説明

顔認証データベース管理方法、顔認証データベース管理装置及び顔認証データベース管理プログラム

【課題】自動更新登録による認証精度の低下を抑制するとともに安定した認証精度を得ることを課題とする。
【解決手段】顔画像検出部12によって検出された顔画像データに対する利用者Mが登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者Mに対応する顔認証データベース5内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを顔認証データベース5から削除し、前記検出された顔画像データを顔認証データベース5に更新登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラ等の撮像装置で撮像された画像データから切り出された利用者の顔部分を含む部分画像データ(以下、「顔画像データ」と言う)を該利用者の利用者識別情報(以下、「利用者ID」と言う)と対応付けて管理する顔認証データベース管理方法、顔認証データベース管理装置及び顔認証データベース管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、認証対象者となる利用者に対して会員証や社員証などのIDカード(Identity Card)を発行しておき、各利用者の入退室時にIDカードに記録した利用者IDをリーダライタで読み取って個人認証を行う個人認証システムが知られている。また、かかるIDカードの偽造等の不正に対応するために、利用者の指紋等を用いて個人認証を行う個人認証技術も知られている。
【0003】
ところが、上記個人認証技術を用いる場合には、利用者を認証する度に該利用者を静止させて指紋等を採取しなければならず、利用者の利便性の観点から見て好ましくない。このため、最近では、歩行する利用者を静止させなくとも個人認証を行うことができる顔認証技術が注目されている。例えば、特許文献1には、あらかじめ利用者の顔画像データの特徴量を辞書情報として登録しておき、歩行中の利用者がカメラに近づく際に、該カメラで利用者の顔部分を撮像して顔画像データを取得し、取得した利用者の顔画像データの特徴量と辞書情報の内容とを照合して利用者の顔認証を行う技術が開示されている。
【0004】
この場合、定期的に新しい顔画像データをデータベースに追加登録し、不適切な顔画像データを削除する必要がある。このため、例えば特許文献2では、データベースの更新の際、利用者ごとの顔画像データの格納量が上限に達すると、FIFO(First In First Out:先入れ先出し)方式によって古い顔画像データを削除して新しい顔画像データを追加登録し、データベースの登録内容を自動更新している。このデータベースの自動更新登録によって、データベースの管理者にかかる負担を軽減するとともに、利用者の顔の経年変化にも対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−104599号公報
【特許文献2】特開2010−238181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、利用者ごとに複数の顔画像データが関連付けられて登録される顔認証データベースの場合、関連付けられて登録された各顔画像データは、認証の決め手となる利用度が均等ではなく、特定の数個の顔画像データのみが頻繁に認証の決め手となる傾向がある。このため、上記特許文献2に代表される従来のFIFO方式を用いた場合には、頻繁に認証の決め手として利用される顔画像データが登録順によって削除されてしまう結果となる。
【0007】
このように、従来のFIFO方式による自動更新登録技術によれば、頻繁に認証の決め手として利用される顔画像データであっても削除されてしまうため、かかる画像データの削除時点から認証精度が極端に低下してしまうという問題点がある。加えて、認証の決め手として利用される顔画像データが存在する期間は認証精度が高くなるものの、かかる画像データが削除された後は認証精度が低くなったのでは、安定した認証精度が得られないという問題もある。
【0008】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消するためになされたものであって、撮像装置で利用者の顔部分を撮像して得られる顔画像データを利用者識別情報に関連付けて顔認証データベースに自動更新登録する場合に、自動更新登録による認証精度の低下を抑制するとともに安定した認証精度を得ることができる顔認証データベース管理方法、顔認証データベース管理装置及び顔認証データベース管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、利用者を一意に識別する利用者識別情報と、撮像装置により撮像された利用者の複数の顔画像データとを関連付けて記憶する顔認証データベースを管理する顔認証データベース管理方法であって、前記撮像装置により撮像された画像データから利用者の顔部分を含む顔画像データを検出する顔画像データ検出工程と、前記顔画像データ検出工程により検出された顔画像データと前記顔認証データベースに格納されている顔画像データとの類似度をもとに前記利用者の顔認証処理を行う顔認証処理工程と、前記顔認証処理工程により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度に基づいて顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録する更新登録処理工程と、前記顔認証処理の都度、前記認証利用度を更新する認証利用度更新工程とを含んだことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記更新登録処理工程は、前記顔認証処理工程により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記更新登録処理工程は、利用者に対応する顔認証データベース内の格納領域内の各顔画像データのうち、登録後所定の回数以上の顔認証が行われていない顔画像データを削除対象から除外することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記認証利用度は、前記利用者の顔認証回数に対する顔認証の決定に用いられた回数の比を示す認証頻度であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記認証利用度は、顔認証の決定に用いられた顔画像データと前記検出された顔画像データとの類似度とをもとに与えられるスコアを累積した認証スコアであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記認証スコアは、前記類似度が所定値以上である場合にスコアが加算されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記認証スコアは、類似度を多段階領域に分け、前記類似度が大きい領域に大きなスコアを加算したものであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記認証スコアは、前記類似度の順位に応じて大きなスコアが加算されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記認証利用度は、現在時刻までの所定期間内の利用度であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、利用者を一意に識別する利用者識別情報と、撮像装置により撮像された利用者の複数の顔画像データとを関連付けて記憶する顔認証データベースを管理する顔認証データベース管理装置であって、前記撮像装置により撮像された画像データから利用者の顔部分を含む顔画像データを検出する顔画像データ検出部と、前記顔画像データ検出部により検出された顔画像データと前記顔認証データベースに格納されている顔画像データとの類似度をもとに前記利用者の顔認証処理を行う顔認証処理部と、前記顔認証処理部により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度に基づいて顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録する更新登録処理部と、前記顔認証処理の都度、前記認証利用度を更新する認証利用度更新部とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、前記更新登録処理部は、前記顔認証処理部により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、前記更新登録処理部は、利用者に対応する顔認証データベース内の格納領域内の各顔画像データのうち、登録後所定の回数以上の顔認証が行われていない顔画像データを削除対象から除外することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、利用者を一意に識別する利用者識別情報と、撮像装置により撮像された利用者の複数の顔画像データとを関連付けて記憶する顔認証データベースを管理する顔認証データベース管理装置に用いられる顔認証データベース管理プログラムであって、前記撮像装置により撮像された画像データから利用者の顔部分を含む顔画像データを検出する顔画像データ検出手順と、前記顔画像データ検出手順により検出された顔画像データと前記顔認証データベースに格納されている顔画像データとの類似度をもとに前記利用者の顔認証処理を行う顔認証処理手順と、前記顔認証処理手順により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度に基づいて顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録する更新登録処理手順と、前記顔認証処理の都度、前記認証利用度を更新する認証利用度更新手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記発明において、前記更新登録処理手順は、前記顔認証処理手順により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、上記発明において、前記更新登録処理手順は、利用者に対応する顔認証データベース内の格納領域内の各顔画像データのうち、登録後所定の回数以上の顔認証が行われていない顔画像データを削除対象から除外することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、顔認証処理部により検出された顔画像データに対する利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度に基づいて顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録するよう構成したので、自動更新登録による認証精度の低下を抑制するとともに安定した認証精度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本実施例1に係る入退室管理装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した顔画像検出部によって取得される顔画像データの一例を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した更新登録処理部の処理概念を説明するための説明図である。
【図4】図4は、図1に示した制御部による顔認証制御処理手順を示す全体フローチャートである。
【図5】図5は、図4に示した顔認証データベースの更新登録処理手順を示す詳細フローチャートである。
【図6】図6は、本実施例2による認証利用度更新処理の概念を説明するための説明図である。
【図7】図7は、本実施例2による更新登録処理の概念を説明するための説明図である。
【図8】図8は、本実施例2による多段階の類似度領域を設けた認証利用度更新処理の概念を説明するための説明図である。
【図9】図9は、本実施例2による類似度順位に従った認証利用度更新処理の概念を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る顔認証データベース管理方法、顔認証データベース管理装置及び顔認証データベース管理プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。以下に示す実施例1及び2では、本発明に係る顔認証データベース管理方法、顔認証データベース管理装置及び顔認証データベース管理プログラムを入退室管理装置に適用した場合について説明する。
【実施例1】
【0027】
まず、本実施例1に係る入退室管理装置1の特徴及び構成について説明する。図1は、本実施例1に係る入退室管理装置1の構成を示す図である。図1に示す入退室管理装置1は、顔認証を利用して利用者Mの入退室管理を行う装置であり、従来技術と同様に予め各利用者Mに対して該利用者Mを一意に識別する利用者IDが記録されたIDカード2aを発行する。ただし、かかるIDカード2aを発行する時点では、該利用者Mの顔画像データについては登録しない。なお、IDカード2aを発行する時点で利用者Mの氏名や所属等の個人情報を登録することもできるが、ここではその説明を省略する。
【0028】
そして、利用者Mが、初回の入室を行うためにIDカード2aを操作器2に読み取らせたならば、カメラ3によって撮像した画像データから利用者Mの顔部分を含む顔画像データを切り出し、これをIDカード2aの利用者IDに関連付けて顔認証データベース5に登録する。このように、この入退室管理装置1では、事前に良好な環境で利用者Mの顔画像データを取得するのではなく、IDカード2aのみを先に発行しておき、利用者Mの顔画像データは実環境で取得することとしている。実環境で撮像した利用者Mの顔画像データを顔認証データベース5に登録することで、より一層顔認証の精度が向上するからである。
【0029】
また、初回の顔画像データの登録を終えた利用者Mが入室する場合には、この利用者Mが操作器2を操作しなくとも、正当な登録者であることが顔認証されることを条件に、ゲート10を開放して入室を許可する。また、利用者Mの顔認証時に取得された新たな顔画像データは、利用者IDに対応付けて顔認証データベース5に追加登録する。
【0030】
ここで、本実施例1に係る入退室管理装置1は、認証された利用者Mの顔画像データを顔認証データベース5に追加登録する場合であって、登録されている利用者IDに対応する顔画像データが所定数(例えば「10」)に達した場合に、登録されている利用者Mの顔画像データの認証利用度が所定のしきい値以下で、かつ、最も古く登録された顔画像データを削除して、認証された顔画像データを登録するようにした点にその特徴がある。認証利用度が所定のしきい値を超える顔画像データは、古く登録された場合であっても認証の決め手となる場合があるため、本実施例1では、かかる認証の決め手となる顔画像データを残すことにより、認証精度の低下を抑制している。一方、認証の決め手となっていない認証利用度が所定のしきい値以下の顔画像データについては、古く登録された顔画像データから順次削除されるため、顔の経年変化にも対応することができる。その結果、安定した認証精度を得ることが可能となる。
【0031】
具体的には、カメラ3により新たに撮像された利用者Mの顔画像データの顔認証に成功した際に、顔認証データベース5に登録された該利用者Mの顔画像データが所定数に達していない場合には、顔認証に成功した新たな顔画像データをそのまま顔認証データベース5に登録する。これに対して、顔認証データベース5に登録された該利用者Mの顔画像データが所定数に達しており、認証利用度が所定のしきい値以下の顔画像データが存在する場合には、この顔画像データを顔認証データベース5から削除して、顔認証に成功した新たな顔画像データを顔認証データベース5に登録する。なお、認証利用度が所定のしきい値以下の顔画像データが存在しない場合には、顔認証に成功した新たな顔画像データを削除し、顔認証データベース5に登録された顔画像データを維持する。かかる認証利用度は、対応する顔画像データが認証の決め手になった度合いを示す指標であり、例えば、利用者の顔認証回数に対する顔認証の決定に用いられた回数の比を示す認証頻度で表される。
【0032】
図1に示すように、本実施例1に係る入退室管理装置1は、操作器2と、カメラ3と、制御部4と、顔認証データベース5と、ゲート10とを有する。また、制御部4は、操作検出部11と、顔画像検出部12と、登録処理部13と、顔認証処理部14と、更新登録処理部15と、認証利用度更新部16と、警報出力部17とを有する。なお、図1では入退室管理装置1のうちの入室側の構成を図示したが、顔認証データベース5を退室側にも共通使用することができる。
【0033】
操作器2は、利用者Mが保有するIDカード2aの利用者IDを取得するカードリーダである。具体的には、IDカード2aが非接触式のカードである場合にはIDカード2aに記録した利用者IDを近距離無線通信により受信し、IDカード2aが磁気記録式のカードである場合にはIDカード2aに磁気記録した利用者IDを読み取る。なお、かかる操作器2は、利用者自身が手入力で利用者IDを入力するテンキー等であっても良く、利用者IDを取得できればよい。
【0034】
カメラ3は、利用者を撮像して画像データを出力するCCD(Charge Coupled Device)素子などからなる撮像装置である。このカメラ3は、操作器2を操作する利用者Mの顔部分並びに利用者がゲート10に至る途中での該利用者Mの顔部分を撮像できる画角にあらかじめ設定されている。なお、本実施例では、かかるカメラ3で撮像される画像データは、説明の便宜上、白黒濃淡画像であるものとするが、カラー画像を対象とすることもできる。
【0035】
制御部4は、入退室管理装置1を全体制御するコンピュータであり、操作器2、カメラ3、顔認証データベース5及びゲート10と接続されている。この制御部4は、少なくとも、操作器2を操作した利用者Mの顔画像データを利用者IDに関連付けて顔認証データベース5に自動登録及び自動更新登録する処理を行う。また、この制御部4は、顔認証データベース5に登録された顔画像データを用いて利用者Mの顔認証処理を行い、この認証結果に基づいて利用者Mの入退室管理を行う。具体的には、制御部4は、利用者Mを認証できた場合にはゲート10を開き、利用者Mを認証できない場合にはゲート10の閉鎖状態を維持する制御を行う。なお、ゲート10の開閉制御は周知の技術を用いることができるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0036】
顔認証データベース5は、少なくとも利用者IDと1又は複数の顔画像データとを関連付けて格納するデータベースである。この顔認証データベース5は、さらに各顔画像データに認証利用度と登録時刻とが対応づけられて格納されている。この顔認証データベース5は、利用者MにIDカード2aを付与する時点では該利用者Mの顔画像データが登録されておらず、IDカード2aの初回利用時に利用者Mの顔画像データが登録される。このため、利用者Mの初回利用時にはIDカード2aを発行した作業員が立ち会うことが望ましい。なお、上記制御部4は、顔認証データベース5のデータベース管理装置(DBMS)の役割を果たす。
【0037】
操作検出部11は、利用者Mにより操作器2が操作されたか否かを検出する処理部である。例えば、IDカード2aが非接触式のカードである場合には、利用者MがIDカード2aを操作器2に翳し操作したことを検出して、該IDカード2aから利用者IDを受信する。また、IDカード2aが磁気記録式のカードである場合には、利用者MがIDカード2aを操作器2に接触させたことを検出して、該IDカード2aから利用者IDを読み取る。
【0038】
顔画像検出部12は、カメラ3によって撮像された白黒濃淡画像データ(以下、単に「画像データ」と言う)内に存在する人の顔部分を含む矩形の顔画像データを切り出す処理部である。この顔画像検出部12により切り出された顔画像データについても白黒濃淡画像となる。図2は、顔画像検出部12によって検出される顔画像データの一例を示す図である。同図に示すように、ここではカメラ3で撮像された画像データ20内に利用者Mが含まれており、この利用者Mの顔画像データ21を切り出す状況を示している。ここで、利用者Mの顔画像データを切り出す際には、人の一般的な顔の輪郭を示すテンプレート(マスクパターン)を準備し、このテンプレートを画像データ20にずらしマッチングすることで、画像データ内に存在する顔画像データ21を検出することができる。なお、かかるテンプレートマッチングだけではなく、公知の各種顔検出アルゴリズム(画像処理技術)を用いることができる。
【0039】
登録処理部13は、利用者Mの顔画像データを利用者IDに関連付けて顔認証データベース5に登録する処理部である。すでに説明したように、本実施例1では、利用者MにIDカード2aを発行する時点で別環境にて利用者Mの顔部分を撮像するのではなく、利用者Mが実環境で最初にIDカード2aを利用して入室する時点で利用者Mの顔部分をカメラ3で撮像して顔認証データベース5に登録する。なお、登録時には、登録された時刻が、登録された顔画像データに対応して格納される。
【0040】
顔認証処理部14は、利用者Mが顔認証データベース5に登録された登録済みの利用者であるか否かを認証する処理部である。具体的には、顔画像検出部12により検出された利用者Mの顔画像データと顔認証データベース5に登録された顔画像データとの類似度を算出し、算出された類似度に基づいて、該利用者Mが顔認証データベース5に登録された登録済みの利用者であるか否かを認証する。顔認証データベース5に登録済みの利用者Mは、IDカード2aの操作がなされなくともゲート10を開制御する必要があるためである。ここで、上記類似度の一例として、顔画像データ相互間の相互相関係数を用いることができ、両顔画像データに同一人物の顔部分が含まれる場合に類似度が高くなり、両顔画像データに異なる人物の顔部分が含まれる場合に類似度が低くなる。なお、かかる類似度としては、上記の相互相関係数以外の公知の類似度算出技術を用いることもできる。
【0041】
そして、顔認証データベース5に登録された顔画像データが一つのみである場合には、上記顔画像データ間の類似度が所定のしきい値以上である場合に、利用者が顔認証データベース5に登録済みであると判定し、顔認証データベース5に登録された顔画像データが複数存在する場合には、顔画像検出部12により検出された利用者の顔画像データと顔認証データベース5に登録された複数の顔画像データの各類似度のうちの例えば上位3つの類似度を抽出し、抽出した上位3つの類似度のうちの平均値が所定のしきい値以上である場合に、利用者が顔認証データベース5に登録済みであると判定することができる。なお、かかる判定処理としては、既存の周知技術を用いることができる。
【0042】
更新登録処理部15は、利用者Mが2回目以降の入退室を行う際に、新たな顔画像データを利用者IDに関連付けて顔認証データベース5に追加登録する。そして、検出された利用者Mの顔画像データが顔認証データベース5のいずれかの顔画像データに対応すると判定され、かつ、顔認証データベース5の顔画像データが登録可能な所定数に達していない場合には、そのまま認証された顔画像データを顔認証データベース5に追加登録する。また、顔認証データベース5に登録された利用者IDに対応する顔画像データが所定数に達し、かつ、認証利用度が所定のしきい値以下のものがある場合には、そのうちの最も古い顔画像データを削除して、認証された顔画像データを更新登録する。一方、顔画像データが所定数に達し、かつ、認証利用度が所定のしきい値以下のものがない場合には、認証された顔画像データを登録せずに削除し、現在登録状態の顔画像データを維持する。なお、登録時には、登録された時刻が、登録された顔画像データに対応して格納される。また、所定のしきい値は、例えば各顔画像データの認証利用度の中間値や平均値とすることが好ましい。この場合、必ず、所定のしきい値以下の顔画像データが存在し、最も古い顔画像データが削除され、認証利用度の高い顔画像データが保持されるからである。さらに、所定のしきい値には、認証利用度順にソートした場合の所定の順位(例えば、上位8割)を用いることもできる。また、顔認証データベース5内の顔画像データを更新するタイミングで所定のしきい値を動的に更新することができる。
【0043】
この更新登録処理部15は、図3に示すように、利用者Mの所定数(5つ)の顔画像データD1〜D5が登録されている場合は、各顔画像データD1〜D5には、それぞれ認証利用度F1〜F5及び登録時刻T1〜T5が対応して格納されている。そして、検出された利用者Mの顔画像データD6が認証された際に、更新しきい値Fth(=0.7)以下の認証利用度をもつ顔画像データD1,D2,D3がある場合には、この顔画像データD1,D2,D3のうちの最も古い顔画像データD3が削除され、顔画像データD6が顔画像データD3の格納領域に登録される。一方、更新しきい値Fth以下の認証利用度をもつ顔画像データがない場合には、顔画像データD6は、顔認証データベース5に登録されずに削除される。
【0044】
認証利用度更新部16は、利用者Mが認証される都度、利用者Mの顔画像データに対応する認証利用度を更新する。この認証利用度は、上述した更新登録処理部15における自動更新登録の判定に用いられる認証頻度である。例えば、利用者Mの認証回数が10回であり、顔画像データD1がそのうちの5回で認証の決め手となった場合には、顔画像データD1の認証利用度F=0.5(5/10)となる。なお、認証利用度の更新演算対象期間は、現在までの所定時間内であり、例えば1か月、1年又は運用開始から現在までの期間であり、これらは任意に設定することができる。
【0045】
図1に戻り、警報出力部17は、顔認証処理部14により利用者Mが顔認証データベース5に登録済みでないと判定された場合に、警報を出力する処理部である。かかる警報出力としては、実際に音声出力するほか、所定の警備員の携帯端末に「異常発生」を報知するものでも良い。なお、かかる警報を出力している間は、ゲート10の閉鎖状態が維持される。
【0046】
次に、図1に示した制御部4による顔認証制御処理手順について説明する。図4は、図1に示した制御部4による顔認証制御処理手順を示す全体フローチャートである。図4に示すように、制御部4は、カメラ3により撮像された画像データを取得し(ステップS101)、取得された画像データ内で顔部分が検出されたか否かを判定する(ステップS102)。画像データ内で顔部分が検出されない場合には(ステップS102,No)、ステップS101に移行して、次の画像データを取得する。
【0047】
一方、画像データ内で顔部分が検出された場合には(ステップS102,Yes)、この顔部分の顔画像データと顔認証データベース5内に登録されているすべての顔画像データとの類似度を算出し、所定の認証しきい値以上の顔画像データが登録されている場合には、この顔画像データの利用者IDに対応する利用者として認証する(ステップS103)。そして、この顔認証処理結果をもとに、利用者が登録済みであるか否かを判定する(ステップS104)。
【0048】
利用者Mが顔認証データベース5に登録されていないと判定された場合には(ステップS104,No)、「未登録者が入室する可能性がある旨」の警報を出力する(ステップS105)。この警報によりゲート10に駆け付けた係員による所定の操作が行われたならば(ステップS106,Yes)、警報の出力を中止してステップS101に移行する。
【0049】
これに対して、利用者Mが顔認証データベース5に登録されている場合には(ステップS104,Yes)、利用者Mが入室可能となるようにゲート10を開放制御するとともに、該利用者Mの入室完了後にゲート10を閉鎖制御する(ステップS107)。
【0050】
その後、更新登録処理部15に対して、顔認証データベース5の更新登録処理を行わせる(ステップS108)。さらに、認証利用度更新部16に対して、認証利用度の更新処理を行わせ(ステップS109)、ステップS101に移行して次の画像データを取得し、上述した処理を繰り返す。
【0051】
ここで、図5は、ステップS108による顔認証データベースの更新登録処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、更新登録処理部15は、顔認証データベース5内で、顔認証された利用者IDの格納領域に空きが無いか否かを判定する(ステップS201)。この格納領域に空きが無いか否かは、顔画像データが所定数を超えるか否かの判定に相当する。
【0052】
顔認証された利用者IDの格納領域に空きがある場合には(ステップS201,No)、この空き領域に、顔認証された顔画像データを追加登録して(ステップS204)、ステップS109に移行する。
【0053】
一方、顔認証された利用者IDの格納領域に空きが無い場合には(ステップS201,Yes)、認証利用度が更新しきい値以下である顔画像データが存在するか否かを判定する(ステップS202)。認証利用度が更新しきい値以下である顔画像データが存在する場合には(ステップS202,Yes)、この更新しきい値以下の顔画像データのうち、登録時刻が最も古い顔画像データを削除し(ステップS203)、この削除した領域に、顔認証された顔画像データを更新登録し(ステップS204)、ステップS109に移行する。なお、このステップS203,204の処理は、上書き処理であってもよい。
【0054】
また、認証利用度が更新しきい値以下である顔画像データがない場合には(ステップS202,No)、顔認証された顔画像データを削除し(ステップS205)、ステップS109に移行する。すなわち、かかる場合には顔認証データベース5の更新登録は実施しない。
【0055】
上述してきたように、本実施例1では、顔認証された利用者に対応する顔認証データベース5内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納された認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを顔認証データベース5から削除し、認証された顔画像データを更新登録するように構成したので、認証の決め手となる顔画像データを残しつつ、古い顔画像データを削除して新しい顔画像データを登録することができ、結果として、自動更新登録による認証精度の低下を抑制するとともに安定した認証精度を得ることが可能となる。
【実施例2】
【0056】
ところで、上記実施例1では、「認証頻度」を認証利用度として用いた場合を示したが、かかる認証利用度は、認証処理時における類似度をもとにした認証スコアであってもよい。この認証スコアを用いた更新登録処理を行うと、顔認証データベース5に残すべき顔画像データを精度よく判定できる。
【0057】
この実施例2に係る入退室管理装置の構成は、実施例1と同様であるが、認証利用度更新部16の処理と、更新登録処理部15の処理とが実施例1と異なる。すなわち、本実施例2の認証利用度更新部16は、認証時における認証対象の顔画像データと、顔認証データベース5内の認証対象利用者の顔画像データとの類似度をもとに、認証スコアを累積更新している。一方、更新登録処理部15は、ステップS108での認証利用度として認証スコアを用いている。
【0058】
本実施例2の認証利用度更新部は、図6に示すように、認証処理時の類似度が、スコアしきい値S1th以上である場合に、現在の認証スコアに「1」を加算し、スコアしきい値S1th未満である場合に、現在の認証スコアに加算せずに維持する。なお、スコアしきい値S1thは、認証しきい値S0thよりも大きな類似度であることが好ましい。すなわち、検出された顔画像データが認証しきい値S0th以上で認証されたとしても、類似度が小さい場合と大きい場合とで、認証に用いられた顔認証データベース5内の顔画像データに認証利用度に差をつけて格納しておく。これにより、単に認証回数のみでの認証利用度を用いる場合よりも、きめの細かい認証利用度を得ることができ、結果的に、認証精度の低下抑止と安定化とを図ることができる。
【0059】
そして、更新登録処理部15は、累積された認証スコアをもとに、新たに検出された顔画像データの自動更新をすべきか否かを判定することになる。例えば、図7に示すように、認証スコアが更新しきい値FSth以下の顔画像データD11,D12,D13が存在する場合には、この顔画像データD11,D12,D13のうち、最も古い顔画像データD12が顔認識データベース5から削除され、新しく認証された顔画像データが更新登録される。
【0060】
なお、類似度をもとにした認証スコアの更新は、図8に示すように、さらに類似度を多段階に分けて、各段階の領域で加算すべきスコアを類似度が大きくなるにしたがって大きくするようにしてもよい。例えば、認証しきい値S0th以上の類似度領域に、順次大きいスコアしきい値S1th,S2th,S3thを設け、スコアしきい値S1th以上でスコアしきい値S2th未満の類似度の場合には、この顔画像データの認証スコアに「1」加算し、スコアしきい値S2th以上でスコアしきい値S3th未満の類似度の場合には、この顔画像データの認証スコアに「2」加算し、スコアしきい値S3th以上の類似度の場合には、この顔画像データの認証スコアに「3」加算するようにする。
【0061】
さらに、図9に示すように、スコアしきい値を設けず、認証しきい値S0th以上の類似度を有する顔画像データに対し、類似度の大きい順に順位を設け、順位の高い順に順次大きなスコアを加算するようにしてもよい。例えば、認証時における認証判定が、類似度の高い3つの顔画像データの平均値によって行われる場合、認証利用度更新部16は、認証時における類似度の高い3つの顔画像データD21,D22,D23に対し、最も類似度の高い顔画像データD23にスコア「3」を加算し、次に類似度の高い顔画像データD22にスコア「2」を加算し、最も類似度の低い顔画像データD21にスコア「1」を加算する。
【0062】
上述してきたように、本実施例2では、認証利用度として、認証時の類似度を反映した認証スコアを用いて、きめの細かい認証利用度の更新を行い、この認証スコアを用いて顔認証データベース5の更新登録処理を行うようにしているので、一層、認証精度の低下を抑止し、認証精度の安定化を図ることができる。
【0063】
なお、上記実施例1及び2では、認証利用度と登録時刻の2つの情報を用いて顔認証データベース5の更新登録処理を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、認証利用度のみを用いて顔認証データベース5の更新登録処理を行うこともできる。かかる場合には、図3に示した顔画像データD2を削除して、顔画像データD6を登録する処理を行うことになる。
【0064】
また、登録されたばかりの顔画像データについては、「登録後に所定回数以上の顔認証が行われないと、削除の対象とはならない」とすることで、登録されたばかりの顔画像データから順次削除され、その結果として顔の経年変化に対応できなくなるという事態を防止することが可能となる。ただし、登録後に所定回数以上の顔認証が行われていれば良く、該顔画像データが決め手として採用されたか否かは問わない。
【0065】
また、上記実施例1及び2では、本発明を入退室管理システムに適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、勤怠管理システムなど各種システムに適用することができる。また、操作器2としてカードリーダを用いることで、従来、社員証等のICカードの利用のみで実現していた入退室管理や勤怠管理に、顔認証を導入することができる。そして、顔認証用の顔画像データが自動登録されるため、利用者は、わざわざIDカードをかざさなくても、電気錠の開錠やタイムカードの打刻が可能になる。さらに、開錠時(打刻時)の映像と利用者IDとを関連付けて登録することができる。この結果、管理者によるチェックを一層厳密に行うことができるとともに、不正防止を図ることができる。なお、ICカードの利用と顔認証処理との二重照合も可能であり、この二重照合を行うことによって、通常よりもセキュリティの高いシステムを実現することができる。
【0066】
また、上記実施例1及び2では、操作器2をカードリーダとする場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。操作器2は、ID情報のやり取りができればよく、社員証などのICカードでなくても適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)のディスプレイにウェブカメラを取り付け、ログインする際のユーザ名とパスワードと顔画像データとを関連付けるようにして顔画像データを登録することができる。また、マンションのエントランスに設置されているオートロックなどに対しても、顔画像データと開錠用のパスワードとを関連付けて登録することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る顔認証データベース管理方法、顔認証データベース管理装置及び顔認証データベース管理プログラムは、入退室監視システムや勤怠管理システムなどに適しており、特に、自動更新登録による認証精度の低下を抑制するとともに安定した認証精度を得る場合に適している。
【符号の説明】
【0068】
1 入退室管理装置
2 操作器
2a IDカード
3 カメラ
4 制御部
5 顔認証データベース
10 ゲート
11 操作検出部
12 顔画像検出部
13 登録処理部
14 顔認証処理部
15 更新登録処理部
16 認証利用度更新部
17 警報出力部
20 画像データ
21 顔画像データ
M 利用者
Fth,FSth 更新しきい値
S1th〜S3th スコアしきい値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を一意に識別する利用者識別情報と、撮像装置により撮像された利用者の複数の顔画像データとを関連付けて記憶する顔認証データベースを管理する顔認証データベース管理方法であって、
前記撮像装置により撮像された画像データから利用者の顔部分を含む顔画像データを検出する顔画像データ検出工程と、
前記顔画像データ検出工程により検出された顔画像データと前記顔認証データベースに格納されている顔画像データとの類似度をもとに前記利用者の顔認証処理を行う顔認証処理工程と、
前記顔認証処理工程により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度に基づいて顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録する更新登録処理工程と、
前記顔認証処理の都度、前記認証利用度を更新する認証利用度更新工程と
を含んだことを特徴とする顔認証データベース管理方法。
【請求項2】
前記更新登録処理工程は、前記顔認証処理工程により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録することを特徴とする請求項1に記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項3】
前記更新登録処理工程は、利用者に対応する顔認証データベース内の格納領域内の各顔画像データのうち、登録後所定の回数以上の顔認証が行われていない顔画像データを削除対象から除外することを特徴とする請求項1又は2に記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項4】
前記認証利用度は、前記利用者の顔認証回数に対する顔認証の決定に用いられた回数の比を示す認証頻度であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項5】
前記認証利用度は、顔認証の決定に用いられた顔画像データと前記検出された顔画像データとの類似度とをもとに与えられるスコアを累積した認証スコアであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項6】
前記認証スコアは、前記類似度が所定値以上である場合にスコアが加算されることを特徴とする請求項5に記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項7】
前記認証スコアは、類似度を多段階領域に分け、前記類似度が大きい領域に大きなスコアを加算したものであることを特徴とする請求項5に記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項8】
前記認証スコアは、前記類似度の順位に応じて大きなスコアが加算されることを特徴とする請求項5に記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項9】
前記認証利用度は、現在時刻までの所定期間内の利用度であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の顔認証データベース管理方法。
【請求項10】
利用者を一意に識別する利用者識別情報と、撮像装置により撮像された利用者の複数の顔画像データとを関連付けて記憶する顔認証データベースを管理する顔認証データベース管理装置であって、
前記撮像装置により撮像された画像データから利用者の顔部分を含む顔画像データを検出する顔画像データ検出部と、
前記顔画像データ検出部により検出された顔画像データと前記顔認証データベースに格納されている顔画像データとの類似度をもとに前記利用者の顔認証処理を行う顔認証処理部と、
前記顔認証処理部により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度に基づいて顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録する更新登録処理部と、
前記顔認証処理の都度、前記認証利用度を更新する認証利用度更新部と
を備えたことを特徴とする顔認証データベース管理装置。
【請求項11】
前記更新登録処理部は、前記顔認証処理部により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録することを特徴とする請求項10に記載の顔認証データベース管理装置。
【請求項12】
前記更新登録処理部は、利用者に対応する顔認証データベース内の格納領域内の各顔画像データのうち、登録後所定の回数以上の顔認証が行われていない顔画像データを削除対象から除外することを特徴とする請求項10又は11に記載の顔認証データベース管理装置。
【請求項13】
利用者を一意に識別する利用者識別情報と、撮像装置により撮像された利用者の複数の顔画像データとを関連付けて記憶する顔認証データベースを管理する顔認証データベース管理装置に用いられる顔認証データベース管理プログラムであって、
前記撮像装置により撮像された画像データから利用者の顔部分を含む顔画像データを検出する顔画像データ検出手順と、
前記顔画像データ検出手順により検出された顔画像データと前記顔認証データベースに格納されている顔画像データとの類似度をもとに前記利用者の顔認証処理を行う顔認証処理手順と、
前記顔認証処理手順により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度に基づいて顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録する更新登録処理手順と、
前記顔認証処理の都度、前記認証利用度を更新する認証利用度更新手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする顔認証データベース管理プログラム。
【請求項14】
前記更新登録処理手順は、前記顔認証処理手順により前記検出された顔画像データに対する前記利用者が登録済みであると顔認証され、かつ、該顔認証された利用者に対応する前記顔認証データベース内の格納領域に空きがない場合に、該格納領域内の各顔画像データに対応して格納され過去の顔認証の決定に用いられた顔画像データの利用度を示す認証利用度が所定のしきい値以下であり、かつ、最も古い顔画像データを前記顔認証データベースから削除し、前記検出された顔画像データを登録することを特徴とする請求項13に記載の顔認証データベース管理プログラム。
【請求項15】
前記更新登録処理手順は、利用者に対応する顔認証データベース内の格納領域内の各顔画像データのうち、登録後所定の回数以上の顔認証が行われていない顔画像データを削除対象から除外することを特徴とする請求項13又は14に記載の顔認証データベース管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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