説明

音響装置

【課題】オーディオソースと移動体の内外の状況とを考慮して適切な音量調整を行うことができる音響装置を提供する。
【解決手段】自車両の内外の様々な状況でユーザに調節された音量レベルのうち、自車両の内外の各状況における適切な音量レベルを含む所定の音量レベル範囲内の音量レベルを、ユーザ設定値として、当該オーディオ信号を再生する音楽ソースおよび自車両の内外の状況を規定する条件項目に対応付けて記憶するメモリ5を備え、条件項目および音楽ソースに対応するユーザ設定値をメモリ5から読み出し、当該ユーザ設定値でオーディオ信号をスピーカ7から音声出力する際の音量調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両等の移動体に搭載される音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、周囲条件や乗員個人ごとの設定に応じて音量を調整する車載音量調整装置が開示されている。この装置では、周囲条件ごとの音量の初期設定データが予め設定されており、周囲条件に対する各初期設定データを経験則に応じて選定された係数で加重加算して最終的な適正音量を算出し、これに従い音量調整を行う。
また、特許文献1の装置は、乗員の個人データテーブルに現在の周囲条件に対する音量データが存在する場合、現在の周囲条件に対する音量データを読み出し、経験則に応じて選定された係数で加重加算して最終的な適正音量を算出する。
さらに、特許文献1の装置では、乗員が手動で音量を調節した場合は、調節後の音量と周囲条件との関係が学習される。すなわち、調節後の音量を含む平均値あるいは学習回数に応じて重み付けした加重平均値が算出され、個人データテーブルの内容が更新される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−60095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に代表される従来の技術では、乗員が手動で調節した音量の学習データが、そのまま最終的な適正音量の算出に利用される。このため、周囲条件に対する適切な音量が初期設定データとして設定されていても、同じ周囲条件で乗員が調節する音量レベルの範囲にばらつきがある場合、その周囲条件に対する適切な音量レベルからの乖離が大きくなるという課題があった。
【0005】
また、オーディオ信号を再生するオーディオソースには、CD/DVDドライブ装置やラジオ受信機などがあり、オーディオソースごとに音量調整の基準ゲイン値も異なっている。このため、特許文献1のようにオーディオソースを考慮しない場合には、周囲条件に応じて自動で設定された音量が大きすぎたり、あるいは小さすぎる可能性がある。この場合、乗員が手動で調整し直さなければならず、本末転倒な結果となる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、オーディオソースと移動体の内外の状況とを考慮して適切な音量調整を行うことができる音響装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る音響装置は、移動体に搭載されたオーディオソースで再生されたオーディオ信号を、移動体内のスピーカから音声出力する音響装置において、移動体の内外の様々な状況でユーザに調節された音量レベルのうち、移動体の内外の各状況における適切な音量レベルを含む所定の音量レベル範囲内の音量レベルを、ユーザ設定値として、当該オーディオ信号を再生するオーディオソースおよび移動体の内外の状況を規定する条件項目に対応付けて記憶する記憶部と、移動体の内外の情報を取得する第1の情報取得部と、第1の情報取得部によって取得された情報に基づいて、移動体の内外の状況を規定する条件項目を決定する条件決定部と、スピーカから音声出力するオーディオ信号を再生したオーディオソースを判別する判別部と、条件決定部に決定された条件項目および判別部に判別されたオーディオソースに対応するユーザ設定値を、記憶部から読み出す読み出し部と、読み出し部により記憶部から読み出されたユーザ設定値でオーディオ信号をスピーカから音声出力する際の音量調整を行う音量制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、オーディオソースと移動体の内外の状況とを考慮して適切な音量調整を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る音響装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る音響装置によるオーディオ再生までの前処理を示すフローチャートである。
【図3】車両駆動方式に対する音量レベルの基準値を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る音響装置による車両駆動方式に対するユーザ設定値の学習処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る音響装置による窓の開度に対するユーザ設定値の学習処理を示すフローチャートである。
【図6】車両の窓の開度に対する音量レベルの基準値を示す図である。
【図7】車速に対する音量レベルの基準値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る音響装置の構成を示すブロック図であり、この発明に係る音響装置をカーオーディオ装置に適用した場合を示している。図1において、実施の形態1に係るカーオーディオ装置1は、CD/DVDドライブ装置2a、ラジオ受信機2bおよびHDDオーディオ装置2cなどの音楽ソースまたはUSBオーディオ2dなどの外部音楽ソースで再生されたオーディオ信号を音声出力する音響装置である。
CD/DVDドライブ装置2aは、CDまたはDVDなどの記憶メディアに記憶されたオーディオ情報を再生する装置である。ラジオ受信機2bは、ラジオ放送を受信してオーディオ信号を再生する。HDDオーディオ装置2cは、ハードディスクドライブ装置に記憶されたオーディオ情報を読み出して再生する装置である。USBオーディオ2dは、USBフラッシュメモリなどのメモリに記憶されたオーディオ情報を再生する装置である。
【0011】
また、カーオーディオ装置1は、その構成として、マイコン3、DSP4、メモリ5、アンプ6およびスピーカ7を備える。
マイコン3は、カーオーディオ装置1を搭載する車両(以下、自車両とする)の状態を示す車両情報や当該車両の周辺環境を示す情報を取得し、カーオーディオ装置1の周辺環境に対応した音楽ソースごとの音量レベル情報を判別してメモリ5から読み出し、ユーザの手動による音量調節に応じてメモリ5の記憶内容を更新するマイクロコンピュータである。その機能構成として、周辺環境取得部3a、対応値決定部3b、基準値判別部3c、基準値読み出し部3d、ユーザ設定値判別部3e、ユーザ設定値読み出し部3f、ユーザ設定情報取得部3gおよびメモリ書き込み部3hを備える。
【0012】
周辺環境取得部3aは、自車両のECU(エレクトロニック コントロール ユニット)やナビゲーション装置、通信装置に接続して、当該車両の車両情報や当該車両の周辺環境を示す周辺環境情報を取得する第1の情報取得部である。
なお、車両情報には、窓の開閉レベル情報8a、車両駆動方式情報8b、車速情報8cがある。また、周辺環境情報には、カメラ認識情報8d、天気情報8e、地図情報8f、交通情報8gがある。
【0013】
窓の開閉レベル情報8aは、車両の窓の開度を示す情報であり、自車両のECUから車両情報として取得することができる。車両駆動方式情報8bは、自車両の駆動方式を示す情報である。自車両がハイブリッド車である場合、車両駆動方式の切り替え状況に応じて電動モータによる電気駆動と内燃機関によるガソリン駆動とのいずれかが設定される。車速情報8cは、自車両の車速を示す情報であり、車速パルスの検知情報であってもよい。
【0014】
カメラ認識情報8dは、自車両が搭載するカメラ(フロントカメラ、リアカメラ、サイドカメラなど)の撮影画像の画像認識結果を示す情報である。例えば、工事中の標識を認識対象することで、カメラ認識情報8dによって、自車両が工事に起因した騒音下の道路を走行しているか否かを判別できる。天気情報8eは、自車両位置の周辺の天気を示す情報であり、自車両が搭載する通信装置を介してネットワークから取得される情報である。この天気情報8eによれば、自車両が、大雨などの天気に起因した騒音下を走行していることを判別できる。
【0015】
地図情報8fは、自車両位置の周辺地図を示す情報であり、自車両が備えるナビゲーション装置から取得することができる。この地図情報8fによって、自車両が、騒音の多い市街地を走行しているか、または、騒音の少ない山間地などを走行しているかを判別することができる。交通情報8gは、自車両位置の周辺の交通状況を示す情報であり、通信装置を介して路側通信装置などから提供される情報である。この交通情報8gによって、自車両が工事に起因した騒音下の道路を走行しているか否かを判別できる。
【0016】
対応値決定部3bは、周辺環境取得部3aにより取得された車両情報および周辺環境情報に基づいて、自車両の内外の状況を規定する条件項目を決定する条件決定部であり、検索部3b−1を備える。検索部3b−1は、メモリ5に記憶されている音量レベル情報の中から、対応値決定部3bに決定された条件項目に対応する基準値(初期設定データ)またはユーザ設定値の音量レベル情報を識別するためのID情報を検索する。
【0017】
基準値判別部3cは、音楽ソースの判別結果を示す音楽ソース情報に基づいて、検索部3b−1が検索した音量レベル情報のID情報の中から、判別結果の音楽ソースに対応する基準値(初期設定データ)の音量レベル情報のID情報を判別する。基準値読み出し部3dは、基準値判別部3cが判別した基準値の音量レベル情報をメモリ5のパラメータテーブル5aから読み出してパラメータ設定部4bへ出力する。
なお、基準値(初期設定データ)とは、条件項目で規定される自車両の内外の状況で、ユーザが聴取可能な音量レベルをその音楽ソースごとに設定したデータである。
例えば、車両の諸元データや車両走行時の流体特性等を利用して条件項目で規定される自車両の状況で発生する雑音を推定し、この雑音下においても人間が聴取可能な音量レベル範囲(ダイナミックレンジ)を算出して、この音量レベル範囲の中間値を基準値に設定する。基準値を含む音量レベル範囲は、ユーザの年齢などを考慮した余裕値をその上限値および下限値に加算してもよい。
【0018】
ユーザ設定値判別部3eは、音楽ソースの判別結果を示す音楽ソース情報に基づいて、検索部3b−1が検索したID情報で識別される音量レベル情報の中から、判別結果の音楽ソースに対応するユーザ設定値の音量レベル情報のID情報を判別する。ユーザ設定値読み出し部3fは、ユーザ設定値判別部3eが判別したユーザ設定値の音量レベル情報をメモリ5のパラメータテーブル5bから読み出してパラメータ設定部4bへ出力する。
なお、パラメータテーブル5bには、ユーザが手動で調節した音量レベルが、基準値を含む音量レベル範囲の下限値を下回る場合、当該下限値がユーザ設定値として記憶され、上記音量レベル範囲の上限値を超える場合には、当該上限値がユーザ設定値として記憶される。
【0019】
ユーザ設定情報取得部3gは、ユーザが手動で音量調節したときの音楽ソース、調節後の音量レベル、その時点の車両情報と周辺環境情報から決定した条件項目の値およびこの条件項目に対応する基準値を含む音量レベル範囲を取得して、ユーザが設定した音量レベルを、音楽ソースおよび条件項目に対応付けたユーザ設定情報を生成する第2の情報取得部である。
なお、上述したように、ユーザが設定した音量レベルが上記音量レベル範囲から外れる場合、当該音量レベル範囲内の値に変更した音量レベルがユーザ設定値となる。
メモリ書き込み部3hは、ユーザ設定情報取得部3gが生成したユーザ設定情報を入力して、当該ユーザ設定情報が示す音楽ソースおよび条件項目に対応付けてユーザ設定値をパラメータテーブル5bに書き込む。
【0020】
DSP(デジタルシグナルプロセッサ)4は、出力対象のオーディオ信号を再生した音楽ソースを判別するとともに、マイコン3によってメモリ5から読み出された音量レベルでスピーカ7で音声出力するようにアンプ6のゲインを調整する。その機能構成として、音楽ソース判別部4aおよびパラメータ設定部4bを備える。
音楽ソース判別部4aは、CD/DVDドライブ装置2a、ラジオ受信機2b、HDDオーディオ装置2c、USBオーディオ2dとそれぞれ接続して、出力対象のオーディオ信号の音楽ソースを判別する判別部である。パラメータ設定部4bは、基準値読み出し部3dまたはユーザ設定値読み出し部3fから入力した音量レベル情報を、音量調整のパラメータとしてアンプ6に設定する音量制御部である。
【0021】
メモリ5は、ユーザが手動で設定した音量レベルおよび音量レベルの初期設定データを記憶する記憶部であり、基準値(初期設定データ)のパラメータテーブル5aと、ユーザ設定値のパラメータテーブル5bが記憶されている。
パラメータテーブル5aには、音楽ソース(CD/DVDドライブ装置2a、ラジオ受信機2b、HDDオーディオ装置2c、USBオーディオ2d)ごとの基準値の音量レベル情報5a−1が条件項目に対応付けて記憶されている。
また、パラメータテーブル5bには、音楽ソースごとのユーザ設定値の音量レベル情報5b−1が条件項目に対応付けて記憶されている。なお、パラメータテーブル5a,5bにおいて、各音量レベル情報には、それぞれを識別するためのID情報が含まれる。
【0022】
次に動作について説明する。
(1)オーディオ再生までの前処理(条件項目が車両駆動方式の場合)
図2は、実施の形態1に係る音響装置によるオーディオ再生までの前処理を示すフローチャートである。
まず、周辺環境取得部3aが、自車両に搭載されたECUやナビゲーション装置、通信装置から、自車両の車両情報および周辺環境情報を取得する(ステップST1)。周辺環境取得部3aによる情報取得は、所定の時間周期で行ってもよく、または、条件項目に対応する事象(窓の開閉、車両駆動方式の切り替え、車速の増減など)が発生したことを契機に行ってもよい。
【0023】
対応値決定部3bは、周辺環境取得部3aにより取得された車両情報および周辺環境情報に基づいて、自車両の内外の状況を規定する条件項目を決定する。
なお、以降では、自車両がハイブリッド車であり、条件項目である現在の車両駆動方式が、モータによる電気駆動またはガソリンエンジンによるガソリン駆動であると決定されたものとして説明する。
【0024】
次に、基準値判別部3cおよびユーザ設定値判別部3eは、音楽ソース判別部4aから音楽ソースの判別結果を示す音楽ソース情報を取得する(ステップST2)。
続いて、対応値決定部3bは、周辺環境取得部3aに取得された車両情報に基づいて、カーオーディオ装置1の初回起動であるか否かを判定する(ステップST3)。
例えば、車両情報からイグニションスイッチのオンオフ情報を取得し、イグニションスイッチがオンされて、カーオーディオ装置1が起動した時点を初回起動時とする。
【0025】
初回の起動である場合(ステップST3;YES)、検索部3b−1は、対応値決定部3bが決定した現在の車両駆動方式を用いて、メモリ5のパラメータテーブル5aを検索し、パラメータテーブル5aに記憶される音量レベル情報の中から、現在の車両駆動方式に対応する基準値(初期設定データ)を示す音量レベル情報のID情報を判別する。検索部3b−1に判別されたID情報は、基準値判別部3cへ出力される。
基準値判別部3cは、検索部3b−1が検索したID情報で識別される音量レベル情報の中から、音楽ソース情報が示す音楽ソースに対応する音量レベル情報のID情報を判別して基準値読み出し部3dへ出力する。
【0026】
基準値読み出し部3dは、基準値判別部3cが判別したID情報を用いて、メモリ5のパラメータテーブル5aから、現在の車両駆動方式に対応する基準値を示す音量レベル情報を読み出す(ステップST4)。基準値読み出し部3dにより読み出された音量レベル情報は、DSP4のパラメータ設定部4bに展開される。
パラメータ設定部4bは、現在の車両駆動方式に対応する基準値を示す音量レベル情報をアンプ6に設定する。アンプ6は、パラメータ設定部4bから設定された音量レベル情報に応じたゲインで音楽ソースから入力したオーディオ信号を増幅し、スピーカ7から音声出力させる(ステップST5)。
【0027】
図3は、車両駆動方式に対する音量レベルの基準値を示す図である。電動モータは、内燃機関と比較すると、格段に騒音が少ない。これにより、図3に示すように、電気駆動における基準値Veは、ガソリン駆動における基準値Vgよりも低レベルとなる。本発明に係る音響装置では、例えば、自車両がガソリン駆動で走行して基準値Vg近傍の音量レベルで音楽再生していた状態から、車両駆動方式を電気駆動に切り替えたとしても、ユーザが手動で音量調節することなく、直ちに電気駆動に対応した基準値Ve近傍の音量レベルによる音楽再生に切り替えられる。このため、電気駆動に切り替えた後に、ガソリン駆動に起因した騒音下を前提とした大音量が維持されることがない。
【0028】
一方、初回の起動ではない場合(ステップST3;NO)、検索部3b−1は、対応値決定部3bが決定した現在の車両駆動方式を用いて、メモリ5のパラメータテーブル5bを検索し、パラメータテーブル5bに記憶される音量レベル情報の中に、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報のID情報が存在するか否かを判定する(ステップST6)。すなわち、2回目以降の起動では、それまでの走行で決定された条件項目に対応するユーザ設定値がメモリ5に記憶されており、このユーザ設定値は、自車両の現在の乗員の嗜好に合致した音量レベルである可能性が高い。このため、初回の起動でなければ、ユーザ設定値が選択されるように制御する。
【0029】
現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報がパラメータテーブル5bに記憶されていない場合(ステップST6;NO)、ステップST4に戻り、現在の車両駆動方式に対応する基準値を示す音量レベル情報を読み出して、上述までの処理を繰り返す。
また、パラメータテーブル5bに現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報がある場合(ステップST6;YES)、検索部3b−1が、対応値決定部3bが決定した現在の車両駆動方式を用いて、メモリ5のパラメータテーブル5bを検索し、パラメータテーブル5bに記憶される音量レベル情報の中から、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報のID情報を判別する。検索部3b−1に判別されたID情報は、ユーザ設定値判別部3eへ出力される。
ユーザ設定値判別部3eは、検索部3b−1が検索したID情報で識別される音量レベル情報の中から、音楽ソース情報が示す音楽ソースに対応する音量レベル情報のID情報を判別してユーザ設定値読み出し部3fへ出力する。
【0030】
ユーザ設定値読み出し部3fdは、ユーザ設定値判別部3eが判別したID情報を用いて、メモリ5のパラメータテーブル5bから、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報を読み出す(ステップST7)。ユーザ設定値読み出し部3fにより読み出された音量レベル情報は、DSP4のパラメータ設定部4bに展開される。
パラメータ設定部4bは、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報をアンプ6に設定する。アンプ6は、パラメータ設定部4bから設定された音量レベル情報に応じたゲインで音楽ソースから入力したオーディオ信号を増幅し、スピーカ7から音声出力させる(ステップST5)。
【0031】
なお、パラメータテーブル5bには、電気駆動下でユーザが手動で調節した音量レベルが、図3に示すように、電気駆動に対応する基準値Veが中間値になる音量レベル範囲の下限値Ve−minを下回る場合には、下限値Ve−minがユーザ設定値として記憶され、上記音量レベル範囲の上限値Ve−maxを超える場合は、上限値Ve−maxがユーザ設定値として記憶されている。
また、ガソリン駆動下でユーザが手動で調節した音量レベルは、ガソリン駆動に対応する基準値Vgが中間値になる音量レベル範囲の下限値Vg−minを下回る場合は、下限値Vg−minがユーザ設定値として記憶され、音量レベル範囲の上限値Vg−maxを超える場合は、上限値Ve−maxがユーザ設定値として記憶される。
これにより、同じ車両駆動方式でユーザが調節した音量レベルの範囲にばらつきがあっても、この車両駆動方式に対する適切な音量レベル(基準値)からの乖離を抑えることができる。
【0032】
(2)ユーザ設定値の学習処理(条件項目が車両駆動方式の場合)
図4は、実施の形態1に係る音響装置による車両駆動方式に対するユーザ設定値の学習処理を示すフローチャートであり、自車両が走行中に車両駆動方式を切り替えた場合を示している。
まず、自車両の車両制御部が、車速などに応じて車両駆動方式を切り替える(ステップST1a)。ここで、周辺環境取得部3aは、周期的または自車両の車両駆動方式の切り替えを契機として、自車両が搭載するECUやナビゲーション装置、通信装置から、自車両の車両情報を取得する(ステップST2a)。この後、対応値決定部3bは、周辺環境取得部3aに取得された車両情報から、条件項目として自車両の車両駆動方式が電気駆動であるかガソリン駆動であるかを決定する。
【0033】
次に、検索部3b−1は、対応値決定部3bが決定した現在の車両駆動方式を用いて、メモリ5のパラメータテーブル5bを検索し、パラメータテーブル5bが記憶する音量レベル情報の中に、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報のID情報、すなわち当該車両駆動方式での過去の走行時に設定されたユーザ設定値が記憶されているか否かを判定する(ステップST3a)。
【0034】
パラメータテーブル5bに過去の走行時に設定されたユーザ設定値が記憶されていない場合(ステップST3a;NO)、検索部3b−1は、その旨を示す通知をユーザ設定情報取得部3gに出力する。ユーザ設定情報取得部3gは、検索部3b−1から通知を受けると、ユーザの手動による音量調節待ちの状態に移行する。
ユーザ設定情報取得部3gは、ユーザにより手動で音量調節が行われると、音楽ソース判別部4aから音楽ソース情報を取得し、パラメータ設定部4bから調節後の音量レベルを取得し、対応値決定部3bから現在の車両駆動方式およびこの車両駆動方式に対応する基準値を含む音量レベル範囲を取得する(ステップST4a)。
【0035】
次に、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから取得した調節後の音量レベルが、現在の車両駆動方式に対応する基準値を含む音量レベル範囲内であるか否かを判定する(ステップST5a)。すなわち、図3に示す電気駆動時における基準値Veと上限値Ve−maxおよび下限値Ve−minで規定される音量レベル範囲内であるか否かが判定される。このとき、調節後の音量レベルが上記音量レベル範囲内でなければ(ステップST5a;NO)、ユーザ設定情報取得部3gは、調節後の音量レベルが上記音量レベル範囲の上限値Ve−maxを超えるか、または、下限値Ve−minを下回るかを判定する(ステップST6a)。
【0036】
調節後の音量レベルが音量レベル範囲の上限値Ve−maxを超える場合(ステップST6a;上限を超える)、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから取得した音量レベルではなく、音量レベル範囲の上限値Ve−maxを、音楽ソースと現在の車両駆動方式に対応付けたユーザ設定情報を生成し、メモリ書き込み部3hへ出力する。
メモリ書き込み部3hは、ユーザ設定情報取得部3gから入力したユーザ設定情報に基づいて、ユーザ設定情報が示す音楽ソースと現在の車両駆動方式に対応付けてユーザ設定値(上限値Ve−max)をパラメータテーブル5bに記憶する(ステップST7a)。
【0037】
また、調節後の音量レベルが音量レベル範囲の下限値Ve−minを下回る場合(ステップST6a;下限を下回る)、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから取得した音量レベルではなく、音量レベル範囲の下限値Ve−minを、音楽ソースと現在の車両駆動方式に対応付けたユーザ設定情報を生成し、メモリ書き込み部3hへ出力する。メモリ書き込み部3hは、ユーザ設定情報取得部3gから入力したユーザ設定情報に基づいて、ユーザ設定情報が示す音楽ソースと現在の車両駆動方式に対応付けてユーザ設定値(下限値Ve−min)をパラメータテーブル5bに記憶する(ステップST9a)。
【0038】
一方、調節後の音量レベルが音量レベル範囲内である場合(ステップST5a;YES)、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから取得した音量レベルを、音楽ソースと現在の車両駆動方式に対応付けたユーザ設定情報を生成し、メモリ書き込み部3hへ出力する。メモリ書き込み部3hは、ユーザ設定情報取得部3gから入力したユーザ設定情報に基づいて、ユーザ設定情報が示す音楽ソースと現在の車両駆動方式に対応付けてユーザ設定値をパラメータテーブル5bに記憶する(ステップST8a)。
ステップST7a、ステップST8aおよびステップST9aのいずれかの処理が完了すると、ステップST3aに戻り、上述の処理を繰り返す。
【0039】
パラメータテーブル5bに過去の走行時に設定されたユーザ設定値が記憶されている場合(ステップST3a;YES)、検索部3b−1が、対応値決定部3bが決定した現在の車両駆動方式を用いてパラメータテーブル5bを検索し、パラメータテーブル5bに記憶される音量レベル情報の中から、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報のID情報を判別する。検索部3b−1に判別されたID情報は、ユーザ設定値判別部3eへ出力される。ユーザ設定値判別部3eは、検索部3b−1が検索したID情報で識別される音量レベル情報の中から、音楽ソース情報が示す音楽ソースに対応する音量レベル情報のID情報を判別してユーザ設定値読み出し部3fへ出力する。
【0040】
ユーザ設定値読み出し部3fは、ユーザ設定値判別部3eが判別したID情報を用いて、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報をパラメータテーブル5bから読み出す(ステップST10a)。ユーザ設定値読み出し部3fに読み出された音量レベル情報は、DSP4のパラメータ設定部4bに展開される。
パラメータ設定部4bは、現在の車両駆動方式に対応するユーザ設定値の音量レベル情報をアンプ6に設定する。アンプ6は、パラメータ設定部4bから設定された音量レベル情報に応じたゲインで音楽ソースから入力したオーディオ信号を増幅し、スピーカ7から音声出力させる(ステップST11a)。
【0041】
上述のようにすることで、電気駆動に対応する基準値Veが中間値になる音量レベル範囲の下限値Ve−minを下回る場合には、下限値Ve−minがユーザ設定値として記憶され、上記音量レベル範囲の上限値Ve−maxを超える場合は、上限値Ve−maxがユーザ設定値としてパラメータテーブル5bに記憶される。これにより、電気駆動の際にユーザが調節した音量レベルの範囲にばらつきがあっても、この電気駆動に対する適切な音量レベル(基準値)からの乖離を抑えることができる。
【0042】
(3)ユーザ設定値の学習処理(条件項目が窓の開度の場合)
図5は、実施の形態1に係る音響装置による窓の開度に対するユーザ設定値の学習処理を示すフローチャートであり、自車両の走行中に窓を開閉した場合を示している。また、図6は、車両の窓の開度に対する音量レベルの基準値を示す図である。窓の開度が増加すると、車外音が入って車両室内の騒音が増加するため、図6に示すように、窓の開度が増加するにつれて基準値の音量レベルは増加する。
【0043】
まず、ユーザが、自車両の窓を開閉する(ステップST1b)。ここで、周辺環境取得部3aは、周期的または窓の開閉を契機として、自車両が搭載するECUやナビゲーション装置、通信装置から、自車両の車両情報を取得する(ステップST2b)。
この後、対応値決定部3bは、周辺環境取得部3aに取得された車両情報から、条件項目として自車両の窓の開度を決定する。
次に、検索部3b−1は、対応値決定部3bが決定した現在の窓の開度を用いて、メモリ5のパラメータテーブル5bを検索し、パラメータテーブル5bが記憶する音量レベル情報の中に、現在の窓の開度に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報のID情報、すなわち当該窓の開度でのユーザ設定値が記憶されているか否かを判定する(ステップST3b)。
【0044】
パラメータテーブル5bに過去の走行時に設定されたユーザ設定値が記憶されていない場合(ステップST3b;NO)、検索部3b−1は、その旨を示す通知をユーザ設定情報取得部3gに出力する。ユーザ設定情報取得部3gは、検索部3b−1から通知を受けると、ユーザの手動による音量調節待ちの状態に移行する。
ユーザ設定情報取得部3gは、ユーザにより手動で音量調節が行われると、音楽ソース判別部4aから音楽ソース情報を取得し、パラメータ設定部4bから調節後の音量レベルを取得し、対応値決定部3bから現在の窓の開度およびこの窓の開度に対応する基準値を含む音量レベル範囲を取得する(ステップST4b)。
【0045】
次に、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから入力した調節後の音量レベルが、現在の窓の開度に対応する基準値を含む音量レベル範囲内か否かを判定する(ステップST5b)。すなわち、図6に示すように、現在の窓の開度が、例えば80%〜90%の範囲である場合、この窓の開度における基準値Vwと上限値Vw−maxおよび下限値Vw−minで規定される音量レベル範囲内であるか否かが判定される。ここで、調節後の音量レベルが上記音量レベル範囲内でなければ(ステップST5b;NO)、ユーザ設定情報取得部3gは、調節後の音量レベルが上記音量レベル範囲の上限値Vw−maxを超えるか、または、下限値Vw−minを下回るかを判定する(ステップST6b)。
【0046】
調節後の音量レベルが音量レベル範囲の上限値Vw−maxを超える場合(ステップST6b;上限を超える)、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから取得した音量レベルではなく、音量レベル範囲の上限値Vw−maxを、音楽ソースと現在の窓の開度に対応付けたユーザ設定情報を生成し、メモリ書き込み部3hへ出力する。
メモリ書き込み部3hは、ユーザ設定情報取得部3gから入力したユーザ設定情報に基づいて、ユーザ設定情報が示す音楽ソースと現在の窓の開度に対応付けてユーザ設定値(上限値Vw−max)をパラメータテーブル5bに記憶する(ステップST7b)。
【0047】
また、調節後の音量レベルが音量レベル範囲の下限値Vw−minを下回る場合(ステップST6b;下限を下回る)、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから取得した音量レベルではなく、音量レベル範囲の下限値Vw−minを、音楽ソースと現在の窓の開度とに対応付けたユーザ設定情報を生成してメモリ書き込み部3hへ出力する。メモリ書き込み部3hは、ユーザ設定情報取得部3gから入力したユーザ設定情報に基づいて、ユーザ設定情報が示す音楽ソースと現在の窓の開度に対応付けてユーザ設定値(下限値Vw−min)をパラメータテーブル5bに記憶する(ステップST9b)。
【0048】
一方、調節後の音量レベルが音量レベル範囲内である場合(ステップST5b;YES)、ユーザ設定情報取得部3gは、パラメータ設定部4bから取得した音量レベルを、音楽ソースと現在の窓の開度に対応付けたユーザ設定情報を生成し、メモリ書き込み部3hへ出力する。メモリ書き込み部3hは、ユーザ設定情報取得部3gから入力したユーザ設定情報に基づいて、ユーザ設定情報が示す音楽ソースと現在の窓の開度に対応付けてユーザ設定値をパラメータテーブル5bに記憶する(ステップST8b)。
ステップST7b、ステップST8bおよびステップST9bのいずれかの処理が完了すると、ステップST3bに戻り、上述の処理を繰り返す。
【0049】
パラメータテーブル5bに過去の走行時に設定されたユーザ設定値が記憶されている場合(ステップST3b;YES)、検索部3b−1が、対応値決定部3bが決定した現在の窓の開度を用いてパラメータテーブル5bを検索し、パラメータテーブル5bに記憶される音量レベル情報の中から、現在の窓の開度に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報のID情報を判別する。検索部3b−1によって判別されたID情報は、ユーザ設定値判別部3eへ出力される。ユーザ設定値判別部3eは、検索部3b−1が検索したID情報で識別される音量レベル情報の中から、音楽ソース情報が示す音楽ソースに対応する音量レベル情報のID情報を判別してユーザ設定値読み出し部3fへ出力する。
【0050】
ユーザ設定値読み出し部3fdは、ユーザ設定値判別部3eが判別したID情報を用いて、現在の窓の開度に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報をパラメータテーブル5bから読み出す(ステップST10b)。ユーザ設定値読み出し部3fに読み出された音量レベル情報は、DSP4のパラメータ設定部4bに展開される。
パラメータ設定部4bは、現在の窓の開度に対応するユーザ設定値を示す音量レベル情報をアンプ6に設定する。アンプ6は、パラメータ設定部4bから設定された音量レベル情報に応じたゲインで音楽ソースから入力したオーディオ信号を増幅し、スピーカ7から音声出力させる(ステップST11b)。
【0051】
図7は、車速に対する音量レベルの基準値を示す図である。一般的に、車速が増加すると、それに伴い車両室内の騒音量も上昇する。これにより、図7に示すように、低速時の基準値は、高速時の基準値Vgよりも低レベルとなる。本発明に係る音響装置では、自車両が高速走行してその車速に対応した基準値近傍の音量レベルで音楽再生していたとき、急に車速を落としたとしても、ユーザが手動で音量調節することなく、直ちにその低速時に対応した基準値近傍の音量レベルによる音楽再生に切り替えられる。このため、車速を落とした後に、高速時の騒音下を前提とした大音量が維持されることがない。
【0052】
なお、上述の説明では条件項目に係る事象が一つの場合を示したが、複数の条件項目に係る事象が発生しても同様の効果を得ることができる。例えば、車両駆動方式の切り替え、窓の開閉、車速の増減が行われた場合、それぞれの条件項目について図2、図4、図5に示した処理を実行する。そして、各処理で得られた音量レベルを所定の係数で加重加算した結果を最終的な音量レベルとする。なお、所定の係数は、実験により条件項目ごとに決定した騒音発生への寄与度に応じた重み付け係数である。
【0053】
以上のように、この実施の形態1によれば、自車両の内外の様々な状況でユーザに調節された音量レベルのうち、自車両の内外の各状況における適切な音量レベルを含む所定の音量レベル範囲内の音量レベルを、ユーザ設定値として、当該オーディオ信号を再生する音楽ソースおよび自車両の内外の状況を規定する条件項目に対応付けて記憶するメモリ5と、自車両の内外の情報を取得する周辺環境取得部3aと、周辺環境取得部3aによって取得された情報に基づいて、自車両の内外の状況を規定する条件項目を決定する対応値決定部3bと、スピーカ7から音声出力するオーディオ信号を再生した音楽ソースを判別する音楽ソース判別部4aと、対応値決定部3bに決定された条件項目および音楽ソース判別部4aに判別された音楽ソースに対応するユーザ設定値を、メモリ5から読み出すユーザ設定値読み出し部3fと、ユーザ設定値読み出し部3fによりメモリ5から読み出されたユーザ設定値でオーディオ信号をスピーカ7から音声出力する際の音量調整を行うパラメータ設定部4bとを備える。このように構成することで、自車両の内外の状況に対応して予め設定した適切な音量レベルである基準値からの乖離を抑制しつつ、音楽ソースと自車両の内外の状況とを考慮した適切な音量調整を行うことができる。
【0054】
また、この実施の形態1によれば、ユーザにより調節された音量レベルを取得し、当該音量レベルが所定の音量レベル範囲内であれば、当該音量レベルを音楽ソースおよび条件項目に対応付け、所定の音量レベル範囲の上限値を超える場合、上限値を音楽ソースおよび条件項目に対応付け、所定の音量レベル範囲の下限値を下回る場合は、下限値を音楽ソースおよび条件項目に対応付けたユーザ設定情報を生成するユーザ設定情報取得部3gと、ユーザ設定情報取得部3gにより生成されたユーザ設定情報が示す音量レベルを、ユーザ設定値として、音楽ソースおよび条件項目に対応付けてメモリ5に書き込むメモリ書き込み部3hとを備える。このように構成することで、ユーザが調節した音量レベルの範囲にばらつきがあっても、調節時点における自車両の内外の状況に対応した適切な音量レベル(基準値)からの乖離を抑えることができる。
【0055】
上記実施の形態1では、本発明に係る音響装置を、カーオーディオ装置に適用した場合を示したが、車載用のみならず、携帯電話端末又は携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistance)に適用してもよい。
また、車両、鉄道、船舶または航空機等の移動体に人が持ち込んで使用するオーディオ端末に適用してもよい。
【0056】
なお、本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 カーオーディオ装置、2a CD/DVDドライブ装置、2b ラジオ受信機、2c HDDオーディオ装置、2d USBオーディオ、3 マイコン、3a 周辺環境取得部、3b 対応値決定部、3c 基準値判別部、3d 基準値読み出し部、3e ユーザ設定値判別部、3f ユーザ設定値読み出し部、3g ユーザ設定情報取得部、3h メモリ書き込み部、4 DSP、4a 音楽ソース判別部、4b パラメータ設定部、5 メモリ、5a,5b パラメータテーブル、5a−1 基準値、5b−1 ユーザ設定値、6 アンプ、7 スピーカ、8a 窓の開閉レベル情報、8b 車両駆動方式情報、8c 車速情報、8d カメラ認識情報、8e 天気情報、8f 地図情報、8g 交通情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載されたオーディオソースで再生されたオーディオ信号を、前記移動体内のスピーカから音声出力する音響装置において、
前記移動体の内外の様々な状況でユーザに調節された音量レベルのうち、前記移動体の内外の各状況における適切な音量レベルを含む所定の音量レベル範囲内の音量レベルを、ユーザ設定値として、当該オーディオ信号を再生するオーディオソースおよび前記移動体の内外の状況を規定する条件項目に対応付けて記憶する記憶部と、
前記移動体の内外の情報を取得する第1の情報取得部と、
前記第1の情報取得部によって取得された情報に基づいて、前記移動体の内外の状況を規定する条件項目を決定する条件決定部と、
前記スピーカから音声出力するオーディオ信号を再生したオーディオソースを判別する判別部と、
前記条件決定部に決定された条件項目および前記判別部に判別されたオーディオソースに対応するユーザ設定値を、前記記憶部から読み出す読み出し部と、
前記読み出し部により前記記憶部から読み出されたユーザ設定値で前記オーディオ信号を前記スピーカから音声出力する際の音量調整を行う音量制御部とを備えることを特徴とする音響装置。
【請求項2】
ユーザにより調節された音量レベルを取得し、当該音量レベルが前記所定の音量レベル範囲内であれば当該音量レベルを前記オーディオソースおよび前記条件項目に対応付け、前記所定の音量レベル範囲の上限値を超える場合は、前記上限値を前記オーディオソースおよび前記条件項目に対応付け、前記所定の音量レベル範囲の下限値を下回る場合は、前記下限値を前記オーディオソースおよび前記条件項目に対応付けたユーザ設定情報を生成する第2の情報取得部と、
前記第2の情報取得部により生成されたユーザ設定情報が示す音量レベルを、ユーザ設定値として、前記オーディオソースおよび前記条件項目に対応付けて前記記憶部に書き込む書き込み部とを備えることを特徴とする請求項1記載の音響装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−86754(P2013−86754A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231763(P2011−231763)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】