説明

顕微鏡装置

【課題】撮像のために試料を照射する光の光量に影響されることなく、高精度に自動合焦を行うことができる。
【解決手段】第1の光学系107は、第1の光源105及び第2の光源106からの光が照射され、第1のスペクトルと第2のスペクトルを重ね合わせたスペクトルを有する光を照射する。第3の光学系110は、第2の光学系109からの光が入射され、第1の波長領域の光と第2の波長領域の光とを分けて出射する。撮像部112は、第3の光学系110からの第1の波長領域の光が入射され、第1の波長領域の光による標本スライド101の像を撮像する。AF部114は、第3の光学系110からの第2の波長領域の光が入射され、第2の波長領域の光による標本スライド101の像の少なくとも一部のコントラストに応じてステージ102または第2の光学系109を調節することで撮像部112の焦点を合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スライドガラス上に病理標本や生物組織など(標本サンプル)を載置し、スライドガラスの透過光、つまり標本サンプルの光像を電子カメラなどの撮像装置で撮像することで画像を取得し、取得した画像をモニタ上で観察するデジタル顕微鏡装置がある。近年、低消費電力であり、低発熱であり、寿命が長くメインテナンスが容易などの理由で白色LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)が顕微鏡の照明光源として普及し始めており、光学顕微鏡にも適用されつつある(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
【0003】
図10は、従来知られている、照明光源に白色LEDを用いた生物顕微鏡の構成を示した概略図である。通常、生物分野に用いる顕微鏡では、反射率の低い透過型のスライド標本を使用することから、光像のコントラストを検出してオートフォーカス(以下、AFと称す)動作を行なう、いわゆるパッシブAF方式が用いられる。
【0004】
図示する顕微鏡装置1000は、試料1001が載置されるステージ1002と、ステージ1002を水平方向と光軸方向とに駆動するステージ駆動部1003を備えている。また、顕微鏡装置1000は、試料1001を照明する白色LED1004と、白色LED1004の光を集光するコンデンサレンズ1005と、試料1001に対向するように複数のレンズで構成された対物レンズ1006と、対物レンズ1006の光軸に沿って配置された結像レンズ1007と、試料1001の像を撮影するカメラ1008とを備えている。
【0005】
また、顕微鏡装置1000は、試料1001の像をカメラ1008に合焦させるために必要な合焦信号を生成するAFユニット1009と、AFユニット1009が生成する合焦信号に基づいてステージ駆動部1003を制御するステージ制御部1010とを備えている。また、顕微鏡装置1000は、試料1001からの光を分配してAFユニット1009に導くビームスプリッタ1011を対物レンズ1006の光軸上に備えている。また、顕微鏡装置1000は、ビームスプリッタ1011からの光を集光し、AFユニット1009に導くコンデンサレンズ1012が備えている。
【0006】
次に、顕微鏡装置1000による試料1001の撮像方法について説明する。まず、ステージ駆動部1003はステージ1002を水平方向に駆動させ、ステージ1002に載置された試料1001の所定の撮影領域をカメラ1008の視野範囲に移動させる。次に、AFユニット1009は、試料1001からの光像のコントラストを検出し、検出したコントラストに基づいて合焦信号を生成する。また、AFユニット1009は、生成した合焦信号をステージ制御部1010に対して入力する。ステージ制御部1010は、入力された合焦信号を解析し、カメラ1008の撮像素子面上に試料1001の像が結像するようにステージ駆動部1003を制御し、ステージ1002を光軸に移動させる。カメラ1008の撮像素子面上に試料1001の像が結像した場合、カメラ1008は試料1001の所定の撮影領域の画像の取得を行う。
【0007】
このように、試料1001からの光を分割して、カメラ1008とAFユニット1009とに光を導く顕微鏡装置1000が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−148296号公報
【特許文献2】米国特許第7576307号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“研究・検査用生物顕微鏡株式会社ニコンホームページ”、[online]、[平成23年2月22日検索]、インターネット<URL : http://www.nikon-instruments.jp/jpn/page/products/50i55i.aspx>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
高精度にAFを行うためには、AFユニットが備えているAFセンサに十分な光を供給し、AFセンサが発生する雑音に対して十分大きなAF信号を生成させる必要がある。また、従来の顕微鏡装置の代表的な光源であるハロゲンランプに比べて、白色LEDの光量は少ない。そのため、顕微鏡装置の光源に白色LEDを用いた場合、高画質の画像を撮像するために撮影用カメラへの光量配分を多くすると、AFユニットへの光が不十分となり、高精度なAFを行うことができないという問題がある。
【0011】
また、近年、細胞や組織診断といった病理学の分野などにおいて、標本スライドをエリアカメラもしくはラインカメラ等の撮像装置を用いて高解像度で分割撮影し、その撮影した分割画像を張り合わせて標本スライド全体をデジタル画像化して、これをPCのモニタ上に表示を行い、あたかも実際の顕微鏡で試料を観察しているかのように操作することができるバーチャル顕微鏡装置が普及し始めている。このようなバーチャル顕微鏡装置においては、病理診断の効率を向上させるために高速な画像読み取りができる装置が強く要求されている。従って、撮像装置の露光時間を長くすることができないためAFユニットへの光が不十分となり、高精度なAFを行うことができないという問題がある。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、撮像のために試料を照射する光の光量に影響されることなく、高精度に自動合焦を行うことができる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第1の波長領域に強度分布を有する第1のスペクトルを持つ光を照射する第1の光源と、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に強度分布を有する第2のスペクトルを持つ光を照射する第2の光源と、前記第1の光源及び前記第2の光源からの光が照射され、前記第1のスペクトルと前記第2のスペクトルを重ね合わせたスペクトルを有する光を照射する第1の光学系と、前記第1の光学系からの光が試料に入射されるように前記試料を保持するステージと、前記第1の光学系からの光による前記試料の像を拡大する第2の光学系と、前記第2の光学系からの光が入射され、前記第1の波長領域の光と前記第2の波長領域の光とを分けて出射する第3の光学系と、前記第3の光学系からの前記第1の波長領域の光が入射され、当該第1の波長領域の光による前記試料の像を撮像する撮像部と、前記第3の光学系からの前記第2の波長領域の光が入射され、当該第2の波長領域の光による前記試料の像の少なくとも一部のコントラストに応じて前記ステージまたは前記第2の光学系を調節することで前記撮像部の焦点を合わせるオートフォーカス部と、を有することを特徴とする顕微鏡装置である。
【0014】
また、本発明の顕微鏡装置において、前記第1の光学系は、第1のダイクロイックミラーを有し、前記第3の光学系は、第2のダイクロイックミラーを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明における顕微鏡装置において、前記オートフォーカス部は、前記第2の波長領域の光による前記試料の像の少なくとも一部のコントラストに応じたオートフォーカス信号を生成し、前記オートフォーカス部が生成するオートフォーカス信号に基づいて、前記第2の光源が照射する光の光量を制御する光量調節部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の顕微鏡装置において、前記第1の光源は白色LEDで、前記第1の波長領域は可視光領域であり、前記第2の光源は赤外線照射装置で、前記第2の波長領域は赤外領域であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の顕微鏡装置において、前記ステージは、前記第1の光学系と前記第2の光学系との間に配置され、前記第2の光学系は、前記試料の透過像を拡大することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1の光源は、第1の波長領域に強度分布を有する第1のスペクトルを持つ光を照射する。また、第2の光源は、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に強度分布を有する第2のスペクトルを持つ光を照射する。また、第1の光学系は、第1の光源及び第2の光源からの光が照射され、第1のスペクトルと第2のスペクトルを重ね合わせたスペクトルを有する光を照射する。また、ステージは、第1の光学系からの光が試料に入射されるように試料を保持する。また、第2の光学系は、第1の光学系からの光による試料の像を拡大する。また、第3の光学系は、第2の光学系からの光が入射され、第1の波長領域の光と第2の波長領域の光とを分けて出射する。また、撮像部は、第3の光学系からの第1の波長領域の光が入射され、当該第1の波長領域の光による試料の像を撮像する。また、オートフォーカス部は、第3の光学系からの第2の波長領域の光が入射され、当該第2の波長領域の光による試料の像の少なくとも一部のコントラストに応じてステージまたは第2の光学系を調節することで撮像部の焦点を合わせる。
【0019】
これにより、顕微鏡装置は、第2の光源が照射する、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に強度分布を有する第2のスペクトルを持つ光のみを用いてAF処理を行うことができるため、第1の光源が照射する、第1の波長領域に強度分布を有する第1のスペクトルを持つ光の光量に影響されることなく、高精度に自動合焦を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態における顕微鏡装置の構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における第1の光源および第2の光源の波長特性と、第1の光学系および第3の光学系の波長特性との関係を示したグラフである。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるAF部の構成を示した概略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるラインセンサの上面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態において、標本スライドの位置を第2の光学系の光軸方向に変化させたときの前ピンコントラスト信号と後ピンコントラスト信号の変化を示したグラフである。
【図6】本発明の第1の実施形態において、標本スライドの位置を光軸方向に変化させたときの差分コントラスト信号値の変化を示したグラフである。
【図7】本発明の第2の実施形態における顕微鏡装置の構成を示した概略図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における光源ユニットが備える第1の光源と第2の光源との配置を示した概略図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における顕微鏡装置の構成を示した概略図である。
【図10】従来知られている、照明光源に白色LEDを用いた生物顕微鏡の構成を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における顕微鏡装置1の構成を示した概略図である。図示する例では、顕微鏡装置1は、ステージ102と、ステージ駆動部103と、ステージ制御部104と、第1の光源105と、第2の光源106と、第1の光学系107と、コンデンサレンズ108と、第2の光学系109と、第3の光学系110と、第1の結像レンズ111と、撮像部112と、第2の結像レンズ113と、AF(Autofocus、オートフォーカス)部114とを備える。
【0022】
ステージ102は、スライドガラス上に病理標本や生物組織などを載置した標本スライド101(試料)を載置するための台である。ステージ102は、第1の光学系107と第2の光学系109との間に配置されている。ステージ駆動部103は、ステージ102を水平及び垂直方向に駆動する。ステージ制御部104は、AF部114が出力するAF信号(オートフォーカス信号)に基づいてステージ駆動部103を制御する。第1の光源105は、例えば白色LEDなどであり、撮像部112が標本スライド101の像を撮像するために用いる可視光(第1の波長領域に強度分布を有する第1のスペクトルを持つ光)を発生する光源である。第2の光源106は、例えば赤外線照射装置(赤外LED)などであり、AF部114が標本スライド101の像に基づいてAF信号を生成するために用いる不可視光(第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に強度分布を有する第2のスペクトルを持つ光)を発生する光源である。
【0023】
第1の光学系107は、例えばダイクロイックミラーであり、第1の光源105からの可視光と第2の光源106からの不可視光とを合わせた光(混合光、第1のスペクトルと第2のスペクトルを重ね合わせたスペクトルを有する光)をコンデンサレンズ108に対して照射する。図示する例では、第1の光学系107は、第1の光源105からの可視光を透過し、第2の光源106からの不可視光をコンデンサレンズ108の方向に反射することで、第1の光源105からの可視光と第2の光源106からの不可視光とを合わせた光をコンデンサレンズ108に対して照射する。
【0024】
コンデンサレンズ108は、第1の光学系107が照射した混合光を集光して標本スライド101に対して照射する。第2の光学系109は、複数のレンズで構成された対物レンズであり、標本スライド101に対向するように配置されている。また、第2の光学系109は、標本スライド101からの光束を集光させ、集光させた混合光を第3の光学系110に対して照射する。このように、第2の光学系109は、標本スライド101の透過像を拡大する。
【0025】
第3の光学系110は、例えばダイクロイックミラーであり、第2の光学系109からの混合光に含まれる可視光を第1の結像レンズ111に対して照射し、第2の光学系109からの混合光に含まれる不可視光を第2の結像レンズ113に対して照射する。図示する例では、第3の光学系110は、第2の光学系109からの混合光に含まれる可視光を透過し、第2の光学系109からの混合光に含まれる不可視光を第2の結像レンズ113の方向に反射することで、第2の光学系109からの混合光に含まれる可視光を第1の結像レンズ111に対して照射し、第2の光学系109からの混合光に含まれる不可視光を第2の結像レンズ113に対して照射する。なお、第3の光学系110が透過し、第1の結像レンズ111に入射される可視光の光路を光路Aとする。また、第3の光学系110が反射し、第2の結像レンズ113に入射される不可視光の光路を光路Bとする。
【0026】
第1の結像レンズ111は、第2の光学系109の光軸に沿って配置されている。また、第1の結像レンズ111は、第2の光学系109が集光した混合光のうち、第3の光学系110が透過した可視光を撮像部112が備える撮像素子の撮像面上に結像させる。これにより、標本スライド101からの混合光に含まれる可視光は、撮像部112に導かれる。撮像部112が備える撮像素子は、標本スライド101からの可視光を受光し、受光した可視光を、受光した可視光の強度に応じた電気信号に光電変換する。撮像部112は、撮像素子が光電変換した電気信号に基づいて標本スライド101の画像データを生成する。
【0027】
第2の結像レンズ113は、第2の光学系109が集光した混合光のうち、第3の光学系110が反射した不可視光をAF部114が備えるラインセンサの受光面上に結像させる。これにより、標本スライド101からの混合光に含まれる不可視光は、AF部114に導かれる。AF部114は、不可視光を光電変換するラインセンサを備えており、標本スライド101からの不可視光を受光し、受光した不可視光の強度に応じた電気信号に光電変換する。また、AF部114は、ラインセンサが光電変換した電気信号に基づいてAF信号を生成する。
【0028】
なお、図1において、光路Aと平行な方向をZ軸とし、光路Bと平行な方向をX軸とし、X軸とZ軸との両方と垂直な方向をY軸とする。また、顕微鏡装置1は、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)と、ROM(Read Only Memory、読み出し専用記憶装置)と、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)と、外部記憶装置等とを含む、図示せぬコンピュータシステムを有している。そして、上述したステージ制御部104と、撮像部112と、AF部114とにより行なわれる処理の過程は、コンピュータシステムにより制御される。また、例えば、ステージ駆動部103と、ステージ制御部104と、AF部114とが、本発明のオートフォーカス部に対応する。
【0029】
次に、第1の光源105および第2の光源106の波長特性と、第1の光学系107および第3の光学系110の波長特性とについて説明する。図2は、本実施形態における第1の光源105および第2の光源106の波長特性と、第1の光学系107および第3の光学系110の波長特性との関係を示したグラフである。なお、図示するグラフは、第1の光源105が白色LEDであり、第2の光源106が赤外LEDであり、第1の光学系107および第3の光学系110がダイクロイックミラーである場合の特性を示している。
【0030】
図示するグラフの横軸は波長を示している。また、図示するグラフの縦軸は、光の強度と、光を透過するか反射するかを示している。また、曲線201は、第1の光源105が発生する可視光の各波長成分の強度を示している。また、曲線202は、第2の光源106が発生する不可視光の各波長成分の強度を示している。また、破線203は、第1の光学系107および第3の光学系110が光を透過するか反射するかを示している。
【0031】
図示するように、第1の光源105が発生する光は、可視光成分(可視光である波長)の光の強度が強い。また、第2の光源106が発生する光は、不可視光成分(不可視光である波長)の光の強度が強い。また、第1の光学系107および第3の光学系110は、可視光成分の波長の光を透過し、不可視光成分の波長の光を反射する。すなわち、第1の光学系107および第3の光学系110は、可視光を透過し、不可視光を反射する。
【0032】
次に、AF部114の構成について説明する。図3は、本実施形態におけるAF部114の構成を示した概略図である。図示する例では、AF部114は、ハーフミラー1141と、ミラー1142と、ラインセンサ1143と、コントラスト検出部1144とを備える。ハーフミラー1141は、第2の結像レンズ113とラインセンサ1143との間に配置されている。また、ハーフミラー1141は、第2の結像レンズ113からの不可視光の一部を透過して一部をミラー1142の方向に反射する。これにより、ハーフミラー1141は、第2の結像レンズ114からの不可視光を、ラインセンサ1143の方向と、ミラー1142の方向とに2分割する。ミラー1142は、ハーフミラー1141が反射した不可視光を、ラインセンサ1143の方向に反射する。
【0033】
なお、ハーフミラー1141が透過し、ラインセンサ1143に入射する不可視光の光路を光路Cとする。また、ハーフミラー1141が反射し、ミラー1142が反射し、ラインセンサ1143に入射する不可視光の光路を光路Dとする。なお、ミラー1142は、反射した不可視光の光路が光路Cと略平行になるように配置されている。また、光路Cはハーフミラー1141から直接ラインセンサ1143に導かれる光路であり、光路Dはハーフミラー1141からミラー1142を介してラインセンサ1143に導かれる光路であるため、光路Dの光路長は、光路Cの光路長よりも長い。
【0034】
ラインセンサ1143は、光路C上かつ光路D上に配置され、光路Cに導かれた標本スライド101からの不可視光と、光路Dに導かれた標本スライド101からの不可視光とを受光し、受光した不可視光の強さに応じた電気信号に光電変換し出力する。なお、ラインセンサ1143の光検出面である平面を受光面とする。コントラスト検出部1144は、ラインセンサ1143が出力する電気信号に基づいて、光路Cに導かれてラインセンサ1143に入射される標本スライド101からの不可視光のコントラストと、光路Dに導かれてラインセンサ1143に入射される標本スライド101からの不可視光のコントラストとの差を検出する。また、コントラスト検出部1144は、検出したコントラストの差を示すコントラスト信号を生成し、生成したコントラスト信号をステージ制御部104に入力する。なお、図3において、ラインセンサ1143からハーフミラー1141の方向をz軸とし、ハーフミラー1141からミラー1142の方向をx軸とし、x軸とz軸との両方と垂直な方向をy軸とする。
【0035】
次に、ラインセンサ1143の構成について説明する。図4は、本実施形態におけるラインセンサ1143の上面図である。図示するように、ラインセンサ1143は、列を成して直線上に配置された複数の受光素子401を備えている。また、図4は、本実施形態において、ラインセンサ1143に投影される、光路Cに導かれた不可視光による投影像が表示される領域410と、光路Dに導かれた不可視光による投影像が表示される領域411とを示している。本実施形態では、光路Cに導かれた不可視光(ハーフミラー1141が透過した光)による投影像は、領域410に投影される。また、光路Dに導かれた光(ハーフミラー1141が反射し、ミラー1142が反射した光)による投影像は、領域411に投影される。上述したとおり、光路Cの光路長よりも、光路Dの光路長の方が長い。そのため、光路Cに導かれた不可視光の結像点は、ラインセンサ1143の後方(図3、平面m上の後ピン位置301)となり、光路Dに導かれた不可視光の結像点はラインセンサ1143の前方(図3、平面n上の前ピン位置302)となる。
【0036】
次に、ラインセンサ1143が出力する信号について説明する。ラインセンサ1143は、光路Cに導かれて入射した不可視光と、光路Dに導かれて入射した不可視光とを受光し、受光した光の強度に応じた電気信号に光電変換して出力する。ここで、ラインセンサ1143が、光路Cに導かれた像(不可視光)を光電変換した電気信号を、後ピン信号と定義し、ラインセンサ1143が、光路Dに導かれた像を光電変換した電気信号を、前ピン信号と定義する。
【0037】
次に、コントラスト検出部1144が生成するコントラスト信号について説明する。ラインセンサ1143が出力する前ピン信号と後ピン信号は、コントラスト検出部1144に入力される。コントラスト検出部1144は、前ピン信号と後ピン信号とのコントラスト差を検出し、差分コントラスト信号を生成する。具体的には、コントラスト検出部1144は、先ず、前ピン信号と後ピン信号との各々において、受光素子401の画素間出力差の絶対値をとり、その総和を取った前ピンコントラスト信号と後ピンコントラスト信号を生成する。次に、コントラスト検出部1144は、前ピンコントラスト信号と後ピンコントラスト信号の差分をとり、差分コントラスト信号を生成する。
【0038】
図5は、標本スライド101の位置を第2の光学系109の光軸方向(図1、Z軸方向)に変化させたときの前ピンコントラスト信号と後ピンコントラスト信号の変化を示したグラフである。図示するグラフの横軸は、標本スライド101と第2の光学系109との間の距離(デフォーカス量)を示し、縦軸は、コントラスト信号値を示す。また、曲線501は、デフォーカス量と前ピンコントラスト信号値との関係を示す。また、曲線502は、デフォーカス量と後ピンコントラスト信号値との関係を示す。Z軸方向に移動するステージ102に載置された標本スライド101を、第2の光学系109に対して十分に遠い位置(−Z)から十分に近い位置(+Z)まで移動させると、先ず、前ピンコントラスト信号値が、光路Dによる投影像合焦位置(前ピン位置)で最大となりその後低下する。続いて、後ピンコントラスト信号値が、光路Cによる投影像合焦位置(後ピン位置)で最大となりその後低下する。
【0039】
図6は、標本スライド101の位置を光軸方向(Z軸方向)に変化させたときの差分コントラスト信号値の変化を示したグラフである。図示するグラフの横軸は、標本スライド101と第2の光学系109との間の距離(デフォーカス量)を示し、縦軸は、差分コントラスト信号値を示す。また、曲線601は、デフォーカス量と差分コントラスト信号値との関係を示す。Z軸方向に移動するステージ102に載置された標本スライド101を、第2の光学系109に対して十分に遠い位置(−Z)から十分に近い位置(+Z)まで移動させると、差分コントラスト信号値は、光路Dによる投影像合焦位置で極大となり、その後急峻に低下してゼロとなり、光路Cによる投影像合焦位置で極小となるS字カーブを描く。
【0040】
なお、本実施形態では、撮像部112が備える撮像素子の撮像面は、差分コントラスト信号値がゼロの時に標本スライド101の像が結像する位置に配置されている。そのため、ステージ制御部104は、AF部114(コントラスト検出部1144)から入力される差分コントラスト信号値がゼロとなるように標本スライド101の位置(ステージ102の位置)をZ軸方向に移動させることで、撮像部112が備える撮像素子のピントが標本スライド101に合うように制御することができる(光路差AF)。なお、撮像部112が備える撮像素子のピントが標本スライド101に合うように制御する処理を合焦処理と呼ぶ。
【0041】
具体的には、ステージ制御部104は、入力される差分コントラスト信号値が正のとき、撮像部112が備える撮像素子のピントは前ピン状態にあると判断し、ステージ駆動部103に、差分コントラスト信号の大きさに従った移動量で−Z軸方向にステージ102を移動させる。また、ステージ制御部104は、入力される差分コントラスト信号値が負のとき、撮像部112が備える撮像素子のピントは後ピン状態にあると判断し、ステージ駆動部103に、差分コントラスト信号の大きさに従った移動量で+Z軸方向にステージ102を移動させる。ステージ制御部104は、この操作を繰り返し、入力される差分コントラスト信号値がゼロとなったならば、撮像部112が備える撮像素子は合焦状態であると判断し、合焦処理を終了する。
【0042】
次に、本実施形態における顕微鏡装置1の動作について説明する。初めに、ステージ制御部104は、ステージ駆動部103にステージ102を水平方向に駆動させ、第2の光学系109の光軸上に標本スライド101の撮影すべき所定の領域を移動させる。次に、第1の光源105は標本スライド101を照射する可視光を発生し、第2の光源106は、標本スライド101を照射する不可視光を発生する。第1の光学系107は、第1の光源105が発生した可視光と第2の光源106が発生した不可視光とを合わせた光(混合光)をコンデンサレンズ108に対して照射する。
【0043】
コンデンサレンズ108は、第1の光学系107が照射した混合光を集光して標本スライド101に対して照射する。標本スライド101を透過した混合光は、第2の光学系109で集光され、第3の光学系110により、可視光は第1の結像レンズ111の方向に分割され、不可視光は第2の結像レンズ113の方向に分割される。
【0044】
第1の結像レンズ111の方向に分割された可視光は、第1の結像レンズ111を介して、撮像部112が備える撮像素子の撮像面に照射される。一方、第2の結像レンズ113の方向に分割された不可視光は、第2の結像レンズ113を介して、AF部114に入射する。AF部114に入射した不可視光は、ハーフミラー1141に入射する。ハーフミラー1141に入射した不可視光は、ラインセンサ1143の方向と、ミラー1142の方向とに分割される。
【0045】
ラインセンサ1143の方向に分割された不可視光は、光路Cに導かれてラインセンサ1143に投影される。光路Cに導かれた光の投影像は、図4に示した領域410に投影される。一方、ミラー1142の方向に分割された光は、ミラー1142を介して、即ち、光路Dに導かれて、ラインセンサ1143に投影される。光路Dに導かれた光の投影像は、図4に示した領域411に投影される。
【0046】
次に、ラインセンサ1143は、光路Cに導かれて領域410に入射した光と、光路Dに導かれて領域411に入射した光とを受光し、受光した光の強さに応じた前ピン信号と後ピン信号とを出力する。ラインセンサ1143が出力する前ピン信号と後ピン信号とは、コントラスト検出部1144に入力される。コントラスト検出部1144は、前ピン信号と後ピン信号とのコントラスト差を検出してAF信号(差分コントラスト信号)を生成し、ステージ制御部104に入力する。ステージ制御部104は、コントラスト検出部1144から入力されるAF信号値がゼロとなるように標本スライド101の位置(ステージ102の位置)をZ軸方向に移動させ、撮像部112が備える撮像素子のピントが標本スライド101に合うように制御する。そして、ステージ制御部104は、コントラスト検出部1144から入力されるAF信号値がゼロとなったならば、撮像部112が備える撮像素子のピントは合焦状態であると判定し、合焦処理を終了する。合焦処理の終了後、図示せぬコンピュータシステムの指令により、撮像部112は標本スライド101を撮影し、標本スライド101の画像データを生成する。
【0047】
上述したとおり、本実施形態によれば、第1の光源105は可視光を発生し、第2の光源106は不可視光を発生する。そして、第1の光学系107は、可視光と不可視光とを合わせた混合光を標本スライド101に対して照射する。また、第3の光学系110は、標本スライド101を透過した混合光を可視光と不可視光とに分割する。そして、AF部114は、不可視光を用いてAF処理を行い、撮像部112は可視光を用いて標本スライド101を撮像する。これにより、顕微鏡装置1は、第2の光源106が発生した不可視光のみを用いてAF処理を行うことができるため、第1の光源105が発生する可視光の光量に影響されることなく、高精度に自動合焦を行うことができる。
【0048】
また、撮像装置1は、第1の光源105が発生した可視光を全て撮像部112に供給することができるため、高画質な画像を取得することができる。また、撮像装置1は、第2の光源106が発生した不可視光を全てAF部114に供給することができるため、高精度に自動合焦を行うことができる。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態における顕微鏡装置2の構成と、第1の実施形態における顕微鏡装置1の構成とで異なる点は、標本スライド101を照射する光源の構成と、可視光と不可視光とを合わせた光(混合光)を照射する第1の光学部の構成である。
【0050】
図7は、本実施形態における顕微鏡装置2の構成を示した概略図である。図示する例では、顕微鏡装置2は、ステージ102と、ステージ駆動部103と、ステージ制御部104と、光源ユニット701と、第1の光学系702と、コンデンサレンズ108と、第2の光学系109と、第3の光学系110と、第1の結像レンズ111と、撮像部112と、第2の結像レンズ113と、AF部114とを備える。
【0051】
ステージ102と、ステージ駆動部103と、ステージ制御部104と、コンデンサレンズ108と、第2の光学系109と、第3の光学系110と、第1の結像レンズ111と、撮像部112と、第2の結像レンズ113と、AF部114との構成は、第1の実施形態における各部の構成と同様の構成である。
【0052】
光源ユニット701は、可視光を発生する複数の第1の光源と、不可視光を発生する複数の第2の光源とを備える。図8は、本実施形態における光源ユニット701が備える第1の光源と第2の光源との配置を示した概略図である。図示する例では、光源ユニット701には、複数の第1の光源7011と、複数の第2の光源7012とが交互に配置されている。第1の光源7011は可視光を発生する。また、第2の光源7012は不可視光を発生する。これにより、光源ユニット701は、可視光と不可視光とを発生することができる。
【0053】
第1の光学系702は、例えば拡散板や、光ファイバや、フライアイレンズであり、光源ユニット701が備える複数の第1の光源7011が発生した可視光と、複数の第2の光源7012とが発生した不可視光とを均一に拡散混合し、拡散混合した光(混合光)をコンデンサレンズ108に対して照射する。
【0054】
コンデンサレンズ108に照射された混合光は、第1の実施形態と同様に、標本スライド101を透過し、第2の光学系109で集光され、第3の光学系110により、可視光は第1の結像レンズ111の方向に分割され、不可視光は第2の結像レンズ113の方向に分割される。そして、第1の結像レンズ111の方向に分割された可視光は、第1の結像レンズ111を介して、撮像部112が備える撮像素子の撮像面に照射される。一方、第2の結像レンズ113の方向に分割された不可視光は、第2の結像レンズ113を介して、AF部114に入射する。AF部114は、不可視光を用いてAF処理を行い、撮像部112は可視光を用いて標本スライド101を撮像する。
【0055】
従って、撮像装置2は、光源ユニット701が備える複数の第1の光源7011が発生した可視光を全て撮像部112に供給することができるため、高画質な画像を取得することができる。また、撮像装置2は、光源ユニット701が備える複数の第2の光源7012が発生した不可視光を全てAF部114に供給することができるため、高精度に自動合焦を行うことができる。また、撮像装置2は、光源ユニット701が備える複数の第2の光源7012が発生した不可視光のみを用いてAF処理を行うことができるため、光源ユニット701が備える複数の第1の光源7011が発生する可視光の光量に影響されることなく、高精度に自動合焦を行うことができる。
【0056】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態における顕微鏡装置の構成と、第1の実施形態における顕微鏡装置1の構成とで異なる点は、本実施形態における顕微鏡装置は、AF部114が出力するAF信号の強度に応じて、第2の光源106が発生する不可視光の光量を調節する光量調整部を備えている点である。
【0057】
図9は、本実施形態における顕微鏡装置3の構成を示した概略図である。図示する例では、顕微鏡装置3は、ステージ102と、ステージ駆動部103と、ステージ制御部104と、第1の光源105と、第2の光源106と、第1の光学系107と、コンデンサレンズ108と、第2の光学系109と、第3の光学系110と、第1の結像レンズ111と、撮像部112と、第2の結像レンズ113と、AF部114と、光量調整部901とを備える。
【0058】
ステージ102と、ステージ駆動部103と、ステージ制御部104と、第1の光源105と、第2の光源106と、第1の光学系107と、コンデンサレンズ108と、第2の光学系109と、第3の光学系110と、第1の結像レンズ111と、撮像部112と、第2の結像レンズ113と、AF部114との構成は、第1の実施形態における各部の構成と同様の構成である。
【0059】
光量調整部901は、AF部114が出力するAF信号を取得し、取得したAF信号の強度に基づいて第2の光源106が発生する不可視光の光量を調整する。具体的には、AF部114が出力するAF信号の信号強度が、ステージ制御部104によるステージ駆動部103の駆動を精度良く行うことができないくらい小さい場合には、光量調整部901は、第2の光源106が発生する不可視光の光量が大きくなるように第2の光源106を制御する。また、AF部114が出力するAF信号の信号強度が、ステージ制御部104によるステージ駆動部103の駆動を精度良く行うことができないくらい大きい場合には、光量調整部901は、第2の光源106が発生する不可視光の光量が小さくなるように第2の光源106を制御する。
【0060】
例えば、標本スライド101が光を透過しにくい場合、AF部114に入射する不可視光の光量は少なくなり、AF部114が出力するAF信号の出力強度が小さくなるが、本実施形態では、AF部114が出力するAF信号の出力強度が小さい場合、光量調整部901は、第2の光源106が発生する不可視光の光量が大きくなるように第2の光源106を制御するため、高精度でかつ安定したAF動作を行うことができる。また、標本スライド101が光を透過しやすい場合、AF部114に入射する不可視光の光量は大きくなり、AF部114が出力するAF信号の出力強度が大きくなるが、本実施形態では、AF部114が出力するAF信号の出力強度が大きい場合、光量調整部901は、第2の光源106が発生する不可視光の光量が小さくなるように第2の光源106を制御するため、高精度でかつ安定したAF動作を行うことができる。
【0061】
上述した通り、本実施形態によれば、撮像装置3は、第1の光源105が発生した可視光を全て撮像部112に供給することができるため、高画質な画像を取得することができる。また、撮像装置3は、第2の光源106が発生した不可視光を全てAF部114に供給することができるため、高精度に自動合焦を行うことができる。また、撮像装置3は、第2の光源106が発生した不可視光のみを用いてAF処理を行うことができるため、第1の光源105が発生する可視光の光量に影響されることなく、高精度に自動合焦を行うことができる。さらに、撮像装置3は、標本スライド101の状況に応じてAF動作に最適な光量の不可視光を発生させるように第2の光源106を調整することができるので、高精度でかつ安定したAF動作を行うことができる。
【0062】
以上、この発明の第1の実施形態から第3の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0063】
例えば、第2の実施形態における顕微鏡装置2が、第3の実施形態における顕微鏡装置3のように光量調節部901を備え、AF部114が出力するAF信号の強度に応じて光源ユニット701が備える複数の第2の光源7012の発光量を調整するようにしてもよい。
【0064】
また、例えば、第1の実施形態から第3の実施形態では、オートフォーカス処理を行う際に、コントラスト検出部1144から入力されるAF信号値がゼロとなるように標本スライド101の位置(ステージ102の位置)をZ軸方向に移動させたがこれに限らない。例えば、オートフォーカス処理を行う際に、コントラスト検出部1144から入力されるAF信号値がゼロとなるように、第2の光学系109(対物レンズ)をZ軸方向に移動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1,2,3・・・顕微鏡装置、102・・・ステージ、103・・・ステージ駆動部、104・・・ステージ制御部、105,7011・・・第1の光源、106,7012・・・第2の光源、107,702・・・第1の光学系、108・・・コンデンサレンズ、109・・・第2の光学系、110・・・第3の光学系、111・・・第1の結像レンズ、112・・・撮像部、113・・・第2の結像レンズ、114・・・AF部、401・・・受光素子、701・・・光源ユニット、901・・・光量調整部、1141・・・ハーフミラー、1142・・・ミラー、1143・・・ラインセンサ、1144・・・コントラスト検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長領域に強度分布を有する第1のスペクトルを持つ光を照射する第1の光源と、
前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に強度分布を有する第2のスペクトルを持つ光を照射する第2の光源と、
前記第1の光源及び前記第2の光源からの光が照射され、前記第1のスペクトルと前記第2のスペクトルを重ね合わせたスペクトルを有する光を照射する第1の光学系と、
前記第1の光学系からの光が試料に入射されるように前記試料を保持するステージと、
前記第1の光学系からの光による前記試料の像を拡大する第2の光学系と、
前記第2の光学系からの光が入射され、前記第1の波長領域の光と前記第2の波長領域の光とを分けて出射する第3の光学系と、
前記第3の光学系からの前記第1の波長領域の光が入射され、当該第1の波長領域の光による前記試料の像を撮像する撮像部と、
前記第3の光学系からの前記第2の波長領域の光が入射され、当該第2の波長領域の光による前記試料の像の少なくとも一部のコントラストに応じて前記ステージまたは前記第2の光学系を調節することで前記撮像部の焦点を合わせるオートフォーカス部と、
を有することを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項2】
前記第1の光学系は、第1のダイクロイックミラーを有し、
前記第3の光学系は、第2のダイクロイックミラーを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項3】
前記オートフォーカス部は、前記第2の波長領域の光による前記試料の像の少なくとも一部のコントラストに応じたオートフォーカス信号を生成し、
前記オートフォーカス部が生成するオートフォーカス信号に基づいて、前記第2の光源が照射する光の光量を制御する光量調節部
を有することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項4】
前記第1の光源は白色LEDで、前記第1の波長領域は可視光領域であり、
前記第2の光源は赤外線照射装置で、前記第2の波長領域は赤外領域である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
【請求項5】
前記ステージは、前記第1の光学系と前記第2の光学系との間に配置され、
前記第2の光学系は、前記試料の透過像を拡大する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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