顔探索装置
【構成】CPU26は、SDRAM32の探索画像エリア32cに格納された探索画像データから1または2以上の顔画像を探索し、これによって発見された顔画像を順に指定する。CPU26はまた、指定された顔画像の表情を検出し、複数の登録顔画像のうち指定された顔画像と符合する登録顔画像を検出された表情を参照して探索する。CPU26はその後、発見された登録顔画像の属性を示す属性情報をLCDモニタ38に表示する。
【効果】動作性能が向上する。
【効果】動作性能が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、顔探索装置に関し、特に、被写界像に現れた顔画像に符合する登録顔画像を複数の登録顔画像の中から探索する、顔探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、被写界に現れた顔は、被写界を捉える撮像素子から出力された画像データに基づいて検出される。検出された顔は、予め設定された笑顔と共通するか否かの識別処理を施され、識別結果が肯定的であるときに笑顔判定対象として決定される。撮像素子から出力された画像データは、笑顔判定対象の顔が笑顔に変わったときに記憶媒体に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−177678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、予め設定された笑顔と共通するか否かの識別処理を実行するにあたって被写界から検出された顔の表情が参照されることはない。このため、被写界から検出された顔の表情によっては、動作性能が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、動作性能を向上させることができる、顔探索装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う顔探索装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索手段(S153~S183)、第1探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する第1指定手段(S189)、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索手段(S201~S207, S217~S227, S231~S249, S251~S263, S273~S279)、および第2探索手段によって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力手段(S209~S215, S265~S271, S125~S133)を備える。
【0007】
好ましくは、第2探索手段は、複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段(S205, S227)、および第1注目顔画像の表情と第2注目顔画像の表情との相違が抑制されるように第1注目顔画像および/または第2注目顔画像を修正する修正手段(S219)を含む。
【0008】
さらに好ましくは、複数の登録顔画像はそれぞれ複数の表情パラメータを伴い、第2探索手段は第2注目顔画像の表情パラメータを修正手段の修正処理のために複数の表情パラメータの中から選択する表情パラメータ選択手段(S217)をさらに含む。
【0009】
好ましくは、第2探索手段は、複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段(S205, S249)、互いに異なる表情を示すように第1注目顔画像および/または第2注目顔画像を繰り返し修正する修正手段(S231~S235, S239~S241)、第1注目顔画像および第2注目顔画像を修正手段による修正処理毎に照合する照合手段(S237)、および第1注目顔画像と符合する登録顔画像を照合手段の照合結果に基づいて特定する特定手段(S243~S247)を含む。
【0010】
好ましくは、複数の登録顔画像の各々は互いに異なる表情で共通の顔を表す複数の画像を含み、第2探索手段は、第1注目顔画像の表情に沿う表情を有する画像を第2指定手段の指定処理に関連して複数の画像の中から選択する画像選択手段(S253~S257)、および画像選択手段によって選択された画像を第1注目画素画像と照合する照合手段(S273)を含む。
【0011】
好ましくは、複数の登録顔画像はそれぞれ複数の名称を伴い、出力手段によって出力される属性情報は第2探索手段によって発見された登録顔画像の名称を含む。
【0012】
好ましくは、被写界を捉える撮像手段(16)がさらに備えられ、第1探索手段は撮像手段から出力された被写界像に対して探索処理を実行する。
【0013】
好ましくは、第1探索手段は標準顔画像を参照して探索処理を実行する。
【0014】
この発明に従う顔探索プログラムは、顔探索装置(10)のプロセッサ(26)に、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ(S153~S183)、第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ(S189)、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ(S201~S207, S217~S227, S231~S249, S251~S263, S273~S279)、および第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップ(S209~S215, S265~S271, S125~S133)を実行させるための、顔探索プログラムである。
【0015】
この発明に従う顔探索方法は、顔探索装置(10)によって実行される顔探索方法であって、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ(S153~S183)、第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ(S189)、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ(S201~S207, S217~S227, S231~S249, S251~S263, S273~S279)、および第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップ(S209~S215, S265~S271, S125~S133)を備える。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、被写界像に現れた顔画像と符合する登録顔画像を探索するにあたって、被写界像に現れた顔画像の表情が参照される。出力される属性情報は、こうして発見された登録顔画像の属性つまり被写界像に現れた顔画像の属性を示す。これによって、動作性能が向上する。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】顔登録モードにおいてモニタ画面に表示される登録枠の一例を示す図解図である。
【図4】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される標準顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例に適用される顔枠レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】登録用顔検出タスクおよび撮像用顔検出タスクにおいて用いられる顔検出枠の一例を示す図解図である。
【図8】登録用顔検出タスクにおける顔検出処理の一例を示す図解図である。
【図9】(A)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図であり、(B)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の他の一例を示す図解図であり、(C)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像のその他の一例を示す図解図であり、(D)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図10】顔登録モードにおいてモニタ画面に表示される登録操作画面の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用される登録顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図12】撮像用顔検出タスクにおける顔検出処理の一例を示す図解図である。
【図13】図2実施例によって捉えられる被写界の一例を示す図解図である。
【図14】(A)は修正前の登録顔画像の一例を示す図解図であり、(B)は修正後の登録顔画像の一例を示す図解図である。
【図15】図2実施例に適用される認識顔レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図16】図2実施例に適用される確定レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図17】撮像モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図24】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図25】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図26】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図27】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図28】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図29】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図30】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図31】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図32】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図33】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図34】他の実施例に適用される登録顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図35】他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図36】他の実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図37】他の実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図38】その他の実施例に適用される登録顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図39】その他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図40】その他の実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図41】その他の実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この発明の顔探索装置は、基本的に次のように構成される。第1探索手段1は、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する。第1指定手段2は、第1探索手段1によって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する。第2探索手段3は、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する。出力手段4は、第2探索手段3によって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する。
【0021】
被写界像に現れた顔画像と符合する登録顔画像を探索するにあたって、被写界像に現れた顔画像の表情が参照される。出力される属性情報は、こうして発見された登録顔画像の属性つまり被写界像に現れた顔画像の属性を示す。これによって、動作性能が向上する。
[実施例]
【0022】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0023】
電源が投入されると、CPU26は、キー入力装置28に設けられたモード切り換えスイッチ28mdの設定(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別する。現時点の動作モードが顔登録モードであれば、顔登録タスクおよび登録用顔検出タスクが起動される。現時点の動作モードが撮像モードであれば、撮像タスクおよび撮像用顔検出タスクが起動される。
【0024】
顔登録モードが選択されると、CPU26は、顔登録タスクの下で登録枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。グラフィックジェネレータ46は、登録枠RF1を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。登録枠RF1は、図3に示す要領でLCDモニタ38に表示される。
【0025】
CPU26は続いて、動画取り込み処理を実行するべく、顔登録タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0026】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の生画像エリア32aに書き込まれる。
【0027】
後処理回路34は、生画像エリア32aに格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して表示用のズーム処理と探索用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、YUV形式に従う表示画像データおよび探索画像データが個別に作成される。表示画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の表示画像エリア32bに書き込まれる。探索画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれる。
【0028】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32bに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0029】
図4を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0030】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。
【0031】
AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0032】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理を顔登録タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0033】
CPU26はまた、顔登録タスクと並列して実行される登録用顔検出タスクの下で、探索画像エリア32cに格納された探索画像データから人物の顔画像を探索する。このような登録用顔検出タスクのために、図5に示す標準顔辞書STDCと図6に示す顔枠レジスタRGST1と図7に示す複数の顔検出枠FD,FD,FD,…が準備される。なお、標準顔辞書STDC,顔枠レジスタRGST1および複数の顔検出枠FD,FD,FD,…は、後述する撮像用顔検出タスクにおいても用いられる。
【0034】
顔検出枠FDは、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、探索画像エリア32b上を登録枠RF1に対応してラスタ走査態様で移動する(図8参照)。顔検出枠FDのサイズは、ラスタ走査が終了する毎に“70”から“40”まで“5”刻みで縮小される。
【0035】
CPU26は、顔検出枠FDに属する画像データをメモリ制御回路30を通して探索画像エリア32bから読み出し、読み出された画像データの特徴量を算出する。算出された特徴量は、標準顔辞書に登録された顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REFを上回ると、登録枠RF1から顔画像が発見されたとみなされ、変数CNTが“0”から“1”に更新される。さらに、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズが、発見された顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズとして、顔枠レジスタRGST1に登録される。
【0036】
シャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、顔登録タスクの下で変数CNTの値を繰り返し判別する。変数CNTが“0”であれば顔枠非表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行され、変数CNTが“1”であれば顔枠表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。顔枠表示命令には、顔枠レジスタRGST1に登録された顔枠の位置およびサイズが記述される。
【0037】
顔枠表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、顔枠KF1を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。グラフィックデータは、顔枠表示命令に記述された位置およびサイズを参照して作成される。この結果、顔枠KF1は、発見された顔画像を囲うように表示される。
【0038】
“憲治”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(A)に示す要領で表示される。また、“大介”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(B)に示す要領で表示される。さらに、“靖史”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(C)に示す要領で表示される。また、“桂子”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(D)に示す要領で表示される。
【0039】
顔枠KF1が表示された状態でシャッタボタン28shが操作されると、CPU26は、顔登録タスクの下で静止画取り込み処理を実行する。シャッタボタン28shが操作された時点の被写界を表す1フレームの表示画像データは、静止画取り込み処理によって静止画エリア32dに取り込まれる。CPU26はその後、静止画エリア32dに取り込まれた画像データのうち顔枠KF1に属する一部の画像データを抽出する。これによって、登録顔画像が得られる。
【0040】
CPU26は続いて、顔登録タスクの下で登録操作画面表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。グラフィックジェネレータ46は、登録操作画面を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。この結果、図10に示す登録操作画面がLCDモニタ38に表示される。図10によれば、登録操作画面は、“登録”および“キャンセル”のアイコンと人名入力欄とによって形成される。
【0041】
所望の人名が人名入力欄に入力され、その後に“登録”のアイコンが選択されると、CPU26は、名称入力操作が行われたとみなし、上述の要領で抽出された登録顔画像の笑顔度を算出する。抽出された登録顔画像は、人名および笑顔度とともに登録顔辞書RGDCに記述される。
【0042】
したがって、図9(A)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“憲治”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“憲治”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=70)が算出される。登録顔画像,人名(=憲治)および笑顔度(=70)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの1番目のカラムに記述される。
【0043】
図9(B)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“大介”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“大介”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=100)が算出される。登録顔画像,人名(=大介)および笑顔度(=100)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの2番目のカラムに記述される。
【0044】
図9(C)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“靖史”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“靖史”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=0)が算出される。登録顔画像,人名(=靖史)および笑顔度(=0)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの3番目のカラムに記述される。
【0045】
図9(D)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“桂子”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“桂子”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=0)が算出される。登録顔画像,人名(=桂子)および笑顔度(=0)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの4番目のカラムに記述される。
【0046】
なお、図11によれば頭部全体が顔画像として描かれているが、厳密には、顔枠KF1に属する画像のみが顔画像として登録顔辞書RGDCに収められる。
【0047】
顔登録モードに代えて撮像モードが選択されると、CPU26は、撮像タスクの下で動画取込み処理を開始する。これによって、スルー画像がLCDモニタ38に表示され、探索画像データが探索画像エリア32cに繰り返し書き込まれる。
【0048】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理を撮像タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0049】
CPU26は、撮像タスクと並列して実行される撮像用顔検出タスクの下で、探索画像エリア32cに格納された探索画像データから人物の顔画像を探索する。探索される顔画像は、登録顔辞書RGDCに収められた登録顔画像に符合する画像である。
【0050】
図7に示す顔検出枠FDは、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、探索画像エリア32b上を評価エリアEVAに対応してラスタ走査態様で移動する(図12参照)。顔検出枠FDのサイズは、ラスタ走査が終了する毎に“200”から“20”まで“5”刻みで縮小される。
【0051】
CPU26は、顔検出枠FDに属する画像データをメモリ制御回路30を通して探索画像エリア32bから読み出し、読み出された画像データの特徴量を算出する。算出された特徴量は、標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REFを上回ると、“0”を初期値とする変数CNTがインクリメントされる。また、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズが、顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズとして図6に示す顔枠レジスタRGST1に設定される。
【0052】
したがって、図13に示す被写界が捉えられたときは、人物H1,H2および憲治の顔画像が検出され、検出された顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズが顔枠レジスタRGST1に設定される。人物H1に対応する顔枠の位置およびサイズは顔枠レジスタRGST1の1番目のカラムに記述され、人物H2に対応する顔枠の位置およびサイズは顔枠レジスタRGST1の2番目のカラムに記述され、そして憲治に対応する顔枠の位置およびサイズは顔枠レジスタRGST1の3番目のカラムに記述される。憲治に対応する顔枠の位置およびサイズが記述された時点で、変数CNTは“3”を示す。
【0053】
CPU26は続いて、顔枠レジスタRGST1に設定されたCNT個の顔枠を順に指定する。指定された顔枠に属する画像データは、以下の顔認識処理を施される。
【0054】
まず、指定顔枠に属する画像データがメモリ制御回路30を通して探索画像エリア32cから読み出され、読み出された画像データの笑顔度が算出される。次に、変数Kが“1”〜“Kmax”の各々に設定され、K番目のカラムに記述された登録顔画像の笑顔度が登録顔辞書RGDCから検出される。なお、“Kmax”は、登録顔画像の総数に相当する。
【0055】
指定顔枠に属する画像データの特徴量は、算出ないし検出された2つの笑顔度の相違が抑制ないし解消されるように修正される。図14(A)に示す憲治の顔画像の特徴量をK=1に対応して修正する場合、図14(A)に示す顔画像の笑顔度(=0)と登録顔辞書RGDCに記述された憲治の顔画像の笑顔度(=70)とが参照される。これらの笑顔度の相違が解消されるように特徴量を修正した結果、憲治の顔画像の表情は図14(A)から図14(B)に変化する。
【0056】
こうして修正された特徴量は、K番目のカラムに記述された登録顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REFを上回れば、照合先の登録顔画像のカラム番号(=K=登録顔画像番号)と照合度とが図15に示す認識顔レジスタRGST2に登録される。
【0057】
少なくとも1つの登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に設定されていれば、フラグFLG_RCGが“1”に設定され、最大照合度に対応する登録顔画像番号と指定された顔枠の位置およびサイズとが図16に示す確定レジスタRGST3に登録される。一方、登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に存在しなければ、フラグFLG_RCGは“0”に設定される。
【0058】
シャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、撮像タスクの下でフラグFLG_RCGの値を繰り返し判別する。フラグFLG_RCGが“0”であれば顔枠非表示命令および人名非表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行され、フラグFLG_RCGが“1”であれば顔枠表示命令および人名表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。顔枠表示命令には、確定レジスタRGST3に設定された顔枠の位置およびサイズが記述される。また、人名表示命令には、確定レジスタRGST3に設定された登録顔画像番号に対応する人名が記述される。
【0059】
顔枠表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、顔枠KF1を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。グラフィックデータは、顔枠表示命令に記述された位置およびサイズを参照して作成される。この結果、顔枠KF1は、発見された顔画像を囲うように表示される。
【0060】
人名表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、人名を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。人名はモニタ画面の右下に表示される。
【0061】
したがって、図13に示す被写界が捉えられたとき、顔枠KF1および人名は、図17に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0062】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく厳格AE処理を撮像タスクの下で実行し、最適EV値を算出する。最適EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。厳格AE処理が完了すると、CPU26は、撮像タスクの下でAF処理を実行する。AF処理はAF評価回路24の出力を参照した山登り方式で実行され、フォーカスレンズ12は合焦点に設定される。これによって、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0063】
シャッタボタン28shが全押しされると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの表示画像データは、静止画取り込み処理によって静止画エリア32dに取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって静止画エリア32dから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0064】
CPU26は、図18に示すメインタスク,図19〜図21に示す顔登録タスク,図22〜図24に示す登録用顔検出タスク,図25〜図27に示す撮像タスク,および図28〜図33に示す撮像用顔検出タスクを含む複数のタスクを実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0065】
図18を参照して、ステップS1では現時点の動作モードが顔登録モードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別する。ステップS1でYESであればステップS5で顔登録タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で撮像タスクを起動する。ステップS1およびS3のいずれもNOであればステップS9でその他の処理を実行する。ステップS5,S7またはS9の処理が完了すると、モード切り換え操作が行われたか否かをステップS11で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、起動中のタスクをステップS13で停止し、その後にステップS1に戻る。
【0066】
図19を参照して、ステップS21では登録枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。この結果、登録枠RF1がLCDモニタ38に表示される。ステップS23では動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ38に表示され、探索画像データが探索画像エリア32cに繰り返し書き込まれる。
【0067】
ステップS25では変数Wを“0”に設定し、ステップS27では登録用顔検出タスクを起動する。なお、変数Wは、登録用顔検出タスクによって顔画像が発見されたか否かを識別するための変数であり、“0”が未発見を示す一方、“1”が発見を示す。
【0068】
ステップS29では、フラグFLG_FINが“1”を示すか否かを判別する。フラグFLG_FINは、登録用顔検出タスクの開始時に“0”に設定され、登録用顔検出タスクの終了時に“1”に更新される。判別結果がYESであればステップS39に進み、判別結果がNOであればステップS31に進む。
【0069】
ステップS39では、変数CNTの値を判別する。変数CNTは、登録用顔検出タスクによって発見された顔画像の数を示す変数であり、“0”および“1”のいずれか一方を示す。変数CNTが“1”であれば、ステップS41で顔枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS43では変数Wを“1”に設定する。変数CNTが“0”であれば、ステップS45で顔枠非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS47で変数Wを“0”に設定する。ステップS41の処理の結果、発見された顔画像を囲うように顔枠KF1が表示される。また、ステップS45の処理の結果、顔枠KF1の表示が中止される。ステップS43またはS47の処理が完了すると、ステップS27に戻る。
【0070】
ステップS31ではシャッタボタン28shが操作されたか否かを判別し、ステップS33では変数Wが“1”を示すか否かを判別する。ステップS31またはS33の判別結果がNOであれば、ステップS35で簡易AE処理を実行し、その後にステップS29に戻る。これに対して、ステップS31およびS33の判別結果がいずれもYESであれば、ステップS37で静止画取り込み処理を実行し、その後にステップS51に進む。
【0071】
簡易AE処理によって、スルー画像の明るさが適度に調整される。また、静止画取り込み処理によって、シャッタボタン28shが操作された時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画エリア32dに取り込まれる。
【0072】
ステップS51では、取り込まれた画像データのうち顔枠RF1に属する一部の画像データを登録顔画像として抽出する。抽出処理が完了するとステップS53に進み、登録操作画面表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。この結果、登録操作画面がLCDモニタ38に表示される。ステップS55では名称入力操作が行われた否かを判別し、ステップS57ではキャンセル操作が行われたか否かを判別する。
【0073】
ステップS55でYESであればステップS59に進み、ステップS51で抽出された登録顔画像の笑顔度を算出する。ステップS61では、ステップS51で抽出された登録顔画像と名称入力操作によって入力された人名とステップS59で算出された笑顔度とを登録顔辞書RGDCに収める。ステップS61の処理が完了すると、ステップS63で変数Wを“0”に設定し、その後にステップS27に戻る。一方、ステップS57でYESであれば、ステップS63の処理を経てステップS27に戻る。
【0074】
図22を参照して、ステップS71ではフラグFLG_FINを“0”に設定し、ステップS73では登録枠RF1の内側を探索エリアとして設定する。ステップS75では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“70”に設定し、最小サイズSZminを“40”に設定する。可変範囲の定義が完了すると、ステップS77で変数CNTを“0”に設定し、ステップS79で顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定する。
【0075】
ステップS81では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS83で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS85では顔検出枠FDに属する一部の探索画像データを探索画像エリア32cから読み出し、読み出された探索画像データの特徴量を算出する。
【0076】
ステップS87では算出された特徴量を標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合し、ステップS89では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS91に進み、判別結果がNOであればステップS97に進む。
【0077】
ステップS91では変数CNTを“1”に設定し、ステップS93では現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを顔画像の位置およびサイズとして顔枠レジスタRGST1に登録する。登録が完了すると、ステップS95でフラグFLG_FINを“1”に設定し、その後に処理を終了する。
【0078】
ステップS97では、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS99で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS85に戻る。判別結果がYESであれば、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”以下であるか否かをステップS101で判別する。判別結果がNOであれば、ステップS103で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、ステップS105で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS85に戻る。ステップS101の判別結果がYESであれば、ステップS95に進む。
【0079】
図25を参照して、ステップS111では動画取込み処理を実行し、ステップS113では撮像用顔検出タスクを起動する。ステップS115では、フラグFLG_FINが“1”を示すか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS125に進む一方、判別結果がNOであればステップS117に進む。
【0080】
ステップS125では、フラグFLG_RCGが“1”であるか否かを判別する。判別結果がYESであれば、ステップS127で顔枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS129では人名表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。一方、判別結果がNOであれば、ステップS131で顔枠非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS133で人名非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。
【0081】
ステップS127の処理の結果、確定レジスタRGST3に設定された登録顔画像と符合する顔画像を囲うように顔枠KF1が表示される。また、ステップS129の処理の結果、確定レジスタRGST3に設定された登録顔画像に対応する人名が表示される。さらに、ステップS131〜133の処理の結果、顔枠KF1および人名の表示が中止される。ステップS129またはS133の処理が完了すると、ステップS113に戻る。
【0082】
ステップS117では、シャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS119で簡易AE処理を実行し、判別結果がYESであればステップS121で厳格AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、簡易AE処理によって適度に調整され、厳格AE処理によって最適値に調整される。ステップS119の処理が完了するとステップS115に戻り、ステップS121の処理が完了するとステップS123でAF処理を実行する。フォーカスレンズ12は、AF処理によって合焦点に配置される。
【0083】
ステップS135ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS137ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS135でYESであれば、ステップS139で静止画取り込み処理を実行し、ステップS141で記録処理を実行し、その後にステップS113に戻る。ステップS137でYESであれば、そのままステップS113に戻る。ステップS139の処理の結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画エリア32dに取り込まれる。また、ステップS141の処理の結果、静止画像エリア32dに取り込まれた画像データがファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0084】
図28を参照して、ステップS151ではフラグFLG_FINを“0”に設定し、ステップS153では評価エリアEVAの全域を探索エリアとして設定する。ステップS155では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“200”に設定し、最小サイズSZminを“20”に設定する。可変範囲の定義が完了すると、ステップS157で変数CNTを“0”に設定し、ステップS159で顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定する。
【0085】
ステップS161では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS163で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS165では顔検出枠FDに属する一部の探索画像データを探索画像エリア32cから読み出し、読み出された探索画像データの特徴量を算出する。
【0086】
ステップS167では算出された特徴量を標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合し、ステップS169では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればそのままステップS175に進み、判別結果がYESであればステップS171およびS173を経てステップS175に進む。ステップS171では、変数CNTをインクリメントする。ステップS173では、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを、顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズとして顔枠レジスタRGST1に登録する。
【0087】
ステップS175では、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS177で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS165に戻る。判別結果がYESであれば、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”以下であるか否かをステップS179で判別する。判別結果がNOであれば、ステップS181で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、ステップS183で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS165に戻る。ステップS179の判別結果がYESであれば、ステップS185に進む。
【0088】
ステップS185では変数Nを“1”に設定し、ステップS187では変数Nが変数CNTを上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS189に進み、顔枠レジスタRGST1のN番目のカラムに設定された顔枠を指定する。ステップS191では、指定された顔枠に属する画像データに注目した顔認識処理を実行する。処理が完了すると、ステップS193で変数Nをインクリメントし、その後にステップS187に戻る。ステップS187の判別結果がYESであれば、ステップS195でフラグFLG_FINを“1”に設定し、その後に処理を終了する。
【0089】
ステップS191の顔認識処理は、図32〜図33に示すサブルーチンに従って実行される。まず、指定された顔枠に属する画像データの笑顔度をステップS201で算出し、認識顔レジスタRGST2をステップS203でクリアし、そして変数KをステップS205で“1”に設定する。ステップS207では、変数Kが最大値Kmax(=登録顔画像の総数)を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS217に進み、K番目の登録顔画像の笑顔度を登録顔辞書RGDCから検出する。ステップS219では、指定された顔枠に属する画像データの特徴量を、ステップS201で算出された笑顔度とステップS217で検出された笑顔度との相違が抑制ないし解消されるように修正する。
【0090】
ステップS221では修正された特徴量をK番目の登録顔画像の特徴量と照合し、ステップS223では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS225に進み、照合先の登録顔画像を示す登録顔画像番号(=K)と照合度とを認識顔レジスタRGST2に登録する。登録が完了すると、ステップS227で変数Kをインクリメントし、その後にステップS207に戻る。ステップS223の判別結果がNOであれば、ステップS227の処理を経てステップS207に戻る。
【0091】
ステップS207の判別結果がYESであれば、少なくとも1つの登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に設定されているか否かをステップS209で判別する。判別結果がYESであれば、ステップS211でフラグFLG_RCGを“1”に設定する。ステップS213では、最大照合度に対応する登録顔画像番号と指定された顔枠の位置およびサイズとを確定レジスタRGST3に登録する。ステップS209の判別結果がNOであれば、ステップS215でフラグFLG_RCGを“0”に設定する。ステップS213またはS215の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0092】
以上の説明から分かるように、CPU26は、SDRAM32の探索画像エリア32cに格納された探索画像データから1または2以上の顔画像を探索し(S153~S183)、これによって発見された顔画像を順に指定する(S189)。CPU26はまた、指定された顔画像の表情を検出し(S201)、複数の登録顔画像のうち指定された顔画像と符合する登録顔画像を検出された表情を参照して探索する(S203~207, S217~S227)。CPU26はその後、発見された登録顔画像の属性を示す属性情報をLCDモニタ38に表示する(S209~S215, S125~S133)。
【0093】
探索画像データに現れた顔画像と符合する登録顔画像を探索するにあたっては、探索画像データに現れた顔画像の表情が参照される。LCDモニタ38に表示される属性情報は、こうして発見された登録顔画像の属性つまり被写界像に現れた顔画像の属性を示す。これによって、動作性能が向上する。
【0094】
なお、この実施例では、ステップS201で算出された笑顔度とステップS217で検出された笑顔度との相違を抑制ないし解消するために、指定顔枠に属する顔画像の特徴量を修正するようにしている。しかし、指定顔枠に属する顔画像の特徴量に代えて、或いは指定顔枠に属する顔画像の特徴量とともに、K番目の登録顔画像の特徴量を修正するようにしてもよい。また、修正する対象を特徴量ではなく顔画像とし、修正された顔画像の特徴量を検出するようにしてもよい。
【0095】
また、この実施例では、特徴量を修正するために、指定顔枠に属する顔画像の笑顔度とK番目の登録顔画像の笑顔度とを求めるようにしている。しかし、これに代えて、互いに異なる笑顔度を示すように指定顔枠に属する顔画像および/またはK番目の登録顔画像を繰り返し修正し、指定顔枠に属する顔画像の特徴量とK番目の登録顔画像の特徴量とを修正処理毎に照合し、そして指定顔枠に属する顔画像と符合する登録顔画像をこのような照合結果に基づいて特定するようにしてもよい。
【0096】
この場合、図11に示す登録顔辞書RGDCに代えて図34に示す登録顔辞書RGDCを準備し、かつ図32〜図33に示す顔認識処理に代えて図35〜図37に示す顔認識処理を実行する必要がある。
【0097】
図34によれば、登録顔辞書RGDCを形成する各カラムには、普通(笑顔度=0)の顔画像が記述される。図35によれば、図32に示すステップS201に相当する処理は省略される。また、図35に示すステップS203〜S215の処理は、図32に示すステップS203〜S215の処理と同じであるため、重複した説明は省略する。
【0098】
ステップS207の判別結果がNOであれば、ステップS231で変数Lを“1”に設定し、ステップS233で笑顔度を“L*10”に設定する。ステップS235では、K番目のカラムに記述された登録顔画像の特徴量をステップS233で設定された笑顔度を参照して修正する。ステップS237では指定顔枠に属する画像データの特徴量をステップS237で修正された特徴量と照合し、ステップS239では変数Lが“10”に達したか否かを判別する。
【0099】
判別結果がNOであればステップS241で変数LをインクリメントしてからステップS233に戻り、判別結果がYESであればステップS243に進む。ステップS243ではステップS237の処理によって得られた合計10個の照合度の中から最大照合度を検出し、ステップS245では検出された最大照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS247に進み、照合先の登録顔画像を示す登録顔画像番号(=K)と最大照合度とを認識顔レジスタRGST2に登録する。登録が完了すると、ステップS249で変数Kをインクリメントし、その後にステップS207に戻る。ステップS245の判別結果がNOであれば、ステップS249の処理を経てステップS207に戻る。
【0100】
また、上述の実施例では、指定顔枠に属する顔画像の笑顔度とK番目の登録顔画像の笑顔度との相違を抑制ないし解消するために、顔画像の修正処理を実行するようにしている。しかし、互いに異なる笑顔度で共通の顔を表す複数の登録顔画像を登録顔辞書RGDCの各カラムに準備し、指定顔枠に属する顔画像の笑顔度に近い笑顔度を有する登録顔画像を各カラムから選択し、そして選択された登録顔画像を指定顔枠に属する顔画像と照合するようにしてもよい。
【0101】
この場合、図11に示す登録顔辞書RGDCに代えて図38に示す登録顔辞書RGDCを準備し、かつ図32〜図33に示す顔認識処理に代えて図39〜図41に示す顔認識処理を実行する必要がある。
【0102】
図38によれば、登録顔辞書RGDCを形成する各カラムには、共通の人物の顔画像が普通顔(笑顔度=0)および笑顔(笑顔度=100)に対応して記述される。
【0103】
図39によれば、まずステップS251で指定顔枠に属する画像データの笑顔度を算出する。ステップS253では算出された笑顔度が閾値TH(=50)未満であるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS255で普通顔を参照顔として設定する一方、判別結果がNOであればステップS257で笑顔を参照顔として設定する。ステップS259では認識顔レジスタRGST2をクリアし、ステップS261では変数Kを“1”に設定する。ステップS263では変数Kが最大値Kmaxを上回るか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS273に進む。
【0104】
ステップS273では、指定顔枠に属する画像データの特徴量をK番目の登録顔画像の特徴量と照合し、ステップS275では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS277に進み、照合先の登録顔画像を示す登録顔画像番号(=K)と照合度とを認識顔レジスタRGST2に登録する。登録が完了すると、ステップS279で変数Kをインクリメントし、その後にステップS263に戻る。ステップS275の判別結果がNOであれば、ステップS279の処理を経てステップS263に戻る。
【0105】
ステップS263の判別結果がYESであれば、少なくとも1つの登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に設定されているか否かをステップS265で判別する。判別結果がYESであれば、ステップS267でフラグFLG_RCGを“1”に設定する。ステップS269では、最大照合度に対応する登録顔画像番号と指定顔枠の位置およびサイズとを確定レジスタRGST3に登録する。ステップS265の判別結果がNOであれば、ステップS271でフラグFLG_RCGを“0”に設定する。ステップS269またはS271の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【符号の説明】
【0106】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
32 …SDRAM
44 …フラッシュメモリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、顔探索装置に関し、特に、被写界像に現れた顔画像に符合する登録顔画像を複数の登録顔画像の中から探索する、顔探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、被写界に現れた顔は、被写界を捉える撮像素子から出力された画像データに基づいて検出される。検出された顔は、予め設定された笑顔と共通するか否かの識別処理を施され、識別結果が肯定的であるときに笑顔判定対象として決定される。撮像素子から出力された画像データは、笑顔判定対象の顔が笑顔に変わったときに記憶媒体に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−177678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、予め設定された笑顔と共通するか否かの識別処理を実行するにあたって被写界から検出された顔の表情が参照されることはない。このため、被写界から検出された顔の表情によっては、動作性能が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、動作性能を向上させることができる、顔探索装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う顔探索装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索手段(S153~S183)、第1探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する第1指定手段(S189)、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索手段(S201~S207, S217~S227, S231~S249, S251~S263, S273~S279)、および第2探索手段によって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力手段(S209~S215, S265~S271, S125~S133)を備える。
【0007】
好ましくは、第2探索手段は、複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段(S205, S227)、および第1注目顔画像の表情と第2注目顔画像の表情との相違が抑制されるように第1注目顔画像および/または第2注目顔画像を修正する修正手段(S219)を含む。
【0008】
さらに好ましくは、複数の登録顔画像はそれぞれ複数の表情パラメータを伴い、第2探索手段は第2注目顔画像の表情パラメータを修正手段の修正処理のために複数の表情パラメータの中から選択する表情パラメータ選択手段(S217)をさらに含む。
【0009】
好ましくは、第2探索手段は、複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段(S205, S249)、互いに異なる表情を示すように第1注目顔画像および/または第2注目顔画像を繰り返し修正する修正手段(S231~S235, S239~S241)、第1注目顔画像および第2注目顔画像を修正手段による修正処理毎に照合する照合手段(S237)、および第1注目顔画像と符合する登録顔画像を照合手段の照合結果に基づいて特定する特定手段(S243~S247)を含む。
【0010】
好ましくは、複数の登録顔画像の各々は互いに異なる表情で共通の顔を表す複数の画像を含み、第2探索手段は、第1注目顔画像の表情に沿う表情を有する画像を第2指定手段の指定処理に関連して複数の画像の中から選択する画像選択手段(S253~S257)、および画像選択手段によって選択された画像を第1注目画素画像と照合する照合手段(S273)を含む。
【0011】
好ましくは、複数の登録顔画像はそれぞれ複数の名称を伴い、出力手段によって出力される属性情報は第2探索手段によって発見された登録顔画像の名称を含む。
【0012】
好ましくは、被写界を捉える撮像手段(16)がさらに備えられ、第1探索手段は撮像手段から出力された被写界像に対して探索処理を実行する。
【0013】
好ましくは、第1探索手段は標準顔画像を参照して探索処理を実行する。
【0014】
この発明に従う顔探索プログラムは、顔探索装置(10)のプロセッサ(26)に、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ(S153~S183)、第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ(S189)、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ(S201~S207, S217~S227, S231~S249, S251~S263, S273~S279)、および第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップ(S209~S215, S265~S271, S125~S133)を実行させるための、顔探索プログラムである。
【0015】
この発明に従う顔探索方法は、顔探索装置(10)によって実行される顔探索方法であって、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ(S153~S183)、第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ(S189)、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ(S201~S207, S217~S227, S231~S249, S251~S263, S273~S279)、および第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップ(S209~S215, S265~S271, S125~S133)を備える。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、被写界像に現れた顔画像と符合する登録顔画像を探索するにあたって、被写界像に現れた顔画像の表情が参照される。出力される属性情報は、こうして発見された登録顔画像の属性つまり被写界像に現れた顔画像の属性を示す。これによって、動作性能が向上する。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】顔登録モードにおいてモニタ画面に表示される登録枠の一例を示す図解図である。
【図4】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される標準顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例に適用される顔枠レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】登録用顔検出タスクおよび撮像用顔検出タスクにおいて用いられる顔検出枠の一例を示す図解図である。
【図8】登録用顔検出タスクにおける顔検出処理の一例を示す図解図である。
【図9】(A)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図であり、(B)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の他の一例を示す図解図であり、(C)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像のその他の一例を示す図解図であり、(D)は顔登録モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図10】顔登録モードにおいてモニタ画面に表示される登録操作画面の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用される登録顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図12】撮像用顔検出タスクにおける顔検出処理の一例を示す図解図である。
【図13】図2実施例によって捉えられる被写界の一例を示す図解図である。
【図14】(A)は修正前の登録顔画像の一例を示す図解図であり、(B)は修正後の登録顔画像の一例を示す図解図である。
【図15】図2実施例に適用される認識顔レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図16】図2実施例に適用される確定レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図17】撮像モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図24】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図25】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図26】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図27】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図28】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図29】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図30】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図31】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図32】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図33】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図34】他の実施例に適用される登録顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図35】他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図36】他の実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図37】他の実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図38】その他の実施例に適用される登録顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図39】その他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図40】その他の実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図41】その他の実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この発明の顔探索装置は、基本的に次のように構成される。第1探索手段1は、被写界像から1または2以上の顔画像を探索する。第1指定手段2は、第1探索手段1によって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する。第2探索手段3は、第1注目顔画像と符合する登録顔画像を第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する。出力手段4は、第2探索手段3によって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する。
【0021】
被写界像に現れた顔画像と符合する登録顔画像を探索するにあたって、被写界像に現れた顔画像の表情が参照される。出力される属性情報は、こうして発見された登録顔画像の属性つまり被写界像に現れた顔画像の属性を示す。これによって、動作性能が向上する。
[実施例]
【0022】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0023】
電源が投入されると、CPU26は、キー入力装置28に設けられたモード切り換えスイッチ28mdの設定(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別する。現時点の動作モードが顔登録モードであれば、顔登録タスクおよび登録用顔検出タスクが起動される。現時点の動作モードが撮像モードであれば、撮像タスクおよび撮像用顔検出タスクが起動される。
【0024】
顔登録モードが選択されると、CPU26は、顔登録タスクの下で登録枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。グラフィックジェネレータ46は、登録枠RF1を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。登録枠RF1は、図3に示す要領でLCDモニタ38に表示される。
【0025】
CPU26は続いて、動画取り込み処理を実行するべく、顔登録タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0026】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の生画像エリア32aに書き込まれる。
【0027】
後処理回路34は、生画像エリア32aに格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して表示用のズーム処理と探索用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、YUV形式に従う表示画像データおよび探索画像データが個別に作成される。表示画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の表示画像エリア32bに書き込まれる。探索画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれる。
【0028】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32bに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0029】
図4を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0030】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。
【0031】
AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0032】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理を顔登録タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0033】
CPU26はまた、顔登録タスクと並列して実行される登録用顔検出タスクの下で、探索画像エリア32cに格納された探索画像データから人物の顔画像を探索する。このような登録用顔検出タスクのために、図5に示す標準顔辞書STDCと図6に示す顔枠レジスタRGST1と図7に示す複数の顔検出枠FD,FD,FD,…が準備される。なお、標準顔辞書STDC,顔枠レジスタRGST1および複数の顔検出枠FD,FD,FD,…は、後述する撮像用顔検出タスクにおいても用いられる。
【0034】
顔検出枠FDは、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、探索画像エリア32b上を登録枠RF1に対応してラスタ走査態様で移動する(図8参照)。顔検出枠FDのサイズは、ラスタ走査が終了する毎に“70”から“40”まで“5”刻みで縮小される。
【0035】
CPU26は、顔検出枠FDに属する画像データをメモリ制御回路30を通して探索画像エリア32bから読み出し、読み出された画像データの特徴量を算出する。算出された特徴量は、標準顔辞書に登録された顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REFを上回ると、登録枠RF1から顔画像が発見されたとみなされ、変数CNTが“0”から“1”に更新される。さらに、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズが、発見された顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズとして、顔枠レジスタRGST1に登録される。
【0036】
シャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、顔登録タスクの下で変数CNTの値を繰り返し判別する。変数CNTが“0”であれば顔枠非表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行され、変数CNTが“1”であれば顔枠表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。顔枠表示命令には、顔枠レジスタRGST1に登録された顔枠の位置およびサイズが記述される。
【0037】
顔枠表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、顔枠KF1を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。グラフィックデータは、顔枠表示命令に記述された位置およびサイズを参照して作成される。この結果、顔枠KF1は、発見された顔画像を囲うように表示される。
【0038】
“憲治”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(A)に示す要領で表示される。また、“大介”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(B)に示す要領で表示される。さらに、“靖史”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(C)に示す要領で表示される。また、“桂子”の顔画像が登録枠RF1内に現れたとき、顔枠KF1は図9(D)に示す要領で表示される。
【0039】
顔枠KF1が表示された状態でシャッタボタン28shが操作されると、CPU26は、顔登録タスクの下で静止画取り込み処理を実行する。シャッタボタン28shが操作された時点の被写界を表す1フレームの表示画像データは、静止画取り込み処理によって静止画エリア32dに取り込まれる。CPU26はその後、静止画エリア32dに取り込まれた画像データのうち顔枠KF1に属する一部の画像データを抽出する。これによって、登録顔画像が得られる。
【0040】
CPU26は続いて、顔登録タスクの下で登録操作画面表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。グラフィックジェネレータ46は、登録操作画面を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。この結果、図10に示す登録操作画面がLCDモニタ38に表示される。図10によれば、登録操作画面は、“登録”および“キャンセル”のアイコンと人名入力欄とによって形成される。
【0041】
所望の人名が人名入力欄に入力され、その後に“登録”のアイコンが選択されると、CPU26は、名称入力操作が行われたとみなし、上述の要領で抽出された登録顔画像の笑顔度を算出する。抽出された登録顔画像は、人名および笑顔度とともに登録顔辞書RGDCに記述される。
【0042】
したがって、図9(A)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“憲治”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“憲治”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=70)が算出される。登録顔画像,人名(=憲治)および笑顔度(=70)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの1番目のカラムに記述される。
【0043】
図9(B)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“大介”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“大介”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=100)が算出される。登録顔画像,人名(=大介)および笑顔度(=100)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの2番目のカラムに記述される。
【0044】
図9(C)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“靖史”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“靖史”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=0)が算出される。登録顔画像,人名(=靖史)および笑顔度(=0)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの3番目のカラムに記述される。
【0045】
図9(D)に示す状態でシャッタボタン28shが操作されると、“桂子”の顔を現す登録顔画像が作成される。名称入力操作によって“桂子”が入力されると、登録顔画像の笑顔度(=0)が算出される。登録顔画像,人名(=桂子)および笑顔度(=0)は、図11に示す登録顔辞書RGDCの4番目のカラムに記述される。
【0046】
なお、図11によれば頭部全体が顔画像として描かれているが、厳密には、顔枠KF1に属する画像のみが顔画像として登録顔辞書RGDCに収められる。
【0047】
顔登録モードに代えて撮像モードが選択されると、CPU26は、撮像タスクの下で動画取込み処理を開始する。これによって、スルー画像がLCDモニタ38に表示され、探索画像データが探索画像エリア32cに繰り返し書き込まれる。
【0048】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理を撮像タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0049】
CPU26は、撮像タスクと並列して実行される撮像用顔検出タスクの下で、探索画像エリア32cに格納された探索画像データから人物の顔画像を探索する。探索される顔画像は、登録顔辞書RGDCに収められた登録顔画像に符合する画像である。
【0050】
図7に示す顔検出枠FDは、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、探索画像エリア32b上を評価エリアEVAに対応してラスタ走査態様で移動する(図12参照)。顔検出枠FDのサイズは、ラスタ走査が終了する毎に“200”から“20”まで“5”刻みで縮小される。
【0051】
CPU26は、顔検出枠FDに属する画像データをメモリ制御回路30を通して探索画像エリア32bから読み出し、読み出された画像データの特徴量を算出する。算出された特徴量は、標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REFを上回ると、“0”を初期値とする変数CNTがインクリメントされる。また、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズが、顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズとして図6に示す顔枠レジスタRGST1に設定される。
【0052】
したがって、図13に示す被写界が捉えられたときは、人物H1,H2および憲治の顔画像が検出され、検出された顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズが顔枠レジスタRGST1に設定される。人物H1に対応する顔枠の位置およびサイズは顔枠レジスタRGST1の1番目のカラムに記述され、人物H2に対応する顔枠の位置およびサイズは顔枠レジスタRGST1の2番目のカラムに記述され、そして憲治に対応する顔枠の位置およびサイズは顔枠レジスタRGST1の3番目のカラムに記述される。憲治に対応する顔枠の位置およびサイズが記述された時点で、変数CNTは“3”を示す。
【0053】
CPU26は続いて、顔枠レジスタRGST1に設定されたCNT個の顔枠を順に指定する。指定された顔枠に属する画像データは、以下の顔認識処理を施される。
【0054】
まず、指定顔枠に属する画像データがメモリ制御回路30を通して探索画像エリア32cから読み出され、読み出された画像データの笑顔度が算出される。次に、変数Kが“1”〜“Kmax”の各々に設定され、K番目のカラムに記述された登録顔画像の笑顔度が登録顔辞書RGDCから検出される。なお、“Kmax”は、登録顔画像の総数に相当する。
【0055】
指定顔枠に属する画像データの特徴量は、算出ないし検出された2つの笑顔度の相違が抑制ないし解消されるように修正される。図14(A)に示す憲治の顔画像の特徴量をK=1に対応して修正する場合、図14(A)に示す顔画像の笑顔度(=0)と登録顔辞書RGDCに記述された憲治の顔画像の笑顔度(=70)とが参照される。これらの笑顔度の相違が解消されるように特徴量を修正した結果、憲治の顔画像の表情は図14(A)から図14(B)に変化する。
【0056】
こうして修正された特徴量は、K番目のカラムに記述された登録顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REFを上回れば、照合先の登録顔画像のカラム番号(=K=登録顔画像番号)と照合度とが図15に示す認識顔レジスタRGST2に登録される。
【0057】
少なくとも1つの登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に設定されていれば、フラグFLG_RCGが“1”に設定され、最大照合度に対応する登録顔画像番号と指定された顔枠の位置およびサイズとが図16に示す確定レジスタRGST3に登録される。一方、登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に存在しなければ、フラグFLG_RCGは“0”に設定される。
【0058】
シャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、撮像タスクの下でフラグFLG_RCGの値を繰り返し判別する。フラグFLG_RCGが“0”であれば顔枠非表示命令および人名非表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行され、フラグFLG_RCGが“1”であれば顔枠表示命令および人名表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。顔枠表示命令には、確定レジスタRGST3に設定された顔枠の位置およびサイズが記述される。また、人名表示命令には、確定レジスタRGST3に設定された登録顔画像番号に対応する人名が記述される。
【0059】
顔枠表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、顔枠KF1を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。グラフィックデータは、顔枠表示命令に記述された位置およびサイズを参照して作成される。この結果、顔枠KF1は、発見された顔画像を囲うように表示される。
【0060】
人名表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、人名を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。人名はモニタ画面の右下に表示される。
【0061】
したがって、図13に示す被写界が捉えられたとき、顔枠KF1および人名は、図17に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0062】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく厳格AE処理を撮像タスクの下で実行し、最適EV値を算出する。最適EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。厳格AE処理が完了すると、CPU26は、撮像タスクの下でAF処理を実行する。AF処理はAF評価回路24の出力を参照した山登り方式で実行され、フォーカスレンズ12は合焦点に設定される。これによって、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0063】
シャッタボタン28shが全押しされると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの表示画像データは、静止画取り込み処理によって静止画エリア32dに取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって静止画エリア32dから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0064】
CPU26は、図18に示すメインタスク,図19〜図21に示す顔登録タスク,図22〜図24に示す登録用顔検出タスク,図25〜図27に示す撮像タスク,および図28〜図33に示す撮像用顔検出タスクを含む複数のタスクを実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0065】
図18を参照して、ステップS1では現時点の動作モードが顔登録モードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別する。ステップS1でYESであればステップS5で顔登録タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で撮像タスクを起動する。ステップS1およびS3のいずれもNOであればステップS9でその他の処理を実行する。ステップS5,S7またはS9の処理が完了すると、モード切り換え操作が行われたか否かをステップS11で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、起動中のタスクをステップS13で停止し、その後にステップS1に戻る。
【0066】
図19を参照して、ステップS21では登録枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。この結果、登録枠RF1がLCDモニタ38に表示される。ステップS23では動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ38に表示され、探索画像データが探索画像エリア32cに繰り返し書き込まれる。
【0067】
ステップS25では変数Wを“0”に設定し、ステップS27では登録用顔検出タスクを起動する。なお、変数Wは、登録用顔検出タスクによって顔画像が発見されたか否かを識別するための変数であり、“0”が未発見を示す一方、“1”が発見を示す。
【0068】
ステップS29では、フラグFLG_FINが“1”を示すか否かを判別する。フラグFLG_FINは、登録用顔検出タスクの開始時に“0”に設定され、登録用顔検出タスクの終了時に“1”に更新される。判別結果がYESであればステップS39に進み、判別結果がNOであればステップS31に進む。
【0069】
ステップS39では、変数CNTの値を判別する。変数CNTは、登録用顔検出タスクによって発見された顔画像の数を示す変数であり、“0”および“1”のいずれか一方を示す。変数CNTが“1”であれば、ステップS41で顔枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS43では変数Wを“1”に設定する。変数CNTが“0”であれば、ステップS45で顔枠非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS47で変数Wを“0”に設定する。ステップS41の処理の結果、発見された顔画像を囲うように顔枠KF1が表示される。また、ステップS45の処理の結果、顔枠KF1の表示が中止される。ステップS43またはS47の処理が完了すると、ステップS27に戻る。
【0070】
ステップS31ではシャッタボタン28shが操作されたか否かを判別し、ステップS33では変数Wが“1”を示すか否かを判別する。ステップS31またはS33の判別結果がNOであれば、ステップS35で簡易AE処理を実行し、その後にステップS29に戻る。これに対して、ステップS31およびS33の判別結果がいずれもYESであれば、ステップS37で静止画取り込み処理を実行し、その後にステップS51に進む。
【0071】
簡易AE処理によって、スルー画像の明るさが適度に調整される。また、静止画取り込み処理によって、シャッタボタン28shが操作された時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画エリア32dに取り込まれる。
【0072】
ステップS51では、取り込まれた画像データのうち顔枠RF1に属する一部の画像データを登録顔画像として抽出する。抽出処理が完了するとステップS53に進み、登録操作画面表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。この結果、登録操作画面がLCDモニタ38に表示される。ステップS55では名称入力操作が行われた否かを判別し、ステップS57ではキャンセル操作が行われたか否かを判別する。
【0073】
ステップS55でYESであればステップS59に進み、ステップS51で抽出された登録顔画像の笑顔度を算出する。ステップS61では、ステップS51で抽出された登録顔画像と名称入力操作によって入力された人名とステップS59で算出された笑顔度とを登録顔辞書RGDCに収める。ステップS61の処理が完了すると、ステップS63で変数Wを“0”に設定し、その後にステップS27に戻る。一方、ステップS57でYESであれば、ステップS63の処理を経てステップS27に戻る。
【0074】
図22を参照して、ステップS71ではフラグFLG_FINを“0”に設定し、ステップS73では登録枠RF1の内側を探索エリアとして設定する。ステップS75では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“70”に設定し、最小サイズSZminを“40”に設定する。可変範囲の定義が完了すると、ステップS77で変数CNTを“0”に設定し、ステップS79で顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定する。
【0075】
ステップS81では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS83で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS85では顔検出枠FDに属する一部の探索画像データを探索画像エリア32cから読み出し、読み出された探索画像データの特徴量を算出する。
【0076】
ステップS87では算出された特徴量を標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合し、ステップS89では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS91に進み、判別結果がNOであればステップS97に進む。
【0077】
ステップS91では変数CNTを“1”に設定し、ステップS93では現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを顔画像の位置およびサイズとして顔枠レジスタRGST1に登録する。登録が完了すると、ステップS95でフラグFLG_FINを“1”に設定し、その後に処理を終了する。
【0078】
ステップS97では、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS99で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS85に戻る。判別結果がYESであれば、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”以下であるか否かをステップS101で判別する。判別結果がNOであれば、ステップS103で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、ステップS105で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS85に戻る。ステップS101の判別結果がYESであれば、ステップS95に進む。
【0079】
図25を参照して、ステップS111では動画取込み処理を実行し、ステップS113では撮像用顔検出タスクを起動する。ステップS115では、フラグFLG_FINが“1”を示すか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS125に進む一方、判別結果がNOであればステップS117に進む。
【0080】
ステップS125では、フラグFLG_RCGが“1”であるか否かを判別する。判別結果がYESであれば、ステップS127で顔枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS129では人名表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。一方、判別結果がNOであれば、ステップS131で顔枠非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、ステップS133で人名非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。
【0081】
ステップS127の処理の結果、確定レジスタRGST3に設定された登録顔画像と符合する顔画像を囲うように顔枠KF1が表示される。また、ステップS129の処理の結果、確定レジスタRGST3に設定された登録顔画像に対応する人名が表示される。さらに、ステップS131〜133の処理の結果、顔枠KF1および人名の表示が中止される。ステップS129またはS133の処理が完了すると、ステップS113に戻る。
【0082】
ステップS117では、シャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS119で簡易AE処理を実行し、判別結果がYESであればステップS121で厳格AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、簡易AE処理によって適度に調整され、厳格AE処理によって最適値に調整される。ステップS119の処理が完了するとステップS115に戻り、ステップS121の処理が完了するとステップS123でAF処理を実行する。フォーカスレンズ12は、AF処理によって合焦点に配置される。
【0083】
ステップS135ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS137ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS135でYESであれば、ステップS139で静止画取り込み処理を実行し、ステップS141で記録処理を実行し、その後にステップS113に戻る。ステップS137でYESであれば、そのままステップS113に戻る。ステップS139の処理の結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画エリア32dに取り込まれる。また、ステップS141の処理の結果、静止画像エリア32dに取り込まれた画像データがファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0084】
図28を参照して、ステップS151ではフラグFLG_FINを“0”に設定し、ステップS153では評価エリアEVAの全域を探索エリアとして設定する。ステップS155では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“200”に設定し、最小サイズSZminを“20”に設定する。可変範囲の定義が完了すると、ステップS157で変数CNTを“0”に設定し、ステップS159で顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定する。
【0085】
ステップS161では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS163で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS165では顔検出枠FDに属する一部の探索画像データを探索画像エリア32cから読み出し、読み出された探索画像データの特徴量を算出する。
【0086】
ステップS167では算出された特徴量を標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合し、ステップS169では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればそのままステップS175に進み、判別結果がYESであればステップS171およびS173を経てステップS175に進む。ステップS171では、変数CNTをインクリメントする。ステップS173では、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを、顔画像を囲う顔枠の位置およびサイズとして顔枠レジスタRGST1に登録する。
【0087】
ステップS175では、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS177で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS165に戻る。判別結果がYESであれば、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”以下であるか否かをステップS179で判別する。判別結果がNOであれば、ステップS181で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、ステップS183で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS165に戻る。ステップS179の判別結果がYESであれば、ステップS185に進む。
【0088】
ステップS185では変数Nを“1”に設定し、ステップS187では変数Nが変数CNTを上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS189に進み、顔枠レジスタRGST1のN番目のカラムに設定された顔枠を指定する。ステップS191では、指定された顔枠に属する画像データに注目した顔認識処理を実行する。処理が完了すると、ステップS193で変数Nをインクリメントし、その後にステップS187に戻る。ステップS187の判別結果がYESであれば、ステップS195でフラグFLG_FINを“1”に設定し、その後に処理を終了する。
【0089】
ステップS191の顔認識処理は、図32〜図33に示すサブルーチンに従って実行される。まず、指定された顔枠に属する画像データの笑顔度をステップS201で算出し、認識顔レジスタRGST2をステップS203でクリアし、そして変数KをステップS205で“1”に設定する。ステップS207では、変数Kが最大値Kmax(=登録顔画像の総数)を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS217に進み、K番目の登録顔画像の笑顔度を登録顔辞書RGDCから検出する。ステップS219では、指定された顔枠に属する画像データの特徴量を、ステップS201で算出された笑顔度とステップS217で検出された笑顔度との相違が抑制ないし解消されるように修正する。
【0090】
ステップS221では修正された特徴量をK番目の登録顔画像の特徴量と照合し、ステップS223では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS225に進み、照合先の登録顔画像を示す登録顔画像番号(=K)と照合度とを認識顔レジスタRGST2に登録する。登録が完了すると、ステップS227で変数Kをインクリメントし、その後にステップS207に戻る。ステップS223の判別結果がNOであれば、ステップS227の処理を経てステップS207に戻る。
【0091】
ステップS207の判別結果がYESであれば、少なくとも1つの登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に設定されているか否かをステップS209で判別する。判別結果がYESであれば、ステップS211でフラグFLG_RCGを“1”に設定する。ステップS213では、最大照合度に対応する登録顔画像番号と指定された顔枠の位置およびサイズとを確定レジスタRGST3に登録する。ステップS209の判別結果がNOであれば、ステップS215でフラグFLG_RCGを“0”に設定する。ステップS213またはS215の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0092】
以上の説明から分かるように、CPU26は、SDRAM32の探索画像エリア32cに格納された探索画像データから1または2以上の顔画像を探索し(S153~S183)、これによって発見された顔画像を順に指定する(S189)。CPU26はまた、指定された顔画像の表情を検出し(S201)、複数の登録顔画像のうち指定された顔画像と符合する登録顔画像を検出された表情を参照して探索する(S203~207, S217~S227)。CPU26はその後、発見された登録顔画像の属性を示す属性情報をLCDモニタ38に表示する(S209~S215, S125~S133)。
【0093】
探索画像データに現れた顔画像と符合する登録顔画像を探索するにあたっては、探索画像データに現れた顔画像の表情が参照される。LCDモニタ38に表示される属性情報は、こうして発見された登録顔画像の属性つまり被写界像に現れた顔画像の属性を示す。これによって、動作性能が向上する。
【0094】
なお、この実施例では、ステップS201で算出された笑顔度とステップS217で検出された笑顔度との相違を抑制ないし解消するために、指定顔枠に属する顔画像の特徴量を修正するようにしている。しかし、指定顔枠に属する顔画像の特徴量に代えて、或いは指定顔枠に属する顔画像の特徴量とともに、K番目の登録顔画像の特徴量を修正するようにしてもよい。また、修正する対象を特徴量ではなく顔画像とし、修正された顔画像の特徴量を検出するようにしてもよい。
【0095】
また、この実施例では、特徴量を修正するために、指定顔枠に属する顔画像の笑顔度とK番目の登録顔画像の笑顔度とを求めるようにしている。しかし、これに代えて、互いに異なる笑顔度を示すように指定顔枠に属する顔画像および/またはK番目の登録顔画像を繰り返し修正し、指定顔枠に属する顔画像の特徴量とK番目の登録顔画像の特徴量とを修正処理毎に照合し、そして指定顔枠に属する顔画像と符合する登録顔画像をこのような照合結果に基づいて特定するようにしてもよい。
【0096】
この場合、図11に示す登録顔辞書RGDCに代えて図34に示す登録顔辞書RGDCを準備し、かつ図32〜図33に示す顔認識処理に代えて図35〜図37に示す顔認識処理を実行する必要がある。
【0097】
図34によれば、登録顔辞書RGDCを形成する各カラムには、普通(笑顔度=0)の顔画像が記述される。図35によれば、図32に示すステップS201に相当する処理は省略される。また、図35に示すステップS203〜S215の処理は、図32に示すステップS203〜S215の処理と同じであるため、重複した説明は省略する。
【0098】
ステップS207の判別結果がNOであれば、ステップS231で変数Lを“1”に設定し、ステップS233で笑顔度を“L*10”に設定する。ステップS235では、K番目のカラムに記述された登録顔画像の特徴量をステップS233で設定された笑顔度を参照して修正する。ステップS237では指定顔枠に属する画像データの特徴量をステップS237で修正された特徴量と照合し、ステップS239では変数Lが“10”に達したか否かを判別する。
【0099】
判別結果がNOであればステップS241で変数LをインクリメントしてからステップS233に戻り、判別結果がYESであればステップS243に進む。ステップS243ではステップS237の処理によって得られた合計10個の照合度の中から最大照合度を検出し、ステップS245では検出された最大照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS247に進み、照合先の登録顔画像を示す登録顔画像番号(=K)と最大照合度とを認識顔レジスタRGST2に登録する。登録が完了すると、ステップS249で変数Kをインクリメントし、その後にステップS207に戻る。ステップS245の判別結果がNOであれば、ステップS249の処理を経てステップS207に戻る。
【0100】
また、上述の実施例では、指定顔枠に属する顔画像の笑顔度とK番目の登録顔画像の笑顔度との相違を抑制ないし解消するために、顔画像の修正処理を実行するようにしている。しかし、互いに異なる笑顔度で共通の顔を表す複数の登録顔画像を登録顔辞書RGDCの各カラムに準備し、指定顔枠に属する顔画像の笑顔度に近い笑顔度を有する登録顔画像を各カラムから選択し、そして選択された登録顔画像を指定顔枠に属する顔画像と照合するようにしてもよい。
【0101】
この場合、図11に示す登録顔辞書RGDCに代えて図38に示す登録顔辞書RGDCを準備し、かつ図32〜図33に示す顔認識処理に代えて図39〜図41に示す顔認識処理を実行する必要がある。
【0102】
図38によれば、登録顔辞書RGDCを形成する各カラムには、共通の人物の顔画像が普通顔(笑顔度=0)および笑顔(笑顔度=100)に対応して記述される。
【0103】
図39によれば、まずステップS251で指定顔枠に属する画像データの笑顔度を算出する。ステップS253では算出された笑顔度が閾値TH(=50)未満であるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS255で普通顔を参照顔として設定する一方、判別結果がNOであればステップS257で笑顔を参照顔として設定する。ステップS259では認識顔レジスタRGST2をクリアし、ステップS261では変数Kを“1”に設定する。ステップS263では変数Kが最大値Kmaxを上回るか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS273に進む。
【0104】
ステップS273では、指定顔枠に属する画像データの特徴量をK番目の登録顔画像の特徴量と照合し、ステップS275では照合度が基準値REFを上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS277に進み、照合先の登録顔画像を示す登録顔画像番号(=K)と照合度とを認識顔レジスタRGST2に登録する。登録が完了すると、ステップS279で変数Kをインクリメントし、その後にステップS263に戻る。ステップS275の判別結果がNOであれば、ステップS279の処理を経てステップS263に戻る。
【0105】
ステップS263の判別結果がYESであれば、少なくとも1つの登録顔画像番号が認識顔レジスタRGST2に設定されているか否かをステップS265で判別する。判別結果がYESであれば、ステップS267でフラグFLG_RCGを“1”に設定する。ステップS269では、最大照合度に対応する登録顔画像番号と指定顔枠の位置およびサイズとを確定レジスタRGST3に登録する。ステップS265の判別結果がNOであれば、ステップS271でフラグFLG_RCGを“0”に設定する。ステップS269またはS271の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【符号の説明】
【0106】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
32 …SDRAM
44 …フラッシュメモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索手段、
前記第1探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する第1指定手段、
前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索手段、および
前記第2探索手段によって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力手段を備える、顔探索装置。
【請求項2】
前記第2探索手段は、前記複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段、および前記第1注目顔画像の表情と前記第2注目顔画像の表情との相違が抑制されるように前記第1注目顔画像および/または前記第2注目顔画像を修正する修正手段を含む、請求項1記載の顔探索装置。
【請求項3】
前記複数の登録顔画像はそれぞれ複数の表情パラメータを伴い、
前記第2探索手段は前記第2注目顔画像の表情パラメータを前記修正手段の修正処理のために前記複数の表情パラメータの中から選択する表情パラメータ選択手段をさらに含む、請求項2記載の顔探索装置。
【請求項4】
前記第2探索手段は、前記複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段、互いに異なる表情を示すように前記第1注目顔画像および/または前記第2注目顔画像を繰り返し修正する修正手段、前記第1注目顔画像および前記第2注目顔画像を前記修正手段による修正処理毎に照合する照合手段、および前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記照合手段の照合結果に基づいて特定する特定手段を含む、請求項1記載の顔探索装置。
【請求項5】
前記複数の登録顔画像の各々は互いに異なる表情で共通の顔を表す複数の画像を含み、
前記第2探索手段は、前記第1注目顔画像の表情に沿う表情を有する画像を前記第2指定手段の指定処理に関連して前記複数の画像の中から選択する画像選択手段、および前記画像選択手段によって選択された画像を前記第1注目画素画像と照合する照合手段を含む、請求項1記載の顔探索装置。
【請求項6】
前記複数の登録顔画像はそれぞれ複数の名称を伴い、
前記出力手段によって出力される属性情報は前記第2探索手段によって発見された登録顔画像の名称を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の顔探索装置。
【請求項7】
被写界を捉える撮像手段をさらに備え、
前記第1探索手段は前記撮像手段から出力された被写界像に対して探索処理を実行する、請求項1ないし6のいずれかに記載の顔探索装置。
【請求項8】
前記第1探索手段は標準顔画像を参照して探索処理を実行する、請求項1ないし7のいずれかに記載の顔探索装置。
【請求項9】
顔探索装置のプロセッサに、
被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ、
前記第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ、
前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ、および
前記第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップを実行させるための、顔探索プログラム。
【請求項10】
顔探索装置によって実行される顔探索方法であって、
被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ、
前記第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ、
前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ、および
前記第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップを備える、顔探索方法。
【請求項1】
被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索手段、
前記第1探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する第1指定手段、
前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索手段、および
前記第2探索手段によって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力手段を備える、顔探索装置。
【請求項2】
前記第2探索手段は、前記複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段、および前記第1注目顔画像の表情と前記第2注目顔画像の表情との相違が抑制されるように前記第1注目顔画像および/または前記第2注目顔画像を修正する修正手段を含む、請求項1記載の顔探索装置。
【請求項3】
前記複数の登録顔画像はそれぞれ複数の表情パラメータを伴い、
前記第2探索手段は前記第2注目顔画像の表情パラメータを前記修正手段の修正処理のために前記複数の表情パラメータの中から選択する表情パラメータ選択手段をさらに含む、請求項2記載の顔探索装置。
【請求項4】
前記第2探索手段は、前記複数の登録顔画像の各々を第2注目顔画像として指定する第2指定手段、互いに異なる表情を示すように前記第1注目顔画像および/または前記第2注目顔画像を繰り返し修正する修正手段、前記第1注目顔画像および前記第2注目顔画像を前記修正手段による修正処理毎に照合する照合手段、および前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記照合手段の照合結果に基づいて特定する特定手段を含む、請求項1記載の顔探索装置。
【請求項5】
前記複数の登録顔画像の各々は互いに異なる表情で共通の顔を表す複数の画像を含み、
前記第2探索手段は、前記第1注目顔画像の表情に沿う表情を有する画像を前記第2指定手段の指定処理に関連して前記複数の画像の中から選択する画像選択手段、および前記画像選択手段によって選択された画像を前記第1注目画素画像と照合する照合手段を含む、請求項1記載の顔探索装置。
【請求項6】
前記複数の登録顔画像はそれぞれ複数の名称を伴い、
前記出力手段によって出力される属性情報は前記第2探索手段によって発見された登録顔画像の名称を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の顔探索装置。
【請求項7】
被写界を捉える撮像手段をさらに備え、
前記第1探索手段は前記撮像手段から出力された被写界像に対して探索処理を実行する、請求項1ないし6のいずれかに記載の顔探索装置。
【請求項8】
前記第1探索手段は標準顔画像を参照して探索処理を実行する、請求項1ないし7のいずれかに記載の顔探索装置。
【請求項9】
顔探索装置のプロセッサに、
被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ、
前記第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ、
前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ、および
前記第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップを実行させるための、顔探索プログラム。
【請求項10】
顔探索装置によって実行される顔探索方法であって、
被写界像から1または2以上の顔画像を探索する第1探索ステップ、
前記第1探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を第1注目顔画像として指定する指定ステップ、
前記第1注目顔画像と符合する登録顔画像を前記第1注目顔画像の表情を参照して複数の登録顔画像の中から探索する第2探索ステップ、および
前記第2探索ステップによって発見された登録顔画像の属性を示す属性情報を出力する出力ステップを備える、顔探索方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
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【図4】
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【図10】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2011−221602(P2011−221602A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86958(P2010−86958)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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