説明

顔用マッサージ器具

【課題】顔をより効果的にマッサージすることが可能な顔用マッサージ器具を提供することを目的とする。
【解決手段】顔をマッサージする際に肌に触れる部分に曲面を有するマッサージ部と、持ち手から構成される顔用マッサージ器具において、上記マッサージ部の表面に酸化チタン膜をコーティングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔をマッサージするための顔用マッサージ器具に関する。
【背景技術】
【0002】
顔を美容目的でマッサージする器具として、様々なものが用いられている。簡単に自分で顔をマッサージする器具として多く用いられているものとして、例えば、特開2003−038596号公報、あるいは特開2000−116740号公報に記載されているような、持ち手の先端にローラーを設けたマッサージ器具がある。
【0003】
このような顔をマッサージする器具は、ローラーを回転させて顔をマッサージしたり、あるいは、ローラーにシートを付けて化粧を落すのに用いる構造となっている。
【特許文献1】特開2003−038596号公報
【特許文献2】特開2000−116740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の上述のようなローラーによる押圧でマッサージする顔用マッサージ器具は、スムーズにマッサージができても、十分に押圧効果があるとはいえないものも多い。
【0005】
また、材質も樹脂製等のローラーを用いていると、その触感がマッサージに適しているとはいえないものも多かった。
【0006】
そこで、本発明は、顔に適度な刺激を与え、さらに顔への触感を良くし、より効果的にマッサージすることができる顔用マッサージ器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の顔用マッサージ器具は、顔をマッサージする際に肌に触れる部分に曲面を有するマッサージ部と、持ち手から構成される顔用マッサージ器具であって、上記マッサージ部の表面に酸化チタン膜をコーティングしたことを特徴とする。
【0008】
また、大きさの異なる2つのマッサージ部を、上記持ち手の両端に設けたことを特徴とする。
【0009】
あるいは、上記マッサージ部が2つの異なる大きさの曲面で構成されていることを特徴とする。
【0010】
そして、上記持ち手の端部にスパチュラを設けたことも特徴とする。
【0011】
さらに、上記マッサージ部の表面に凹凸を設けたことを特徴とする。
【0012】
上記持ち手がヒートパイプであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の顔用マッサージ器具は、顔をマッサージする際に肌に触れる部分に曲面を有するマッサージ部と、持ち手から構成される顔用マッサージ器具であって、上記マッサージ部の表面に酸化チタン膜をコーティングしたことにより、効果的にマッサージを行うことができる。
【0014】
また、大きさの異なる2つのマッサージ部を、上記持ち手の両端に設けたことにより、マッサージする場所に応じてマッサージ部を変えながらより効果的にマッサージすることができる。
【0015】
あるいは、上記マッサージ部が2つの異なる大きさの曲面で構成されていることにより、持ち替えることなく、マッサージする場所に合わせて、ことなる大きさのマッサージ部を選択することができる。
【0016】
そして、上記持ち手の端部にスパチュラを設けることにより、上記スパチュラでクリーム等をすくって顔に付けてマッサージすることができるようになる。
【0017】
さらに、上記マッサージ部の表面に凹凸を設けることにより、マッサージ効果を高めることができる。
【0018】
上記持ち手がヒートパイプであることにより、伝熱性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を、図を用いて以下に詳細に説明する。図1が本発明の第1の実施形態の顔用マッサージ器具1の図である。
【0020】
本発明の顔用マッサージ器具1は、図1に示すように、持ち手3の両端に、顔をマッサージする際に、肌に触れる部分に曲面を有するマッサージ部2と、クリーム等をすくうためのスパチュラ4を設けている。そして、上記マッサージ部2の表面は、光触媒として用いられている酸化チタン膜をコーティングしている。
【0021】
酸化チタン膜は、脱臭、抗菌、防汚、親水性効果を有するコーティングであり、その特性を生かして様々な分野に用いられているが、本発明では、親水性効果、また、環境および人体に無害であるという点に着目し、顔に直接触れる上記マッサージ部2をコーティングするために用いている。
【0022】
上記酸化チタン膜が親水性効果を有することが、上記顔用マッサージ器具1にどのような効果を与えるかというと、例えば、上記マッサージ部2が金属製の場合、伝熱性がよくなり、肌にひんやりとした触感を与え、よりマッサージ効果を与えることができるということが挙げられる。
【0023】
さらに、上記スパチュラ4でクリームをすくい、顔にクリームを付けて上記マッサージ部2でクリームを伸ばしながら顔をマッサージする場合、クリームの伸びがよくなり、クリームを無駄なく使うことができる。
【0024】
そして、上述のように、環境及び人体に無害であることから、アレルギーフリーで、誰でもアレルギーを気にすることなく使うことができる。
【0025】
上記マッサージ部2は、顔に適度な刺激を与え効果的にマッサージすることができるように、曲面を有する形状としており、本実施形態では、図1に示すような球形を用いている。上記マッサージ部2の形状については、特に限定するものではなく、図2(a)に示すような、3つの球形を並べたもの、また、図2(b)に示すような楕円球形等、様々な形状を用いることができる。
【0026】
また、上記マッサージ部2の材質についても特に限定するものではなく、鉄、ステンレス、チタン、セラミック等の金属、あるいはプラスチック等も用いることができる。
【0027】
さらに、より効果的にマッサージするために、上記マッサージ部2の表面に凹凸を設けることが好ましい。例えば、図3(a)に示すように、上記マッサージ部2の表面に窪みであるディンプル5を設けることができる。あるいは、図3(b)に示すような突起6を複数設けても良い。このようにして、上記マッサージ部2の表面に凹凸を設けることにより、顔に刺激を与え、よりマッサージ効果を高めることができる。
【0028】
上記持ち手3は、棒状で持ちやすいように断面を円形あるいは多角形とすることができる。また、上記持ち手3をヒートパイプとすることにより、上述の伝熱性をより高めることができる。
【0029】
本発明の顔用マッサージ器具1の使用方法として、上記顔用マッサージ器具1を温めて、あるいは冷やして使う方法がある。このように、温めたり冷やしたりすることにより、顔への温度差を利用してより効果的にマッサージすることができるが、このような使用方法の場合、上述のように伝熱性を高めることは、温かい、あるいは冷たい状態を長く保つことが可能となる。
【0030】
次に、第2の実施形態の顔用マッサージ器具1’について、図4を用いて説明する。図4に示すように、第2の実施形態の顔用マッサージ器具1’は、持ち手3の両端に大きさの異なるマッサージ部2,2’をそれぞれ設ける。そして、上記マッサージ部2,2’の表面には酸化チタン膜をコーティングする。
【0031】
このように、上記マッサージ部2,2’を互いに大きさの異なる形状とすることにより、マッサージを行う場所に合わせて上記マッサージ部2,2’を選択し、より効果的にマッサージを行うことができる。
【0032】
例えば、大きい方のマッサージ部2を用いて顔の頬などをマッサージし、小さい方のマッサージ部2’を用いて鼻の周りのように、大きいマッサージ部2では十分にマッサージできない場所をマッサージする等、上記マッサージ部2,2’を適宜選択してマッサージすることができる。
【0033】
第2の実施形態の顔用マッサージ器具1’においても、上記マッサージ部2,2’の表面に凹凸を設けることができる。また、その形状についても、第1の実施形態と同様に、図2に示すような様々な形状を用いることができる。さらに、上記マッサージ部2,2’の大きさだけでなく、形状も異なるものとすることも可能である。
【0034】
次に、第3の実施形態の顔用マッサージ器具1’’について、図5を用いて説明する。図5に示すように、第3の実施形態の顔用マッサージ器具1’’は、持ち手3の両端に、2つの大きさの異なる曲面7,7’を有するマッサージ部2’’と、スパチュラ4を設けている。
【0035】
上記マッサージ部2’’は、図5に示すように大きな曲面7の反対側に小さな曲面7’を設けている。これにより、第2の実施形態と同様に、マッサージを行う場所に合わせて上記マッサージ部2’’の曲面7,7’を選択することにより、より効果的にマッサージを行うことができる。
【0036】
さらに、本実施形態では、第2の実施形態とは異なり、持ち手3の片側に2つのマッサージ部を有することになるので、マッサージする場所に合わせて持ち替える必要が無く、また、スパチュラ4を設けているので、クリーム等をすくうことも可能となり、より使い勝手が向上する。
【0037】
このように、本発明は、酸化チタン膜をマッサージ部にコーティングすることによって、よりマッサージ効果の高い顔用マッサージ器具を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態の顔用マッサージ器具の図であり、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図2】第1の実施形態の顔用マッサージ器具の図であり、マッサージ部の形状が異なる場合の平面図である。
【図3】第1の実施形態の顔用マッサージ器具のマッサージ部の拡大図であり、(a)がディンプルを設けた場合、(b)が突起を設けた場合の断面図である。
【図4】第2の実施形態の顔用マッサージ器具の平面図である。
【図5】第3の実施形態の顔用マッサージ器具の図であり、(a)が側面図、(b)が平面図、(c)が底面図、(d)が斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1、1’、1’’ 顔用マッサージ器具
2、2’、2’’ マッサージ部
3 持ち手
4 スパチュラ
5 ディンプル
6 突起
7,7’ 曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔をマッサージする際に肌に触れる部分に曲面を有するマッサージ部と、持ち手から構成される顔用マッサージ器具であって、
上記マッサージ部の表面に酸化チタン膜をコーティングしたことを特徴とする顔用マッサージ器具。
【請求項2】
大きさの異なる2つのマッサージ部を、上記持ち手の両端に設けたことを特徴とする請求項1に記載の顔用マッサージ器具。
【請求項3】
上記マッサージ部が、2つの異なる大きさの曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の顔用マッサージ器具。
【請求項4】
上記持ち手の端部にスパチュラを設けたことを特徴とする請求項1または3に記載の顔用マッサージ器具。
【請求項5】
上記マッサージ部の表面に凹凸を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の顔用マッサージ器具。
【請求項6】
上記持ち手がヒートパイプであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の顔用マッサージ器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−213791(P2009−213791A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63353(P2008−63353)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】