説明

音響装置

【課題】ステレオ信号の供給が停止することを示すイベント指令信号が与えられると奇抜な効果音を発音させる音響装置を提供すること。
【解決手段】制御部1300は通常時には、スイッチ1405、1410をオン状態として、ステレオ音源部1400の左信号および右信号のみを夫々加算部1200と1250に与えるので単なるステレオ信号のみが放音される。そして、イベント指令信号が与えられると、制御部1300は今度はスイッチ1420、1425をオン状態として、ループ遅延部1000からの信号を効果音生成部1100へ2種類交互に入力させて生成された効果音を加算部1200、1250にも加えるので、たとえステレオ音源部1400からのステレオ音信号が停止しても効果音が発生し奇抜な音響効果を得ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオ信号の供給が停止する旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられた時に奇抜な効果音を発音可能な音響効果装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、効果音を仮想的に付与する装置、より具体的には、残響音を仮想的に聴取者の後方側から聞こえるようにした装置が提案されていた。この装置は、聴取者の前方に配置された2個以上のスピーカを使用し、入力信号から生成された残響や反射音等のサラウンド信号が聴取者の後方から到来するように、聴取者の後方に頭部伝達関数(Head Related Transfer Function)をFIRフィルタにて実現し、更に、後方から到来するサラウンド信号を複数の遅延器により所定時間だけ遅延させることにより、後方にも音場が形成される。換言すれば、後方での音の定位感を聴取者に与えて、実際に後方にスピーカを設置したのと同様な臨場感のある音響効果を奏することが可能であった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−207597号公報(第2−5頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置によれば、実際にはスピーカを配置しないにもかかわらず、そこから音が鳴るような定位感を得ることはできるものの、入力信号が停止したり、ゲーム機のゲーム進行等で特殊なイベントが発生してメインのステレオ信号が停止した場合の音響効果については何ら考慮されていなかった。したがって、従来技術にあっては、イベントが発生して音の再生が停止された場合等には、何ら臨場感のある音響効果を与えることができなかった。
【0005】
そして、本発明者の研究調査によれば、例えばゲーム機では何らかのイベントが発生した時にステレオ音の再生を停止させ、この停止に応答して珍しい音響効果を付与することが期待されていることが分かった。そこで、本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、ステレオ信号の供給が停止する旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられると奇抜な効果音を発音させる音響装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、左信号および右信号からなるステレオ信号を出力するステレオ音源部と、
ステレオ信号を入力してループ状に信号を循環させるループ遅延部と、
このループ遅延部で遅延された信号を入力して、効果音信号を生成する効果音生成部と、前記ステレオ音源部からの左信号と前記効果音生成部からの効果音とを加算する第1の加算部と、前記ステレオ音源部からの右信号と前記効果音生成部からの効果音とを加算する第2の加算部と、自装置の動作制御をする制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ステレオ信号の供給が停止する旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられない通常時には前記ステレオ音源部の左信号および右信号のみを夫々前記第1の加算部と前記第2の加算部に与える一方、前記イベント指令信号が与えられた場合には、前記ループ遅延部からの信号を前記効果音生成部へ2種類交互に入力させるようにして効果音生成部を起動させることを特徴とするようにした。
【0007】
つまり、図4に示すように、制御部1300はイベント指令信号が与えられない通常時には、スイッチ1405、1410をオン状態として、ステレオ音源部1400の左信号(L信号)および右信号(R信号)のみを夫々加算部1200、1250(第1の加算部、前記第2の加算部)に与えるので、通常時には単なるステレオ信号のみが放音される。そして、制御部1300はイベント指令信号が与えられると、ステレオ信号の供給は停止されるものの、スイッチ1420、1425をオン状態として、ループ遅延部1000からの信号を効果音生成部1100へ2種類交互に入力させて生成された効果音を加算部1200、1250にも加える。その結果、たとえステレオ音源部1400からのステレオ音信号が停止しても、効果音が発生し奇抜な音響効果を得ることが可能となる。
【0008】
より具体的には、上記音響装置において、前記ループ遅延部は、前記ステレオ音源部からの左信号と右信号との加算信号を第1の入力とする加算部(74)と、この加算部(74)の加算信号に対して遅延を与える遅延部(76)と、この遅延部(76)で遅延された信号に係数を乗じる係数部(78)と、この係数部(78)からの信号に対して遅延を与える遅延部(72)とをこの順番で接続し、前記加算部(74)は前記遅延部(72)からの信号の第2の入力として、前記第1の入力と前記第2の入力とを加算する構成とし、前記効果音生成部は、前記係数部(78)と前記遅延部(72)との接続点からの信号と前記加算部(74)の加算結果に係数を乗じる係数部(79)からの信号との2種類の信号を交互に入力して効果音信号を生成し、前記制御部は、通常時には前記係数部(79)および前記係数部(78)の係数を「0」とする一方、イベント指令信号が与えられた場合には、前記係数部(79)の係数を「1」とすると共に前記係数部(78)の係数を「−1」より大きく「1」より小さな値とすることを特徴とする音響装置が構成できる。また、上記音響装置において、前記ループ遅延部を第1のループ遅延部(90)と第2のループ遅延部(100)で構成し、前記第1のループ遅延部(90)は、前記ステレオ音源部からの左信号を遅延部(120)で遅延させた信号を第1の入力とする加算部(96)と、この加算部(96)の加算信号に対して遅延を与える遅延部(92)と、この遅延部(92)で遅延された信号に係数を乗じる係数部(94)とをこの順番で接続して、前記加算部(96)は前記係数部(96)からの信号を第2の入力として、前記第1の入力と前記第2の入力とを加算する構成とし、また、前記第2のループ遅延部(100)は前記ステレオ音源部からの左信号を遅延部(125)で遅延させた信号を第1の入力とする加算部(106)と、この加算部(106)の加算信号に対して遅延を与える遅延部(102)と、この遅延部(102)で遅延された信号に係数を乗じる係数部(104)とをこの順番で接続して、前記加算部(106)は前記係数部(104)からの信号の第2の入力として、前記第1の入力と前記第2の入力とを加算する構成とし、更に、前記遅延部(125)の遅延量を前記遅延部(120)の遅延量より小さく設定し、前記前記効果音生成部は、前記第1のループ遅延部(90)の加算部(96)からの信号に係数を乗じた信号と、前記第2のループ遅延部(100)の加算部(106)からの信号に係数を乗じた信号との2種類の信号を交互に入力して効果音信号を生成し、前記制御部は、通常時には前記係数部(110)、前記係数部(115)、前記係数部(94)および前記係数部(104)の4つの係数を「0」とする一方、イベント指令信号が与えられた場合には、前記係数部(110)及び前記係数部(115)の係数を「1」とすると共に、前記係数部(94)及び前記係数部(104)の係数を「−1」より大きく「1」より小さな値とすることを特徴とする音響装置としても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、イベント指令信号が与えられると奇抜な効果音を発音させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】音響装置1の構成図である。
【図2】音響装置2の構成図である。
【図3】効果音生成部50の構成図である。
【図4】本発明の構成図である。
【図5】ステレオ音源部の他の構成例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施の音響装置1の構成図である。この音響装置1は、左信号(Lチャンネル信号)および右信号(Rチャンネル信号)からなるステレオ信号を出力するステレオ音源部10と、Lチャンネル信号をその2入力の内の一方の入力とする加算部20と、この加算部20の加算結果をデジタルアナログ変換するD/A変換器30と、この変換されたアナログ信号を放音するスピーカ40と、Rチャンネル信号をその2入力の内の一方の入力とする加算部25と、この加算部25の加算結果をデジタルアナログ変換するD/A変換器35と、この変換されたアナログ信号を放音するスピーカ45とを有している。
【0013】
また、この音響装置1は、加算部80によって左信号と右信号との加算結果を入力してループ状に音信号を循環させるループ遅延部70を備えている。このループ遅延部70は、ステレオ音源部10からの左信号と右信号との加算部80による加算信号を第1の入力とする加算部74と、この加算部74の加算信号に対して遅延を与える遅延部76と、この遅延部76で遅延された信号に係数Aを乗じる係数部78と、この係数部78からの信号に対して遅延を与える遅延部72とをこの順番で右回りに接続し、加算部70は、加算部80の加算結果と遅延部72からの信号とを加算する構成としている。更に、効果音生成部50は、係数Aを有する係数部78と遅延部72との接続点からの信号と、加算部74の加算結果に係数Bを乗じる係数部79からの信号との2種類の信号を交互に入力して、効果音信号を生成する。なお、遅延部76と遅延部72の遅延量は同じとなるように設定されている。
【0014】
そして、制御部60は、ステレオ信号の供給が停止されない通常時には係数部79および係数部78の係数B、Aを「0」とする一方、ステレオ信号の供給が停止される旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられた場合には、係数部79の係数Bを「1」とすると共に、係数部78の係数Aを「−1」より大きく「1」より小さな値例えば「0.6」とする。遅延信号の帰還量を決める係数は、絶対値を「1」以下にすることで発振をさけており、負の係数「−1から0未満」にしても効果がある。
【0015】
図3は仮想的に音像を定位させる効果音を生成する効果音生成部50の構成例である。符号130、135は夫々、右チャンネル用頭部伝達関数、左チャンネル用頭部伝達関数であり、左右耳用の頭部伝達関数を係数とするフィルタリングを行い、音像を任意の方向に定位させる。出力は夫々、左耳用、右耳用の信号となる。符号140、145は加算部である。トランスオーラル部150は、いわゆるトランスオーラル処理を実行するためのものであり、加算部140、加算部145からの加算結果を入力し、スピーカを使用しても右チャンネルの音は右耳だけに、また、左チャンネルの音は左耳だけに到達させる機能を有する。なお、このトランスオーラル部150を含む図3の構成自体は公知であり、例えば「電子情報通信学会刊:音響システムとディジタル処理234頁」に記載されている。このように効果音生成部50は音像定位処理を行う音像定位処理部となる。また、極めて単純には効果音生成部50は2種類の信号の交互の入力に応答して異なる効果音を発生する構成であれば良い。
【0016】
次に動作を説明する。制御部60は、ステレオ信号の供給が停止されない通常時には係数部79の係数Bおよび係数部78の係数Aを「0」とする。この場合、ループ遅延部70内での信号のループ遅延が行われないと共に、効果音生成部50へのループ遅延部70からの信号は無効とされる。したがって、この場合にはステレオ音源10からのLチャンネル信号とRチャンネル信号とが夫々、加算部20、加算部25に入力されてステレオ音がスピーカ40、スピーカ45から放音されるにすぎない。
【0017】
次に、制御部60は、ステレオ信号の供給が停止される旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられると、係数部79の係数Bを「1」にすると共に、係数部78の係数Aを「0.6」にする。この結果、先ず最初に、加算部80による加算結果が、加算部70及び係数部79を介して効果音生成部50に入力され、これに応答して効果音生成部50が効果音を生成する。次にループ遅延の効果が発揮され、加算部70、遅延部76、係数部78を循環した信号が符号A1で示す線を介して効果音生成部50に入力され、これに応答して効果音生成部50が効果音を生成する。次いで、加算部70、遅延部76、係数部78、遅延部72を循環した信号が係数部79を介して効果音生成部50に入力され、これに応答して効果音生成部50が効果音を生成する。次いで、再度、加算部70、遅延部76、係数部78を循環した信号が符号A1で示す線を介して効果音生成部50に入力され、これに応答して効果音生成部50が効果音を生成する。次いで、加算部70、遅延部76、係数部78、遅延部72を循環した信号が係数部79を介して効果音生成部50に入力され、これに応答して効果音生成部50が効果音を生成するという動作を繰り返す。つまり、図1に示すように、効果音生成部50への入力は符号X、Y、X、Y、…と交互に繰り返すことになる。なお、係数部78の係数Aは1未満の「0.6」であるため、最終的には、効果音生成部50への入力は除々に減衰して最終的には入力信号は存在しなくなり効果音も存在しなくなる。このように効果音生成部50への入力は、ループ遅延部70を使用して交互に行われるので奇抜な効果音の生成を行うことが可能となる。
【0018】
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施の音響装置2の構成図である。この音響装置2は、左信号(Lチャンネル信号)および右信号(Rチャンネル信号)からなるステレオ信号を出力するステレオ音源部10と、Lチャンネル信号をその2入力の内の一方の入力とする加算部20と、この加算部20の加算結果をデジタルアナログ変換するD/A変換器30と、この変換されたアナログ信号を放音するスピーカ40と、Rチャンネル信号をその2入力の内の一方の入力とする加算部25と、この加算部25の加算結果をデジタルアナログ変換するD/A変換器35と、この変換されたアナログ信号を放音するスピーカ45とを有している。
【0019】
また、この音響装置2のループ遅延部は、第1のループ遅延部90と第2のループ遅延部100とから成っている。第1のループ遅延部90は、ステレオ音源部10からの左信号を遅延部120で遅延させた信号を入力とする加算部96と、加算部96の加算信号に対して遅延を与える遅延部92と、この遅延部92で遅延された信号に係数A2を乗じる係数部94とをこの順番で右回りに接続して、加算部96は係数部94からの信号と遅延部120からの信号とを加算する構成となっている。同様に、第2のループ遅延部100は、ステレオ音源部10からの左信号を遅延部125で遅延させた信号を入力とする加算部106と、この加算部106の加算信号に対して遅延を与える遅延部102と、この遅延部102で遅延された信号に係数A1を乗じる係数部104とをこの順番で右回りに接続して、加算部106は係数部104からの信号と遅延部125からの信号とを加算する構成となっている。
【0020】
更に、遅延部92、遅延部102、遅延部120の3つの遅延量は総てΔtaで同一に設定されており、また、遅延部125の遅延量Δtbは、遅延部92、102、120の遅延量Δtaの半分に設定されている。そして、効果音生成部50は第1のループ遅延部90の加算部96からの信号に係数部110の係数B2を乗じた信号と、第2のループ遅延部100の加算部106からの信号に係数部115の係数B1を乗じた信号との2種類の信号を入力して効果音信号を生成する構成となっている。そして、制御部61は、ステレオ信号の供給が停止されない通常時には係数部110、係数部115、係数部94および係数部104の係数B2、B1、A2を総て「0」とする一方、ステレオ信号の供給が停止される旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられた場合には、係数部110及び係数部115の係数B2、係数B1を双方とも「1」とすると共に、係数部94及び係数部104の係数A2、係数A1を共に「−1」より大きく「1」より小さな値、例えば「0.6」とする構成となっている。
【0021】
次に動作を説明する。制御部61は、通常時には係数部110の係数B2、係数部115の係数B1、係数部94の係数A2、係数部104の係数A1を総て「0」とする。この場合、ループ遅延部90及びループ遅延部100内での信号のループ遅延が行われないと共に、効果音生成部50へのループ遅延部90、ループ遅延部110からの信号は無効とされる。したがって、この場合にはステレオ音源部10からの音が加算部20、25に入力されてスピーカ40、スピーカ45からステレオ音が放音されるにすぎない。
【0022】
次に、制御部61は、ステレオ信号の供給が停止される旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられると、係数部110の係数B2及び係数部115の係数B1を「1」にすると共に、係数部94の係数A2及び係数部104の係数A1を「0.6」にする。この結果、先ず最初に、加算部106による加算結果が係数部115を介して効果音生成部50に入力され、これに応答して効果音生成部50が効果音を生成し、次いで、加算部96による加算結果が係数部110を介して効果音生成部50に入力され、これに応答して効果音生成部50が効果音を生成しする。まず、ループ遅延部100の加算部106からの信号が入力され、次いでループ遅延部90の加算部96からの信号が入力されるのは、遅延部125の遅延量Δtbが他の遅延部120の遅延量Δtaよりも小さく設定されているからである。
【0023】
以降、ループ遅延の効果が、ループ遅延部90とループ遅延部100とで独立して発揮される。先ず、ループ遅延部90では、遅延部92、係数部94および加算部96を符号B1で示すように循環した信号が順次、係数部110を介して効果音生成部50の一方の入力として入力される(符号V)。一方、ループ遅延部100では、遅延部102、係数部104および加算部106を符号B2で示すように循環した信号が順次、係数部115を介して効果音生成部50の他方の入力として入力される(符号W)。なお、係数部94の係数A2と係数部104の係数A1とは1未満の「0.6」であるため、遅延ループを周る度に信号が減衰して最終的には効果音生成部50に入力する信号は存在しなくなる。このように、効果音生成部50への入力は符号Vで示す入力と符号Wで示す入力は遅延部125の小さな遅延量分だけずれて交互に行われるので、この結果、奇抜な効果音の生成を行うことが可能となる。
【0024】
以上の説明ではステレオ音源部10は、LR2チャンネルの信号を出力するものとして説明してきたが、図1の加算部20、加算部25の入力に同一のモノラル音源の信号を加える構成としても本発明の効果を得ることができる。この場合は、左右同一波形のステレオ信号として扱われることになる。図5は、このタイプのステレオ音源部11の構成例を示している。モノラル音源部2000から出力されるモノラル音は、Lチャンネル係数乗算部2010によってLチャンネル用係数が乗じられ、これがLチャンネル用信号になると共に、Rチャンネル係数乗算部2020によってRチャンネル用係数が乗じられこれがLチャンネル用信号になる。このようにして、モノラル音を左右に振り分けてステレオ音源を生成するようにしても良い。
【0025】
なお、音響装置1や音響装置2の主要部はCPUやDSPがROM等の記録媒体に記録されたプログラムをRAM等をワークエリアとして実行することによって実現することが可能である。そして、音響装置1や音響装置2は、ゲーム機や小型のステレオ再生機に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上説明してきたように、本発明の音響装置は、ゲーム機等のゲーム展開に応じて奇抜な効果音を発音させる用途等に利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 音響装置
2 音響装置
10 ステレオ音源部
11 ステレオ音源部
20 加算部
25 加算部
30 D/A変換器
35 D/A変換器
40 スピーカ
45 スピーカ
50 効果音生成部
60 制御部
61 制御部
70 ループ遅延部
80 加算部
90 ループ遅延部
100 ループ遅延部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左信号および右信号からなるステレオ信号を出力するステレオ音源部と、
ステレオ信号を入力してループ状に信号を循環させるループ遅延部と、
このループ遅延部で遅延された信号を入力して、効果音信号を生成する効果音生成部と、前記ステレオ音源部からの左信号と前記効果音生成部からの効果音とを加算する第1の加算部と、前記ステレオ音源部からの右信号と前記効果音生成部からの効果音とを加算する第2の加算部と、自装置の動作制御をする制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ステレオ信号の供給が停止する旨を示す信号であるイベント指令信号が与えられない通常時には前記ステレオ音源部の左信号および右信号のみを夫々前記第1の加算部と前記第2の加算部に与える一方、前記イベント指令信号が与えられた場合には、前記ループ遅延部からの信号を前記効果音生成部へ2種類交互に入力させるようにして効果音生成部を起動させることを特徴とする音響装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音響装置において、
前記ループ遅延部は、
前記ステレオ音源部からの左信号と右信号との加算信号を第1の入力とする加算部(74)と、この加算部(74)の加算信号に対して遅延を与える遅延部(76)と、この遅延部(76)で遅延された信号に係数を乗じる係数部(78)と、この係数部(78)からの信号に対して遅延を与える遅延部(72)とをこの順番で接続し、前記加算部(74)は前記遅延部(72)からの信号の第2の入力として、前記第1の入力と前記第2の入力とを加算する構成とし、
前記効果音生成部は、
前記係数部(78)と前記遅延部(72)との接続点からの信号と前記加算部(74)の加算結果に係数を乗じる係数部(79)からの信号との2種類の信号を交互に入力して効果音信号を生成し、
前記制御部は、
通常時には前記係数部(79)および前記係数部(78)の係数を「0」とする一方、イベント指令信号が与えられた場合には、前記係数部(79)の係数を「1」とすると共に前記係数部(78)の係数を「−1」より大きく「1」より小さな値とすることを特徴とする音響装置。
【請求項3】
請求項1に記載の音響装置において、
前記ループ遅延部は、第1のループ遅延部(90)と第2のループ遅延部(100)とから成り、
前記第1のループ遅延部(90)は、
前記ステレオ音源部からの左信号を遅延部(120)で遅延させた信号を第1の入力とする加算部(96)と、この加算部(96)の加算信号に対して遅延を与える遅延部(92)と、この遅延部(92)で遅延された信号に係数を乗じる係数部(94)とをこの順番で接続して、前記加算部(96)は前記係数部(96)からの信号を第2の入力として、前記第1の入力と前記第2の入力とを加算する構成とし、
前記第2のループ遅延部(100)は、
前記ステレオ音源部からの左信号を遅延部(125)で遅延させた信号を第1の入力とする加算部(106)と、この加算部(106)の加算信号に対して遅延を与える遅延部(102)と、この遅延部(102)で遅延された信号に係数を乗じる係数部(104)とをこの順番で接続して、前記加算部(106)は前記係数部(104)からの信号の第2の入力として、前記第1の入力と前記第2の入力とを加算する構成とし、
更に、前記遅延部(125)の遅延量を前記遅延部(120)の遅延量より小さく設定し、
前記前記効果音生成部は、
前記第1のループ遅延部(90)の加算部(96)からの信号に係数を乗じた信号と、前記第2のループ遅延部(100)の加算部(106)からの信号に係数を乗じた信号との2種類の信号を交互に入力して効果音信号を生成し、
前記制御部は、
通常時には前記係数部(110)、前記係数部(115)、前記係数部(94)および前記係数部(104)の4つの係数を「0」とする一方、イベント指令信号が与えられた場合には、前記係数部(110)及び前記係数部(115)の係数を「1」とすると共に、前記係数部(94)及び前記係数部(104)の係数を「−1」より大きく「1」より小さな値とすることを特徴とする音響装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−69930(P2011−69930A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219827(P2009−219827)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000130329)株式会社コルグ (111)
【Fターム(参考)】