説明

風力発電装置

【課題】風力発電装置のスリップリング装置において、円筒状の導電部材に内側端子を接続する作業を容易にする構造を提供する。
【解決手段】円筒状の導電部材31Aは、第1軸に沿って延びる支持部材12Aに対して、相対的に静止している。外側端子33Aは、発電機に電気的に接続され、導電部材31Aの外周面に対して、摺接可能に接触する。内側端子34Aは、導電部材31Aの内周面に設けられた接続部に、ねじ止めまたは溶接により固定されている。また、導電部材31Aは、接続部に対向する位置に、開口部312Aを有する。導電部材31Aに内側端子34Aを固定するときには、ねじ止めまたは溶接を行うための工具を、開口部312Aを介して、接続部まで延ばすことができる。したがって、導電部材31Aの内周面に、内側端子34Aを容易かつ強固に固定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風の力を利用して電力を得る風力発電装置が知られている。特に、昨今では、二酸化炭素の排出量が多い火力発電や、放射性物質の管理が難しい原子力発電に代わる自然エネルギー技術として、風力発電へのニーズが高まっている。
【0003】
風力発電装置は、風向きに応じて回転翼の向きを変える。このため、発電により得られた電力を、回転翼の向きによらずに輸送するために、スリップリングにブラシを当接させる機構を有する場合がある。例えば、特開2000−274347号公報の風力発電装置では、発電した電力を輸送するケーブルと負荷装置との間に、スリップリング装置が設けられている(請求項1)。
【0004】
また、従来のスリップリングの構造については、例えば、特開2002−260799号公報に記載されている。特開2002−260799号公報には、多数の接点リングの内周面に、ワイヤを半田付けして、導電接続を形成することが、記載されている(段落0022,図2)。
【特許文献1】特開2000−274347号公報
【特許文献2】特開2002−260799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半田付けは、ねじ止めや溶接と比較して、電気的接続の確実性が低い。このため、スリップリングに端子をより確実に接続するためには、ねじ止めや溶接を利用することが好ましい。しかしながら、スリップリング自体の形状が環状であるために、ねじ止めまたは溶接を行うための工具を、スリップリングの内周面に対して垂直に配置することは、困難であった。それゆえ、スリップリングの内周面に、端子をねじ止めまたは溶接する作業が、困難となっていた。
【0006】
本発明の目的は、風力発電装置において、環状の導電部材の内周面に、端子を容易かつ強固に固定できる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の例示的な第1発明は、第1軸に沿って円筒状に延びる支持部材と、前記支持部材に、軸受を介して回転可能に支持されるナセルと、前記ナセルに取り付けられた発電機と、前記発電機に連結されて、第2軸を中心として回転する回転翼と、前記支持部材に対して相対的に静止した円筒状の導電部材と、前記発電機に電気的に接続され、前記導電部材の外周面に対して摺接可能に接触する外側端子と、前記導電部材の内周面に設けられた接続部に、ねじ止めまたは溶接により固定される内側端子と、を有し、前記導電部材は、前記接続部に対向する位置に、開口部を有する風力発電装置である。
【発明の効果】
【0008】
本願の例示的な第1発明によれば、ねじ止めまたは溶接を行うための工具を、開口部を介して接続部まで延ばすことができる。このため、導電部材の内周面に、内側端子を容易かつ強固に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1実施形態に係る風力発電装置の縦断面図である。
【図2】図2は、第2実施形態に係る風力発電装置の側面図である。
【図3】図3は、第2実施形態に係る風力発電装置の縦断面図である。
【図4】図4は、第2実施形態に係るシャフトの斜視図である。
【図5】図5は、第2実施形態に係る通電機構の縦断面図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係るスリップリングおよび絶縁部材の分解斜視図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る通電装置の組み立て時の様子を示す縦断面図である。
【図8】図8は、第2実施形態に係るスリップリングの側面図である。
【図9】図9は、変形例に係るスリップリングの上面図である。
【図10】図10は、変形例に係るスリップリングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<1.第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る風力発電装置1Aの縦断面図である。図1に示すように、この風力発電装置1Aは、支持部材12A、ナセル13A、発電機14A、回転翼15A、導電部材31A、外側端子33A、および内側端子34Aを有している。
【0012】
支持部材12Aは、第1軸91Aに沿って円筒状に延びている。ナセル13Aは、支持部材12Aに、軸受21Aを介して回転可能に支持されている。発電機14Aは、ナセル13Aに取り付けられている。回転翼15Aは、発電機14Aに連結されて、第2軸92Aを中心として回転する。
【0013】
導電部材31Aは、円筒状の部材であり、支持部材12Aに対して相対的に静止している。外側端子33Aは、発電機14Aと電気的に接続されている。また、外側端子33Aは、導電部材31Aの外周面に対して、摺接可能に接触している。内側端子34Aは、導電部材31Aの内周面に設けられた接続部311Aに、ねじ止めまたは溶接により、固定されている。
【0014】
また、図1に示すように、導電部材31Aは、接続部311Aに対向する位置に、開口部312Aを有している。このため、導電部材31Aに内側端子34Aを固定するときには、ねじ止めまたは溶接を行うための工具を、開口部312Aを介して、接続部311Aまで延ばすことができる。したがって、導電部材31Aの内周面に、内側端子34Aを容易かつ強固に固定できる。
【0015】
<2.第2実施形態>
<2−1.風力発電装置の全体構成>
続いて、本発明の第2実施形態について、説明する。
【0016】
図2は、第2実施形態に係る風力発電装置1の側面図である。図3は、図2中のIII−III位置から見た風力発電装置1の縦断面図である。この風力発電装置1は、外部を流れる風の力によって回転翼15を回転させ、回転翼15に生じるトルクを電力に変換する装置である。図2および図3に示すように、本実施形態の風力発電装置1は、ポール11、シャフト12、ナセル13、発電機14、回転翼15、尾翼16、および通電機構17を有している。
【0017】
ポール11およびシャフト12は、第1軸91に沿って、それぞれ略円筒状に延びている。第1軸91は、鉛直方向に延びていてもよく、他の方向に延びていてもよい。ただし、以下では、説明の便宜上、第1軸91に沿う方向を上下方向とし、ポール11に対して通電機構17側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。
【0018】
シャフト12は、ポール11に支持されている。通電機構17は、シャフト12に支持されている。また、ナセル13は、下軸受部21および上軸受部22を介して、シャフト12に支持されている。すなわち、本実施形態では、ポール11およびシャフト12が、通電機構17およびナセル13を直接的または間接的に支持する支持部材を、構成している。
【0019】
図4は、シャフト12の斜視図である。図4に示すように、シャフト12は、下小径部121と、下小径部121より上側に位置する大径部122と、大径部122よりさらに上側に位置する上小径部123と、を有している。大径部122の直径は、下小径部121および上小径部123の直径より大きい。また、上小径部123には、後述する内側端子34を配置するためのスリット124が、設けられている。スリット124は、シャフト12の上端部から、第1軸91に沿って下方へ延びている。
【0020】
図3に示すように、下小径部121および大径部122は、ポール11の内側に挿入されている。そして、大径部122の下面が、ポール11の内部に形成された段差面に、当接している。これにより、ポール11に対してシャフト12が、第1軸方向に位置決めされている。また、大径部122の上面には、下軸受部21の内輪が、当接している。また、ポール11およびシャフト12の内側には、3本のリード線23が挿入されている。
【0021】
ナセル13、発電機14、および回転翼15は、第2軸92に沿って配列されている。第2軸92は、水平方向に延びていてもよく、他の方向に延びていてもよい。以下では、第2軸92に沿う方向を前後方向とし、ナセル13に対して回転翼15側を前として、各部の形状や位置関係を説明する。
【0022】
ナセル13は、第2軸92を中心として環状に広がる側壁部131と、側壁部131の後方の端部を塞ぐ端面部132と、を有する。ナセル13の内部には、通電機構17が収容されている。また、図3に示すように、ナセル13は、側壁部131の下部からナセル13の内側へ向けて、略円筒状に延びる内側円筒部133を有している。シャフト12と内側円筒部133との間には、下軸受部21と上軸受部22とが、介在している。したがって、ナセル13は、シャフト12に支持されつつ、第1軸91を中心として回転する。
【0023】
発電機14は、ナセル13の前部に取り付けられている。発電機14は、ナセル13に対して相対的に静止した静止部と、第2軸92を中心として回転する回転部と、を有する。発電機14の静止部は、例えば、第2軸92の周囲に配列された複数のコイルにより構成される電機子を、有している。また、発電機14の回転部は、例えば、第2軸92の周囲に配列された複数のマグネットにより構成される界磁子を、有している。
【0024】
回転翼15は、発電機14の回転部に連結されている。回転翼15は、第2軸92に対して放射状に延びる複数の羽根151を、有している。外部を流れる風が羽根151に当たると、その風の力によって、回転翼15と、発電機14の回転部とが、第2軸92を中心として回転する。そうすると、発電機14の電機子と界磁子との間の磁気的作用によって、複数のコイルに誘導起電力が生じる。すなわち、回転翼15のトルクが、電力に変換される。
【0025】
尾翼16は、ナセル13の端面部132に、連結部161を介して、揺動可能に取り付けられている。尾翼16に風が当たると、尾翼16は、風下側へ向けられる。その結果、回転翼15は、風上側へ向けられる。このようにすれば、回転翼15に効率よく風が当たり、発電効率が向上する。すなわち、尾翼16は、回転翼15の向きを、風向きの変化に追従させる役割を果たす。
【0026】
<2−2.通電機構について>
通電機構17は、第1軸91を中心とするナセル13および発電機14の回転位置に拘わらず、発電機14から得られる電流を、シャフト12内の3本のリード線23へ導くための機構である。図5は、通電機構17の縦断面図である。図5に示すように、通電機構17は、3つのスリップリング31と、4つの絶縁部材32と、6つの外側端子33と、3つの内側端子34とを有している。
【0027】
3つのスリップリング31および4つの絶縁部材32は、下軸受部21と上軸受部22との間に、第1軸方向に多段に配置されている。スリップリング31および絶縁部材32の内側には、シャフト12が挿入されている。スリップリング31および絶縁部材32は、シャフト12に支持され、シャフト12に対して相対的に静止している。各スリップリング31は、略円筒状の導電部材であり、第1軸91と同軸に配置されている。スリップリング31の材料には、例えば、銅などの金属が使用される。
【0028】
絶縁部材32は、絶縁体である樹脂により形成された、環状の部材である。図6は、スリップリング31および絶縁部材32の分解斜視図である。図5および図6に示すように、絶縁部材32は、略円筒状の内側絶縁部321と、内側絶縁部321の外周面から外側へ突出するフランジ部322と、を有している。各絶縁部材32の内側絶縁部321は、シャフト12の外周面と、スリップリング31の内周面との間に介在する。これにより、シャフト12とスリップリング31とが、相互に絶縁された状態に維持される。
【0029】
また、各絶縁部材32のフランジ部322は、下軸受部21と下段のスリップリング31との間、下段のスリップリング31と中段のスリップリング31との間、中段のスリップリング31と上段のスリップリング31との間、および、上段のスリップリング31と上軸受部22との間に、それぞれ配置されている。これにより、下軸受部21、3つのスリップリング31、および上軸受部22が、相互に絶縁された状態に維持される。したがって、これらの部材を、第1軸方向に密に配置できる。
【0030】
また、本実施形態では、ナセル13を支持するための一対の軸受部21,22が、通電機構17の下側と上側とに、それぞれ配置されている。これにより、一対の軸受部21,22が、第1軸方向に離れた位置に、配置されている。その結果、シャフト12に対してナセル13が、より安定的に支持されている。
【0031】
外側端子33は、スリップリング31の外周面に接触する導電性のブラシである。本実施形態では、下段、中段、上段のスリップリング31の外側に、それぞれ2つの外側端子33が配置されている。6つの外側端子33は、ナセル13とともに、第1軸91を中心として回転する。また、各外側端子33は、ばね331によって、スリップリング31側へ付勢されている。このため、ナセル13が回転すると、各外側端子33は、スリップリング31の外周面に摺接しつつ、回転する。
【0032】
また、各外側端子33は、発電機14のコイルに、電気的に接続されている。発電機14のコイルに生じた誘導電流は、外側端子33を経て、スリップリング31へ導かれる。特に、本実施形態では、3相交流の各相に対応する電流が、それぞれ2つの外側端子33を介して、各スリップリング31に供給される。2つの外側端子33を並列に設けたことで、発電機14とスリップリング31との間の電気抵抗が低減される。したがって、外側端子33を介してスリップリング31へ、より効率よく電力が供給される。
【0033】
内側端子34は、3本のリード線23の上端部に、それぞれ設けられている。また、各内側端子34は、スリップリング31の内周面に、固定されている。本実施形態では、スリップリング31にねじ孔311が形成されている。そして、当該ねじ孔311にねじ24が締結され、ねじ24の頭部とスリップリング31の内周面との間に、内側端子34が、挟まれている。これにより、スリップリング31と内側端子34とが、強固に固定されている。すなわち、本実施形態では、スリップリング31のねじ孔311が、内側端子34を接続するための接続部となっている。
【0034】
また、スリップリング31は、ねじ孔311に対向する位置に、切り欠き312を有している。切り欠き312は、スリップリング31の上端部から、下方へ向けて延びている。本実施形態では、この切り欠き312を利用して、スリップリング31に対する内側端子34のねじ止めを、容易に行うことができる。
【0035】
図7は、スリップリング31に内側端子34を固定するときの様子を示した縦断面図である。なお、この時点では、スリップリング31および絶縁部材32の内側に、シャフト12はまだ挿入されていない。内側端子34を固定するときには、図7のように、ねじ止めのための工具であるドライバ40を、切り欠き312に挿入する。そして、当該ドライバ40を、切り欠き312を介して、ねじ孔311の付近まで延ばす。このようにすれば、ドライバ40の軸と、ねじ24の軸とを、略一直線上に配置した状態で、ねじ止めを行うことができる。したがって、スリップリング31の内周面に、内側端子34を、容易かつ強固に固定できる。
【0036】
また、図6に示すように、本実施形態では、絶縁部材32の内側絶縁部321に、一対の凹部323が設けられている。スリップリング31に絶縁部材32を取り付けるときには、スリップリング31のねじ孔311の上方または下方に、これらの凹部323を配置する。このようにすれば、絶縁部材32と、内側端子34、ねじ24、およびリード線23とが接触することを、防止できる。したがって、スリップリング31と絶縁部材32とを、第1軸方向に密に配置できる。
【0037】
図8は、スリップリング31の側面図である。図8に示すように、本実施形態では、切り欠き312の第1軸方向の寸法h2は、ねじ孔311の第1軸方向の寸法h1より、大きい。また、切り欠き312の周方向の寸法d2は、ねじ孔311の周方向の寸法d2より、大きい。このようにすれば、切り欠き312の内部におけるドライバ40の可動範囲が広がる。したがって、ドライバ40によるねじ止めの作業が、より容易となる。
【0038】
また、図5に示すように、本実施形態では、外側端子33が、ねじ孔311および切り欠き312と異なる第1軸方向の位置に、配置されている。このため、外側端子33は、ねじ孔311および切り欠き312と重なることなく、スリップリング31の外周面と摺接する。このようにすれば、外側端子33が、ねじ24や切り欠き312の縁に接触して損傷することはない。したがって、外側端子33の劣化を抑制できる。特に、本実施形態では、スリップリング31の第1軸方向の端部に、切り欠き312が設けられている。このため、切り欠き312と外側端子33との接触を防止しつつ、スリップリング31と外側端子33との接触面積を、広くとることができる。
【0039】
また、本実施形態では、3つのスリップリング31の各ねじ孔311と、3つの内側端子34とが、共に、シャフト12のスリット124に沿って、第1軸方向に配列されている。また、それに応じて、3つのスリップリング31の各切り欠き312も、第1軸方向に沿って配列されている。このため、3つの内側端子34のねじ止めを、同方向から行うことができる。これにより、ねじ止めの作業が、より容易となる。
【0040】
<3.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0041】
図9は、一変形例に係るスリップリング31Bの上面図である。図9のように、切り欠き312Bは、ねじ孔311Bの真反対の位置から、ややずれた位置に設けられていてもよい。ねじ孔311Bと切り欠き312Bとが、スリップリング31の真反対の位置に配置されていなくても、内側端子を固定するための工具を、切り欠き312Bを介して、ねじ孔311Bの付近まで延ばすことができればよい。
【0042】
図10は、他の変形例に係るスリップリング31Cの斜視図である。図10の例では、スリップリング31Cに、切り欠きに代えて、貫通孔312Cが設けられている。このような形状であっても、内側端子を固定するための工具を、貫通孔312Cを介して、ねじ孔311Cの付近まで延ばすことができる。すなわち、本発明の「開口部」は、図6のような切り欠きであってもよく、図10のような貫通孔であってもよい。
【0043】
ただし、切り欠きを採用した場合には、工具を、切り欠きの側方からだけではなく、切り欠きの上方から挿入することも、可能となる。したがって、工具の挿入しやすさの観点では、貫通孔より切り欠きの方が、好ましい。また、貫通孔を採用する場合であっても、スリップリングの第1軸方向の中央から偏った位置に、貫通孔を設けることが、好ましい。そのようにすれば、貫通孔と外側端子との接触を防止しつつ、スリップリングと外側端子との接触面積を、広くとることができる。
【0044】
また、他の変形例として、スリップリングの内周面に、内側端子が、抵抗溶接、超音波溶接、またはレーザ溶接で、固定されていてもよい。これらの溶接を行うときにも、スリップリングに切り欠きまたは貫通孔があれば、当該切り欠きまたは当該貫通孔を介して、溶接のための工具を延ばすことができる。したがって、スリップリングの内周面に、内側端子を、容易に溶接できる。
【0045】
発電機は、上記の第2実施形態のように、ナセルの前部に配置されていてもよく、他の位置に配置されていてもよい。例えば、発電機が、ナセルの内部や、ナセルの後部に配置されていてもよい。また、スリップリングの数は、1〜2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、スリップリングに設けられる開口部の形状は、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。
【0046】
その他、各部材の細部の形状については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、風力発電装置に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1,1A 風力発電装置
11 ポール
12 シャフト
12A 支持部材
13,13A ナセル
14,14A 発電機
15,15A 回転翼
16 尾翼
17 通電機構
21 下軸受部
21A 軸受
22 上軸受部
23 リード線
24 ねじ
31,31B,31C スリップリング
31A 導電部材
32 絶縁部材
33,33A 外側端子
34,34A 内側端子
91,91A 第1軸
92,92A 第2軸
124 スリット
311,311B,311C ねじ孔
311A 接続部
312 切り欠き
312A 開口部
312C 貫通孔
323 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸に沿って円筒状に延びる支持部材と、
前記支持部材に、軸受を介して回転可能に支持されるナセルと、
前記ナセルに取り付けられた発電機と、
前記発電機に連結されて、第2軸を中心として回転する回転翼と、
前記支持部材に対して相対的に静止した円筒状の導電部材と、
前記発電機に電気的に接続され、前記導電部材の外周面に対して摺接可能に接触する外側端子と、
前記導電部材の内周面に設けられた接続部に、ねじ止めまたは溶接により固定される内側端子と、
を有し、
前記導電部材は、前記接続部に対向する位置に、開口部を有する風力発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の風力発電装置において、
前記内側端子は、前記接続部に、ねじ止めされている風力発電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の風力発電装置において、
前記接続部は、ねじ孔を有し、
側面視において、前記開口部が前記ねじ孔より大きい風力発電装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の風力発電装置において、
前記開口部と前記外側端子とが、互いに異なる第1軸方向の位置に配置されている風力発電装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の風力発電装置において、
前記開口部は、前記導電部材の第1軸方向の中央から偏った位置に設けられている風力発電装置。
【請求項6】
請求項5に記載の風力発電装置において、
前記開口部は、前記導電部材の第1軸方向の端部に設けられた切り欠きである風力発電装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の風力発電装置において、
第1軸方向に配列された複数の前記導電部材と、
複数の前記導電部材に対応する複数の内側端子と、
複数の前記導電部材の間に配置される絶縁部材と、
を有する風力発電装置。
【請求項8】
請求項7に記載の風力発電装置において、
複数の前記導電部材の各接続部が、第1軸方向に沿って配列され、
複数の前記導電部材の各開口部が、第1軸方向に沿って配列される風力発電装置。
【請求項9】
請求項8に記載の風力発電装置において、
前記支持部材は、複数の前記導電部材の内側に挿入される円筒状のシャフトを含み、
前記シャフトは、第1軸方向に延びるスリットを有し、
複数の前記内側端子が、前記スリットに沿って第1軸方向に配置されている風力発電装置。
【請求項10】
請求項7から請求項9までのいずれかに記載の風力発電装置において、
前記絶縁部材は、前記接続部の近傍に、凹部を有する風力発電装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載の風力発電装置において、
前記支持部材と前記ナセルとの間に、一対の前記軸受を有し、
一対の前記軸受の間に、前記導電部材が配置されている風力発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−96257(P2013−96257A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237479(P2011−237479)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】