態様の別の形態は、ユーザーが音楽をオフライン(すなわち、リアルタイムではなく)変更および/または作成することである。例えば、一部の実施態様において、ユーザーは、ユーザー自身の化身と関連した音楽列など、音楽列をダウンロードすることができる。次に、ユーザーは、例えば、上述の技術のいずれかを使用して、ダウンロードした音楽列を変更できる。ただし、こうした変更は、リアルタイムでは発生しないため、ユーザーは、音楽列を遅くし、任意の配列の異なる部分を編集し、潜在的に音楽列の楽譜を表示し、様々な異なる任意の方法で編集し(例えば、周辺機器楽器を使用、または楽譜内の音符を変更するなど)、および/または同じ部分の異なる改訂/版を試すなどの能力を持つことが望ましい。
【0097】
類似した考慮事項が、ユーザーが全く新しい音楽列を作成できる実施態様に適用される。ただし、こうした新しい音楽列が演奏されることが意図されている状況においては、少なくとも一部の状況において、別の化身により演奏される音楽列とともに、新しい音楽列は、指定した和音テンプレート内に収まる必要があることが望ましい。この場合も、リアルタイムでか、またはオフラインでのいずれかで、新しい音楽列の生成のため、または既存の音楽列の変更のために、上記で考察した全ての技術を、この目的でも同様に使用することができる。
【0098】
ユーザーが本人の変更および/または新しい作成にいったん満足すると、一定の実施態様において、ユーザーは、新しい音楽列を本人の化身による将来的な演奏用に保存する能力を持つ。一方、一部の実施態様において、こうした新しい音楽列の保存は、少なくともなんらかの目的で、サーバー20により調節される。例えば、特に、データベース195内の音楽列がシステム10内の全ての化身について利用可能とされる実施態様において、新しい音楽列の挿入(既存の配列からの派生であるか、または全く新しい作成であるかに関係なく)には承認を必要とする。例えば、最終的な承認には、他のユーザーによる投票プロセス、および/またはシステム10の管理者による承認の任意の組み合わせを必要としうる。他のユーザーによる何らかの形での関与が、コミュニティーの促進のために望ましいことがよくある。グループ承認に加えて、またはその代わりに、コミュニティー関与は、当選した音楽セグメントのみがデータベース195に追加されるコンテストとして承認プロセスを構成することで向上させることができる。
【0099】
上記の考察から明らかなとおり、プロセス230のステップは、様々な異なる任意の配列で演奏でき、一部のケースでは、複数のステップを同時に演奏することもできる。同様に、プロセス230全体を、自動的に(単一のトリガーイベント231により自動的に複数の構成が演奏される場合など)、または別のトリガーイベント231の発生に応答してのいずれかで反復することができる。
【0100】
図9は、本発明の代表的実施態様による2つの化身間での相互作用プロセス280を示す流れ図である。望ましい実施態様において、プロセス280のステップは、コンピュータ読み取り可能媒体からコンピュータ実行可能なプロセスステップ(これには、複数のコンピュータ読み取り可能媒体に分割されたプロセスステップが含まれうる)を実行することにより、プロセス280全体が演奏できるように、完全に自動化された方法(例えば、サーバー20により)で、または本明細書に記載した他の任意の方法で演奏される。
【0101】
当初、ステップ282において、トリガーイベント231が発生したかどうかについての判断がなされる。発生した場合、処理はステップ283に進む。
【0102】
次に、ステップ283において、構成が2つの化身についてのIDコード(例えば、データベース192内)に基づき選択されたかどうかについての判断がなされる。望ましい実施態様において、この判断は、状況に基づき(例えば、ステップ282において第二の化身についてのトリガーイベント231が発生したときに化身の一つが既に演奏していたかどうか)、2つの化身の識別コードに基づき(例えば、強力な個性、または興奮した気分を示すIDコードをもつ方は、他方からの同意なしに演奏を始めることがある)および/または無作為抽出により(例えば、相互作用のダイナミクスを新たな状態に保つため)なされる。ステップ283における判断が肯定された場合には、ステップ285で構成が選択され(例えば、両方の組の識別コードに基づき)、ステップ287でその化身は一緒に演奏を始める。
【0103】
一方、同意に至らなかった場合には、ステップ291において、化身の一つが演奏を始める。いくらかの時間の遅れの後、ステップ292で他方の化身が加わる。このアプローチは、一人の音楽家が他方を聞いた後で、本人自身のスタイルを他方のスタイルに適応するかを特定したときに参加するといった、様々な状況をシミュレートするものである。同時に、遅れによって、時には、複数パートの音楽的構成を作成するための追加的な先行時間が提供可能である。
【0104】
いずれの場合にも、2つの化身がいったん一緒に演奏を始めると、ステップ294で、様々な異なる任意の音楽的相互作用が2つの化身間で発生する。例えば、また下記により詳しく考察するとおり、それぞれの化身は、その独自のスタイル間を交互に演奏し、およびそのスタイルと他者のスタイルを一部ブレンドすることが望ましい。同時に、それぞれの化身は、順に音楽的構成の優位を占めることができ(またそのため、その個別の音楽スタイルをより多く反映する)および/または化身はそれらのスタイルを融合するか、またはそれら個別のスタイルの補完的なラインを演奏するかで、だいたい等しく演奏することができる。さらに、音楽的構成は、時には、化身が一緒に演奏するところ(例えば、調和した異なるライン)と、順次に演奏するところ(例えば、同じラインの部分を交互にであるが、それぞれがそれ独自の個別のスタイルにより演奏する)とのセグメント間で変化することがある。
【0105】
最終的に、ステップ295において、2つのスタイルがより近く融合する。つまり、2つの化身の間の不和の量が、互いに演奏になれてくると、時間経過と共に減少する傾向にある。現在の音楽的構成の終了とともに、処理はステップ283に戻り、プロセスが繰り返される。このように、多数の異なる構成を、ほぼ無限に変形させて演奏でき、それによって、実際の音楽的相互作用のシミュレーションをする。その上、適切な量の無作為さがシステム10に導入され、自然さが維持できることがよくある。
【0106】
上記の例は、2つの化身が互いに相互作用するひとつの方法のみを記述したものであることが注記される。本明細書で考察した様々な概念の全ては、異なる演奏パターンを達成するために、異なる組み合わせで実施することができる。また、上記の例は、主に二つの化身間の相互作用に焦点をあわせている。ところが、任意の数の化身を、本明細書で説明した任意の方法で、互いに相互作用させることができる。
【0107】
図10は、本発明の代表的実施態様に従い音楽を作成する個別の化身についてのシステムのブロック図を図示したものである。概して、音楽生成システムに対して2つの主要コンポーネントがある。まず、一般にデータベース320(音楽ライブラリ195など)から音楽セグメントが選択された後、パターンが演奏されおよび変形が適用され321、出力される最終的な音楽の形態が決定される335。
【0108】
音楽セグメントの選択は、主題の化身の音楽的特性322および外部情報源(例えば、任意のクライアント装置25〜28またはサーバー管理者20経由の)から入力されたその他の情報323を含む多数の要因に依存することが望ましい。こうした情報323の一つのカテゴリーには、現在の化身と共に演奏する他の化身の識別コード(例えば、データベース192内)に関する、および/または選択された音楽的構成に関する情報325が含まれることが望ましい。上述のとおり、共に演奏することになる化身の特定のグループの性質に応じて、異なる音楽セグメント(例えば、構成全体またはその一部)を選択することができる。
【0109】
この目的から、格納された音楽セグメントは、対応する他の音楽セグメントを示す関連するメタデータを持つことが望ましい。さらに、一定の実施態様において、格納された音楽セグメントは、それらに対応する音楽スタイルを示す一組のスコアを持つ。同時に、一定の実施態様において、化身は、それぞれのジャンルがそれに対して及ぼした音楽的な影響の量を示す一組のスコア(例えば、そのIDコードの一部として)をも持つ。こうして、例えば、現在の化身が強いカントリーミュージックスタイルまたは影響(例えば、カントリーミュージックカテゴリー内で高いコード値)を持つ別の化身と共に演奏している場合には、現在の化身は、高めのカントリーミュージックスコア(すなわち、カントリーミュージックカテゴリー内で高めのコード値)をもつセグメントを選択する可能性が高い。同様に、ベースの構成が既に選択されている場合(例えば、現在の化身からの入力なしに)には、現在の化身により選択されるセグメントは、スタイル、調和などの面で、その構成と一致していることが望ましい。
【0110】
音楽の変形の選択および適用321については、格納されたそれぞれの音楽セグメントは、様々な異なる方法で演奏できることが望ましいことが注目される。例えば、変更しうるいくつかの特性には、全体的なボリューム(増減ができる)、ボリュームの範囲(セグメントがより平らな表現で演奏されるように一定の部分が他よりも強調されるように拡張でき、又は圧縮できる)、キー(希望に応じて調節できる)、楽器、声または音の範囲およびテンポ(速くしたり遅くしたりできる)が含まれることが望ましい。概して、キーおよびテンポは、全体的音楽構成の残りの部分と一致するように設定される。ただし、他の特性は、既存の状況に基づき調節しうる。
【0111】
この場合も、こうした特性の調節は、主題の化身の音楽的(例えば、スタイル)特性322、および現在の化身と共に演奏することになる他の化身の識別コード102に関する、および/または選択された音楽的構成に関する情報325に依存することが望ましい。さらに、新しい音楽セグメント329を、演奏中の全体的音楽335に取り込みうる外部の情報源から供給することができる。一例において、化身には、音楽出力335に取り込むことのできる一組のカントリーミュージックセグメントへのアクセスが与えられる。この特定のケースにおいて、こうした新しい音楽セグメント329は、現在のセッションでのみ使用される。ただし、代替的な実施態様において、一つ以上のこうした新しい音楽セグメント329は、将来的な演奏セッションで使用できるように、現在の化身についての音楽データベース320に関連付けられる。
【0112】
図11は、本発明の代表的実施態様により、所定の化身について現在の音楽演奏スタイル380の成り立ちを示すブロック図を図示したものである。上述のとおり、いくつかの異なる要因が、望ましい発明の実施態様で特定の化身が音楽を演奏する方法に影響し、また任意または全てのこうした要因は、データベース320から音楽セグメントを選択するときにも使用できる。
【0113】
これらの要因の一つは、例えば、化身についての一組の識別コード(例えば、データベース192内)からの、化身のベースの個性381である。例えば、こうしたIDコードには、多数の異なるそれぞれの音楽ジャンルのスコア(例えば、カントリー、50年代ロック、60年代フォーク音楽、70年代ロック、80年代ロック、ディスコ、レゲエ、クラッシック、ヒップホップ、カントリーロッククロスオーバー、ハードロック、プログレッシブロック、ニューエイジ、ゴスペル、ジャズ、ブルース、ソフトロック、ブルーグラス、児童向け音楽、ショー音楽、オペラ、など)、異なるそれぞれの文化的影響のスコア(例えば、ブラジル、アフリカ、ケルト、など)および異なる個性タイプのスコア(例えば、荒々しいまたはのんびり)などが含まれうる。下記で考察するとおり、ベースの個性コード381は、相対的一定にするが、時間経過とともにいくらか変化することが望ましい。さらに、ユーザーは、例えば、こうした特性を本人のクライアント装置25にあるユーザーインターフェースを通じて修正することにより、ベース個性コード381に対して相対的に急激な変化を行う能力を持つことが望ましい。
【0114】
現在のスタイル特性380に潜在的に影響を及ぼす別の要因は、化身についてそれを表すユーザーにより選択された現在のムード384である。例えば、楽しい、悲しい、愁い、ワクワク、怒り、平和、イライラ、おおらか、積極的、などのうち任意または全てを含む群から一つ以上の値を選択することができる。
【0115】
現在のスタイル特性380に潜在的に影響を及ぼす別の要因は、対応する音楽的特性にリンク付けされている身体のスタイル、色、目、くちばしおよび/または羽などの特性についての視覚的属性383の選択である。一定の実施態様において、視覚的属性は、音楽的属性に対応するか、または対応する音楽的属性を反映する。例えば、カウボーイハットの追加は、強力なカントリーミュージックの影響を受けたコード192に対応しえ、またドレッドロック(ヘアスタイル)の選択は強力なレゲエ影響コード192に対応しうる。さらに、異なる属性によって、一定の発明の実施態様において、スタイルのフュージョンが起こりうる。
【0116】
現在の演奏スタイル380に影響を及ぼしうるなおさらなる要因は、化身がかかわっている現在の相互作用382である。つまり、一定の実施態様において、化身は一緒に演奏している他の化身により即座に影響を受け、例えば、結果的に、化身はそれ自身の個別のスタイルと、共に相互作用している他の化身のスタイルとのフュージョンである音楽スタイルで演奏することになる。一例を図12に示すが、単一のスタイル特性(または識別コード)が、別の化身との相互作用に基づき、時間経過とともにどう変化しうるかを図示している。現在の化身は、ライン402で示される特定のスタイル特性の初期値(いわば、荒々しさ)を持ち、また一緒に演奏している化身は、ライン404で示される初期値をもつ。いくらかの時間一緒に演奏した後では、特性値は、一緒に演奏している化身についての値404に近づいて移動405する(例えば、その演奏スタイルがよりくつろぎまろやかなものとなる)。セッション終了時407には、2つの化身がもはや一緒に演奏しなくなり、特性値は、その元の値402に近いが同一ではない値410に戻り、他の化身との演奏の体験が何らかの永続的影響を現在の化身に与えたことを示す。
【0117】
この例は、単一の特性値についてであるが、多数の特性値を、発生中の特定の音楽的相互作用の間に即座に、および時間をかけての両方で、この方法で変更することができる。その結果、単一の化身は、それ自身の個別のスタイルと、「ジャミング」中の他の化身のスタイルとのフュージョンであるスタイルを用いて、選択した音楽的構成を演奏することができる。さらに、個別の化身は、学習および発展、潜在的な新しい音楽セグメントの獲得を同時に行うことができる。この能力により、また音楽セグメントの選択およびそれに適用される音楽の変形321に組み込まれた望ましい無作為さにより、任意の2つの化身の間の相互作用は、異なることがよくある。また、図12では一方の化身についての値のみが変化するものとして示されているが、望ましい実施態様において、両方の値が互いに近づくように移動する。なおさらに、変化は滑らかでゆるやかなものとして示されているが、望ましい実施態様において、変形は、現実の学習過程をシミュレートするためにスペース全体412(所定のまたは無作為な方法のどちらかで)内で発生する。
【0118】
図12に示すタイムライン全体は、数分または数十分の時間で発生することが望ましい。個性コードは、2つが永久に一緒に演奏した場合でも、それを用いて現在の化身が演奏している装置用の対応するコードに近づくが同一にはならないことが望ましいことが注目される。つまり、ベースの個性コード381は、支配的要因であって、単一の相互作用セッション内で一定の程度だけ変化することができることが望ましい(この程度自体が、別の個性コード、例えば、「変化に対する開放度」と指定されたものにより支配されうる)。
【0119】
上記で考察したとおり、本システムでは、2つの化身が自動的に一緒に「ジャミング」をすることができ、メロディ、ハーモニーおよび全体的な音の間で一意の関係が形成される。例えば、ユニークな歌または複数部分の構成を、既存の音楽ライブラリから、その全体を選択することも、および/またはそれに含まれる小さ目のセグメントから構成することもできる。次に、選択した歌または構成は、一つ以上の参加する化身の音楽スタイル特性に基づき、さらに変更できる。
【0120】
本明細書で説明した他の識別および個性コードに加えて(例えば、データベース192に格納されているもの)、こうしたコードには、2つの特定の化身間の関係の状態を表現する一意の関係コードも含まれうる。こうしたコードは、2つの化身の関係がどの程度まで進んだか(例えば、出会ったばかりか、または関係が進んでいるか)、およびその関係の性質(例えば、友達または恋愛中)を示す。その結果、化身間の関係は、時間および体験に基づくだけでなく、関係の性質および長さに基づいても変化しうる。
【0121】
本発明の一形態は、現在の化身のソウルメイトである別の化身の識別である。こうしたケースで、関連付けられたコードは、ペアとなるべき2つの化身を識別することができ、また、互いに出会ったとき、その他任意のペアの化身とは全く異なる方法で関わりあう。別の方法として、化身は単に互いに互換性があるものとして指定して、2つの互換性のある化身が十分な時間だけ一緒にいた場合に、恋愛関係を発展させることができるようにすることができる。なおさらに、これらのアプローチの任意の組み合わせを採用できる。
追加的な特徴
【0122】
上記で説明した音楽的対話機能に加えて、本発明の各種の実施態様において、サーバー20は、仮想環境内での下記の任意または全ての機能性を提供する。
一定の実施態様により、ユーザーは、有名な陸標の探検および/または訪問をするために、ユーザーの化身が仮想環境内を移動する;ユーザーの化身に、限定的な組の言語的および/または非言語的な表現(例えば、潜在的な交流の乱用の可能性を制限するため)を使用して、他の化身との相互作用をさせる;ユーザーの化身に、任意的な言語的および/または非言語的な表現を使用して他の化身との通信をさせる(例えば、ユーザーにより本人のクライアント装置25のキーボード、マイクロホンまたはその他のインターフェースを通じて(例えば、それぞれ個別のユーザーまたはユーザーの保護者によるオプトインにより)提供される;単独でまたは別の化身と同期化して、ユーザーの化身にダンスをさせる(例えば、上記で音楽列を選択および/または獲得した任意の方法と類似した方法で、一つ以上の化身について特定のダンスパターンを選択または獲得する);ユーザーの化身に他の化身とのゲームに参加させる;一つ以上の化身についてユーザーの化身によって獲得したポイントを保存したり使ったりする;ユーザーの化身に仮想環境内の品目と相互作用させたり、操作させたりする(例えば、化身の割り当てられた家内の家庭用品、または様々な異なる任意の建物タイプに関連する品目);ユーザーの化身に、化身が現在見ているシーンの写真を撮らせて(例えば、仮想カメラを選択し使用することで)、写真を保存および/または表示する(例えば、化身の仮想ホーム環境内のフレームまたはフォトアルバムに);および/または仮想環境の周辺でユーザーの化身に、車、ボード、列車、熱気球、飛行機またはヘリコプターに乗ったり、運転したり、操縦したり、航行したりさせる、などができる。
【0123】
性質上言語的な通信(上記のテキストベースまたは音声ベースの種類のチャッティングなど)に加え(またはその代わりに)、本発明の一定の実施態様では、各種の音楽をベースにしたチャッティングも提供している。一つにおいて、ユーザーは、それらのそれぞれの化身間で通信する個別の音符および/または事前に格納した音楽セグメントまたはフレーズの組み合わせを選択する。こうした音楽的対話は、異なる音楽的フレーズ、音符の組み合わせ、および/またはさらには個別の音符に異なる意味を割り当て、またそれらの意味を参加するユーザーに知らせて、音楽的言語を学習し通信できるようにすることで、さらに向上させることができる。
【0124】
音楽的チャッティングに対するいくらか異なるアプローチによれば、テキストベースのメッセージが翻訳されるか、または所定のアルゴリズムを使用して音楽的表現に変換される。例えば、個別の単語および/または言語的表現は、一対一で対応する楽音に翻訳できる(例えば、「love」という単語は、ホーンからの「ため息」の音に翻訳される)。別の例において、翻訳は(少なくとも部分的に)、送信したテキストベースのメッセージをフレーズまたは節に分析し、それぞれにおいてキーワードを識別し、こうしたキーワードに基づき事前に格納した音楽列をデータベースから検索し(例えば、スコアリングテクニックを使用)、そして元のテキストベースのメッセージに表示されたそれぞれの言語的なフレーズまたは節の順序と同じ順序で、音楽列をまとめて一列に並べることによって実行される。加えて、またはその代わりに、一定の実施態様において、元のテキストベースのメッセージについて音声変調パターンを識別するために、自然に聞こえる音声を生成するためのテキスト音声変換アルゴリズムを使用し、その後で、検索された音楽列はこの音声変調パターンに基づくもので、(例えば、格納された音楽列の変調パターンに関して、事前に保存したデータによって示されるとおり)例えば、類似した変調パターンを持つ格納された音楽列を識別するためのスコアリングベースのパターンマッチング技術が使用される。
【0125】
本明細書で意図されているとおり、化身によって演奏される任意の音楽は(例えば、完全にまたは部分的に自動化された音楽的相互作用および/または音楽的チャッティング)、その化身に割り当てられた楽器など単一の「音声」によって演奏することができることが注目される。別の方法として、少なくとも一部の化身は、異なる時に、および/または異なる目的で使用される異なる「音声」をもつ。例えば、化身を架空の鳥として設定する本明細書で提示した主な例において、割り当てられた楽器は、ジャムセッションで使用できる(例えば、音楽的相互作用に対して完全にまたは部分的に)、その一方でさえずりまたは口笛のような音声は、音楽的チャッティング用に使用される。
【0126】
化身によるプレーが許容されているゲームの種類には、例えば、プレーヤーが音楽パターンを反復する必要のあるSimon型のゲーム;プレーヤーが一つ以上のオブジェクトおよび/または可動キャラクタを探したりハントしたりする各種のゲーム(別のプレーヤーにより操作されている化身、または所定の規則に基づき自動化された方法で移動するキャラクタで、例えば、こうしたどちらの場合も、化身および/または他のキャラクタが音楽で呼んで応答するMarco Poloゲーム、またはハントしたオブジェクトまたはキャラクタを写真に撮る必要があるゲームなど); プレーヤーがミステリーを解決する必要のあるゲーム;プレーヤーが完全な音符のセットを見つけたり、その他の方法で獲得または入手するゲーム(例えば、その後、それらを適切な順序でプレーまたは並べ替える);および/または同一出願人による米国特許出願第11/539,179号(この出願は、参照することにより、本明細書に完全に記載されているごとくに本明細書に組み込む)に記載されている任意のゲーム、またはこうしたゲームに対する任意の変形(例えば、化身はまた、あるいはその代わりに、仮想環境内での旅行中に質問に出会い、それに正解することによりポイントを獲得する)が含まれる。
【0127】
事前に録音されまたは任意の言語的な伝達が化身間で許容されている一定の実施態様において、サーバー20(または適用されるクライアント装置25上で実行されるクライアントソフトウェア)は、例えば、ユーザーの化身について選択されたか、割り当てられた特性に対応させるために、周波数を上げ下げして、音声または他の言語的な伝達を変更する。例えば、第一のユーザーが自分の化身に、事前に録音された表現「hi」を話させる場合、システム10は、第二のユーザーがその化身に同じ単語を話させるときよりも(男性の性別の選択または低ピッチの音声の選択に基づき)、(女性の性別の選択または高いピッチの音声の選択に基づき)高いピッチで発生させることができる。同様に、ユーザーが対応するユーザー装置25〜28にあるマイクロホンを通しての通信が許容されている場合、システム10は、それらの化身について選択されたかまたは割り当てられた属性に基づき、その音声を変化させることができる。一定の実施態様において、ユーザーは、(1)本人の化身の音声として使用するファイルのアップロード; および/または(2)ユーザーインターフェースによる化身の音声のカスタム化(例えば、ピッチ、音色、ペース、拍子または活気レベルなどの特性を選択することにより)が許容される。
【0128】
一定の発明の実施態様において、ユーザーは、既存の音楽ピースを選択するか、または全く新しい音楽(または他の音声)ファイルをアップロードする能力を持ち、その後で一人以上のユーザーがトリガーイベントを開始することができ、対応する化身がそれに対してダンスやジャムをするようになる。音楽が新しい場合、サーバー20は、(1)ビートおよび対応するテンポを識別するためにそれを分析し、および/または(2)識別情報が新しい音楽列と共に提供されている場合、ビートおよびテンポの情報、および/またはその他任意の情報(音楽ジャンルなど)を、予めデータ投入されたデータベースから検索することが望ましい。いかなる場合も、個別の化身についてのダンスの動きは、例えば、音楽ジャンルにとって適切な動きを選択し、およびダンスの動きを識別されたビート/テンポと同調させることにより、選択されまたはアップロードされた音楽ピースについて利用可能な情報に基づき、変更されることが望ましい。
【0129】
一定の実施態様において、ユーザーは、ギター周辺機器に差し込んだプレーヤー、およびキーボード周辺機器楽器に差し込んだ別のプレーヤーと共に、直接的に他者とジャムをすることができ、例えば、それらの化身を通して、一緒にライブで演奏できる。さらに、一定の実施態様において、こうしたジャムセッションにより、ユーザーは、自分の仮想楽器および/または事前に録音したトラックのレイヤーによって、希望する任意の組み合わせで、自然に新しい音楽を作成できる。なおさらに、こうしたジャミングは、将来的な再生のために、また一部のケースでは、その後の編集のために、ジャムセッションが録音される仮想レコーディングスタジオ内で発生可能であることが望ましい。
【0130】
本明細書で説明した化身は、一般に出願第’433号にある音楽的に相互作用する装置に対応するもので、こうした装置について記述された任意の機能性を提供することができることが注目される。ただし、現在のケースでは、 こうした機能性は一般に、サーバー20および/または適用されるクライアント装置25〜28により提供される。
システム環境
【0131】
概して、別途明瞭に支持のある場合を除き、本明細書に記載した全てのシステム、方法、機能性および技術は、一つ以上のプログラム可能汎用計算装置を使用して実施できる。こうした装置には一般に、例えば、共通バスを介して相互に接続された以下のコンポーネント、すなわち、一つ以上の中央処理装置(CPU);読み出し専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);その他の装置とのインターフェースをとるための入力/出力ソフトウェアおよび回路(例えば、シリアルポート、並列ポート、USB接続またはファームウェア接続などの有線接続を使用、またはBluetoothまたは802.11プロトコルなどの無線プロトコルを使用);一つ以上のネットワークを接続するためのソフトウェアおよび回路(例えば、イーサネット(登録商標)カードなどの有線接続を使用、または無線プロトコル(符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、Bluetooth、802.11プロトコル、またはその他任意のセルラーベースまたは非セルラーベースのシステム(そのネットワークは、多くの発明の実施態様において、インターネットまたはその他任意のネットワークに接続されているものなど)を使用);ディスプレイ(陰極線管 ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイ、高分子発光ディスプレイまたはその他任意の薄膜ディスプレイなど);その他の出力装置(一つ以上のスピーカー、ヘッドホンセットおよびプリンターなど);一つ以上の入力装置(マウス、タッチパッド、タブレッド、タッチセンシティブディスプレイまたはその他のポインティングデバイス、キーボード、キーパッド、マイクロホンおよびスキャナーなど);大容量記憶装置(ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブなど);リアルタイムクロック;着脱式ストレージ読み取り/書き込み装置(RAMからの読み取りやそれへの書き込み用、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、光ディスク、または同種のものなど);およびモデム(例えば、ファックス送信用またはダイアルアップ接続を介したインターネットまたはその他任意のコンピュータネットワークへの接続用)のうち、少なくともいくつかが含まれる。実際には、上記の方法および機能性を実装するプロセスステップは、こうした汎用コンピュータにより実行される範囲で、一般に当初は大容量記憶(例えば、ハードディスクまたはソリッドステートドライブ)に格納されており、RAMにダウンロードされ、その後でRAMからCPUで実行される。ところが、一部のケースでは、プロセスステップは当初、RAMまたはROMに格納される。
【0132】
本発明の実施に使用するための適切な汎用プログラム可能デバイスは、さまざまなベンダーから入手することができる。さまざまな実施態様において、タスクの規模および複雑度に応じて異なるタイプの装置が使用される。こうした装置には、例えば、メインフレームコンピュータ、マルチプロセッサコンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータおよび/またはさらにはPDAなどの小型のコンピュータ、無線電話またはその他任意のプログラム可能な機器または装置が、スタンドアロンであるか、ネットワークに有線接続またはネットワークに無線接続であるかに関係なく含まれうる。
【0133】
さらに、汎用プログラム可能デバイスについて上記に記述したが、代替的な実施態様において、一つ以上の特殊用途プロセッサまたはコンピュータが変わりに(または追加的に)使用される。一般に、別途明示的に記載しない限り、上記に記載した任意の機能性は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを実行する汎用プロセッサにより、専用の(例えば、ロジックベースの)ハードウェアにより、またはそれらの任意の組み合わせで実施することができ、既知の技術的トレードオフに基づき特定の実施が選択されることに注意すべきである。さらに具体的に言えば、上記に記述された任意のプロセスおよび/または機能性が固定の、所定の、および/または論理的な方法で実施される場合、当業者は簡単に理解できるとおり、プロセッサ実行プログラミング(例えば、ソフトウェアまたはファームウェア)、論理コンポーネントの適切な配列(ハードウェア)、またはその二つの任意の組み合わせにより達成することができる。言い換えれば、論理演算および/または算術演算を、プロセッサ内でこうした演算を実行する命令に、および/またはこうした演算を実行するための論理ゲート構成に変換する方法はよく知られており、実際に、この両方の種類の変換用のコンパイラーが一般的に利用できる。
【0134】
本発明の方法および機能性を実施するためのソフトウェアまたはファームウェアプログラム命令(すなわち、コンピュータ実行可能プロセス命令)がそれ上に格納されるマシン読み取り可能な有形媒体にも関連することが理解されるべきである。こうした媒体には、一例として、磁気ディスク、磁気テープ、CDおよびDVDなどの光学的読み取り可能メディア、またはさまざまなタイプのメモリカードなどの半導体メモリ、USB フラッシュメモリ装置、ソリッドステートドライブなどが含まれる。いずれの場合にも、その媒体は、ミニチュアディスクドライブまたは小型ディスク、ディスケット、カセット、カートリッジ、カード、スティックなどの携帯可能アイテムの形態をとりうるか、またはコンピュータまたはその他の装置内部に搭載されているハードディスクドライブ、ROMまたはRAMなどの相対的に大型または携帯性の低い品目の形態をとりうる。本明細書で使用するとき、別途明確に注記しない限り、コンピュータ読み取り可能またはマシン読み取り可能な媒体上に格納されたコンピュータ実行可能なプロセスステップへの言及は、こうしたプロセスステップが単一の媒体上に格納される状況だけでなく、こうしたプロセスステップが複数の媒体にまたがり格納される状況も含むことが意図される。
【0135】
上述の説明は主に、電子計算機および装置を強調している。ところが、基本的論理演算および/または算術演算を実行する能力がある電子的、光学的、生物学的および化学的なプロセッシングの任意の組み合わせを利用した装置などといった、その他任意の計算用またはその他のタイプの装置を代わりに使用しうることが、理解されるべきである。
【0136】
さらに、本開示が、プロセッサ、コンピュータ、サーバー装置、コンピュータ読み取り可能媒体またはその他の記憶装置、クライアント装置、またはその他任意の種類の装置に言及する場合、こうした言及には、別途明瞭に指示した範囲を除き、複数のこうしたプロセッサ、コンピュータ、サーバーデバイス、コンピュータ読み取り可能媒体またはその他の記憶装置、クライアント装置、またはその他任意の装置の使用も含まれることが理解されるべきである。例えば、サーバーは一般に、単一の装置または例えば、適切な負荷バランシングのある一群のサーバーデバイス(ローカルまたは地理的に分散)を使用して実施できる。
追加考慮事項
【0137】
一定の例において、上述の記述は、ユーザーインターフェースボタンのクリックまたはダブルクリック、ユーザーインターフェースアイテムのドラッグ、または特定ユーザーインターフェース機構により、および/または特定の方法でのそれ以外のコマンドまたは情報の入力に言及している。こうした全ての言及は、単に例示的なものであることが意図されており、本発明は、その他任意の方法でのユーザーによる、同一またはその他任意のユーザーインターフェース機構を使用した対応するコマンドまたは情報の入力が含まれることが理解される。さらに、またはその代わりに、こうしたコマンドまたは情報は、自動化された(例えば、コンピュータ実行による)プロセスにより入力できる。
【0138】
本発明のいくつかの異なる実施態様は、上記に記載されているが、こうしたそれぞれの実施態様は、一定の特色を含めたものとして記述されている。ところが、任意の一つの実施態様の考察に関連して説明されている特色は、その実施態様に限定されず、同様にその他の任意の実施態様のとのさまざまな組み合わせに含まれ、および/またはその組み合わせでの改作をしうることが意図されているが、これは当業者により理解されるとおりである。
【0139】
同様に、上記の考察において、機能性は時には、特定のモジュールまたはコンポーネントに帰するものとされている。ところが、機能性は一般に、一部のケースにおいて、特定のコンポーネントまたはモジュールの必要性を完全に除去し、および/または新しいコンポーネントまたはモジュールの追加を必要とする、異なる任意のモジュールまたはコンポーネント間で、希望に応じて再配分できる。機能性の正確な配分は、既知の技術的トレードオフに従い、特定の発明の実施態様を参考にして行うことが望ましいが、これは当業者に理解されるとおりである。
【0140】
こうして、本発明は、その例示的実施態様および添付図面について詳細に記述されたが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の各種の適応および修正をしうることは、当業者にとって明らかである。したがって、発明は図面に図示され、および上記に記載したそのままの実施態様に限定されない。むしろ、本明細書に添付した請求項によってのみ限定される発明の精神から逸脱しないこうした全ての変形物は、その範囲内にあるとみなされることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許出願第61/103,205号(2008年10月6日出願)の利益を主張し、また米国特許出願第11/738,433号(2007年4月20日出願、第'433号出願とする)の一部継続出願であり、よってさらに米国特許仮出願第60/745,306号(2006年4月21日(第'306号出願)の利益を主張するものである。上述の出願を、参照することにより、本明細書にその全体が記載されているごとくに本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、それを通してユーザーがインターネットなどのネットワーク上で音楽的に相互作用する化身を用いて対話することができるシステム、方法および技術に関連する。
【背景技術】
【0003】
二次元(2-D)または三次元(3-D)仮想世界を提供する様々な異なるウェブサイトが存在する。一般に、それぞれ個別のユーザーは、ユーザーを表す化身を操作することにより、これらの仮想世界内で他者と相互作用する。一部の場合において、ユーザーは、本人を表す化身の一定の視覚的特性を選択して、それによって本人の化身の外観をある程度までカスタム化する能力を持つ。現時点で、いくつかの最も人気のある仮想世界サイトは、World of WarcraftTMおよびSecond LifeTMであるが、これは主に成人向けである。ところが、その他各種の仮想世界サイトも利用できる。あるものはティーンエイジャー向けで、その他には13歳未満向け、さらに他には(Club Penguinなど)それより年少の子供向けのものもある。非成人向けサイトの多くは、男子および女子を等しく引き付けることを狙いとするが、なかには主に男子向けのもの、また他にも主に女子向けのものもある。
【0004】
仮想世界内での相互作用が可能な従来的に利用可能なサイトでは、ユーザーに各種の組の機能および能力が提供されていることがよくある。例えば、ユーザーが他者との商行為に参加することが許容されているもの、教育的なコンテンツを提供するもの、テーマをベースにしたもの(例えば、音楽をテーマとしたFranktown Rocksや、車をテーマにしたMokitownやRevnjenz)およびユーザーが他者と共にゲームをすることができるものなどがある。ただし、特にユーザーに他者との間での斬新でユニークな方法で相互作用を許容するにあたっては、追加的な特徴が常に望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、例えば、それを通して化身が互いに音楽的に相互作用できるような斬新な特徴を含めて、仮想環境内に実施しうる追加的な様々な新機能を提供することにより、このニーズに対処する。
【0006】
こうして、発明の一実施態様は、サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、こうしたそれぞれのクライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して互いに相互作用し、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象としたものである。第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第一のユーザーを表す第一の化身の第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかが変更される。同様に、第二のクライアント装置は第二のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第二のユーザーを表す第二の化身の第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかが変更される。第一の化身は、第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性および第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性についての現在の設定に基づく音楽列を演奏する。
【0007】
別の実施態様は、サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、こうしたそれぞれのクライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して互いに相互作用し、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象としたものである。第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達してその結果、第一のユーザーを表す第一の化身の音楽スタイルを変更する。第二の化身との近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つに基づき、第一の化身は、第一の化身の音楽的スタイルおよび第二の化身の音楽スタイルの組み合わせであるフュージョン音楽スタイルでの音楽列を演奏する。
【0008】
なおさらなる発明の実施態様は、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象とする。サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、それぞれの前記クライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成されている。第一のクライアント装置はユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第一の化身の少なくとも1つの様相を変化させ、また第二のクライアント装置はユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第二の化身の少なくとも1つの形態を変化させる。第一の化身は、(1)第一の化身の視覚的特性および(2)第二の化身の視覚的特性に基づく音楽列を演奏する。
【0009】
なおさらなる実施態様は、遠隔的な相互作用を促進するためのシステムを対象とする。サーバーが仮想環境をホスティングし、また各種のクライアント装置が電子ネットワークを介してサーバーと通信し、こうしたそれぞれのクライアント装置は、仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成されている。第一のクライアント装置は、ユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第一の化身の少なくとも1つの形態を変化させる。第二のクライアント装置は、ユーザーコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、第二の化身の少なくとも1つの形態を変化させる。第一の化身は第一の化身の視覚的特性に基づく音楽列を演奏し、また第二の化身は、第一の化身により演奏される音楽列に伴奏して、第二の音楽列を演奏するが、第二の音楽列は第二の化身の視覚的特性に基づく。
【0010】
上述の概要は、単に発明の一定の形態についての簡単な説明を提供することを意図するだけである。発明についてのより完全な理解は、請求項および以下の望ましい実施態様の詳細な説明を添付の図に関連させて参照することにより得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の開示において、発明は添付の図を参照しながら説明している。ただし、図面は単に本発明の一定の代表的および/または例示的な実施態様および特色を描写するものであり、また本発明の範囲をいかなるかたちでも制限することは意図していないことが理解されるべきである。下記は、それぞれの添付の図についての簡単な説明である。
【0012】
【図1】図1は、本発明の代表的実施態様によるシステムの主要コンポーネントを図示したブロック図である。
【0013】
【図2】図2は、代表的サーバーの一定の機能性を図示したものである。
【0014】
【図3】図3は、代表的クライアント装置の一定の機能性を図示したものである。
【0015】
【図4】図4は、本発明の代表的実施態様による、特定の視覚的特性に関連する視覚的属性の、対応する音楽的特性に関連する音楽的属性に対するマッピングを概念的に図示したものである。
【0016】
【図5A】図5Aは、本発明の代表的実施態様により、ユーザーが化身をデザインするための、グラフィカルユーザーインターフェースの各部を図示したものである。
【図5B】図5Bは、本発明の代表的実施態様により、ユーザーが化身をデザインするための、グラフィカルユーザーインターフェースの各部を図示したものである。
【0017】
【図6】図6は、指定した一定の視覚的特性について個別の属性を選択することによってデザインされた化身の例を図示したものである。
【0018】
【図7】図7は、本発明の代表的システム内のクライアント装置とサーバーとの間での一定の通信を図示したものである。
【0019】
【図8】図8は、本発明の代表的実施態様による第一の音楽的相互作用プロセスを図示した流れ図である。
【0020】
【図9】図9は、本発明の代表的実施態様による第二の音楽的相互作用プロセスを図示した流れ図である。
【0021】
【図10】図10は、個別の化身が、本発明の代表的実施態様に従い音楽を生成するためのシステムのブロック図を図示したものである。
【0022】
【図11】図11は、本発明の代表的実施態様による現在の音楽演奏スタイルの構造を示すブロック図を図示したものである。
【0023】
【図12】図12は、本発明の代表的実施態様により、音楽スタイル特性が即時の相互作用によって時間経過と共にどのように変化しうるかの一例を示すタイムラインを図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、各セクションに分けられる。第一のセクションは、本発明の望ましい実施態様による一定のシステムコンポーネントを記述する。第二のセクションは、仮想環境内での音楽的相互作用に関連する一定の例示的な技術を記述する。その後の各セクションは、その見出しで示すようにその他の情報を提供する。
システム構成要素
【0025】
図1は、本発明の代表的実施態様によるシステムの主要コンポーネント10を図示したブロック図である。図示したとおり、中央のサーバー20は、一つ以上の有線ネットワーク30および/または無線ネットワーク32を通して、様々な異なるクライアント装置(例えば、クライアント装置25〜28)と通信する。
【0026】
図示した実施態様において、サーバー20は、単一の装置として示されている。ところが、代替的な実施態様において、サーバー20は、例えば、単一の論理ユニットとして集合的に機能し、および/またはこうした個別のサーバー装置の少なくともいくつかが地理的に分散されている多数の個別のサーバー装置を備える。一定の実施態様において、複数の同一または類似したサーバーが、一つ以上の負荷バランサーと共に使用される。
【0027】
クライアント装置25〜28には、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ、小型の手持ち式携帯装置(無線電話やPDAなど)、ゲーム用コンソールや装置、および/またはディスプレイを含み、支援ネットワークと接続する能力のあるその他任意の装置が含まれうる。図1にクライアント装置25〜28が4つだけ図示されているが、この描画は単に例示的なもので、一般には常時、これより多くのクライアント装置が、例えば、数百、数千またはさらに多くのクライアント装置25〜28が、サーバー20に接続されることが理解されるべきである。
【0028】
通常、ネットワーク30には、サーバー20と通信するクライアント装置25〜28を通した主な手段として、インターネットが含まれる。ところが、代替的な実施態様において、通信は完全にまたは主にローカルエリアネットワーク(有線または無線)、ワイドエリアネットワーク、またはその他任意の個別のネットワークまたは相互接続されたネットワークの集合を介して発生する。現在の実施態様において、無線基地局(例えば、携帯電話ベースの無線システム用)またはアクセスポイント(例えば、任意の802.11x標準を使用した通信用)34は、各種の無線装置(無線装置25および26など)を有線ネットワーク30(例えば、インターネット)に接続し、それによってそれらが無線ネットワーク32を経由してサーバー20と通信できるようにしている。
【0029】
図2は、本発明の代表的実施態様におけるシステム10内のサーバー20およびそれによって実施される一定の機能性を図示したものである。こうした一つの機能51は、その中でユーザーがそれぞれ各自のクライアント装置25〜28を通して互いに相互作用することができる仮想環境を維持・提供することである。
【0030】
例えば、一つの実装において、仮想環境は仮想3-Dアイランドで、各ユーザーは、アイランドの周辺でそれぞれの化身を移動させることができ、その過程で他のユーザーを表す化身に遭遇する。こうしたケースにおいて、サーバー20は、位相幾何学、背景の動物や植物、人工の構造(建物、道、通路および橋等の)および周辺環境(例えば、海)などに関してアイランド(またはその他の仮想環境)のモデルを維持する。次に、サーバー20は、このモデルの各部分を、特定のクライアント装置によって操作されている化身の位置、並びに化身が面している、および/または見ている方向に基づきクライアント装置25〜28に表現する。
【0031】
化身のうち少なくともいくつかは、例えば、他の化身にとっては招待によってのみアクセス可能な、個人的な(またはホーム)スペースが提供されていることが望ましい。このホームスペースは、実際の家(ホーム)として構成され、希望に応じてユーザーが装飾することができる(例えば、本人の化身を通して)ことが望ましい。例えば、絵を壁にかけることができるが、例えば、仮想環境にアップロードした画像、仮想環境内で撮影した写真(下記に説明)、および/または仮想環境内でゲームをする過程で獲得したポイントで購入した画像やアートワークなどが利用できる。同様に、ユーザーのホームスペースには、例えば、アップロードしたか、または仮想環境内で獲得したポイントで購入したアルバムや曲などの音楽コレクションを含めることができる。
【0032】
仮想環境内で獲得したポイントは、仮想環境内で使用するためのその他の品目の購入、および/または実際の品目の購入に使用することもできることが望ましいことが注目される。一定の実施態様において、ポイントは、現物の品目を獲得するために引き換えることができ、また同時に、化身には同一の(または対応する)品目が仮想環境内で提供される。
【0033】
一定の実施態様において、仮想環境には、主要環境(上記のアイランドなどで、個人的なスペースと公共のスペースがある)および化身が主要環境から入っていくこともできる一つ以上のサブワールドまたはサブレベルの両方が含まれる。こうしたサブワールドまたはサブレベルは、主要環境内のポータルからアクセスし、および特定のゲームまたはコンテストのプレーなど個人別のテーマのある体験が提供されることが望ましい。例えば、こうしたサブワールドまたはサブレベルは、主要環境内にある建物内部に含まれているものとして表すことができ、および/またはそれらと主要環境との間に一つ以上のポータルのある開かれた環境として表すことができる。
【0034】
現在の発明の実施態様においてサーバー20の別の機能53は、音楽ライブラリの維持とそれへのアクセスである。概して、この音楽ライブラリ(下記にさらに詳しく考察する)は、事前に定義した一定の音楽的な配列、セグメントおよび構成のための貯蔵庫であり、それを用いて化身は互いに相互作用することができる。
【0035】
現在の実施態様におけるサーバー20のなおさらなる機能55は、様々なユーザー(またはプレーヤー)および/またはそれらのそれぞれの化身に関連する情報のデータベースの維持(これについても下記にさらに詳しく考察する)。例えば、こうしたデータベースは、それぞれのプレーヤーにより作成された個別の化身に関連する視覚的および/または音楽的特性を格納することが望ましい。
【0036】
図3は、本発明の代表的実施態様による、システム10内の代表的クライアント装置25およびそれにより実行される一定の機能性を図示したものである。単に言及を簡単にするために、単一のクライアント装置を本明細書では一般にクライアント装置25として言及し、複数のクライアント装置は本明細書では一般にクライアント装置25〜28として言及することが注記される。ところが、こうした言及が、関与しうる特定種類または特定数のクライアント装置について何らかを暗示することは意図していない。
【0037】
クライアント装置25の一つの好ましい機能71は、サーバー20により提供された仮想環境内でプレーヤーを表す化身の作成、カスタム化およびデザインのためのユーザーインターフェースの提供である。望ましい実施態様において、下記により詳しく考察するとおり、それぞれ個別のユーザーは、本人の化身の様々な異なる視覚的特性のそれぞれを、例えば、身体のタイプ、色、目および羽の外観などを含めて変更する能力を持つ。また下記により詳しく考察するとおり、これらの視覚的特性のうち少なくともいくつかは、化身が互いに音楽的に相互作用する方法に関連して、対応する音楽的特性に影響を及ぼすことが望ましい。例えば、対応する音楽的特性に影響を及ぼす複数のユーザーカスタム化可能な化身の視覚特性からなる組と、影響を及ぼさない複数のユーザーカスタム化可能な化身の視覚特性からなる別の組が存在しうる。
【0038】
一定の実施態様において、ユーザーは、その化身の非視覚的特性を直接的に変更する能力も持つ。例えば、一定の発明の実施態様において、ユーザーは、本人の化身に一定の個性、特性またはスタイルコードを、任意の視覚的特性と独立して割り当てることができる。こうした個性またはスタイルコードが、例えば、特定の性格特性についての強度または強度の値として指定することができ、および/またはユーザーの化身が所定の音楽列を演奏する方法(例えば、より荒々しいスタイルまたはよりゆったりとしたスタイルを反映)および/または化身の外観がどうであるか(姿勢など)またはどのようにタスクを遂行するか(歩き方および/または踊り方など)についてのその他の側面に影響を及ぼしうる。こうした個性またはスタイルコードが使用される場合、いったん定義すれば、その後でユーザーによりおよび/またはその後のイベント(例えば、下記に説明するとおり)により変更されない限り、一定のままであることが望ましい。また一定の実施態様では、ユーザーが現在のセッションについてのみ有効なムードコードを定義することができるが、そうでなくても、音楽が演奏される方法、その他の行為が化身によってどのように実行されるか、および/または化身がどのように描写されるかについて類似した効果をもつことができる。この点に関して、特定の化身の全体的なスタイルは、個性コード(これは、ある期間に全体でより一定であることが望ましい)およびムードコード(これは、時間経過に伴い変化し、それによって、ユーザーが本人の現在のムードを反映させることができるようにすることが望ましい)の組み合わせとしうる。
【0039】
さらに、望ましい実施態様において、各ユーザーは、本人の化身に帰属することになるテーマ音楽を選択または作成することができる。この点について、各ユーザーは、本人の化身用に事前に指定した楽曲の一節の組の一つを選択する能力を持つことが望ましい。別の方法として、またはその代わりに、ユーザーが希望する場合には、本人が本人の化身用にカスタムの楽曲の一節を、例えば、対応する音符に割り当てられた個別の英数字キーを用いて希望の音符を演奏するために本人のクライアント装置25のキーボードまたはキーパッドを使用して、および/または希望する任意のミキシング、ルーピングおよび/または編集を実行することにより、デザインすることができるようにすることが望ましい。任意のイベントにおいて、選択または作成したテーマ音楽は、ユーザーが(例えば、クライアント装置25のキーボードまたはキーパッドの指定したキーをたたくことにより)命令したときにはいつでも、または一定の実施態様において、および/またはユーザーが指定した場合には、指定したイベントの発生時に(例えば、別の化身のテーマ音楽に応答して)自動的に、化身によって演奏されることが望ましい。
【0040】
最後に、一定の発明の実施態様において、どんな関係が化身によって形成されるかを示すコードを化身に割り当てることができる。こうしたコードは、ユーザーによって直接選択されるか、ユーザーにより提供されたその他の(例えば、個性)コードに基づきサーバー20によって割り当てられるか、サーバー20によって無作為に割り当てられるか、または上記の要因の任意の組み合わせによるものとしうる。異なる化身について割り当てられた個性に基づき形成される各種の関係をサーバー20が割り当てるような実施態様において、この目的で、例えば、従来的な任意の仲介アルゴリズムまたはそれを修正したものをサーバー20で使用することができる。
【0041】
現在の実施態様におけるクライアント装置25の別の機能73は、ユーザーの化身用のアニメーションコントロールである。さらに具体的に言えば、クライアント装置25は、サーバー20により提供されている仮想環境内での本人の化身の動きをユーザーがコントロールするようにすることが望ましい。こうした動きには、ゼスチャーや表現(例えば、化身の腕や目での)だけでなく、仮想環境内のある場所から別の場所への化身の動きも含まれうることが望ましい。さらに、アニメーションコントロール73には、(例えば、下記により詳しく考察するとおり)ユーザーの化身から発せられる言語的および/または非言語的な伝達に対するコントロールも含まれうる。
【0042】
現在の実施態様において、クライアント装置25のなおさらなる機能75は音楽的コントロールである。この点について、一定の発明の実施態様において、特定の化身により演奏される(またはそれに帰属する)は、部分的に自動化(例えば、化身の外観または視覚的特性に基き、また、一部のケースで、他の化身の視覚的特性に基づき)され、また部分的にユーザーの管理下(ユーザーのクライアント装置25のユーザーインターフェースを通じて)にある。下記に考察した一定の具体的な実施態様において、ユーザーは、リアルタイムで、および/または事前に、本人のクライアント装置25のインターフェースを通じて、本人の化身によって演奏される音楽に影響を及ぼすことができる。同様に、一定の実施態様において、ユーザーは、本人のクライアント装置25のインターフェースを通じて、代わりのまたは追加的な音楽を、リアルタイムで供給することができる。
【0043】
クライアント装置25〜28のうちの一つにより実行される本明細書で説明した任意の機能性は、例えば、クライアント装置自体上の特化したクライアントソフトウェア(例えば、サーバー20からダウンロードしたもの)を使用して、またはサーバー上に常駐し、クライアント装置25上の汎用インターフェースソフトウェア(インターネットブラウザなど)を介してアクセスするソフトウェアを使用して実施することができることが注目される。機能性の望ましい割当は、個別のクライアント装置25〜28の予想される処理力、ネットワーク待ち時間およびその他のエンジニアリング上の考慮事項に依存する。
【0044】
より一般的には、代替的な実施態様において、特定の機能性および/またはデータストレージは、上記の説明とは異なり、サーバー20と個別のクライアント装置25〜28の間に割り当てられることに注意すべきである。例えば、代替的な一つの実施態様において、各クライアント装置25は、それ自身の化身に関連するカスタム化した全ての情報をローカルで保存する。この場合でも、機能性およびデータストレージの実際の割当は、実際上のおよびエンジニアリング上の考慮事項に依存することが望ましい。
【0045】
望ましい実施態様において、ユーザーがまずサーバー20により提供される仮想環境への参加を希望するとき、本人は、本人のクライアント装置25に特殊目的のプレーヤーをサーバー20からダウンロードさせる。プレーヤーのダウンロード中、および/またはインストール中、ユーザーは、本人の化身を選択・カスタマイズする能力を持つことが望ましい。例えば、ユーザーは、本人の化身の名前を選択し、化身の外観をデザインし、且つ(上述のとおり)化身用のテーマ音楽ピースを選択または作成することができることが望ましい。さらには、化身の異なる視覚的特性は異なる音楽的特性に対応し、特定の視覚的特性についての属性の選択も、対応する音楽的特性について対応する音楽的属性の選択に相当することが望ましい。
【0046】
この概念の一般的な例を図4に図示する。ここで、視覚的特性110は、4つの考えられる属性111〜114に関連付けられ、そこからユーザーは、一つ(例えば、属性112)を選択して本人の化身に適用することができる。例えば、視覚的特性110は身体の色であり、またこの視覚的特性110について考えられる4つの視覚的属性111〜114は、それぞれ白、黄色、赤および黒が考えられる。希望する視覚的属性を選択する前に、ユーザーには、この特定の視覚的特性110が音楽特性120に対応すること、および利用可能なそれぞれの色がこの音楽特性120についてそれぞれ異なる選択または属性121〜124に対応することが通知されるすることが望ましい。例えば、音楽特性120は、音声または音色の範囲で、属性121〜124はそれぞれソプラノ、アルト、テノールおよびバリトン/バスでもよい。したがって、図4に示す例において、視覚的属性で黄色112を選択すると、結果的にアルトの音声122を選択することになる。
【0047】
望ましい実施態様において、ユーザーは、対応する利用可能な組の属性から、本人の化身の様々な異なる視覚的特性について属性を選択することができる。この目的での例示的なユーザーインターフェースの一部は、図5Aおよび5Bに図示している。具体的には、図5Aに示すユーザーインターフェースの第一の部分140において、ユーザーには、身体のタイプについて3つの選択肢141〜143、くちばしのデザインについて3つの選択肢144〜146、および羽毛のデザインについて3つの選択肢147〜149が提示される。現在の実施態様において、これらの選択肢のそれぞれは、他とは独立したものとしうる。さらに、図5Bで図示したユーザーインターフェースの第二の部分150において、ユーザーには、化身の目を描写する方法について1〜3組の選択肢が提示される。この実施態様でユーザーに提示される特定のセットは、以下のとおり、ユーザーが身体のデザインについてどの選択をしたかに依存し、すなわち、ユーザーが身体のデザイン141を選択したばあいには、ユーザーには、目151〜153が提示され、どれか一つの対を選択することができ、ユーザーが身体のデザイン 142を選択した場合には、ユーザーには、目154〜156が提示され、どれか一つの対を選択することができ、またユーザーが身体のデザイン143を選択した場合には、ユーザーには、目157〜159が提示され、および一つの対を選択できる。上述のとおり、ユーザーはまた(またはその代わりに)身体の色など、一つ以上の他の視覚的特性を選択することもできる。より一般的に、上記の例は単に例示的なものであり、他の実施態様においては、ユーザーは、本明細書で特に考察した任意の視覚的特性の代わりに、またはそれに加えてその他任意の視覚的特性を指定することができることに注意すべきである。
【0048】
上記の例で示したとおり、特定の視覚的特性について利用可能な属性の組は、(1)別の視覚的特性について行った選択に依存する場合と、(2)そうしたその他の選択に依存しない場合のいずれかがある。例えば、図5Aにおいて、考えられる目の組(151〜153の組、前記154〜156または157〜159の組)は、選択した身体のスタイル(それぞれ、身体のスタイル141〜143)に依存し、すなわち、異なる身体のスタイルを選択することで、結果として利用可能な目の完全に異なる組がユーザーに提示されることになる。一方、くちばしの組144〜146および羽の組147〜149は、どの身体のタイプが選択されているかにかかわらず同じである。
【0049】
図6は、ユーザーインターフェース140および150によってデザインした完成した化身175の例を図示したものである。具体的には、化身175のデザインにあたり、ユーザーは、身体のタイプ143、くちばし 146、羽149および目158(身体タイプの選択143に基づき提示された目157〜159を含む組から)を選択した。
【0050】
ユーザーが本人の化身の外観をカスタム化できる従来的な他のサイトと異なり、ユーザーにより選択される視覚的属性のうち少なくともいくつかは、結果的な化身が他の化身と音楽的に相互作用する方法、および/または別の化身と相互作用していないとき(例えば、単独でいるとき)に音楽を演奏する方法に影響を及ぼすことが望ましい。個別の視覚的属性と対応する音楽的属性との間の対応は、(例えば、ユーザーが本人の化身の外観をデザインする時点で)グラフィカルユーザーインターフェースによりユーザーに知らされることが望ましい。
さらには、それぞれの視覚的特性は、音楽特性に対応することが望ましく、例えば、身体のタイプ、色、羽のタイプ、目およびくちばしがそれぞれ、音楽のスタイル/感覚(例えば、ジャズ、チャチャチャまたはコンガ)、音声/トーン(例えば、ソプラノ、アルト、テノール、バリトンまたはバス)、楽器タイプ(例えば、ホーン、弦楽器または打楽器)、および/または上記のいずれかの任意のサブカテゴリー(例えば、ニューオリンズジャズまたはシカゴジャズ)に対応していることが望ましい。
【0051】
上述のとおり、視覚的特性およびそれらの組の属性は、一対一で音楽的特性および属性にそれぞれ対応することが望ましい。したがって、一つの視覚的特性について利用可能となっている属性の組が異なる視覚的特性について行った選択に依存するという少なくとも一つの理由は、一つの視覚的特性について利用可能となっている属性の組が異なる視覚的特性について行った選択に依存するという属性に応じて、異なる音楽特性についてそれまでに選択されている属性に応じて異なる音楽属性が利用できるということが考えられる。システム10のデザイナーが、視覚的属性と音楽的属性との間に一対一対応をもたせることを希望する場合には、それ以前の選択が、後の選択で利用可能な属性の組に影響を及ぼすことが望ましい(例えば、ユーザーが楽器クラス「ホーン」に対応する属性を選択した場合には、特定の楽器の選択について利用可能な属性の組は、ユーザーが楽器クラス「弦楽器」を選択した場合とは異なる)。別の方法として、他の実施態様において、その他の特性についての選択と独立して、同じ組の視覚的属性が利用できるが、対応する音楽的属性という点でのその意味は、その他の特性について行った選択に応じて異なることがある(例えば、特定の目のスタイルは、楽器クラス「ホーン」がそれまでに選択されている場合には「トランペット」を表すが、楽器クラス「弦楽器」がそれまでに選択されている場合には同一の目のスタイルは「チェロ」を表す)。
【0052】
同様に、視覚的特性の組、およびそれに対応する音楽特性またはその他の特性は、化身のタイプなどユーザーによってなされた基本的な選択に応じて異なることがある。一例において、ユーザーはまず、動物の組から選択でき、次にカスタム化する視覚的特性は選択した動物に特定のもの(例えば、あるものは鳥についての視覚的特性の組、また別の組は犬について)から選択できる。ただし、こうしたケースにおいても、視覚的特性は共通の音楽的特性の組にマップすることが望ましい。
【0053】
任意のイベントにおいて、視覚的特性に関連してこうした選択がなされた後、対応する属性がまとめて組み立てられて、化身の全体的な視覚的表現が提供される。音楽的特性への影響に加えて、こうした視覚的選択の任意または全ても同様に(またはその代わりに)、歩き方および/または踊るスタイルなど、化身のその他の形態に影響を及ぼしうる。別の方法として、または加えて、ユーザーは、これらのその他の特性のうち任意または全てについての属性を、視覚的特性に関する選択とは独立して、直接選択する能力をもつことができる。
【0054】
この点について、本明細書で使用するとき、「視覚的特性」および「視覚的属性」という表現は、アクションベースの特性に対して、化身が移動していないときでさえも存在しかつ見える化身のなんらかの形態の外観のことを意味することが注目される。本発明の望ましい実施態様の一形態は、一つ以上の化身の視覚的特性を単にカスタム化することにより、本人の化身の一つ以上のアクションベースの特性(特に音楽的特性)をカスタム化する能力をユーザーに提供することである。
音楽的相互作用テクニック
【0055】
図7は、本発明の代表的実施態様による、クライアント装置25〜28およびサーバー20の間の一定の通信を図示したブロック図であり、化身間での音楽的相互作用に関する通信を特に強調している。図示したとおり、この実施態様において、サーバー20には、仮想環境を生成するモジュール190が含まれる。一般に、生成モジュール 190は、内蔵モデルに基づく仮想環境を生成するソフトウェアモジュールである。次に一般にその内蔵モデルが、少なくとも本質的部分において、システムのデザイナー10によって作成される。
【0056】
上記の例を踏まえて、モジュール190により生成される仮想環境は、主にアイランドとして構成される。化身が仮想環境内を移動すると、他のユーザーによって操作される他の化身に遭遇する。上述のとおり、仮想環境の各種の形態は、少なくとも当初は、サーバー20またはシステム10のデザイナーにより、生成されたものである。ところが、一定の実施態様において、ユーザーは、生成された仮想環境の初期設定をそのそれぞれの化身によって、例えば、そうした化身を使用して、新しい構造を作成したり、既存の構造を修正したり、樹木およびその他の植物を植えたり維持したり、既存のアイテムの場所を並べ替えたり、これに類似した方法によって、変更することができる。それに応答して、サーバー20は、それに従い保存された仮想環境のモデル51を変更する。
【0057】
現在の実施態様において、サーバー20には、システム10のユーザーおよび/またはそれらの化身に関連した情報を格納するためのデータベース192も含まれる。データベース192に格納された情報には、化身についての識別(ID)コードが含まれることが望ましく、そのため、これは、少なくとも部分的に上記で考察した化身の属性選択から構成されることが望ましい。言い換えれば、こうした全ての選択した属性は、ときには化身に関する他の情報と組み合わせて、集合的にシステム10に対して化身を識別すする。
【0058】
現在の実施態様において、上記のとおり、サーバー20により格納されているが、こうした化身IDコードは、代わりにユーザーのクライアント装置に単にローカルに格納することができる。いずれにしても、こうしたIDコードを、ジェネレータ190に供給して、そこで対応する化身を適切に表現・アニメーション化し、またそのための音楽およびその他の音声を提供することが望ましい。一定の実施態様において、これらの化身に関連した機能は、ユーザーによる(化身のIDコードに加えて)リアルタイム操作にも基づく。
【0059】
図示したとおり、図7に示す実施態様のサーバー20には、音楽的構成、配列および/またはセグメントを格納するためのデータベース195も含まれる。望ましい実施態様において、音楽はデータストア192内の特定のIDコードに関連して、および/またはこうしたIDコードの組み合わせに関連して、データベース195内に格納される。
【0060】
クライアント装置25〜28は、これらの様々なサーバー組み合わせ20と、直接的および間接的の両方で、多数の異なる方法で相互作用することができることが望ましい。例えば、上記に既に記載したとおり、各ユーザーは、ジェネレータ190により作成された仮想環境内で化身として表現されることが望ましい。ユーザーは、化身についての属性120を選択し、それによってデータベース192内の化身のIDコードに対応する変化を直接的にもたらすことにより、本人の化身の各種の特性を修正することができることが望ましい。本明細書で説明した化身の特性のほとんどは、化身の外観によって明らかになるが、一定の発明の実施態様において、データベース192には、視覚的には表現されない少なくともいくつかの化身の特性が格納される。
【0061】
現在の実施態様における個別のクライアント装置25〜28とサーバー20との間の通信のその他の主なカテゴリーは、ジェネレータ190により生成された仮想環境内でのクライアント装置25〜28の相互作用203(または、より具体的には、それらの対応する化身の相互作用)によって発生する。この点について、それぞれのクライアント装置25のユーザーインターフェースは、対応するユーザーが仮想環境全体内で本人の化身を移動させることができ、またその化身が他のユーザーの化身と相互作用することができることが望ましい。下記により詳しく考察するとおり、一定の発明の実施態様において、こうした相互作用203により、例えば:(1)結果的に、音楽ライブラリ195からの音楽的構成、配列および/またはセグメントを使用した演奏がなされるか(これは、さらには、相互作用する化身についての識別コードに基づくことが望ましい)、および/または(2)相互作用する化身についての識別コード192に影響を与えることができる。
【0062】
一定の実施態様において、相互作用203によって、結果的に、追加的な音楽的構成、配列および/またはセグメントが音楽ライブラリ195に保存されるようにできる。例えば、下記にさらに詳しく記載する一定の状況において、新しい音楽の作成および/またはユーザーにより提供された変形がライブラリ195に追加される。
【0063】
同様に、上記で考察したとおり、一定の実施態様において、相互作用203によって、ユーザー自身の化身への単なる修正を超えて、ジェネレータ190により生成された仮想環境を変化させることができる。例えば、Second Life?サイトと同様に、一定の実施態様では、ユーザー(例えば、それらの化身によって)が、構造物を作成または変更することができ、これがその後、仮想環境の一時的または永久的なパーツとなる。
【0064】
本発明の一形態は、仮想環境内の化身間での相互作用に基づく音楽列の自動生成である。こうした特色を取り入れた一定の実施態様を、ここで図8に示すプロセス230を参照しながら記述する。プロセス230のステップは、プロセス230全体が、コンピュータ読み取り可能媒体からコンピュータ実行可能なプロセスステップ(これには複数のコンピュータ読み取り可能媒体に分割されたこうしたプロセスステップも含まれうる)を実行することで、または本明細書に記載したその他任意の方法によって実行できるよう、完全に自動化された方法で実行されることが望ましい。通常、一定の実施態様において、こうしたステップのうち一つ以上は、相互作用する化身をコントロールしているクライアント装置25〜28により実行(全体またはその一部)されるが、プロセス230の全てのステップは、サーバー20により実行される。
【0065】
図示したとおり、プロセス230の開始点は、トリガーイベント231であることが望ましい。以下のステップでより詳しく考察するとおり、少なくとも一つの音楽列は、所定のトリガーイベント231に応答して開始されることが望ましい。トリガーイベント231は、対応するクライアント装置25のキーボードの特定のキーを押すなど、任意に定義されたイベントとしうる。ところが、他の実施態様において、トリガーイベント231は、2つの化身間の相互作用に関連したものである。例えば、代表的実施態様の一つの組では、トリガーイベントは、仮想環境内での2つの化身の近接度である(またはそれが含まれる)。こうした近接度は、最小空間的距離として指定したり、および/または視覚的近接度、すなわち、第一の化身が第二の化身を確認する能力に関連させることができる。特定の一実施態様において、少なくとも一つの潜在的なトリガーイベント231は、単に第一の化身が第二の化身を見ること、または第一および第二の化身の両方が互いに見ること(例えば、一方の化身が他方を見たとき、その頭が他の方向を向いていて、かつ仮想環境内で2つの化身の間に視覚的障害物がない)である。
【0066】
こうして、この後者の場合において、第一のユーザーは、(本人自身の化身の目によって)第二のユーザーの化身を見ることができ、また第二の化身が異なる方向を見ていることも観察することができる。この場合には、第二の化身が第一のユーザーの化身の方を向き、それによってトリガーイベント231が発生するように、第一のユーザーは、本人の化身に第二の化身に呼びかけさせるか、またその他の方法でその関心を引かせることができる。なおさらなる実施態様において、潜在的なトリガーイベント231には、互いに手を振って合図するか、またはそれ以外の方法で互いに信号をおくる2つの化身が関与する(すなわち、互いに見るだけ以上のことが関与する)。
【0067】
トリガーイベント231は、連接的および/または離接的な組の任意の条件またはイベントが含まれるように 、希望する任意の方法で定義できることが注目される。例えば、トリガー231は、互いに挨拶をする2つの化身として定義できるが、ここで「挨拶」という用語は、例えば、手を振る、「ハイ」または「ハロー」という、その他任意の所定の挨拶内容またはゼスチャーをする、または他方の化身に対して任意の言葉を何か話す(例えば、他の化身に十分に近い距離内で向かい合っている間、使用する音声ボリュームに比例して)などのうちいずれかを含むものとして定義される。最後に、トリガーイベント231は、単に音楽列または「ジャム」の演奏を希望する両方の化身からの表示としうる。言い換えれば、本発明による演奏の開始は、完全に手動(例えば、演奏を開始する特定の命令)、仮想環境内で指定した出来事に応答して自動的、またはその両方の組み合わせ(例えば、「開始」ボタンをクリックすることと、仮想環境内での指定した出来事との組み合わせ)としうる。いずれの場合も、プロセス230のステップは、有効なトリガーイベント231の発生によってのみ実行されることが望ましい。
【0068】
ステップ232において、音楽列が、第一の化身について選択される。図8に示すとおり、第一の音楽列の選択は、第一の化身についての一つ以上の(望ましくは、視覚的な)属性244、および/または第二の化身についての一つ以上の(これも、望ましくは、視覚的な)属性245に基づくものとしうる。一つの代表的実施態様によれば、このステップ232で選択した音楽列は、第一の化身について一つ以上の所定の特性および第二の化身について一つ以上の所定の特性を用いたテーブルルックアップに基づくものであり、例えば、音楽列は、対応する属性の考えられるそれぞれの組み合わせについて事前に格納されている。上述のとおり、こうした特性には、視覚的−音楽的な対が含まれることが望ましい。
【0069】
例えば、ユーザーが2つの異なる音楽的(または視覚的−音楽的な対)な特性についての属性を選択できる場合に、一方の特性(色など)が4つの潜在的な属性値を持ち、および他方の特性(身体のタイプなど)が3つの潜在的な属性値を持つ場合には、ユーザーの化身について合計で12の異なる組み合わせがある。他の化身のユーザーにも同じ選択肢が利用可能であると仮定すると、2つの化身間で、144の異なる組み合わせが存在し、これは両方の化身の特性が考慮される実施態様において、公称数144の異なる音楽列を格納でき、第一および第二の化身間での属性の組み合わせに基づき、適切な音楽列が選択されることを意味する。別の方法として、選択した音楽列が、第一の化身の属性にのみ基づく場合には、公称数12の異なる音楽列を格納しうる。一方、複数の属性の組み合わせが同じ音楽列をポイントする場合、あるいは下記により詳しく考察するとおり、音楽的特性のうち1つが事前に格納されたベースの音楽列への固定的リアルタイム変更として表現されている場合、より少ない音楽列が格納されうる。同様に、追加的な音楽列が格納されうる。例えば、属性の特定の組み合わせが一つ以上の音楽列にマップされている場合、そこで他の条件(例えば、時刻)、またはその他任意の根拠に基づき、マッチする音楽列の一つが無作為に選択される。
【0070】
少なくとも一定の音楽的特性に関して、一定の実施態様において、異なる属性によって、必ずしも結果的に異なる音楽列が格納されることにはならず、事前に格納されたベースの音楽列への固定的リアルタイム変更となることが注目される。例えば、ベースの音楽列は、一定の音楽的特性について選択された特定の属性に関するものに基づき、(例えば、楽器音、ピッチ、キーまたはオクターブの変化により)格納した後に変更できる。
【0071】
ステップ233において、ステップ232で選択した音楽列が、第一の化身により演奏される。つまり、音楽列は、第一の化身がそれを演奏しているように見えるような方法で演奏されるが、例えば、第一の化身に第一の音楽列(すなわち、視覚的合図を使用)に従い移動および/またはゼスチャーを自動的に実行させることにより、および/または音楽列を第一の化身(すなわち、音声の合図を使用)の「音声」(例えば、楽器)で演奏することによる。視覚的合図の場合、こうした移動および/またはゼスチャーは、対応する音楽列に関連して格納されることが望ましい。音声による合図の場合には、(例えば、化身の割り当てられた楽器用のシンセサイザーを用いて)音楽列は、適切な音声の合図と共に格納されるか、そうでなければ、標準形式で格納されるかで、その後適切な音声の合図に基づき変更される。
【0072】
下記により詳しく考察するとおり、ステップ232で選択した音楽列 の演奏は、
は、固定でなく、第一の化身の音楽的特性に基づき変化することが望ましく、また、第二の化身の音楽的特性にも基づくことがさらに望ましい。この点について、参加するそれぞれの化身は、対応する組のユーザーカスタム化可能な視覚特性を持ち、その一部または全部が化身が表すユーザーによって修正されていることが望ましい(その他は、潜在的にデフォルト値のまま残されている)。こうして、音楽列の選択(ステップ232)、および音楽列の演奏(ステップ233)の方法のどちらも、第一の化身のユーザーカスタム化可能な視覚特性(または、代替的に、ユーザーカスタム化可能な音楽特性)の組についての現在の設定に基づくことが望ましく、また第二の化身のユーザーカスタム化可能な視覚特性(または、代替的に、ユーザーカスタム化可能な音楽特性)の組についての現在の設定にも基づくことがさらに望ましい。望ましい実施態様において、第一の化身のユーザーカスタム化可能な音楽特性が主に影響を及ぼす。
【0073】
一定の実施態様において、第一の音楽列の演奏は、完全に自動化されるが、これはいったん選択されると完全に所定のものとなることを意味する。ところが、他の実施態様において、音楽の演奏は、ダイナミックにリアルタイムで変更される。こうした一定の実施態様に従い、こうした変更が影響する一つの方法は、本人のクライアント装置25のユーザーインターフェースを通して音楽の演奏に対してユーザーになんらかのコントロール247を許容することである。
【0074】
例えば、一定の実施態様において、クライアント装置25のユーザーインターフェースには、選択した音楽列演奏の一つ以上の形態を変更するためのコントロール、例えば、選択した音楽列が演奏されるテンポの変更(早くするか、または遅くする)、および/または演奏される実際のメロディ(すなわち、音符の組み合わせ)を変更するなどが提供されている。
【0075】
後者について、例えば、一定の実施態様において、(1)基本的な音楽列がライブラリ195内に全体的なコード構造範囲内で許容可能な変形と共に格納され、および(2)クライアント装置25のアルファニューメリックキーボードまたはキーパッドのキーが、こうしたメロディーの変形が発生するかどうか、およびどのように発生するかをコントロールする(例えば、一般には音符が高くなるか低くなるかであるが、現在の和音による特定の音符について、および/または個別の音符をどの程度長く保つかの制御に制約がある)。一定の実施態様において、ユーザーは、さらに(または代わりに)、クライアント装置25のアルファニューメリックキーボードまたはキーパッドのキー(そのそれぞれが特定の音符に対応している)を演奏することで、メロディを完全にコントロールできる。
【0076】
上記の実施態様は、クライアント装置25に装備されている標準ユーザーインターフェース(一般に、アルファニューメリックキーボードまたはキーパッド)の使用を強調した。代替的な実施態様において、ユーザーは、周辺装置を取り付け(例えば、USBなどの有線接続により、またはBluetoothなどの無線接続により)、そうした周辺装置を使用してメロディをコントロールすることができる。望ましい実施態様において、こうした周辺装置は、ユーザーの化身が演奏するかまたは複製している実際の楽器など、実際の楽器と類似するかまたは同一となるように構成される。例としては、ピアノの鍵盤の電子版、ギター、ドラム、トランペット、サクソホーン、フルートまたはバイオリンが含まれうる。こうした周辺装置は、音楽教育にとって特に有用であり、本発明で意図されている仮想環境内での相互作用が許容され、またその過程で異なる楽器および/または音楽理論について実際に学習できることが注目される。
【0077】
これらの理由から、通常の楽器相当物と比較して、周辺装置を変更することが望ましいことがよくある。例えば、本発明のピアノ鍵盤周辺装置に、どの音符が現在演奏中であるか、および/または現在の和音に従いどの音符の演奏が許容されるかを示す、発光するキーを搭載することができる。
【0078】
同様に、ギター周辺機器は、別な方法で実際のギターに似せたものであるが、弦の代わりにフレットに沿って、および/または通常の場合に弦がひかれる部分の本体に、発光するボタンを使用することができる。後者については、ときとして個別の音符のみが演奏される場合にはボタンが望ましく、また、かき鳴らすことが意図されている場合には弦または同等なセンサーが一般に望ましい。
【0079】
なおさらに、本発明の吹奏楽器周辺装置に、正しい吹奏技術を学習することなく子供が即座に音楽を演奏し始めることができるように、機械的リードの代わりに、空気流センサーを搭載することができる。こうした吹奏楽器周辺装置には、学習をより直感的なものにするための発光ボタンを搭載することもできる。
【0080】
上記に示したとおり、本発明は、いくつかの異なる動作モードを意図している。第一に、主に初心者向けであるが、ユーザーは、それぞれ個別の音符に対する完全なコントロールなしに演奏されている音楽に影響を及ぼすことができる。第二の段階において、ユーザーは、潜在的に発光ボタンのガイドによって、それぞれ個別の音符を(少なくとも、希望の時間の間)コントロールする。標準アルファニューメリックキーボードまたはキーパッドを使用することも考えられるが、これらの理由から、一定の実施態様において、ユーザーは、演奏される実際の楽器をより適切に表し、学習プロセスを促進する追加的な特徴(例えば、発光ボタン)が装備されている、周辺装置を入手して使用することが推奨される。
【0081】
ステップ235において、第二の音楽列は、第二の化身用に選択される。この選択に関連する考慮事項は、ステップ232に関連して上記で説明した第一の音楽列の選択と類似している。ここで、選択は、第二の化身の(望ましくは、視覚的な)属性に基づくか、または第一および第二の両方の化身の(これも、望ましくは、視覚的な)属性に基づくものとしうる。加えて、またはその代わりに、選択は、第一の音楽列(すなわち、ステップ232で選択した配列)に基づいてなしうる。概して、第二の音楽列は、第一の音楽列と同時進行的に演奏され、したがって第一の音楽列と関連しているべきであることが意図されるため、第二の音楽列は、このステップ235で、(1)第一の化身の一つ以上の属性または(2)選択された第一の音楽列のうち少なくとも一つに基づき、選択されることが望ましい。
【0082】
ステップ236において、第二の音楽列(ステップ235で選択)は、第二の化身により演奏される。この場合もそうであるが、また本明細書全体を通して、「〜によって演奏」は上述したものと同じ意味で使用される。第二の音楽列の少なくとも一部(例えば、全て、実質的に全てまたは少なくとも大半)は、第一の音楽列(例えば、それと伴奏して)と同時進行的に演奏される。第一の音楽列と同様、一定の発明の実施態様において、第二の音楽列も、例えば、第二の化身をコントロールするクライアント装置25に取り付けたユーザーインターフェースによりリアルタイムで、、コントロールされうる248(例えば、変更されうる)ことが望ましい。
【0083】
上記の考察と同様に、ステップ235で選択した音楽列の演奏(選択および演奏される方法の両方について)は、固定ではなく、第二の化身の音楽的特性に基づき変化することが望ましく(そのため、これは選択した視覚的特性に依存することが望ましい)、また、第一の化身のそれらにも基づくことがさらに望ましい。望ましい実施態様において、第二の化身のユーザーカスタム化可能な音楽特性が主な影響を及ぼす。
【0084】
両方の化身が互いに同時進行的に演奏する状況で、一方または両方のユーザーが、演奏中の音符または現在の和音を構成する音符を示す発光ボタンまたは別の表示インターフェースが搭載された上記に記載した別個の楽器周辺装置を使用している場合、こうしたユーザーは、本人自身の化身により演奏中のメロディ、または他の化身により演奏中のメロディのいずれかを反映するように、本人の楽器を切り替える能力をもつことが望ましい。ただし、各ユーザーは、多くても本人自身の化身により演奏されるメロディをコントロールする能力のみを持つことが望ましい。
【0085】
上記の考察において、また図8においても、ステップ235および236は、ステップ232および233の後に発生することを示す。ただし、そうではなく、ステップ235および236は、ステップ232および233の前に、またさらには同時進行的に発生しうることに注目すべきである。後者の場合に、両方の化身が音楽列を演奏する状況で、2つの音楽列により定義される全体的構成は、2つの化身の(望ましくは、視覚的な)属性(例えば、ユーザー選択の視覚的属性)の組み合わせに基づき選択されることが望ましい。例えば、構成は、2つの化身により表される楽器およびそれら2つのスタイルのフュージョンに基づき選択および/または演奏される。
【0086】
音楽的構成は、その全体を既存の音楽ライブラリ(例えば、ライブラリ195)から選択することも、ライブラリ195内の適切な音楽セグメントを使用して進行中に組み合わせることで選択することもできることが注目される。いずれの場合でも、音楽的構成全体または構成を形成する個別の音楽セグメントのどちらも、対応する識別コード値(または値の範囲)にそれら(例えば、作曲者によって割り当てられたもの)を関連付けしうる。したがって、一つの実施態様において、構成全体の選択には、一緒に演奏する全ての化身についての識別コードセットと一致する(または少なくとも十分に近接した)構成の検索が関与する。別の実施態様において、音楽セグメントの部分集合が同様な方法で選択され、個別のセグメントが構成に組み込まれる。
【0087】
後者については、個別の音楽セグメントを単一の構成に組み合わせることができる方法は、個別の音楽セグメントが構成された方法に依存することが望ましい。例えば、単純な和音の組を使用して構成したとき、異なる音楽セグメントを任意の(例えば、無作為な)順序で組み合わせることがよく考えられる。一実施態様において、それぞれの化身は、その8つの鍵盤を演奏し、一緒に順序どおりに演奏するとき、和音とメロディが構成される。別の実施態様において、8つの鍵盤が無作為にシャッフルされ、任意の順序で演奏でき、2つのこうしたシャッフルした配列が一緒に演奏されたとき、和音とメロディが構成されるが、これは、非常に単純な和音の組で音楽を構成することで達成することが望ましい。
【0088】
より複雑な実施態様において、ライブラリ195内の個別のセグメントは、他のどの音楽セグメントを一緒に演奏できるか、および他のどの音楽セグメントに従うことができるか(またはどれによって従われるか)を示すラベル付けがなされる。こうしたケースで、異なる化身によって演奏される各種のパートは、こうした規則に従い組み立てられ、新しいそれぞれの音楽的構成をユニークなものとするには、一定の量の無作為抽出を使用することが望ましい。
【0089】
代替的な実施態様において、音楽的構成の選択は、参加する化身の合計よりも少ないため、データベース192内の識別コードに基づく。例えば、一部のケースで、選択は、唯一のこうした化身についてはデータベース192内の識別コードに基づき、また他のケースでは、選択は、こうした任意の識別コードとは独立したものである。下記により詳しく考察するとおり、一定の実施態様において、化身の演奏スタイルは、演奏される音楽的構成に基づき、また一緒に演奏する他の化身のデータベース192内の識別コードに基づき修正される。
【0090】
現在部分がステップ233および/または236で演奏されているときに構成の将来的な部分を提供するために、ステップ232および/または235を実行し続けることができる(すなわち、複数プロセッサの使用またはマルチスレッド環境の使用のいずれかにより、両方のステップが同時進行的に演奏されるように)ことが注目される。このアプローチの一つの利点は、これによって、例えば、構成の演奏中に新しい化身が参入したときなど、新しい状況に基づき、構成の適応ができることである。
【0091】
参加する化身は、単一の曲を多数の異なる任意の方法で協同的に演奏できる。例えば、化身全員が調和してまたは別の方法で同時進行的に演奏することができる。別の方法として、ある化身が「Happy...」と歌い、別の化身が「...Birthday...」と歌い、第三の化身が「...To...」、第四の化身が「...You...」と歌うといった具合に、化身は順次に演奏することができる。なおさらに、複数の化身が単一の曲を演奏するときに、これらの演奏パターンの任意の組み合わせを組み込むことができる。化身は、楽器をシミュレートして、および/または例えば、人の声でまたは漫画的な人のような声で実際に歌うことにより、音楽を演奏できることが注目される。
【0092】
上記の考察は、一般に、2つの相互作用する化身に対応する2つの音楽列が呼応して演奏する例が意図されている。ところが、一定の実施態様においてまたは一定の状況において、例えば、ステップ235および236が省略されるように、単一の化身だけが、特定の相互作用に応答して音楽列を演奏する。
【0093】
同様に、上記の配列では、2つの化身の間の相互作用が意図されているが、一定の実施態様において、および/または特定の実施態様内での一定の状況において、3つ以上の化身が互いに相互作用し、それに応答して、例えば、3つ以上の対応する化身により3つ以上の音楽列が演奏されるように(例えば、同時進行的にまたは多様に同時進行的および順次的に)、音楽的構成を一緒に同時進行的に演奏する。こうした一つの例において、2つの化身が、互いに出会い、演奏し、第三の化身がそのグループの加わった後、第三の化身が全体的音楽構成の第三のパートを演奏することにより加わる。
【0094】
上記の考察は、主に、それによって化身が自動的に単独または互いにのどちらかで、トリガーイベント231に応答して演奏するようにしうる各種の技術に関する。こうした自動演奏は、データベース192内に格納された参加する化身のIDコードに応答してアクセスされた事前に保存された音楽列に基づくことが望ましい。さらに、ステップ238において、演奏の変更は、時間経過に伴い発生することが望ましい。上記に既に記載したとおり、こうした変更が発生しうる一つの方法は、個別のユーザーが、例えば、その対応するクライアント装置25〜28のユーザーインターフェースを操作することにより、その対応する化身によって演奏される音楽列に対していくらかのコントロールをもつことである。一般に演奏中の音楽への自動修正が関与する他の技術については、例えば、図9〜12を参照しながら、下記に記述する。
【0095】
ステップ239において、任意の追加的なユーザー提供の音楽列が全体的なパフォーマンスに追加される。上記で既に考察したとおり、一定の実施態様において、ユーザーは、その対応する化身のそうでなければ完全に自動化された演奏に対して、なんらかのコントロールを持つ。さらに、一定の実施態様において、ユーザーは、また(またはその代わりに)、例えば、それらのクライアント装置25〜28に取り付けられたユーザーインターフェースを通じて、こうした新しい音楽列(それらの化身の演奏を変更するために上記で説明した方法と類似した、任意に、または指定された制約内でのいずれかで)を作成することにより、全く新しい音楽列を全体的な演奏に追加することができる。こうして、例えば、2つの化身が一緒に演奏すると、2つの対応するユーザーのそれぞれが、本人自身の音楽パートを提供することがあり、結果的に最高4つのパートを持つ構成となる。
【0096】
上記の考察では、一つ以上の化身が音楽を演奏している間に、ユーザーがそれらの化身の演奏を変更し、および/または追加的な音楽パートを追加する能力について話題にしている。本発明の一定の実施態様の別の形態は、ユーザーが音楽をオフライン(すなわち、リアルタイムではなく)変更および/または作成することである。例えば、一部の実施態様において、ユーザーは、ユーザー自身の化身と関連した音楽列など、音楽列をダウンロードすることができる。次に、ユーザーは、例えば、上述の技術のいずれかを使用して、ダウンロードした音楽列を変更できる。ただし、こうした変更は、リアルタイムでは発生しないため、ユーザーは、音楽列を遅くし、任意の配列の異なる部分を編集し、潜在的に音楽列の楽譜を表示し、様々な異なる任意の方法で編集し(例えば、周辺機器楽器を使用、または楽譜内の音符を変更するなど)、および/または同じ部分の異なる改訂/版を試すなどの能力を持つことが望ましい。
【0097】
類似した考慮事項が、ユーザーが全く新しい音楽列を作成できる実施態様に適用される。ただし、こうした新しい音楽列が演奏されることが意図されている状況においては、少なくとも一部の状況において、別の化身により演奏される音楽列とともに、新しい音楽列は、指定した和音テンプレート内に収まる必要があることが望ましい。この場合も、リアルタイムでか、またはオフラインでのいずれかで、新しい音楽列の生成のため、または既存の音楽列の変更のために、上記で考察した全ての技術を、この目的でも同様に使用することができる。
【0098】
ユーザーが本人の変更および/または新しい作成にいったん満足すると、一定の実施態様において、ユーザーは、新しい音楽列を本人の化身による将来的な演奏用に保存する能力を持つ。一方、一部の実施態様において、こうした新しい音楽列の保存は、少なくともなんらかの目的で、サーバー20により調節される。例えば、特に、データベース195内の音楽列がシステム10内の全ての化身について利用可能とされる実施態様において、新しい音楽列の挿入(既存の配列からの派生であるか、または全く新しい作成であるかに関係なく)には承認を必要とする。例えば、最終的な承認には、他のユーザーによる投票プロセス、および/またはシステム10の管理者による承認の任意の組み合わせを必要としうる。他のユーザーによる何らかの形での関与が、コミュニティーの促進のために望ましいことがよくある。グループ承認に加えて、またはその代わりに、コミュニティー関与は、当選した音楽セグメントのみがデータベース195に追加されるコンテストとして承認プロセスを構成することで向上させることができる。
【0099】
上記の考察から明らかなとおり、プロセス230のステップは、様々な異なる任意の配列で演奏でき、一部のケースでは、複数のステップを同時に演奏することもできる。同様に、プロセス230全体を、自動的に(単一のトリガーイベント231により自動的に複数の構成が演奏される場合など)、または別のトリガーイベント231の発生に応答してのいずれかで反復することができる。
【0100】
図9は、本発明の代表的実施態様による2つの化身間での相互作用プロセス280を示す流れ図である。望ましい実施態様において、プロセス280のステップは、コンピュータ読み取り可能媒体からコンピュータ実行可能なプロセスステップ(これには、複数のコンピュータ読み取り可能媒体に分割されたプロセスステップが含まれうる)を実行することにより、プロセス280全体が演奏できるように、完全に自動化された方法(例えば、サーバー20により)で、または本明細書に記載した他の任意の方法で演奏される。
【0101】
当初、ステップ282において、トリガーイベント231が発生したかどうかについての判断がなされる。発生した場合、処理はステップ283に進む。
【0102】
次に、ステップ283において、構成が2つの化身についてのIDコード(例えば、データベース192内)に基づき選択されたかどうかについての判断がなされる。望ましい実施態様において、この判断は、状況に基づき(例えば、ステップ282において第二の化身についてのトリガーイベント231が発生したときに化身の一つが既に演奏していたかどうか)、2つの化身の識別コードに基づき(例えば、強力な個性、または興奮した気分を示すIDコードをもつ方は、他方からの同意なしに演奏を始めることがある)および/または無作為抽出により(例えば、相互作用のダイナミクスを新たな状態に保つため)なされる。ステップ283における判断が肯定された場合には、ステップ285で構成が選択され(例えば、両方の組の識別コードに基づき)、ステップ287でその化身は一緒に演奏を始める。
【0103】
一方、同意に至らなかった場合には、ステップ291において、化身の一つが演奏を始める。いくらかの時間の遅れの後、ステップ292で他方の化身が加わる。このアプローチは、一人の音楽家が他方を聞いた後で、本人自身のスタイルを他方のスタイルに適応するかを特定したときに参加するといった、様々な状況をシミュレートするものである。同時に、遅れによって、時には、複数パートの音楽的構成を作成するための追加的な先行時間が提供可能である。
【0104】
いずれの場合にも、2つの化身がいったん一緒に演奏を始めると、ステップ294で、様々な異なる任意の音楽的相互作用が2つの化身間で発生する。例えば、また下記により詳しく考察するとおり、それぞれの化身は、その独自のスタイル間を交互に演奏し、およびそのスタイルと他者のスタイルを一部ブレンドすることが望ましい。同時に、それぞれの化身は、順に音楽的構成の優位を占めることができ(またそのため、その個別の音楽スタイルをより多く反映する)および/または化身はそれらのスタイルを融合するか、またはそれら個別のスタイルの補完的なラインを演奏するかで、だいたい等しく演奏することができる。さらに、音楽的構成は、時には、化身が一緒に演奏するところ(例えば、調和した異なるライン)と、順次に演奏するところ(例えば、同じラインの部分を交互にであるが、それぞれがそれ独自の個別のスタイルにより演奏する)とのセグメント間で変化することがある。
【0105】
最終的に、ステップ295において、2つのスタイルがより近く融合する。つまり、2つの化身の間の不和の量が、互いに演奏になれてくると、時間経過と共に減少する傾向にある。現在の音楽的構成の終了とともに、処理はステップ283に戻り、プロセスが繰り返される。このように、多数の異なる構成を、ほぼ無限に変形させて演奏でき、それによって、実際の音楽的相互作用のシミュレーションをする。その上、適切な量の無作為さがシステム10に導入され、自然さが維持できることがよくある。
【0106】
上記の例は、2つの化身が互いに相互作用するひとつの方法のみを記述したものであることが注記される。本明細書で考察した様々な概念の全ては、異なる演奏パターンを達成するために、異なる組み合わせで実施することができる。また、上記の例は、主に二つの化身間の相互作用に焦点をあわせている。ところが、任意の数の化身を、本明細書で説明した任意の方法で、互いに相互作用させることができる。
【0107】
図10は、本発明の代表的実施態様に従い音楽を作成する個別の化身についてのシステムのブロック図を図示したものである。概して、音楽生成システムに対して2つの主要コンポーネントがある。まず、一般にデータベース320(音楽ライブラリ195など)から音楽セグメントが選択された後、パターンが演奏されおよび変形が適用され321、出力される最終的な音楽の形態が決定される335。
【0108】
音楽セグメントの選択は、主題の化身の音楽的特性322および外部情報源(例えば、任意のクライアント装置25〜28またはサーバー管理者20経由の)から入力されたその他の情報323を含む多数の要因に依存することが望ましい。こうした情報323の一つのカテゴリーには、現在の化身と共に演奏する他の化身の識別コード(例えば、データベース192内)に関する、および/または選択された音楽的構成に関する情報325が含まれることが望ましい。上述のとおり、共に演奏することになる化身の特定のグループの性質に応じて、異なる音楽セグメント(例えば、構成全体またはその一部)を選択することができる。
【0109】
この目的から、格納された音楽セグメントは、対応する他の音楽セグメントを示す関連するメタデータを持つことが望ましい。さらに、一定の実施態様において、格納された音楽セグメントは、それらに対応する音楽スタイルを示す一組のスコアを持つ。同時に、一定の実施態様において、化身は、それぞれのジャンルがそれに対して及ぼした音楽的な影響の量を示す一組のスコア(例えば、そのIDコードの一部として)をも持つ。こうして、例えば、現在の化身が強いカントリーミュージックスタイルまたは影響(例えば、カントリーミュージックカテゴリー内で高いコード値)を持つ別の化身と共に演奏している場合には、現在の化身は、高めのカントリーミュージックスコア(すなわち、カントリーミュージックカテゴリー内で高めのコード値)をもつセグメントを選択する可能性が高い。同様に、ベースの構成が既に選択されている場合(例えば、現在の化身からの入力なしに)には、現在の化身により選択されるセグメントは、スタイル、調和などの面で、その構成と一致していることが望ましい。
【0110】
音楽の変形の選択および適用321については、格納されたそれぞれの音楽セグメントは、様々な異なる方法で演奏できることが望ましいことが注目される。例えば、変更しうるいくつかの特性には、全体的なボリューム(増減ができる)、ボリュームの範囲(セグメントがより平らな表現で演奏されるように一定の部分が他よりも強調されるように拡張でき、又は圧縮できる)、キー(希望に応じて調節できる)、楽器、声または音の範囲およびテンポ(速くしたり遅くしたりできる)が含まれることが望ましい。概して、キーおよびテンポは、全体的音楽構成の残りの部分と一致するように設定される。ただし、他の特性は、既存の状況に基づき調節しうる。
【0111】
この場合も、こうした特性の調節は、主題の化身の音楽的(例えば、スタイル)特性322、および現在の化身と共に演奏することになる他の化身の識別コード102に関する、および/または選択された音楽的構成に関する情報325に依存することが望ましい。さらに、新しい音楽セグメント329を、演奏中の全体的音楽335に取り込みうる外部の情報源から供給することができる。一例において、化身には、音楽出力335に取り込むことのできる一組のカントリーミュージックセグメントへのアクセスが与えられる。この特定のケースにおいて、こうした新しい音楽セグメント329は、現在のセッションでのみ使用される。ただし、代替的な実施態様において、一つ以上のこうした新しい音楽セグメント329は、将来的な演奏セッションで使用できるように、現在の化身についての音楽データベース320に関連付けられる。
【0112】
図11は、本発明の代表的実施態様により、所定の化身について現在の音楽演奏スタイル380の成り立ちを示すブロック図を図示したものである。上述のとおり、いくつかの異なる要因が、望ましい発明の実施態様で特定の化身が音楽を演奏する方法に影響し、また任意または全てのこうした要因は、データベース320から音楽セグメントを選択するときにも使用できる。
【0113】
これらの要因の一つは、例えば、化身についての一組の識別コード(例えば、データベース192内)からの、化身のベースの個性381である。例えば、こうしたIDコードには、多数の異なるそれぞれの音楽ジャンルのスコア(例えば、カントリー、50年代ロック、60年代フォーク音楽、70年代ロック、80年代ロック、ディスコ、レゲエ、クラッシック、ヒップホップ、カントリーロッククロスオーバー、ハードロック、プログレッシブロック、ニューエイジ、ゴスペル、ジャズ、ブルース、ソフトロック、ブルーグラス、児童向け音楽、ショー音楽、オペラ、など)、異なるそれぞれの文化的影響のスコア(例えば、ブラジル、アフリカ、ケルト、など)および異なる個性タイプのスコア(例えば、荒々しいまたはのんびり)などが含まれうる。下記で考察するとおり、ベースの個性コード381は、相対的一定にするが、時間経過とともにいくらか変化することが望ましい。さらに、ユーザーは、例えば、こうした特性を本人のクライアント装置25にあるユーザーインターフェースを通じて修正することにより、ベース個性コード381に対して相対的に急激な変化を行う能力を持つことが望ましい。
【0114】
現在のスタイル特性380に潜在的に影響を及ぼす別の要因は、化身についてそれを表すユーザーにより選択された現在のムード384である。例えば、楽しい、悲しい、愁い、ワクワク、怒り、平和、イライラ、おおらか、積極的、などのうち任意または全てを含む群から一つ以上の値を選択することができる。
【0115】
現在のスタイル特性380に潜在的に影響を及ぼす別の要因は、対応する音楽的特性にリンク付けされている身体のスタイル、色、目、くちばしおよび/または羽などの特性についての視覚的属性383の選択である。一定の実施態様において、視覚的属性は、音楽的属性に対応するか、または対応する音楽的属性を反映する。例えば、カウボーイハットの追加は、強力なカントリーミュージックの影響を受けたコード192に対応しえ、またドレッドロック(ヘアスタイル)の選択は強力なレゲエ影響コード192に対応しうる。さらに、異なる属性によって、一定の発明の実施態様において、スタイルのフュージョンが起こりうる。
【0116】
現在の演奏スタイル380に影響を及ぼしうるなおさらなる要因は、化身がかかわっている現在の相互作用382である。つまり、一定の実施態様において、化身は一緒に演奏している他の化身により即座に影響を受け、例えば、結果的に、化身はそれ自身の個別のスタイルと、共に相互作用している他の化身のスタイルとのフュージョンである音楽スタイルで演奏することになる。一例を図12に示すが、単一のスタイル特性(または識別コード)が、別の化身との相互作用に基づき、時間経過とともにどう変化しうるかを図示している。現在の化身は、ライン402で示される特定のスタイル特性の初期値(いわば、荒々しさ)を持ち、また一緒に演奏している化身は、ライン404で示される初期値をもつ。いくらかの時間一緒に演奏した後では、特性値は、一緒に演奏している化身についての値404に近づいて移動405する(例えば、その演奏スタイルがよりくつろぎまろやかなものとなる)。セッション終了時407には、2つの化身がもはや一緒に演奏しなくなり、特性値は、その元の値402に近いが同一ではない値410に戻り、他の化身との演奏の体験が何らかの永続的影響を現在の化身に与えたことを示す。
【0117】
この例は、単一の特性値についてであるが、多数の特性値を、発生中の特定の音楽的相互作用の間に即座に、および時間をかけての両方で、この方法で変更することができる。その結果、単一の化身は、それ自身の個別のスタイルと、「ジャミング」中の他の化身のスタイルとのフュージョンであるスタイルを用いて、選択した音楽的構成を演奏することができる。さらに、個別の化身は、学習および発展、潜在的な新しい音楽セグメントの獲得を同時に行うことができる。この能力により、また音楽セグメントの選択およびそれに適用される音楽の変形321に組み込まれた望ましい無作為さにより、任意の2つの化身の間の相互作用は、異なることがよくある。また、図12では一方の化身についての値のみが変化するものとして示されているが、望ましい実施態様において、両方の値が互いに近づくように移動する。なおさらに、変化は滑らかでゆるやかなものとして示されているが、望ましい実施態様において、変形は、現実の学習過程をシミュレートするためにスペース全体412(所定のまたは無作為な方法のどちらかで)内で発生する。
【0118】
図12に示すタイムライン全体は、数分または数十分の時間で発生することが望ましい。個性コードは、2つが永久に一緒に演奏した場合でも、それを用いて現在の化身が演奏している装置用の対応するコードに近づくが同一にはならないことが望ましいことが注目される。つまり、ベースの個性コード381は、支配的要因であって、単一の相互作用セッション内で一定の程度だけ変化することができることが望ましい(この程度自体が、別の個性コード、例えば、「変化に対する開放度」と指定されたものにより支配されうる)。
【0119】
上記で考察したとおり、本システムでは、2つの化身が自動的に一緒に「ジャミング」をすることができ、メロディ、ハーモニーおよび全体的な音の間で一意の関係が形成される。例えば、ユニークな歌または複数部分の構成を、既存の音楽ライブラリから、その全体を選択することも、および/またはそれに含まれる小さ目のセグメントから構成することもできる。次に、選択した歌または構成は、一つ以上の参加する化身の音楽スタイル特性に基づき、さらに変更できる。
【0120】
本明細書で説明した他の識別および個性コードに加えて(例えば、データベース192に格納されているもの)、こうしたコードには、2つの特定の化身間の関係の状態を表現する一意の関係コードも含まれうる。こうしたコードは、2つの化身の関係がどの程度まで進んだか(例えば、出会ったばかりか、または関係が進んでいるか)、およびその関係の性質(例えば、友達または恋愛中)を示す。その結果、化身間の関係は、時間および体験に基づくだけでなく、関係の性質および長さに基づいても変化しうる。
【0121】
本発明の一形態は、現在の化身のソウルメイトである別の化身の識別である。こうしたケースで、関連付けられたコードは、ペアとなるべき2つの化身を識別することができ、また、互いに出会ったとき、その他任意のペアの化身とは全く異なる方法で関わりあう。別の方法として、化身は単に互いに互換性があるものとして指定して、2つの互換性のある化身が十分な時間だけ一緒にいた場合に、恋愛関係を発展させることができるようにすることができる。なおさらに、これらのアプローチの任意の組み合わせを採用できる。
追加的な特徴
【0122】
上記で説明した音楽的対話機能に加えて、本発明の各種の実施態様において、サーバー20は、仮想環境内での下記の任意または全ての機能性を提供する。
一定の実施態様により、ユーザーは、有名な陸標の探検および/または訪問をするために、ユーザーの化身が仮想環境内を移動する;ユーザーの化身に、限定的な組の言語的および/または非言語的な表現(例えば、潜在的な交流の乱用の可能性を制限するため)を使用して、他の化身との相互作用をさせる;ユーザーの化身に、任意的な言語的および/または非言語的な表現を使用して他の化身との通信をさせる(例えば、ユーザーにより本人のクライアント装置25のキーボード、マイクロホンまたはその他のインターフェースを通じて(例えば、それぞれ個別のユーザーまたはユーザーの保護者によるオプトインにより)提供される;単独でまたは別の化身と同期化して、ユーザーの化身にダンスをさせる(例えば、上記で音楽列を選択および/または獲得した任意の方法と類似した方法で、一つ以上の化身について特定のダンスパターンを選択または獲得する);ユーザーの化身に他の化身とのゲームに参加させる;一つ以上の化身についてユーザーの化身によって獲得したポイントを保存したり使ったりする;ユーザーの化身に仮想環境内の品目と相互作用させたり、操作させたりする(例えば、化身の割り当てられた家内の家庭用品、または様々な異なる任意の建物タイプに関連する品目);ユーザーの化身に、化身が現在見ているシーンの写真を撮らせて(例えば、仮想カメラを選択し使用することで)、写真を保存および/または表示する(例えば、化身の仮想ホーム環境内のフレームまたはフォトアルバムに);および/または仮想環境の周辺でユーザーの化身に、車、ボード、列車、熱気球、飛行機またはヘリコプターに乗ったり、運転したり、操縦したり、航行したりさせる、などができる。
【0123】
性質上言語的な通信(上記のテキストベースまたは音声ベースの種類のチャッティングなど)に加え(またはその代わりに)、本発明の一定の実施態様では、各種の音楽をベースにしたチャッティングも提供している。一つにおいて、ユーザーは、それらのそれぞれの化身間で通信する個別の音符および/または事前に格納した音楽セグメントまたはフレーズの組み合わせを選択する。こうした音楽的対話は、異なる音楽的フレーズ、音符の組み合わせ、および/またはさらには個別の音符に異なる意味を割り当て、またそれらの意味を参加するユーザーに知らせて、音楽的言語を学習し通信できるようにすることで、さらに向上させることができる。
【0124】
音楽的チャッティングに対するいくらか異なるアプローチによれば、テキストベースのメッセージが翻訳されるか、または所定のアルゴリズムを使用して音楽的表現に変換される。例えば、個別の単語および/または言語的表現は、一対一で対応する楽音に翻訳できる(例えば、「love」という単語は、ホーンからの「ため息」の音に翻訳される)。別の例において、翻訳は(少なくとも部分的に)、送信したテキストベースのメッセージをフレーズまたは節に分析し、それぞれにおいてキーワードを識別し、こうしたキーワードに基づき事前に格納した音楽列をデータベースから検索し(例えば、スコアリングテクニックを使用)、そして元のテキストベースのメッセージに表示されたそれぞれの言語的なフレーズまたは節の順序と同じ順序で、音楽列をまとめて一列に並べることによって実行される。加えて、またはその代わりに、一定の実施態様において、元のテキストベースのメッセージについて音声変調パターンを識別するために、自然に聞こえる音声を生成するためのテキスト音声変換アルゴリズムを使用し、その後で、検索された音楽列はこの音声変調パターンに基づくもので、(例えば、格納された音楽列の変調パターンに関して、事前に保存したデータによって示されるとおり)例えば、類似した変調パターンを持つ格納された音楽列を識別するためのスコアリングベースのパターンマッチング技術が使用される。
【0125】
本明細書で意図されているとおり、化身によって演奏される任意の音楽は(例えば、完全にまたは部分的に自動化された音楽的相互作用および/または音楽的チャッティング)、その化身に割り当てられた楽器など単一の「音声」によって演奏することができることが注目される。別の方法として、少なくとも一部の化身は、異なる時に、および/または異なる目的で使用される異なる「音声」をもつ。例えば、化身を架空の鳥として設定する本明細書で提示した主な例において、割り当てられた楽器は、ジャムセッションで使用できる(例えば、音楽的相互作用に対して完全にまたは部分的に)、その一方でさえずりまたは口笛のような音声は、音楽的チャッティング用に使用される。
【0126】
化身によるプレーが許容されているゲームの種類には、例えば、プレーヤーが音楽パターンを反復する必要のあるSimon型のゲーム;プレーヤーが一つ以上のオブジェクトおよび/または可動キャラクタを探したりハントしたりする各種のゲーム(別のプレーヤーにより操作されている化身、または所定の規則に基づき自動化された方法で移動するキャラクタで、例えば、こうしたどちらの場合も、化身および/または他のキャラクタが音楽で呼んで応答するMarco Poloゲーム、またはハントしたオブジェクトまたはキャラクタを写真に撮る必要があるゲームなど); プレーヤーがミステリーを解決する必要のあるゲーム;プレーヤーが完全な音符のセットを見つけたり、その他の方法で獲得または入手するゲーム(例えば、その後、それらを適切な順序でプレーまたは並べ替える);および/または同一出願人による米国特許出願第11/539,179号(この出願は、参照することにより、本明細書に完全に記載されているごとくに本明細書に組み込む)に記載されている任意のゲーム、またはこうしたゲームに対する任意の変形(例えば、化身はまた、あるいはその代わりに、仮想環境内での旅行中に質問に出会い、それに正解することによりポイントを獲得する)が含まれる。
【0127】
事前に録音されまたは任意の言語的な伝達が化身間で許容されている一定の実施態様において、サーバー20(または適用されるクライアント装置25上で実行されるクライアントソフトウェア)は、例えば、ユーザーの化身について選択されたか、割り当てられた特性に対応させるために、周波数を上げ下げして、音声または他の言語的な伝達を変更する。例えば、第一のユーザーが自分の化身に、事前に録音された表現「hi」を話させる場合、システム10は、第二のユーザーがその化身に同じ単語を話させるときよりも(男性の性別の選択または低ピッチの音声の選択に基づき)、(女性の性別の選択または高いピッチの音声の選択に基づき)高いピッチで発生させることができる。同様に、ユーザーが対応するユーザー装置25〜28にあるマイクロホンを通しての通信が許容されている場合、システム10は、それらの化身について選択されたかまたは割り当てられた属性に基づき、その音声を変化させることができる。一定の実施態様において、ユーザーは、(1)本人の化身の音声として使用するファイルのアップロード; および/または(2)ユーザーインターフェースによる化身の音声のカスタム化(例えば、ピッチ、音色、ペース、拍子または活気レベルなどの特性を選択することにより)が許容される。
【0128】
一定の発明の実施態様において、ユーザーは、既存の音楽ピースを選択するか、または全く新しい音楽(または他の音声)ファイルをアップロードする能力を持ち、その後で一人以上のユーザーがトリガーイベントを開始することができ、対応する化身がそれに対してダンスやジャムをするようになる。音楽が新しい場合、サーバー20は、(1)ビートおよび対応するテンポを識別するためにそれを分析し、および/または(2)識別情報が新しい音楽列と共に提供されている場合、ビートおよびテンポの情報、および/またはその他任意の情報(音楽ジャンルなど)を、予めデータ投入されたデータベースから検索することが望ましい。いかなる場合も、個別の化身についてのダンスの動きは、例えば、音楽ジャンルにとって適切な動きを選択し、およびダンスの動きを識別されたビート/テンポと同調させることにより、選択されまたはアップロードされた音楽ピースについて利用可能な情報に基づき、変更されることが望ましい。
【0129】
一定の実施態様において、ユーザーは、ギター周辺機器に差し込んだプレーヤー、およびキーボード周辺機器楽器に差し込んだ別のプレーヤーと共に、直接的に他者とジャムをすることができ、例えば、それらの化身を通して、一緒にライブで演奏できる。さらに、一定の実施態様において、こうしたジャムセッションにより、ユーザーは、自分の仮想楽器および/または事前に録音したトラックのレイヤーによって、希望する任意の組み合わせで、自然に新しい音楽を作成できる。なおさらに、こうしたジャミングは、将来的な再生のために、また一部のケースでは、その後の編集のために、ジャムセッションが録音される仮想レコーディングスタジオ内で発生可能であることが望ましい。
【0130】
本明細書で説明した化身は、一般に出願第’433号にある音楽的に相互作用する装置に対応するもので、こうした装置について記述された任意の機能性を提供することができることが注目される。ただし、現在のケースでは、 こうした機能性は一般に、サーバー20および/または適用されるクライアント装置25〜28により提供される。
システム環境
【0131】
概して、別途明瞭に支持のある場合を除き、本明細書に記載した全てのシステム、方法、機能性および技術は、一つ以上のプログラム可能汎用計算装置を使用して実施できる。こうした装置には一般に、例えば、共通バスを介して相互に接続された以下のコンポーネント、すなわち、一つ以上の中央処理装置(CPU);読み出し専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);その他の装置とのインターフェースをとるための入力/出力ソフトウェアおよび回路(例えば、シリアルポート、並列ポート、USB接続またはファームウェア接続などの有線接続を使用、またはBluetoothまたは802.11プロトコルなどの無線プロトコルを使用);一つ以上のネットワークを接続するためのソフトウェアおよび回路(例えば、イーサネット(登録商標)カードなどの有線接続を使用、または無線プロトコル(符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、Bluetooth、802.11プロトコル、またはその他任意のセルラーベースまたは非セルラーベースのシステム(そのネットワークは、多くの発明の実施態様において、インターネットまたはその他任意のネットワークに接続されているものなど)を使用);ディスプレイ(陰極線管 ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイ、高分子発光ディスプレイまたはその他任意の薄膜ディスプレイなど);その他の出力装置(一つ以上のスピーカー、ヘッドホンセットおよびプリンターなど);一つ以上の入力装置(マウス、タッチパッド、タブレッド、タッチセンシティブディスプレイまたはその他のポインティングデバイス、キーボード、キーパッド、マイクロホンおよびスキャナーなど);大容量記憶装置(ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブなど);リアルタイムクロック;着脱式ストレージ読み取り/書き込み装置(RAMからの読み取りやそれへの書き込み用、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、光ディスク、または同種のものなど);およびモデム(例えば、ファックス送信用またはダイアルアップ接続を介したインターネットまたはその他任意のコンピュータネットワークへの接続用)のうち、少なくともいくつかが含まれる。実際には、上記の方法および機能性を実装するプロセスステップは、こうした汎用コンピュータにより実行される範囲で、一般に当初は大容量記憶(例えば、ハードディスクまたはソリッドステートドライブ)に格納されており、RAMにダウンロードされ、その後でRAMからCPUで実行される。ところが、一部のケースでは、プロセスステップは当初、RAMまたはROMに格納される。
【0132】
本発明の実施に使用するための適切な汎用プログラム可能デバイスは、さまざまなベンダーから入手することができる。さまざまな実施態様において、タスクの規模および複雑度に応じて異なるタイプの装置が使用される。こうした装置には、例えば、メインフレームコンピュータ、マルチプロセッサコンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータおよび/またはさらにはPDAなどの小型のコンピュータ、無線電話またはその他任意のプログラム可能な機器または装置が、スタンドアロンであるか、ネットワークに有線接続またはネットワークに無線接続であるかに関係なく含まれうる。
【0133】
さらに、汎用プログラム可能デバイスについて上記に記述したが、代替的な実施態様において、一つ以上の特殊用途プロセッサまたはコンピュータが変わりに(または追加的に)使用される。一般に、別途明示的に記載しない限り、上記に記載した任意の機能性は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを実行する汎用プロセッサにより、専用の(例えば、ロジックベースの)ハードウェアにより、またはそれらの任意の組み合わせで実施することができ、既知の技術的トレードオフに基づき特定の実施が選択されることに注意すべきである。さらに具体的に言えば、上記に記述された任意のプロセスおよび/または機能性が固定の、所定の、および/または論理的な方法で実施される場合、当業者は簡単に理解できるとおり、プロセッサ実行プログラミング(例えば、ソフトウェアまたはファームウェア)、論理コンポーネントの適切な配列(ハードウェア)、またはその二つの任意の組み合わせにより達成することができる。言い換えれば、論理演算および/または算術演算を、プロセッサ内でこうした演算を実行する命令に、および/またはこうした演算を実行するための論理ゲート構成に変換する方法はよく知られており、実際に、この両方の種類の変換用のコンパイラーが一般的に利用できる。
【0134】
本発明の方法および機能性を実施するためのソフトウェアまたはファームウェアプログラム命令(すなわち、コンピュータ実行可能プロセス命令)がそれ上に格納されるマシン読み取り可能な有形媒体にも関連することが理解されるべきである。こうした媒体には、一例として、磁気ディスク、磁気テープ、CDおよびDVDなどの光学的読み取り可能メディア、またはさまざまなタイプのメモリカードなどの半導体メモリ、USB フラッシュメモリ装置、ソリッドステートドライブなどが含まれる。いずれの場合にも、その媒体は、ミニチュアディスクドライブまたは小型ディスク、ディスケット、カセット、カートリッジ、カード、スティックなどの携帯可能アイテムの形態をとりうるか、またはコンピュータまたはその他の装置内部に搭載されているハードディスクドライブ、ROMまたはRAMなどの相対的に大型または携帯性の低い品目の形態をとりうる。本明細書で使用するとき、別途明確に注記しない限り、コンピュータ読み取り可能またはマシン読み取り可能な媒体上に格納されたコンピュータ実行可能なプロセスステップへの言及は、こうしたプロセスステップが単一の媒体上に格納される状況だけでなく、こうしたプロセスステップが複数の媒体にまたがり格納される状況も含むことが意図される。
【0135】
上述の説明は主に、電子計算機および装置を強調している。ところが、基本的論理演算および/または算術演算を実行する能力がある電子的、光学的、生物学的および化学的なプロセッシングの任意の組み合わせを利用した装置などといった、その他任意の計算用またはその他のタイプの装置を代わりに使用しうることが、理解されるべきである。
【0136】
さらに、本開示が、プロセッサ、コンピュータ、サーバー装置、コンピュータ読み取り可能媒体またはその他の記憶装置、クライアント装置、またはその他任意の種類の装置に言及する場合、こうした言及には、別途明瞭に指示した範囲を除き、複数のこうしたプロセッサ、コンピュータ、サーバーデバイス、コンピュータ読み取り可能媒体またはその他の記憶装置、クライアント装置、またはその他任意の装置の使用も含まれることが理解されるべきである。例えば、サーバーは一般に、単一の装置または例えば、適切な負荷バランシングのある一群のサーバーデバイス(ローカルまたは地理的に分散)を使用して実施できる。
追加考慮事項
【0137】
一定の例において、上述の記述は、ユーザーインターフェースボタンのクリックまたはダブルクリック、ユーザーインターフェースアイテムのドラッグ、または特定ユーザーインターフェース機構により、および/または特定の方法でのそれ以外のコマンドまたは情報の入力に言及している。こうした全ての言及は、単に例示的なものであることが意図されており、本発明は、その他任意の方法でのユーザーによる、同一またはその他任意のユーザーインターフェース機構を使用した対応するコマンドまたは情報の入力が含まれることが理解される。さらに、またはその代わりに、こうしたコマンドまたは情報は、自動化された(例えば、コンピュータ実行による)プロセスにより入力できる。
【0138】
本発明のいくつかの異なる実施態様は、上記に記載されているが、こうしたそれぞれの実施態様は、一定の特色を含めたものとして記述されている。ところが、任意の一つの実施態様の考察に関連して説明されている特色は、その実施態様に限定されず、同様にその他の任意の実施態様のとのさまざまな組み合わせに含まれ、および/またはその組み合わせでの改作をしうることが意図されているが、これは当業者により理解されるとおりである。
【0139】
同様に、上記の考察において、機能性は時には、特定のモジュールまたはコンポーネントに帰するものとされている。ところが、機能性は一般に、一部のケースにおいて、特定のコンポーネントまたはモジュールの必要性を完全に除去し、および/または新しいコンポーネントまたはモジュールの追加を必要とする、異なる任意のモジュールまたはコンポーネント間で、希望に応じて再配分できる。機能性の正確な配分は、既知の技術的トレードオフに従い、特定の発明の実施態様を参考にして行うことが望ましいが、これは当業者に理解されるとおりである。
【0140】
こうして、本発明は、その例示的実施態様および添付図面について詳細に記述されたが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の各種の適応および修正をしうることは、当業者にとって明らかである。したがって、発明は図面に図示され、および上記に記載したそのままの実施態様に限定されない。むしろ、本明細書に添付した請求項によってのみ限定される発明の精神から逸脱しないこうした全ての変形物は、その範囲内にあるとみなされることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔的な相互作用を促進するためのシステムであって:
仮想環境のホスティングをするよう構成されたサーバー;および
電子ネットワークを介して前記サーバーと通信する複数のクライアント装置であって、それぞれの前記クライアント装置が前記仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成され、
第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、その結果、前記第一のユーザーを表す第一の化身の第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかの変更をし、
第二のクライアント装置は第二のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、その結果、前記第二のユーザーを表す第二の化身の第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかの変更をし、且つ
前記第一の化身は前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性および前記第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性についての現在の設定に基づく音楽列を演奏するシステム。
【請求項2】
前記第一のクライアント装置により受け取られたユーザーコマンドは、前記第一の化身が前記音楽列の演奏を開始するための開始コマンドも備えている、請求項1によるシステム。
【請求項3】
前記第一の化身が、(1)前記仮想環境内での前記第二の化身への近接度または(2)前記第二の化身との所定の相互作用のうち少なくとも1つに基づく音楽列の演奏を自動的に開始する、請求項1によるシステム。
【請求項4】
前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性におけるそれぞれの視覚的特性は、異なる音楽特性に対応し、またそれぞれの前記視覚的特性について異なる設定をすると、その結果、前記対応する音楽的特性について異なる設定となる、請求項1によるシステム。
【請求項5】
前記第一の化身によって演奏される音楽列の伴奏として、前記第二の化身が前記第二の音楽列を演奏する、請求項1によるシステム。
【請求項6】
前記第二の音楽列が前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性についての設定に基づく、請求項5によるシステム。
【請求項7】
前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性が、身体のスタイル、色および目のデザインのうち少なくとも2つを備えている、請求項1によるシステム。
【請求項8】
前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性が、羽毛のデザインおよびくちばしのデザインのうち少なくとも1つを備えている、請求項1によるシステム。
【請求項9】
前記第一のクライアント装置に、第一のユーザーが前記音楽列の音色構成および前記音楽列のテンポのうち少なくとも1つを修正できるようにするためのユーザーインターフェースが提供されている、請求項1によるシステム。
【請求項10】
前記ユーザーインターフェースが、アルファニューメリックキーボードまたはキーパッドを備えている、請求項9によるシステム。
【請求項11】
遠隔的な相互作用を促進するためのシステムであって:
仮想環境のホスティングをするよう構成されたサーバー;および
電子ネットワークを介して前記サーバーと通信する複数のクライアント装置であって、それぞれの前記クライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成され、
第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報を前記サーバーに伝達して、その結果、前記第一のユーザーを表す第一の化身の音楽スタイルを変更し、および
第二の化身との近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つに基づき、前記第一の化身は、前記第一の化身の音楽的スタイルおよび前記第二の化身の音楽スタイルの組み合わせであるフュージョン音楽スタイルでの音楽列を演奏する。
【請求項12】
前記第一の化身の音楽スタイルは、前記第二の化身の音楽スタイルよりも前記フュージョン音楽スタイルに実質的により大きな影響を与える、請求項11によるシステム。
【請求項13】
単独でいるとき、前記第一の化身は前記第一の化身の音楽スタイルのみでの音楽列を演奏する、請求項11によるシステム。
【請求項14】
前記第一の化身による演奏に対する前記第二の化身の音楽スタイルの影響は、前記第二の化身への近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つの持続の増大とともに増大する、請求項11によるシステム。
【請求項15】
前記第二の化身の音楽スタイルの影響の増大は、前記音楽列の演奏中に生じる、請求項14によるシステム。
【請求項16】
請求項11によるシステムであって、:
前記第二の化身は第二のユーザーを表し、且つ
第二のクライアント装置は前記第二のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報を前記サーバーに伝達してその結果、前記第二の化身の音楽スタイルが変更されるシステム。
【請求項17】
前記第二の化身への近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つに基づき、前記第二の化身は、伴奏的な音楽列を演奏する請求項11によるシステム。
【請求項18】
請求項17によるシステムであって、
前記第二の化身により演奏される伴奏的音楽列は、前記第二の化身の音楽スタイルおよび前記第一の化身の音楽スタイルの組み合わせである第二のフュージョン音楽スタイルによるものであり、且つ
前記第二の化身の音楽スタイルは、前記第一の化身の音楽スタイルよりも前記第二のフュージョン音楽スタイルに対する実質的により大きな影響を持つシステム。
【請求項1】
遠隔的な相互作用を促進するためのシステムであって:
仮想環境のホスティングをするよう構成されたサーバー;および
電子ネットワークを介して前記サーバーと通信する複数のクライアント装置であって、それぞれの前記クライアント装置が前記仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成され、
第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、その結果、前記第一のユーザーを表す第一の化身の第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかの変更をし、
第二のクライアント装置は第二のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報をサーバーに伝達して、その結果、前記第二のユーザーを表す第二の化身の第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性のどれかの変更をし、且つ
前記第一の化身は前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性および前記第二の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性についての現在の設定に基づく音楽列を演奏するシステム。
【請求項2】
前記第一のクライアント装置により受け取られたユーザーコマンドは、前記第一の化身が前記音楽列の演奏を開始するための開始コマンドも備えている、請求項1によるシステム。
【請求項3】
前記第一の化身が、(1)前記仮想環境内での前記第二の化身への近接度または(2)前記第二の化身との所定の相互作用のうち少なくとも1つに基づく音楽列の演奏を自動的に開始する、請求項1によるシステム。
【請求項4】
前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性におけるそれぞれの視覚的特性は、異なる音楽特性に対応し、またそれぞれの前記視覚的特性について異なる設定をすると、その結果、前記対応する音楽的特性について異なる設定となる、請求項1によるシステム。
【請求項5】
前記第一の化身によって演奏される音楽列の伴奏として、前記第二の化身が前記第二の音楽列を演奏する、請求項1によるシステム。
【請求項6】
前記第二の音楽列が前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性についての設定に基づく、請求項5によるシステム。
【請求項7】
前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性が、身体のスタイル、色および目のデザインのうち少なくとも2つを備えている、請求項1によるシステム。
【請求項8】
前記第一の組のユーザーカスタム化可能な視覚特性が、羽毛のデザインおよびくちばしのデザインのうち少なくとも1つを備えている、請求項1によるシステム。
【請求項9】
前記第一のクライアント装置に、第一のユーザーが前記音楽列の音色構成および前記音楽列のテンポのうち少なくとも1つを修正できるようにするためのユーザーインターフェースが提供されている、請求項1によるシステム。
【請求項10】
前記ユーザーインターフェースが、アルファニューメリックキーボードまたはキーパッドを備えている、請求項9によるシステム。
【請求項11】
遠隔的な相互作用を促進するためのシステムであって:
仮想環境のホスティングをするよう構成されたサーバー;および
電子ネットワークを介して前記サーバーと通信する複数のクライアント装置であって、それぞれの前記クライアント装置が仮想環境内で対応する化身を通して相互作用するように構成され、
第一のクライアント装置は第一のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報を前記サーバーに伝達して、その結果、前記第一のユーザーを表す第一の化身の音楽スタイルを変更し、および
第二の化身との近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つに基づき、前記第一の化身は、前記第一の化身の音楽的スタイルおよび前記第二の化身の音楽スタイルの組み合わせであるフュージョン音楽スタイルでの音楽列を演奏する。
【請求項12】
前記第一の化身の音楽スタイルは、前記第二の化身の音楽スタイルよりも前記フュージョン音楽スタイルに実質的により大きな影響を与える、請求項11によるシステム。
【請求項13】
単独でいるとき、前記第一の化身は前記第一の化身の音楽スタイルのみでの音楽列を演奏する、請求項11によるシステム。
【請求項14】
前記第一の化身による演奏に対する前記第二の化身の音楽スタイルの影響は、前記第二の化身への近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つの持続の増大とともに増大する、請求項11によるシステム。
【請求項15】
前記第二の化身の音楽スタイルの影響の増大は、前記音楽列の演奏中に生じる、請求項14によるシステム。
【請求項16】
請求項11によるシステムであって、:
前記第二の化身は第二のユーザーを表し、且つ
第二のクライアント装置は前記第二のユーザーからのコマンドを受け取り、それに応答して、対応する情報を前記サーバーに伝達してその結果、前記第二の化身の音楽スタイルが変更されるシステム。
【請求項17】
前記第二の化身への近接度またはそれとの相互作用のうち少なくとも一つに基づき、前記第二の化身は、伴奏的な音楽列を演奏する請求項11によるシステム。
【請求項18】
請求項17によるシステムであって、
前記第二の化身により演奏される伴奏的音楽列は、前記第二の化身の音楽スタイルおよび前記第一の化身の音楽スタイルの組み合わせである第二のフュージョン音楽スタイルによるものであり、且つ
前記第二の化身の音楽スタイルは、前記第一の化身の音楽スタイルよりも前記第二のフュージョン音楽スタイルに対する実質的により大きな影響を持つシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−504834(P2012−504834A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530292(P2011−530292)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/059571
【国際公開番号】WO2010/042449
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508313301)ヴェルジェンス エンターテインメント エルエルシー (3)
【氏名又は名称原語表記】VERGENCE ENTERTAINMENT LLC
【住所又は居所原語表記】A California Limited Liability Company, 655 N. Central Avenue, 17th Floor, Glendale, CA 91203 U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/059571
【国際公開番号】WO2010/042449
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508313301)ヴェルジェンス エンターテインメント エルエルシー (3)
【氏名又は名称原語表記】VERGENCE ENTERTAINMENT LLC
【住所又は居所原語表記】A California Limited Liability Company, 655 N. Central Avenue, 17th Floor, Glendale, CA 91203 U.S.A.
【Fターム(参考)】
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