説明

顔料分散液、該顔料分散液を用いたインクジェット用インク、インクカートリッジ及び画像形成装置

【課題】インクジェット用として好適なカーボンブラック顔料分散液、該顔料分散液を用
いた、普通紙に記録した場合にも高い画像濃度が得られ、吐出安定性及び保存安定性の優れたインクジェット用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ及び画像形成装置の提供。
【解決手段】水、カーボンブラック、分散剤を含有し、前記分散剤が、少なくともスチレンと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸をモノマー成分として含み、酸価が40〜155mgKOH/g、スチレン成分量が40〜88質量%であるスチレンアクリル系樹脂であることを特徴とする顔料分散液及びインクジェット用インク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット用として好適な顔料分散液、該顔料分散液を用いたインクジェット用インク、該インクを用いたインクカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット用に用いられる顔料インクは、一般に、水、アルコール類等の水性溶媒中に顔料及び分散剤を予備分散させた分散物を調製した後、該分散物をサンドミル等のメディア型分散機を用いて所定の程度まで分散させる分散工程を行い、次いで、所定の濃度に希釈することにより調製されている。
【0003】
顔料系の水系インクでは疎水性の顔料を分散させるため、界面活性剤、水溶性樹脂等の分散剤を用いるのが一般的であるが、得られる画像の信頼性が極めて悪いという課題がある。そこで、画質向上を目的として、造膜性の樹脂微粒子をインクに添加する技術が知られている。しかし、複数の成分を微細かつ安定に長期分散させるのは困難であり、これらの微粒子を安定に分散させるために界面活性剤等の分散剤を多く用いると、インクタンクやヘッド内での気泡の発生、画質の劣化などの問題が生じる。また、分散性を向上させる目的で、顔料の表面を親水基に変える方法、親水基を含有した樹脂を用いる方法などが検討されているが、これらの方法は、それぞれ単独では安定であっても、異なる種類を混ぜた場合には分散が不安定になり、保存安定性が悪化するという問題がある。この他にも、分散性を向上させるための種々の手段が提案されているが、未だ十分満足できるものはなく、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
【0004】
顔料としてカーボンブラック、分散剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を用いた顔料分散液、及び該顔料分散液を用いたインクが提案されているが(特許文献1)、普通紙に記録したときの画像濃度は十分ではなく、インクの保存安定性も満足できるものではなかった。
カーボンブラック分散液の分散剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を用い、インク調合時にアニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを含有させた記録インクが提案されているが(特許文献2,3)、インクの保存安定性は改善されるものの、普通紙に記録したときの画像濃度は不十分なものであった。
分散剤として、酸価が160〜300mgKOH/g、重量平均分子量が8,000〜20,000のスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体を用いた水性顔料分散体及び該水性顔料分散体を用いたインクジェット記録用インクが提案されているが(特許文献4)、普通紙に記録したときの画像濃度は不十分なものであり、インクの保存安定性も十分なものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決したインクジェット用として好適なカーボンブラック顔料分散液、該顔料分散液を用いた、普通紙に記録した際にも高い画像濃度が得られ、吐出安定性及び保存安定性の優れたインクジェット用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ及び画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、次の<1>〜<4>の発明によって解決される。
<1> 水、カーボンブラック、分散剤を含有し、前記分散剤が、少なくともスチレンと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸をモノマー成分として含み、酸価が40〜155mgKOH/g、スチレン成分量が40〜88質量%であるスチレンアクリル系樹脂であることを特徴とする顔料分散液。
<2> <1>に記載の顔料分散液を用いてなることを特徴とするインクジェット用インク。
<3> <2>に記載のインクジェット用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
<4> <2>に記載のインクジェット用インクを吐出させて画像を形成する吐出手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来の問題を解決したインクジェット用として好適なカーボンブラック顔料分散液、該顔料分散液を用いた、高い画像濃度が得られ、インクジェットヘッドの目詰まりが改良され、吐出安定性及び保存安定性の優れたインクジェット用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ及び画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の画像形成装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
(顔料分散液)
本発明の顔料分散液は、少なくともカーボンブラックと分散剤と水を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−カーボンブラック−
前記カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ガスブラック及びファーネスブラックのいずれかが好ましい。
カーボンブラックの平均一次粒子径は10.0〜30.0nm、BET比表面積は100〜400m2/gであることが好ましい。より好ましくは、平均一次粒子径が15.0〜20.0nm、BET比表面積が150〜300m2/gである。
ここで、平均一次粒子径は、例えば電子顕微鏡写真を用いて粒子を撮影し、撮影画像の粒子径と数から算出することができる。また、BET比表面積は、窒素吸着によるBET法によって測定することができる。
【0010】
−分散剤−
前記分散剤としては、スチレンアクリル系樹脂を用いる。本発明で好ましく用いることができるスチレンアクリル系樹脂は、少なくともスチレンと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸をモノマー成分として含み、酸価が40〜155mgKOH/g、スチレン成分量が40〜88質量%であるスチレンアクリル系樹脂である。
【0011】
本発明で用いられるスチレンアクリル系樹脂におけるスチレン成分量は40〜88質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。スチレン成分量が40質量%未満であると、カーボンブラック顔料表面へのスチレンアクリル系樹脂の吸着が不充分となり、分散安定性が低下する傾向にある。カーボンブラック顔料と分散剤としてのスチレンアクリル系樹脂との吸着性を高めるためには、カーボンブラックと親和性の高いスチレン成分を多く含む必要がある(カーボンブラックの芳香族環のπ電子と分散剤のスチレンのπ電子との相互作用が働くと考えられる)。吸着点は多いほうが好ましい。
スチレン成分量が88質量%を超えると、カーボンブラック顔料の水性媒体の分散が阻害され、顔料の分散径の小粒径化が困難になる傾向にある。
【0012】
本発明のスチレンアクリル系樹脂には、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸以外のモノマーに由来する成分が含まれていてもよい。
このようなモノマーの例としては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2−エトキシエチルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−エトキシブチルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレートのような(メタ)アクリル酸エステル誘導体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸アリールエステル類及び(メタ)アクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル等を挙げることができる。
これらのモノマーはその1種又は2種以上を上記のスチレンと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸モノマー成分に添加することができる。
【0013】
本発明において用いられるスチレンアクリル系樹脂の酸価は40〜155mgKOH/gであることが好ましく、60〜140mgKOH/gであることがより好ましい。
酸価が上記下限より低すぎると、スチレンアクリル系樹脂の水性媒体に対する溶解性が低下し、水性顔料分散液における顔料の分散性や分散安定性が低下する傾向にあり、インクジェット記録用インクに適用した場合の吐出安定性が低下する傾向にある。
酸価が、上記上限を超えるとインク液中におけるカーボンブラック顔料の分散安定性が高くなり過ぎて、普通紙に記録した際の画像濃度が低くなる。
分散剤として酸価が上記範囲にあるスチレンアクリル系樹脂を用いた本発明の顔料分散液をインク化し、普通紙に記録した場合に画像濃度が向上する理由については、インクが普通紙上に付着後に、インク中の液体成分が紙層へ移行することにより顔料濃度が高くなりインクの分散安定状態がくずれ、インクが増粘・凝集するために顔料が紙の表面近傍に多く留まるためであると推測される。
酸価は、JIS K0070に準拠した方法により測定した値である。
【0014】
本発明のスチレンアクリル系樹脂の重量平均分子量は8,000〜55,000の範囲内にあることが好ましく、10,000〜42,000の範囲内にあることがより好ましい。
重量平均分子量が8,000未満であると、カーボンブラック顔料の初期の分散小粒径化は容易であるが、分散液及びこれを用いた水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インクの長期保存安定性が悪くなる傾向にあり、顔料の凝集などによる沈降や粘度上昇が発生する場合がある。
スチレンアクリル系樹脂の重量平均分子量が55,000を超えると、これを用いた水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インクの粘度が高くなって、インクの吐出安定性が不安定になる傾向にある。
【0015】
スチレンアクリル系樹脂の製造方法としては、通常の重合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。重合触媒としては、例えば、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量は一般的にはビニルモノマー成分の約0.01〜10質量%が好ましい。
【0016】
スチレンアクリル系樹脂はアクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマー由来のアニオン性基であるカルボキシル基を有する。本発明の水性顔料分散液におけるスチレンアクリル系樹脂は、アニオン性基の少なくとも一部が、アンモニア、アミン、及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる1種又は2種以上を用いて中和されていることが、顔料の分散性、分散安定性の点で好ましい。従って、顔料分散液は、アンモニア、アミン、及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる1種又は2種以上をスチレンアクリル系樹脂とともに水に分散させて、スチレンアクリル系樹脂のアニオン性基の少なくとも一部を中和した状態とした分散剤液を用いて調製されることが好ましい。
アミンとしては第一級、第二級及び第三級アミンのいずれも使用可能であり、トリエチルアミン、モルホリン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルコールアミンを例示できる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を例示できる。普通紙に記録した際の画像濃度や、記録ヘッドの吐出部等に付着したカーボンブラック顔料の再分散性の観点からはアルカリ金属水酸化物が特に好ましい。
【0017】
本発明において用いられるスチレンアクリル系樹脂はランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。
スチレンアクリル系樹脂は、ブロック共重合体とランダム共重合体の混合物であってもよい。
【0018】
本発明の顔料分散液は、前記分散剤が質量基準でカーボンブラック1に対し0.005〜1の割合で含まれるのが好ましく、カーボンブラック1に対し0.01〜0.5で含まれるのがより好ましい。前記分散剤の含有量が、0.005以上であれば、本発明の目的を達成しやすく、顔料分散液及びインクの保存安定性も確保でき、その結果、ノズルの目詰まりが発生しにくくなる傾向があり、1以下であれば、顔料分散液及びインクの粘度が高くなりすぎてインクジェット方式での印字が困難になるようなこともない。
【0019】
本発明の顔料分散液では、上記分散剤を採用することにより、顔料分散液のカーボンブラックの体積平均粒子径(D50)を70〜180nm、該カーボンブラックの粒度分布における粒子径標準偏差を前記D50の1/2以下とすることができ、これにより、インクジェット用インクに用いたときに、画像濃度が高く、吐出安定性及び保存安定性が良好な顔料分散液を提供できる。なお、上記カーボンブラックの体積平均粒子径は、粒度分布計(日機装社製、UPA)を用い、23℃、55%RHの環境下で測定したものである。
顔料分散液におけるカーボンブラック濃度は、顔料分散液全体に対して5〜25質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。カーボンブラック濃度が5質量%以上であれば生産性が劣ることもなく、25質量%以下であれば、顔料分散液の粘度が高くなりすぎて分散が困難になることもない。
【0020】
本発明の顔料分散液には、カーボンブラック、分散剤、水以外に、必要に応じて水溶性有機溶剤、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、防腐剤等の各種添加剤を添加することができる。
前記水溶性有機溶剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。
【0021】
本発明の顔料分散液は、カーボンブラック、分散剤、水、及び必要に応じて各種添加剤をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機で湿式分散処理することによって得ることができる。
ここで、湿式分散処理とは、カーボンブラック、分散剤、水、及び必要に応じて添加する水溶性有機溶剤などの混合物を、分散機により、いわゆる湿式分散方式で微粉砕し分散する処理のことを意味する。
本発明の顔料分散液は、特に顔料系インクジェット用インクとして好適に使用することができる。
【0022】
(インクジェット用インク)
本発明のインクジェット用インクは、本発明の顔料分散液を用いてなり、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
インク中のカーボンブラックの含有量は、インク全体の処方にもよるが、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。カーボンブラックの含有量が低すぎなければ、画像濃度が低すぎて印字の鮮明さに欠けるようなことはなく、カーボンブラックの含有量が高すぎなければ、インクの粘度が高くなりすぎたりノズルの目詰まりが発生しやすくなることもない。
【0023】
前記水溶性有機溶剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の水溶性溶剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。具体的には、上記顔料分散液と同様のものを用いることができる。
水溶性有機溶剤の含有量は、インク全量に対して0〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜35質量%が更に好ましい。
前記界面活性剤としては、例えばノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが用いられる。
前記その他の成分としては、例えば消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、比抵抗調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、粘度調整剤などが挙げられる。
【0024】
本発明のインクジェット用インクには、保存安定性、画像の耐擦過性等を向上させるために水分散性樹脂粒子を配合するのが好ましい。水分散性樹脂粒子とは、連続相が水であり、分散相が樹脂成分である樹脂エマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
【0025】
本発明のインクジェット用インクは、特に制限なく公知の方法により製造することができ、例えば本発明の顔料分散液、水、水溶性有機溶剤、及び界面活性剤等を攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することによって得られる。
インク液中に含まれる粒子の体積平均粒子径(D50)は120〜140nmであることが好ましい。これにより、画像濃度が高く、吐出安定性及び保存安定性が良好なインク液を提供できる。
【0026】
本発明のインクジェット用インクは、後述するように該インクを収容するインクカートリッジに好適に用いることができる。また、後述するように、本発明のインクジェット用インクを用いて、紙等の画像支持体に吐出させる画像形成装置としてのインクジェット記録装置により、画像形成することができる。
【0027】
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクジェット用インクを容器中に収容したものである。容器には特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するもの、プラスチックケースなどが好適に挙げられる。
【0028】
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、本発明のインクジェット用インクを吐出させて画像を形成する吐出手段を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
印字(吐出)する方法としては、連続噴射型、又はオンデマンド型が挙げられる。前記オンデマンド型としては、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
【0029】
ここで、本発明のインクカートリッジ及び画像形成装置(インクジェット記録装置)について、図1を参照して説明する。
図1において、本発明のインクジェット用インクが収容されるインクカートリッジ20は、キャリッジ18内に収納される。ここで、インクカートリッジ20は便宜上複数設けられているが、複数である必要はない。このような状態でインクジェット用インクが、インクカートリッジ20からキャリッジ18に搭載された液滴吐出ヘッド18aに供給される。なお、図1において、吐出ノズル面は下方向を向いた状態であるため見えない状態であるが、この吐出ノズルからインクジェット用インクが吐出される。
キャリッジ18に搭載された液滴吐出ヘッド18aは、主走査モータ26で駆動されるタイミングベルト23によって、ガイドシャフト21、22にガイドされて移動する。
一方、特定のコート紙(画像支持体)はプラテン19によって液滴吐出ヘッド18aと対面する位置に置かれる。なお、図1中、1はインクジェット記録装置、2は本体筐体、16はギア機構、17は副走査モータ、25はギア機構をそれぞれ示す。
【0030】
本発明のインクジェット用インク又はインクカートリッジを収容したインクジェット記録装置を用いて画像支持体上に画像を形成すると、オンデマンドで画像支持体上に印刷された画像形成体が得られる。また、インクジェット用インクの補充はインクカートリッジ単位で取り替えることが可能である。
前記画像支持体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシートなどが挙げられる。これらの中でも、紙が特に好ましい。
【実施例】
【0031】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下の合成例、実施例、比較例において、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
なお、カーボンブラックのBET比表面積は、窒素吸着によるBET法によって測定した。
【0032】
<合成例1>
撹拌装置、滴下装置、還流装置を有する反応容器にメチルエチルケトン100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。
反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら加温し、メチルエチルケトン還流状態とした後、滴下装置からスチレン77部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部及び重合触媒(2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル、和光純薬工業社製「V−59」)6部の混合液を2時間かけて滴下した。なお滴下の途中より、反応系の温度を80℃に保った。滴下終了後、同温度でさらに20時間反応を続けた。なお、反応の途中において、原料の消費状況を確認しながら、適宜、重合触媒を追加した。
反応終了後、溶媒を除去してスチレンアクリル系樹脂(S−1)を得た。
このスチレンアクリル系樹脂(S−1)は酸価142mgKOH/g、重量平均分子量10,200であった。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値とする。
【0033】
<合成例2>
スチレン40部、α−メチルスチレン48部、アクリル酸12部及び重合触媒6部とした以外は合成例1と同様にして、酸価98mgKOH/g、重量平均分子量10,000のスチレンアクリル系樹脂(S−2)を得た。
【0034】
<合成例3>
スチレン50部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部、アクリル酸ブチル27部及び重合触媒4部とした以外は合成例1と同様にして、酸価154mgKOH/g、重量平均分子量12,000のスチレンアクリル系樹脂(S−3)を得た。
【0035】
<合成例4>
スチレン65部、α−メチルスチレン27部、アクリル酸8部及び重合触媒6部とした以外は合成例1と同様にして、酸価62mgKOH/g、重量平均分子量42,000のスチレンアクリル系樹脂(S−4)を得た。
【0036】
<合成例5>
スチレン65部、α−メチルスチレン30部、アクリル酸5部及び重合触媒6部とした以外は合成例1と同様にして、酸価40mgKOH/g、重量平均分子量42,000のスチレンアクリル系樹脂(S−5)を得た。
【0037】
<合成例6>
スチレン88部、アクリル酸12部及び重合触媒6部とした以外は合成例1と同様にして、酸価94mgKOH/g、重量平均分子量12,000のスチレンアクリル系樹脂(S−6)を得た。
【0038】
<合成例7>
スチレン25部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部、メタクリル酸メチル52部及び重合触媒6部とした以外は合成例1と同様にして、酸価139mgKOH/g、重量平均分子量12,000のスチレンアクリル系樹脂(S−7)を得た。
【0039】
<合成例8>
スチレン78部、メタクリル酸22部及び重合触媒6部とした以外は合成例1と同様にして、酸価170mgKOH/g、重量平均分子量8,500のスチレンアクリル系樹脂(S−8)を得た。
【0040】
<合成例9>
攪拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル180部を仕込んで100℃に加熱し、窒素ガスを導入しながら、アクリル酸5.1部、メタクリル酸ステアリル20部、スチレン40部、メタクリル酸ベンジル34.9部、開始剤としてカヤエステルO−50TL(t−butylperoxy 2−ethyl−hexanoateの50%トルエン溶液)の7.2部および酢酸ブチル46部の混合物を1.5時間かけて滴下し、さらに同温度に保ちながら2時間共重合させた後、溶媒を減圧下で蒸留し、重量平均分子量10,000、酸価41mgKOH/gのスチレンアクリル系樹脂(S−9)を得た。
【0041】
<合成例10>
攪拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル180部を仕込んで100℃に加熱し、窒素ガスを導入しながら、メタクリル酸6.4部、メタクリル酸ステアリル5.6部、スチレン88部、開始剤としてカヤエステルO−50TLの7.2部および酢酸ブチル46部の混合物を1.5時間かけて滴下し、さらに同温度に保ちながら2時間共重合させた後、溶媒を減圧下で蒸留し、重量平均分子量11,000、酸価42mgKOH/gのスチレンアクリル系樹脂(S−10)を得た。
【0042】
<合成例11>
攪拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル180部を仕込んで100℃に加熱し、窒素ガスを導入しながら、アクリル酸5.1部、メタクリル酸ステアリル20部、スチレン37部、メタクリル酸ベンジル37.9部、開始剤としてカヤエステルO−50TLの7.2部および酢酸ブチル46部の混合物を1.5時間かけて滴下し、さらに同温度に保ちながら2時間共重合させた後、溶媒を減圧下で蒸留し、重量平均分子量11,000、酸価42mgKOH/gのスチレンアクリル系樹脂(S−11)を得た。
【0043】
<合成例12>
攪拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル180部を仕込んで100℃に加熱し、窒素ガスを導入しながら、メタクリル酸6.4部、メタクリル酸ステアリル3.6部、スチレン90部、開始剤としてカヤエステルO−50TLの7.2部および酢酸ブチル46部の混合物を1.5時間かけて滴下し、さらに同温度に保ちながら2時間共重合させた後、溶媒を減圧下で蒸留し、重量平均分子量10,000、酸価41mgKOH/gのスチレンアクリル系樹脂(S−12)を得た。
【0044】
<合成例13>
攪拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル180部を仕込んで100℃に加熱し、窒素ガスを導入しながら、アクリル酸4.7部、メタクリル酸ステアリル20部、スチレン40部、メタクリル酸ベンジル35.3部、開始剤としてカヤエステルO−50TLの7.2部および酢酸ブチル46部の混合物を1.5時間かけて滴下し、さらに同温度に保ちながら2時間共重合させた後、溶媒を減圧下で蒸留し、重量平均分子量11,000、酸価38mgKOH/gのスチレンアクリル系樹脂(S−13)を得た。
【0045】
<合成例14>
攪拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル180部を仕込んで100℃に加熱し、窒素ガスを導入しながら、メタクリル酸5.6部、メタクリル酸ステアリル6.4部、スチレン88部、開始剤としてカヤエステルO−50TLの7.2部および酢酸ブチル46部の混合物を1.5時間かけて滴下し、さらに同温度に保ちながら2時間共重合させた後、溶媒を減圧下で蒸留し、重量平均分子量10,000、酸価37mgKOH/gのスチレンアクリル系樹脂(S−14)を得た。
【0046】
<合成例15>
スチレン40部、アクリル酸12部、メタクリル酸13部、アクリル酸ブチル35部及び重合触媒4部とした以外は合成例1と同様にして、酸価162mgKOH/g、重量平均分子量13,000のスチレンアクリル系樹脂(S−15)を得た。
【0047】
<分散剤液1の作製>
スチレンアクリル系樹脂(S−1)100部にイオン交換水及び酸価の105%に相当する5N水酸化ナトリウム水溶液を加え、スチレンアクリル系樹脂(S−1)を固形分濃度として10%含む分散剤液1を得た。
【0048】
<分散剤液2〜8の作製>
同様にして、スチレンアクリル系樹脂(S−2)〜(S−8)のそれぞれ100部にイオン交換水及び酸価の105%に相当する5N水酸化ナトリウム水溶液を加え、スチレンアクリル系樹脂を固形分濃度として10%含む分散剤液2〜8を得た。
【0049】
<分散剤液9の作製>
スチレンアクリル系樹脂(ハイロスRS−1193;星光PMC社製、酸価140mgKOH/g、スチレン成分量80質量%、重量平均分子量17,000の)100部にイオン交換水及び酸価の105%に相当する5N水酸化ナトリウム水溶液を加え、スチレンアクリル系樹脂を固形分濃度として10%含む分散剤液9を得た。
【0050】
<分散剤液10〜16の作製>
同様にして、スチレンアクリル系樹脂(S−9)〜(S−15)のそれぞれ100部にイオン交換水及び酸価の105%に相当する5N水酸化ナトリウム水溶液を加え、スチレンアクリル系樹脂を固形分濃度として10%含む分散剤液10〜16を得た。
【0051】
(合成例16)
−反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の合成−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)10g、過硫酸カリウム1g、及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ビニルトリエトキシシラン20g、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)を10g、過硫酸カリウム4g、及び純水398.3gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。80℃で更に3時間加熱熟成した後冷却し、水酸化カリウムでpHを7〜8、固形分濃度30質量%となるよう調整した。
【0052】
〔実施例1〕
<顔料分散液(A)>
・カーボンブラック(NIPEX160−IQ、degussa社製、ガスブラック、
BET比表面積150m2/g) ・・・150質量部
・分散剤液1(スチレンアクリル樹脂含有量10質量%) ・・・370質量部
・純水 ・・・480質量部
上記の混合物を直径3mmのジルコニアビーズを用いたボールミルでプレ分散した後ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型バッチ式)で、直径0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温10℃で5分間分散した後、遠心分離機(久保田商事株式会社製、Model−3600)で粗大粒子を遠心分離し、表1及び表2に示す顔料分散液(A)を作製した。
【0053】
<インク液(a)>
上記の方法で得られた顔料分散液(A)を用いて下記処方によりインク液を調製し、30分間攪拌した後、孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、真空脱気して実施例1のインク液(a)を作製した。
顔料分散液A(顔料濃度15%) 53.3質量%
グリセリン 8.5質量%
3−メチル−1,3−ブタンジオール 17.0質量%
2―エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量%
2−ピロリドン 2.0質量%
合成例16のシリコーン変性アクリル樹脂(固形分濃度30%) 10.0質量%
フッ素系界面活性剤(FS-300、DuPont社製、有効成分40質量%) 2.5質量%
防腐防カビ剤(プロキセルLV、アベシア社製) 0.05質量%
トリエタノールアミン 0.6質量%
純水 残部
【0054】
〔実施例2〕
分散剤液1を分散剤液2に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(B)及びインク(b)を作製した。
〔実施例3〕
分散剤液1を分散剤液3に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(C)及びインク(c)を作製した。
〔実施例4〕
分散剤液1を分散剤液4に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(D)及びインク(d)を作製した。
〔実施例5〕
分散剤液1を分散剤液5に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(E)及びインク(e)を作製した。
〔実施例6〕
分散剤液1を分散剤液6に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(F)及びインク(f)を作製した。
〔実施例7〕
分散剤液1を分散剤液9に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(G)及びインク(g)を作製した。
【0055】
〔比較例1〕
分散剤液1を分散剤液7に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(H)及びインク(h)を作製した。
〔比較例2〕
分散剤液1を分散剤液8に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(I)及びインク(i)を作製した。
【0056】
〔実施例8〕
分散剤液1を分散剤液10に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(J)及びインク(j)を作製した。
〔実施例9〕
分散剤液1を分散剤液11に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(K)及びインク(k)を作製した。
【0057】
〔比較例3〕
分散剤液1を分散剤液12に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(L)及びインク(l)を作製した。
〔比較例4〕
分散剤液1を分散剤液13に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(M)及びインク(m)を作製した。
〔比較例5〕
分散剤液1を分散剤液14に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(N)及びインク(n)を作製した。
〔比較例6〕
分散剤液1を分散剤液15に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(O)及びインク(o)を作製した。
〔比較例7〕
分散剤液1を分散剤液16に変更した点以外は、実施例1と同様にして、表1に示す顔料分散液(P)及びインク(p)を作製した。
【0058】
次に、作製した分散液(A)〜(P)ならびにインク(a)〜(p)に含まれる粒子の体積平均粒子径(D50)を、日機装社製の粒度分布計UPAを用いて、23℃、55%RHの環境で測定した。結果を表2に示す。
また、リコー社製のインクジェットプリンタGX5000を用いて、普通紙−はやい(カラーマッチング−しない)モードで画像を出力した。このモードにおける黒ベタ部のインク付着量が8.2g/m2となるように印加電圧波形を調製した。
記録用メディアとしてゼロックス社製、PPC用紙4200紙を用い、以下のようにして画像濃度、吐出安定性及び保存安定性を評価した。結果を表2に示す。
【0059】
<画像濃度>
画像サンプルのベタ画像をX−Rite濃度計(X−Rite社製)で測定した。
画像濃度は1.15以上であると優れていると判断できる。好ましくは1.20以上である。
【0060】
<吐出安定性>
各インクを用いて印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタ
を40℃の環境下で1ヶ月間放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に
回復するか否かを、下記のクリーニング動作回数の基準によって評価した。
〔評価基準〕
○:1回の動作により回復した場合。
△:2回〜3回の動作により回復した場合。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった場合。
【0061】
<保存安定性>
各インクをポリエチレン容器に入れて密封し、70℃で2週間保存した後の粒子径、
表面張力、及び粘度を測定し、初期物性との変化率により下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:粒子径、表面張力、粘度の全ての項目で変化率が5%未満であった場合。
○:粒子径、表面張力、粘度の全ての項目で変化率が10%未満であった場合。
△:粒子径、表面張力、粘度の全ての項目で変化率が30%未満であった場合。
×:粒子径、表面張力、粘度の少なくとも1つの項目で変化率が30%以上であっ
た場合。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
表2の結果から、実施例1〜9の本発明の顔料分散液を用いたインクジェット用インクは、高い画像濃度であり、吐出安定性、及び保存安定性においても比較例1〜7より優れたものであることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の顔料分散液及び該顔料分散液を用いたインクジェット用インクは、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェットプリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、などに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 インクジェット記録装置
2 本体筐体
16 ギア機構
17 副走査モータ
18 キャリッジ
18a 液滴吐出ヘッド
19 プラテン
20 インクカートリッジ
21 ガイドシャフト
22 ガイドシャフト
23 タイミングベルト
25 ギア機構
26 主走査モータ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2008−63573号公報
【特許文献2】特開2009−067907号公報
【特許文献3】特開2009−173805号公報
【特許文献4】特開2006−160950号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、カーボンブラック、分散剤を含有し、前記分散剤が、少なくともスチレンと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸をモノマー成分として含み、酸価が40〜155mgKOH/g、スチレン成分量が40〜88質量%であるスチレンアクリル系樹脂であることを特徴とする顔料分散液。
【請求項2】
請求項1に記載の顔料分散液を用いてなることを特徴とするインクジェット用インク。
【請求項3】
請求項2に記載のインクジェット用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項4】
請求項2に記載のインクジェット用インクを吐出させて画像を形成する吐出手段を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−167222(P2012−167222A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30579(P2011−30579)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】