説明

風圧発生装置

【課題】車両において用いられ、塵や水滴を除去できる風圧発生装置を安価に提供する。
【解決手段】風圧発生装置1は、その風圧発生装置1の前後方向(車両の前後方向)に連通する通風路14を備え、車両走行時に生じる相対風が通風路14の入口から出口に吹き抜けるように構成されている。通風路14の出口から放出される風は、カバーガラス13の外側の表面に吹き当たるようになっている。カバーガラス13は、風圧発生装置1内部(筐体11内部)に収納されるカメラ12の視界を確保するためのものであるが、この風圧発生装置1によれば、カバーガラス13の外側の面に付着した塵や水滴を風圧により除去することができる。ひいては、カメラ12の撮影画像が不鮮明になってしまうことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両において用いられ、例えば塵や水滴を除去するための風圧を発生する風圧発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の機器が、屋内に限らず、屋外でも利用されるようになっている。
例えば、屋外を移動する巡視ロボットとして、監視カメラが備えられたものが知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1の巡視ロボットでは、監視カメラが筐体に収納され、筐体のうち、監視カメラのレンズの前方部分は、監視カメラの視界を確保すべく透明ガラスが嵌め込まれている。
【0003】
特許文献1の巡視ロボットは屋外で使用されるものであるため、透明ガラスに塵や水滴が付着する場合があるが、透明ガラスに塵や水滴が付着すると、カメラによりその透明ガラスを介して撮影した画像が不鮮明となってしまう。
【0004】
そこで、特許文献1では、巡視ロボットが移動することにより生じる相対風により回転するファンを透明ガラスの前方(巡視ロボットの進行側)に設けると共に、そのファンにより生成された風が、ファン後方→透明ガラス前方→ファンの筒状のハウジング(回転軸)に流れるように構成することで透明ガラス前方に空気膜を形成し、透明ガラスに塵や水滴が付着しにくくなるようにしている。
【特許文献1】特開平9−83845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両においても塵や水滴の付着は問題となる。
例えば、サイドミラー等に塵や水滴が付着すると、運転手はサイドミラーに映り込む画像を認識しにくくなる。
【0006】
また、近年では、車両周囲を撮影してその撮影画像を運転手に提供することで運転支援を行うために、車両のボデーにカメラが取り付けられる場合もあり、この場合、カメラのレンズやカメラを収納する筐体における塵や水滴の付着が問題となる。つまり、塵や水滴によってカメラによる撮影画像が不鮮明となってしまうという問題がある。
【0007】
前述のように、特許文献1の巡視ロボットではファンを取り付けることでその問題の解決を図っているが、車両においては、軽量化やコスト低減などの要求が高く、接地スペースも限られることから、ファンを取り付けるという手法をとることは難しい。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、車両において用いられ、塵や水滴を除去できる装置を安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、車両の走行時の相対風を受け入れる連通した通風路を有し、車両の走行時に通風路の出口から放出する風が、車両における対象物に吹き当たるように車両に取り付けて用いられることを特徴とする風圧発生装置である。
【0010】
このような風圧発生装置によれば、車両が走行することによって自然に、通風路に風が取り込まれてその通風路の出口から風が放出され、対象物に吹き当たる。このため、対象物における塵や水滴が、通風路の出口からの風により(風圧により)除去されるようになる。このように、本発明(風圧発生装置)によれば、車両走行時の相対風を利用して、簡単に、対象物における塵や水滴を除去し得るようになる。また、本発明では少なくとも通風路を備えていれば良いため、構成を簡素化でき有利である。例えば、コストや大きさを抑えることができる。尚、対象物としては、サイドミラー、窓ガラス、或いは後述するカメラなどが考えられる。
【0011】
次に、請求項1の風圧発生装置では、請求項2のように構成すると良い。
請求項2の風圧発生装置は、請求項1の風圧発生装置において、通風路は、出口の開口面積より入口の開口面積のほうが大きく構成されていることを特徴としている。
【0012】
入口と出口における流量は一定となるはずであり、請求項2のような構成によれば、入口における風速に比べ出口における風速を大きくすることができる。つまり、通風路出口から放出される風の速度が大きくなる。よって、通風路出口から放出される風による塵や水滴の除去効果を上げることができる。
【0013】
ところで、通風路の入口から水が入り込むことも懸念されるため、請求項3のように構成することが好ましい。
請求項3の風圧発生装置は、請求項1,2の風圧発生装置において、通風路は、その途中に、車両走行時の相対風を取り込む入口側からその風を放出する出口側に向かって上向きに傾斜した経路を有することを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、仮に、通風路の入口側から水(或いはその他液体)が入り込んだとしても、その水が出口に到達しにくくなる。通風路の途中の上向きに傾斜した部分において水の出口側への流れが遮られるためである。
【0015】
このため、通風路の入口から水が入り込み通風路の出口から風と共に水が放出されてしまうことによって対象物に水が付着してしまうこと、を防止することができる。
また、同様な効果を得るには、請求項4のように構成しても良い。
【0016】
請求項4の風圧発生装置は、請求項1〜3の風圧発生装置において、通風路の途中の経路に吸水部材を備えたことを特徴としている。
このような構成によれば、仮に、通風路の入口側から水(或いはその他液体)が入り込んだとしても、その水が吸水部材により吸水されるため、通風路の出口から水が放出されてしまうことを防止することができる。したがって、請求項3と同様に、通風路の入口から水が入り込み通風路の出口から風と共に水が放出されてしまうことによって対象物に水が付着してしまうこと、を防止することができる。尚、請求項3に従属する請求項4の構成(つまり、請求項3,4を組み合わせた構成)によれば、その効果はより確実となる。尚、吸水部材としては、スポンジ、布、吸水シート等が考えられる。吸水シートは、具体的に、微小な誘導孔を表面に多数有し、その誘導孔に水分を吸収(保持)できるようにしたものである。
【0017】
ところで、車両においては、車両の周囲を撮影するための撮影装置(カメラ等)が車両外部(例えばボディー等)に備えられる場合がある。このため、風圧発生装置を請求項5のように構成すると良い。
【0018】
請求項5の風圧発生装置は、請求項1〜4の風圧発生装置において、撮影装置を収納するための筐体を備え、筐体には、撮影装置の視界を確保するための撮影用窓が設けられると共に、その撮影用窓には、透明な部材からなるカバープレートが取り付けられ、車両走行時の通風路の出口からの風が、カバープレートの面のうち、少なくとも筐体内部と反対側の外側の面に吹き当たるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
このような構成によれば、撮影装置を筐体で覆うことができ撮影装置のレンズ等に塵や水滴が付着することを防止することができる。また、撮影装置の視界を確保するカバーガラスに通風路の出口からの風が吹き当たるため、そのカバーガラスへの塵や水滴の付着を防止することができる。したがって、撮影装置の撮影画像が不鮮明になることを防止することができる。
【0020】
次に、請求項6の風圧発生装置は、請求項5の風圧発生装置において、カバープレートは、そのカバープレートの外側の面が地平面を向くように、鉛直方向に対し傾斜して設けられることを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、カバーガラスに付着した水が、通風路から放出される風の圧力に加え、その水の自重によって、カバーガラスから離れやすくなる(落下しやすくなる)、という効果を得ることができる。つまり、カバーガラスに付着した水を除去しやすくなる。
【0022】
次に、請求項7の風圧発生装置は、請求項5,6の風圧発生装置において、カバープレートは、そのカバープレートの少なくとも外側の面が撥水性を有するように構成されていることを特徴としている。
【0023】
これによれば、カバーガラスの外側の面に水が付着しにくくなる。また、付着した水は容易に除去されるようになる(容易にカバーガラスから離れる)。このため、撮影装置の撮影画像が不鮮明になってしまうことをより確実に防止することができる。尚、カバーガラスの内側の面(筐体内部側の面)も撥水性を有するように構成しても良いことは勿論である。
【0024】
次に、請求項8の風圧発生装置は、請求項5〜7の風圧発生装置において、カバープレートを加熱するヒータを備えていることを特徴としている。
これによれば、ヒータによりカバーガラスを加熱することにより、カバーガラスに水が付着してもその付着した水を蒸発させることができる。つまり、通風路から放出される風に加え、ヒータの熱により、カバーガラスにおける水を除去できるようになる。したがって、撮影装置の撮影画像が不鮮明になってしまうことをより確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1に、本第1実施形態の風圧発生装置1の概略を示す。
【0026】
本第1実施形態では、図1(a)に示すように、風圧発生装置1は例えば車両のドアミラー20の下方に取り付けられて用いられる。このドラミラー20は、図1(b)に示すように、ミラー23と、そのミラー23を保持するドラミラー筐体21とからなる。風圧発生装置1は、ドラミラー筐体21に取り付けられる。
【0027】
風圧発生装置1は、図1(b)に示すように、カメラ12を収めるための略直方体形状の筐体11を中心に構成される。カメラ12は、車両周囲の画像を撮影するためのものである。より具体的には、カメラ12のレンズは車両後方を向いており、カメラ12により、ドアミラー20側から車両後方を撮影できるようにされている。カメラ12により撮影された撮影画像は、車両内に設けられる図示しない表示装置(例えば液晶表示パネル等)に表示されるようになっている。これは、車両周囲の画像を運転手に提供することで運転支援を行う趣旨のものである。
【0028】
筐体11において、カメラ12のレンズが向いている側(筐体11における後方側)には、透明なカバーガラス13が設けられている。より詳しくは、筐体11のうちカメラ12のレンズが向いている部分に所定領域に渡って開口が設けられ、その開口にカバーガラス13が嵌め込まれている。このカバーガラス13により、カメラ12の視界が確保されるようになっている。
【0029】
次に、筐体11には、その筐体11の前後方向(車両の前後方向)に連通する通風路14が設けられている。尚、以下、通風路14における車両前方側の開口を通風路14の入口と言い、通風路14における車両後方側の開口を通風路14の出口と言う。通風路14の入口は車両前方側に向かって開けており、通風路14の出口はカバーガラス13側に向かって開けている。
【0030】
次に、図2を用いて風圧発生装置1についてより詳細に説明する。
図2(a)に前方側から見た風圧発生装置1の図を示し、図2(b)に側面側から見た風圧発生装置1の図を示し、図2(c)に後方側から見た風圧発生装置1の図を示す。
【0031】
図2(a)に示すように、通風路14の入口は、水平方向に細長な略長方形状を有している。入口における四隅は曲線状に構成されている。
また、図2(b)において通風路14の形状を点線にて示しているように、通風路14の入口は、その入口の外形部分が大きく面取りされ、入口から通風路14の内部に向かって滑らかな曲線を描くように構成されている。これにより、流入する風の抵抗が抑えられると共に、入口の開口面積が見かけ上大きくなるようにされている。このため、車両走行時に、風が通風路14の内部に流入しやすいようになっている。
【0032】
また、図2(b)に示すように、通風路14は、その入口から略水平に車両後方側に向かって延びつつ、筐体11における後方側にてカバーガラス13に向かって湾曲している。
【0033】
通風路14がカバーガラス13に向かって湾曲する部分において、筐体11は外側に張り出しており、ひさし11aを形成している。通風路14の出口は、ひさし11aの部分において外気と連通し、カバーガラス13に向けられている。
【0034】
次に、図2(c)に示すが、カバーガラス13は、略正方形状に構成されている。このカバーガラス13は、そのカバーガラス13の端(筐体11における開口の端)がカメラ12の視野角に入り込まないように所定の大きさに構成されている。このため、カメラ12を用いて、筐体11或いはカバーガラス13により視界を塞がれることなく車両周囲(車両後方側)の画像を撮影できる。
【0035】
このような本第1実施形態の風圧発生装置1によれば、車両周囲を撮影するカメラ12を筐体11で覆うようにしているため、カメラ12のレンズ等に塵や水滴が付着することを防止することができる。一方、筐体11において、カメラ12のレンズが向く側にはカバーガラス13が設けられており、このカバーガラス13への塵や水滴の付着が問題となるが、この点は以下のようにして解決される。
【0036】
具体的に、車両が走行することによって、通風路14の入口から風が取り込まれ、その取り込まれた風は通風路14の出口から放出する。その出口はカバーガラス13に向けて開けているため、通風路14の出口から放出する風は、カバーガラス13の外側の面に吹き当たる。このため、カバーガラス13の外側の面において空気の膜ができて塵や水滴の付着が防止されると共に、塵や水滴が付着してもその付着した塵や水滴が通風路14の出口からの風によって(風圧によって)除去されるようになる。
【0037】
尚、筐体11において、通風路14の出口が設けられた部分がカバーガラス13に対して外側に張り出している(ひさし11aを形成している)ため、この構成によっても、カバーガラス13への水滴の付着を防止することができる。例えば、筐体11の張り出した部分(ひさし11a)が妨げとなって、雨などがカバーガラス13に降りかかりにくくなる。
【0038】
このように、本第1実施形態の風圧発生装置1によれば、ごく簡単な構成で、車両走行時に所望の対象物における塵や水滴を除去し得るようになる。特に、本第1実施形態の場合のように、カメラ12を収納する筐体11におけるカバーガラス13等の塵や水滴が除去されるようにすれば、カメラ12の撮影画像が塵や水滴によって不鮮明になってしまうことを防止することができる。このため、カメラ12の撮影画像を用いた運転支援をより効果的なものとすることができる。
〈変形例〉
ところで、通風路14の形状としては種々のものが考えられる。図3に、通風路14の形状の他の例を示す。以下、図3の例を変形例として説明する。また、図1,2の第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0039】
図3に示す通風路14は、その通風路14の下端面が略水平に車両後方側に向かって延びている一方、その通風路14の上端面が下側に向かって傾斜しつつ、かつ滑らかな曲線を描きつつ車両後方側に向かって延びている。このため、通風路14は、その側断面形状が車両後方側に向かって次第に先細となる形状となっている。また、通風路14において、カバーガラス13に向かって湾曲する部分は、第1実施形態の場合と比較して、湾曲度合いがより緩やかとなっている(第1実施形態と比較してより鈍角状に湾曲している)。
【0040】
このような変形例によれば、通風路14における流路抵抗をより抑えることができる。例えば、通風路14の湾曲部分において風が壁面に当たって反射して抵抗が増加してしまう、或いは風が逆流してしまう、というような事態が生じることを防止することができる。
【0041】
また、通風路14の出口が入口に対してより狭くなるように構成されており、これによれば、出口から放出される風の速度(風速)がより向上する。このため、塵や水滴の除去効果をより向上させることができる。
【0042】
また、通風路14の出口は、ひさし11aの部分のうち、より前方側(カバーガラス13に近い側)の部分において外気と連通している。そして、通風路14の出口から放出する風(出口風)がカバーガラス13に吹き当たる際の角度(入射角)が大きくなるように(例えば、70°〜90°となるように)構成されている。これによれば、通風路14の出口から放出する風がカバーガラス13におけるより広い範囲に吹き当たるようになり、カバーガラス13における塵や水滴の除去効果を上げることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図4に、第2実施形態の風圧発生装置1を示す。
【0043】
図4に示す第2実施形態の風圧発生装置1は、第1実施形態の風圧発生装置1と比較して、通風路14の途中の経路に、吸水部材15を備えている点が異なっている。
吸水部材15としては、例えば、スポンジ、布、吸水シートなどを用いることができる。また、吸水部材15は、例えば接着剤、テープ部材等により、通風路14の途中の経路に固定される。
【0044】
また、第2実施形態の風圧発生装置1では、第1実施形態の風圧発生装置1と比較して、カバーガラス13が、そのカバーガラス13の外側の面が地平面を向くように、鉛直方向に対し傾斜して設けられている点が異なっている。より具体的には、カバーガラス13の上端がそのカバーガラス13の下端よりも車両後方側に位置するように傾斜している。
【0045】
このような第2実施形態の風圧発生装置1によれば、吸水部材15により水(或いはその他液体)が吸収されるため、仮に通風路14の入口から水等が入り込んだとしても、その水が吸水部材15により吸収されて出口まで達することがない。したがって、通風路14の入口から水等が入り込んで、通風路14の出口において、風とともに水が放出されてカバーガラス13に水が付着してしまう、というような問題を回避できる。
【0046】
また、カバーガラス13が、その外側の面が地平面を向くように鉛直方向に対し傾斜しているため、カバーガラス13に付着した水は、通風路14の出口からの風による圧力(風圧)に加え、自重により、そのカバーガラス13から離れやすくなる。つまり、カバーガラス13に付着した水が除去されやすくなる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図5に、第3実施形態の風圧発生装置1を示す。
【0047】
図5に示す第3実施形態の風圧発生装置1は、第1実施形態の風圧発生装置1と比較して、通風路14の経路が、その途中において山を描くように湾曲している点が異なっている。
【0048】
また、通風路14の経路において、山を描くように湾曲した部分の頂点付近において、第2実施形態で説明したような吸水部材15が設けられている。
このような第3実施形態の風圧発生装置1によれば、例えば通風路14の入口から水が入り込んだとしても、その水が出口に到達しにくくなる。通風路14の経路が、その途中において山を描くように湾曲しているため、その湾曲した部分で水の流れが妨げられるためである。
【0049】
しかも、湾曲した経路の途中には吸水部材15が設けられているため、入口から出口に水が流れることをより確実に防止することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図6に、第4実施形態の風圧発生装置1を示す。
【0050】
図6に示す風圧発生装置1は、ドラミラー20(図1参照)における水滴を除去するために用いられるものであり、ドアミラー20と一体的に構成される。具体的に、図6の風圧発生装置1は、ミラー23を保持するドアミラー筐体21において通風路24が設けられてなるものである。通風路24の出口は、ミラー23の表面に向けられている。
【0051】
このような第4実施形態の風圧発生装置1によれば、車両が走行するだけで、通風路14の入口から風が取り込まれてその通風路14の出口から風が放出し、その放出する風がミラー23の表面に吹き当たるため、ミラー23に付着している塵や水滴を、風圧により簡単に除去することができるようになる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、風圧発生装置1は、少なくとも通風路を備えていれば良く、その通風路の出口からの風が所望の対象物(塵や水滴を除去すべき対象物)に吹き当たるようにして用いられれば良い。また、通風路の形状は問わない。
【0053】
また、上記実施形態において、カバーガラス13の外側の面が撥水性を有するように構成しても良い。これによれば、カバーガラス13の外側の面に水が付着することをより効果的に防止できると共に、付着した水の除去が容易となる。尚、カバーガラス13の内側の面も撥水性を有するように構成しても良いことは勿論である。
【0054】
また、上記実施形態において、カバーガラス13に付着した水を除去するためのヒータを備えても良い。例えば、カバーガラス13内部に電熱線を張り巡らせると共に、その電熱線に通電可能に構成すれば良い。また、カバーガラス13の外部に発熱体を配設し、その発熱体からの熱がカバーガラス13に作用するように構成しても良い。
【0055】
また、上記実施形態において、カバーガラス13(ガラス素材)に代えて、例えば、透明なプラスチック素材からなるプレート、アクリル素材からなるプレート、などを用いても良い。
【0056】
また、上記実施形態において、風圧発生装置1においてカバーガラス13を設けず、通風路14の出口から放出される風が、カメラ12に直接吹き当たるように構成しても良い。或いは、風圧発生装置1が筐体11を備えない構成でもよい。つまり、カメラ12が筐体11以外の構成により保持されていても良い。
【0057】
また、上記実施形態において、吸水部材15は、通風路14の途中においてどの位置に設けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の風圧発生装置1の概略を表す図である。
【図2】風圧発生装置1の詳細を表す図である(その1)。
【図3】風圧発生装置1の詳細を表す図である(その2)。
【図4】第2実施形態の風圧発生装置1の概略図である。
【図5】第3実施形態の風圧発生装置1の概略図である。
【図6】第4実施形態の風圧発生装置1の概略図である。
【符号の説明】
【0059】
1…風圧発生装置、11…筐体、11a…ひさし、12…カメラ、13…カバーガラス、14…通風路、15…吸水部材、20…ドアミラー、21…ドアミラー筐体、23…ミラー、24…通風路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行時の相対風を受け入れる連通した通風路を有し、前記車両の走行時に前記通風路の出口から放出する風が、前記車両における対象物に吹き当たるように前記車両に取り付けて用いられることを特徴とする風圧発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の風圧発生装置において、
前記通風路は、出口の開口面積より入口の開口面積のほうが大きく構成されていることを特徴とする風圧発生装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の風圧発生装置において、
前記通風路は、その途中に、車両走行時の相対風を取り込む入口側からその風を放出する出口側に向かって上向きに傾斜した経路を有することを特徴とする風圧発生装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の風圧発生装置において、
前記通風路の途中の経路に吸水部材を備えたことを特徴とする風圧発生装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の風圧発生装置において、
撮影装置を収納するための筐体を備え、
前記筐体には、前記撮影装置の視界を確保するための撮影用窓が設けられると共に、その撮影用窓には、透明な部材からなるカバープレートが取り付けられ、
車両走行時の前記通風路の出口からの風が、前記カバープレートの面のうち、少なくとも筐体内部と反対側の外側の面に吹き当たるように構成されていることを特徴とする風圧発生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の風圧発生装置において、
前記カバープレートは、そのカバープレートの外側の面が地平面を向くように、鉛直方向に対し傾斜して設けられることを特徴とする風圧発生装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の風圧発生装置において、
前記カバープレートは、そのカバープレートの少なくとも外側の面が撥水性を有するように構成されていることを特徴とする風圧発生装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7の何れか1項に記載の風圧発生装置において、
前記カバープレートを加熱するヒータを備えていることを特徴とする風圧発生装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−286216(P2009−286216A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139583(P2008−139583)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】