説明

飛行経路ベースの探知および防止

【課題】航空機上で使用するための飛行経路ベースの探知防止システムを提供する。
【解決手段】他機からの分離間隔を維持するために、および/または他機との衝突を回避するために、4−D飛行経路または4−D多面体などの4−D構図166、192を利用する、航空機100上で使用するための飛行経路ベースの探知防止システム168。いくつかの実施形態では、飛行経路ベースの探知防止システム168は、動作中、外部ソースから提供された4−D飛行経路および/または様々なデータソースに基づき見積もられた4−D飛行経路を利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示される主題は、無人飛行システムまたはクルーの人数が減らされて飛行する有人機などの航空機における衝突の予測および回避に関する。
【背景技術】
【0002】
無人飛行システム(UAS:unmanned aerial system)は、飛行する輸送機関を含むシステムであり、その輸送機関は、地上から操縦することができる(すなわち遠隔操作)、および/または、多かれ少なかれ自立的に飛行する(すなわち、要員が直接制御または管理することなしに)。UASは、また、地上管制局と、地上管制局と交信し、地上管制局によって制御されるような、1つまたはいくつかの航空機とから構成することができる。かかるシステムの航空用の構成要素は、大きさがグラムからトンまでに及ぶことがあり、航空宇宙の領域においてますます広く普及するように整えられている。民間での使用には、農作物噴霧、送電線チェック、大気調査、データリンク中継および交通/安全監視などの機能を含むことができる。
【0003】
パイロットを省くと、UASプラットフォームの設計者には、有人航空機と比べたとき、操縦性能、サイズ、ペイロード、および制約事項への耐久性に関して、自由が追加される。さらに、UASは、一般に、生存性および使い捨てが可能であることの両方で、さらにその上、費用効率が高いということで利点をもたらすと考えられている。したがって、UASによって、リスクが大きく、危険で単調なミッションを自立的に、またはマンパワーが実質的に減少された状態で実施する機会がもたらされる。
【0004】
しかし、これらの利点があるにもかかわらず、UASの運用およびそれの規制された、または民間の空域中への組み込みに関し、いくつかの課題が存在し、これらは、安全性および信頼性、その上、コストおよび法規を含む。UASが直面する、1つの安全性に関する課題は、他の航空機を探知し検出する能力であり、それによって空中での衝突を防止する。概念的に、衝突防止は、分離間隔保証と衝突回避に分類することができる。分離間隔管理は、通常、手続規則および航空管制指示によって達成される。衝突回避は、分離間隔が適当でない場合、必要である。衝突回避は、従来、「見て回避する」パイロットの能力に依存することができ、また、航空機衝突防止システム(TCAS:Traffic Collision Avoidance System)および自動従属監視‐ブロードキャスト(ADS−B:Automatic Dependent Surveillance−Broadcast)などの協調的な技術に依存することができる。しかし、UASは、全くTCASおよびADS−Bのシステムだけに頼ることはできない、というのは、これらのシステムを装備していない(すなわち、協調的でない)空域の使用者が存在することになるからである。したがって、UASが、他の航空機からの適切な分離間隔を維持し、かつ分離間隔が適切でなくなったとき、回避処置を実行するのを可能にするはずであるシステムおよび/または対策が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0055149号明細書
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、探知防止システムがもたらされる。探知防止システムは、競合検出モジュールを含み、それは、航空機の4次元(4−D,すなわち3つの空間次元プラス1つの時間次元)の飛行経路と、他の航空機の飛行経路、または航空機が分離間隔をそこから維持すべきである領域を表す4−D構図とを受け取るように構成される。競合検出モジュールは、航空機の4−D飛行経路と4−D構図の間に、競合が存在するかどうかを決定する。探知防止システムは、また、競合検出モジュールから情報を受け取るように構成された競合解決モジュールを含む。競合解決モジュールは、競合を防止するために、航空機の4−D飛行経路に対する変更を生成する。
【0007】
さらなる実施形態では、航空機上に搭載される探知防止システムが、もたらされる。探知防止システムは、1つまたは複数の通信リンクを含み、それは、地上管制局、航空管制システム、または他の航空機の1つまたは複数と交信するように構成される。探知防止システムは、また、センサスーツと、1つまたは複数の通信リンクまたはセンサスーツから受け取ったデータに基づき、4次元(4−D)構図を生成するように構成された飛行経路予測モジュールと、飛行経路計画モジュールおよび飛行経路予測モジュールを含む飛行管理システムとを含む。飛行経路予測モジュールは、航空機のために4−D飛行経路を生成する。探知防止システムは、また、飛行管理システムと交信し、かつ4−D飛行経路に沿って航空機を飛行させるように、飛行管理システムからの指示を実行するように構成された飛行制御システムと、航空機のための4−D飛行経路、および飛行経路予測モジュールによって生成された4−D構図または地上管制局または航空管制システムの1つまたは複数によって提供された4−D構図を見積もって、4−D飛行経路と4−D構図の1つまたは複数との間に競合が存在するかどうかを決定するように構成された競合検出モジュールと、競合がある場合、競合を緩和するために、4−D飛行経路に対して変更を生成し、かつ飛行管理システムにその変更を伝達して、4−D飛行経路を更新するように構成された競合解決モジュールとを含む。
【0008】
追加の実施形態では、航空機がもたらされる。航空機は、4−Dの飛行経路または構図に基づき、競合または衝突が生じる可能性があることを検出するように構成された、飛行経路ベースの探知防止システムを含む。戦略的なタイムフレーム内で起きる可能性があると見積もられた競合または衝突は、航空機の飛行管理システムによって生成された、航空機の4−D飛行経路と、航空機の外部に在るソースによって提供された4−D構図とを使用して、識別される。戦術的なタイムフレーム内で起きる可能性があると見積もられた競合または衝突は、航空機の飛行管理システムによって生成された航空機の4−D飛行経路と、4−D構図とを使用して、識別され、その4−D構図は、そのいくつかが、航空機に搭載された予測モジュールによって少なくとも一部分生成される。クリティカルなタイムフレーム内で起きる可能性があると見積もられた競合または衝突は、機上のセンサスーツによって生成されたデータに、少なくとも一部分基づき識別される。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付図面を参照して、次の詳細な記載を読んだとき、より良く理解されることになり、添付図面では、同様の記号が図面全体にわたって同様の構成部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の態様による、航空機と他機または地上ベースの実体の間に存在することがある通信リンクを表す図である。
【図2】本開示の態様による、飛行経路ベースの探知防止システムを表す図である。
【図3】本開示の態様による、異なる時間領域および飛行経路ベースの探知防止システムの使用に対するそれらの関係を図式的に表す図である。
【図4】本開示の態様による、他機と戦略的な分離間隔の維持に携わる、飛行経路ベースの探知防止システムの1つの実施を表す図である。
【図5】本開示の態様による、他機との戦術的な分離間隔の維持および/または防止に携わる、飛行経路ベースの探知防止システムの1つの実施を表す図である。
【図6】本開示の態様による、衝突回避に携わる、飛行経路ベースの探知防止システムの1つの実施を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、1つまたは複数の具体的な実施形態を述べる。これらの実施形態を簡潔に述べることを目指して、実際の実施の特徴すべては、本仕様書には述べないことがある。いずれものかかる実際の実施の開発では、いずれもの技術的な、または設計のプロジェクトにおけるように、開発者の具体的な目標を達成するために多数の実施に対して、それに特定の決断をなさなければならないし、その目標は、システム関連およびビジネス関連の制約の遵守などがあり、1つの実施と他の実施の間では異なることがあることを理解すべきである。さらに、かかる開発努力は、複雑である恐れがあり、時間がかかることもあるが、それにもかかわらず、本開示から利益を得る当業者のために、設計、組立および製造をごく普通に引き受けることになることを理解すべきである。
【0012】
さらに、それぞれの例または実施形態は、本発明のいくつかの態様の説明を容易にするために提示されるものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。実際、本発明の範囲または精神を逸脱せずに、本発明において様々な修正および変更を実施することができることは、当業者に明らかであるはずである。たとえば、1つの実施形態または例の一部分として示した、または述べた特徴は、他の実施形態または例に関して使用して、なお、さらなる実施形態を生み出すことができる。したがって、本開示では、かかる修正および変更は、添付のクレームおよびそれらの均等物の範囲内に入るものとして、カバーされると意図される。
【0013】
本開示は、無人飛行システム(UAS)の航空機など、航空機において使用される探知防止システムに関する。探知防止システムは、多様なソース(たとえば、地上コントローラ、航空管制システム、機上センサ、他機から直接伝達されたトランスポンダ情報など)からの情報にアクセスし、それらを利用する。具体的に、いくつかの実施形態では、探知防止システムは、得られた情報を利用して、航空機のために、ならびに、他の知れている航空機すべて、または条件(たとえば、気象災害、制限空域、通信デッドゾーンなど)について4次元の飛行経路を生成する。4次元(4−D)の飛行経路に基づき、探知防止システムは、他機からの、および/または知られた条件からの適切な分離間隔を維持するように、あるいは、分離間隔がなくなった場合、その航空機またはその条件を回避するように、航空機を制御する。理解されるように、主にUASに本議論の焦点を合わせているとはいえ、他の実施形態では、ここで議論するアプローチは、クルーの人数が減らされて運用される有人機(たとえば、パイロット一人)またはオートパイロットによって長期間運用される有人機などの有人機にも適用することができる。
【0014】
前述のコメントを念頭に置いて、図1を参照すると、航空機100および航空機100と交信する他の実体を表す図が示されている。航空機100がUASの航空構成要素である実施形態では、1つのかかる実体は、データリンク104を介して航空機100と交信する地上管制局102としてもよく、そのデータリンクによって、指示(飛行指示または遠隔コマンドなど)が航空機100に送られ、そのデータリンクによって、情報またはデータ(ビデオまたは他のセンサデータ、位置データ、および/または飛行およびアビオニックスデータなど)が、航空機100から地上管制局102に送られる。地上管制局102は、1つまたは2つ以上の航空機100を同時に制御することができる。
【0015】
航空機100は、また、航空管制システム108と交信状態にあることができる。航空管制システム108は、航空管制システム108が追跡している他機の情報を、データリンク110を介して航空機100に、提供することができる。航空機100は、位置データおよび/または飛行およびアビオニックスデータを航空管制システム108に、データリンク110を介して伝達することができる。さらに、航空管制システム108は、他機の意図または飛行経路情報、気象アドバイザリおよび/または制限空域に関する情報など、他のタイプの情報を航空機100に伝達することができ、それらの情報は、航空機100のためのコースを確立することに関連付けることができる。
【0016】
示した実施では、航空管制システム108および地上管制局102は、また、互いに交信状態にある。そのような場合、航空管制システム108は、航空管制システム108が追跡している航空機に関する情報を、データリンク112を介して地上管制局102に提供することができる。このようにして、航空管制システム108と航空機100の間の通信が失われた場合、航空管制システム108から正常なら得られる情報のいくつか、またはすべてを、地上管制局102を介して、得ることができる。同様に、示した実施では、地上管制局102は、航空管制システム108にデータリンク114を介してデータを伝達することができる。そのようなデータの例は、ただし、これらに限定されないが、航空機100に関連するフライトプランまたはミッションプロフィール、および/または航空機100のステータスを含むことができる。
【0017】
さらに、航空機100は、交信範囲内で他機118と直接交信することができる。たとえば、航空機100および/または他機118が、航空衝突防止システム(TCAS:Traffic and Collision Avoidance System)および/または自動従属監視‐ブロードキャスト(ADS−B:Automatic Dependent ?Surveillance−Broadcast)システムを装備している場合には、かかるシステムは、それぞれの航空機に関する情報、すなわち、それぞれの速度、位置、高度および/または予測されたコースなどを提供するために、航空機の間で(データリンク120を介してなどで)直接交信することができる(すなわち、集中的な通信)。通常、TCASおよびADS−Bの場合、両方の当該の航空機は、当該のシステムを装備しなければならない。いくつかの実施形態では、両方の航空機は、航空機の間で協調して応答するのを可能にするシステム(たとえば、TCASまたはADS−B)を装備することができる。他の実施形態では、他機が限定された位置または意図の情報を送信することが可能であり得るとしても、航空機の1つだけは、そのように装備してもよい。かかる実施形態では、より有能な航空機(TCASを装備した航空機など)は、あまり有能でない航空機がより有能な航空機を誘導する際に提供する、そのようなどのような情報でも、一方的に使用することができる。TCAS、ADS−Bまたは同様のシステムを装備した航空機は、ここで使用するとき、協調的なものとして言及し、一方、TCAS、ADS−Bまたは同様のシステムを装備していない航空機は、非協調的なものとして言及する。
【0018】
地上管制局102、航空管制システム108および/または他機118すべては、航空機100にとって可能な情報ソースを意味するが、航空機100は、また、探知防止動作のために使用することができる情報の機上のソースを有することができる。たとえば、航空機100は、レーダ、レーザレーダ、赤外線(IR)および/またはビデオシステムなど、機上のセンサスーツを装備することができ、それらは、非協調的な航空機などの他機の接近を確認するために使用することができ、そのような航空機は、さもなければ、検出されないままである。いくつかの実施形態では、機上センサの動作またはモニタリングは、容易に障害物を早期に検出し探知させる、1つまたは複数の適切なアルゴリズムによって、強化することができる。同様に、いくつかの実施では、いくらかでもあれば盲点、および/または機上センサパッケージの限定された動作範囲に対して、センサの動作範囲を拡張して、知られた盲点をカバーする、および/または既存のカバレッジボリュームのセンサ動作範囲を拡大する、実質的なセンサ動作範囲を形成することによって、対処することができる。
【0019】
前述の情報ソースを念頭に置いて、探知防止システムの本実施形態では、これらのソースから得られたデータのいくらか、またはすべてが、利用され、または融合されて、所望の探知防止機能性が達成される。たとえば、いくつかの実施では、4次元(3つの空間次元および1つの時間次元)の構図(たとえば、4−D飛行経路または4−D多面体)が、機上センサスーツから、他機118から、地上管制局102(適用できる場合)から、および/または航空管制システム108から得られた情報を組み合わせたもののいくらかに、またはすべてに基づき、他機について、または当該領域(たとえば、荒れ模様の気象領域、通信品質が悪い、または限定される領域、および/または制限空域)について導き出される。4−D飛行経路は、このような飛行経路予測機能性を備えた機上の飛行管理システムを使用して、航空機100についても計算することができる。かかる飛行管理システムの例には、General Electric Company製の飛行管理システムのいくつかが含まれる。
【0020】
このようにして、航空機100の探知防止システムは、当該の空域内の他機または関連する条件すべてについて、それらの状況を把握する。4−Dの飛行経路または多面体は、競合の可能性について見積もることができ(すなわち、競合を調べる)、この見積もりに基づき、航空機100のためのコース変更または修正を実施することができる。一実施形態では、ここで議論するように、探知防止システムは、(地上ベースの)航空管理システムなどの航空管理システムとともに使用するために受け入れられる競合プローブのアプローチおよびアルゴリズムを使用する。例として、1つのそのような競合プローブ機能は、Lockheed Martin Corporation製の途中オートメーション近代化(ERAM:En Route Automation Modernization)システム内で見られる。
【0021】
かかる飛行経路ベースの探知防止アプローチによって、航空機100が、衝突を探知して回避し、かつ他機、荒れ模様の気象および/または制限空域から自動的に分離間隔を取るのを可能にすることができる。いくつかの実施では、飛行経路ベースの探知防止システムは、ここで議論するように、競合する可能性がある航空機を検出するセンサ(複数可)の精度、両方の航空機の飛行ダイナミックス、航空機のナビゲーションシステムに付随する精度および/または待ち時間、および/または衝突回避ロジックのいくつか、またはすべてを考慮に入れる。一実施形態では、飛行経路ベースの探知防止システムは、衝突予測用の競合プローブを利用して可能性がある脅威を識別し、次いで、機上の飛行管理システム(FMS)からの飛行経路の生成能力を利用して予測された競合を防止する新しい飛行経路を作成する。
【0022】
図2に、航空機100上への搭載に適切な機上の飛行経路ベースの探知防止システムの一実施形態の特徴を示す。この例では、飛行経路ベースの探知防止システムは、上記で議論したように、地上ベースの実体および他機と交信するために、様々な通信リンクまたは回路を含む。たとえば、UASの場合、飛行経路ベースの探知防止システムは、地上管制局102との通信リンク152を含むことができる。この通信リンク152は、地上管制局102から航空機100にコマンドを転送し、かつ地上管制局102に情報を中継して戻すために、使用することができる。
【0023】
同様に、通信リンク154を、航空機100と航空管制システム108の間に設けることができる。この通信リンク154は、航空管制108が、飛行経路の同期化および飛行経路のネゴシエーションを介して、飛行経路管理を実施するのを可能にすることができる。他の形態の戦術的な航空管制も、リンク154を介して可能である。たとえば、航空管制108は、また、リンク154を通じてベクタリング情報を転送することができるはずである。同様に、気象アドバイザリ、または制限空域の領域に関する情報など、他のタイプの情報も、通信リンク154を介して(または、他の実施形態では通信リンク152を介して)航空機100に伝達することができる。
【0024】
さらに、航空機100がTCASまたはADS−Bを装備している実施形態では、通信リンク156を、それぞれのTCASまたはADS−Bシステムを運用する航空機100と他機118の間に(すなわち、協調的な航空機の間に)設けることができる。かかる実施形態では、航空機100は、有人航空機を含む、他機118から情報を受け取り、それに情報を伝えることが可能であり得る。たとえば、航空機100がADS−Bトランスポンダを装備している場合、航空機100は、トランスポンダを介して近隣の交通から監視情報を得ることになるはずである。一実施形態では、すべての形態の協調的な航空機は、分離間隔管理および衝突回避のために、通信リンク156を通じて航空機100と交信する。
【0025】
さらに、上記に指摘したように、地上管制局102(適用できる場合)および航空管制108は、リンク160を介してなどで、互いに交信することができる。リンク160は、航空管制108によって提供された航空交通情報を地上管制局102に使用させることができる。地上管制局102が、周囲の交通に関する十分な情報を受け取った場合、地上管制局102は、もしUASと航空管制108の間のリンクが失われたとき、この情報をUASに中継することができる。さらに、ミッションプロフィールおよびフライトプランの情報は、出発に先立ち、地上管制局102から航空管制108に中継することができる。
【0026】
示した実施形態では、飛行経路ベースの探知防止システムは、また、機上のセンサスーツ162を含む、またはそれと交信する。機上センサスーツ162は、相補的な検知モダリティを備えた一式のセンサを含むことができ、それは、航空機100に、人間パイロットが所有する、見て回避する能力を与える。しかし、見て回避する文脈とは異なって、センサは、有視界飛行条件の資格を与えられない条件下で、侵入機または他の競合を発見するのに有用であることができる。機上のセンサスーツ162中に含めることができるセンサの例は、レーダ、レーザレーダ、赤外線(IR)および/またはビデオシステムを含む。
【0027】
飛行経路ベースの探知防止システムの示した例は、また、1つまたは複数の上記の通信リンクから、その上機上のセンサスーツ162から入力を受け取る飛行経路予測モジュール164を含む。飛行経路予測モジュール164は、1つまたは複数の適切なアルゴリズムとして実装することができ、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを介して実装することができ、それは、1つまたは複数の通信リンクおよび/または機上のセンサスーツ162から入力データを受け入れ、かつ航空機100の近傍に在ると検知された、または知られた航空機について、4−D飛行経路予測などの4−D構図166を、その予測に付随する不確実性に関する情報を含めて出力する。
【0028】
たとえば、一実施形態では、飛行経路予測モジュール164は、いくつかのソースからその入力を得るセンサ融合要素として設けることができる。たとえば、飛行経路予測モジュール164は、外部通信リンク152、154、156を介して得られた細部まで明確な競合情報、その上、自分自身のセンサスーツ162を介して導き出された情報を結合して、時間の経過にともなう位置の進展および3次元構図の形状を予測することができる。このモジュールが生成する4−D構図166の1つは、航空機100と同じ空域を共有している他機の予測された4−D飛行経路である。さらに、他の4−Dの予測された構図166は、航空機100が回避する必要がある、対流気象、ユーザが制限された空域、または、制限ゾーンなど、他の競合ソースに対応することができ、その制限ゾーンは、UASなどの航空機の飛行経路が高度にダイナミックであることに関連するものであり、そこでは具体的な飛行経路が知られない恐れがある。これらのさらに一般的な形態の競合は、探知防止サブシステム168中の競合検出モジュール170が処理するのに適切な形式と一致した4次元多面体(多面体の4次元バージョン)、または確率的な4−D多面体としてモデル化することができる。いくつかの実施形態では、モジュール164がもたらす飛行経路予測機能性によって、飛行経路予測のために使用されるソースの信頼度およびその数が増えるにつれて、その予測品質を向上させる。逆に言うと、最小限の一式の入力に基づく、たとえば、機上のセンサスーツ162のみに基づく予測は、高い不確実性が付随すると考えることができる。
【0029】
航空機100自体の4−D飛行経路は、航空機100に付随する飛行管理システム180の構成要素によって生成することができる。飛行管理システム180は、飛行経路同期モジュール182および飛行経路ネゴシエーションモジュール184などのモジュールを含むことができ、それら両方は、飛行経路ベースの運用を容易にする。さらに、飛行管理システム180は、飛行経路計画モジュール186および飛行経路予測モジュール188を含むことができ、飛行経路予測モジュール188は、いくつかの実施形態では、航空機100自体の4−D飛行経路を予測し、この予測された4−D飛行経路192を、ここで議論する探知防止サブシステム168の競合検出モジュール170に提供する。飛行経路計画は、フライトプラン、性能パラメータ、ナビゲーションパラメータ、競合解消など、複数の入力を使用して、飛行管理システム180中で実行される。飛行管理システム180の機能の1つは、計画プロセス中で生成された飛行経路192に沿って、航空機100を誘導することである。他の実施では、飛行経路計画および/または予測は、地上ベースの航空交通管理によって実施することができ、飛行管理システム180に適切な通信リンク110を介して提供することができる。
【0030】
飛行管理システム180が生成した指示またはコマンドは、飛行制御システム190において実施することができる。いくつかの実施形態では、飛行制御システム190は、低レベルの制御システム(たとえば、オートパイロット)を言い、それは、航空機の制御翼面を方向付けて、飛行管理システム180が決定したことに従って、すべての飛行フェーズおよび航空機構成に適した飛行モードを達成する。いくつかの実施形態では、ここで議論する衝突回避機能は、必要なとき、飛行制御システム190を制御することができる。
【0031】
示した飛行経路ベースの探知防止システムは、また、探知防止サブシステム168を含む。示した実施形態では、探知防止サブシステム168は、各層が、図3に示した戦略的計画、戦術的分離間隔、および衝突回避の層など、異なる時間枠中で作動する、多層の機能性を実現する。たとえば、1つの層の機能性は、航空機100と他機の間で適切な分離間隔を維持するように作動する分離間隔管理層とすることができる。示した実施形態では、分離間隔管理層は、競合検出モジュール170および競合解決モジュール172を介して実行される。そのような実施形態では、競合検出モジュール170は、入力として、航空管制108によって、および/または飛行経路予測モジュール164によって提供された、同期化された4−D構図166と、航空機自体の4−D飛行経路192とを受け取ることができる。これらの同期化された4−D飛行経路および/または多面体(たとえば、構図)は、競合検出モジュール170によって競合を調べることができ、いずれもの可能性がある競合は、入力として、競合解決モジュール172に提供することができ、次いで、それは、航空機100の4−D飛行経路を、可能性がある競合から適切な分離間隔を維持するために、変更することができるように、勧告または指示を飛行管理システム180に提供することができる。それゆえ、分離間隔管理層は、飛行管理システム180と連動して働き、その飛行管理システムによって、飛行経路計画のプロセス中で競合解決モジュール172の競合解決出力が検討される。
【0032】
したがって、1つのかかる実施では、分離間隔管理層は、航空機100の4−D飛行経路192が他機の保護された空域ゾーンを侵害しないように防止するように、または航空機100の4−D飛行経路192が、制限空域、荒れ模様の気象の領域、または通信不良または通信干渉を被り易い領域に接近しすぎないように防止するように作動する。このようにして、分離間隔管理層は、飛行管理システム180が生成した4−D飛行経路192が、競合のないことを保証するように作動する。
【0033】
示した探知防止サブシステム168の機能性の別の層は、衝突検出モジュール174および衝突解決モジュール176を介して実行される衝突回避層である。1つのかかる実施では、衝突回避層は、自動的に分離を達成するための他の対策が失敗に終わったとき、起動される。そのような場合、緊急に衝突回避のための操縦をする必要があるので、飛行制御システム190を制御する飛行管理機能を組み込むことができる。たとえば、示した実施では、衝突検出モジュール174は、直接機上のセンサスーツ162から入力を受け取る。これらの入力に基づき、衝突検出モジュール174が衝突する可能性がある、または衝突しそうであると決定した場合、適切な指示が衝突解決モジュール176に発行され、それによって、飛行制御システム190を制御して衝突を回避する。
【0034】
いくつかの実施では、分離間隔を維持するために、および/または衝突を回避するために採用されたロジックは、時間依存である。そのような実施では、異なる作動または情報のタイプを、異なるタイムフレームに関連付けることができる。たとえば、図3および4を参照すると、最低限の分離距離を侵害する可能性が、遠い距離(侵害するまで10分以上など)で検出された場合、結果として行われる作動は、戦略的飛行経路管理と考えることができる。10分が、戦略的飛行経路管理の境界を定めるために使用することができる期間の一例であるが、他の実施では、この境界は、他の期間によって定めることができ、および/または、当該航空機の速度および/または操縦性など、様々な他のファクタに基づき定めることができる。一例では、競合(たとえば、規定された分離距離の侵害)の可能性を決定する上で通常当てにする情報は、機上のセンサスーツ162の動作範囲外である情報に通常基づく。たとえば、そのような戦略的な情報は、航空交通管理インフラストラクチャ(すなわち、航空管制108)および/または地上管制局102(航空機100がUASである実施形態では)から得られたデータから生成された4−D構図166すべてを含むことができる。いくつかの実施形態では、4−D飛行経路データは、航空管制通信から直接得られる(すなわち、航空管制が、近傍の航空機すべての4−D飛行経路を提供する)。そのような実施形態では、機上の飛行経路予測モジュール164は、4−D飛行経路データを見積もるためには利用しなくてもよい、というのは、求められた4−D飛行経路データは、競合検出モジュール170が使用できる形式で、既に存在するからである。
【0035】
戦略的な飛行経路の管理状況では、競合検出モジュール170および競合解決モジュール172は、可能性がある競合を、いくつかの実施では、取るべき修正作動を飛行管理システム180に伝達することができる。いくつかの実施形態では、飛行管理システム180は、可能性がある競合を航空管制108に伝達することができ、それは、次いで、その競合を防止するために、適切な指示およびコース修正を生成することができる。他の実施形態では、飛行管理システム180は、それ自体、飛行経路計画モジュール186および飛行経路予測モジュール188を介して、航空機100のために新しい競合を解除する4−D飛行経路192を生成することができ、それは、競合検出モジュール170が管理する競合プローブの制約事項を満足させる。次いで、新4−D飛行経路192は、飛行経路の同期化のために、または最終的に、提案された飛行経路修正が航空管制には受理できない場合、飛行経路ネゴシエーションのプロセスを始動させるために、航空管制108に伝達することができる。
【0036】
図3および5を参照すると、戦術的な分離間隔管理の例では、可能性がある競合を解決するためのタイムフレームは、1分から10分の範囲など、より短い。戦略的な飛行経路管理と同様に、戦術的な分離間隔管理を定める実際の時間間隔は、変化することができる、および/または、当該航空機の速度および/または操縦性、有効なセンサの動作範囲など、様々なファクタの基づき決定することができる。戦術的な分離間隔の状況に関与する距離に関する、機上のセンサスーツ162によって、および/または他機118からの空対空の通信によって獲得されたデータは、競合を決定するために使用される4−D飛行経路166を計算する上で、使用することができる。一実施形態では、他の航空機118によって、または機上のセンサスーツ162によって提供されたデータに基づき見積もられた4−D飛行経路は、航空交通管理の4−D飛行経路データと融合して、データの品質を向上させることができる(たとえば、誤判定を減少させるために)。組み合わされた情報に基づく、この4−D飛行経路データ166は、両方の機上の探知防止サブシステム168が使用することができる、および/または地上の航空管制システム108に送り戻すことができる。
【0037】
戦術的な分離間隔管理の一実施では、競合検出モジュール170および競合解決モジュール172は、可能性がある競合および取るべき修正作動を飛行管理システム180に伝達することができる。次いで、飛行管理システム180は、飛行経路計画モジュール186および飛行経路予測モジュール188を介して、航空機100のための新しい、競合を解除する4−D飛行経路192を生成し、それは、競合検出モジュール170が管理する競合プローブの制約事項を満足させる。次いで、新4−D飛行経路192は、同期化、またはネゴシエーションの目的で、航空管制108に伝達することができる。
【0038】
図3および6を参照すると、一実施では、競合のタイムフレームがクリティカルな緊急タイムフレームに達した場合(たとえば、1分より短い場合)、4−D飛行経路ベースの衝突回避機能は、競合を解決するために、支配権を得る。理解されるように、競合が緊急であるとその中で判断される、実際のタイムフレームは、航空機について定められた保護される空域ゾーンに基づくなどして、および/または航空機の速度および/または操縦性に基づくなどして、異なる航空機に対して変化することができる。そのような1つの例では、頼りにするデータは、もし利用できるなら、協調的な航空機からの集中的な通信も利用することができるとはいえ、機上のセンサスーツ162からすべて導き出される。一例では、衝突検出モジュール174に提供された機上のセンサデータに少なくとも基づき、衝突が目前に迫っていると判断された場合、衝突検出モジュール174からの飛行経路データは、衝突解決モジュール176に直接提供することができる。この例では、次いで、衝突解決モジュール176は、飛行制御システム190の一時的な制御権を生成し、飛行管理システム180から飛行制御システム190の一時的な制御権を取って、衝突回避に必要な操縦を実行する。衝突が一度回避されると、制御権は、飛行管理システムに戻される。
【0039】
前述では、衝突回避に関するときの飛行経路ベースの探知防止のいくつかの態様をカバーしたが、飛行経路計画に関する他の論点も、飛行経路ベースの運用に包含することができる。たとえば、航空機100が無人である実施では、航空機との通信が失われることは、通常、望ましくない。そのような場合、航空機との通信リンクの喪失の確率は、通信カバレッジ(たとえば、リンク利用可能性)を飛行経路の計画、分離および回避のアルゴリズムにおける明確な基準にすることによって、減少させることができる。
【0040】
たとえば、飛行経路の計画では、航空機と地上管制局102および/または航空管制108との間の通信リンクの利用可能性という追加の制約事項を採用してもよい。1つのそのような例では、航行することになる計画された空域は、サブボリュームに分割することができ、そこでは、それぞれが通信品質または付随した通信達成の確率を有し、それによって通信利用可能性のマップが作成される。次いで、航空機100(この例では無人の航空機)の計画された飛行経路は、飛行経路計画プロセスにおいて通信利用可能性を考慮に入れることができる。さらに、通信が失われた、または悪化した場合、航空機100は、通信利用可能性のマップに基づき、飛行経路を変更して、計画されたルートに沿って、通信確率が高いポイントにもっとも近いところに航空機100を誘導することができる。このようにして、通信リンクが達成される利用可能性を際立たせ、一方、なお、当初の、または計画された飛行経路からの逸脱を最小にすることができる。
【0041】
同様に、飛行経路計画アルゴリズムは、UASなどの航空機100のための飛行経路を生成する際、通信品質に影響を及ぼす恐れがある気象条件を考慮に入れることができる。たとえば、通信に悪影響を及ぼす恐れがある悪気象は、その悪気象を回避し、航空機100との通信が継続する確率が高い状態を維持する、計画された飛行経路または飛行経路変更を正当化することができる。このようにして、通信を維持するために、気象予報およびパターンを飛行経路計画に組み込むことができる。
【0042】
前述の議論を念頭に置いて、次の例は、本飛行経路ベースの探知防止アプローチの態様をさらに示すために提示する。第1の例では、UASは、製造施設から運用現場に送られることになる。この例では、探知防止能力への依存は、本来、戦術的であり、戦略的な時間枠における飛行経路ベースの管理に焦点を移すことによって、UASの運用には最小限にする、または省くことができる。具体的には、この例は、先進的な4−D飛行経路の同期化、ネゴシエーションメカニズムおよび機上のセンサスーツの融合を組み込んだ飛行経路ベースの探知防止の実施に関する。
【0043】
この第1の例では、運用機関が、UASについてフライトプランを作成して提出する。提出されたフライトプランは、承認され、その結果、一式の一時的飛行制限(TFR:Temporary Flight Restrictions)となり、それは、UASルートの出発および到着のポイントのまわりで確立され、ノータム(NOTAMS)を通じて配布される。UASは、飛行経路ベースの探知防止のサポートの下で離陸する。UASは、5,486m(18,000ft)まで上昇する。上昇中、飛行経路のクラスA空域部分は、求められたUASの飛行経路の近傍で他の交通を考慮に入れて、UASと航空管制108によってネゴシエーションされる。このポイントから、UASの飛行経路は、通常の民間航空機の飛行経路と相違しない。飛行経路の同期化によって、航空管制108が、UASの4−D飛行経路およびその意図に関し状況を認識していることが保証される。飛行経路の同期化および飛行経路のネゴシエーション両方によって、UASをクラスA空域で運用するためのメカニズムが可能になる。この例では、ADS−Bシステムが、9分である最小分離間隔より短い距離にあると予測された航空機を示す。機上の戦略的な分離アルゴリズムが、UAS上で起動され、新しい提案された飛行経路が生成され、航空管制108に伝達されることになる。航空管制からの承認と同時に、新飛行経路は、機上の飛行管理システムと同期化される。UASが、そのクラスA空域の飛行経路セグメントの終わりに近づいたとき、下降が開始され、行き先空港での着陸が完了する。
【0044】
第2の例では、監視の実施が可能であることを述べる。この例では、ポイントからポイントへの航行シナリオが描かれた第1の例と異なり、UASの動作は、民間航空機の飛行経路のような飛行経路を含むことがあまりなさそうである。この例では、UASは、航空管制サービス108と繰り返してネゴシエーションされる、152から5,486m(500から18,000ft)の範囲で偵察パターンを飛行する。飛行経路の同期化は、航空管制108にUASの正確な位置を与えるために、予約される。飛行経路は、UASによって、その戦略的および戦術的なミッションの要求、さらにその上、性能限界および脅威の優先度に基づき、ネゴシエーションされる。正常の状況下では、民間航空交通は、UASの存在によって概して影響されないままである、というのは、UASは、民間交通のために便宜を図り、邪魔しないように、その偵察パターンを適応させるからである。
【0045】
しかし、この例では、高い優先度を有する対象が検出された場合、状況は逆転する。そのような場合、民間交通ルートを、高い優先度を有するUASの飛行経路に取って代えるために、航空管制108によって再ネゴシエーションされることになる。同様の状況が、UAS故障の場合起きることがあり、そのときは即時の緊急着陸が求められる。同様に、当該航空機が、クルーの人数が減らされた(たとえば、パイロット一人)有人航空機であるとき、対応する状況が起きることがある。そのような航空機は、パイロットが、身体的に機能が奪われたとき、本来的にUASになる。
【0046】
UASの監視シナリオに戻ると、UASは、提案された偵察パターンに関し、航空管制108と、当初、ネゴシエーションすることができる。この例では、空域中の交通は、わずかで、UASの偵察パターンが承認される。途中の間、機上センサ162が、2分より短い時間で衝突するという見積もりがされた、接近する物体を検出したとする。機上の戦術的な分離アルゴリズムが起動され、機上の飛行管理システム180が、衝突を回避するための飛行経路を生成する。新飛行経路に基づき、UASは、衝突を回避するために飛行経路に変更する。衝突回避が達成された後、UASは、その新飛行経路を航空管制108に伝達し、機上の飛行管理システム180が、逸脱を最小限にして元の計画された飛行経路に戻るための飛行経路を生成する。
【0047】
この例を続けると、途中の間、地上管制102との交信(パイロットがループ中にいる)が失われたとする。この通信の喪失に基づき、UASは、通信リンクが達成できる確率が高い、所定の場所に飛行して、通信リンクが復活するまで徘徊する。通信リンクが復活した場合、UASは、元の飛行経路からの逸脱を最小限にし、通信リンクが達成できる確率が最大になるようにして、その計画された飛行経路を継続する。しかし、通信リンクが復活しない場合、UASは、自立的に着陸し、隣接する交通の間で通行権が与えられる。他の例によれば、通信を損失するとすぐに、UASは、むしろ、最後に承認されたフライトプランを継続することができ、航空管制は、通信が復活するまで、UASの外側周囲に他の航空機を迂回させることができる。
【0048】
本発明の技術的な効果は、UASまたはクルーの人数が減らされた航空機などの航空機を含み、その航空機は、4−D飛行経路の機上での解析を使用して、他機との分離間隔を維持するように構成される。飛行経路は、航空管制システムなどの外部のソースによって提供する、または、飛行経路予測モジュールおよび/または飛行管理システムなどの機上のシステムによって生成することができる。本発明の技術的な効果は、また、UASまたはクルーの人数が減らされた航空機などの航空機を含み、その航空機は、4−D飛行経路の機上での解析を使用して、衝突を回避するように構成される。飛行経路は、航空管制システムなどの外部のソースによって提供する、または、飛行経路予測モジュールおよび/または飛行管理システムなどの機上のシステムによって生成することができる。
【0049】
この成文の説明では、本発明を実施するための形態を含めて、本発明を開示するために、および、また、いかなる装置もまたはシステムも製造し使用する、かついかなる具体化された方法も実施することを含めて、いかなる当業者も本発明を実施することができるように、例が使用されている。本発明の特許を受けられる範囲は、クレームによって定義され、当業者に思い浮かぶ、他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが、クレームの文字通りの意味と相違しない構造的な要素を有する場合、またはそれらが、クレームの文字通りの意味との相違が実質的でない、均等な構造的要素を含む場合、クレームの範囲内に含まれるものと意図される。
【符号の説明】
【0050】
100 航空機
102 地上管制局
104 航空機/地上管制局間のデータリンク
108 航空管制
110 航空機/航空管制間のデータリンク
112 レーダ交通のデータリンク
114 ミッションプロフィール/UASステータスのデータリンク
118 他機
120 航空機/他機間のデータリンク
152 地上管制の通信リンク
154 航空管制の通信リンク
156 他機の通信リンク
160 地上管制局/航空管制間のデータリンク
162 機上のセンサスーツ
164 飛行経路予測モジュール(他機)
166 4−D飛行経路作成/予測(他機)
168 探知防止サブシステム
170 競合検出モジュール
172 競合解決モジュール
174 衝突検出モジュール
176 衝突解決モジュール
180 飛行管理システム
182 飛行経路同期モジュール
184 飛行経路ネゴシエーションモジュール
186 飛行経路計画モジュール
188 飛行経路予測モジュール(自機)
190 飛行制御システム
192 4−D飛行経路(自機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)の4次元(4−D)飛行経路(192)、ならびに他機(118)の飛行経路または前記航空機(100)がそこから分離間隔を維持すべきである領域を表す4ーD構図(166)を受け取るように構成された競合検出モジュール(170)であって、前記競合検出モジュール(170)は、競合が、前記航空機(100)の前記4−D飛行経路(192)と前記4ーD構図(166)の間に存在するかどうかを決定する、競合検出モジュール(170)と、
前記競合検出モジュール(170)から情報を受け取るように構成された競合解決モジュール(172)であって、前記競合解決モジュール(172)は、前記競合を防止するために、前記航空機(100)の前記4−D飛行経路(192)に対する変更を生成する、競合解決モジュール(172)と、
を含む、探知防止システム(168)。
【請求項2】
前記航空機(100)の前記4−D飛行経路(192)は、前記航空機(100)の飛行管理システム(180)によって前記競合検出モジュール(170)に提供される、請求項1記載の探知防止システム(168)。
【請求項3】
前記4−D構図(166)のいくらか、またはすべてが、前記航空機(100)の外部に在るソースによって提供される、請求項1記載の探知防止システム(168)。
【請求項4】
前記航空機(100)の外部に在る前記ソースは、航空管制システム(108)を含む、請求項3記載の探知防止システム(168)。
【請求項5】
前記4−D構図(166)のいくらか、またはすべてを生成する飛行経路予測モジュール(164)を含む、請求項1記載の探知防止システム(168)。
【請求項6】
前記飛行経路予測モジュール(164)は、航空管制システム(108)によって提供された情報、他機(118)によって提供された情報、地上管制局(102)によって提供された情報、またはセンサスーツ(162)によって提供された情報の1つまたは複数を使用して、前記4−D構図(166)のいくらか、またはすべてを生成する、請求項4記載の探知防止システム(168)。
【請求項7】
前記競合解決モジュール(172)は、前記航空機(100)の前記4−D飛行経路(192)を修正するために、前記変更を飛行管理システム(180)に伝達する、請求項1記載の探知防止システム(168)。
【請求項8】
前記航空機(100)のセンサスーツ(162)によって提供されたデータに少なくとも基づき、前記航空機(100)の可能性がある衝突を検出するように構成される衝突検出モジュール(174)と、
前記衝突検出モジュール(174)から可能性がある衝突に関する通知を受け取り、かつ前記可能性がある衝突を回避するために、飛行制御システム(190)に直接指示を発行するように構成される衝突解決モジュール(176)と、
を含む、請求項1記載の探知防止システム(168)。
【請求項9】
前記競合検出モジュール(170)、前記競合解決モジュール(172)、前記衝突検出モジュール(174)および前記衝突解決モジュール(176)の動作は、前記競合または可能性がある衝突に対して識別されたタイムフレームに依存する、請求項8記載の探知防止システム(168)。
【請求項10】
緊急のタイムフレームの外部に在ると決定された競合または可能性がある衝突は、前記競合検出モジュール(170)および前記競合解決モジュール(172)によって処理され、
前記緊急のタイムフレームに含まれると決定された競合または可能性がある衝突は、前記衝突検出モジュール(174)および前記衝突解決モジュール(176)によって処理される、
請求項9記載の探知防止システム(168)。
【請求項11】
4−Dの飛行経路または構図(166、192)に基づき、可能性がある競合または衝突を検出するように構成される飛行経路ベースの探知防止システム(168)を含み、
戦略的なタイムフレーム中に起きると見積もられた、可能性がある競合または衝突は、航空機(100)の飛行管理システム(180)によって生成された前記航空機(100)の4−D飛行経路(192)および前記航空機(100)の外部に在るソースから提供された4−D構図(166)を使用して、識別され、
戦術的なタイムフレーム中に起きると見積もられた、可能性がある競合または衝突は、前記航空機(100)の前記飛行管理システム(180)によって生成された前記航空機(100)の前記4−D飛行経路(192)および4−D構図(166)を使用して、識別され、その4−D構図のいくらかは、前記航空機(100)に搭載された予測モジュール(164)によって少なくとも一部分生成され、
クリティカルなタイムフレーム中に起きると見積もられた、可能性がある競合または衝突は、機上のセンサスーツ(162)によって生成されたデータに少なくとも一部分基づいて、識別される、
航空機(100)。
【請求項12】
前記戦略的なタイムフレームは、10分以上であり、
前記戦術的なタイムフレームは、1分と10分の範囲であり、
前記クリティカルなタイムフレームは、1分以下である、
請求項11記載の航空機(100)。
【請求項13】
前記戦略的なタイムフレームまたは前記戦術的なタイムフレーム中に起きると見積もられた、可能性がある競合または衝突は、前記飛行管理システム(180)を使用して、前記航空機(100)の前記4−D飛行経路(192)に対する変更を決定し、かつ前記4−D飛行経路(192)に対する前記変更を実施することによって、防止される、請求項11記載の航空機(100)。
【請求項14】
前記クリティカルなタイムフレーム中に起きると見積もられた、可能性がある競合または衝突は、衝突解決モジュール(176)が、前記可能性がある競合または衝突を回避するように、飛行制御システム(190)を直接制御することによって、回避される、請求項11記載の航空機(100)。
【請求項15】
前記航空機(100)は、無人機またはクルーの人数が減らされた航空機を含む、請求項11記載の航空機(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−131484(P2012−131484A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−278143(P2011−278143)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【出願人】(399129342)ロックヒード マーティン コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】