説明

飛行経路のバンク角生成方法および装置

【課題】 速度が変化しても、バンク角を高い応答性で制御することができる飛行経路のバンク角生成方法および装置を提供する。
【解決手段】 クロス・トラック偏差XTEとコース偏差CEと通過予想点とに基づいて、現在位置における航空機のバンク角φを算出する。バンク角φは、クロス・トラック偏差XTEおよびコース偏差CEという航空機の方位の偏差だけでなく、現在位置での飛行速度から求めた通過予想点をも考慮して算出するので、航空機の速度が変化しても通過予想点を通る旋回経路に対してオーバーシュートが生じることが防がれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定翼機および回転翼機を含む航空機のバンク角を算出する飛行経路のバンク角生成方法およびこの方法を用いた飛行制御方法ならびに飛行経路のバンク角生成装置およびこの装置を用いた飛行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の技術のバンク角生成方法によってバンク角を生成する手順を説明するための平面図である。この従来の技術は、特許文献1に記載されている。航空機1は、予め設定された飛行経路2上の目標通過点3の手前を飛行経路2から外れて飛行している。このような現在位置4における航空機1の目標通過点3からのずれは、航空機1の進行方向7と飛行経路2とが成す角度であるクロス・トラック偏差θ1と、航空機1の現在位置4と目標通過点3とを結ぶ線分6が飛行経路2に対して成す角度であるコース偏差θ2とによって表される。
【0003】
航空機1の現在位置4は、飛行経路2に対して左に逸れているので、航空機1は右に旋回する右バンク角+φをとれば、クロス・トラック偏差θ1を解消することができる。また、航空機1の進行方向7は、飛行経路2から右に逸れているので、左に旋回する左バンク角−φをとれば、コース偏差θ2を解消することができる。
【0004】
このような相反するバンク角+φ,−φに対して、航空機1が最終的には飛行経路2に復帰し、かつ確実に目標通過点3を通過するように、飛行制御装置の演算処理部によってバンク角φが算出され、このバンク角φに沿った飛行が達成されるように、航空機1の所定の舵面が制御される。
【0005】
図5は、図4に関連して述べたバンク角生成方法を実現するバンク角生成装置10の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。前述のバンク角生成方法は、バンク角生成装置10によって実現され、前述のクロス・トラック偏差θ1とコース偏差θ2とに基づいて、航空機1のバンク角φを求める。
【0006】
このバンク角生成装置10は、第1ゲイン乗算器11と、第2ゲイン乗算器12と、減算器13と、リミッタ14とを有する。入力したクロス・トラック偏差θ1は、第1ゲイン乗算器11によって第1ゲインが乗算され、減算器13に入力される。また、入力したコース偏差θ2は、第2ゲイン乗算器12によって第2ゲインが乗算された、減算器13に入力される。減算器13は、前記入力したゲイン乗算後のクロス・トラック偏差θ1とコース偏差θ2とを減算して差分を求める。この差分値は、リミッタ14に入力される。リミッタ14は、入力した差分値がしきい値を超えたとき、一定のリミッタ値を出力する。
【0007】
【特許文献1】特開2002−362495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来の技術では、航空機の飛行する方位によってバンク角φを算出しているため、速度が変化すると、通過点を通る旋回経路に対してオーバーシュートが生じ、速度の変化に追従してバンク角φを高い応答性で制御することができないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、速度が変化しても、バンク角を高い応答性で制御することができる飛行経路のバンク角生成方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の飛行経路のバンク角生成方法は、航空機に予め設定された飛行経路および航空機の現在位置間のクロス・トラック偏差と、前記飛行経路の方向および航空機の進行方向間のコース偏差と、飛行経路上の飛行速度における現在位置から所定時間後の通過予想点とに基づいて、前記クロス・トラック偏差およびコース偏差を発生させないように、現在位置における航空機のバンク角を生成することを特徴とする飛行経路のバンク角生成方法である。
【0011】
また本発明の飛行経路のバンク角生成方法は、前記飛行速度は、対地速度であることを特徴とする。
【0012】
さらに本発明の飛行制御方法は、前記飛行経路のバンク角生成方法によって生成されたバンク角を用いて飛行経路に沿って航空機が飛行するように、航空機の舵面を制御することを特徴とする飛行制御方法である。
【0013】
さらに本発明の飛行経路のバンク角生成装置は、航空機の予め設定される飛行経路に対するクロス・トラック偏差と、前記予め設定される飛行経路の方向に対するコース偏差と、飛行経路上の飛行速度における現在位置から所定時間後の通過予想点とに基づいて、前記クロス・トラック偏差およびコース偏差を打ち消すように、現在位置における航空機のバンク角を生成することを特徴とする飛行経路のバンク角生成装置である。
【0014】
さらに本発明の飛行経路のバンク角生成装置は、前記飛行速度は、対地速度であることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明の飛行制御装置は、前記飛行経路のバンク角生成装置によって生成されたバンク角を用いて飛行経路に沿って航空機が飛行するように、航空機の舵面を制御することを特徴とする飛行制御装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の飛行経路のバンク角生成方法によれば、クロス・トラック偏差とコース偏差と通過予想点とに基づいて、現在位置における航空機のバンク角が算出される。航空機には、飛行経路に沿って航空機が飛行するように舵面を制御する飛行制御装置が搭載される。この飛行制御装置は、パイロットによって入力された出発点および到着点ならびにその間の複数の通過点に基づいて、前記飛行経路を生成する。こうして生成された飛行経路は、飛行制御装置の記憶部に飛行データとして設定され、記憶される。
【0017】
前記クロス・トラック偏差は、航空機の現在位置と、飛行経路上の自機位置との偏差である。また前記コース偏差は、航空機の進行方向と飛行経路とが成す角度である。通過予想点は、飛行経路上で、現在の飛行速度から求めた、現在位置から所定時間後に到達する計算上の位置である。前記飛行経路は、たとえば直線、円形、楕円形およびその他の2次曲線が用いられてもよい。
【0018】
現在位置におけるバンク角は、クロス・トラック偏差およびコース偏差だけでなく、現在の飛行速度から求めた通過予想点をも考慮して算出されるので、航空機の速度が変化しても通過点を通る旋回経路に対してオーバーシュートが生じることが防がれ、速度の変化に応じてバンク角を高い応答性で算出することができる。
【0019】
このようなバンク角は、航空機に搭載されるオートフライトシステムとも呼ばれる航法誘導装置の飛行管理計算機(Flight Management Computer;略称FMC)によって算出され、舵面の制御に用いられることによって、高い旋回性能を実現することができる。また、オートパイロットモードを用いないマニュアル操作によって操縦する場合には、たとえば電子式姿勢指示器(Electronic Attitude Indicator;略称EAI)に前記バンク角を用いて生成したフライトディレクタを表示させ、パイロットに飛行経路の誘導情報を提示するようにしてもよい。
【0020】
また、本発明の飛行経路のバンク角生成方法によれば、前記飛行速度として対地速度が用いられる。この対地速度は、航空機に搭載されるたとえば衛星航法装置によって得られ、水平面内の速度成分の和として算出することができる。
【0021】
さらに、本発明の飛行制御方法によれば、前記飛行経路に沿って航空機が飛行するように、航空機の舵面を制御することによって、航空機の速度が変化しても、速度に応じた最適なバンク角で旋回するように舵面が制御され、通過点を通る旋回経路に対してオーバーシュートを生じることなく、高精度で航空機の飛行を制御することができる。
【0022】
さらに、本発明の飛行経路のバンク角生成装置によれば、バンク角生成手段は、航空機の予め設定される飛行経路に対するクロス・トラック偏差と、前記予め設定される飛行経路上の目標通過点に対するコース偏差と、飛行経路上の飛行速度における現在位置から所定時間後の通過予想点とに基づいて、前記クロス・トラック偏差およびコース偏差を打ち消すように、現在位置における航空機のバンク角を算出する。飛行制御計算機は、前記バンク角生成手段によって算出されたバンク角に基づいて、舵角を計算して出力する。舵面制御手段は、前記飛行制御計算機から出力される舵角に基づいて、航空機の舵面を制御する。
【0023】
クロス・トラック偏差とコース偏差と通過予想点とに基づいて、現在位置における航空機のバンク角が算出される。航空機には、飛行経路に沿って航空機が飛行するように舵面を制御する飛行制御装置が搭載される。この飛行制御装置は、パイロットによって入力された出発点および到着点ならびにその間の複数の通過点に基づいて、前記飛行経路を生成する。こうして生成された飛行経路は、飛行制御装置の記憶部に飛行データとして設定され、記憶される。
【0024】
前記クロス・トラック偏差は、航空機の現在位置と、飛行経路上の自機位置との偏差である。また前記コース偏差は、航空機の進行方向と飛行経路とが成す角度である。通過予想点は、飛行経路上で現在の飛行速度から求めた、現在位置から所定時間後に到達する計算上の位置である。前記飛行経路は、たとえば直線、円形、楕円形およびその他の2次曲線が用いられてもよい。
【0025】
現在位置におけるバンク角は、クロス・トラック偏差およびコース偏差だけでなく、現在位置での飛行速度から求めた通過予想点をも考慮して算出されるので、航空機の速度が変化しても通過点を通る旋回経路に対してオーバーシュートが生じることが防がれ、速度の変化に応じてバンク角φを高い応答性で算出することができる。
【0026】
このようなバンク角は、航空機に搭載されるオートフライトシステムとも呼ばれる航法誘導装置の飛行管理計算機(Flight Management Computer;略称FMC)によって舵面を駆動する各種のアクチュエータのバンク角コマンドとして出力され、舵面が制御される。これによって、高い旋回性能を実現することができる。また、オートパイロットを用いないマニュアル操作によって操縦する場合には、たとえば電子式姿勢指示器(Electronic
Attitude Indicator;略称EAI)によって前記バンク角を用いて生成したフライトディレクタを表示し、パイロットに誘導情報を提示するようにしてもよい。
【0027】
さらに、本発明の飛行経路のバンク角生成装置によれば、前記飛行速度として対地速度が用いられる。この対地速度は、航空機に搭載されるたとえば衛星航法装置によって得られ、水平面内の速度成分の和として算出することができる。
【0028】
さらに、本発明の飛行制御装置によれば、前記飛行経路に沿って航空機が飛行するように、航空機の舵面を制御することによって、航空機の速度が変化しても、速度に応じた最適なバンク角で旋回するように舵面が制御され、通過点を通る旋回経路に対してオーバーシュートを生じることなく、高精度で航空機の飛行を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明の実施の一形態の飛行経路のバンク角生成装置20を示すブロック図であり、図2は図1に示される飛行経路のバンク角生成装置20を含む飛行制御装置21を示すブロック図である。なお、本実施の形態において、飛行経路のバンク角生成装置20によって飛行経路のバンク角生成方法を実現し、飛行制御装置21によって飛行制御方法を実現する。この飛行制御装置21は、パイロットによって入力された出発点および到着点ならびにその間の複数の通過点に基づいて飛行経路を生成し、飛行制御装置の記憶部に飛行データとして設定され、記憶される。また、航空機(後述の図3参照)22は固定翼航空機を想定して説明する。
【0030】
航空機22に搭載される飛行制御装置21は、慣性基準装置23、衛星航法装置24、対気諸元計測装置25、バンク角生成装置20、表示装置26、飛行制御計算機27、舵面制御装置28および舵面駆動装置29を含む。
【0031】
前記バンク角生成装置20は、経路生成部31、基準バンク角コマンド生成部32、クロス・トラック偏差算出部33、コース偏差算出部34、クロス・トラック偏差ゲイン乗算器35、コース偏差ゲイン乗算器36、第1減算器37、第2減算器38、バンク角φリミッタ39およびレートリミッタ40を含む。
【0032】
慣性基準装置(Inertial Reference System;略称IRS)23は、航空機にジャイロによって常に水平を保つ安定板を搭載し、安定板に高精度の加速度計を直交3軸方向に設けて機体の動きによって生じる加速度を検出し、内臓のコンピュータによって前記加速度の積分計算を繰り返すことによって、速度、飛行距離、飛行方向を求めることができるように構成される。
【0033】
衛星航法装置(Satellite Navigation System)24は、GPS(Global Positioning
System)とも称される衛星による全世界測位システムを用いて、航空機の3次元位置、速度および時間を探知することができる。
【0034】
対気諸元計測装置(Air Data System;略称ADS)25は、ピトー静圧管などによって対気飛行速度の大きさ、方向、高度を同時に計測することができる対気速度計であり、機体から突き出して設けられるプローブによって対気変化を圧力として検出し、検出した圧力を演算処理装置によって電気信号に変換する。
【0035】
表示装置26は、フライトディレクタなどが備えられる液晶ディスプレイ装置によって実現される。
【0036】
飛行制御計算機(Flight Control Computer;略称FCC)27は、バンク角生成手段20から出力されたバンク角φに基づいて、舵角コマンドを算出して出力する。
【0037】
舵面制御装置28は、飛行制御計算機27から出力された舵角コマンドに基づいて、舵面制御信号を算出して出力する。舵面制御装置28からの舵面制御信号は、航空機22の姿勢をヨー方向に変位させるラダー、航空機22の姿勢をロール方向に変位させるエルロン、ならびに航空機22の姿勢をピッチ方向に変位させるエレベータおよびスタビレータなどの各種の舵面を駆動するアクチュエータに動作指令として入力され、各舵面を制御する。
【0038】
図3は、航空機22の通過予想点P1付近の飛行経路mを説明するための平面図である。前記バンク角生成装置20の経路生成部31は、経由点データおよび風データから所定の経路生成ロジックによって経路データを算出して出力する。この経路データとしては、各経路毎の始点位置、終点位置、経路タイプなどを含む。
【0039】
基準バンク角コマンド生成部32は、経路生成部31からの前記通過予想点P1と、経路上の飛行位置P2とに基づいて、予め設定された基準バンク角コマンド生成ロジックによって演算処理し、基準バンク角φ0をコマンドとして出力する。クロス・トラック偏差XTEは、航空機22の現在の飛行方向と、飛行経路とが成す角度である。また前記コース偏差CEは、航空機22の進行方向と飛行経路とが成す角度である。通過予想点は、前記飛行経路上の、現在の飛行速度から求めた、現在位置から所定時間後に到達する計算上の位置である。前記飛行経路は、たとえば直線、円形、楕円形およびその他の2次曲線が用いられてもよい。
【0040】
この基準バンク角φ0は、経路旋回偏差をΔCRS_FPとし、航空機22のロールレートなどの旋回性能を考慮して設定される時間をΔtとし、これらから求められる予想旋回率をΔCRS_FT/Δtとし、航空機22の対地速度をVGSとしたとき、基準バンク角φ0は、
φ0=tan−1{(ΔCRS_FP/Δt)・(VGS/g)} …(1)
によって求められる。
【0041】
ここに、gは重力加速度である。また、前記時間Δtは、機体の旋回性能に合わせ設定する時間である。
【0042】
クロス・トラック偏差算出部33は、前記経路生成部31からの経路上の飛行位置と、慣性基準装置23からの現在位置とに基づいて、それらの差分を算出してクロス・トラック偏差XTEを出力する。
【0043】
コース偏差算出部34は、前記経路生成部31からの経路のコースとトラック角とに基づいて、それらの差としてコース偏差CEを出力する。
【0044】
クロス・トラック偏差ゲイン乗算器35は、クロス・トラック偏差算出部33からのクロス・トラック偏差XTEに予め定める第1ゲインG1を乗じた値を演算して求め、出力する。
【0045】
コース偏差ゲイン乗算器36は、コース偏差算出部34からのコース偏差CEに予め定める第2ゲインG2を乗じた値を演算して求め、出力する。
【0046】
第1減算器37は、クロス・トラック偏差ゲイン乗算器35からのクロス・トラック偏差XTEと、コース偏差ゲイン乗算器36からのコース偏差CEとの差分を算出して第1バンク角φ1を求め、出力する。
【0047】
第2減算器38は、第1減算器37からの第1バンク角φ1と、基準バンク角コマンド生成部32からの基準バンク角φ0との差分を算出して第2バンク角φ2を求め、出力する。
【0048】
バンク角リミッタ39は、第2減算器38からの第2バンク角φ2の上限および下限を制限する上下限リミッタであって、第2バンク角φ2が航空機22の旋回性能を超えないように制限された第3バンク角φ3を出力する。
【0049】
レートリミッタ40は、前記バンク角リミッタ39から出力された、上限および下限が制限された第3バンク角φ3に対して、ロールの速さから決まる上限値および下限値を制限し、この範囲内の値が次の飛行制御計算機27に与えるバンク角φとして出力される。
【0050】
前記レートリミッタ39からのバンク角φは、前記飛行制御計算機27に与えられ、飛行制御計算機27は舵角コマンドを算出する。舵面制御装置28は、飛行制御計算機27によって算出された舵角コマンドに基づいて、舵面制御信号を舵面制御装置28に出力し、この舵面制御信号は舵面駆動装置29に与えられて、航空機22の舵面が制御される。
【0051】
以上のような構成によれば、バンク角生成装置20によって、クロス・トラック偏差XTEとコース偏差CEと通過予想点P1とに基づいて、現在位置における航空機のバンク角φが算出される。このようなバンク角φは、クロス・トラック偏差XTEおよびコース偏差CEという航空機22の飛行する方位、すなわち進行方向に関する偏差だけでなく、現在位置での飛行速度から求めた通過予想点P1をも考慮して算出されるので、速度の変化に応じてバンク角φを高い応答性で算出することができ、オートパイロットモードで航行中に航空機22の速度が変化しても、通過予想点P1を通る旋回経路mに対してオーバーシュートが生じることが防がれ、高い旋回性能を実現することができる。
【0052】
本発明の実施の他の形態では、オートパイロットモードを用いないマニュアル操作によって操縦する場合には、たとえば電子式姿勢指示器(Electronic Attitude Indicator;略称EAI)によって前記バンク角φを用いて生成したフライトディレクタを表示し、パイロットに誘導情報を提示するようにしてもよい。
【0053】
また、前記飛行速度として対地速度が用いられる。この対地速度は、航空機に搭載される衛星航法装置によって得られ、水平面内の速度成分の和を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の一形態の飛行経路のバンク角生成装置20を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるバンク角生成装置20を含む飛行制御装置21を簡略化して示すブロック図である。
【図3】航空機22の通過予想点P1付近の飛行経路mを説明するための平面図である。
【図4】従来の技術のバンク角生成方法によってバンク角を生成する手順を説明するための平面図である。
【図5】図4に関連して述べたバンク角生成方法を実行するバンク角生成装置10の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
20 バンク角生成装置
21 飛行制御装置
22 航空機
23 慣性基準装置
24 衛星航法装置
25 対気諸元計測装置
26 表示装置
27 飛行制御計算機
28 舵面制御装置
29 舵面駆動装置
31 経路生成部
32 基準バンク角コマンド生成部
33 クロス・トラック偏差算出部
34 コース偏差算出部
35 クロス・トラック偏差ゲイン乗算器
36 コース偏差ゲイン乗算器
37 第1減算器
38 第2減算器
39 バンク角リミッタ
40 レートリミッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機に予め設定された飛行経路および航空機の現在位置間のクロス・トラック偏差と、前記飛行経路の方向および航空機の進行方向間のコース偏差と、飛行経路上の飛行速度における現在位置から所定時間後の通過予想点とに基づいて、前記クロス・トラック偏差およびコース偏差を発生させないように、現在位置における航空機のバンク角を生成することを特徴とする飛行経路のバンク角生成方法。
【請求項2】
前記飛行速度は、対地速度であることを特徴とする請求項1記載の飛行経路のバンク角生成方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の飛行経路のバンク角生成方法によって生成されたバンク角を用いて飛行経路に沿って航空機が飛行するように、航空機の舵面を制御することを特徴とする飛行制御方法。
【請求項4】
航空機の予め設定される飛行経路に対するクロス・トラック偏差と、前記予め設定される飛行経路の方向に対するコース偏差と、飛行経路上の飛行速度における現在位置から所定時間後の通過予想点とに基づいて、前記クロス・トラック偏差およびコース偏差を打ち消すように、現在位置における航空機のバンク角を生成することを特徴とする飛行経路のバンク角生成装置。
【請求項5】
前記飛行速度は、対地速度であることを特徴とする請求項4記載の飛行経路のバンク角生成装置。
【請求項6】
請求項4または5記載の飛行経路のバンク角生成装置によって生成されたバンク角を用いて飛行経路に沿って航空機が飛行するように、航空機の舵面を制御することを特徴とする飛行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−137278(P2006−137278A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327538(P2004−327538)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成14年度、防衛庁、研究委託、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】