説明

音響再生装置

【課題】 ワイヤレス伝送の能力を上げることなく、ワイヤレス伝送すべき音声信号のチャンネル数の増加に対処可能な音響再生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 Mチャンネルの音声信号を出力する音響再生装置において、
Mより小さいNチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送するワイヤレス送信手段10及び受信手段14と、Mチャンネルの音声信号からNチャンネルの音声信号を合成する音声信号合成手段9aとを有し、前記ワイヤレス送信手段10と受信手段14は音声信号合成手段9aで合成されたNチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のチャンネルの音声信号を出力する音響再生装置に関し、特に少なくともその一部のチャンネルの音声信号を対応する各チャンネルのスピーカにワイヤレス伝送する音響再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のチャンネルの音声信号を出力する音響再生装置において、各チャンネルの音声信号に対応してスピーカが設けられ、各チャンネルのスピーカに対応するチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送することが可能な音響再生装置が知られている。このような音響再生装置のうち、例えば5.1チャンネル(5.1チャンネルはフロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、重低音チャンネル、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネルである。そして、重低音スピーカに対応する重低音チャンネルは0.1チャンネルとする)の環境下においては、リスナー後方の2つのスピーカ(サラウンド左スピーカ、サラウンド右スピーカ)については2チャンネル用の伝送装置を用いて音声信号をワイヤレス伝送することにより、音声信号を出力するメインユニットからこの2つのスピーカへ音声信号を伝達するケーブルを不要とすることができた。
【特許文献1】特開平6−125582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えば6.1チャンネルの環境下のように、リスナー後方のスピーカが3つ(サラウンド左スピーカ、サラウンド右スピーカ、サラウンドバックスピーカ)になった場合、これら3つの後方のスピーカへの音声信号のワイヤレス伝送には3チャンネル分の音声信号用のワイヤレス伝送装置が必要となる。すると、5.1チャンネルの環境下で用いられていた2チャンネルの音声信号用のワイヤレス伝送装置に比べて伝送能力が高いワイヤレス伝送装置が必要となり、結果的にコストアップを招いてしまう。また、2チャンネルの音声信号用のワイヤレス伝送装置を用いて、これら3つの後方のスピーカへ伝送すべき3つの音声信号のうち2つの音声信号のみをワイヤレス伝送した場合にあっては、3チャンネルの音声信号用のワイヤレス伝送装置を用いた場合と比べてサラウンド全体としての音質が低下してしまう。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、ワイヤレス伝送の能力を上げることなく、ワイヤレス伝送すべき音声信号のチャンネル数の増加に対処可能な音響再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の音響再生装置は、少なくともM(Mは2以上の整数)チャンネルの音声信号を出力する音声信号出力手段と、
Mより小さいN(Nは正の整数)チャンネルの音声信号をワイヤレス伝送するワイヤレス送信手段及び受信手段と、
Mチャンネルの音声信号からNチャンネルの音声信号を合成する音声信号合成手段とを有し、
前記ワイヤレス送信手段及び受信手段は音声信号合成手段で合成されたNチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の音響再生装置において、前記ワイヤレス伝送されたNチャンネルの音声信号をMチャンネルの音声信号に復元する復元手段を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の音響再生装置において、前記音声信号合成手段による合成により生成したNチャンネルの音声信号に対応する音声を出力するN個のスピーカと、
チャンネル毎に音声信号を減衰する減衰手段とを備え、
前記音声信号合成手段は、前記減衰手段により減衰されたMチャンネルの音声信号からNチャンネルの音声信号を合成することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音響再生装置において、前記音声信号出力手段はM+P(Pは正の整数)チャンネルの音声信号を出力し、
前記音響再生装置はPチャンネルの音声信号についてはワイヤード伝送し、
Pチャンネルの音声信号のワイヤード伝送をMチャンネルの音声信号のワイヤレス伝送に対して遅延させる遅延手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の音響再生装置において、前記遅延手段は、ワイヤード伝送に対してワイヤレス伝送が遅れる時間に相当する時間分遅延させることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の音響再生装置において、前記遅延手段は、前記Mチャンネルの音声信号をワイヤード伝送する場合には、Pチャンネルの音声信号の伝送における遅延を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の音響再生装置によれば、音声信号合成手段によりMチャンネルの音声信号をNチャンネルの音声信号にチャンネル数が減らされて、Nチャンネルの音声信号がワイヤレス送信手段及び受信手段でワイヤレス伝送される。即ち、使用するワイヤレス伝送装置にNチャンネル分を伝送できる伝送能力があれば、この伝送装置でMチャンネル分の音声信号のワイヤレス伝送が可能となる。これによりワイヤレス伝送すべき音声信号のチャンネル数が、ワイヤレス伝送装置がワイヤレス伝送できるチャンネル数を越える場合であっても、ワイヤレス伝送装置のワイヤレス伝送能力を上げることなくこれらの音声信号をワイヤレス送信することが可能となり、ワイヤレス送信装置に関してコストアップを招くことがない。
【0012】
請求項2に記載の音響再生装置によれば、復元手段によって、ワイヤレス伝送されたNチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送前のチャンネル数であったMチャンネルの音声信号に戻すことができる。これにより音声信号合成手段により音声信号がNチャンネルの音声信号にチャンネル数が減らされてワイヤレス伝送されたとしても、ユーザが所望するMチャンネルのサラウンドを実現することができる。
【0013】
請求項3に記載の音響再生装置によれば、減衰手段により、Mチャンネルの音声信号からNチャンネルの音声信号が合成される前に予めチャンネル毎に音声信号を減衰することができるので、ユーザが再生を希望するMチャンネルの各々の音声信号について個別にレベル調整をすることができる。これにより、例えばMチャンネルの中から特定のチャンネルの音声の音量を調整してサラウンド全体の音量バランスを調整する際に、特定のチャンネルの音声信号と合成される他のチャンネルの音声信号についての音声に左右されることなく、特定のチャンネルの音声の音量のみを調整することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の音声再生装置によれば、遅延手段によって、Pチャンネルの音声信号のワイヤード伝送をMチャンネルの音声信号のワイヤレス伝送に対して遅延させる遅延手段を備えているので、ワイヤード伝送に対応するスピーカとワイヤレス伝送に対応するスピーカ間における音声の出力タイミングを補正することができる。
【0015】
請求項5に記載の音響再生装置によれば、前記遅延手段は、ワイヤード伝送に対してワイヤレス伝送が遅れる時間に相当する時間分遅延させるので、ワイヤード伝送に対応するスピーカとワイヤレス伝送に対応するスピーカ間における音声の出力に時間差が生じることがない。
【0016】
請求項6に記載の音声再生装置によれば、前記遅延手段は、Mチャンネルの音声信号をワイヤード伝送する場合には、Pチャンネルの音声信号の伝送における遅延を行わないので、Mチャンネルの音声信号の伝送方法をワイヤレス伝送とワーヤード伝送間で切り替え可能な音響再生装置において、どちらの伝送方法を選択したとしても、ワイヤード伝送に対応するスピーカとワイヤレス伝送に対応するスピーカ間における音声の出力に時間差が生じることがない。
【実施例1】
【0017】
本実施例では、P+Mチャンネルの音声信号を出力する音声信号出力手段を有する音響再生装置として、P=4、M=3の場合を例に説明する。本実施例では6.1チャンネル(フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、重低音チャンネル、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネル)の音声信号を出力し、そのうちPチャンネルとしてフロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、重低音チャンネルが該当し、Mチャンネルとしてサラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネルが該当する。この音響再生装置は、音声信号をリスナー前方の3つのスピーカ(フロント左スピーカ、フロント右スピーカ、センタースピーカ)と、重低音スピーカと、リスナー後方の3つのスピーカ(サラウンド左スピーカ、サラウンド右スピーカ、サラウンドバックスピーカ)に出力する。また、この音響再生装置が有するワイヤレス送信手段及び受信手段はMより小さいNチャンネルの音声信号をワイヤレス送信するが、本実施例ではN=2(サラウンド左チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックチャンネルの音声信号と、サラウンド右チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックの音声信号の合計2チャンネルの音声信号である。)の場合について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施例である音響再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施例に係る音響再生装置は、メインユニット1とフロントアンプユニット2とサラウンドンプユニット3の3つのユニットを基本構成としている。フロントアンプユニット2にはフロント左スピーカとフロント右スピーカとセンタースピーカと重低音スピーカの4つのスピーカがワイヤード接続され、サラウンドンプユニット3にはサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカとサラウンドバックスピーカの3つのスピーカがワイヤード接続される。以下、これらの各ユニットの具体的構成について説明する。
【0020】
メインユニット1は、制御部4と音声信号発生部5と音声信号出力手段として機能する音声信号処理部6と入力部7とから成る。制御部4は、本実施例に係る音響再生装置における各種制御を行う。音声信号発生部5は、DVDなどのソースから入力されたデジタル音声信号を音声信号処理部6に出力する。
【0021】
ここで、図2を用いて、図1に示すメインユニット1内の音声信号処理部6の概略構成を説明する。音声信号発生部5は、DVDなどのソースから、フレーム分割された音声ストリームとして入力された5.1チャンネルのデジタル音声信号をオーディオDSP17に出力する。そしてオーディオDSP17中のオーディオデコーダ16は、5.1チャンネルのデジタル音声信号をデコードする。また、オーディオDSP17は、オーディオデコーダ16においてデコードされたデジタル音声信号を5.1チャンネルから6.1チャンネルにするサラウンド処理及び遅延手段として機能して後述する遅延処理を行い、これをD/Aコンバータ19に出力する。メモリ18は、オーディオDSP17から出力されたデジタル音声信号を一旦ストアし、オーディオDSP17に出力するものである。D/Aコンバータ19は、オーディオDSP17から出力されたデジタル音声信号のアナログ音声信号への変換を行い、これをボリュームIC20に出力する。ボリュームIC20は、D/Aコンバータ19から出力されたアナログ音声信号についての音声の減衰量をチャンネル毎に調整し、これをケーブルAに出力するものである。尚、本実施例においてはDVDから音声信号発生部5に入力されるデジタル音声信号は5.1チャンネルであるが、本発明においてはDVDから出力されるデジタル音声信号が5.1チャンネルに限られず、例えばDolby Digitalなどの6.1チャンネルの場合であってもよい。
【0022】
入力部7は、ユーザによる図示しないキーやボタンの押下によって制御部4へ制御信号を出力することにより、ユーザが所望する音響再生装置の動作制御を可能にするものである。
【0023】
フロントアンプユニット2は、3.1チャンネルアンプ部8と切替部F9とワイヤレス送信ユニット10とソケット11とから成る。切替部F9は、ワイヤレス伝送する場合とワイヤード伝送する場合に各々対応して、音声信号処理部6からケーブルAを通ってワイヤレス送信ユニット10とソケットF11に出力されるアナログ音声信号の信号出力経路を選択的に切り替える。また、切替部F9は、図3に示すように音声信号合成手段として機能するダウンミックス回路9aを有しており、ワイヤレス送信する場合には、3チャンネルのアナログ音声信号(サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネル)がA/Dコンバータ9bによりデジタル音声信号に変換された後、このダウンミックス回路9aにより2チャンネルのデジタル音声信号に合成されて(サラウンドバックチャンネルの音声信号がサラウンド右チャンネルの音声信号とサラウンド左チャンネルの音声信号の各々に振り分けられ合成される。)、ワイヤレス送信ユニット10に出力される。ワイヤレス送信ユニット10は、切替部F9から入力された2チャンネルのデジタル音声信号のバッファリング処理及びRFエンコード処理を行い、その後後述するワイヤレス受信ユニット14に向けてワイヤレス送信する。3.1チャンネルアンプ部8は、6.1チャンネルのアナログ音声信号のうちフロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルのアナログ音声信号を増幅後、ワイヤード接続された各々対応するフロント左スピーカとフロント右スピーカとセンタースピーカと重低音スピーカに出力する。ソケットF11は、フロントアンプユニット2側にてケーブルBを接続するためのものである。
【0024】
サラウンドンプユニット3は、3チャンネルアンプ12と、切替部R13と、ワイヤレス受信ユニット14と、ソケットR15とから成る。3チャンネルアンプ12は、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルのアナログ音声信号が入力され増幅した後、ワイヤード接続された各々対応するサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカとサラウンドバックスピーカに出力する。切替部R13は、ワイヤレス伝送する場合とワイヤレス伝送しない場合に各々対応して、ワイヤレス受信ユニット14とソケットR15とから3チャンネルアンプ12へ出力されるアナログ音声信号の信号出力経路を選択的に切り替える。また、切替部R13は、図4に示すように音声信号復元手段として機能するマトリックスデコード回路13aを有しており、ワイヤレス伝送した場合には、このマトリックスデコード回路13aにより切替部F9のダウンミックス回路9aにより3チャンネルから2チャンネルに合成されたデジタル音声信号が元の3チャンネル(サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネル)のデジタル音声信号に復元後、アナログ音声信号に変換され、3チャンネルアンプ12に出力される。ワイヤレス受信ユニット14は、ワイヤレス送信ユニット10からワイヤレス受信した2チャンネルのデジタル音声信号をバッファリング処理し、これらデジタル音声信号を切替部13に出力する。ソケットR15は、サラウンドンプユニット3側にてケーブルBを接続するためのものである。
【0025】
次に、6.1チャンネルの音声信号のうちサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送する場合の音声信号処理の流れについて、図5を用いて説明する。
【0026】
まず、DVDから5.1チャンネルのデジタル音声信号が音声信号発生部5に入力される(S1)。音声信号処理部6では、音声信号発生部5から入力された5.1チャンネルのデジタル音声信号の各種音声処理(デコード処理、5.1チャンネルから6.1チャンネルへのデジタル音声信号のサラウンド処理、後述する遅延処理、アナログ音声信号への変換、各チャンネルの音声信号毎の減衰処理)が行われる(S2)。音声信号処理部6から出力された6.1チャンネルのアナログ音声信号はケーブルAを通じてフロントアンプユニット2に入力される。このフロントアンプユニット2に入力された6.1チャンネルのアナログ音声信号のうちフロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルのアナログ音声信号は(S4のN)、3.1チャンネルアンプ部8に入力されて各々増幅された後(S5)、各々対応するフロント左スピーカとフロント右スピーカとセンタースピーカと重低音スピーカに出力される(S6)。
【0027】
一方、この6.1チャンネルのアナログ音声信号のうちサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルのアナログ音声信号は(S4のY)、切替部F9において各々デジタル音声信号に変換された後(S7)、切替部F9が有するダウンミックス回路9aにおいて3チャンネルのデジタル音声信号から2チャンネルのデジタル音声信号に合成され(S8)、ワイヤレス送信ユニット10に入力される。ワイヤレス送信ユニット10に入力された2チャンネルのデジタル音声信号は、RFエンコード処理及びバッファリング処理され(S9)、ワイヤレス受信ユニット14に向けてワイヤレス送信される(S10)。ワイヤレス受信ユニット14では2チャンネルのデジタル音声信号を受信し、バッファリング処理及びRFデコード処理する(S11)。その後、切替部R13が有するマトリックスデコード回路13aによって2チャンネルのデジタル音声信号は3チャンネルのデジタル音声信号に復元され(S12)、各々アナログ音声信号に変換される(S13)。このアナログ音声信号は、3チャンネルアンプ12に入力されて各々増幅された後(S14)、各々対応するサラウンド左チャンネルスピーカとサラウンド右チャンネルスピーカとサラウンドバックスピーカに出力される(S15)。
【0028】
一般には、例えば5.1チャンネルのスピーカ出力のあるマルチチャンネル環境では、スピーカの位置に応じて遅延時間の設定がされるが、単純に音声信号処理部6による遅延処理を行わない場合、ワイヤレス送信ユニット10におけるRFエンコードとバッファリング処理及びワイヤレス受信ユニット14におけるバッファリング及びデコード処理にはある程度の時間を要するため、ワイヤレス伝送によってサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号が音声信号処理部6から対応するスピーカに入力されるタイミングは、ワイヤード伝送によってフロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号が音声信号処理部6から対応するスピーカに入力されるタイミングに比べて一定時間遅延してしまう。すると、サラウンド左チャンネルスピーカとサラウンド右チャンネルスピーカとサラウンドバックスピーカからはフロント左チャンネルスピーカとフロント右チャンネルスピーカとセンターチャンネルスピーカと重低音チャンネルスピーカより遅れて音声が出力されることになる。本実施例においては、ワイヤード伝送によってフロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号が音声信号処理部6から対応するチャンネルスピーカへ入力されるタイミングに対して、ワイヤレス伝送によってサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号が音声信号処理部6から対応するチャンネルスピーカへ入力されるタイミングが遅れる時間に相当する時間分、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号のワイヤード伝送を遅延させることによって、各チャンネルスピーカから時間差が生じることがなく、音声が出力される。
【0029】
遅延処理は、例えば次のように行われる。まず、制御部の制御によりオーディオDSP17は、音声信号発生部5から出力された5.1チャンネルの音声信号のうち、フロント左チャンネルとセンターチャンネルとフロント右チャンネルと重低音チャンネルの音声信号を音声信号処理部6内のメモリ18に一旦ストアする。そして、音声信号処理部6におけるサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号の出力開始時から前述した遅延時間分経過した後、制御部4の制御によりオーディオDSPは、音声信号処理部6内のメモリ18からストアされていたフロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号を順次読み出し、これらの音声信号をケーブルA等を経由して、各々対応するチャンネルスピーカに出力する。
【0030】
次に、正常にワイヤレス伝送できていない場合などに、フロントアンプユニット2とサラウンドンプユニット3間のサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号の伝送を、ワイヤレス伝送からケーブルBを用いたワイヤード伝送に切り替える処理について説明する。サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号をワイヤード伝送する場合は、ワイヤレス伝送時のようにサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号のバッファリング処理やRFエンコード/デコード処理が必要ないため、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号と、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号との間で、音声信号処理部6から対応するチャンネルスピーカへの音声出力に遅延は生じない。そこで、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号についても対応するチャンネルスピーカにワイヤード伝送する場合、制御部4が音声信号処理部6内のオーディオDSP17が遅延処理を行わないように制御する。
【0031】
本実施例の音響再生装置によれば、ダウンミックス回路9aにより3チャンネルの音声信号(サラウンド左チャンネルのデジタル音声信号とサラウンド右チャンネルのデジタル音声信号とサラウンドバックチャンネルのデジタル音声信号)が2チャンネルの音声信号(サラウンド左チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックチャンネルの音声信号と、サラウンド右チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックの音声信号の2つの音声信号の音声信号)にチャンネル数が減らされて、2チャンネルの音声信号がワイヤレス送信ユニット10及びワイヤレス受信ユニット14でワイヤレス送信される。しかもマトリックスデコード回路によりこの2チャンネルのデジタル音声信号を元の3チャンネルのデジタル音声信号に戻されるので、ワイヤレス伝送すべきデジタル音声信号のチャンネル数が3チャンネルであっても、2チャンネルの音声信号のワイヤレス送信の場合と同様に、2チャンネル用の伝送装置を用いてワイヤレス伝送することができる。これによりワイヤレス伝送装置に2チャンネル分の伝送能力があれば3チャンネル分の音声信号を伝送することができるので、ワイヤレス伝送装置に関してコストアップを招くことなく6.1チャンネルのサラウンドを実現することができる。
【0032】
また、本実施例の音響再生装置によれば、音声信号処理部6内のオーディオDSP17が、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号のワイヤード伝送を、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネルの音声信号のワイヤレス伝送に対して遅延させ、この遅延は前記ワイヤード伝送に対して前記ワイヤレス伝送が遅れる時間に相当する時間分の遅延であるため、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルのスピーカと、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネルのスピーカ間における音声の出力に時間差が生じることがない。
【0033】
さらに、本実施例の音響再生装置によれば、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルの音声信号とサラウンドバックチャンネルの音声信号をワイヤード伝送する場合には、制御部4の制御によって音声信号処理部6内のオーディオDSPは、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号の伝送における遅延を行わないため、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号の伝送方法をワイヤレス伝送からワイヤード伝送に切り替えたとしても、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルのスピーカと、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネルのスピーカ間における音声の出力に時間差が生じることがない。
【実施例2】
【0034】
本実施例では、P+Mチャンネルの音声信号を出力する音声信号出力手段を有する音声再生装置として、実施例1の場合と同様に、P=4、M=3の場合を例に説明する。本実施例では、6.1チャンネル(フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、重低音チャンネル、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネル)の音声信号を出力し、そのうち、Pチャンネルとしてフロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、重低音チャンネルが該当し、Mチャンネルとしてサラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネルが該当する。この音響再生装置は、音声信号をリスナー前方の3つのスピーカ(フロント左スピーカ、フロント右スピーカ、センタースピーカ)と、重低音スピーカと、リスナー後方の2つのスピーカ(サラウンド左スピーカ、サラウンド右スピーカ)に出力する。本実施例の音響再生装置は、リスナー後方のスピーカが2つ(サラウンド左チャンネルスピーカ、サラウンド右チャンネルスピーカ)である点で、リスナー後方のスピーカが3つ(サラウンド左チャンネルスピーカ、サラウンド右チャンネルスピーカ、サラウンドバックスピーカ)である実施例1の音響再生装置と相違する。また、この音響再生装置が有するワイヤレス送信手段及び受信手段はMより小さいNチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送するが、実施例1の場合と同様に、N=2(サラウンド左チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックチャンネルの音声信号と、サラウンド右チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックの音声信号の合計2チャンネルの音声信号である。)の場合について説明する。
【0035】
本発明の一実施例である音響再生装置の概略構成については、図1に示す実施例1の場合と同様であるが、サラウンドンプユニットの概略構成については実施例1の場合と相違する。以下、本実施例におけるサラウンドンプユニットの概略構成について図6を用いて説明する。サラウンドンプユニット3aにはサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカの2つのスピーカがワイヤード接続される。サラウンドンプユニット3aは、2チャンネルアンプ21と、切替部R23と、ワイヤレス受信ユニット14と、ソケットR23とから成る。
【0036】
切替部R13は、ワイヤレス伝送する場合とワイヤレス伝送しない場合に各々対応して、ワイヤレス受信ユニット14と、ソケットR23とから2チャンネルアンプ12へ出力されるアナログ音声信号の信号出力経路を選択的に切り替える。ここで、実施例1における切替部R13は、図4に示すように音声信号復元手段として機能するマトリックスデコード回路13aを有していたが、図7に示すように本実施例における切替部R22はマトリックスデコード回路13aを有しておらず、ワイヤレス伝送した場合には、2チャンネルのデジタル音声信号(ダウンミックス回路9aによって、サラウンドバックチャンネルの音声信号がサラウンド右チャンネルの音声信号とサラウンド左チャンネルの音声信号の各々に振り分けられ合成されたものである。)が元の3チャンネル(サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネル)のデジタル音声信号に復元されることがない。ワイヤレス受信ユニット14は、ワイヤレス送信ユニット10からワイヤレス受信した2チャンネルのデジタル音声信号をバッファリング処理し、これらデジタル音声信号を切替部13に出力する。ソケットR15は、サラウンドンプユニット3側にてケーブルBを接続するためのものである。2チャンネルアンプ21は、3チャンネルの音声信号の合成によって生成された2チャンネルのデジタル音声信号を増幅した後、ワイヤード接続された各々対応するサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカに出力する。このとき、サラウンドバックチャンネルの音声は、サラウンド左チャンネルの音声が出力されるサラウンド左スピーカとサラウンド右チャンネルの音声が出力されるサラウンド右スピーカから出力されるので、リスナーはあたかもサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカの間に仮想のサラウンドバックスピーカがあり、そこからサラウンドバックチャンネルの音声信号が出力されているように感じられる(所謂ファントムモード)。
【0037】
次に、6.1チャンネルの音声信号のうちサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送する場合の音声信号処理の流れについて、図8を用いて説明する。
【0038】
まず、DVDから5.1チャンネルのデジタル音声信号が音声信号発生部5に入力される(S1)。音声信号処理部6では、音声信号発生部5から入力された5.1チャンネルのデジタル音声信号の各種音声処理(デコード処理、5.1チャンネルから6.1チャンネルへのデジタル音声信号のサラウンド処理、後述する遅延処理、アナログ音声信号への変換、各チャンネルの音声信号毎の減衰処理)が行われる(S2)。音声信号処理部6から出力された6.1チャンネルのアナログ音声信号はケーブルAを通じてフロントアンプユニット2に入力される。このフロントアンプユニット2に入力された6.1チャンネルのアナログ音声信号のうちフロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルのアナログ音声信号は(S4のN)、3.1チャンネルアンプ部8に入力されて各々増幅された後(S5)、各々対応するフロント左スピーカとフロント右スピーカとセンタースピーカと重低音スピーカに出力される(S6)。
【0039】
一方、この6.1チャンネルのアナログ音声信号のうちサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルのアナログ音声信号は(S4のY)、切替部F9において各々デジタル音声信号に変換された後(S7)、切替部F9が有するダウンミックス回路9aにおいて3チャンネルのデジタル音声信号から2チャンネルのデジタル音声信号に合成され(S8)、ワイヤレス送信ユニット10に入力される。ワイヤレス送信ユニット10に入力された2チャンネルのデジタル音声信号は、RFエンコード処理及びバッファリング処理され(S9)、ワイヤレス受信ユニット14に向けてワイヤレス送信される(S10)。ワイヤレス受信ユニット14では2チャンネルのデジタル音声信号を受信し、バッファリング処理及びRFデコード処理する(S11)。その後、切替部R22がこれらを各々アナログ音声信号に変換する(S13)。このアナログ音声信号は、2チャンネルアンプ21に入力されて各々増幅された後(S14)、サラウンド左チャンネルスピーカとサラウンド右チャンネルスピーカに出力される(S15)。このとき、上述したように、サラウンドバックチャンネルの音声信号はサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカから出力される(所謂ファントムモード)。
【0040】
また、音声信号処理部6による遅延処理、正常にワイヤレス伝送できていない場合などに、フロントアンプユニット2とサラウンドンプユニット3間のサラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルの音声信号の伝送を、ワイヤレス伝送からケーブルBを用いたワイヤード伝送に切り替える処理については、実施例1の場合と同様である。
【0041】
尚、サラウンド左チャンネルの音声信号とサラウンド右チャンネルの音声信号とサラウンドバックチャンネルの音声信号の各々の減衰処理は、フロントアンプユニット2の切替部F9内のダウンミックス回路9aにより3チャンネルから2チャンネルに合成(サラウンドバックチャンネルの音声信号がサラウンド左チャンネルの音声信号とサラウンド右チャンネルの音声信号の各々に振り分けられ合成される。)されたデジタル音声信号に対して行われるのではなく、ダウンミックス回路9aにより合成される前に音声信号処理部6のボリュームIC20において行われる(S2)。従って、サラウンド左チャンネルの音声信号とこれに合成されたサラウンドバックチャンネルの音声信号(又はサラウンド右チャンネルの音声信号とこれに合成されたサラウンドバックチャンネルの音声信号)が一緒に減衰処理されることがない。これにより、サラウンド左チャンネルの音声信号、サラウンド右チャンネルの音声信号、サラウンドバックチャンネルの音声信号をそれぞれ個別に減衰処理することができ、例えばユーザによる入力部7の図示しない操作ボタンの押下によって各々のスピーカから出力される音声を調整してサラウンド全体の音量バランスを設定する際に、サラウンドバックチャンネルの音声信号に対応する音量のみを、サラウンド左チャンネルの音声信号やサラウンド右チャンネルの音声信号に対応する音量に左右されることなく調整することができる。
【0042】
本実施例の音響再生装置によれば、ダウンミックス回路9aによるデジタル音声信号の合成により、3チャンネルの音声信号(サラウンド左チャンネルのデジタル音声信号とサラウンド右チャンネルのデジタル音声信号とサラウンドバックチャンネルのデジタル音声信号)が2チャンネルの音声信号(サラウンド左チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックチャンネルの音声信号と、サラウンド右チャンネルの音声信号とこれに振り分けられたサラウンドバックの音声信号の2つの音声信号の音声信号)にチャンネル数が減らされて、2チャンネルの音声信号がワイヤレス送信ユニット10及びワイヤレス受信ユニット14でワイヤレス伝送される。しかもサラウンドバックチャンネルの音声信号はサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカの双方に振り分けられて出力されるので、リスナーはあたかもサラウンド左スピーカとサラウンド右スピーカの間に仮想のサラウンドバックスピーカがあり、そこからサラウンドバックチャンネルの音声信号が出力されているように感じられる(所謂ファントムモード)。従って、ワイヤレス伝送すべきデジタル音声信号が3チャンネルであっても、2チャンネルの音声信号のワイヤレス送信の場合と同様に、2チャンネル用の伝送装置を用いてワイヤレス伝送して、これを所謂ファントムモードによって出力することにより、後方のスピーカからあたかも3チャンネル分の音声信号が出力されているように感じることができる。これによりワイヤレス伝送装置に2チャンネル分の伝送能力があれば3チャンネル分の音声信号を伝送することができるので、ワイヤレス伝送装置に関してコストアップを招くことなく6.1チャンネルのサラウンドを擬似的に実現することができる。
【0043】
また、本実施例の音響再生装置によれば、実施例1の場合と同様に、音声信号処理部6内のオーディオDSP17が、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号のワイヤード伝送を、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネル、サラウンドバックチャンネルの音声信号のワイヤレス伝送に対して遅延させ、この遅延は前記ワイヤード伝送に対して前記ワイヤレス伝送が遅れる時間に相当する時間分の遅延であるため、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルのスピーカと、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネルのスピーカ間における音声の出力に時間差が生じることがない。
【0044】
また、本実施例の音響再生装置によれば、実施例1の場合と同様に、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルの音声信号とサラウンドバックチャンネルの音声信号をワイヤード伝送する場合には、制御部4の制御によって音声信号処理部6内のオーディオDSPは、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルの音声信号の伝送における遅延を行わないため、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号の伝送方法をワイヤレス伝送からワーヤード伝送に切り替えたとしても、フロント左チャンネルとフロント右チャンネルとセンターチャンネルと重低音チャンネルのスピーカと、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネルのスピーカ間における音声の出力に時間差が生じることがない。
【0045】
さらに、本実施例の音響再生装置によれば、例えばユーザによる入力部7の図示しない操作ボタンの押下によってサラウンドバックチャンネルの音声信号に対応する音声の音量を調整してサラウンド全体の音量バランスを設定する場合、音声信号処理部6のボリュームIC20において、3つの音声信号(サラウンドバックチャンネルの音声信号と、ダウンミックス回路9aによって当該サラウンドバックチャンネルの音声信号と合成されるサラウンド左チャンネルの音声信号及びサラウンド右チャンネルの音声信号)をそれぞれ個別に減衰処理することができるため、たとえダウンミックス回路9aによって音声信号が合成されたとしてもサラウンドバックチャンネルの音声信号に対応する音量のみをサラウンド左チャンネルの音声信号やサラウンド右チャンネルの音声信号に対応する音量に左右されることなく調整することができる。
【0046】
尚、実施例1及び実施例2においては、P+Mチャンネルの音声信号を出力する音声再生装置において、P=4、M=3であり、ワイヤレス送信するチャンネル数N=2であるが、本発明においてはP、M、Nはこれら限られず、例えばP=3、M=4、N=2(但しN<M)など様々な正の整数を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施例である音響再生装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すメインユニット1の音声信号処理部6の概略構成を示すブロック図である。
【図3】切替部F9の概略配線図である。
【図4】切替部F13aの概略配線図である。
【図5】実施例1において、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送する場合の音声信号処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】サラウンドンプユニット3aの概略構成を示す図である。
【図7】切替部R22の概略配線図である。
【図8】実施例2において、サラウンド左チャンネルとサラウンド右チャンネルとサラウンドバックチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送する場合の音声信号処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
6 音声信号処理部
9a ダウンミックス回路
10 ワイヤレス送信ユニット
13a マトリックスデコード回路
14 ワイヤレス受信ユニット
17 オーディオDSP
20 ボリュームIC


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともM(Mは2以上の整数)チャンネルの音声信号を出力する音声信号出力手段と、
Mより小さいN(Nは正の整数)チャンネルの音声信号をワイヤレス伝送するワイヤレス送信手段及び受信手段と、
Mチャンネルの音声信号からNチャンネルの音声信号を合成する音声信号合成手段とを有し、
前記ワイヤレス送信手段及び受信手段は音声信号合成手段で合成されたNチャンネルの音声信号をワイヤレス伝送することを特徴とする音響再生装置。
【請求項2】
前記ワイヤレス伝送されたNチャンネルの音声信号をMチャンネルの音声信号に復元する復元手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項3】
前記音声信号合成手段による合成により生成したNチャンネルの音声信号に対応する音声を出力するN個のスピーカと、
チャンネル毎に音声信号を減衰する減衰手段とを備え、
前記音声信号合成手段は、前記減衰手段により減衰されたMチャンネルの音声信号からNチャンネルの音声信号を合成することを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項4】
前記音声信号出力手段はM+P(Pは正の整数)チャンネルの音声信号を出力し、
前記音響再生装置はPチャンネルの音声信号についてはワイヤード伝送し、
Pチャンネルの音声信号のワイヤード伝送をMチャンネルの音声信号のワイヤレス伝送に対して遅延させる遅延手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音響再生装置。
【請求項5】
前記遅延手段は、ワイヤード伝送に対してワイヤレス伝送が遅れる時間に相当する時間分遅延させることを特徴とする請求項4に記載の音響再生装置。
【請求項6】
前記遅延手段は、前記Mチャンネルの音声信号をワイヤード伝送する場合には、Pチャンネルの音声信号の伝送における遅延を行わないことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の音響再生装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−25052(P2006−25052A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199778(P2004−199778)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(397016699)三洋テクノ・サウンド株式会社 (16)
【Fターム(参考)】