説明

食品容器

【課題】液状物を別体の容器に収納しながらも液状物を密閉でき、別体の容器を掴みやすくした食品容器を提供する。
【解決手段】本発明の食品容器1は、容器本体2とそれを被覆する一枚の蓋4とを備え、容器本体2に主収納凹部21と縁部31に突片状の摘み部32を有する補助容器3を収納可能な副収納凹部22とを少なくとも形成してあり、副収納凹部22は、縁部26内側に前記蓋4に形成した嵌合部42と密閉して嵌合可能な被嵌合部28を形成してあり、前記摘み部32は、前記嵌合部42と前記被嵌合部28とを嵌合した際、この間に挟み込まれて先端が副収納凹部22外に位置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、特にカレールーなどの液状物を収納するのに適した食品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
カレーなどのように御飯の上にカレールーなどの液状物をかけた食品を容器に収納する際、予めカレールーを御飯の上にかけておくことがある。このようにすると、御飯がカレールーの水分を吸収してふやけてしまい、食感がよくないものとなっていた。
また、二つの収納部を形成した容器に、御飯とカレールーとを別々に収納することがある。このように分別して収容することにより、御飯はふやけることがないが、食するときにカレールーをスプーンなどで少量掬い、御飯にかけなければならず、面倒な作業を必要とするものであった。
【0003】
そこで、カレールー用に別体の容器をさらに収納しておき、食するときは別体の容器を持ち上げて、カレールーを御飯の上にかけられるようにした容器が開発されている(下記特許文献1及び2参照)。
【0004】
【特許文献1】実開平6−81988号公報(請求項1,図3など)
【特許文献2】実公平4−15645号公報(請求項1,第2図など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように別体の容器を収納した容器は、カレールーが液状物であるため、容器を運搬する際に、カレールーが流出しやすく、容器の縁や周面などに付着してしまい、容器を掴むときに手を汚すことがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、カレールーなどの液状物を別体の容器に収納しながらも密閉でき、別体の容器を持ち上げやすくした食品容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の食品容器は、容器本体と容器本体を被覆する一枚の蓋とを備え、容器本体に主収納凹部と縁部に突片状の摘み部を有する補助容器を収納可能な副収納凹部とを少なくとも形成してあり、副収納凹部は、縁部に前記蓋に形成した嵌合部と密閉状態に嵌合可能な被嵌合部を形成してあり、前記摘み部は、前記嵌合部と前記被嵌合部とを嵌合した際、この間に挟み込まれつつ先端が副収納凹部外に位置することを特徴とする。
【0008】
このような構成とすることにより、副収納凹部に補助容器を収納して密閉することができ、補助容器は、突片状の摘み部の先端を副収納凹部外に位置させて収納することができるので、摘み部の先端にはカレールーなどが付着することがなく、摘み部を摘み、手を汚すことなく持ち上げることができ、カレールーなどを御飯などの上にかけることができる。
【0009】
前記被嵌合部は、副収納凹部の縁部周囲に形成するのが好ましい。
【0010】
このような構成とすることにより、カレールーなどの液状物を密閉しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の食品容器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態の食品容器の斜視図、図2は図1の食品容器の断面図、図3は補助容器を副収納凹部に収納したときの摘み部付近の断面図、図4は摘み部付近の拡大斜視図である。
【0012】
本発明の一実施形態の食品容器1は、図1に示すように、容器本体2と補助容器3と蓋4とを備えている。
食品容器1は、例えば、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などの熱成形をして製造することができ、容器本体2及び補助容器3は、白色、黒色など有色であるのが好ましく、蓋4は、透明乃至半透明などの無色であるのが好ましい。
【0013】
容器本体2は、平面視において四辺を外側に膨らませた変形矩形状に形成してあり、主収納凹部21と副収納凹部22とを凹ませて形成してある。
主収納凹部21は、三日月状に凹陥させて形成してあり、御飯、麺類などの主食を収納することができ、一端側には他の部位よりも浅く三角形状に凹ませた補助収納凹部23が形成してあり、お惣菜、漬物、薬味、醤油、ソースなどを収納することができる。
主収納凹部21の長手円弧側縁部24には、図2に示すように、内面側から外面側に湾曲状に凹ました被係止部25が形成してある。
【0014】
副収納凹部22は、主収納凹部21に隣接させ、扁平楕円状に凹陥させて形成してあり、補助容器3を収納できるようにしてある。縁部26の一端側には、図3又は図4に示すように、内面と上面とを連ねる傾斜面の挟み込み部27が形成してあり、縁部26の他の部分には、内面側から外面側に湾曲状に凹ました被嵌合部28が周方向に形成してある。
【0015】
補助容器3は、副収納凹部22に収納した際、縁部31が被嵌合部28よりも下方になる高さとし、副収納凹部22に略隙間なく収納することができる形状としてあり、カレールー、ミートソースなど主に液状物を収納できるようにしてある。補助容器3の縁部31の一端側には、先端を円弧状にした突片状の摘み部32が形成してある。
摘み部32は、図3又は図4に示すように、補助容器3を副収納凹部22に収納した際、挟み込み部27上に載るように形成してあり、挟み込み部27や容器本体2の上面に沿い折れ曲がる薄片状に形成してある。
【0016】
蓋4は、図1又は図2に示すように、容器本体2を被覆するものであり、主収納凹部21及び副収納凹部22に対応する部分を上方に膨出させるとともに、主収納凹部21に対応する部分の長手円弧側を下方に細溝状に凹ませ、その下端側に、外側に湾曲状に膨出させた係止部41が形成してあり、被係止部25に係止できるようにしてある。また、副収納凹部22に対応する部分の周囲を下方に細溝状に凹ませ、その下端側に、外側に湾曲状に膨出させた嵌合部42が形成してあり、被嵌合部28に嵌合できるようにしてある。
【0017】
食品容器1を、被覆する際は、補助容器3を、摘み部32を挟み込み部27上の載せながら副収納凹部22に収納し、次に、蓋4を、係止部41を被係止部25に係止させながら嵌合部42を被嵌合部28に嵌合させる。このとき、摘み部32は嵌合部42と被嵌合部28との間に挟み込まれ、先端が副収納凹部22の外に位置するように嵌合させる。
【0018】
食品容器1では、補助容器3は、副収納凹部22内に収納され、副収納凹部22は、嵌合部42と被嵌合部28とで密閉され、摘み部32は、挟み込み部27と嵌合部42とで隙間なく挟み込まれているので、補助容器3内に収納した液状物は外に流出することはない。また、摘み部32の先端は、副収納凹部22の外に位置しているので、液状物が付着することがない。そのため、食品容器1が運搬などにより揺れたとしても、摘み部32は液状物の付着がなく、補助容器3を持ち上げるときに手を汚すことがない。
【0019】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にするかぎり変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態の食品容器の斜視図である。
【図2】図1の食品容器の断面図である。
【図3】図1の食品容器において補助容器を副収納凹部に備えたときの摘み部付近の断面図である。
【図4】図1の食品容器において補助容器を副収納凹部に備えたときの摘み部付近の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1食品容器 2容器本体 21主収納凹部 22副収納凹部 23補助収納凹部 24縁部 25被係止部 26縁部 27挟み込み部 28被嵌合部 3補助容器 31縁部 32摘み部 4蓋 41係止部 42嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体とそれを被覆する一枚の蓋とを備え、容器本体に主収納凹部と縁部に突片状の摘み部を有する補助容器を収納可能な副収納凹部とを少なくとも形成してあり、副収納凹部は、縁部に前記蓋に形成した嵌合部と密閉状態に嵌合可能な被嵌合部を形成してあり、前記摘み部は、前記嵌合部と前記被嵌合部とを嵌合した際、この間に挟み込まれつつ先端が副収納凹部外に位置する食品容器。
【請求項2】
前記被嵌合部は、副収納凹部の縁部周囲を湾曲状に凹ませて形成してある請求項1に記載の食品容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−105673(P2010−105673A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276931(P2008−276931)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(390041058)シーピー化成株式会社 (16)
【Fターム(参考)】