説明

食品成形装置およびプロセス

本発明は、食品が成形される可動性成形体(7)と、食品を成形体から取り出す突出し運動を行うノックアウトカップ(4)とを有している食品成形装置(10)であって、ノックアウトカップは、少なくとも部分的に透過性の底(11)を備えており、該底を通って、流体媒体(13)が放出されることが可能になっており、突出し運動中に、流体媒体クッションが、透過性底の下方に少なくとも一時的にもたらされるようになっている、食品成形装置に関する。本発明は、食品を製造するプロセスをさらに含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品が成形される可動性成形体と、食品を成形体から取り出す突出し運動を行うノックアウトカップと、を有している食品成形装置であって、ノックアウトカップは、少なくとも部分的に透過性の底を備えており、該底を通って、流体媒体が放出されることが可能になっている、食品成形装置に関する。本発明は、食品を製造するためのプロセスをさらに含んでいる。
【背景技術】
【0002】
食品成形装置は、最新の技術から知られている。この装置は、ノックアウトカップを備えている。ノックアウトカップは、回転ドラムの孔を通って移動し、ドラム内に成形された製品、例えば、食品を突き出すようになっている。ノックアウトカップが食品に当たった後、食品がノックアウトカップの表面に少なくとも部分的に付着することになる。ノックアウトカップから食品を取り去るために、急速に膨張することになる6バール以下の高圧で供給される空気を用いて、食品をノックアウトカップから吹き飛ばすようになっている。多くの場合、食品をノックアウトカップから取り去るために、水が追加的に必要とされている。この装置は、騒々しいという欠点、水が食品を捕捉する問題を生じるという欠点、食品がノックアウトカップから垂直に落下しないという欠点、および水をいくつかのノックアウトカップ間に均一に分配することが困難であるという欠点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、最新の技術による問題を解消する食品成形装置およびプロセスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題は、食品が成形される可動性成形体と、食品を成形体から取り出す突出し運動を行うノックアウトカップとを有している食品成形装置であって、ノックアウトカップは、少なくとも部分的に透過性の底を備えており、該底を通って、流体媒体が放出されることが可能になっており、突出し運動中、流体媒体クッションが透過性底の下方に少なくとも一時的にもたらされるようになっている食品成形装置によって、解消されることになる。
【0005】
本発明は、食品成形装置を取り扱っている。本発明による食品は、食べられる物、例えば、肉、パン生地、野菜、果物、など、またはこれらの組合せから作られるどのような食品であってもよい。食品は、二次元的形状、すなわち、高さが一定の形状を有していてもよいし、または三次元的形状を有していてもよい。
【0006】
この装置は、食品が成形される成形体、例えば、往復動プレートまたは回転ドラムを備えている。この成形体は、1つまたは複数の孔を備えており、これらの孔内に食品が成形されるようになっている。好ましくは、多数の食品が、同時に成形されるようになっている。
【0007】
食品は、一サイクル中に開始位置と突出し位置との間で往復運動するノックアウトカップによって、成形体から取り出されるようになっている。好ましくは、ノックアウトカップは、ハウジング内に配置されていず、自在に運動するようになっている。ノックアウトカップのストローク長は、調整可能である。ノックアウトカップは、その底に、すなわち、食品に隣接する表面に、少なくとも部分的に透過性の表面を備えており、該表面内に流体媒体が圧入されるようになっている。例えば、この表面は、好ましくは、レーザ、水噴射切断、および/または放電加工によって該表面を穿孔することによって、作製されるようになっている。この表面は、好ましくは、焼結された多孔性の材料、例えば、金属、プラスチック、および/またはセラミックである。さらに好ましくは、この表面は、突き出される食品に対して耐付着性を有している。この表面は、流体媒体を供給する源に接続されている。流体媒体が、透過性表面内に圧入されることになる。透過性表面の本質的に均一な流れ抵抗によって、流体媒体は、底の透過部分の全体にわたって均一に拡がることになる。
【0008】
流体媒体は、好ましくは、空気、水、および/または水蒸気である。媒体、特に、空気は、環境温度よりも高い温度、好ましくは、40℃から90℃の間の温度を有することができる。
【0009】
突出し運動中、流体媒体クッションが、透過性底の下方に少なくとも一時的にもたらされるようになっている。本発明による流体媒体クッションは、透過性底表面に隣接するノックアウトカップの外側の容積部である。この容積部において、放出された媒体は、環境圧力よりも高い圧力を有している。好ましくは、クッションは、有孔底から外に、さらに好ましくは、長期間にわたって流体媒体を放出することによって、もたらされるようになっている。クッションは、どのような形状を有していてもよい。好ましくは、クッションは、不規則な形状を有することができる薄膜状である。好ましくは、このクッションは、ノックアウトカップが食品に触れる前および/または触れている間、存在するようになっている。このクッションは、食品がノックアウトカップの表面に付着する傾向を少なくとも低減させることになる。好ましくは、クッションは、少なくとも透過性領域の全体に拡がるようになっている。
【0010】
クッションは、流体媒体を透過性底から放出することによって、生じさせることができる。媒体の流れは、連続的であってもよいし、および/または間断的であってもよい。
【0011】
好ましくは、透過性底は、ノックアウトカップに固定された板である。好ましくは、透過性底は、二次元的形状、すなわち、一定の厚みを有する形状、または三次元的形状を有している。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、ノックアウトカップは、耐付着防止被膜を有する側壁を備えている。この被膜は、例えば、テフロン(登録商標)、ミロペン(Miropen)、またはナノ構造を有する被膜とすることができる。一般的に、耐付着防止被膜は、ノックアウトカップの側壁に付着する食品の量を低減させることになる。
【0013】
好ましくは、ノックアウトカップは、該ノックアウトカップの側壁および/または底を洗浄する少なくとも一種の洗浄流体源に接続されている。好ましくは、この洗浄流体は、環境温度を有している空気または温められている空気、および/または温水および/または熱蒸気である。洗浄流体は、ノックアウトカップ内を循環し、これによって、例えば、側壁および/または底の食品接触表面を加熱および洗浄し、および/または洗浄目的で側壁および/または底を流通するようになっている。種々の洗浄流体によって、ノックアウトカップの種々の部分をそれぞれ洗浄することが可能となる。
【0014】
好ましくは、洗浄流体は、食品が突出された後、成形体の孔の表面を少なくとも部分的に洗浄するようになっている。
【0015】
好ましくは、ノックアウトカップは、少なくとも部分的に透過性の側壁を備えており、該側壁内に、洗浄流体が圧入されることが可能になっている。例えば、この表面は、好ましくは、レーザ、水噴射切断、および/または放電加工によって該表面を穿孔することによって、作製されるようになっている。側壁は、好ましくは、焼結された材料、例えば、金属、プラスチック、および/またはセラミックである。さらに好ましくは、側壁は、突き出される食品に対して耐付着性を有している。この表面は、洗浄媒体を供給する源に接続されている。流体媒体が、透過性表面内に圧入されるようになっている。洗浄流体は、空気、蒸気、水、または食品処理用途に適しているどのような他の洗浄流体であってもよい。
【0016】
他の好ましい実施形態では、食品成形装置は、ノックアウトカップの近傍に、好ましくは、ノックアウトカップの近傍の全体にわたって、蒸気および/またはミストを放出する手段を備えている。この蒸気/ミストは、表面またはノックアウトカップを少なくとも部分的に濡らし、付着を防ぐことになる。蒸気/ミストは、好ましくは、超音波手段によって供給されるようになっている。
【0017】
本発明の他の実施形態または好ましい実施形態は、食品が成形される可動性成形体と、食品を成形体から取り出す突出し運動を行うノックアウトカップとを有している食品成形装置であって、ノックアウトカップは、圧縮された流体、好ましくは、本質的に空気を含んでいる貯蔵部を備えている、食品成形装置である。従って、各ノックアウトカップは、それ自体の貯蔵部を有しており、これによって、各ノックアウトカップは、本質的に同一の状態で機能することが可能となる。
【0018】
この貯蔵部には、食品をノックアウトカップから取り出すために必要な流体および/またはノックアウトカップを洗浄するために必要な流体が、貯蔵され、必要に応じて、放出されるようになっている。好ましくは、貯蔵部は、突出し位置から開始位置に至る運動中に充填され、次いで、少なくとも部分的に空にされるようになっている。好ましくは、全ての貯蔵部が、同時に充填され、かつ空にされるようになっている。好ましくは、本発明の装置は、貯蔵部を充填する1つの源しか有していない。
【0019】
好ましくは、各貯蔵部は、シール手段を備えている。
【0020】
前述の問題は、食品が成形される可動性成形体と、食品を成形体から取り出す突出し運動を行うノックアウトカップとを有している食品成形装置によって、食品を成形するプロセスであって、流体媒体がノックアウトカップの底を介して放出されることが可能になっており、突出し運動中に、流体媒体クッションが透過性底の下方に少なくとも一時的にもたらされるようになっているプロセスによっても、解消されることになる。
【0021】
本発明の装置に対してなされる開示内容は、本発明のプロセスにも適用され、またその逆に、本発明のプロセスに対してなされる開示内容は、本発明の装置にも適用されることになる。
【0022】
好ましくは、流体媒体クッションは、ノックアウトカップが食品の近傍に達する前、好ましくは、食品に当たる前に、もたらされるようになっている。従って、流体媒体の放出は、好ましくは、ノックアウトカップが食品に当たる前に開始され、さらに望ましくは、そこから継続され、最も好ましくは、ノックアウトカップの突出し運動がその終端に達するまで、維持されるようになっている。
【0023】
好ましくは、食品の突出しの後、少なくとも1つの洗浄媒体が、好ましくは、ノックアウトカップから、さらに好ましくは、ノックアウトカップの底および/または側壁を通って、放出されるようになっている。ノックアウトカップの種々の領域に対して、種々の洗浄流体を施すことが可能である。
【0024】
好ましくは、蒸気および/またはミストが、ノックアウトカップの近傍に放出されるようになっている。
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明を説明する。この説明は、全ての発明に適用されることになる。しかし、この説明は、本発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の成形装置の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の成形装置の一実施形態を示す図である。
【図3】ノックアウトカップの実施形態を示す図である。
【図4】ノックアウトカップと食品との間の相互作用を示す図である。
【図5a−5f】ノックアウトカップの種々の実施形態を示す図である。
【図6a−6d】本発明の成形装置の他の実施形態を示す図である。
【図7】食品成形装置および搬送ベルトを示す図である。
【図8】本発明の食品成形装置の洗浄モードを示す図である。
【図9】汚れたノックアウトカップを示す図である。
【図10】側壁に耐付着防止被膜を有するノックアウトカップを示す図である。
【図11】ノックアウトカップの他の洗浄モードを示す図である。
【図12a−12k】ノックアウトカップのさらに他の実施形態を示す図である。
【図13】食品成形装置の他の実施形態を示す図である。
【図14a.14b】ノックアウトカップの周囲のミストを示す図である。
【図15】ノックアウトカップのさらに他の実施形態を示す図である。
【図16】本発明の食品成形装置の他の実施形態を示す図である。
【図17a−17d】ノックアウトカップのさらに他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および図2は、本発明の成形装置10を示している。この成形装置10は、成形プレートを備えている。この成形プレートは、該プレート7の孔が食品(生産物)によって充填される充填位置と、成形された食品8がプレートから取り出される突出し位置との間で往復運動するようになっている。プレート7の移動は、プレート上の両矢印によって示されている。図1および図2は、プレートの突出し位置を示している。本発明の装置10は、ピストン26に接続されたノックアウトカップ4をさらに備えている。ノックアウトカップ4は、ピストン26上の両矢印によって示されているように、開始位置からノックアウト位置に移動し、ノックアウト位置から開始位置に戻るようになっている。ノックアウトカップ4は、その底に、流体媒体に対して透過性の有孔板11を備えている。図1は、開始位置におけるノックアウトカップを示している。図2は、ノックアウトカップがプレート7内の食品に接触し、次いで、プレート7を貫いて移動し、プレート7から食品8を突き出した後のノックアウトカップを示している。食品8は、プレート7から取り出された後、搬送ベルト9上に落下し、次の処理ステップに移送されるようになっている。当業者であれば、プレート7が多数の孔およびそれに対応する多数のノックアウトカップを備えることができることが、理解されるだろう。ノックアウトカップは、個々に駆動されてもよいし、またはグループごとに一緒に駆動されてもよい。当業者であれば、プレート7が、間断的または連続的に回転する孔付きドラムと取り換えられてもよいことが、さらに理解されるだろう。この場合、ノックアウトカップは、好ましくは、ドラムの内側に配置されることになる。
【0028】
図3は、図1および図2によるノックアウトカップ4を示している。透過性板11がノックアウトカップの底に取り付けられていること、およびこの透過性板が通路12に流体的に接続されており、この通路12を通って、流体媒体13、例えば、空気および/または蒸気が透過性板11に向かって案内されることが可能であること、が分かるだろう。この流体媒体13は、透過性板を流通し、透過性板11の比較的大きい圧力損失によって、透過性板の表面の全体にわたって本質的に均一に分布し、透過性板の下方に流体クッション14をもたらすことになる。この流体クッション14は、ノックアウトカップ4の周りの環境圧力よりも高い圧力および/または透過性板11から外に放出される空気によって生じる流体運動によって、特徴付けられている。媒体13の流れは、連続的であってもよいしまたは間断的であってもよい。
【0029】
図4は、ノックアウトカップ4と食品8との間の相互作用を示している。ノックアウトカップ4の突出し運動は、矢印15によって示されている。ノックアウトカップ4が食品7に当たる前、および好ましくは、ノックアウトカップ4が食品8をプレート7から突き出している間、流体媒体13が板11から放出され、流体媒体クッション14をノックアウトカップ4と食品8との間にもたらすようになっている。クッションは、好ましくは、食品材料がカップの底に付着するのを低減させ、好ましくは、防ぐものである。従って、突出し中のノックアウトカップの痕跡の形成および/または成形された食品の変形が低減されることになる。さらに、本発明は、騒音が生じにくいという利点、および食品8をプレート7から突き出すために水が殆どまたは全く必要とされないという利点を有している。成形された食品8は、アウトフィードベルト9の方向に真っ直ぐ落下することになる。突出しがより正確に行われることによって食品8をアウトフィードベルト9上に真っ直ぐ落下させることによって、ベルト負荷を高めることができる。
【0030】
図5a〜図5fは、ノックアウトカップ4、特に、透過性板11の種々のレイアウトを示している。これらの全ての設計に共通しているのは、流体媒体クッション14が少なくとも流体通路12に流体接触している板の透過性部分の下方に生じることである。食品の混合および/または食品温度に応じて、ノックアウトカップの底部分を異なって設計することが、望ましい。図5aは、ノックアウトカップの側壁内にいくらか深く嵌め込まれた透過板を示している。図5bは、三次元的に形成された底板11を示している。図5cは、図5aと比較して、ノックアウトカップの側壁内により深く嵌め込まれた透過性底板を有するノックアウトカップを示している。図5dは、三次元的に形成された底板11を示している。図5i,5fは、部分的にしか透過性になっていない底板を示している。底板11は、流体媒体13に対して透過性になっていない部分16を備えている。
【0031】
図6aおよび図6dは、三次元的に成形された食品8を生成する本発明の食品成形装置の実施形態を示している。この場合、プレート7および底板11のいずれも、三次元的に形作られている。
【0032】
図7は、本発明の食品成形装置を示している。ノックアウトカップ4の突出し運動中にノックアウトカップ4がプレート7内に押し込まれていること、およびそれぞれの食品8が突き出される前および突き出されている間、流体媒体クッション14が、底板11と食品8との間にもたらされていることが、明らかに分かるだろう。食品は、搬送ベルト9上に落下し、次の処理ステップに移送されることになる。食品8の突出しが改良されていることによって、食品8が真っ直ぐ下方に落下し、ベルト9上で変形しないので、プレート7と搬送ベルト9との間の距離を短縮させることができる。従って、装置の生産率を高めることができると共に、突出し中の食品への衝撃を低下させることができる。
【0033】
図8は、引っ込み方向、すなわち、開始位置に向かう方向に運動している最中のノックアウトカップを示している。この運動は、矢印17によって示されている。この上方運動中、透過性板11を洗浄するために、流体13の流れが維持されている。従って、透過性板に付着している可能性のある食品の粒子が取り除かれ、これによって、ノックアウトカップは、その後の突出しのために洗浄されることになる。
【0034】
図9は、側壁が食品材料19によって汚されているノックアウトカップを示している。このような汚れは、保守の理由および衛生上の理由から望ましくない。
【0035】
図9に示されている汚れを避けるために、図10によるノックアウトカップ4は、その側壁に、耐付着防止被膜20を備えている。この被膜は、側壁の汚れを低減させ、好ましくは、防ぐものである。この被膜は、テフロン(登録商標)であってもよいし、ナノ構造を備える被膜であってもよいし、または側壁に付着する食品の傾向を低減させるどのような他の処理被膜であってもよい。
【0036】
図11は、本発明の食品成形装置の好ましい実施形態を示している。ここでは、ノックアウトカップ4は、洗浄媒体21に接続されている。洗浄媒体は、流体媒体13と同じであってもよい。この洗浄媒体21は、例えば、熱洗浄媒体、例えば、ノックアウトカップ4および透過性底11を流通する温風および/または熱蒸気とすることが可能である。熱洗浄媒体の場合、本発明の食品成形装置は、流体21を、好ましくは、90°の最高温度に加熱する加熱手段を備えている。この温度は、食品材料として用いられる食品混合物に依存して定められることになる。好ましくは、ノックアウトカップは、薄い材料、さらに好ましくは、良好な熱伝導性を有する薄い材料から作製されている。洗浄媒体21は、カップの側壁を加熱し、加熱された壁がカップの側壁に付着する食品内の脂肪を液化し、これによって、これらの汚れが側壁から除去されるか、または側壁への汚れの付着が防がれることになる。
【0037】
図12a〜図12kは、本発明のさらに他の実施形態、すなわち、透過性領域22を有する側壁を備えているノックアウトカップを示している。これらの側壁のこの透過性区域22を通して、流体媒体13および/または洗浄媒体21を独立して、または透過性板11を通る流体媒体13,21の放出と一緒に、放出させることができる。少なくとも部分的に透過性の側壁22を通る媒体13,21の放出は、これらの側壁が少なくとも部分的に洗浄されるという利点および/またはプレート7の孔の周囲がノックアウトカップ4の突出し運動および/または引っ込み運動中に洗浄されるという利点を有している。
【0038】
これを図13によってさらに説明する。ノックアウトカップ4の突出し運動中、図13の位置は、運動の方向を切り替える理想の位置である。透過性側壁22からの媒体の流出は、好ましくは、この位置への運動中に少なくとも一時的に行われ、方向の切換え中に行われ、および開始位置への戻り中に少なくとも一時的に行われるようになっている。カップの底に媒体のクッション14が形成され、これによって、成形された食品8のプレート7からの排出が改良されることになる。側壁から外に媒体13が放出され、これによって、側壁の汚れが阻止されることになる。図13による位置では、媒体13は、成形プレート7の開口の内壁も洗浄することになる。プレート7の内壁の洗浄によって、成形プレートからの食品の取出しが容易になる。さらに、側壁の透過性領域22を通ってプレート7の開口の内壁に吹き込まれる蒸気および/またはミストによって、成形プレート7の内壁を湿らせることができる。
突出し駆動装置は、好ましくは、位置駆動されるようになっている。成形プレート手段の厚みが異なると、および/または透過性領域22の高さが変更されると、好ましくは、ストローク長が異なるようになっている。位置駆動されるノックアウトカップは、例えば、より高い生産速度をもたらすことになる。成形プレートが薄い場合、ノックアウトカップの移動を小さくすることができる。
【0039】
図14は、本発明のさらに他の実施形態を示している。この場合、ノックアウトカップ4は、ミストおよび/または蒸気によって囲まれ、このミストおよび/または蒸気は、少なくとも部分的にノックアウトカップ4の側壁および/または底を濡らし、これによって、突出しを容易にし、側壁の汚れを低減させることになる。図14bによるノックアウトカップ4は、ノックアウトカップ4の側壁の周囲に配置された放出手段を備えており、この放出手段は、蒸気/ミスト24を放出するようになっている。
【0040】
図15は、ノックアウトカップ4のさらに他の実施形態を示している。この場合、側壁の透過性領域22は、2つの区域に分割されている。1つの区域は、流体媒体13に接続されており、この部分では、媒体が、透過性側壁のこの区域および透過性底板11から外に放出されることになる。他の区域は、透過性壁のこの部分から外に洗浄媒体21および/または水蒸気および/またはミスト24を放出させるために、洗浄媒体21および/または水蒸気および/またはミスト24に接続されている。
【0041】
図16は、本発明の食品成形装置のさらに他の実施形態を示している。この場合、食品成形装置は、圧縮媒体、好ましくは、圧縮空気を含む容器を備えている。この容器1は、各ノックアウトカップ4に直接的にまたは弁2を介して間接的に接続されている。全てのノックアウトカップ4は、ノックアウト駆動装置5によって上下に駆動されるノックアウトバー3に接続されている。ノックアウトバー3は、ノックアウトカップ4を圧縮空気の容器1に流体的に接続するために、用いられてもよい。全てのノックアウトカップは、それぞれ、それらの底に、少なくとも部分的に有孔の板を備えている。
【0042】
図17a〜図17dは、本発明の他の実施形態を示している。各ノックアウトカップ4は、圧縮空気用の貯蔵部25を備えている。この貯蔵部25は、流体、例えば、圧縮空気によって充填されるようになっている。矢印27によって示されている媒体の流れが、シールリップを有しているピストン6およびその周囲を通り越して、貯蔵部25内に流れることになる。ピストン6の上方の圧力が維持されている限り、このピストン6が、貯蔵部25からの媒体の流出を阻止している。
充填状況が、図17aおよび図17cに示されている。この状況は、好ましくは、ノックアウトカップがその突出し位置からその開始位置に移動している間に、生じるようになっている。貯蔵部25内の加圧媒体の開放が、図17bおよび図17dに示されている。ピストン6の上方の圧力が矢印28に示されているように低下した後、ピストン6が上方に移動する。これによって、貯蔵部25と貯蔵部25をノックアウトカップ4の底に接続している通路との間の接続が開かれることになる。なお、この場合、ノックアウトカップの底は、非透過性板16を備えており、該板16の周囲に加圧媒体が流れるようになっている。
【0043】
図17cおよび図17dによる実施形態は、ノックアウトカップ4が透過性板11を備えていること以外は、図17aおよび図17bによる実施形態と本質的に同じである。
【符号の説明】
【0044】
1 容器
2 弁
3 ノックアウトバー
4 ノックアウトカップ
5 ノックアウト駆動装置
6 貯蔵部25用のシール手段、ピストン
7 成形体、成形プレート
8 食品
9 搬送手段、ベルト
10 成形装置
11 透過性底、透過性底板
12 通路
13 流体媒体
14 クッション
15 突出し運動
16 非透過性底、非透過性底板
17 引っ込み方向
18 洗浄流れ
19 汚れ
20 耐付着防止被膜
21 洗浄媒体、熱洗浄媒体
22 透過性側壁
23 放出開口
24 湿気、蒸気
25 貯蔵部
26 ピストン
27,28 流れ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品が成形される可動性成形体(7)と、前記食品(8)を前記成形体(7)から取り出す突出し運動(15)を行うノックアウトカップ(4)とを有している食品成形装置(10)であって、前記ノックアウトカップは、少なくとも部分的に透過性の底(11)を備えており、該底を通って、流体媒体(13)が放出されることが可能になっている、食品成形装置(10)において、前記突出し運動(15)中に、流体媒体クッション(14)が、前記透過性底(11)の下方に少なくとも一時的にもたらされるようになっていることを特徴とする食品成形装置。
【請求項2】
前記透過性底(11)は、二次元的形状または三次元的形状を有していることを特徴とする、請求項1に記載の食品成形装置。
【請求項3】
前記ノックアウトカップは、耐付着防止被膜を有する側壁を備えていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の食品成形装置。
【請求項4】
前記ノックアウトカップは、少なくとも部分的に透過性の側壁(22)を備えていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の食品成形装置。
【請求項5】
少なくとも一種の洗浄媒体(18,21)が、前記透過性底および/または前記透過性側壁(22)から放出されるようになっていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の食品成形装置。
【請求項6】
前記ノックアウトカップ(4)の近傍に蒸気を放出する手段(23)を備えていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の食品成形装置。
【請求項7】
食品が成形される可動性成形体(7)と、前記食品(8)を前記成形体(7)から取り出す突出し運動(15)を行うノックアウトカップ(4)とを有している食品成形装置(10)において、または先行する請求項の1つに記載の食品成形装置(10)において、前記ノックアウトカップは、圧縮された流体、好ましくは、本質的に空気を含む貯蔵部(25)を備えていることを特徴とする食品成形装置。
【請求項8】
前記貯蔵部(25)用のシール手段(6)を備えていることを特徴とする、請求項7に記載の食品成形装置。
【請求項9】
前記透過性底(11)および/または側壁は、多孔性材料、好ましくは、焼結材料であることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の食品成形装置。
【請求項10】
食品が成形される可動性成形体(7)と、前記食品(8)を前記成形体(7)から取り出す突出し運動(15)を行うノックアウトカップ(4)とを有している食品成形装置(10)であって、流体媒体(13)が前記ノックアウトカップ(4)の底(11)から放出されることが可能になっている、食品成形装置(10)によって、食品を成形するプロセスにおいて、前記突出し運動(15)中に、流体媒体クッション(14)が前記透過性底(11)の下方に少なくとも一時的にもたらされるようになっていることを特徴とするプロセス。
【請求項11】
前記流体媒体クッション(14)は、前記ノックアウトカップ(4)が前記食品の近傍に達する前に、好ましくは、前記ノックアウトカップ(4)が前記食品(8)に当たる前に、もたらされるようになっていることを特徴とする、請求項9に記載のプロセス。
【請求項12】
前記食品の突出しの後、少なくとも一種の洗浄媒体(18,21)が、前記ノックアウトカップ(4)から放出されるようになっていることを特徴とする、請求項10または11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記洗浄流体は、前記ノックアウトカップの前記底(11)および/または側壁(22)を通って放出されるようになっていることを特徴とする、請求項11に記載のプロセス。
【請求項14】
少なくとも一種の洗浄媒体(18,21)が前記透過性底を通って放出され、および/または他の少なくとも一種の洗浄媒体が前記透過性側壁(22)を通って放出されるようになっていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項15】
前記ノックアウトカップ(4)の近傍に蒸気および/またはミストを放出する手段(23)を備えていることを特徴とする、請求項10〜14のいずれか1つに記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図12e】
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【図12f】
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【図12g】
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【図12h】
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【図12i】
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【図12j】
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【図12k】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図17d】
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【公表番号】特表2011−526147(P2011−526147A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515221(P2011−515221)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004676
【国際公開番号】WO2010/000430
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(511003062)シーエフエス・バーケル・ベスローテン・フェンノートシャップ (2)
【Fターム(参考)】