音響装置及びその音響効果制御方法
【課題】操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置及びその音響効果制御方法に関し、音響効果を得るための操作部の操作を再現できる音響装置及びその音響効果制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置において、操作部の操作動作とは別に、操作部を駆動する駆動手段と、操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて駆動手段の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【解決手段】 本発明は、操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置において、操作部の操作動作とは別に、操作部を駆動する駆動手段と、操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて駆動手段の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音響装置及びその音響効果制御方法に係り、特に、操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置及びその音響効果制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチチャンネルミキサなどの音響装置では、複数の入力音源の各入力音源に対して種々の音響効果を付与し、ミックスして出力できる構成とされている。このとき、その操作は、多数のスイッチ操作部、スライド操作部などを駆使して行われおり、かつ、プレイ途中でも操作が行われる。このため、思い通りのサウンドを創作するには相当の経験が必要とされていた。
【0003】
このとき、熟練者の操作や自分で創作したサウンドの操作を再現することができれば、操作を容易に習得可能となる。このため、熟練者の操作や自分で創作したサウンドの操作を再現できる音響装置が望まれている。
【0004】
一方、制御信号によりアクチュエータを駆動して可変抵抗器を変えるオーディオ再生装置が提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、リニアモータ付き歩テンショメータが搭載されたミキサなどが提案されていた(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開平7−326004号公報
【特許文献2】特開平6−318507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、従来の音響装置では、そのとき作成された音源を記憶し、再生することは可能であるものの、その音源を作成したときの、音響装置の操作部の操作状態を再現することはできなかった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、音響効果を得るための操作部の操作を再現できる音響装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置において、操作部の操作動作とは別に、操作部を駆動する駆動手段と、操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて駆動手段の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて操作部の操作動作とは別に、操作部を駆動する駆動手段の動作を制御することにより、音響効果及びそのときの操作部の操作状態を再現することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、音響効果及びそのときの操作部の操作状態を再現することにより、音響装置の操作を体感でき、音響装置の操作を効率良く習得できるなどの特長を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
〔システム構成〕
図1は本発明の一実施例のシステム構成図、図2は本発明の一実施例のブロック構成図を示す。
【0013】
本実施例の音響システム1は、マルチチャンネルミキサ11、レコードプレーヤ12−1、12−2、アンプ13、スピーカ14L、14R、メモリカード15から構成される。
【0014】
マルチチャンネルミキサ11には、レコードプレーヤ12−1、12−2などの音源から音源情報が供給されている。マルチチャンネルミキサ11は、ボタン操作部31、及び、スライド操作部32を有し、例えば、レコードプレーヤ12−1、12−2から供給された音源情報に対してボタン操作部31の操作に応じた音響効果をスライド操作部32の操作量に応じた量だけ施して出力する。このとき、マルチチャンネルミキサ11は、スイッチ操作部31及びスライド操作部32を予め設定された操作情報に基づいて駆動することが可能な構成とされており、予め設定されたミキシング操作を再現できるように構成されている。
【0015】
マルチチャンネルミキサ11から出力された信号は、アンプ13に供給される。アンプ13は、マルチチャンネルミキサ11から供給された信号に応じてスピーカ14L、14Rを駆動し、スピーカ14L、14Rから出力する。
【0016】
〔マルチチャンネルミキサ11〕
図3はマルチチャンネルミキサ11のブロック構成図を示す。
【0017】
マルチチャンネルミキサ11は、音響処理部21、操作部22、操作制御部23、出力部24、コントロールポート25、カードスロット26から構成される。
【0018】
入力ポートPin1〜Pinnには、オーディオプレーヤ12−1、12−2などの外部機器からオーディオ信号が供給される。入力ポートPin1〜Pinnは、音響処理部21に接続されており、外部機器からのオーディオ信号を音響処理部21に供給する。
【0019】
音響処理部21には、入力ポートPin1〜Pinnから供給されるオーディオ信号の他、操作部22から操作信号が供給されている。音響処理部21は、操作部22からの操作信号に基づいて入力ポートPin1〜Pinnから供給されるオーディオ信号に対して音響効果を付与する。
【0020】
音響処理部21で操作部22からの操作信号に応じた音響効果が付与されたオーディオ信号は、出力部24に供給される。出力部24は、音響処理部21で音響効果が付与されたオーディオ信号を増幅して、出力ポートPout1〜Poutnから出力する。出力ポートPout1〜Poutnは、アンプ13に接続されており、アンプ13にオーディオ信号を出力する。
【0021】
操作制御部23には、音響処理部21から音響情報が供給されている。操作制御部23は、予め設定された操作情報に応じて操作部22を駆動させる。また、操作制御部23は、コントロールポート25を介してレコードプレーヤ12−1、12−2を予め設定された操作情報に基づいて制御する。
【0022】
〔操作制御部23〕
ここで、操作制御部23について説明する。
【0023】
図4は操作制御部23のブロック構成図を示す。なお、ここで、スイッチ操作部31は、m個のスイッチ操作部31−1〜31−mから構成されており、スライダ操作部32は、k個のスライダ操作部32−1〜32−kから構成されている。
【0024】
操作制御部23は、状態検出手段41−1〜41−m、42−1〜42−k、アナログディジタル変換器(ADC)43−1〜43−k、47−1〜44−k、マイコン45、内部メモリ46、ディジタルアナログ変換器(DAD)47−1〜47−m、48−1〜48−k、駆動回路49−1〜49−m、50−1〜50−k、内部メモリ50、インタフェース回路51から構成されている。
【0025】
状態検出手段41−1〜41−mは、スイッチ操作部31−1〜31−mがオン状態か、オフ状態かを検出するための手段であり、例えば、スイッチ操作部31−1〜31−mに供給される電流などを検出することにより検出を行う。
【0026】
状態検出手段42−1〜42−kは、スライド操作部32−1〜32−kのスライド量を検出する手段であり、例えば、スライド操作部32−1〜32−kの出力電圧などにより検出を行う。
【0027】
状態検出手段41−1〜41−mで検出されたスイッチ操作部31−1〜31−mの状態に応じた検出信号は、アナログ−ディジタル変換器43−1〜43−mに供給される。アナログ−ディジタル変換器43−1〜43−mは、検出信号をディジタルデータに変換して、マイコン45に供給する。
【0028】
状態検出手段42−1〜42−kで検出されたスライド操作部32−1〜32−mの状態に応じた検出信号は、アナログ−ディジタル変換器44−1〜44−mに供給される。アナログ−ディジタル変換器44−1〜44−kは、検出信号をディジタルデータに変換して、マイコン45に供給する。
【0029】
マイコン45は、アナログ−ディジタル変換器43−1〜43−m及び44−1〜44−kから供給された検出情報及び音響処理部21から供給される音源情報などに基づいて操作情報を作成し、内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶する。
【0030】
ここで、操作情報のデータ構成について説明する。
【0031】
図5は操作情報のデータ構成図を示す。
【0032】
音源情報S1〜Send、スイッチ操作部31−1〜31−m、夫々の状態情報SW11〜SW1end〜SWm1〜SWmend、スライド操作部32−1〜32−k、夫々の状態情報SL11〜SL1end〜SLk1〜SLkend、レコードプレーヤ12−1のターンテーブルの回転状態情報RP11〜RP1end、レコードプレーヤ12−2のターンテーブルの回転状態情報RP21〜RP2endを所定のサンプリング時間t1〜tend毎に内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶している。
【0033】
なお、操作情報は、任意のサンプリング時間毎とに記憶するようにしてもよい。
【0034】
図6は操作情報の変形例のデータ構成図を示す。
【0035】
本変形例の操作情報は、任意のサンプリング時間t11〜t1end毎に、音源情報S1〜Send、スイッチ操作部31−1〜31−m、夫々の状態情報SW11〜SW1end〜SWm1〜SWmend、スライド操作部32−1〜32−k、夫々の状態情報SL11〜SL1end〜SLk1〜SLkend、レコードプレーヤ12−1のターンテーブルの回転状態情報RP11〜RP1end、レコードプレーヤ12−2のターンテーブルの回転状態情報RP21〜RP2endを内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶している。
【0036】
マイコン45は、内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶された操作情報に基づいてスイッチ操作部31−1〜31−m及びスライド操作部32−1〜32−kを駆動するための制御情報を生成する。マイコン45で生成された制御情報は、ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−m、48−1〜48−kに供給される。
【0037】
ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−m、48−1〜48−kは、マイコン45から供給された制御情報をアナログ制御信号に変換する。ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−mで変換されたアナログ制御信号は、駆動回路49−1〜49−mに供給される。駆動回路49−1〜49−mは、ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−mから供給されたアナログ制御信号に応じた駆動信号を生成する。駆動回路49−1〜49−mで生成された駆動信号は、スイッチ操作部31−1〜31−mに供給される。スイッチ操作部31−1〜31−mは、駆動回路49−1〜49−mから供給された駆動信号により、操作とは別に、駆動され、スイッチングされる。
【0038】
また、ディジタル−アナログ変換器48−1〜48−kで変換されたアナログ制御信号は、駆動回路50−1〜50−kに供給される。駆動回路50−1〜50−kは、ディジタル−アナログ変換器48−1〜48−kで変換されたアナログ制御信号に応じた駆動信号を生成する。駆動回路50−1〜50−kで生成された駆動信号は、スライド操作部32−1〜32−kに供給される。スライド操作部32−1〜32−kは、駆動回路50−1〜50−kから供給された駆動信号により、操作とは別に駆動され、スライド位置が変位する。
【0039】
音響処理部21は、音源情報に対してスイッチ操作部31−1〜31−mのスイッチング状態に応じた音響効果を与える。また、音響処理部21は、スライド操作部32−1〜32−kのスライド位置に対応して音源情報に与える音響効果量などを制御する。
【0040】
〔スイッチ操作部31−1〕
ここで、スイッチ操作部31−1について説明する。
【0041】
図7はスイッチ操作部31−1の分解斜視図、図8はスイッチ操作部31−1の断面図を示す。
【0042】
スイッチ操作部31−1は、スイッチ111、位置決めベース112、コイルバネ113、キャップ114、モータ115、ギア機構116、偏心カム117から構成され、回路基板101上に搭載されている。
【0043】
スイッチ111は、例えば、ラッチ機能付きプッシュスイッチから構成されており、スイッチ本体111a及び押下部111bから構成されている。スイッチ111は、押下部111bがスイッチ本体111a方向、矢印Z2方向に押下されることにより、スイッチ本体111a内部に設けられた接点がスイッチングされる。また、スイッチ111は、スイッチ本体111aが回路基板101に形成された配線パターン上に半田付けされ、回路基板101の配線パターンにより音響処理部21に接続される。
【0044】
位置決めベース112は、全体としては略円筒形状をなし、上端外周部分には、コイルバネ113を保持するための段部121が形成され、下端外周部分には、四方に固定部122が延出した形状とされている。固定部122には、貫通孔123が形成されている。
【0045】
位置決めベース122は、中心孔124にスイッチ111が収納されるように回路基板101に位置決めされる。位置決めベース122の貫通孔123には、ネジ125が貫通する。ネジ125は、回路基板101に形成されたネジ孔126に螺入される。ネジ125を回路基板101に形成されたネジ孔126に螺入することにより、位置決めベース122は回路基板101に固定される。
【0046】
コイルバネ113は、下端が位置決めベース122の上端に形成された段部121に係合し、上端にはキャップ114が係合する。コイルバネ113は、キャップ114を回路基板101に対して上方矢印Z1方向に弾性的に押し上げる機能を有する。
【0047】
キャップ114は、有底の円筒状をなし、有底面側が上方、矢印Z1方向を向き、開口面側が下方、矢印Z2方向を向くように配置されている。キャップ114の開口面側縁部には、鍔部131が形成されている。鍔部131には、偏心カム117が係合している。鍔部131は、偏心カム117が回転により、下方、矢印Z2方向に押下される。
【0048】
偏心カム117は、矢印Y1、Y2方向に配置された回転軸151に固定されている。回転軸151は、一端が回路基板101に植設された軸受152により軸支され、他端が回路基板101に固定されたギア機構116により軸支されており、矢印A1、A2方向に回転可能とされている。ギア機構116には、モータ115が結合されている。モータ115は、回路基板101上に保持され、駆動回路41−1から供給される駆動信号により回転する。モータ115の回転によりギア機構116が駆動される。ギア機構116は、モータ115の回転により回転軸151を矢印A1、A2方向に回転させる。回転軸151が矢印A1、A2方向に観点することにより、偏心カム117が矢印A1、A2方向に回転する。偏心カム117が矢印A1、A2方向に回転することにより、キャップ114の鍔部131が矢印Z2方向に押圧される。これによって、キャップ114がコイルバネ113の弾性力に抗して矢印Z2方向に変位する。
【0049】
また、キャップ114の内部には、底面から矢印Z2方向に押圧部132が突出している。押圧部132は、位置決めベース122の中心孔124に摺動可能に係合している。キャップ144は、押圧部132が位置決めベース122の中心孔124を摺動することにより、矢印Z1、Z2方向に移動するようにガイドされている。キャップ114が下方、矢印Z2方向に押圧されたときに、スイッチ111の押圧部111aを押下する構造とされている。
【0050】
これによって、モータ115の回転によりキャップ114が矢印Z2方向に変位されることにより、スイッチ111の押圧部111aが押下されてスイッチ111がスイッチングされる。
【0051】
また、キャップ114の底面側、矢印Z1方向には、操作パネル102が配置されており、キャップ114は、コイルバネ113により操作パネル102、矢印Z1方向に弾性的に押圧されており、操作パネル102に形成された貫通孔141から操作パネル102の操作面側、矢印Z1方向側に表出している。これによって、操作者が操作面からキャップ114を押下することによって、スイッチ111をスイッチングすることができる。
【0052】
なお、スイッチ操作部31−2〜32−mは、スイッチ操作部31−1と同様な構成であるので、その説明は省略する。
【0053】
〔スイッチ操作部31−1の第1変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、ギアによりキャップを押下するようにしてもよい。
【0054】
図9はスイッチ操作部31−1の第1変形例の分解斜視図、図10はスイッチ操作部31−1の第1変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
本変形例のスイッチ操作部231−1はキャップ214の矢印X1、X2方向の側面にラック221が形成し、ラック221にギア222を噛合させ、キャップ214をZ2方向に変位させることにより、スイッチ111をスイッチングする構成とされている。
【0056】
駆動回路49−1からの駆動信号によりモータ115が回転すると、モータ115の回転はギア機構116により回転軸151に伝達される。これにより、回転軸151は、矢印A1、A2方向に回転する。回転軸151は回転することにより、ギア222が矢印A1、A2方向に回転する。ギア222が矢印A1、A2方向に回転すると、ラック221が矢印Z2方向に押下される。ラック221が矢印Z2方向に押下されると、キャップ214がコイルバネ213の弾性力に抗して矢印Z2方向に変位する。これによって、スイッチ111がスイッチングされる。スイッチ111を押下した後にはモータ115の駆動力が解除される。キャップ214はコイルバネ113により矢印Z1方向に押圧されているので、モータ115の駆動力が解除されると、ラック221によりギア222にモータ115による駆動時とは反対方向の駆動力が働く。このとき、モータ115は駆動されていないので、ギア222はモータ115による駆動時とは反対方向に回転して、キャップ214は元の位置に復帰する。
【0057】
なお、このとき、スイッチ111がスイッチングするのに十分な距離だけキャップ214が変位するように、ギア222の一部に歯だけを形成しておくようにしてもよい。モータ115によりギア222を回転させたときに、ギア222の歯部によりキャップ214が変位する。キャップ214が変位し、スイッチ111が押下された後には、キャップ214のラック221がギア222の歯部から開放され、キャップ214が自動的に元の位置に復帰される。
【0058】
〔スイッチ操作部31−1の第2変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、電磁力によりキャップを押下するようにしてもよい。
【0059】
図11はスイッチ操作部31−1の第2変形例の分解斜視図、図12はスイッチ操作部31−1の第2変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0060】
本変形例のスイッチ操作部331−1では、キャップ314の下部外側面にコイル321を固定し、さらに、コイル321の内周側にヨーク322を配置した構成とされ、また、コイル321に対向して、コイル321に直交する方向に磁力線が延在し、かつ、ヨーク323の内周に固定され、互いに反対の極性とされた第1の永久磁石324−1、及び、第1の永久磁石324−1とは反対の極性を有する第2の永久磁石324−2を配置した構成とされている。
【0061】
第1の永久磁石324−1及び第2の永久磁石324−2並びにキャップ314に設けられたヨーク322、323とにより、磁力線がコイル321に直交するように発生する。ここで、コイル321に駆動回路49−1から駆動信号を供給することにより、コイル321に電流が流れる。コイル321に電流が流れることにより、フレミング左手の法則に従い、コイル321に対して矢印Z2方向の力が発生する。この力によって、キャップ314が矢印Z2方向に変位される。
【0062】
なお、第1の永久磁石324−1、第2の永久磁石324−2は、ヨーク323に接着剤などにより接着されて固定され、ヨーク323は、ネジ325を、ヨーク323の下端に形成された爪部323aに形成された貫通孔323bを通して回路基板101に螺入することにより固定されている。
【0063】
〔スイッチ操作部31−1の第3変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、電磁力によりキャップを押下するようにしてもよい。
【0064】
図13はスイッチ操作部31−1の第3変形例の分解斜視図、図14はスイッチ操作部31−1の第3変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0065】
本変形例のスイッチ操作部431−1は、キャップ414の下端周辺にコイル421を巻回し、また、回路基板101上のキャップ414の下面に対向して、回路基板101に直交する方向に磁力線が延在するように永久磁石422を配置した構成とされている。
【0066】
コイル421に駆動回路49−1からの駆動信号を供給することにより、コイル421の磁界と永久磁石422の磁界とが作用して、コイル421に矢印Z2方向に力が発生する。この力によって、キャップ314が矢印Z2方向に変位される。
【0067】
なお、永久磁石422は、貫通孔422aを有する。ネジ125を、位置決めベース122の貫通孔123を貫通させた後、さらに、貫通孔422aを貫通させて、回路基板101のネジ孔126に螺入することにより、回路基板101に固定される。また、永久磁石422には、中心部にスイッチ111を配置するための孔部422bを有する。スイッチ111は、この孔部422bを通して回路基板101に接続される。
【0068】
〔スイッチ操作部31−1の第4変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、空気圧によりキャップを押下するようにしてもよい。
【0069】
図15はスイッチ操作部31−1の第4変形例の分解斜視図、図16はスイッチ操作部31−1の第4変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
本変形例のスイッチ操作部531−1は、キャップ514の下端部周囲に鍔部521を設け、鍔部521の外周側にシリンダ522を配置した構成とされ、キャップ514をピストンとして作用させ、シリンダ522とキャップ514との間の空間の気圧を低下させることにより、キャップ514を矢印Z2方向に変位させる構成とされている。
【0071】
シリンダ522は、下部周縁部に鍔部522aを有する。鍔部522aには、貫通孔522bが形成されている。ネジ524を、貫通孔522bを通して回路基板101のネジ孔525に螺入することにより、シリンダ522が回路基板101に固定される。なお、このとき、シリンダ522と回路基板101との間にパッキン526を介して回路基板101上に固定することにより、空気の漏れを防止でき、効率よく駆動できる。
【0072】
シリンダ522の内部は、ホース527により圧力制御部528に接続されている。圧力制御部528には、ポンプ529が接続されている。圧力制御部528は、駆動回路49−1からの駆動信号に応じてシリンダ522の内部の圧力を切り換える。
【0073】
圧力制御部528は、例えば、駆動回路49−1からの駆動信号によりスイッチ111をスイッチングするときには、ポンプ529とホース527とを接続して、シリンダ522内部の圧力を外部の圧力に比べて低くなるように制御する。これによって、キャップ514がコイルバネ113の弾性力に抗して矢印Z2方向に下降し、スイッチ111が操作される。圧力制御部528は、スイッチ111の操作終了後、シリンダ操作後、ホース527とポンプ529とを切断し、大気圧に開放する。これによって、キャップ514は、コイルバネ113の弾性力により元の位置に復元する。
【0074】
なお、本変形例では、ホース527を、圧力制御部528を介してポンプ529に接続し、駆動回路49−1からの駆動信号により圧力制御部528を制御することにより、シリンダ522内部の圧力を制御したが、ホース527をポンプ529に直結し、駆動回路49−1からの駆動信号によりポンプ529の動作を直接制御し、シリンダ522内部の圧力を制御するようにしてもよい。
【0075】
〔スライド操作部32−1〕
次に、スライド操作部42−1について説明する。
【0076】
図17はスライド操作部32−1の分解斜視図、図18はスライド操作部32−1の断面図を示す。
【0077】
スライド操作部32−1は、スライド操作装置611、スライド駆動装置612、操作ツマミ613から構成される。
【0078】
スライド操作装置611は、例えば、スライド式可変抵抗器などから構成されており、回路基板101に半田付けされ、回路基板101に形成されたプリント配線により、音響処理部21に接続されている。なお、スライド操作装置611は、凸部621が矢印X1、X2方向にスライド可能に配置されており、スライド位置に応じて端子間の抵抗値が変化する構成とされている。
【0079】
スライド駆動装置612は、可動部631、固定部632、634から構成されている。可動部631は、可動部本体641の内部にコイル642を封止した構成とされている。コイル642は、矢印X1、X2方向を中心軸として巻回されている。可動部本体641の下部には、スライド操作装置611の凸部621と係合する係合部643が形成されている。また、可動部本体641の上部には、操作ツマミ613と係合する係合部644が形成されている。
【0080】
固定部632は、スライド操作装置611の矢印X1方向の端部に配置されており、永久磁石651及びヨーク652から構成されている。永久磁石651は、矢印X1、X2方向に磁性が分極されている。ヨーク652は、凹状をなし、底面方向が矢印X1方向となるように配置され、底面に永久磁石651の矢印X1方向の面が接着される。
【0081】
ヨーク652は、矢印Z2方向に爪部653が延出している。爪部653は、回路基板101に形成された孔部654を貫通して、回路基板101の裏面側で折曲される。これによって、固定部632が回路基板101上に固定される。
【0082】
固定部633は、スライド操作装置611の矢印X2方向の端部に配置されており、永久磁石661及びヨーク662から構成されている。永久磁石661は、矢印X1、X2方向に磁性が分極されている。ヨーク662は、凹状をなし、底面方向が矢印X2方向となるように配置され、底面に永久磁石661の矢印X2方向の面が接着される。
【0083】
ヨーク662は、矢印Z2方向に爪部663が延出している。爪部663は、回路基板101に形成された孔部664を貫通して、回路基板101の裏面側で折曲される。これによって、固定部633が回路基板101上に固定される。
【0084】
なお、永久磁石651と永久磁石661は、極性が同じ方向となるように配置されている。例えば、ともに、矢印X1方向がN極、矢印X2方向がS極となるように配置されている。
【0085】
操作ツマミ613には、下面側、矢印Z2方向の面に可動部631の係合部644と係合する係合部671が形成される。操作ツマミ613は、操作パネル102の上面、矢印Z1方向側に配置され、スライド孔142を通して可動部631の上面に形成された係合部644に係合する。
【0086】
〔動作〕
操作者が操作ツマミ613を矢印X1、X2方向に移動させることにより、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、X2方向に移動する。これによって、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0087】
また、駆動回路50−1からの駆動信号がコイル642に供給されると、コイル642に電流が流れる。この電流によって、コイル642に磁界が発生する。このとき、固定部632と固定部633との間に永久磁石651、661により矢印X1方向に磁力線が発生している。コイル642に発生した磁力線が永久磁石651、661により発生している磁力線に作用して、コイル642に矢印X1又はX2方向に力が働く。これによって、可動部631が矢印X1、又は、X2方向に移動する。可動部631は、スライド操作装置611の凸部621に係合しているので、可動部631が矢印X1、又はX2方向に移動することにより、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、又はX2方向に移動し、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0088】
このようにして、駆動回路50−1からの駆動信号に応じてスライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させる
なお、スライド操作部32−2〜32−kは、スライド操作部32−1と同様な構成であるので、その説明は省略する。
【0089】
〔スライド操作部32−1の第1変形例〕
本実施例のスライド操作部42−1は、スライド方向、矢印X1、X2方向に磁束を発生させたが、スライド方向に直交する方向に磁束を発生させて駆動するようにしてもよい。
【0090】
図19はスライド操作部32−1の第1変形例の分解斜視図、図20はスライド操作部32−1の第1変形例の断面図を示す。同図中、図17、図18と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0091】
本変形例のスライド操作部732−1は、スライド駆動部712の構成がスライド操作部32−1とは相違する。本変形例のスライド駆動部712は、可動部731、固定部732、733から構成される。
【0092】
可動部731は、コイル742が矢印Y1、Y2方向を中心軸として巻回された構成とされている。
【0093】
固定部732は、永久磁石751、752及びヨーク753から構成され、スライド操作装置611の矢印Y2方向の側面に沿って配置されている。
【0094】
永久磁石751は、ヨーク753の矢印X1方向側に、矢印Y1方向側がN極、矢印Y2方向側がS極となるように接着、固定されている。永久磁石752は、ヨーク753の矢印X2方向側に、矢印Y1方向側がS極、矢印Y2方向側がN極となるように接着、固定されている。固定部732は、下端に爪部754が形成されている。固定部732は、爪部754を回路基板101に形成された孔部755を貫通させて、回路基板101の裏面側で折曲させることにより、回路基板101に固定される。
【0095】
また、固定部733は、ヨークであり、スライド操作装置611の矢印Y1方向の側面に沿って、固定部732に対向するように配置されている。固定部733は下端に爪部764が形成されている。爪部764を回路基板101に形成された孔部765に貫通させ、回路基板101の裏面側で折曲させることにより、回路基板101に固定されている。
【0096】
固定部732及び固定部733により、矢印Y1、Y2方向に磁力線が形成される。可動部731は、固定部732と固定部733との間に配置される。
【0097】
〔動作〕
駆動回路50−1からの駆動信号をコイル742に供給することにより、コイル742に電流が流れる。コイル742に電流が流れることにより、フレミング左手の法則によって、コイル742に矢印X1、X2方向の力が働く。これによって、可動部731が矢印X1、又は、X2方向に移動する。可動部731は、スライド操作装置611の凸部621に係合しているので、可動部731が矢印X1、又はX2方向に移動することにより、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、又はX2方向に移動し、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0098】
〔スライド操作部32−1の第2変形例〕
本実施例のスライド操作部42−1は、スライド方向、矢印X1、X2方向に磁束を発生させ、操作ツマミ413をスライドさせたが、空気圧を利用して操作ツマミ413をスライドさせるようにしてもよい。
【0099】
図21はスライド操作部32−1の第2変形例の分解斜視図、図22はスライド操作部32−1の第2変形例の断面図を示す。同図中、図17、図18と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0100】
本変形例のスライド操作部832−1は、スライド駆動部812の構成がスライド操作部32−1とは相違する。本変形例のスライド駆動部812は、ポンプ821、圧力制御部822、ピストン機構823から構成されている。
【0101】
ポンプ821は圧力制御部822内の空気圧の減圧及び昇圧を行う。圧力制御部822には、駆動回路50−1から駆動信号が供給されている。圧力制御部822は、ホース824を介してピストン機構823に接続されており、駆動回路50−1からの駆動信号によりピストン機構823の内部圧力を制御する。
【0102】
ピストン機構823は、シリンダ831、ピストン832、シャフト833から構成されている。シリンダ831は有底円筒形状とされており、その中心軸が矢印X1、X2方向に平行となるように、回路基板101上に固定されている。
【0103】
ピストン832は、シリンダ831の内部に摺動可能に挿入されている。シャフト833は、一端がピストン832に固定され、他端がシリンダ831の開口部から延出され、スライド操作装置611の凸部621に固定されている。ホース824は、一端が圧力制御部822に接続され、他端がシリンダ831の底面とピストン832との間の空間と接続されている。
【0104】
なお、スライド操作装置611の凸部621には、操作パネル102に形成されたスライド孔142を介して操作パネル102の上面、矢印Z1方向側に配置された操作ツマミ613の係合部671に係合している。
【0105】
〔動作〕
圧力制御部822は、駆動回路50−1からの駆動信号によりシリンダ831の圧力を昇圧又は減圧する。圧力制御部822によりシリンダ831内部の圧力が昇圧されると、ピストン832が矢印X2方向に移動する。これによって、スライド操作装置611の凸部621が矢印X2方向に移動する。
【0106】
また、圧力制御部822によりシリンダ831内部の圧力が減圧されると、ピストン832が矢印X1方向に移動する。これによって、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1方向に移動する。
【0107】
スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、X2方向に移動することによって、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、又はX2方向に移動し、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0108】
なお、本変形例では、ホース824を圧力制御部822に接続し、駆動回路50−1からの駆動信号により圧力制御部822を制御することにより、シリンダ831内部の圧力を制御したが、ホース824をポンプ821に直結し、駆動回路50−1からの駆動信号によりポンプ821の動作を直接制御し、シリンダ831内部の圧力を制御するようにしてもよい。
【0109】
〔レコードプレーヤ12−1〕
図23はレコードプレーヤ12−1のブロック構成図を示す。
【0110】
レコードプレーヤ12−1は、例えば、アナログレコードプレーヤから構成されており、主に、ターンテーブル61、回転軸62、モータ63、ピックアップ64、出力アンプ65、66、コントローラ67、回転検出装置68、回転位置検出装置69、駆動回路70から構成されている。
【0111】
ターンテーブル61は、回転軸62を中心に回転自在な構成とされており、モータ63により回転駆動される。ターンテーブル61には、アナログレコード71が搭載される。
【0112】
アナログレコード71には、ピックアップ64が接触し、アナログレコード71上に螺旋上に刻まれた溝からオーディオ信号をピックアップする。ピックアップ64によりピックアップされたオーディオ信号は、アンプ65、66で増幅されて出力ポートPout1、Pout2に供給される。出力ポートPout1、Pout2は、マルチチャンネルミキサ11の入力ポートに接続されている。
【0113】
ターンテーブル61の回転は、コントローラ67により制御されている。コントローラ67には、回転検出装置68から回転検出信号が供給されている。回転検出装置68は、例えば、ターンテーブル61の周縁部に形成されたサーボパターンを光学的に読み取ることにより、ターンテーブル61の回転周波数に応じた回転検出信号を生成し、コントローラ67に供給する。コントローラ61は、通常動作時には、回転検出信号が一定となるように回転制御信号を出力する。コントローラ61から出力された回転制御信号は、駆動回路70に供給される。駆動回路70は、コントローラ67からの回転制御信号に応じてモータ63に駆動信号を供給し、モータ63を駆動する。
【0114】
また、コントローラ67には、回転位置検出装置69から位置情報が供給されている。回転位置検出装置69は、例えば、ターンテーブル61の裏面に形成された位置検出用パターンによりターンテーブル61の回転位置を検出し、検出した回転位置に応じた位置情報を出力する。さらに、コントローラ67には、制御ポートPcntから制御情報が供給されている。
制御ポートPcntはマルチチャンネルミキサ11のコントロールポート25に接続されており、マルチチャンネルミキサ11からレコードプレーヤ12−1を制御する制御情報が供給される。
【0115】
コントローラ67は、マルチチャンネルミキサ11からの制御情報及び回転位置検出装置69からの回転位置情報並び回転検出装置68からの回転検出情報とに基づいてターンテーブル61の回転を制御する。例えば、制御情報により、ターンテーブル61の回転を所定の回転角度だけ逆転させるような制御を行う。また、コントローラ67は、回転位置検出装置69で検出された回転検出情報を、制御ポートPcntを介してマルチチャンネルミキサ11に供給する処理を行っている。
【0116】
なお、レコードプレーヤ12−2は、レコードプレーヤ12−1と同様な構成であるので、その説明は省略する。
【0117】
〔マルチチャンネルミキサ11によるシステム動作〕
次に本実施例のマルチチャンネルミキサ11による動作を説明する。
【0118】
図24はマルチチャンネルミキサ11の操作制御部23の処理フローチャートを示す。
【0119】
操作制御部23は、ステップS1−1で動作モードがプレイデータを保存するモードであるか否かを判定する。
【0120】
ステップS1−1でプレイデータを保存するモードである場合には、ステップS1−2で操作部22の操作によりプレイが開始されたか否かを判定する。ステップS1−2で操作部22の操作によりプレイが開始されると、ステップS1−3でレコードプレーヤ12−1又は12−2から音源情報を収集する。
【0121】
次に、操作部22のスイッチ操作部31−1〜31−m及びスライド操作部32−1〜32−kの操作状態などの操作情報、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2から回転位置検出情報を収集する。
【0122】
次に操作制御部23は、ステップS1−5で、収集した音源情報、操作部22のスイッチ操作部31−1〜31−m及びスライド操作部32−1〜32−kの操作状態などの操作情報、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2から回転位置検出情報から保存データを生成する。保存データは、例えば、図5或いは、図6に示すようなデータ形式で生成される。操作制御部23は、ステップS1−6で生成された保存データを内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に保存する。保存先は、操作部22の操作により設定可能な構成とされている。
【0123】
操作制御部23は、ステップS1−7で所定のサンプリング時間経過すると、ステップS1−8でプレイ終了したか否かを判定する。プレイの終了は、例えば、プレイヤによる操作部22のプレイ停止ボタンの操作によって指示される。操作制御部23は、ステップS1−8でプレイの終了が指示されると、ステップS1−9でプレイデータ保存動作を終了する。また、ステップS1−8でプレイの終了が指示されていなければ、ステップS1−3に戻ってプレイデータ保存のための処理を継続する。
【0124】
また、操作制御部23は、ステップS1−1で動作モードがプレイデータを保存するモードでない場合には、ステップS1−11でナビゲート機能を実行する動作モードであるか否かを判定する。
【0125】
操作制御部23は、ステップS1−11で動作モードがナビゲート機能を実行する動作モードに設定されている場合には、ステップS1−12でナビゲート機能が開始されたか否かを判定する。操作制御部23は、ステップS1−12でナビゲート機能が開始されると、ステップS1−13でレコードプレーヤ12−1又は12−2から供給される音源情報を解析して、内部メモリ46又はメモリカード15に記憶されている操作情報に含まれる音源情報との同期を取る処理を行う。例えば、内部メモリ46又はメモリカード15に記憶されている操作情報のうちレコードプレーヤ12−1又は12−2から供給される音源情報と同じ音源情報を持つ操作情報を現在の操作情報に設定する。
【0126】
次に、ステップS1−14で次のサンプリング時間になると、ステップS1−15で、内部メモリ46又はメモリカード15から音源情報を読み出し、レコードプレーヤ12−1又は12−2から供給される音源情報と内部メモリ46又はメモリカード15から読み出された音源情報とが一致するか否かを判定する。
【0127】
ステップS1−16で音源情報が一致していれば、ステップS1−17で内部メモリ46又はメモリカード15からスイッチ操作部31−1〜31−m、及び、スライド操作部32−1〜32−k、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2の状態を示すデータを読み出し、スイッチ操作部31−1〜31−m、及び、スライド操作部32−1〜32−k、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2を読み出したデータの状態となるように制御する。
【0128】
このとき、スイッチ操作部31−1〜31−m、及び、スライド操作部32−1〜32−kは、スイッチ操作部のキャップやスライド操作部の操作ツマミなどが実際に駆動されて、その動作状態を実際の操作と同じように再現される。また、同様に、レコードプレーヤ12−1、12−2も回転が実際の操作と同じように駆動されて、実際の操作と同じように再現される。
【0129】
なお、ステップS1−16で音源情報が一致しなければ、供給されている音源が異なるものであると判断して、ステップS1−19でナビゲート機能を中止する旨の通知を行い、ナビゲート機能を終了する。
【0130】
なお、動作モードは、操作部22に設けられた動作モード切換ボタンなどによって、切り替え可能である。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施例のブロック構成図である。
【図3】マルチチャンネルミキサ11のブロック構成図である。
【図4】マルチチャンネルミキサ11の要部のブロック構成図である。
【図5】操作情報のデータ構成図である。
【図6】操作情報の変形例のデータ構成図である。
【図7】スイッチ操作部31−1の分解斜視図である。
【図8】スイッチ操作部31−1の断面図である。
【図9】スイッチ操作部31−1の第1変形例の分解斜視図である。
【図10】スイッチ操作部31−1の第1変形例の断面図である。
【図11】スイッチ操作部31−1の第2変形例の分解斜視図である。
【図12】スイッチ操作部31−1の第2変形例の断面図である。
【図13】スイッチ操作部31−1の第3変形例の分解斜視図である。
【図14】スイッチ操作部31−1の第3変形例の断面図である。
【図15】スイッチ操作部31−1の第4変形例の分解斜視図である。
【図16】スイッチ操作部31−1の第4変形例の断面図である。
【図17】スライド操作部32−1の分解斜視図である。
【図18】スライド操作部32−1の断面図
【図19】スライド操作部32−1の第1変形例の分解斜視図である。
【図20】スライド操作部32−1の第1変形例の断面図である。
【図21】スライド操作部32−1の第2変形例の分解斜視図である。
【図22】スライド操作部32−1の第2変形例の断面図である。
【図23】レコードプレーヤ12−1のブロック構成図である。
【図24】マルチチャンネルミキサ11の操作制御部23の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1 音響システム
11 マルチチャンネルミキサ、12−1、12−2 レコードプレーヤ
13 アンプ、14L、14R スピーカ、15 メモリカード
21 音響処理部、22 操作部、23 操作制御部、24 出力部
25 コントロールポート、26 カードスロット
31−1〜31−m スイッチ操作部、32−1〜32−k スライド操作部
41−1〜41−m、42−1〜42−k 状態検出手段
43−1〜43−m、44−1〜44−k ADC、45 マイコン
46 内部メモリ
47−1〜47−m、48−1〜48−k DAC
49−1〜49−m、50−1〜50−k 駆動回路、51 インタフェース回路
【技術分野】
【0001】
本発明は音響装置及びその音響効果制御方法に係り、特に、操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置及びその音響効果制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチチャンネルミキサなどの音響装置では、複数の入力音源の各入力音源に対して種々の音響効果を付与し、ミックスして出力できる構成とされている。このとき、その操作は、多数のスイッチ操作部、スライド操作部などを駆使して行われおり、かつ、プレイ途中でも操作が行われる。このため、思い通りのサウンドを創作するには相当の経験が必要とされていた。
【0003】
このとき、熟練者の操作や自分で創作したサウンドの操作を再現することができれば、操作を容易に習得可能となる。このため、熟練者の操作や自分で創作したサウンドの操作を再現できる音響装置が望まれている。
【0004】
一方、制御信号によりアクチュエータを駆動して可変抵抗器を変えるオーディオ再生装置が提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、リニアモータ付き歩テンショメータが搭載されたミキサなどが提案されていた(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開平7−326004号公報
【特許文献2】特開平6−318507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、従来の音響装置では、そのとき作成された音源を記憶し、再生することは可能であるものの、その音源を作成したときの、音響装置の操作部の操作状態を再現することはできなかった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、音響効果を得るための操作部の操作を再現できる音響装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置において、操作部の操作動作とは別に、操作部を駆動する駆動手段と、操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて駆動手段の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて操作部の操作動作とは別に、操作部を駆動する駆動手段の動作を制御することにより、音響効果及びそのときの操作部の操作状態を再現することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、音響効果及びそのときの操作部の操作状態を再現することにより、音響装置の操作を体感でき、音響装置の操作を効率良く習得できるなどの特長を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
〔システム構成〕
図1は本発明の一実施例のシステム構成図、図2は本発明の一実施例のブロック構成図を示す。
【0013】
本実施例の音響システム1は、マルチチャンネルミキサ11、レコードプレーヤ12−1、12−2、アンプ13、スピーカ14L、14R、メモリカード15から構成される。
【0014】
マルチチャンネルミキサ11には、レコードプレーヤ12−1、12−2などの音源から音源情報が供給されている。マルチチャンネルミキサ11は、ボタン操作部31、及び、スライド操作部32を有し、例えば、レコードプレーヤ12−1、12−2から供給された音源情報に対してボタン操作部31の操作に応じた音響効果をスライド操作部32の操作量に応じた量だけ施して出力する。このとき、マルチチャンネルミキサ11は、スイッチ操作部31及びスライド操作部32を予め設定された操作情報に基づいて駆動することが可能な構成とされており、予め設定されたミキシング操作を再現できるように構成されている。
【0015】
マルチチャンネルミキサ11から出力された信号は、アンプ13に供給される。アンプ13は、マルチチャンネルミキサ11から供給された信号に応じてスピーカ14L、14Rを駆動し、スピーカ14L、14Rから出力する。
【0016】
〔マルチチャンネルミキサ11〕
図3はマルチチャンネルミキサ11のブロック構成図を示す。
【0017】
マルチチャンネルミキサ11は、音響処理部21、操作部22、操作制御部23、出力部24、コントロールポート25、カードスロット26から構成される。
【0018】
入力ポートPin1〜Pinnには、オーディオプレーヤ12−1、12−2などの外部機器からオーディオ信号が供給される。入力ポートPin1〜Pinnは、音響処理部21に接続されており、外部機器からのオーディオ信号を音響処理部21に供給する。
【0019】
音響処理部21には、入力ポートPin1〜Pinnから供給されるオーディオ信号の他、操作部22から操作信号が供給されている。音響処理部21は、操作部22からの操作信号に基づいて入力ポートPin1〜Pinnから供給されるオーディオ信号に対して音響効果を付与する。
【0020】
音響処理部21で操作部22からの操作信号に応じた音響効果が付与されたオーディオ信号は、出力部24に供給される。出力部24は、音響処理部21で音響効果が付与されたオーディオ信号を増幅して、出力ポートPout1〜Poutnから出力する。出力ポートPout1〜Poutnは、アンプ13に接続されており、アンプ13にオーディオ信号を出力する。
【0021】
操作制御部23には、音響処理部21から音響情報が供給されている。操作制御部23は、予め設定された操作情報に応じて操作部22を駆動させる。また、操作制御部23は、コントロールポート25を介してレコードプレーヤ12−1、12−2を予め設定された操作情報に基づいて制御する。
【0022】
〔操作制御部23〕
ここで、操作制御部23について説明する。
【0023】
図4は操作制御部23のブロック構成図を示す。なお、ここで、スイッチ操作部31は、m個のスイッチ操作部31−1〜31−mから構成されており、スライダ操作部32は、k個のスライダ操作部32−1〜32−kから構成されている。
【0024】
操作制御部23は、状態検出手段41−1〜41−m、42−1〜42−k、アナログディジタル変換器(ADC)43−1〜43−k、47−1〜44−k、マイコン45、内部メモリ46、ディジタルアナログ変換器(DAD)47−1〜47−m、48−1〜48−k、駆動回路49−1〜49−m、50−1〜50−k、内部メモリ50、インタフェース回路51から構成されている。
【0025】
状態検出手段41−1〜41−mは、スイッチ操作部31−1〜31−mがオン状態か、オフ状態かを検出するための手段であり、例えば、スイッチ操作部31−1〜31−mに供給される電流などを検出することにより検出を行う。
【0026】
状態検出手段42−1〜42−kは、スライド操作部32−1〜32−kのスライド量を検出する手段であり、例えば、スライド操作部32−1〜32−kの出力電圧などにより検出を行う。
【0027】
状態検出手段41−1〜41−mで検出されたスイッチ操作部31−1〜31−mの状態に応じた検出信号は、アナログ−ディジタル変換器43−1〜43−mに供給される。アナログ−ディジタル変換器43−1〜43−mは、検出信号をディジタルデータに変換して、マイコン45に供給する。
【0028】
状態検出手段42−1〜42−kで検出されたスライド操作部32−1〜32−mの状態に応じた検出信号は、アナログ−ディジタル変換器44−1〜44−mに供給される。アナログ−ディジタル変換器44−1〜44−kは、検出信号をディジタルデータに変換して、マイコン45に供給する。
【0029】
マイコン45は、アナログ−ディジタル変換器43−1〜43−m及び44−1〜44−kから供給された検出情報及び音響処理部21から供給される音源情報などに基づいて操作情報を作成し、内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶する。
【0030】
ここで、操作情報のデータ構成について説明する。
【0031】
図5は操作情報のデータ構成図を示す。
【0032】
音源情報S1〜Send、スイッチ操作部31−1〜31−m、夫々の状態情報SW11〜SW1end〜SWm1〜SWmend、スライド操作部32−1〜32−k、夫々の状態情報SL11〜SL1end〜SLk1〜SLkend、レコードプレーヤ12−1のターンテーブルの回転状態情報RP11〜RP1end、レコードプレーヤ12−2のターンテーブルの回転状態情報RP21〜RP2endを所定のサンプリング時間t1〜tend毎に内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶している。
【0033】
なお、操作情報は、任意のサンプリング時間毎とに記憶するようにしてもよい。
【0034】
図6は操作情報の変形例のデータ構成図を示す。
【0035】
本変形例の操作情報は、任意のサンプリング時間t11〜t1end毎に、音源情報S1〜Send、スイッチ操作部31−1〜31−m、夫々の状態情報SW11〜SW1end〜SWm1〜SWmend、スライド操作部32−1〜32−k、夫々の状態情報SL11〜SL1end〜SLk1〜SLkend、レコードプレーヤ12−1のターンテーブルの回転状態情報RP11〜RP1end、レコードプレーヤ12−2のターンテーブルの回転状態情報RP21〜RP2endを内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶している。
【0036】
マイコン45は、内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に記憶された操作情報に基づいてスイッチ操作部31−1〜31−m及びスライド操作部32−1〜32−kを駆動するための制御情報を生成する。マイコン45で生成された制御情報は、ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−m、48−1〜48−kに供給される。
【0037】
ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−m、48−1〜48−kは、マイコン45から供給された制御情報をアナログ制御信号に変換する。ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−mで変換されたアナログ制御信号は、駆動回路49−1〜49−mに供給される。駆動回路49−1〜49−mは、ディジタル−アナログ変換器47−1〜47−mから供給されたアナログ制御信号に応じた駆動信号を生成する。駆動回路49−1〜49−mで生成された駆動信号は、スイッチ操作部31−1〜31−mに供給される。スイッチ操作部31−1〜31−mは、駆動回路49−1〜49−mから供給された駆動信号により、操作とは別に、駆動され、スイッチングされる。
【0038】
また、ディジタル−アナログ変換器48−1〜48−kで変換されたアナログ制御信号は、駆動回路50−1〜50−kに供給される。駆動回路50−1〜50−kは、ディジタル−アナログ変換器48−1〜48−kで変換されたアナログ制御信号に応じた駆動信号を生成する。駆動回路50−1〜50−kで生成された駆動信号は、スライド操作部32−1〜32−kに供給される。スライド操作部32−1〜32−kは、駆動回路50−1〜50−kから供給された駆動信号により、操作とは別に駆動され、スライド位置が変位する。
【0039】
音響処理部21は、音源情報に対してスイッチ操作部31−1〜31−mのスイッチング状態に応じた音響効果を与える。また、音響処理部21は、スライド操作部32−1〜32−kのスライド位置に対応して音源情報に与える音響効果量などを制御する。
【0040】
〔スイッチ操作部31−1〕
ここで、スイッチ操作部31−1について説明する。
【0041】
図7はスイッチ操作部31−1の分解斜視図、図8はスイッチ操作部31−1の断面図を示す。
【0042】
スイッチ操作部31−1は、スイッチ111、位置決めベース112、コイルバネ113、キャップ114、モータ115、ギア機構116、偏心カム117から構成され、回路基板101上に搭載されている。
【0043】
スイッチ111は、例えば、ラッチ機能付きプッシュスイッチから構成されており、スイッチ本体111a及び押下部111bから構成されている。スイッチ111は、押下部111bがスイッチ本体111a方向、矢印Z2方向に押下されることにより、スイッチ本体111a内部に設けられた接点がスイッチングされる。また、スイッチ111は、スイッチ本体111aが回路基板101に形成された配線パターン上に半田付けされ、回路基板101の配線パターンにより音響処理部21に接続される。
【0044】
位置決めベース112は、全体としては略円筒形状をなし、上端外周部分には、コイルバネ113を保持するための段部121が形成され、下端外周部分には、四方に固定部122が延出した形状とされている。固定部122には、貫通孔123が形成されている。
【0045】
位置決めベース122は、中心孔124にスイッチ111が収納されるように回路基板101に位置決めされる。位置決めベース122の貫通孔123には、ネジ125が貫通する。ネジ125は、回路基板101に形成されたネジ孔126に螺入される。ネジ125を回路基板101に形成されたネジ孔126に螺入することにより、位置決めベース122は回路基板101に固定される。
【0046】
コイルバネ113は、下端が位置決めベース122の上端に形成された段部121に係合し、上端にはキャップ114が係合する。コイルバネ113は、キャップ114を回路基板101に対して上方矢印Z1方向に弾性的に押し上げる機能を有する。
【0047】
キャップ114は、有底の円筒状をなし、有底面側が上方、矢印Z1方向を向き、開口面側が下方、矢印Z2方向を向くように配置されている。キャップ114の開口面側縁部には、鍔部131が形成されている。鍔部131には、偏心カム117が係合している。鍔部131は、偏心カム117が回転により、下方、矢印Z2方向に押下される。
【0048】
偏心カム117は、矢印Y1、Y2方向に配置された回転軸151に固定されている。回転軸151は、一端が回路基板101に植設された軸受152により軸支され、他端が回路基板101に固定されたギア機構116により軸支されており、矢印A1、A2方向に回転可能とされている。ギア機構116には、モータ115が結合されている。モータ115は、回路基板101上に保持され、駆動回路41−1から供給される駆動信号により回転する。モータ115の回転によりギア機構116が駆動される。ギア機構116は、モータ115の回転により回転軸151を矢印A1、A2方向に回転させる。回転軸151が矢印A1、A2方向に観点することにより、偏心カム117が矢印A1、A2方向に回転する。偏心カム117が矢印A1、A2方向に回転することにより、キャップ114の鍔部131が矢印Z2方向に押圧される。これによって、キャップ114がコイルバネ113の弾性力に抗して矢印Z2方向に変位する。
【0049】
また、キャップ114の内部には、底面から矢印Z2方向に押圧部132が突出している。押圧部132は、位置決めベース122の中心孔124に摺動可能に係合している。キャップ144は、押圧部132が位置決めベース122の中心孔124を摺動することにより、矢印Z1、Z2方向に移動するようにガイドされている。キャップ114が下方、矢印Z2方向に押圧されたときに、スイッチ111の押圧部111aを押下する構造とされている。
【0050】
これによって、モータ115の回転によりキャップ114が矢印Z2方向に変位されることにより、スイッチ111の押圧部111aが押下されてスイッチ111がスイッチングされる。
【0051】
また、キャップ114の底面側、矢印Z1方向には、操作パネル102が配置されており、キャップ114は、コイルバネ113により操作パネル102、矢印Z1方向に弾性的に押圧されており、操作パネル102に形成された貫通孔141から操作パネル102の操作面側、矢印Z1方向側に表出している。これによって、操作者が操作面からキャップ114を押下することによって、スイッチ111をスイッチングすることができる。
【0052】
なお、スイッチ操作部31−2〜32−mは、スイッチ操作部31−1と同様な構成であるので、その説明は省略する。
【0053】
〔スイッチ操作部31−1の第1変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、ギアによりキャップを押下するようにしてもよい。
【0054】
図9はスイッチ操作部31−1の第1変形例の分解斜視図、図10はスイッチ操作部31−1の第1変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
本変形例のスイッチ操作部231−1はキャップ214の矢印X1、X2方向の側面にラック221が形成し、ラック221にギア222を噛合させ、キャップ214をZ2方向に変位させることにより、スイッチ111をスイッチングする構成とされている。
【0056】
駆動回路49−1からの駆動信号によりモータ115が回転すると、モータ115の回転はギア機構116により回転軸151に伝達される。これにより、回転軸151は、矢印A1、A2方向に回転する。回転軸151は回転することにより、ギア222が矢印A1、A2方向に回転する。ギア222が矢印A1、A2方向に回転すると、ラック221が矢印Z2方向に押下される。ラック221が矢印Z2方向に押下されると、キャップ214がコイルバネ213の弾性力に抗して矢印Z2方向に変位する。これによって、スイッチ111がスイッチングされる。スイッチ111を押下した後にはモータ115の駆動力が解除される。キャップ214はコイルバネ113により矢印Z1方向に押圧されているので、モータ115の駆動力が解除されると、ラック221によりギア222にモータ115による駆動時とは反対方向の駆動力が働く。このとき、モータ115は駆動されていないので、ギア222はモータ115による駆動時とは反対方向に回転して、キャップ214は元の位置に復帰する。
【0057】
なお、このとき、スイッチ111がスイッチングするのに十分な距離だけキャップ214が変位するように、ギア222の一部に歯だけを形成しておくようにしてもよい。モータ115によりギア222を回転させたときに、ギア222の歯部によりキャップ214が変位する。キャップ214が変位し、スイッチ111が押下された後には、キャップ214のラック221がギア222の歯部から開放され、キャップ214が自動的に元の位置に復帰される。
【0058】
〔スイッチ操作部31−1の第2変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、電磁力によりキャップを押下するようにしてもよい。
【0059】
図11はスイッチ操作部31−1の第2変形例の分解斜視図、図12はスイッチ操作部31−1の第2変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0060】
本変形例のスイッチ操作部331−1では、キャップ314の下部外側面にコイル321を固定し、さらに、コイル321の内周側にヨーク322を配置した構成とされ、また、コイル321に対向して、コイル321に直交する方向に磁力線が延在し、かつ、ヨーク323の内周に固定され、互いに反対の極性とされた第1の永久磁石324−1、及び、第1の永久磁石324−1とは反対の極性を有する第2の永久磁石324−2を配置した構成とされている。
【0061】
第1の永久磁石324−1及び第2の永久磁石324−2並びにキャップ314に設けられたヨーク322、323とにより、磁力線がコイル321に直交するように発生する。ここで、コイル321に駆動回路49−1から駆動信号を供給することにより、コイル321に電流が流れる。コイル321に電流が流れることにより、フレミング左手の法則に従い、コイル321に対して矢印Z2方向の力が発生する。この力によって、キャップ314が矢印Z2方向に変位される。
【0062】
なお、第1の永久磁石324−1、第2の永久磁石324−2は、ヨーク323に接着剤などにより接着されて固定され、ヨーク323は、ネジ325を、ヨーク323の下端に形成された爪部323aに形成された貫通孔323bを通して回路基板101に螺入することにより固定されている。
【0063】
〔スイッチ操作部31−1の第3変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、電磁力によりキャップを押下するようにしてもよい。
【0064】
図13はスイッチ操作部31−1の第3変形例の分解斜視図、図14はスイッチ操作部31−1の第3変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0065】
本変形例のスイッチ操作部431−1は、キャップ414の下端周辺にコイル421を巻回し、また、回路基板101上のキャップ414の下面に対向して、回路基板101に直交する方向に磁力線が延在するように永久磁石422を配置した構成とされている。
【0066】
コイル421に駆動回路49−1からの駆動信号を供給することにより、コイル421の磁界と永久磁石422の磁界とが作用して、コイル421に矢印Z2方向に力が発生する。この力によって、キャップ314が矢印Z2方向に変位される。
【0067】
なお、永久磁石422は、貫通孔422aを有する。ネジ125を、位置決めベース122の貫通孔123を貫通させた後、さらに、貫通孔422aを貫通させて、回路基板101のネジ孔126に螺入することにより、回路基板101に固定される。また、永久磁石422には、中心部にスイッチ111を配置するための孔部422bを有する。スイッチ111は、この孔部422bを通して回路基板101に接続される。
【0068】
〔スイッチ操作部31−1の第4変形例〕
本実施例のスイッチ操作部31−1では、偏心カムにより151を用いてキャップ114を押下する構成としたが、空気圧によりキャップを押下するようにしてもよい。
【0069】
図15はスイッチ操作部31−1の第4変形例の分解斜視図、図16はスイッチ操作部31−1の第4変形例の断面図を示す。同図中、図7、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
本変形例のスイッチ操作部531−1は、キャップ514の下端部周囲に鍔部521を設け、鍔部521の外周側にシリンダ522を配置した構成とされ、キャップ514をピストンとして作用させ、シリンダ522とキャップ514との間の空間の気圧を低下させることにより、キャップ514を矢印Z2方向に変位させる構成とされている。
【0071】
シリンダ522は、下部周縁部に鍔部522aを有する。鍔部522aには、貫通孔522bが形成されている。ネジ524を、貫通孔522bを通して回路基板101のネジ孔525に螺入することにより、シリンダ522が回路基板101に固定される。なお、このとき、シリンダ522と回路基板101との間にパッキン526を介して回路基板101上に固定することにより、空気の漏れを防止でき、効率よく駆動できる。
【0072】
シリンダ522の内部は、ホース527により圧力制御部528に接続されている。圧力制御部528には、ポンプ529が接続されている。圧力制御部528は、駆動回路49−1からの駆動信号に応じてシリンダ522の内部の圧力を切り換える。
【0073】
圧力制御部528は、例えば、駆動回路49−1からの駆動信号によりスイッチ111をスイッチングするときには、ポンプ529とホース527とを接続して、シリンダ522内部の圧力を外部の圧力に比べて低くなるように制御する。これによって、キャップ514がコイルバネ113の弾性力に抗して矢印Z2方向に下降し、スイッチ111が操作される。圧力制御部528は、スイッチ111の操作終了後、シリンダ操作後、ホース527とポンプ529とを切断し、大気圧に開放する。これによって、キャップ514は、コイルバネ113の弾性力により元の位置に復元する。
【0074】
なお、本変形例では、ホース527を、圧力制御部528を介してポンプ529に接続し、駆動回路49−1からの駆動信号により圧力制御部528を制御することにより、シリンダ522内部の圧力を制御したが、ホース527をポンプ529に直結し、駆動回路49−1からの駆動信号によりポンプ529の動作を直接制御し、シリンダ522内部の圧力を制御するようにしてもよい。
【0075】
〔スライド操作部32−1〕
次に、スライド操作部42−1について説明する。
【0076】
図17はスライド操作部32−1の分解斜視図、図18はスライド操作部32−1の断面図を示す。
【0077】
スライド操作部32−1は、スライド操作装置611、スライド駆動装置612、操作ツマミ613から構成される。
【0078】
スライド操作装置611は、例えば、スライド式可変抵抗器などから構成されており、回路基板101に半田付けされ、回路基板101に形成されたプリント配線により、音響処理部21に接続されている。なお、スライド操作装置611は、凸部621が矢印X1、X2方向にスライド可能に配置されており、スライド位置に応じて端子間の抵抗値が変化する構成とされている。
【0079】
スライド駆動装置612は、可動部631、固定部632、634から構成されている。可動部631は、可動部本体641の内部にコイル642を封止した構成とされている。コイル642は、矢印X1、X2方向を中心軸として巻回されている。可動部本体641の下部には、スライド操作装置611の凸部621と係合する係合部643が形成されている。また、可動部本体641の上部には、操作ツマミ613と係合する係合部644が形成されている。
【0080】
固定部632は、スライド操作装置611の矢印X1方向の端部に配置されており、永久磁石651及びヨーク652から構成されている。永久磁石651は、矢印X1、X2方向に磁性が分極されている。ヨーク652は、凹状をなし、底面方向が矢印X1方向となるように配置され、底面に永久磁石651の矢印X1方向の面が接着される。
【0081】
ヨーク652は、矢印Z2方向に爪部653が延出している。爪部653は、回路基板101に形成された孔部654を貫通して、回路基板101の裏面側で折曲される。これによって、固定部632が回路基板101上に固定される。
【0082】
固定部633は、スライド操作装置611の矢印X2方向の端部に配置されており、永久磁石661及びヨーク662から構成されている。永久磁石661は、矢印X1、X2方向に磁性が分極されている。ヨーク662は、凹状をなし、底面方向が矢印X2方向となるように配置され、底面に永久磁石661の矢印X2方向の面が接着される。
【0083】
ヨーク662は、矢印Z2方向に爪部663が延出している。爪部663は、回路基板101に形成された孔部664を貫通して、回路基板101の裏面側で折曲される。これによって、固定部633が回路基板101上に固定される。
【0084】
なお、永久磁石651と永久磁石661は、極性が同じ方向となるように配置されている。例えば、ともに、矢印X1方向がN極、矢印X2方向がS極となるように配置されている。
【0085】
操作ツマミ613には、下面側、矢印Z2方向の面に可動部631の係合部644と係合する係合部671が形成される。操作ツマミ613は、操作パネル102の上面、矢印Z1方向側に配置され、スライド孔142を通して可動部631の上面に形成された係合部644に係合する。
【0086】
〔動作〕
操作者が操作ツマミ613を矢印X1、X2方向に移動させることにより、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、X2方向に移動する。これによって、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0087】
また、駆動回路50−1からの駆動信号がコイル642に供給されると、コイル642に電流が流れる。この電流によって、コイル642に磁界が発生する。このとき、固定部632と固定部633との間に永久磁石651、661により矢印X1方向に磁力線が発生している。コイル642に発生した磁力線が永久磁石651、661により発生している磁力線に作用して、コイル642に矢印X1又はX2方向に力が働く。これによって、可動部631が矢印X1、又は、X2方向に移動する。可動部631は、スライド操作装置611の凸部621に係合しているので、可動部631が矢印X1、又はX2方向に移動することにより、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、又はX2方向に移動し、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0088】
このようにして、駆動回路50−1からの駆動信号に応じてスライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させる
なお、スライド操作部32−2〜32−kは、スライド操作部32−1と同様な構成であるので、その説明は省略する。
【0089】
〔スライド操作部32−1の第1変形例〕
本実施例のスライド操作部42−1は、スライド方向、矢印X1、X2方向に磁束を発生させたが、スライド方向に直交する方向に磁束を発生させて駆動するようにしてもよい。
【0090】
図19はスライド操作部32−1の第1変形例の分解斜視図、図20はスライド操作部32−1の第1変形例の断面図を示す。同図中、図17、図18と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0091】
本変形例のスライド操作部732−1は、スライド駆動部712の構成がスライド操作部32−1とは相違する。本変形例のスライド駆動部712は、可動部731、固定部732、733から構成される。
【0092】
可動部731は、コイル742が矢印Y1、Y2方向を中心軸として巻回された構成とされている。
【0093】
固定部732は、永久磁石751、752及びヨーク753から構成され、スライド操作装置611の矢印Y2方向の側面に沿って配置されている。
【0094】
永久磁石751は、ヨーク753の矢印X1方向側に、矢印Y1方向側がN極、矢印Y2方向側がS極となるように接着、固定されている。永久磁石752は、ヨーク753の矢印X2方向側に、矢印Y1方向側がS極、矢印Y2方向側がN極となるように接着、固定されている。固定部732は、下端に爪部754が形成されている。固定部732は、爪部754を回路基板101に形成された孔部755を貫通させて、回路基板101の裏面側で折曲させることにより、回路基板101に固定される。
【0095】
また、固定部733は、ヨークであり、スライド操作装置611の矢印Y1方向の側面に沿って、固定部732に対向するように配置されている。固定部733は下端に爪部764が形成されている。爪部764を回路基板101に形成された孔部765に貫通させ、回路基板101の裏面側で折曲させることにより、回路基板101に固定されている。
【0096】
固定部732及び固定部733により、矢印Y1、Y2方向に磁力線が形成される。可動部731は、固定部732と固定部733との間に配置される。
【0097】
〔動作〕
駆動回路50−1からの駆動信号をコイル742に供給することにより、コイル742に電流が流れる。コイル742に電流が流れることにより、フレミング左手の法則によって、コイル742に矢印X1、X2方向の力が働く。これによって、可動部731が矢印X1、又は、X2方向に移動する。可動部731は、スライド操作装置611の凸部621に係合しているので、可動部731が矢印X1、又はX2方向に移動することにより、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、又はX2方向に移動し、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0098】
〔スライド操作部32−1の第2変形例〕
本実施例のスライド操作部42−1は、スライド方向、矢印X1、X2方向に磁束を発生させ、操作ツマミ413をスライドさせたが、空気圧を利用して操作ツマミ413をスライドさせるようにしてもよい。
【0099】
図21はスライド操作部32−1の第2変形例の分解斜視図、図22はスライド操作部32−1の第2変形例の断面図を示す。同図中、図17、図18と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0100】
本変形例のスライド操作部832−1は、スライド駆動部812の構成がスライド操作部32−1とは相違する。本変形例のスライド駆動部812は、ポンプ821、圧力制御部822、ピストン機構823から構成されている。
【0101】
ポンプ821は圧力制御部822内の空気圧の減圧及び昇圧を行う。圧力制御部822には、駆動回路50−1から駆動信号が供給されている。圧力制御部822は、ホース824を介してピストン機構823に接続されており、駆動回路50−1からの駆動信号によりピストン機構823の内部圧力を制御する。
【0102】
ピストン機構823は、シリンダ831、ピストン832、シャフト833から構成されている。シリンダ831は有底円筒形状とされており、その中心軸が矢印X1、X2方向に平行となるように、回路基板101上に固定されている。
【0103】
ピストン832は、シリンダ831の内部に摺動可能に挿入されている。シャフト833は、一端がピストン832に固定され、他端がシリンダ831の開口部から延出され、スライド操作装置611の凸部621に固定されている。ホース824は、一端が圧力制御部822に接続され、他端がシリンダ831の底面とピストン832との間の空間と接続されている。
【0104】
なお、スライド操作装置611の凸部621には、操作パネル102に形成されたスライド孔142を介して操作パネル102の上面、矢印Z1方向側に配置された操作ツマミ613の係合部671に係合している。
【0105】
〔動作〕
圧力制御部822は、駆動回路50−1からの駆動信号によりシリンダ831の圧力を昇圧又は減圧する。圧力制御部822によりシリンダ831内部の圧力が昇圧されると、ピストン832が矢印X2方向に移動する。これによって、スライド操作装置611の凸部621が矢印X2方向に移動する。
【0106】
また、圧力制御部822によりシリンダ831内部の圧力が減圧されると、ピストン832が矢印X1方向に移動する。これによって、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1方向に移動する。
【0107】
スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、X2方向に移動することによって、スライド操作装置611の凸部621が矢印X1、又はX2方向に移動し、スライド操作装置611の端子間の抵抗値などを変化させることができる。
【0108】
なお、本変形例では、ホース824を圧力制御部822に接続し、駆動回路50−1からの駆動信号により圧力制御部822を制御することにより、シリンダ831内部の圧力を制御したが、ホース824をポンプ821に直結し、駆動回路50−1からの駆動信号によりポンプ821の動作を直接制御し、シリンダ831内部の圧力を制御するようにしてもよい。
【0109】
〔レコードプレーヤ12−1〕
図23はレコードプレーヤ12−1のブロック構成図を示す。
【0110】
レコードプレーヤ12−1は、例えば、アナログレコードプレーヤから構成されており、主に、ターンテーブル61、回転軸62、モータ63、ピックアップ64、出力アンプ65、66、コントローラ67、回転検出装置68、回転位置検出装置69、駆動回路70から構成されている。
【0111】
ターンテーブル61は、回転軸62を中心に回転自在な構成とされており、モータ63により回転駆動される。ターンテーブル61には、アナログレコード71が搭載される。
【0112】
アナログレコード71には、ピックアップ64が接触し、アナログレコード71上に螺旋上に刻まれた溝からオーディオ信号をピックアップする。ピックアップ64によりピックアップされたオーディオ信号は、アンプ65、66で増幅されて出力ポートPout1、Pout2に供給される。出力ポートPout1、Pout2は、マルチチャンネルミキサ11の入力ポートに接続されている。
【0113】
ターンテーブル61の回転は、コントローラ67により制御されている。コントローラ67には、回転検出装置68から回転検出信号が供給されている。回転検出装置68は、例えば、ターンテーブル61の周縁部に形成されたサーボパターンを光学的に読み取ることにより、ターンテーブル61の回転周波数に応じた回転検出信号を生成し、コントローラ67に供給する。コントローラ61は、通常動作時には、回転検出信号が一定となるように回転制御信号を出力する。コントローラ61から出力された回転制御信号は、駆動回路70に供給される。駆動回路70は、コントローラ67からの回転制御信号に応じてモータ63に駆動信号を供給し、モータ63を駆動する。
【0114】
また、コントローラ67には、回転位置検出装置69から位置情報が供給されている。回転位置検出装置69は、例えば、ターンテーブル61の裏面に形成された位置検出用パターンによりターンテーブル61の回転位置を検出し、検出した回転位置に応じた位置情報を出力する。さらに、コントローラ67には、制御ポートPcntから制御情報が供給されている。
制御ポートPcntはマルチチャンネルミキサ11のコントロールポート25に接続されており、マルチチャンネルミキサ11からレコードプレーヤ12−1を制御する制御情報が供給される。
【0115】
コントローラ67は、マルチチャンネルミキサ11からの制御情報及び回転位置検出装置69からの回転位置情報並び回転検出装置68からの回転検出情報とに基づいてターンテーブル61の回転を制御する。例えば、制御情報により、ターンテーブル61の回転を所定の回転角度だけ逆転させるような制御を行う。また、コントローラ67は、回転位置検出装置69で検出された回転検出情報を、制御ポートPcntを介してマルチチャンネルミキサ11に供給する処理を行っている。
【0116】
なお、レコードプレーヤ12−2は、レコードプレーヤ12−1と同様な構成であるので、その説明は省略する。
【0117】
〔マルチチャンネルミキサ11によるシステム動作〕
次に本実施例のマルチチャンネルミキサ11による動作を説明する。
【0118】
図24はマルチチャンネルミキサ11の操作制御部23の処理フローチャートを示す。
【0119】
操作制御部23は、ステップS1−1で動作モードがプレイデータを保存するモードであるか否かを判定する。
【0120】
ステップS1−1でプレイデータを保存するモードである場合には、ステップS1−2で操作部22の操作によりプレイが開始されたか否かを判定する。ステップS1−2で操作部22の操作によりプレイが開始されると、ステップS1−3でレコードプレーヤ12−1又は12−2から音源情報を収集する。
【0121】
次に、操作部22のスイッチ操作部31−1〜31−m及びスライド操作部32−1〜32−kの操作状態などの操作情報、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2から回転位置検出情報を収集する。
【0122】
次に操作制御部23は、ステップS1−5で、収集した音源情報、操作部22のスイッチ操作部31−1〜31−m及びスライド操作部32−1〜32−kの操作状態などの操作情報、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2から回転位置検出情報から保存データを生成する。保存データは、例えば、図5或いは、図6に示すようなデータ形式で生成される。操作制御部23は、ステップS1−6で生成された保存データを内部メモリ46又はメモリスロット26に装着されたメモリカード15に保存する。保存先は、操作部22の操作により設定可能な構成とされている。
【0123】
操作制御部23は、ステップS1−7で所定のサンプリング時間経過すると、ステップS1−8でプレイ終了したか否かを判定する。プレイの終了は、例えば、プレイヤによる操作部22のプレイ停止ボタンの操作によって指示される。操作制御部23は、ステップS1−8でプレイの終了が指示されると、ステップS1−9でプレイデータ保存動作を終了する。また、ステップS1−8でプレイの終了が指示されていなければ、ステップS1−3に戻ってプレイデータ保存のための処理を継続する。
【0124】
また、操作制御部23は、ステップS1−1で動作モードがプレイデータを保存するモードでない場合には、ステップS1−11でナビゲート機能を実行する動作モードであるか否かを判定する。
【0125】
操作制御部23は、ステップS1−11で動作モードがナビゲート機能を実行する動作モードに設定されている場合には、ステップS1−12でナビゲート機能が開始されたか否かを判定する。操作制御部23は、ステップS1−12でナビゲート機能が開始されると、ステップS1−13でレコードプレーヤ12−1又は12−2から供給される音源情報を解析して、内部メモリ46又はメモリカード15に記憶されている操作情報に含まれる音源情報との同期を取る処理を行う。例えば、内部メモリ46又はメモリカード15に記憶されている操作情報のうちレコードプレーヤ12−1又は12−2から供給される音源情報と同じ音源情報を持つ操作情報を現在の操作情報に設定する。
【0126】
次に、ステップS1−14で次のサンプリング時間になると、ステップS1−15で、内部メモリ46又はメモリカード15から音源情報を読み出し、レコードプレーヤ12−1又は12−2から供給される音源情報と内部メモリ46又はメモリカード15から読み出された音源情報とが一致するか否かを判定する。
【0127】
ステップS1−16で音源情報が一致していれば、ステップS1−17で内部メモリ46又はメモリカード15からスイッチ操作部31−1〜31−m、及び、スライド操作部32−1〜32−k、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2の状態を示すデータを読み出し、スイッチ操作部31−1〜31−m、及び、スライド操作部32−1〜32−k、並びに、レコードプレーヤ12−1、12−2を読み出したデータの状態となるように制御する。
【0128】
このとき、スイッチ操作部31−1〜31−m、及び、スライド操作部32−1〜32−kは、スイッチ操作部のキャップやスライド操作部の操作ツマミなどが実際に駆動されて、その動作状態を実際の操作と同じように再現される。また、同様に、レコードプレーヤ12−1、12−2も回転が実際の操作と同じように駆動されて、実際の操作と同じように再現される。
【0129】
なお、ステップS1−16で音源情報が一致しなければ、供給されている音源が異なるものであると判断して、ステップS1−19でナビゲート機能を中止する旨の通知を行い、ナビゲート機能を終了する。
【0130】
なお、動作モードは、操作部22に設けられた動作モード切換ボタンなどによって、切り替え可能である。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施例のブロック構成図である。
【図3】マルチチャンネルミキサ11のブロック構成図である。
【図4】マルチチャンネルミキサ11の要部のブロック構成図である。
【図5】操作情報のデータ構成図である。
【図6】操作情報の変形例のデータ構成図である。
【図7】スイッチ操作部31−1の分解斜視図である。
【図8】スイッチ操作部31−1の断面図である。
【図9】スイッチ操作部31−1の第1変形例の分解斜視図である。
【図10】スイッチ操作部31−1の第1変形例の断面図である。
【図11】スイッチ操作部31−1の第2変形例の分解斜視図である。
【図12】スイッチ操作部31−1の第2変形例の断面図である。
【図13】スイッチ操作部31−1の第3変形例の分解斜視図である。
【図14】スイッチ操作部31−1の第3変形例の断面図である。
【図15】スイッチ操作部31−1の第4変形例の分解斜視図である。
【図16】スイッチ操作部31−1の第4変形例の断面図である。
【図17】スライド操作部32−1の分解斜視図である。
【図18】スライド操作部32−1の断面図
【図19】スライド操作部32−1の第1変形例の分解斜視図である。
【図20】スライド操作部32−1の第1変形例の断面図である。
【図21】スライド操作部32−1の第2変形例の分解斜視図である。
【図22】スライド操作部32−1の第2変形例の断面図である。
【図23】レコードプレーヤ12−1のブロック構成図である。
【図24】マルチチャンネルミキサ11の操作制御部23の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1 音響システム
11 マルチチャンネルミキサ、12−1、12−2 レコードプレーヤ
13 アンプ、14L、14R スピーカ、15 メモリカード
21 音響処理部、22 操作部、23 操作制御部、24 出力部
25 コントロールポート、26 カードスロット
31−1〜31−m スイッチ操作部、32−1〜32−k スライド操作部
41−1〜41−m、42−1〜42−k 状態検出手段
43−1〜43−m、44−1〜44−k ADC、45 マイコン
46 内部メモリ
47−1〜47−m、48−1〜48−k DAC
49−1〜49−m、50−1〜50−k 駆動回路、51 インタフェース回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置において、
前記操作部の操作動作とは別に、前記操作部を駆動する駆動手段と、
前記操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて前記駆動手段の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする音響装置。
【請求項2】
前記操作部の操作動作を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項3】
前記操作情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の音響装置。
【請求項4】
前記操作情報を外部とやり取りするインタフェースを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記操作部を駆動する駆動力を発生するアクチュエータを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、電磁力を発生させる電磁力発生手段であることを特徴とする請求項5記載の音響装置。
【請求項7】
前記電磁力発生手段は、モータであることを特徴とする請求項6記載の音響装置。
【請求項8】
前記電磁力発生手段は、固定部分に固定された永久磁石と、
被操作部分に固定されたコイルとを有し、
前記コイルに電流を供給することにより前記コイルを前記永久磁石と電磁的に作用させて、前記被操作部分を駆動させることを特徴とする請求項6記載の音響装置。
【請求項9】
前記アクチュエータは、空気圧を発生する空気圧発生手段であることを特徴とする請求項5記載の音響装置。
【請求項10】
前記駆動手段は、前記アクチュエータにより発生する駆動力を被操作部に伝達する伝達機構を有することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項11】
前記伝達機構は、被操作部に摺動可能に設けられ、前記アクチュエータの駆動力により駆動されるカムを有することを特徴とする請求項10記載の音響装置。
【請求項12】
前記伝達機構は、前記アクチュエータと被操作部とを結合するギア機構を有することを特徴とする請求項10記載の音響装置。
【請求項13】
前記伝達機構は、被操作部に連結されたピストンと、
前記ピストンが摺動可能に係合するシリンダと、
前記空気圧発生手段で発生した空気圧により前記ピストンと前記シリンダとの間の発生する空間の空気圧を制御する空気圧制御手段とを有することを特徴とする請求項9記載の音響装置。
【請求項14】
前記操作部は、スイッチ機構であることを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項15】
前記操作部は、スライド機構であることを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項16】
前記操作情報は、サンプリング時間と、
前記サンプリング時間における音源情報と、
前記サンプリング時間における前記操作部の状態情報とを有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項17】
前記操作情報は、サンプリング時間毎に音源から取得された音源情報と、
前記サンプリング時間毎の前記操作部の状態情報とを有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項18】
操作部の操作に応じて音響効果を制御する音響装置の音響効果制御方法であって、
前記操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて前記操作部の操作動作とは別に、前記操作部を駆動して、前記音響効果を制御することを特徴とする音響効果制御方法。
【請求項19】
前記操作部の操作動作を検出し、前記操作情報として記憶することを特徴とする請求項18記載の音響効果制御方法。
【請求項20】
前記操作情報は、サンプリング時間と、
前記サンプリング時間における音源情報と、
前記サンプリング時間における前記操作部の状態情報とを含むことを特徴とする請求項18又は19記載の音響制御方法。
【請求項21】
前記操作情報は、サンプリング時間毎に音源から取得された音源情報と、
前記サンプリング時間毎の前記操作部の状態情報とを有することを特徴とする請求項18又は19記載の音響制御方法。
【請求項1】
操作部の操作に応じて音響効果が制御される音響装置において、
前記操作部の操作動作とは別に、前記操作部を駆動する駆動手段と、
前記操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて前記駆動手段の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする音響装置。
【請求項2】
前記操作部の操作動作を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項3】
前記操作情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の音響装置。
【請求項4】
前記操作情報を外部とやり取りするインタフェースを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記操作部を駆動する駆動力を発生するアクチュエータを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、電磁力を発生させる電磁力発生手段であることを特徴とする請求項5記載の音響装置。
【請求項7】
前記電磁力発生手段は、モータであることを特徴とする請求項6記載の音響装置。
【請求項8】
前記電磁力発生手段は、固定部分に固定された永久磁石と、
被操作部分に固定されたコイルとを有し、
前記コイルに電流を供給することにより前記コイルを前記永久磁石と電磁的に作用させて、前記被操作部分を駆動させることを特徴とする請求項6記載の音響装置。
【請求項9】
前記アクチュエータは、空気圧を発生する空気圧発生手段であることを特徴とする請求項5記載の音響装置。
【請求項10】
前記駆動手段は、前記アクチュエータにより発生する駆動力を被操作部に伝達する伝達機構を有することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項11】
前記伝達機構は、被操作部に摺動可能に設けられ、前記アクチュエータの駆動力により駆動されるカムを有することを特徴とする請求項10記載の音響装置。
【請求項12】
前記伝達機構は、前記アクチュエータと被操作部とを結合するギア機構を有することを特徴とする請求項10記載の音響装置。
【請求項13】
前記伝達機構は、被操作部に連結されたピストンと、
前記ピストンが摺動可能に係合するシリンダと、
前記空気圧発生手段で発生した空気圧により前記ピストンと前記シリンダとの間の発生する空間の空気圧を制御する空気圧制御手段とを有することを特徴とする請求項9記載の音響装置。
【請求項14】
前記操作部は、スイッチ機構であることを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項15】
前記操作部は、スライド機構であることを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項16】
前記操作情報は、サンプリング時間と、
前記サンプリング時間における音源情報と、
前記サンプリング時間における前記操作部の状態情報とを有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項17】
前記操作情報は、サンプリング時間毎に音源から取得された音源情報と、
前記サンプリング時間毎の前記操作部の状態情報とを有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項記載の音響装置。
【請求項18】
操作部の操作に応じて音響効果を制御する音響装置の音響効果制御方法であって、
前記操作部の操作に応じて予め設定された操作情報に基づいて前記操作部の操作動作とは別に、前記操作部を駆動して、前記音響効果を制御することを特徴とする音響効果制御方法。
【請求項19】
前記操作部の操作動作を検出し、前記操作情報として記憶することを特徴とする請求項18記載の音響効果制御方法。
【請求項20】
前記操作情報は、サンプリング時間と、
前記サンプリング時間における音源情報と、
前記サンプリング時間における前記操作部の状態情報とを含むことを特徴とする請求項18又は19記載の音響制御方法。
【請求項21】
前記操作情報は、サンプリング時間毎に音源から取得された音源情報と、
前記サンプリング時間毎の前記操作部の状態情報とを有することを特徴とする請求項18又は19記載の音響制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2006−33481(P2006−33481A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210202(P2004−210202)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
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