説明

音響装置および再生モード設定方法

【課題】 入力信号に応じて再生モードを設定することが可能な音響装置を実現する。
【解決手段】 マイコン1の処理制御部11は、デコーダ21を制御して入力信号をデコードし、入力信号の音声フォーマットの情報を取得する。処理制御部11は、取得した音声フォーマットの形式の情報に基づいて、記憶部12に記憶されているマトリクス処理の処理方式を呼び出す。処理制御部11は、さらに、入力信号からエンコードchに関する情報を取得する。エンコードchが2chである場合には、処理制御部11はサラウンド22を制御して入力信号に対してマトリクス処理を行い、音声出力をマルチチャンネル化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置および再生モード設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オーディオ装置等の音響機器において、サラウンド機能を用いた音声の再生及び出力が一般的に行われている。このサラウンド機能は、臨場感のある音声を実現するため、いわゆるマルチチャンネル(多ch)により立体的な音場を作り出す機能である。こうしたサラウンド機能の方式としては様々なサラウンドモードが存在し、現在では、AC−3(登録商標)やDTS(登録商標)、AAC(登録商標)等の音声圧縮方式を用いた5.1chサラウンド方式や、ドルビープロロジック(登録商標)等の5.1chサラウンド方式や、NEO:6(登録商標)等の6.1chサラウンド方式が広く用いられている。こうしたモードの異なるサラウンド機能に対応するため、音声フォーマットの方式毎に再生モードを切り替えることが可能な、音声の再生システムが考えられた(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、昨今のテレビ放送のデジタル・ハイビジョン化に伴い、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Video Disc)といった音声ソフトの再生機器のみならず、テレビ受像器等においてもサラウンド機能の搭載されているものが多い。テレビ放送には、大きく分けて2chとマルチchとの2種類の放送モードがある。元々の放送がマルチchの場合には、そのままサラウンドモードで再生を行うことができるが、2chの放送による音声をサラウンドモードで再生するためには、音声信号に対して、2chからマルチchを作り出すための多チャンネル化処理(マトリクス処理)を行う必要がある。
【特許文献1】特許第3491417号公報(第4−5頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなマトリクス処理は、入力音声信号のチャンネル数が、所望される音声出力のチャンネル数よりも少ない場合に対して有効なものであり、入力音声信号のチャンネル数が所望される音声出力のチャンネル数と同じか、又は少ない場合には不要な処理である。従って、このような場合、上述のマトリクス処理を禁止している。そこで、デジタル放送の音声にマトリクス処理を施す際には、音声信号が2chであるかマルチchであるかに応じて、マトリクス処理を行うか否かの選択をした上で、処理を行う必要がある。また逆に、マルチchの音声信号をダウンミックス処理して2chの音声信号を得たい場合があるが、この場合も音声信号が2chであるかマルチchであるかに応じて、ダウンミックス処理を行うか否かの選択をした上で、処理を行う必要がある。
【0005】
このサラウンドモードの設定は、通常はテレビ放送を視聴するユーザ自身が行うものであり、ユーザが音声のチャンネル数が同じ番組を見続ける場合においては、その作業はさほどユーザの負担とはならない。しかし、例えばユーザが、2chの放送とマルチchの放送とを交互に切り替えて視聴する場合には、このサラウンドモードの設定作業は非常に煩雑なものとなってしまう。すなわち、2chの番組を視聴していたユーザが、一度マルチchの番組に切り替えた後で再び2chを視聴し始めた場合、マルチchでの視聴に伴ってマトリクス処理が解除されるため、再び2chに切り替えたときにはサラウンドモードの設定がリセットされて、ユーザは2chの番組を2chのまま視聴することになる。したがって、ユーザは、複数のチャンネルを渡り歩くたびにサラウンドモード(再生モード)の設定をし直さなければならず、かなり煩わしい作業となってしまっていた。もちろん、上述のダウンミックス処理の設定についても同様の問題があった。
【0006】
また、音声信号が圧縮オーディオ信号である場合、異なる圧縮オーディオ(AC−3(登録商標)やDTS(登録商標)等)方式それぞれに対してサラウンドモード(再生モード)を設定したい場合があるが、この場合も上述と同様に、ユーザが入力される音声信号の圧縮オーディオ方式に応じて設定をし直さなければならず、かなり煩わしい作業となってしまっていた。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであり、適切に再生モードを設定することが可能な音響装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る音響装置は、
音声方式に関する情報を含む音声信号の入力を受け付け、前記音声信号に基づいて音声を再生するための再生モードを設定する音響装置であって、
複数の音声方式についての再生モードの設定情報を、各音声方式毎に記憶する記憶手段と、
入力された前記音声信号から、該音声信号の音声方式に関する情報を取得する音声情報取得手段と、
前記音声情報取得手段が取得した前記音声信号の音声方式に関する情報に基づいて、対応する音声方式についての再生モードの設定情報を前記記憶手段から読み出し、前記音声信号の再生モードを判別する判別手段と、
前記判別に基づいて、前記音声信号に基づく音声の再生に際しての再生モードを設定する再生モード設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
前記音声信号は、圧縮された音声デジタル信号であり、
前記音声情報取得手段は、前記音声デジタル信号を復号して該音声デジタル信号の音声方式に関する情報を取得するデコード手段であり、
前記再生モード設定手段は、前記音声デジタル信号を復号して該音声デジタル信号の再生モードを設定する多チャンネル化処理手段であることが好ましい。
【0010】
前記音声信号は、音声方式に関する情報として音声チャンネル方式に関する情報を含み、
前記判別手段は、前記音声入力信号の音声チャンネル方式を判別し、
前記再生モード設定手段は、前記判別手段が判別した前記音声入力信号の音声チャンネル方式に関する情報に基づいて、前記音声入力信号を多チャンネル化するための多チャンネル化処理を設定することが好ましい。
【0011】
前記音声信号は、音声方式に関する情報として前記音声信号の圧縮方式に関する情報を含み、
前記記憶手段は、複数の圧縮方式についての再生モードの設定情報を、多チャンネル化処理の種類に関する情報を含んで各圧縮方式毎に記憶し、
前記判別手段は、前記音声取得手段が取得した音声方式に関する情報のうち圧縮方式に関する情報に基づいて、対応する圧縮方式についての再生モードの設定情報のうち多チャンネル化処理の種類に関する情報を前記記憶手段から読み出して前記音声信号に対応する多チャンネル化処理の種類を判別し、
前記再生モード設定手段は、前記判別に基づいて、前記音声信号に対して多チャンネル化処理を行い、前記音声信号を多チャンネル化することが好ましい。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る再生モード設定方法は、
音声方式に関する情報を含む音声信号の入力を受け付け、前記音声信号に基づいて音声を再生するための再生モードを設定する再生モード設定方法であって、
複数の音声方式についての再生モードの設定情報を、各音声方式毎に予め記憶し、
入力された前記音声信号から、該音声信号の音声方式に関する情報を取得するステップと、
取得した前記音声信号の音声方式に関する情報に基づいて、対応する音声方式について記憶された再生モードの設定情報を読み出し、前記音声信号の再生モードを判別するステップと、
前記判別に基づいて、前記音声信号に基づく音声の再生に際しての再生モードを設定するステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力信号に応じて再生モードを切り替えることが可能な、音響装置及び再生モード設定方法が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施の形態に係る音響装置は、テレビ受像器等の音声再生機器に搭載される装置であり、図1に示すように、マイコン(マイクロコンピュータ)1と、デコード処理部2と、を備えて構成される。デコード処理部2は、DSP(Digital
Signal Processer)等の信号処理装置3の内部に構成され、外部より入力された圧縮されたデジタル音声信号にデコード処理(伸張処理)を行って出力する。もちろん、音響装置として独立して設けられてもよく、この場合、音声信号がテレビ受像器やオーディオ機器等の再生装置(光ディスクプレーヤ等)から入力される構成となる。
【0015】
ここで、音声デジタル信号は、図2に示すようなデータ構成を有している。すなわち、データ内の所定のチャンク(所定長のデータ群)の中に、オーディオ(音声)に関する情報が格納されている。後述する再生モード設定処理の際には、複数のチャンクにおけるヘッダ情報(4bit)を集めてデータを構成することにより、マイコン1の処理制御部11は、音声デジタル信号に含まれる音声方式に関する情報(AC−3(登録商標)かDTS(登録商標)かAAC(登録商標)かといった情報)と、音声が何chでエンコードされているかの情報と、を取得する。
【0016】
マイコン1は、本装置の処理制御を行うための処理制御部11と、記憶部12とを備える。
【0017】
処理制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、マイコン1全体の動作を制御するとともに、再生モード設定のための様々な処理を行う。より詳細には、デコーダ処理部2のデコーダ21を制御して、音声デジタル信号をデコードさせ、音声デジタル信号のデータ構成から、音声方式に関する情報を取得する。
【0018】
また、処理制御部11は、サラウンドプロセッサ22を制御して、入力信号に対してマトリクス処理(多チャンネル化処理)を行わせる。ここで、マトリクス処理とは、符号化された2chの音声データに対して、マトリクス処理(多チャンネル化)を行う処理である。
【0019】
記憶部12は、ハードディスク装置や半導体メモリ等の所定の記憶装置から構成され、様々なデータやプログラムを記憶する。本実施の形態では、記憶部12は、各音声フォーマット毎のエンコードchとそれに伴うマトリクス処理の設定を、例えば図3に示すようなテーブルに記憶しており、処理制御部11からのアクセスに応じて、これらの情報を処理制御部11に供給する。尚、このテーブルに記憶される情報は、ユーザによって設定変更可能なものであり、当該テレビ受像器(オーディオ機器)の他の部分に設けられた所定の音声設定のための入力を受け付ける入力受付部からの情報の供給に伴って、処理制御部11はこのテーブルに記憶される情報を適宜更新する。
尚、図3に示した関係以外にも、例えば、2chの音声信号を3ch化したり、5.1chの音声信号を7.1ch化したりする方式も存在する。具体的には、L,C,R,SL,SR,Wの音声信号のうち、SL及びSRに対してマトリクス処理(多チャンネル化処理)を施して7.1chの音声信号を取得する。これらの処理も含めて、入力音声信号のチャンネル数よりも多くのチャンネル数を有する出力音声信号を得る処理を、いずれも本発明では多チャンネル化として説明する。
【0020】
デコード処理部2は、デコーダ21とサラウンドプロセッサ22とから構成される。
【0021】
デコーダ21は、信号処理装置3に外部から供給された音声デジタル信号をデコード(伸張処理)し、入力された音声デジタル信号に含まれる圧縮データの情報をマイコン1に供給する。マイコン1の処理制御部11では、図2に示すようなデータ構成のうち、音声方式(オーディオ)に関する情報のヘッダ部を複数読み取ることによって、入力信号にエンコードされている音声方式の情報を取得する。また、デコードした音声信号を次段に配置されるサラウンドプロセッサ22に出力する。このとき、デコードされた音声信号は、符号化された音声に対応したチャンネル数を有している。
【0022】
サラウンドプロセッサ22は、マイコン1の処理制御部11の制御に基づいて、音声デジタル信号に対してマトリクス処理(多チャンネル化処理)を行う。マトリクス処理の方式には2chから5.1chを作り出すプロロジックと、6.1chを作り出すNEO:6(登録商標)とがあり、サラウンドプロセッサ22は、処理制御部11の制御に基づいてプロロジック処理かNEO:6(登録商標)処理かを選択してマトリクス処理を行う。
【0023】
信号処理装置3は、DPS等の所定のプロセッサ装置から構成され、デコード処理部2を備え、外部から入力された音声デジタル信号を処理して、所定のアンプ部(図示せず)等に出力する。
【0024】
次に、本実施の形態に係る音響装置による再生モード設定処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。尚、この再生モード設定処理は、信号処理装置3が外部からの音声デジタル信号(圧縮された音声信号)の入力を受けてスタートする。
【0025】
まず、マイコン1の処理制御部11は、デコーダ21を制御して音声デジタル信号をデコードし、そのデータ構成の情報を取得する。処理制御部11は、複数のチャンクのヘッダ情報から、音声デジタル信号に含まれる音声方式(圧縮方式)の形式を読み取る(ステップS101)。
【0026】
マイコン1の処理制御部11は、音声デジタル信号の圧縮方式の種類がAC−3(登録商標)なのかDTS(登録商標)なのかAAC(登録商標)なのかを判別する(ステップS102)。そして、判別した圧縮方式に基づいて、記憶部12にアクセスし、対応する再生モードの設定を読み出す(ステップS103)。
【0027】
処理制御部11は、読み出した再生モードの設定に基づいて、多ch化を行うためのマトリクス処理の方式(プロロジックなのかNEO:6(登録商標)なのか)を判別する(ステップS104)。
【0028】
マイコン1の処理制御部11は、ステップS101で取得した音声デジタル信号のデータ構成の情報から、音声デジタル信号にエンコードされているチャンネル方式(音声が何chでエンコードされているのか)を読み取る(ステップS105)。
【0029】
マイコン1の処理制御部11は、読み取ったチャンネル方式がサラウンドプロセッサ22による多チャンネル化処理が必要か否かを判別する(ステップS106)。つまり、入力された音声信号のチャンネル数が、設定されているマトリクス処理で得られるチャンネル数より少ないか否かを判別し、少ないと判別すると(ステップS106:Yes)、サラウンドプロセッサ22を制御して、多チャンネル化を行うためのマトリクス処理(多チャンネル化処理)を行わせる。ここでは、ステップS104において判別した方式のマトリクス処理を行う(ステップS107)。一方、入力された音声信号のチャンネル数が、設定されているマトリクス処理で得られるチャンネル数と同じか、もしくは多いと判別すると(ステップS106:No)、マトリクス処理の必要はないと判定して、マトリクス処理を行わずに(ステップS108)処理を終了する。
【0030】
以上、説明したような構成及び処理動作により、本実施の形態に係る再生モード設定装置が実現される。すなわち、本実施の形態に係る再生モード設定装置では、各音声フォーマットとそのエンコードch毎にマトリクス処理の種類およびマトリクス処理を行うか否かの情報を記憶し、その記憶情報に基づいて入力信号に対して処理を行う。
【0031】
より詳細には、図5に模式的に示すように、音声デジタル信号が2chである場合には、各圧縮方式に基づいて設定されたマトリクス処理を行い、入力信号がマルチchである場合には、マトリクス処理を行わずに信号を出力する。これは、本実施の形態に係る再生モード設定装置が、音声デジタル信号に含まれる音声方式に関する情報を取得するデコーダ21と、マトリクス処理を行うためのサラウンドプロセッサ22とを別個に備えることにより実現可能となったものである。また、音声デジタル信号がマルチchである場合には、設定されたダウンミックス処理を行い、入力信号が2chである場合には、ダウンミックス処理を行わずに信号を出力することが可能となった。
【0032】
したがって、ユーザが異なる音声フォーマットや異なるエンコードchの放送や再生信号を切り替えて聴取する際に、一回毎にサラウンドモードの設定をする必要がない。したがって、視聴するテレビ放送の音声フォーマット等を気にすることなく、快適にテレビ鑑賞を行うことができる。
【0033】
また、異なる複数の圧縮オーディオ(AC−3(登録商標)やDTS(登録商標)等)方式が入力される場合も、圧縮オーディオ方式毎に再生モードをメモリしておくことで、それぞれの圧縮オーディオ方式に応じた再生モードを自動で設定し、臨場感のある再生をユーザからの操作なしで楽しむことができる。
【0034】
尚、本発明は上記実施の形態で示した例に限られるものではなく、様々な変形及び応用が可能である。
【0035】
例えば、上記実施の形態では、音声フォーマットをAC−3(登録商標)、DTS(登録商標)、AAC(登録商標)の3種類に限定して説明を行ったが、PCM(登録商標)やMPEG−2(登録商標)等の他の音声フォーマットを用いてもよい。また、エンコードchやマトリクス処理のチャンネル数についても、上記実施の形態で示した2ch、5.1ch、6.1chのみに限定されるものではなく、例えばドルビープロロジック2x(登録商標)等に対応した7.1chに対応可能な構成にすることも可能である。
【0036】
また、上記実施の形態では、テレビ放送について再生モードの設定を行う例について示したが、本発明の再生モード設定装置は、テレビ放送の音声に限定して用いられるものではない。例えば、DVDソフト等の再生機器において、日本語の音声はDTS(登録商標)で、英語の音声はAC−3(登録商標)でDVDの音声フォーマットが為されているような場合、本発明の再生モード設定装置を用いることで、音声の切り替えをスムーズに行うことができる。
【0037】
また、音声が圧縮されたものである圧縮音声と、非圧縮音声を混在させて再生することも可能である。例えば、CDは通常、PCM音声信号が非圧縮で2chで記録されており、ユーザはこれに対応した多チャンネル化処理Aを選択して記憶部12に記憶し、また、AC−3(登録商標)は通常5.1chで記録されていることが多く、ユーザはこれに対応した多チャンネル化処理B(例えば7.1chへの変換処理等)を選択して記憶部12に記憶する。音声信号が入力されると、音声方式が判別され、PCM2ch音声信号であると判別されると、これに対応した多チャンネル化処理Aを記憶部12から読み出して、サラウンドプロセッサ22に多チャンネル化処理Aを設定する。一方、入力された音声信号の音声方式が圧縮音声であり、詳細にはAC−3(登録商標)方式であると判別されると、これに対応した多チャンネル化処理Bを記憶部12から読み出して、サラウンドプロセッサ22に多チャンネル化処理Bを設定する。この場合でも、入力信号に応じて再生モードを切り替えることが可能な、音響装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係る音響装置の構成図である。
【図2】入力信号のデータ構成に含まれる音声方式の情報を取得する様子を説明するための図である。
【図3】図1の音響装置におけるマイコンの記憶部に記憶される情報の例を示す図である。
【図4】図1の音響装置が行う処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1の音響装置が行う再生モード設定の処理を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0039】
1 マイコン
11 処理制御部
12 記憶部
2 デコード処理部
21 デコーダ
22 サラウンドプロセッサ
3 信号処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声方式に関する情報を含む音声信号の入力を受け付け、前記音声信号に基づいて音声を再生するための再生モードを設定する音響装置であって、
複数の音声方式についての再生モードの設定情報を、各音声方式毎に記憶する記憶手段と、
入力された前記音声信号から、該音声信号の音声方式に関する情報を取得する音声情報取得手段と、
前記音声情報取得手段が取得した前記音声信号の音声方式に関する情報に基づいて、対応する音声方式についての再生モードの設定情報を前記記憶手段から読み出し、前記音声信号の再生モードを判別する判別手段と、
前記判別に基づいて、前記音声信号に基づく音声の再生に際しての再生モードを設定する再生モード設定手段と、
を備えることを特徴とする音響装置。
【請求項2】
前記音声信号は、圧縮された音声デジタル信号であり、
前記音声情報取得手段は、前記音声デジタル信号を復号して該音声デジタル信号の音声方式に関する情報を取得するデコード手段であり、
前記再生モード設定手段は、前記音声デジタル信号を復号して該音声デジタル信号の再生モードを設定する多チャンネル化処理手段である、
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
前記音声信号は、音声方式に関する情報として音声チャンネル方式に関する情報を含み、
前記判別手段は、前記音声入力信号の音声チャンネル方式を判別し、
前記再生モード設定手段は、前記判別手段が判別した前記音声入力信号の音声チャンネル方式に関する情報に基づいて、前記音声入力信号を多チャンネル化するための多チャンネル化処理を設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響装置。
【請求項4】
前記音声信号は、音声方式に関する情報として前記音声信号の圧縮方式に関する情報を含み、
前記記憶手段は、複数の圧縮方式についての再生モードの設定情報を、多チャンネル化処理の種類に関する情報を含んで各圧縮方式毎に記憶し、
前記判別手段は、前記音声取得手段が取得した音声方式に関する情報のうち圧縮方式に関する情報に基づいて、対応する圧縮方式についての再生モードの設定情報のうち多チャンネル化処理の種類に関する情報を前記記憶手段から読み出して前記音声信号に対応する多チャンネル化処理の種類を判別し、
前記再生モード設定手段は、前記判別に基づいて、前記音声信号に対して多チャンネル化処理を行い、前記音声信号を多チャンネル化する、
ことを特徴とする請求項3に記載の音響装置。
【請求項5】
音声方式に関する情報を含む音声信号の入力を受け付け、前記音声信号に基づいて音声を再生するための再生モードを設定する再生モード設定方法であって、
複数の音声方式についての再生モードの設定情報を、各音声方式毎に予め記憶し、
入力された前記音声信号から、該音声信号の音声方式に関する情報を取得するステップと、
取得した前記音声信号の音声方式に関する情報に基づいて、対応する音声方式について記憶された再生モードの設定情報を読み出し、前記音声信号の再生モードを判別するステップと、
前記判別に基づいて、前記音声信号に基づく音声の再生に際しての再生モードを設定するステップと、
を備えることを特徴とする再生モード設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−19903(P2006−19903A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193943(P2004−193943)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】