説明

食品の製造方法

【課題】より健康的な食品の製造方法を提供すること。
【解決手段】マイナス水素イオン発生物質を含有させた豆腐を薄く切って水切りし、油で揚げて出来上がった油揚げの内部に、少なくとも10〜70重量%のおからと、細かくした野菜及びひき肉等を混合して作製したものの表面に、ある程度の長さに切った長ネギをまぶして作製した具を入れて食品を作製する。食するときには、フライパンに軽く油をひき、この食品の厚さ(高さ)の半分程度の高さまで水を入れて、蓋をして蒸し焼きにする。フライパンの水がなくなって、油揚げにやや焦げ目がつく位かつかない程度まで焼く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油揚げに具を詰めた食品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大豆から作られた豆腐は自然食品として、たんぱく質を豊富に含み、消化吸収率が高いので、胃に負担がかからないことが知られている。また、豆腐が健康食品といわれるのは、植物性の脂肪をたんぱく質に次いで多く含んでいるからでもあり、この植物性の脂肪は不飽和脂肪酸で、肥満、動脈硬化、心臓病など、成人病の原因であるコレステロールを少なくする働きを持っていることも知られている。豆腐から作られる油揚げも豆腐と同様良質の蛋白質や油脂を含み、栄養価が高い食品であり、うどんがバラバラにならないように、この油揚げ中にうどんを具として入れる食品が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−173661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そして、これら豆腐と同じ健康効果を持つ油揚げ中に、利用されにくいが栄養価の高いおからを具として混ぜ込んだことにより、大豆成分を丸ごと摂取することができ、更に一層栄養価の高い健康食品が望まれる。
【0004】
そこで本発明は、より健康的な食品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため第1の食品の製造方法に係る発明は、薄く切って水切りした豆腐を油で揚げた油揚げの内部に、少なくとも10〜70重量%のおからと、細かくした野菜及びひき肉等を混合して作製したものの表面に、ある程度の長さに切った長ネギをまぶして作製した具を入れたことを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、前記豆腐として、マイナス水素イオン発生物質を含有させた豆腐を使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、健康食品として揺るぎない食品の製造方法を提供することができる。また、本製造方法によれば、食品の品質を長期間維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、初めに油揚げを製造するための豆腐の製造方法から詳述する。木綿豆腐を工業的に製造してもよいが、一般家庭で製造する場合を例として、以下実施形態について説明する。先ず、材料として、豆腐を1丁(300g)作る場合には、大豆100g用意する。歩留まりを考慮して多少多めに用意する。また、凝固材として、にがりの主成分の塩化マグネシウムなど6g程度を5倍程度の水で溶いたにがり液40mlを使用し、これは凝固反応も早いが、豆腐の味もよい。以下、具体的に、豆腐の製造方法について説明する。
1.大豆の浸漬
材料である大豆は表面の汚れを落とすために水洗いし、後にすり潰しをするので水に浸して柔らかくしておく必要がある。 この大豆100gに対して、約3倍の300g程度の水に、15〜20時間程度浸す。冬季は夏季より、少し長めに浸す。
2.すり潰し
次に、水に浸して柔らかくなった大豆の水を切って、すり潰し(粉砕)ます。細かくすり潰さないと大豆からたんぱく質を十分に抽出することができないので、水を加えながら、すり潰し機を使用するか、すり鉢でゴマをするようにすり潰す。この場合、ミキサーを用いたり、粉砕機を使用してすり潰してもよい。
3.煮沸
前述したように、すり潰した大豆(以下、「呉」という。)を鍋に入れて、コンロにかけて煮る。このときの水加減と火加減が問題であり、焦げないよう、泡が立たないようかき混ぜながら、いったん沸騰したら、火を止めて、弱火で10分程度煮る。
【0009】
なお、この煮沸工程において、かき混ぜながら、呉に熱を加えて煮るが、泡が立たないように、必要に応じて消泡剤を加えてもよい。これにより、泡が立つことによるタンパク質の抽出効果が下がるのが改善できる。
4.分離
大豆の皮や、繊維質、水に溶けた大豆タンパク質が混ざった状態の呉から、豆腐に必要な大豆タンパク質の汁(豆乳)だけを取り出す工程です。木綿の布をざるの上に敷いて、下に鍋を置いて、この布に流し込む。全部投入し終わったら、手で布の端を集めて袋状にして手で絞る。このようにして、豆乳と残りのおからとに、分離する。
5.凝固材の投入及び攪拌、抗酸化物質の粉末の投入
次に、前述したように分離された豆乳中に凝固材であるにがり液を投入して、攪拌する。この場合、前述したようなにがり液を使用する。鍋に入れた豆乳の温度を60〜70℃として、しゃもじで豆乳を回してできた安定した流れの中にこのにがり液をさっと入れる。
【0010】
このとき、にがり液を豆乳中に投入して、攪拌しながら凝固する直前に、水に溶いた抗酸化物質の粉末を全体に均一に万遍なくばらまく。このようにして、豆乳が凝固し切る前に水に溶いた抗酸化物質の粉末を投入するので、凝固して出来上がった豆腐中に抗酸化物質を含有させることができる。この水は、マイナス電位の還元水、例えば還元作用を発揮する電位がマイナス50ミリボルト〜マイナス300ミリボルトの還元水を使用してもよい。これにより、豆腐中の水分が還元性を有するので、豆腐内部に含有されたマイナス水素イオン発生物質の作用に加えて、更に酸化を遅延させ、豆腐が腐るのを従来より遅らせることができ、豆腐の品質を長期間維持することができる。
【0011】
この抗酸化物質は、特開2005−245265号公報に開示された、例えばマイナス水素イオン発生物質を使用する。即ち、食用のサンゴカルシウムをマイナス水素イオン放出物質として採用し、このサンゴカルシウムを酸化焼成と還元焼成の2段階の焼成を行うことによって食用として供されるものであって、具体的には、サンゴカルシウムと小麦粉の混合物を成形し、酸化焼成と還元焼成を行い、この焼成体を粉末としたマイナス水素イオン発生物質を使用する。
【0012】
より具体的には、サンゴカルシウムの粉末を重量比で55%、小麦粉重量比で45%に水を加えて混練し板状に成形して乾燥し、得られた乾燥成形体を700℃で4時間酸化焼成した後、Nガス・Hガス雰囲気の還元炉で650℃で4時間還元焼成し、得られた焼成体を微粉末としたマイナス水素イオン発生物質であり、或いはサンゴカルシウム又は炭酸カルシウム40g、シリカ30g、小麦粉30gを原料として、これに水を加えて混練し板状に成形して乾燥し、得られた乾燥成形体を700℃で4時間酸化焼成した後、Nガス・Hガス雰囲気の還元炉で650℃で4時間還元焼成し、得られた焼成体を微粉末として作ったのがマイナス水素イオン発生物質である。
【0013】
この豆腐中に含有されたマイナス水素イオン発生物質が豆腐中の水分に接してマイナス水素イオン(H)を徐々に発生させるので、マイナス水素イオン発生物質を含有した豆腐を食べると、体内の細胞中の水分をマイナス水素イオン(H)化して体内の余剰活性酸素を除去して、体質の改善と活性化が図られ、成人病の予防や肥満やガンの予防にも有益と考えられる。
【0014】
そして、出来上がった豆腐が1丁(300g)であれば、30mg〜300mg、好ましくは105mg〜120mgの粉末のマイナス水素イオン物質が豆腐中に含有するようにする。即ち、0.01%〜0.1%、好ましくは0.035〜0.04%の割合で、豆腐中に含有するようにする。
6.成型
前述したような水に溶いたマイナス水素イオン発生物質の粉末の投入及び攪拌、にがり液の投入によって、豆腐として固まったら、型箱に木綿の布を型に合わせて敷いて少し砕いた豆腐を流し込み、押し蓋をして重石をする。これは、形を整えることと、水切りをするのが目的であり、型は水が切れる物である必要がある(例えば、底板及び側板に水切り用開口がある。)。
7.完成
そして、豆腐が固まったら、凝固が完了するので、型箱からそっと抜き、前記布に包んだまま水の中に移して、この布を取り出す。そして、30分間くらい水にさらし、アク抜きをし、豆腐の温度が下がったら完成である。なお、この水もマイナス電位の還元水、例えば還元作用を発揮する電位がマイナス50ミリボルト〜マイナス300ミリボルトの還元水を使用してもよい。
【0015】
これにより、豆腐表面が接する水が還元性を有するので、豆腐内部に含有されたマイナス水素イオン発生物質の作用に加えて、更に酸化を遅延させ、豆腐が腐るのを従来より遅らせることができ、豆腐の品質を長期間維持することができる。
【0016】
なお、以上の実施形態によれば、豆乳に凝固材を投入して攪拌しながら水に溶いたマイナス水素イオン発生物質の粉末の投入をしたが、これに限らず、豆乳に凝固材を投入して攪拌しながら水に溶かない(状態の)粉末状のマイナス水素イオン発生物質を投入してもよい。また、マイナス水素イオン発生物質を溶いた水を又は溶かないマイナス水素イオン発生物質の粉末を投入して攪拌しながら凝固材を投入してもよく、更にはマイナス水素イオン発生物質を溶いた水を又は溶かないマイナス水素イオン発生物質の粉末の投入と凝固材の投入を同時に行って攪拌してもよく、また凝固材中にマイナス水素イオン発生物質を溶いた水を、又は溶かないマイナス水素イオン発生物質の粉末を混合させたものを投入して攪拌してもよい。なお、以上のようなマイナス水素イオン発生物質は、粉末状のものを使用したが、必ずしも粉末でなくともよく、粉末状のものではないある程度の大きさのものでも良い。
【0017】
以上、木綿豆腐の製造方法について述べたが、この木綿豆腐の製造方法により製造された豆腐を利用した健康食品の製造方法について説明する。以上のようにして製造した木綿豆腐を、例えば1.0〜1.5cm程度の厚さに切り、軽く重しをして崩れない程度に水切りをする。この場合、薄く切った豆腐をペーパータオルで包み、電子レンジにかけると短時間で水切りができる。この水切りした豆腐を、最初は、例えば120℃程度の低温の油で揚げて膨らませ、さらに、例えば180℃〜200℃の高温の油で表面がカリッときつね色になるまで揚げて油揚げを作る。
【0018】
このようにして製造した油揚げの長さを半分に切って、切断面から開くようにして袋状にする。これとは別に、にら、キャベツ、玉ねぎ等の野菜をそれぞれみじん切りにして、鶏、豚、牛等のひき肉、及び前記豆腐の製造工程で副産物として発生したおからを混ぜ合わせ、塩、ごま油、その他の香辛料で味付けしたものを具として用意する。この場合に使用するおからは、少なくとも具の10〜70重量%程度であるが、本実施形態では25重量%程度の量を使用する。
【0019】
また、使用する野菜は、好みによりキャベツに代えて又はキャベツと共に白菜を使用したり、きのこ類等を使用してもよい。白菜やキャベツなどの水分の多い野菜を使用する場合は、軽く塩をして水気を絞っておくほうが、具がまとまりやすい。あるいは塩もみをする代わりに軽く湯通ししてもよい。具の味付けは、焼き上がってから、好みで醤油やたれをつけてもよいので、薄味程度が好ましい。
【0020】
次に、上記混ぜ合わせた具を平面視長円形にまとめ、別に用意したある程度の長さに切った、例えば3〜7cm程度の長さに切った長ネギをこの具の表面全体、即ちこの具の上面、下面及び周側面にまぶし、開いて袋状にした油揚げに、前記用意した具を適当量詰めて、開口部からこの具が飛び出さないように、油揚げの開口部を塩もみして水で戻したかんぴょうで縛るか、或いは爪楊枝で縫うように止めてもよい。なお、具の表面(周り)にまぶす長ネギの長さは、3〜7cmに限らず、具の大きさに応じてや、食する人の好みに応じてや、製品のバリエーションに応じて、決めればよい。
【0021】
油揚げに詰める具の量は、油揚げの口いっぱいまで詰めずに、火の通りをよくするためと、また油揚げの食感を生かすためにも、やや少なめに入れた方がよい。
【0022】
そして、食するときには、餃子と同様に、フライパンに軽く油をひき、例えばこの食品の厚さ(高さ)の半分程度の高さまでフライパンに水を入れて蓋をして蒸し焼きにする。そして、フライパンの水がなくなって、油揚げにやや焦げ目がつく位かつかない程度まで焼くと、油揚げのパリッとした食感が味わえる。このようにして、焼き上がったら、好みで醤油やたれをつけて食することにより、食感も良く、おいしくいただくことができる。
【0023】
以上のように、本発明は、豆腐と同じ健康効果を持つ油揚げ中に、利用されにくいが栄養価の高いおからを具として混ぜ込んだことにより、大豆成分を丸ごと摂取することができ、更に一層栄養価の高い健康食品を提供することができる。本発明によれば、体質の改善と活性化が図られ、健康食品として揺るぎない食品の製造方法を提供することができる。また、本製造方法によれば、食品の品質を長期間維持することができる。
【0024】
なお、以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄く切って水切りした豆腐を油で揚げた油揚げの内部に、少なくとも10〜70重量%のおからと、細かくした野菜及びひき肉等を混合して作製したものの表面に、ある程度の長さに切った長ネギをまぶして作製した具を入れたことを特徴とする食品の製造方法。
【請求項2】
前記豆腐として、マイナス水素イオン発生物質を含有させた豆腐を使用することを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。

【公開番号】特開2010−130905(P2010−130905A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307010(P2008−307010)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(501202842)
【Fターム(参考)】