食品液体及び希釈剤により形成された混合物から食品を調理して供給するためのシステム及び装置
本発明は、ベースステーション(5)に対して接続されるように構成され且つベース液体を収容するパッケージ(2)の形態を成す容器(4)に対して接続される計測・混合装置(3)を備え、飲み物などの調理食品を衛生的に再構成して供給するためのシステムに関する。計測・混合装置は、液体を計測するためのポンプと、希釈剤吸入口と、混合チャンバとを備えている。希釈剤供給及び液体ポンプを駆動させる手段を与えるためにカップリング手段(51)が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース液体と希釈剤との混合物を調理して供給するためのシステムに関する。特に、本発明は、食品液体を計測してこの食品液体を希釈剤と混合させることによる飲み物又は他の液体食品の調理及び供給に関する。本発明は、供給される体積が大きい場合でも液体濃縮物及び水から泡立てを伴う或いは伴わない熱い又は冷たい飲み物を簡単且つ迅速に供給することにおいて用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
従来の飲み物自動販売機において、飲み物は、リザーバ内に収容された液体濃縮物又は粉末から再構成される。液体濃縮物又は粉末は、計測された後に、自動販売機の内部にあり且つパイプ、ポンプ及び混合ボールを通過する希釈剤、一般的には熱い又は冷たい水と混合される。混合は、一般に、チャンバ内に収容された機械的な攪拌器によって行なわれる。したがって、これらの飲み物の従来の調理は、食品と接触した状態にある部品を常にきれいに維持するとともに、汚染及びバクテリア成長の危険を回避するために、多大なメンテナンス及び洗浄を必要とする。また、機械は、オペレータ側でかなりの投資がかかる。最後に、これらの機械は、現在の傾向が熱い、冷たい、泡立つ又は泡立たない飲み物の選択へと拡大されているにもかかわらず、供給される飲み物の選択に関して万能性を欠いている。
【0003】
システムは、濃縮物を収容する使い捨て可能な、又はリサイクル可能なパッケージからフルーツジュースを供給するとともに、パッケージの外部の分配装置により動作されるポンプを組み込むために存在する。このようなシステムは、例えば、米国特許第5615801号に記載されている。
【0004】
それ以前は、ポンプが自動販売機自体の一部を形成したが、ポンプ及びポンプに関連付けられた要素のメンテナンス及び洗浄に関連する欠点を軽減するために、米国特許第5615801号の解決策は、食品液体ポンプをパッケージに組み込むとともに、パッケージを機械に接続することにより、特にポンプを機械に接続することにより機械によってこのポンプの動作を制御することである。オペレータは、パッケージを交換して、そのパッケージを新しいパッケージに置き換え、或いは他の飲み物の分配を始めるために異なるパッケージに置き換えるだけで済む。この場合、洗浄はもはや全く必要ない。米国特許第5615801号は、バルブを通り抜ける細かい膜の形態で広がる濃縮物の連続的な流れを生成し且つパッケージに属する混合チャンバ内で希釈剤、この場合は水と混合させることができるMoineauポンプを提供することにより、このタイプのパッケージの改良を提供する。
【0005】
しかしながら、このような解決策は幾つかの欠点を与える。そのようなシステム内での混合は、希釈剤と濃縮物とが混合チャンバ内で合流する方法に起因して最適化されない。また、希釈剤が濃縮物管路を通じて逆流上昇する危険が存在する。仮にそのようなことが起こると、衛生の問題が生じ得る。更に、システムの構造及び濃縮物の粘度により濃縮物計測が制限される。具体的には、装置は、バルブを通り抜ける細かい膜を生成することができず、したがって混合を行なうことができない特定の高粘度濃縮物には適さない。また、正確な計測のため、濃縮物流量は、バルブによって形成される著しい圧力降下に単独で打ち勝たなければならないポンプの性質に起因して減少される。したがって、10〜40秒程度の適当な時間内に、コーヒー又はココアに基づく濃縮物などの特定のタイプの濃縮物から大量の飲み物を生成することができない。また、このような装置は、飲み物を作るときに泡を生成するように設計されていない。現在では、液体濃縮物及び水から得られるブラックコーヒー、カフェラッテ又はフレーバーコーヒー又はホットチョコレートなどの泡立つ飲み物を生成する必要性が存在する。他の欠点は、そのようなシステムの複雑さ及び多数の部品に起因してシステムが占める多大な空間によって生じる。したがって、そのようなシステムは高価である。
【0006】
同様の装置が米国特許第5305923号及び米国特許第5842603号に記載されており、これらは前述した特許と同じ欠点を有している。
【0007】
米国特許第6568565号は、使い捨て可能なマルチポーション容器内に収容された濃縮物から飲み物を供給するための方法及び装置に関する。容器は、それ自体使い捨て可能な計測ポンプが嵌め付けられるアダプタを備えている。混合チャンバが設けられており、この混合チャンバ内で希釈剤が計量された濃縮物と混ざる。飲み物は、使い捨て不可能な供給ノズルを通じて供給される。システムは、ポンプ、混合チャンバ及びノズルが多くのカップリングにより接続される多数の別個の部品を構成しているため、複雑で、大型であり、また、高価である。ポンプの動作は、ドライブフォークが設けられたポンプ作動システムを使用する複雑なだけのシステムを介してなされる。
【0008】
国際公開公報第01/21292号は、濃縮物が混合チャンバ内の接続領域へと移動され、この接続領域内で濃縮物が希釈剤と一緒にされる、飲料を生成するための方法及び装置に関するものである。濃縮物と希釈剤との混合物が流通され且つ接続領域に対して下流側に位置された混合チャンバ内のガス領域にはガスが供給される。第1に、この解決策は、濃縮物を計測し且つ装置自体とは別個の蠕動ポンプに装置が関連付けられるため、液体食品を濃縮物から調理するためのコンパクトな解決策ではない。第2に、蠕動ポンプからの供給量は、比較的高い固体濃度の食品液体濃縮物にとって十分正確ではない。また、供給量は、製品パルスを供給する不連続な蠕動構成に起因して供給量毎に均一ではない。第3に、装置は、パッケージではなく、使用後に使い捨てすることができない。したがって、装置は、衛生の危険を伴うことなく再使用することができるように洗浄されなければならない。第4に、希釈剤が濃縮物ラインを逆流して上昇する危険を防止できる十分な圧力低下が存在せず、したがって、その危険を防止するために濃縮物ライン中にバルブが必要とされる。このバルブにもかかわらず、希釈剤が濃縮物ライン内に入る危険は依然として高いままである。最後に、空気をチャンバ内に引き込む方法は、圧力差の欠如、管路のサイズ及び相対的位置に起因して最適ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、より簡単で、衛生的で、コンパクトで、経済的であり、前述した問題の全てを解決するシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は、ベース液体を計測してこのベース液体を希釈剤と混合することにより食品を調理し、液体を収容する容器に対して接続できる装置であって、
− 液体計測管路を通る液体の量を計測するために構成される液体ポンプと、
− 希釈剤管路を有する希釈剤入口と、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバと、
を備え、
混合チャンバの前で或いは混合チャンバにおいて希釈剤流が液体流と交わるように希釈剤管路が液体計測管路に対して相対的に位置され、希釈剤入口における希釈剤の速度に対して上記希釈剤と液体とが合流する場所での希釈剤流の速度を加速させるための手段を備える装置に関する。
【0011】
したがって、本発明に係る装置は、液体を正確に計測した後に希釈剤と混合させるための改良された解決策を与える。希釈剤固有の速度及び管路の合流により、流体の剪断及び混合チャンバ内での流体の混合が向上される。より具体的には、非常に低い速度に到達する液体は、交差点で高速に達する希釈剤と共に運ばれ、これにより、液体の同調が促され、その結果、強制的に移動されて、混合物を形成するために混合チャンバ内に乱流が形成される。その結果として得られる希釈剤の加速により、流れが合流する点に、ポンプ出口の液体管路内の圧力以下の圧力を形成することができる。
【0012】
利点は以下の2つである。
− 混合チャンバ内での混合を促すために剪断力が増大される。
− 特にポンプがOFFに切り換えられるときに、衛生問題が生じ得る、液体管路内へ希釈剤が逆流して上昇する可能性が防止される。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、希釈剤の速度を加速させるための手段は、上記流れが合流する前又は流れが合流する場所における希釈剤管路に位置された少なくとも1つの絞り部の形態を成すベンチュリ手段を備えている。したがって、絞り部により、希釈剤が液体と合流するときに希釈剤の流れを加速させることができ、その結果、圧力を有利に下げることができる。そのような原理は、可動部分を含まないため、実施が簡単である。希釈剤は、計測する液体と比較的高速で合流し、それにより、剪断作用が形成されるとともに、希釈剤が液体計測管路内へと上昇して戻ることも防止される。このとき、液体の速度は、断面積が大きい混合チャンバ内で降下し、それにより、均質な液体−希釈剤混合物の形成がチャンバ内で促進される。
【0014】
希釈剤管路は、液体計測管路の出口へと向けられ或いはそれよりも僅かに下側に向けられ、それにより、希釈流と液体流とが互いに相対的に衝突するようになることが好ましい。可能な形態においては、希釈剤管路及び液体計測管路が交差部に直接に位置される。代替の形態において、2つの管路は、拡大された混合チャンバ内で互いに別個に終端するがそれらの流れの交差部でも終端するように位置される。
【0015】
好ましくは、希釈剤管路は、絞り部及び混合チャンバへの入口と共にアライメントを形成する少なくとも1つの端子部を備えている。液体の通過のためのポンプ出口における液体管路は、上記アライメントに対して垂直である。この構成は、著しく大きな圧力低下を形成するために希釈剤がほぼ直線的に移動される特に有効なベンチュリ効果を与える。また、圧力低下は、ポンプがOFFに切り換えられるときに、希釈剤が上記液体管路内に逆流して上昇することなく、ポンプ出口の管路を通じて液体を引き出すこともできる。用語「アライメント」は、絞り部を通じた希釈剤の流れが中断する或いは著しく遅くなる可能性が高い屈曲部又は鋭い湾曲部が存在しない意味に理解されるべきである。
【0016】
1つの可能な態様において、装置は、泡立つ調理を生成できるように構成されている。装置は、空気を混合物へと運んで食品を泡立たせるために、混合チャンバの前の少なくも1つの管路又は混合チャンバ自体の内部に連通する吸気口を備えている。好ましくは、吸気口は、形成される吸引力から利益を得るとともに空気を運び込んで例えば飲み物等の希釈液体の少なくとも一部を混合チャンバ内で泡立たせるために、絞り部と連通して位置されている。したがって、吸気口は、所要量の空気を混合チャンバ内に運ぶように寸法付けられている。また、空気は、チャンバを洗浄するとともに供給サイクルの最後の最後でチャンバ内に依然として残る任意の量の飲み物をチャンバから吐き出し及び/又は泡立たせるために、供給動作の最後に使用されてもよい。
【0017】
1つの形態において、吸気口は、希釈剤流が液体流と交わり或いは衝突する前に空気が希釈剤流中に吸引されるように、希釈剤管路及び液体計測管路に対して相対的に位置されている。例えば、吸気口は、希釈剤流と液体流との間の衝突点の前の希釈剤管路の交差部に配置することができる。この配置では、希釈剤が液体と混合する前に気泡が希釈剤流中に吸引される。通気した希釈剤と液体との間の衝突点は、混合チャンバ内又は混合チャンバの前、すなわち、希釈剤管路と液体管路との交差部に配置されてもよい。この配置は、吸気口の汚染の問題を解決する。実際には、空気チャンネルが混合チャンバ内の交差部の後に位置されている場合には、製品が空気チャンネル内に流入する可能性があることに留意しなければならない。物理学の法則によれば、形成される速度及び圧力差に起因して、希釈剤は空気チャンネルに流入せず、したがって、希釈剤のフラッシュサイクルにより空気チャンネルを洗浄することはできない。その結果、これにより、バクテリア成長の問題が引き起こされる可能性がある。希釈剤レベルでのみ吸気口を有することにより、希釈された濃縮物などの製品が空気管路を汚染しないようにしている。
【0018】
ポンプは、液体を様々な速度、特に1〜5000センチポアズで搬送できる任意のポンプであってもよい。ポンプは、ギアポンプ、蠕動ポンプ又はピストンポンプであってもよい。
【0019】
本発明に係る計測・混合装置は、計測・混合装置が補完的な態様でドッキングされる分配ベース装置によって制御されるようになっている。以下の説明では、より簡単で且つ明確にするため、第1の装置がドッキングする第2の装置を「ベースステーション」と称する。したがって、カップリング手段が設けられるとともに、このカップリング手段は、それ自体で希釈剤供給源及び液体ポンプを駆動させるための手段を設けることができるベースステーションに対して計測・混合装置を接続するように構成される。ポンプを駆動して希釈剤を供給する機能から計測・混合装置を切り離すことにより、計測・混合装置を必要に応じて交換することができ、例えば新しい容器と組み付けられた新たな装置に置き換えることができるという本質的な利点が得られる。そのような交換により、計測・混合装置のメンテナンス及び洗浄の必要性を省くことができ、或いは、かなり減らすことができる。また、それにより、計測・混合装置を交換すると同時に共通のベースステーションを維持することにより、計測・混合装置の選択の自由度を大きくすることもできる。
【0020】
しかしながら、好ましい実施形態において、ポンプはギアタイプのポンプである。そのようなポンプは、ギアの形態で協働する一連の回転部材が内部に収容されるチャンバを備えている。ポンプは、液体をポンプチャンバ内に導入させるための入口通路と、ポンプチャンバを液体計測管路に接続する液体出口通路とを備えており、液体入口通路及び液体出口通路は、一連の回転部材によって形成されるギアとほぼ一直線に位置合わせされている。本発明に係るギアポンプは、計測された液体のより均一な流れ、より正確な量の計測液体、比較的限られた数の可動部を含むよりコンパクトな構造を与える。したがって、回転部材は、数が2つであることが好ましいが、回転部材の対の数はそれ自体限定されない。好ましくは、第1の回転部材は、ベースステーションに属する駆動手段に関連付けられる補完的なカップリング手段に対して接続されるようになっているカップリング手段によって延在される。それ自体知られるように、カップリング手段を備える回転部材は、通常、「マスター」と称され、一方、他の回転部材は、通常、「スレーブ」と称される。
【0021】
1つの可能な形態においては、交差部及び混合チャンバ内にあるポンプからの滴りを防止するため、液体計測管路内に逆止弁が位置される。実際には、ギアポンプはシール機能を与えるが、特に低粘度の濃縮物が使用される場合には、ポンプだけを用いて装置の休止期間中に全体の液体の密閉性を確保することはできない。
【0022】
本発明の目的のうちの1つは、製品と機械の部品との間の想定し得る任意の相互作用を制限することであるため、計測・混合装置は、混合チャンバの下流側で直接にこのように希釈されて混合された食品液体の流れをレセプタクルへ供給するためのそれ自体の管路を備えている。レセプタクルは、例えばグラス、ボール又はマグカップ或いは消費者に役立つ任意の他の容器の意味に理解されるべきである。
【0023】
好ましい構成において、本発明の計測・混合装置は、適当な接続手段によって容器に接続されるカップの形態を成している。したがって、より正確には、混合装置は、吸引手段及びポンプを通過する分割ラインに沿って組み付けられる2つの半シェルを備えている。
【0024】
2つの半シェルを有するカップの形態を成す構造は、必要な組み付け部品の数が少なく、一般にポンプ手段と混合手段とを組み込む周知の構造と比べるとよりコンパクトであるという利点を与える。
【0025】
このようにして組み付けられることにより画成される一方又は他方の半シェル、又は、両方の半シェルは、それらの分割ライン、すなわち、
− ポンプのチャンバ及びその計測管路、
− 少なくとも絞り部を備える吸引手段、
− 希釈剤管路、
− 混合チャンバ、
− 場合によって、空気管路、
− 好ましくは、例えば飲み物などの調理食品を供給するための管路
を通過する。
【0026】
この構成においては2つの半シェルとしての計測・混合装置は、プラスチック、例えば射出された或いは成形されたプラスチックにより形成されることが好ましい。したがって、装置は、限られた数の計測動作のために使用され、その後、使い捨てられ或いはリサイクルされてもよい。
【0027】
更に好ましい実施形態において、装置は、使い捨てられ或いはリサイクルされてもよいパッケージを計測・混合装置と共に形成する容器と関連付けられる。容器は、折り畳むことができない部材又は折り畳み可能な部材であってもよい。容器は、例えば、ボトル、レンガ、ポーチ、袋などであってもよい。容器は、プラスチック、段ボール、紙、アルミニウム又はこれらの材料の混合物及び/又は積層体によって形成されてもよい。容器及び装置は、取り外し不能な手段又は取り外し可能な手段によって接続されてもよい。取り外し不能な手段は、シール手段、溶接手段、接着手段、不可逆的なクリップ手段などの手段となるように形成されてもよい。取り外し可能な手段は、容器に属するネジ部又は補完的な機械的係合手段と協働する、計測装置を形成するキャップ上のネジ部又は等価な補完的な機械的係合手段により形成されるアセンブリを意味してもよい。
【0028】
計測・混合装置は、簡単且つ急速な態様でベースステーションに対して取り付く。そのため、装置のカップリング手段は、補完的なカップリング手段を備えるベースステーション自体のドッキングパネルに手で差し込むことにより結合を行なうことができるように同じ側に位置することが好ましい。したがって、ユーザは、容器が好ましくは装着された混合・計測装置を掴んでそれをベースステーションのパネルに対して押し付けることにより、簡単な移動でドッキング動作を手で容易に行なうことができる。より具体的には、カップリング手段は、バースステーションのドッキングパネルに対する補完的ガイド手段を有する計測装置の差し込み又はドッキングを促す少なくとも1つの方向で並進案内するための手段も備えている。無論、幾つかの差し込み方向、例えば並進方向と回転方向とを組み合わせる、又は、様々な並進軸及び/又は回転軸に沿った/周りの幾つかの組み合わせ方向での他のドッキング方法も可能である。
【0029】
本発明に係る計測・混合装置は、ベースステーションに関連するリーダーによって読み取ることができるコードを備えていてもよい。コードは、製品の識別情報及び/又は性質を参照する及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の動作に関与するパラメータを参照する情報を含んでいる。コードは、例えば、ベースステーション内に収容される液体ポンプ及び/又は希釈剤ポンプの流量を管理して液体:希釈剤比率を制御するために使用されてもよい。容器内に収容される製品の信頼性のチェックや、希釈剤の温度を変えるための手段の調整など、コードの他の使用も考えられる。
【0030】
他の態様において、本発明は、液体を計測してこの液体を希釈剤と混合することにより食品を調理するためのパッケージであって、
液体の貯留部を形成するためのマルチドーズ容器と、
計測・混合装置と、
を備え、
計測・混合装置が、
− 希釈剤入口と、
− 液体の量を計測するための液体ポンプと、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバと、
− 希釈剤供給源及び液体ポンプを駆動するための手段を設けることができるベースステーションに対して計測・混合装置を接続するように構成されたカップリング手段と、
を備えているパッケージにおいて、
計測・混合装置が、容器に接続されるキャップを形成することを特徴とするパッケージに関する。
【0031】
事実上、従来技術では、パッケージ内に組み込まれた計測ポンプの使用に関連する衛生の利点及び限られた時間にわたって使用するのに適した或いはリサイクルできる簡単且つ安価な構造により得られる利点の両方を与える任意のパッケージが存在しない。そのため、本発明は、一般に複雑で且つカップリングにより組み付けられる幾つかの部材から成る計測装置に、閉塞体として容器に関連付けられるキャップの形態を採用させることにより、これらの複合目的を満たす。
【0032】
より具体的には、キャップは、略長手方向の分割ラインに沿って互いに組み付けられ且つ少なくともポンプのチャンバ及び混合チャンバの外形を画成するように構成された2つの半シェルを備えている。すなわち、2つの部品は、流体が搬送される方向、特に液体と液体から成る混合物と希釈剤とが搬送される方向に延びる分割ラインに沿って長手方向に組み付けられる。これに対して、従来技術は、通常、流体が搬送される方向で互いに後続する幾つかの管路及びカップリングを設けており、それにより、使用される多くの部品及び断面の変化に起因して、複雑度が大きくなるとともに、急速な汚染、衛生の危険が大きくなり、また、製造コストも高くなる。
【0033】
本発明において、液体計測管路は、混合チャンバの前で希釈剤管路と交わるように位置されている。計測・混合装置は、液体計測ポンプを補完するため、流れの合流点に希釈剤が到達する速度を増大させるための手段を備えている。そのような手段は、混合チャンバの上流側に位置された希釈剤吸入口に連通する絞り部であることが好ましく、それにより、希釈剤の流れが絞り部を通じて加速される。
【0034】
混合物中に空気を運ぶことができ且つ混合チャンバ内の液体−希釈剤混合物、例えば飲み物を泡立たせることができる吸気口を更に備える場合には、例えば飲み物等の調理食品を泡立たせてもよい。しかしながら、調理食品を泡立たせる必要がない場合には、吸気口が省かれてもよく或いは選択的に閉じられてもよい。吸気口の断面積、パッケージ内に収容される食品液体の性質にしたがって変えることができる。したがって、吸気口の断面積は、0.05mm2と2mm2との間、好ましくは0.1mm2と0.5mm2との間で変化してもよい。
【0035】
液体は、熱い又は冷たい、泡立つ或いは泡立たない飲み物を再構成するようになっている食品濃縮物であってもよい。例えば、液体は、コーヒー、ココア、ミルク、茶、フルーツジューツ又はこれらの成分の組み合わせに基づく濃縮物である。濃縮物は、コーヒー濃縮物及びコンデンスミルク又はクリーマーを含む例えばカフェラッテを生成するための液体であってもよい。液体の粘度は、濃縮物の性質にしたがって変えてもよい。
【0036】
一般に、これは、1〜5000cPoiseであり、好ましくは200〜1000cPoiseであり、更に好ましくは300〜600cPoiseである。
【0037】
最後に、本発明は、先に規定された計測・混合装置又はパッケージがドッキングされるようになっているベースステーションに関する。
【0038】
ベースステーションは、
a)− 希釈剤供給手段と、
− 液体ポンプ駆動手段と、
を備える技術領域と、
b)− 装置に属するカップリング手段を補完し、計測・混合装置を所定の位置で受けるように構成されるとともに、希釈剤カップリング手段とポンプを結合するための手段とを備えるカップリング手段と、
− 希釈剤の供給を制御するとともに、液体ポンプを駆動させるための制御手段と、
を備えるユーザのためのインタフェース領域と、
を備えている。
【0039】
したがって、好ましいステーションは、ユーザがアクセスできるインタフェース領域を含む2つの別個の領域を備えている。そのような領域は、カバーなどの保護手段によって保護されてもよいが、これは不可欠ではない。これとは異なり、この領域の部品は、ユーザとの良好な双方向性を与えるため、したがって、パッケージの交換を容易にするため、目に見えた状態のままであってもよい。
【0040】
より正確には、希釈剤供給手段は、ウォータポンプ及び水の温度を制御するためのシステムに接続された水供給管路を備えている。温度制御システムは、加熱システム、例えば、サーモブロック、ヒータカートリッジ、ボイラ又は任意の他の等価な手段であってもよい。また、制御システムは、冷却された飲み物又はデザートを生成することができる冷却システムであってもよい。
【0041】
ポンプ駆動手段は、液体ポンプのカップリング手段と連結するために補完的カップリング手段に対して接続される駆動シャフト及び電動機を備えていてもよい。カップリング手段は、雄雌型の機械的な協働押し込み接続部、磁化機構、ネジ固定システム、又は、バヨネットシステム、或いは、任意の他の等価な手段から成っていてもよい。
【0042】
インタフェース領域は、計測・混合装置がドッキングできるように装置のガイド手段を補完するガイド手段を備えている。補完的ガイド手段は、ドッキング中に並進方向で或いは1つ以上の他の方向で計測装置を案内するように構成されている。計測装置をドッキング位置で固定するための手段が設けられてもよい。
【0043】
ベースステーションは、制御手段に関連付けられ且つ液体ポンプ駆動手段の動作及び希釈剤供給手段の動作を制御して調整するようにプログラムされたコントローラを備えている。計測・混合装置又はパッケージがコードを備える場合、コントローラは、このコードを読み取り且つ読み取られた情報を処理できるリーダーに関連付けられる。
【0044】
本発明の特徴及び利点は、図面に関連して更に良く理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1及び図2は、食品を再構成して供給するための本発明に係るシステム、特に熱い又は冷たい飲み物1を作るためのシステムの一例の全体図を示している。
【0046】
システムは、一方では、計測・混合装置3と容器4とにより形成される少なくとも1つの機能パッケージ2を備え、他方では、飲み物を作って計測・混合装置3を通じて供給する目的で機能パッケージ2を固定するようになっているベースステーション5を備えている。装置3は、ボトル、レンガ、小袋、ポーチなどの任意の種類から成っていてもよい容器4に対して接続される。容器は、ベースステーション5を介して計測装置3に供給される希釈剤、一般的には熱水、常温水、又は、冷水で希釈されるようになっている液体食品を収容している。液体は、コーヒー、ミルク、ココア、フルーツジュースの濃縮物、又は、コーヒー濃縮物、乳化剤、調味料、砂糖又は人工甘味料、防腐剤及び他の成分に基づく食品などの混合物であってもよい。液体は、単なる液相を構成し、場合によっては例えば砂糖、ナッツ、フルーツなどの粒といった固体又はペースト状の含有物を含んでいてもよい。液体は、数日にわたって、数週間にわたって、或いは、数ヶ月にわたって常温で安定するように形成されることが好ましい。したがって、濃縮物の水分活性は、通常、所望の時間にわたって常温で維持できる値に設定される。
【0047】
計測・混合装置3及び容器4は、容器の内容物が無くなったときに処分され或いはリサイクルされるようになっていることが好ましい。容器は、その開口が下を向き且つその底部が上を向く逆さの姿勢で保持され、それにより、計測・混合装置3、特に計測・混合装置内に収容された液体計測ポンプに対して液体を重力により絶えず供給する。容器4と装置3とは、取り外し可能であってもよく或いは場合によって取り外し不可能であってもよい接続手段によって接続される。しかしながら、過度に長い作業期間後に洗浄を行なわなければ結果として衛生問題を引き起こすことになり得る計測・混合装置の極めて長期的な使用を避けるために、取り外し不能な接続手段を設けることが好ましい。したがって、取り外し不能な接続により、容器が空になったときには、或いは、非常に長い期間にわたって装置が未使用のままである場合及び衛生の危険が存在する場合には容器が空になる前であっても、パッケージ2全体を交換しなければならなくなる。しかしながら、高温で例えば定期的に、例えばプログラムされ或いはベースステーション5から手動で起動されて制御される濯ぎサイクル中に、装置3の内部も希釈剤を用いて洗浄し及び/又は濯ぐことができるように形成されている。
【0048】
図3〜図9は、好ましい実施形態に係る本発明の計測・混合装置3を詳細に示している。装置3は、容器がその開口を下に向けた逆さの姿勢にあるときに容器の開口をシール状態で閉じるキャップの形態を成していることが好ましい。キャップは、雌ネジなどの接続手段31が設けられた管状接続部30を有しており、接続手段31は、容器に属する例えばこれもネジタイプの接続手段41を補完する。接続部の内側には、端面と、この端面を貫通して位置され且つ液体が装置内に入るための入口32とが存在する。なお、容器の逆さの姿勢は、容器内の圧力を均一化させるための吸気口を容器が有している場合、したがって、容器が空のときに容器が収縮しない場合にのみ容認される。空気が無くても収縮するバッグの場合のように逆のことが当てはまる場合には、容器がキャップに対して必ずしも逆さではない姿勢にあるときに液体を計測することができる。
【0049】
装置3は、特に、装置内を循環する管路、特に液体管路及び混合チャンバの略長手方向に延びる分割ラインPに沿って互いに組み付けられる2つの半シェル3A、3Bにより形成されていることが好ましい。2つの半シェルの形態を成す構造、すなわち、前側部品3A及び他方の後側部品3Bにより、装置を簡略化できると同時に、混合物を計測し、混合し、場合によっては泡立たせ、供給するために必要な一連の管路及びチャンバを画成することができる。
【0050】
容器が収縮できない容器である場合には、液体の回収を補償するために容器内に通じる吸気口を設ける必要がある。そのような吸気口は、容器が逆さの姿勢になるときに容器の底部の開口などのように容器自体を貫通して設けられてもよく、或いは、容器への入口と連通する装置の管状接続部30を貫く少なくとも1つの空気チャンネルであってもよい。
【0051】
ここで、計測・混合装置3の基本的な原理について詳細に説明する。装置は、開口32を通過する液体を計測するための内蔵計測ポンプ6を備えている。ポンプは、チャンバ60によって画成されたギアポンプであることが好ましく、チャンバ60には、チャンバの側面67、68の底部に存在し且つチャンバ内でポンプの可動計測部材を形成するために噛み合って協働する2つの回転部材65、66を案内できるベアリング61、62、63、64が設けられている。回転部材65は、ベースステーション5に属する補完的カップリング手段(後述する)と係合できるカップリング手段651に関連付けられたシャフト650が設けられた「マスター」部材である。ポンプチャンバを外部に対してシールするために、ベアリング64とシャフト650との間にはリップシールが組み込まれていることが好ましい。ポンプが動作しているときの内圧は、シールに応力を加えてシールを維持するのに役立つ。回転部材66は、マスター部材によって反対の回転方向に駆動される「スレーブ」部材である。回転計測部材65、66は、チャンバを通過する液体を計測できるように図8及び図10に示される方向A、Bで駆動される。半シェルの形態を成す構造は、チャンバが2つの部品3A、3Bの組み立てによって画成されるようになっている。したがって、チャンバ60は、側面のうちの1つを規定する底面67を有する前側部品3A内の窪みとして画成されてもよい。外側部品は、例えばシェル部品3Bを貫く通路78を後方へ貫通して延在される駆動シャフト650を支持するベアリング64を備える略平坦な表面部68によってチャンバを取り囲んでいる。
【0052】
このように、液体は、断面の減少を形成する液体出口管路69を通じて計測される。直径は、0.2〜4mm程度であり、好ましくは0.5〜2mm程度である。管路69は、ポンプから出る液体の流量の細かい制御を可能にするとともに、液体の比較的制限された流れを形成できるようにし、これにより、細かい計測が促進される。
【0053】
装置は、希釈剤を供給するために液体管路69と交わる管路70を備えている。希釈剤は、キャップの後側部品3Bを貫通して位置された希釈剤吸入口71を通じて装置内に運ばれる。この吸入口は、シールを用いて強制的に管状カップリング及びベースステーション5上に配置された希釈剤供給部に嵌め込むことができる接続チューブの形態を成している。希釈剤の流量は、ベースステーション5内に位置された希釈剤ポンプによって制御される。希釈剤管路70は、液体管路及び希釈剤管路69、70が合流する点のほぼ上流から始まって少なくともその点の所まで、好ましくは合流点を越えて延びる絞り部72で終端する。この絞り部により希釈剤を加速させることができ、これにより、ベンチュリ現象を使用して、液体出口管路69内の液体の圧力よりも小さい或いは等しい圧力が合流点で引き起こされる。ポンプがOFFに切り換えられると、圧力のこの平衡又は差により、希釈剤は、計測点を横断し、液体管路内へと上昇して逆流することなくチャンバの所まで進む。飲み物の所望の希釈を得るため、液体ポンプは、希釈剤が例えば飲み物調理サイクルの終端に向かって装置を通過し続けている間は停止する。同様に、希釈剤は、装置を定期的に濯ぐために使用される。したがって、液体、例えばコーヒー又はココア濃縮物が、管路69を通じて吸い戻される希釈剤によって容器内又はポンプ内で汚染されることが防止される。
【0054】
したがって、絞り部は、合流点に僅かな凹部を形成するように寸法付けられる。しかしながら、凹部は、熱い飲み物が作られるときに沸点を極端に低下させず且つ希釈剤を管路内で沸騰させないように制御される必要がある。
【0055】
好ましくは、絞り部は、0.2〜5mmの直径、より好ましくは0.5〜2mmの直径を有している。
【0056】
合流点以降は、1つの同じ管路73が流体を運ぶ。管路の拡張は、圧力降下を減らし且つ流体が合流点で合流したときに混ざり合う流体の体積の増加を考慮に入れるように設計されることが好ましい。拡張された管路73は、製品が内部で均一に混合される適正な混合チャンバ80へと延ばされる。無論、管路部73及びチャンバ80は、必ずしも急激な変化を伴うことなく、1つの同じ管路又は1つの同じチャンバを形成することができる。
【0057】
液体希釈剤混合物の泡立ちが望まれる場合には、管路73によって具現化される外気へと開放する吸気口が設けられることが好ましい。好ましくは、吸気口は、絞り部と交わるように位置されることが好ましい。この領域では、ベンチュリ効果が感じられ、したがって、流体の加速により圧力の減少が最大になる。したがって、空気管路が例えば管路部73と交差するように位置されてもよい。吸気口の位置は、変化してもよく、また、希釈剤管路70又は液体管路69に通じるように位置されてもよい。したがって、好ましくは、吸気口は、絞り部を通じて加速する希釈剤の作用によって空気が吸引されるように位置される。
【0058】
可能な形態(図示せず)においては、吸気口に対してエアポンプを接続することができる。エアポンプは、空気を希釈剤流と混合させることができる正圧を吸気口内に形成するために使用できる。通常、希釈剤管路の絞り部は、混合物中に泡を形成するために満足な量の空気を引き出すのに十分であるが、エアポンプは、特に、装置内で流れが形成し始めることにより十分な空気を引き出すことができない場合に、高温で役に立つのが分かり得る。また、エアポンプは、混合物のチャンバを空にするため及び/又は衛生目的で混合チャバを乾燥させるために分配サイクルの最後で混合チャンバ内に空気を送るために使用されてもよい。また、混合チャンバを適切に空にすることができるように、吸気口は、分配サイクルの最後で大気圧に対して接続されなければならない。そのような大気圧バランスは、送気システム内のより高い点に配置されたアクティブバルブによって得ることができる。
【0059】
混合チャンバ80は、合流点からの出口において、管路部73の断面積の少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍又は20倍程度の幅を有している。単純な管路に対しては、混合を促進させ且つ装置の動作が停止しているときにベンチュリシステム内へ流体が吸い戻されないように、幅広いチャンバが好ましい。これは、装置内の良好な衛生の維持が損なわれる可能性があるからである。しかしながら、基本的には、チャンバを、断面が更に小さい管路に取って代えることができる。
【0060】
また、チャンバは、混合物を減速させることができ、したがって、混合物が供給される際に混合物が急に吐き出されて跳ね飛ぶ可能性を回避する。そのため、チャンバは、曲がった形状を有していることが好ましく、或いは、混合物の経路を長くし且つ混合物の速度を減少させるためにS字形状を有していることが更に好ましい。
【0061】
チャンバは、主に、混合物を供給するための供給管路85に対して接続される。各飲み物供給サイクルの後にチャンバをその曲げ形状に起因して完全に空にするために、サイフォン通路81が設けられてもよい。
【0062】
管路は、管路内の混合物の運動エネルギを弱めるための部材86、87、88を備えていることが好ましい。これらの部材は、例えば、管路に対して垂直に延び且つ混合物の流れを横切ってこの混合物を曲がりくねった経路に従わせる幾つかの壁であってもよい。また、これらの部材は、混合物が放出される前に混合物を均質化させる機能を有していてもよい。無論、飲み物の流れを中断するための他の形態も可能である。
【0063】
また、本発明に係る計測・混合装置は、ベースステーションとドッキングすることができるガイド手段であって、特に希釈剤カップリングとポンプ駆動手段とのアライメントを容易にするガイド手段を備えていることが好ましい。これらのガイド手段は、例えば、例えば部品3A、3Bに対して垂直に装置を貫く表面の一部33、34、35、36であってもよい。表面は、例えば、部分的に或いは完全に円筒状部であってもよい。また、ガイド手段は、パッケージの重量を支える機能を果たすとともに、強固で安定したドッキングを確保する。これらの手段は、無論、他の様々な形状を採用してもよい。
【0064】
部品3A、3Bは、溶接や接着などの任意の適当な手段によって組み立てられる。好ましい実施形態においては、2つの部品がレーザ溶接される。レーザ溶接は、コンピュータ制御されてもよく、また、振動溶接とは異なり何ら動かすことなく部品同士を溶接するという利点を有しており、これにより寸法公差及び溶接精度とのコンプライアンスが向上する。レーザ溶接において、一方の部品は、レーザエネルギを吸収できる材料で形成されてもよく、他方の部品は、レーザエネルギを透過するプラスチックにより形成される。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、振動溶接などの他の溶接技術も可能である。
【0065】
特に装置の管路及びチャンバを部分的に或いは完全に境界付ける溶接部などの接続ジョイント79を設けることが好ましい。ジョイントは完全にシールされていることが好ましい。しかしながら、装置内への空気の流入を制御するために、溶接されない領域を有するジョイントが設けられてもよい。
【0066】
図9及び図10は、液体ポンプの回転部材65、66の詳細な描写を示している。有利な構造において、ギア部材はそれぞれ補完的な形状の歯652、660を有しており、その断面は、各歯の基部に狭い断面の領域661を有し且つ端部に向かって丸みを帯びた形状を有している。そのような丸みを帯びた歯形状により、圧縮を受けず且つ各回転毎に一定の体積の液体を運ぶ閉じられた容量計測領域662を形成することができる。この構造は、計測された液体に対して圧縮作用を減少させるという効果を与え、また、これにより、ポンプ効率が向上するとともに、ポンプに対する負荷が減少する。更に好ましくは、各歯の最外部662は、各歯の側面663の半径よりも大きい半径をもって平坦化されている。特に、最端部664の平坦化により、歯をポンプチャンバの表面に近づけることができ、したがって、クリアランスを減らしてシールを高めることができる。
【0067】
装置は、それぞれが希釈剤管路を合流させる液体管路を備える幾つかの液体ポンプを備えていてもよい。この場合、各ポンプによって決定される流量比率をもって異なる液体を混合させることができるという利点が得られる。ポンプは、同じ平面内で或いは平行な平面内で組織化されてもよい。容器は、異なる液体を収容する幾つかのチャンバを備えていてもよく、その場合、各チャンバはその対応するポンプに連通する。したがって、飲み物の調理は、安定性、賞味期限又は好ましくは一方では濃縮物のベース及び他方では風味の理由から、切り離された状態に維持され、したがって、再構成のために異なるポンプによって計測されなければならない2つの構成要素を備えていてもよい。また、各液体管路毎に別個の希釈剤管路を設けることもできる。
【0068】
なお、装置は、様々な粘度にわたって液体を計測することができる。しかしながら、液体が非常に流動的である場合には、液体が漏れる危険を防止するため、液体計測管路69及び入口32に対してバルブを加える必要がある可能性がある。バルブは、ポンプにより及ぼされる液体の推進力により開放し且つポンプがOFFに切り換えられるときには任意の液体が装置を通じて漏れることを防止するために閉じられてシールされたままとなるように構成されている。
【0069】
また、容器は、特に折り畳み可能に形成されていない場合には、通気手段によって外部環境と平衡な圧力に戻される必要がある可能性がある点に留意すべきである。容器が通気されない場合、容器は、その内側の圧力減少に起因して潰れてもよく、また、壊れることができる。通気手段は、ダックビルバルブなどのバルブであってもよい。容器を通気する他の方法は、ポンプを計測方向と反対の方向に数回転駆動させることであってもよい。
【0070】
図1〜2、11、12を参照すると、本発明に係るシステムは、パッケージ2に相対するものとして、機械部分を形成するベースステーション5も備えている。ベースステーションは、その少なくとも一部がカバー55によって保護された一般的に内部にある技術領域50と、ユーザが直接にアクセス可能なインタフェース領域51とを備えている。また、インタフェース領域は、飲み物の供給を制御するための制御手段53も与える。制御手段は、電子制御パネル(図1及び図2)又はレバー(図11)の形態を成していてもよい。
【0071】
インタフェース領域51は、少なくとも1つのドッキングステーション52によって少なくとも1つのパッケージ2のドッキングを行なうことができるように構成されている。幾つかのドッキングステーションが設けられて列を成して配列されることにより、各ドッキングステーションが異なる或いは同じ食品液体を収容するパッケージを受け入れ、それにより、飲み物の様々な選択を行なうことができるようになっていてもよく、或いは、システムの給仕容量を高めてもよい。図12に詳細に示されるように、ドッキングステーションは、希釈剤カップリング手段520と、計測ポンプに対してドライブを結合するための手段521とを備えている。手段520は、逆止弁が取り付けられたチューブの一部であってもよく、このチューブの直径は、計測・混合装置の希釈剤吸入口71と係合するために希釈剤吸入口71の直径を補完する。組み立ては、1つ以上のシールを使用して行なわれてもよい。カップリング手段521は、例えば、断面が小さく且つ計測・混合装置に属するカップリング手段651の内面を補完する表面を有する頭部で終端するシャフトの一部であってもよい。頭部は、多角形の先の尖った形状を有していてもよい。断面は、例えばポンプの回転駆動の信頼性及び係合速度の両方を与える星形であってもよい。また、ドッキングステーションは、計測・混合装置のガイド手段33、34を補完するガイド手段522、523を備えていてもよい。これらの手段522、523は、ガイド手段の表面をスライド式に受け入れるために単純なバー又はフィンガであってもよい。本発明の範囲から逸脱することなくガイド手段522、523、33、34の形状が多数の形態を採用してもよいことは言うまでもない。したがって、ドッキングステーションのガイド手段522、523が中空形状であってもよく、また、ガイド手段33、34が凸状であってもよい。
【0072】
図11に示されるように、ベースステーションは、計測・混合装置3に希釈剤を供給し且つ液体ポンプを駆動するための必須の構成要素を備える技術領域50を有している。そのため、ベースステーションは、ウォータポンプシステム91に接続された飲用水のリザーバ90などの希釈剤供給源を備えている。この場合、水は、水温度制御システム92の所までパイプ(図示せず)に沿って送られる。そのようなシステムは、水を計測・混合装置内に導入する前に所望の温度まで上げることができ或いは下げることができる加熱システム及び/又は冷却システムであってもよい。また、ベースステーションは、コントローラ94によって制御される電動機93を有している。電動機93は、ドッキングパネル58を貫通する駆動シャフト524を備えている。
【0073】
好ましくは、本発明に係るシステムは、それぞれが特定の飲み物分配プログラムを選択する複数のボタンの選択によって、インタフェース領域に描かれた制御パネル53を介して要求により液体の計測を変えることができる可能性を与える。特に、液体:希釈剤の希釈率は、ポンプの駆動速度を変えることにより変化させることができる。速度が遅い場合、希釈剤流量に関しては希釈剤ポンプシステム91により一定に維持され、そのため、液体:希釈剤比率が減少され、その結果、より薄い飲み物が供給される。逆に、液体ポンプ速度が高い場合には、飲み物の濃度を増大させることができる。他の制御可能なパラメータは、希釈剤ポンプシステムの作動時間及び液体ポンプの駆動時間を制御することによる飲み物の体積であってもよい。したがって、コントローラ94は、制御パネル53上の各ボタンによって行なわれる選択に対応する必要な飲み物プログラムの全てを含んでいる。
【0074】
計測・混合装置又は容器は、ベースステーション5に関連付けられたリーダーによって読み取ることができるコードを備えていてもよい。コードは、製品の識別情報及び/又は性質を参照し及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の作動に関与するパラメータを参照する情報を含んでいる。コードは、例えば、液体ポンプ及び/又はベースステーション内に収容された希釈剤ポンプの流量を管理して液体:希釈剤比率を制御するために使用されてもよい。また、コードは、泡立つ飲み物又は泡立たない飲み物を得るために吸気口の開放又は閉塞を制御してもよい。
【0075】
図13に示されるように、吸気口又はチャンネル74は、希釈剤管路70と交差するように配置することができる。したがって、チャンネル74は、液体流と希釈剤流との交差部の前に配置される。液体管路と希釈剤管路との交差部の後に配置される空気チャンネルに伴う問題点は、バクテリア成長を引き起こす場合がある希釈液によって空気チャンネルが汚染される可能性があるという点である。この問題は、主に、液体表面張力や相変化などの幾何学的要因及び物理的要因によって引き起こされる。洗浄液が空気チャンネルへ流入することを防止する空気チャンネルから混合チャンバへの吸引作用を絞り部が引き起こすため、洗浄液(すなわち、熱水)を用いたフラッシングサイクル中にこの空気チャンネルを適切に洗浄することができる。したがって、この新たな配置は、食品液体が空気チャンネル内に流入できないようにする。この実施例において、希釈剤管路70及び液体計測管路69は、互いに交差部に直接に位置されていないが、混合チャンバ80と合流する。それにもかかわらず、希釈剤管路70は、その流れが液体出口の方向で或いは僅かに下側で液体流へと向けられるように位置される。また、吸気口74は絞り部72の領域に設けられる。希釈剤速度は、その領域で流れが液体流と合流する前に空気が希釈剤流内に吸引されるように設定されている。そのような配置は、誤って吸気口内に入る希釈製品で吸気口が汚染される危険を減らす。
【0076】
図14に示された実施形態において、装置は、計測された液体のための逆止弁を備えている。実際には、特に低粘度の液体に関して全体的な気密を保証することは実質的に不可能であるため、ポンプの下流側の液体計測管路内にバルブ690が加えられる。交差領域72及び混合チャンバ内で微量の水を除去することができないため、液体がポンプからこれらの領域へ滴る場合には、希釈剤が液体を汚染する可能性があり、したがって、数時間にわたる動作停止の後、バクテリア成長のための潜在的に有利な下地が引き起こされる。バルブは、装置の動作停止中に液体が滴ることを止めることによりこの問題を防止する。バルブは、任意の種類の逆止弁であってもよい。図14において、バルブは、2つの金属プレート692、693などの2つの硬質プライにより液体管路69内に垂直に維持されたエラストマー又はシリコンスリットバルブ部材又は層691を備えている。バルブ690は、2つの半シェル3A、3Bを貫通して設けられたスロットを通じて挿入することができる。スリットバルブ部材は、ポンプがポンプチャンバ60内で駆動される(ポンプ部材は図示せず)結果としてバルブの上流で流体圧が増大したときにスリットが下方に開口するように構成されている。ポンプが停止されると直ぐに、バルブは、出口を閉塞できる十分な弾力性を有する。
【0077】
また、本発明は、食品以外の製品の調理分野にも広げられる。例えば、本発明は、粉末洗剤、石鹸、洗浄剤又は他の同様の製品など、希釈できる液体の形態を成す製品を分配する分野で使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】ベースステーションから離れた位置にある本発明に係るマルチポーションパッケージを備える本発明に係る調理システムの全体斜視図を示している。
【図2】マルチポーションパッケージがベースステーションに対してドッキングされた位置にある図1のシステムの全体斜視図を示している。
【図3】本発明に係る計測・混合装置の前側半シェルの図を示している。
【図4】発明に係る計測・混合装置の後側半シェルの図を示している。
【図5】図3及び図4の装置を上側から見た図を示している。
【図6】ギア部材が無い図3〜図5の装置の前側半シェルの内部の図を示している。
【図7】図3〜図5の後側半シェルの内部の図を示している。
【図8】図3〜図7の装置のポンプの一部断面を有する詳細図を示している。
【図9】液体計測ポンプの回転部材の部分斜視図を示している。
【図10】所定のギア構造を成す回転部材の概略正面図を示している。
【図11】ベースステーションの内側の概略図を示している。
【図12】ベースステーションカップリング手段の詳細図を示している。
【図13】異なる流体配置における本発明の装置の概略図を示している。
【図14】本発明の装置の一実施形態、特に、液体の滴りを防止するためにポンプ出口に位置された逆止弁の詳細な断面図を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース液体と希釈剤との混合物を調理して供給するためのシステムに関する。特に、本発明は、食品液体を計測してこの食品液体を希釈剤と混合させることによる飲み物又は他の液体食品の調理及び供給に関する。本発明は、供給される体積が大きい場合でも液体濃縮物及び水から泡立てを伴う或いは伴わない熱い又は冷たい飲み物を簡単且つ迅速に供給することにおいて用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
従来の飲み物自動販売機において、飲み物は、リザーバ内に収容された液体濃縮物又は粉末から再構成される。液体濃縮物又は粉末は、計測された後に、自動販売機の内部にあり且つパイプ、ポンプ及び混合ボールを通過する希釈剤、一般的には熱い又は冷たい水と混合される。混合は、一般に、チャンバ内に収容された機械的な攪拌器によって行なわれる。したがって、これらの飲み物の従来の調理は、食品と接触した状態にある部品を常にきれいに維持するとともに、汚染及びバクテリア成長の危険を回避するために、多大なメンテナンス及び洗浄を必要とする。また、機械は、オペレータ側でかなりの投資がかかる。最後に、これらの機械は、現在の傾向が熱い、冷たい、泡立つ又は泡立たない飲み物の選択へと拡大されているにもかかわらず、供給される飲み物の選択に関して万能性を欠いている。
【0003】
システムは、濃縮物を収容する使い捨て可能な、又はリサイクル可能なパッケージからフルーツジュースを供給するとともに、パッケージの外部の分配装置により動作されるポンプを組み込むために存在する。このようなシステムは、例えば、米国特許第5615801号に記載されている。
【0004】
それ以前は、ポンプが自動販売機自体の一部を形成したが、ポンプ及びポンプに関連付けられた要素のメンテナンス及び洗浄に関連する欠点を軽減するために、米国特許第5615801号の解決策は、食品液体ポンプをパッケージに組み込むとともに、パッケージを機械に接続することにより、特にポンプを機械に接続することにより機械によってこのポンプの動作を制御することである。オペレータは、パッケージを交換して、そのパッケージを新しいパッケージに置き換え、或いは他の飲み物の分配を始めるために異なるパッケージに置き換えるだけで済む。この場合、洗浄はもはや全く必要ない。米国特許第5615801号は、バルブを通り抜ける細かい膜の形態で広がる濃縮物の連続的な流れを生成し且つパッケージに属する混合チャンバ内で希釈剤、この場合は水と混合させることができるMoineauポンプを提供することにより、このタイプのパッケージの改良を提供する。
【0005】
しかしながら、このような解決策は幾つかの欠点を与える。そのようなシステム内での混合は、希釈剤と濃縮物とが混合チャンバ内で合流する方法に起因して最適化されない。また、希釈剤が濃縮物管路を通じて逆流上昇する危険が存在する。仮にそのようなことが起こると、衛生の問題が生じ得る。更に、システムの構造及び濃縮物の粘度により濃縮物計測が制限される。具体的には、装置は、バルブを通り抜ける細かい膜を生成することができず、したがって混合を行なうことができない特定の高粘度濃縮物には適さない。また、正確な計測のため、濃縮物流量は、バルブによって形成される著しい圧力降下に単独で打ち勝たなければならないポンプの性質に起因して減少される。したがって、10〜40秒程度の適当な時間内に、コーヒー又はココアに基づく濃縮物などの特定のタイプの濃縮物から大量の飲み物を生成することができない。また、このような装置は、飲み物を作るときに泡を生成するように設計されていない。現在では、液体濃縮物及び水から得られるブラックコーヒー、カフェラッテ又はフレーバーコーヒー又はホットチョコレートなどの泡立つ飲み物を生成する必要性が存在する。他の欠点は、そのようなシステムの複雑さ及び多数の部品に起因してシステムが占める多大な空間によって生じる。したがって、そのようなシステムは高価である。
【0006】
同様の装置が米国特許第5305923号及び米国特許第5842603号に記載されており、これらは前述した特許と同じ欠点を有している。
【0007】
米国特許第6568565号は、使い捨て可能なマルチポーション容器内に収容された濃縮物から飲み物を供給するための方法及び装置に関する。容器は、それ自体使い捨て可能な計測ポンプが嵌め付けられるアダプタを備えている。混合チャンバが設けられており、この混合チャンバ内で希釈剤が計量された濃縮物と混ざる。飲み物は、使い捨て不可能な供給ノズルを通じて供給される。システムは、ポンプ、混合チャンバ及びノズルが多くのカップリングにより接続される多数の別個の部品を構成しているため、複雑で、大型であり、また、高価である。ポンプの動作は、ドライブフォークが設けられたポンプ作動システムを使用する複雑なだけのシステムを介してなされる。
【0008】
国際公開公報第01/21292号は、濃縮物が混合チャンバ内の接続領域へと移動され、この接続領域内で濃縮物が希釈剤と一緒にされる、飲料を生成するための方法及び装置に関するものである。濃縮物と希釈剤との混合物が流通され且つ接続領域に対して下流側に位置された混合チャンバ内のガス領域にはガスが供給される。第1に、この解決策は、濃縮物を計測し且つ装置自体とは別個の蠕動ポンプに装置が関連付けられるため、液体食品を濃縮物から調理するためのコンパクトな解決策ではない。第2に、蠕動ポンプからの供給量は、比較的高い固体濃度の食品液体濃縮物にとって十分正確ではない。また、供給量は、製品パルスを供給する不連続な蠕動構成に起因して供給量毎に均一ではない。第3に、装置は、パッケージではなく、使用後に使い捨てすることができない。したがって、装置は、衛生の危険を伴うことなく再使用することができるように洗浄されなければならない。第4に、希釈剤が濃縮物ラインを逆流して上昇する危険を防止できる十分な圧力低下が存在せず、したがって、その危険を防止するために濃縮物ライン中にバルブが必要とされる。このバルブにもかかわらず、希釈剤が濃縮物ライン内に入る危険は依然として高いままである。最後に、空気をチャンバ内に引き込む方法は、圧力差の欠如、管路のサイズ及び相対的位置に起因して最適ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、より簡単で、衛生的で、コンパクトで、経済的であり、前述した問題の全てを解決するシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は、ベース液体を計測してこのベース液体を希釈剤と混合することにより食品を調理し、液体を収容する容器に対して接続できる装置であって、
− 液体計測管路を通る液体の量を計測するために構成される液体ポンプと、
− 希釈剤管路を有する希釈剤入口と、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバと、
を備え、
混合チャンバの前で或いは混合チャンバにおいて希釈剤流が液体流と交わるように希釈剤管路が液体計測管路に対して相対的に位置され、希釈剤入口における希釈剤の速度に対して上記希釈剤と液体とが合流する場所での希釈剤流の速度を加速させるための手段を備える装置に関する。
【0011】
したがって、本発明に係る装置は、液体を正確に計測した後に希釈剤と混合させるための改良された解決策を与える。希釈剤固有の速度及び管路の合流により、流体の剪断及び混合チャンバ内での流体の混合が向上される。より具体的には、非常に低い速度に到達する液体は、交差点で高速に達する希釈剤と共に運ばれ、これにより、液体の同調が促され、その結果、強制的に移動されて、混合物を形成するために混合チャンバ内に乱流が形成される。その結果として得られる希釈剤の加速により、流れが合流する点に、ポンプ出口の液体管路内の圧力以下の圧力を形成することができる。
【0012】
利点は以下の2つである。
− 混合チャンバ内での混合を促すために剪断力が増大される。
− 特にポンプがOFFに切り換えられるときに、衛生問題が生じ得る、液体管路内へ希釈剤が逆流して上昇する可能性が防止される。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、希釈剤の速度を加速させるための手段は、上記流れが合流する前又は流れが合流する場所における希釈剤管路に位置された少なくとも1つの絞り部の形態を成すベンチュリ手段を備えている。したがって、絞り部により、希釈剤が液体と合流するときに希釈剤の流れを加速させることができ、その結果、圧力を有利に下げることができる。そのような原理は、可動部分を含まないため、実施が簡単である。希釈剤は、計測する液体と比較的高速で合流し、それにより、剪断作用が形成されるとともに、希釈剤が液体計測管路内へと上昇して戻ることも防止される。このとき、液体の速度は、断面積が大きい混合チャンバ内で降下し、それにより、均質な液体−希釈剤混合物の形成がチャンバ内で促進される。
【0014】
希釈剤管路は、液体計測管路の出口へと向けられ或いはそれよりも僅かに下側に向けられ、それにより、希釈流と液体流とが互いに相対的に衝突するようになることが好ましい。可能な形態においては、希釈剤管路及び液体計測管路が交差部に直接に位置される。代替の形態において、2つの管路は、拡大された混合チャンバ内で互いに別個に終端するがそれらの流れの交差部でも終端するように位置される。
【0015】
好ましくは、希釈剤管路は、絞り部及び混合チャンバへの入口と共にアライメントを形成する少なくとも1つの端子部を備えている。液体の通過のためのポンプ出口における液体管路は、上記アライメントに対して垂直である。この構成は、著しく大きな圧力低下を形成するために希釈剤がほぼ直線的に移動される特に有効なベンチュリ効果を与える。また、圧力低下は、ポンプがOFFに切り換えられるときに、希釈剤が上記液体管路内に逆流して上昇することなく、ポンプ出口の管路を通じて液体を引き出すこともできる。用語「アライメント」は、絞り部を通じた希釈剤の流れが中断する或いは著しく遅くなる可能性が高い屈曲部又は鋭い湾曲部が存在しない意味に理解されるべきである。
【0016】
1つの可能な態様において、装置は、泡立つ調理を生成できるように構成されている。装置は、空気を混合物へと運んで食品を泡立たせるために、混合チャンバの前の少なくも1つの管路又は混合チャンバ自体の内部に連通する吸気口を備えている。好ましくは、吸気口は、形成される吸引力から利益を得るとともに空気を運び込んで例えば飲み物等の希釈液体の少なくとも一部を混合チャンバ内で泡立たせるために、絞り部と連通して位置されている。したがって、吸気口は、所要量の空気を混合チャンバ内に運ぶように寸法付けられている。また、空気は、チャンバを洗浄するとともに供給サイクルの最後の最後でチャンバ内に依然として残る任意の量の飲み物をチャンバから吐き出し及び/又は泡立たせるために、供給動作の最後に使用されてもよい。
【0017】
1つの形態において、吸気口は、希釈剤流が液体流と交わり或いは衝突する前に空気が希釈剤流中に吸引されるように、希釈剤管路及び液体計測管路に対して相対的に位置されている。例えば、吸気口は、希釈剤流と液体流との間の衝突点の前の希釈剤管路の交差部に配置することができる。この配置では、希釈剤が液体と混合する前に気泡が希釈剤流中に吸引される。通気した希釈剤と液体との間の衝突点は、混合チャンバ内又は混合チャンバの前、すなわち、希釈剤管路と液体管路との交差部に配置されてもよい。この配置は、吸気口の汚染の問題を解決する。実際には、空気チャンネルが混合チャンバ内の交差部の後に位置されている場合には、製品が空気チャンネル内に流入する可能性があることに留意しなければならない。物理学の法則によれば、形成される速度及び圧力差に起因して、希釈剤は空気チャンネルに流入せず、したがって、希釈剤のフラッシュサイクルにより空気チャンネルを洗浄することはできない。その結果、これにより、バクテリア成長の問題が引き起こされる可能性がある。希釈剤レベルでのみ吸気口を有することにより、希釈された濃縮物などの製品が空気管路を汚染しないようにしている。
【0018】
ポンプは、液体を様々な速度、特に1〜5000センチポアズで搬送できる任意のポンプであってもよい。ポンプは、ギアポンプ、蠕動ポンプ又はピストンポンプであってもよい。
【0019】
本発明に係る計測・混合装置は、計測・混合装置が補完的な態様でドッキングされる分配ベース装置によって制御されるようになっている。以下の説明では、より簡単で且つ明確にするため、第1の装置がドッキングする第2の装置を「ベースステーション」と称する。したがって、カップリング手段が設けられるとともに、このカップリング手段は、それ自体で希釈剤供給源及び液体ポンプを駆動させるための手段を設けることができるベースステーションに対して計測・混合装置を接続するように構成される。ポンプを駆動して希釈剤を供給する機能から計測・混合装置を切り離すことにより、計測・混合装置を必要に応じて交換することができ、例えば新しい容器と組み付けられた新たな装置に置き換えることができるという本質的な利点が得られる。そのような交換により、計測・混合装置のメンテナンス及び洗浄の必要性を省くことができ、或いは、かなり減らすことができる。また、それにより、計測・混合装置を交換すると同時に共通のベースステーションを維持することにより、計測・混合装置の選択の自由度を大きくすることもできる。
【0020】
しかしながら、好ましい実施形態において、ポンプはギアタイプのポンプである。そのようなポンプは、ギアの形態で協働する一連の回転部材が内部に収容されるチャンバを備えている。ポンプは、液体をポンプチャンバ内に導入させるための入口通路と、ポンプチャンバを液体計測管路に接続する液体出口通路とを備えており、液体入口通路及び液体出口通路は、一連の回転部材によって形成されるギアとほぼ一直線に位置合わせされている。本発明に係るギアポンプは、計測された液体のより均一な流れ、より正確な量の計測液体、比較的限られた数の可動部を含むよりコンパクトな構造を与える。したがって、回転部材は、数が2つであることが好ましいが、回転部材の対の数はそれ自体限定されない。好ましくは、第1の回転部材は、ベースステーションに属する駆動手段に関連付けられる補完的なカップリング手段に対して接続されるようになっているカップリング手段によって延在される。それ自体知られるように、カップリング手段を備える回転部材は、通常、「マスター」と称され、一方、他の回転部材は、通常、「スレーブ」と称される。
【0021】
1つの可能な形態においては、交差部及び混合チャンバ内にあるポンプからの滴りを防止するため、液体計測管路内に逆止弁が位置される。実際には、ギアポンプはシール機能を与えるが、特に低粘度の濃縮物が使用される場合には、ポンプだけを用いて装置の休止期間中に全体の液体の密閉性を確保することはできない。
【0022】
本発明の目的のうちの1つは、製品と機械の部品との間の想定し得る任意の相互作用を制限することであるため、計測・混合装置は、混合チャンバの下流側で直接にこのように希釈されて混合された食品液体の流れをレセプタクルへ供給するためのそれ自体の管路を備えている。レセプタクルは、例えばグラス、ボール又はマグカップ或いは消費者に役立つ任意の他の容器の意味に理解されるべきである。
【0023】
好ましい構成において、本発明の計測・混合装置は、適当な接続手段によって容器に接続されるカップの形態を成している。したがって、より正確には、混合装置は、吸引手段及びポンプを通過する分割ラインに沿って組み付けられる2つの半シェルを備えている。
【0024】
2つの半シェルを有するカップの形態を成す構造は、必要な組み付け部品の数が少なく、一般にポンプ手段と混合手段とを組み込む周知の構造と比べるとよりコンパクトであるという利点を与える。
【0025】
このようにして組み付けられることにより画成される一方又は他方の半シェル、又は、両方の半シェルは、それらの分割ライン、すなわち、
− ポンプのチャンバ及びその計測管路、
− 少なくとも絞り部を備える吸引手段、
− 希釈剤管路、
− 混合チャンバ、
− 場合によって、空気管路、
− 好ましくは、例えば飲み物などの調理食品を供給するための管路
を通過する。
【0026】
この構成においては2つの半シェルとしての計測・混合装置は、プラスチック、例えば射出された或いは成形されたプラスチックにより形成されることが好ましい。したがって、装置は、限られた数の計測動作のために使用され、その後、使い捨てられ或いはリサイクルされてもよい。
【0027】
更に好ましい実施形態において、装置は、使い捨てられ或いはリサイクルされてもよいパッケージを計測・混合装置と共に形成する容器と関連付けられる。容器は、折り畳むことができない部材又は折り畳み可能な部材であってもよい。容器は、例えば、ボトル、レンガ、ポーチ、袋などであってもよい。容器は、プラスチック、段ボール、紙、アルミニウム又はこれらの材料の混合物及び/又は積層体によって形成されてもよい。容器及び装置は、取り外し不能な手段又は取り外し可能な手段によって接続されてもよい。取り外し不能な手段は、シール手段、溶接手段、接着手段、不可逆的なクリップ手段などの手段となるように形成されてもよい。取り外し可能な手段は、容器に属するネジ部又は補完的な機械的係合手段と協働する、計測装置を形成するキャップ上のネジ部又は等価な補完的な機械的係合手段により形成されるアセンブリを意味してもよい。
【0028】
計測・混合装置は、簡単且つ急速な態様でベースステーションに対して取り付く。そのため、装置のカップリング手段は、補完的なカップリング手段を備えるベースステーション自体のドッキングパネルに手で差し込むことにより結合を行なうことができるように同じ側に位置することが好ましい。したがって、ユーザは、容器が好ましくは装着された混合・計測装置を掴んでそれをベースステーションのパネルに対して押し付けることにより、簡単な移動でドッキング動作を手で容易に行なうことができる。より具体的には、カップリング手段は、バースステーションのドッキングパネルに対する補完的ガイド手段を有する計測装置の差し込み又はドッキングを促す少なくとも1つの方向で並進案内するための手段も備えている。無論、幾つかの差し込み方向、例えば並進方向と回転方向とを組み合わせる、又は、様々な並進軸及び/又は回転軸に沿った/周りの幾つかの組み合わせ方向での他のドッキング方法も可能である。
【0029】
本発明に係る計測・混合装置は、ベースステーションに関連するリーダーによって読み取ることができるコードを備えていてもよい。コードは、製品の識別情報及び/又は性質を参照する及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の動作に関与するパラメータを参照する情報を含んでいる。コードは、例えば、ベースステーション内に収容される液体ポンプ及び/又は希釈剤ポンプの流量を管理して液体:希釈剤比率を制御するために使用されてもよい。容器内に収容される製品の信頼性のチェックや、希釈剤の温度を変えるための手段の調整など、コードの他の使用も考えられる。
【0030】
他の態様において、本発明は、液体を計測してこの液体を希釈剤と混合することにより食品を調理するためのパッケージであって、
液体の貯留部を形成するためのマルチドーズ容器と、
計測・混合装置と、
を備え、
計測・混合装置が、
− 希釈剤入口と、
− 液体の量を計測するための液体ポンプと、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバと、
− 希釈剤供給源及び液体ポンプを駆動するための手段を設けることができるベースステーションに対して計測・混合装置を接続するように構成されたカップリング手段と、
を備えているパッケージにおいて、
計測・混合装置が、容器に接続されるキャップを形成することを特徴とするパッケージに関する。
【0031】
事実上、従来技術では、パッケージ内に組み込まれた計測ポンプの使用に関連する衛生の利点及び限られた時間にわたって使用するのに適した或いはリサイクルできる簡単且つ安価な構造により得られる利点の両方を与える任意のパッケージが存在しない。そのため、本発明は、一般に複雑で且つカップリングにより組み付けられる幾つかの部材から成る計測装置に、閉塞体として容器に関連付けられるキャップの形態を採用させることにより、これらの複合目的を満たす。
【0032】
より具体的には、キャップは、略長手方向の分割ラインに沿って互いに組み付けられ且つ少なくともポンプのチャンバ及び混合チャンバの外形を画成するように構成された2つの半シェルを備えている。すなわち、2つの部品は、流体が搬送される方向、特に液体と液体から成る混合物と希釈剤とが搬送される方向に延びる分割ラインに沿って長手方向に組み付けられる。これに対して、従来技術は、通常、流体が搬送される方向で互いに後続する幾つかの管路及びカップリングを設けており、それにより、使用される多くの部品及び断面の変化に起因して、複雑度が大きくなるとともに、急速な汚染、衛生の危険が大きくなり、また、製造コストも高くなる。
【0033】
本発明において、液体計測管路は、混合チャンバの前で希釈剤管路と交わるように位置されている。計測・混合装置は、液体計測ポンプを補完するため、流れの合流点に希釈剤が到達する速度を増大させるための手段を備えている。そのような手段は、混合チャンバの上流側に位置された希釈剤吸入口に連通する絞り部であることが好ましく、それにより、希釈剤の流れが絞り部を通じて加速される。
【0034】
混合物中に空気を運ぶことができ且つ混合チャンバ内の液体−希釈剤混合物、例えば飲み物を泡立たせることができる吸気口を更に備える場合には、例えば飲み物等の調理食品を泡立たせてもよい。しかしながら、調理食品を泡立たせる必要がない場合には、吸気口が省かれてもよく或いは選択的に閉じられてもよい。吸気口の断面積、パッケージ内に収容される食品液体の性質にしたがって変えることができる。したがって、吸気口の断面積は、0.05mm2と2mm2との間、好ましくは0.1mm2と0.5mm2との間で変化してもよい。
【0035】
液体は、熱い又は冷たい、泡立つ或いは泡立たない飲み物を再構成するようになっている食品濃縮物であってもよい。例えば、液体は、コーヒー、ココア、ミルク、茶、フルーツジューツ又はこれらの成分の組み合わせに基づく濃縮物である。濃縮物は、コーヒー濃縮物及びコンデンスミルク又はクリーマーを含む例えばカフェラッテを生成するための液体であってもよい。液体の粘度は、濃縮物の性質にしたがって変えてもよい。
【0036】
一般に、これは、1〜5000cPoiseであり、好ましくは200〜1000cPoiseであり、更に好ましくは300〜600cPoiseである。
【0037】
最後に、本発明は、先に規定された計測・混合装置又はパッケージがドッキングされるようになっているベースステーションに関する。
【0038】
ベースステーションは、
a)− 希釈剤供給手段と、
− 液体ポンプ駆動手段と、
を備える技術領域と、
b)− 装置に属するカップリング手段を補完し、計測・混合装置を所定の位置で受けるように構成されるとともに、希釈剤カップリング手段とポンプを結合するための手段とを備えるカップリング手段と、
− 希釈剤の供給を制御するとともに、液体ポンプを駆動させるための制御手段と、
を備えるユーザのためのインタフェース領域と、
を備えている。
【0039】
したがって、好ましいステーションは、ユーザがアクセスできるインタフェース領域を含む2つの別個の領域を備えている。そのような領域は、カバーなどの保護手段によって保護されてもよいが、これは不可欠ではない。これとは異なり、この領域の部品は、ユーザとの良好な双方向性を与えるため、したがって、パッケージの交換を容易にするため、目に見えた状態のままであってもよい。
【0040】
より正確には、希釈剤供給手段は、ウォータポンプ及び水の温度を制御するためのシステムに接続された水供給管路を備えている。温度制御システムは、加熱システム、例えば、サーモブロック、ヒータカートリッジ、ボイラ又は任意の他の等価な手段であってもよい。また、制御システムは、冷却された飲み物又はデザートを生成することができる冷却システムであってもよい。
【0041】
ポンプ駆動手段は、液体ポンプのカップリング手段と連結するために補完的カップリング手段に対して接続される駆動シャフト及び電動機を備えていてもよい。カップリング手段は、雄雌型の機械的な協働押し込み接続部、磁化機構、ネジ固定システム、又は、バヨネットシステム、或いは、任意の他の等価な手段から成っていてもよい。
【0042】
インタフェース領域は、計測・混合装置がドッキングできるように装置のガイド手段を補完するガイド手段を備えている。補完的ガイド手段は、ドッキング中に並進方向で或いは1つ以上の他の方向で計測装置を案内するように構成されている。計測装置をドッキング位置で固定するための手段が設けられてもよい。
【0043】
ベースステーションは、制御手段に関連付けられ且つ液体ポンプ駆動手段の動作及び希釈剤供給手段の動作を制御して調整するようにプログラムされたコントローラを備えている。計測・混合装置又はパッケージがコードを備える場合、コントローラは、このコードを読み取り且つ読み取られた情報を処理できるリーダーに関連付けられる。
【0044】
本発明の特徴及び利点は、図面に関連して更に良く理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1及び図2は、食品を再構成して供給するための本発明に係るシステム、特に熱い又は冷たい飲み物1を作るためのシステムの一例の全体図を示している。
【0046】
システムは、一方では、計測・混合装置3と容器4とにより形成される少なくとも1つの機能パッケージ2を備え、他方では、飲み物を作って計測・混合装置3を通じて供給する目的で機能パッケージ2を固定するようになっているベースステーション5を備えている。装置3は、ボトル、レンガ、小袋、ポーチなどの任意の種類から成っていてもよい容器4に対して接続される。容器は、ベースステーション5を介して計測装置3に供給される希釈剤、一般的には熱水、常温水、又は、冷水で希釈されるようになっている液体食品を収容している。液体は、コーヒー、ミルク、ココア、フルーツジュースの濃縮物、又は、コーヒー濃縮物、乳化剤、調味料、砂糖又は人工甘味料、防腐剤及び他の成分に基づく食品などの混合物であってもよい。液体は、単なる液相を構成し、場合によっては例えば砂糖、ナッツ、フルーツなどの粒といった固体又はペースト状の含有物を含んでいてもよい。液体は、数日にわたって、数週間にわたって、或いは、数ヶ月にわたって常温で安定するように形成されることが好ましい。したがって、濃縮物の水分活性は、通常、所望の時間にわたって常温で維持できる値に設定される。
【0047】
計測・混合装置3及び容器4は、容器の内容物が無くなったときに処分され或いはリサイクルされるようになっていることが好ましい。容器は、その開口が下を向き且つその底部が上を向く逆さの姿勢で保持され、それにより、計測・混合装置3、特に計測・混合装置内に収容された液体計測ポンプに対して液体を重力により絶えず供給する。容器4と装置3とは、取り外し可能であってもよく或いは場合によって取り外し不可能であってもよい接続手段によって接続される。しかしながら、過度に長い作業期間後に洗浄を行なわなければ結果として衛生問題を引き起こすことになり得る計測・混合装置の極めて長期的な使用を避けるために、取り外し不能な接続手段を設けることが好ましい。したがって、取り外し不能な接続により、容器が空になったときには、或いは、非常に長い期間にわたって装置が未使用のままである場合及び衛生の危険が存在する場合には容器が空になる前であっても、パッケージ2全体を交換しなければならなくなる。しかしながら、高温で例えば定期的に、例えばプログラムされ或いはベースステーション5から手動で起動されて制御される濯ぎサイクル中に、装置3の内部も希釈剤を用いて洗浄し及び/又は濯ぐことができるように形成されている。
【0048】
図3〜図9は、好ましい実施形態に係る本発明の計測・混合装置3を詳細に示している。装置3は、容器がその開口を下に向けた逆さの姿勢にあるときに容器の開口をシール状態で閉じるキャップの形態を成していることが好ましい。キャップは、雌ネジなどの接続手段31が設けられた管状接続部30を有しており、接続手段31は、容器に属する例えばこれもネジタイプの接続手段41を補完する。接続部の内側には、端面と、この端面を貫通して位置され且つ液体が装置内に入るための入口32とが存在する。なお、容器の逆さの姿勢は、容器内の圧力を均一化させるための吸気口を容器が有している場合、したがって、容器が空のときに容器が収縮しない場合にのみ容認される。空気が無くても収縮するバッグの場合のように逆のことが当てはまる場合には、容器がキャップに対して必ずしも逆さではない姿勢にあるときに液体を計測することができる。
【0049】
装置3は、特に、装置内を循環する管路、特に液体管路及び混合チャンバの略長手方向に延びる分割ラインPに沿って互いに組み付けられる2つの半シェル3A、3Bにより形成されていることが好ましい。2つの半シェルの形態を成す構造、すなわち、前側部品3A及び他方の後側部品3Bにより、装置を簡略化できると同時に、混合物を計測し、混合し、場合によっては泡立たせ、供給するために必要な一連の管路及びチャンバを画成することができる。
【0050】
容器が収縮できない容器である場合には、液体の回収を補償するために容器内に通じる吸気口を設ける必要がある。そのような吸気口は、容器が逆さの姿勢になるときに容器の底部の開口などのように容器自体を貫通して設けられてもよく、或いは、容器への入口と連通する装置の管状接続部30を貫く少なくとも1つの空気チャンネルであってもよい。
【0051】
ここで、計測・混合装置3の基本的な原理について詳細に説明する。装置は、開口32を通過する液体を計測するための内蔵計測ポンプ6を備えている。ポンプは、チャンバ60によって画成されたギアポンプであることが好ましく、チャンバ60には、チャンバの側面67、68の底部に存在し且つチャンバ内でポンプの可動計測部材を形成するために噛み合って協働する2つの回転部材65、66を案内できるベアリング61、62、63、64が設けられている。回転部材65は、ベースステーション5に属する補完的カップリング手段(後述する)と係合できるカップリング手段651に関連付けられたシャフト650が設けられた「マスター」部材である。ポンプチャンバを外部に対してシールするために、ベアリング64とシャフト650との間にはリップシールが組み込まれていることが好ましい。ポンプが動作しているときの内圧は、シールに応力を加えてシールを維持するのに役立つ。回転部材66は、マスター部材によって反対の回転方向に駆動される「スレーブ」部材である。回転計測部材65、66は、チャンバを通過する液体を計測できるように図8及び図10に示される方向A、Bで駆動される。半シェルの形態を成す構造は、チャンバが2つの部品3A、3Bの組み立てによって画成されるようになっている。したがって、チャンバ60は、側面のうちの1つを規定する底面67を有する前側部品3A内の窪みとして画成されてもよい。外側部品は、例えばシェル部品3Bを貫く通路78を後方へ貫通して延在される駆動シャフト650を支持するベアリング64を備える略平坦な表面部68によってチャンバを取り囲んでいる。
【0052】
このように、液体は、断面の減少を形成する液体出口管路69を通じて計測される。直径は、0.2〜4mm程度であり、好ましくは0.5〜2mm程度である。管路69は、ポンプから出る液体の流量の細かい制御を可能にするとともに、液体の比較的制限された流れを形成できるようにし、これにより、細かい計測が促進される。
【0053】
装置は、希釈剤を供給するために液体管路69と交わる管路70を備えている。希釈剤は、キャップの後側部品3Bを貫通して位置された希釈剤吸入口71を通じて装置内に運ばれる。この吸入口は、シールを用いて強制的に管状カップリング及びベースステーション5上に配置された希釈剤供給部に嵌め込むことができる接続チューブの形態を成している。希釈剤の流量は、ベースステーション5内に位置された希釈剤ポンプによって制御される。希釈剤管路70は、液体管路及び希釈剤管路69、70が合流する点のほぼ上流から始まって少なくともその点の所まで、好ましくは合流点を越えて延びる絞り部72で終端する。この絞り部により希釈剤を加速させることができ、これにより、ベンチュリ現象を使用して、液体出口管路69内の液体の圧力よりも小さい或いは等しい圧力が合流点で引き起こされる。ポンプがOFFに切り換えられると、圧力のこの平衡又は差により、希釈剤は、計測点を横断し、液体管路内へと上昇して逆流することなくチャンバの所まで進む。飲み物の所望の希釈を得るため、液体ポンプは、希釈剤が例えば飲み物調理サイクルの終端に向かって装置を通過し続けている間は停止する。同様に、希釈剤は、装置を定期的に濯ぐために使用される。したがって、液体、例えばコーヒー又はココア濃縮物が、管路69を通じて吸い戻される希釈剤によって容器内又はポンプ内で汚染されることが防止される。
【0054】
したがって、絞り部は、合流点に僅かな凹部を形成するように寸法付けられる。しかしながら、凹部は、熱い飲み物が作られるときに沸点を極端に低下させず且つ希釈剤を管路内で沸騰させないように制御される必要がある。
【0055】
好ましくは、絞り部は、0.2〜5mmの直径、より好ましくは0.5〜2mmの直径を有している。
【0056】
合流点以降は、1つの同じ管路73が流体を運ぶ。管路の拡張は、圧力降下を減らし且つ流体が合流点で合流したときに混ざり合う流体の体積の増加を考慮に入れるように設計されることが好ましい。拡張された管路73は、製品が内部で均一に混合される適正な混合チャンバ80へと延ばされる。無論、管路部73及びチャンバ80は、必ずしも急激な変化を伴うことなく、1つの同じ管路又は1つの同じチャンバを形成することができる。
【0057】
液体希釈剤混合物の泡立ちが望まれる場合には、管路73によって具現化される外気へと開放する吸気口が設けられることが好ましい。好ましくは、吸気口は、絞り部と交わるように位置されることが好ましい。この領域では、ベンチュリ効果が感じられ、したがって、流体の加速により圧力の減少が最大になる。したがって、空気管路が例えば管路部73と交差するように位置されてもよい。吸気口の位置は、変化してもよく、また、希釈剤管路70又は液体管路69に通じるように位置されてもよい。したがって、好ましくは、吸気口は、絞り部を通じて加速する希釈剤の作用によって空気が吸引されるように位置される。
【0058】
可能な形態(図示せず)においては、吸気口に対してエアポンプを接続することができる。エアポンプは、空気を希釈剤流と混合させることができる正圧を吸気口内に形成するために使用できる。通常、希釈剤管路の絞り部は、混合物中に泡を形成するために満足な量の空気を引き出すのに十分であるが、エアポンプは、特に、装置内で流れが形成し始めることにより十分な空気を引き出すことができない場合に、高温で役に立つのが分かり得る。また、エアポンプは、混合物のチャンバを空にするため及び/又は衛生目的で混合チャバを乾燥させるために分配サイクルの最後で混合チャンバ内に空気を送るために使用されてもよい。また、混合チャンバを適切に空にすることができるように、吸気口は、分配サイクルの最後で大気圧に対して接続されなければならない。そのような大気圧バランスは、送気システム内のより高い点に配置されたアクティブバルブによって得ることができる。
【0059】
混合チャンバ80は、合流点からの出口において、管路部73の断面積の少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍又は20倍程度の幅を有している。単純な管路に対しては、混合を促進させ且つ装置の動作が停止しているときにベンチュリシステム内へ流体が吸い戻されないように、幅広いチャンバが好ましい。これは、装置内の良好な衛生の維持が損なわれる可能性があるからである。しかしながら、基本的には、チャンバを、断面が更に小さい管路に取って代えることができる。
【0060】
また、チャンバは、混合物を減速させることができ、したがって、混合物が供給される際に混合物が急に吐き出されて跳ね飛ぶ可能性を回避する。そのため、チャンバは、曲がった形状を有していることが好ましく、或いは、混合物の経路を長くし且つ混合物の速度を減少させるためにS字形状を有していることが更に好ましい。
【0061】
チャンバは、主に、混合物を供給するための供給管路85に対して接続される。各飲み物供給サイクルの後にチャンバをその曲げ形状に起因して完全に空にするために、サイフォン通路81が設けられてもよい。
【0062】
管路は、管路内の混合物の運動エネルギを弱めるための部材86、87、88を備えていることが好ましい。これらの部材は、例えば、管路に対して垂直に延び且つ混合物の流れを横切ってこの混合物を曲がりくねった経路に従わせる幾つかの壁であってもよい。また、これらの部材は、混合物が放出される前に混合物を均質化させる機能を有していてもよい。無論、飲み物の流れを中断するための他の形態も可能である。
【0063】
また、本発明に係る計測・混合装置は、ベースステーションとドッキングすることができるガイド手段であって、特に希釈剤カップリングとポンプ駆動手段とのアライメントを容易にするガイド手段を備えていることが好ましい。これらのガイド手段は、例えば、例えば部品3A、3Bに対して垂直に装置を貫く表面の一部33、34、35、36であってもよい。表面は、例えば、部分的に或いは完全に円筒状部であってもよい。また、ガイド手段は、パッケージの重量を支える機能を果たすとともに、強固で安定したドッキングを確保する。これらの手段は、無論、他の様々な形状を採用してもよい。
【0064】
部品3A、3Bは、溶接や接着などの任意の適当な手段によって組み立てられる。好ましい実施形態においては、2つの部品がレーザ溶接される。レーザ溶接は、コンピュータ制御されてもよく、また、振動溶接とは異なり何ら動かすことなく部品同士を溶接するという利点を有しており、これにより寸法公差及び溶接精度とのコンプライアンスが向上する。レーザ溶接において、一方の部品は、レーザエネルギを吸収できる材料で形成されてもよく、他方の部品は、レーザエネルギを透過するプラスチックにより形成される。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、振動溶接などの他の溶接技術も可能である。
【0065】
特に装置の管路及びチャンバを部分的に或いは完全に境界付ける溶接部などの接続ジョイント79を設けることが好ましい。ジョイントは完全にシールされていることが好ましい。しかしながら、装置内への空気の流入を制御するために、溶接されない領域を有するジョイントが設けられてもよい。
【0066】
図9及び図10は、液体ポンプの回転部材65、66の詳細な描写を示している。有利な構造において、ギア部材はそれぞれ補完的な形状の歯652、660を有しており、その断面は、各歯の基部に狭い断面の領域661を有し且つ端部に向かって丸みを帯びた形状を有している。そのような丸みを帯びた歯形状により、圧縮を受けず且つ各回転毎に一定の体積の液体を運ぶ閉じられた容量計測領域662を形成することができる。この構造は、計測された液体に対して圧縮作用を減少させるという効果を与え、また、これにより、ポンプ効率が向上するとともに、ポンプに対する負荷が減少する。更に好ましくは、各歯の最外部662は、各歯の側面663の半径よりも大きい半径をもって平坦化されている。特に、最端部664の平坦化により、歯をポンプチャンバの表面に近づけることができ、したがって、クリアランスを減らしてシールを高めることができる。
【0067】
装置は、それぞれが希釈剤管路を合流させる液体管路を備える幾つかの液体ポンプを備えていてもよい。この場合、各ポンプによって決定される流量比率をもって異なる液体を混合させることができるという利点が得られる。ポンプは、同じ平面内で或いは平行な平面内で組織化されてもよい。容器は、異なる液体を収容する幾つかのチャンバを備えていてもよく、その場合、各チャンバはその対応するポンプに連通する。したがって、飲み物の調理は、安定性、賞味期限又は好ましくは一方では濃縮物のベース及び他方では風味の理由から、切り離された状態に維持され、したがって、再構成のために異なるポンプによって計測されなければならない2つの構成要素を備えていてもよい。また、各液体管路毎に別個の希釈剤管路を設けることもできる。
【0068】
なお、装置は、様々な粘度にわたって液体を計測することができる。しかしながら、液体が非常に流動的である場合には、液体が漏れる危険を防止するため、液体計測管路69及び入口32に対してバルブを加える必要がある可能性がある。バルブは、ポンプにより及ぼされる液体の推進力により開放し且つポンプがOFFに切り換えられるときには任意の液体が装置を通じて漏れることを防止するために閉じられてシールされたままとなるように構成されている。
【0069】
また、容器は、特に折り畳み可能に形成されていない場合には、通気手段によって外部環境と平衡な圧力に戻される必要がある可能性がある点に留意すべきである。容器が通気されない場合、容器は、その内側の圧力減少に起因して潰れてもよく、また、壊れることができる。通気手段は、ダックビルバルブなどのバルブであってもよい。容器を通気する他の方法は、ポンプを計測方向と反対の方向に数回転駆動させることであってもよい。
【0070】
図1〜2、11、12を参照すると、本発明に係るシステムは、パッケージ2に相対するものとして、機械部分を形成するベースステーション5も備えている。ベースステーションは、その少なくとも一部がカバー55によって保護された一般的に内部にある技術領域50と、ユーザが直接にアクセス可能なインタフェース領域51とを備えている。また、インタフェース領域は、飲み物の供給を制御するための制御手段53も与える。制御手段は、電子制御パネル(図1及び図2)又はレバー(図11)の形態を成していてもよい。
【0071】
インタフェース領域51は、少なくとも1つのドッキングステーション52によって少なくとも1つのパッケージ2のドッキングを行なうことができるように構成されている。幾つかのドッキングステーションが設けられて列を成して配列されることにより、各ドッキングステーションが異なる或いは同じ食品液体を収容するパッケージを受け入れ、それにより、飲み物の様々な選択を行なうことができるようになっていてもよく、或いは、システムの給仕容量を高めてもよい。図12に詳細に示されるように、ドッキングステーションは、希釈剤カップリング手段520と、計測ポンプに対してドライブを結合するための手段521とを備えている。手段520は、逆止弁が取り付けられたチューブの一部であってもよく、このチューブの直径は、計測・混合装置の希釈剤吸入口71と係合するために希釈剤吸入口71の直径を補完する。組み立ては、1つ以上のシールを使用して行なわれてもよい。カップリング手段521は、例えば、断面が小さく且つ計測・混合装置に属するカップリング手段651の内面を補完する表面を有する頭部で終端するシャフトの一部であってもよい。頭部は、多角形の先の尖った形状を有していてもよい。断面は、例えばポンプの回転駆動の信頼性及び係合速度の両方を与える星形であってもよい。また、ドッキングステーションは、計測・混合装置のガイド手段33、34を補完するガイド手段522、523を備えていてもよい。これらの手段522、523は、ガイド手段の表面をスライド式に受け入れるために単純なバー又はフィンガであってもよい。本発明の範囲から逸脱することなくガイド手段522、523、33、34の形状が多数の形態を採用してもよいことは言うまでもない。したがって、ドッキングステーションのガイド手段522、523が中空形状であってもよく、また、ガイド手段33、34が凸状であってもよい。
【0072】
図11に示されるように、ベースステーションは、計測・混合装置3に希釈剤を供給し且つ液体ポンプを駆動するための必須の構成要素を備える技術領域50を有している。そのため、ベースステーションは、ウォータポンプシステム91に接続された飲用水のリザーバ90などの希釈剤供給源を備えている。この場合、水は、水温度制御システム92の所までパイプ(図示せず)に沿って送られる。そのようなシステムは、水を計測・混合装置内に導入する前に所望の温度まで上げることができ或いは下げることができる加熱システム及び/又は冷却システムであってもよい。また、ベースステーションは、コントローラ94によって制御される電動機93を有している。電動機93は、ドッキングパネル58を貫通する駆動シャフト524を備えている。
【0073】
好ましくは、本発明に係るシステムは、それぞれが特定の飲み物分配プログラムを選択する複数のボタンの選択によって、インタフェース領域に描かれた制御パネル53を介して要求により液体の計測を変えることができる可能性を与える。特に、液体:希釈剤の希釈率は、ポンプの駆動速度を変えることにより変化させることができる。速度が遅い場合、希釈剤流量に関しては希釈剤ポンプシステム91により一定に維持され、そのため、液体:希釈剤比率が減少され、その結果、より薄い飲み物が供給される。逆に、液体ポンプ速度が高い場合には、飲み物の濃度を増大させることができる。他の制御可能なパラメータは、希釈剤ポンプシステムの作動時間及び液体ポンプの駆動時間を制御することによる飲み物の体積であってもよい。したがって、コントローラ94は、制御パネル53上の各ボタンによって行なわれる選択に対応する必要な飲み物プログラムの全てを含んでいる。
【0074】
計測・混合装置又は容器は、ベースステーション5に関連付けられたリーダーによって読み取ることができるコードを備えていてもよい。コードは、製品の識別情報及び/又は性質を参照し及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の作動に関与するパラメータを参照する情報を含んでいる。コードは、例えば、液体ポンプ及び/又はベースステーション内に収容された希釈剤ポンプの流量を管理して液体:希釈剤比率を制御するために使用されてもよい。また、コードは、泡立つ飲み物又は泡立たない飲み物を得るために吸気口の開放又は閉塞を制御してもよい。
【0075】
図13に示されるように、吸気口又はチャンネル74は、希釈剤管路70と交差するように配置することができる。したがって、チャンネル74は、液体流と希釈剤流との交差部の前に配置される。液体管路と希釈剤管路との交差部の後に配置される空気チャンネルに伴う問題点は、バクテリア成長を引き起こす場合がある希釈液によって空気チャンネルが汚染される可能性があるという点である。この問題は、主に、液体表面張力や相変化などの幾何学的要因及び物理的要因によって引き起こされる。洗浄液が空気チャンネルへ流入することを防止する空気チャンネルから混合チャンバへの吸引作用を絞り部が引き起こすため、洗浄液(すなわち、熱水)を用いたフラッシングサイクル中にこの空気チャンネルを適切に洗浄することができる。したがって、この新たな配置は、食品液体が空気チャンネル内に流入できないようにする。この実施例において、希釈剤管路70及び液体計測管路69は、互いに交差部に直接に位置されていないが、混合チャンバ80と合流する。それにもかかわらず、希釈剤管路70は、その流れが液体出口の方向で或いは僅かに下側で液体流へと向けられるように位置される。また、吸気口74は絞り部72の領域に設けられる。希釈剤速度は、その領域で流れが液体流と合流する前に空気が希釈剤流内に吸引されるように設定されている。そのような配置は、誤って吸気口内に入る希釈製品で吸気口が汚染される危険を減らす。
【0076】
図14に示された実施形態において、装置は、計測された液体のための逆止弁を備えている。実際には、特に低粘度の液体に関して全体的な気密を保証することは実質的に不可能であるため、ポンプの下流側の液体計測管路内にバルブ690が加えられる。交差領域72及び混合チャンバ内で微量の水を除去することができないため、液体がポンプからこれらの領域へ滴る場合には、希釈剤が液体を汚染する可能性があり、したがって、数時間にわたる動作停止の後、バクテリア成長のための潜在的に有利な下地が引き起こされる。バルブは、装置の動作停止中に液体が滴ることを止めることによりこの問題を防止する。バルブは、任意の種類の逆止弁であってもよい。図14において、バルブは、2つの金属プレート692、693などの2つの硬質プライにより液体管路69内に垂直に維持されたエラストマー又はシリコンスリットバルブ部材又は層691を備えている。バルブ690は、2つの半シェル3A、3Bを貫通して設けられたスロットを通じて挿入することができる。スリットバルブ部材は、ポンプがポンプチャンバ60内で駆動される(ポンプ部材は図示せず)結果としてバルブの上流で流体圧が増大したときにスリットが下方に開口するように構成されている。ポンプが停止されると直ぐに、バルブは、出口を閉塞できる十分な弾力性を有する。
【0077】
また、本発明は、食品以外の製品の調理分野にも広げられる。例えば、本発明は、粉末洗剤、石鹸、洗浄剤又は他の同様の製品など、希釈できる液体の形態を成す製品を分配する分野で使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】ベースステーションから離れた位置にある本発明に係るマルチポーションパッケージを備える本発明に係る調理システムの全体斜視図を示している。
【図2】マルチポーションパッケージがベースステーションに対してドッキングされた位置にある図1のシステムの全体斜視図を示している。
【図3】本発明に係る計測・混合装置の前側半シェルの図を示している。
【図4】発明に係る計測・混合装置の後側半シェルの図を示している。
【図5】図3及び図4の装置を上側から見た図を示している。
【図6】ギア部材が無い図3〜図5の装置の前側半シェルの内部の図を示している。
【図7】図3〜図5の後側半シェルの内部の図を示している。
【図8】図3〜図7の装置のポンプの一部断面を有する詳細図を示している。
【図9】液体計測ポンプの回転部材の部分斜視図を示している。
【図10】所定のギア構造を成す回転部材の概略正面図を示している。
【図11】ベースステーションの内側の概略図を示している。
【図12】ベースステーションカップリング手段の詳細図を示している。
【図13】異なる流体配置における本発明の装置の概略図を示している。
【図14】本発明の装置の一実施形態、特に、液体の滴りを防止するためにポンプ出口に位置された逆止弁の詳細な断面図を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース液体を計測してこのベース液体を希釈剤と混合することにより食品を調理し、液体を収容する容器(4)に対して接続できる装置(3)であって、
− 液体計測管路(69)と、
− 希釈剤管路(70)を有する希釈剤入口(71)と、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバ(80)と、
を備え、
混合チャンバ(80)の前で或いは混合チャンバ(80)において希釈剤流が液体流と交わるように希釈剤管路(70)が液体計測管路(69)に対して相対的に位置される装置(3)において、
液体計測管路内の液体を計測するために装置の一部である液体ポンプ(6)が設けられるとともに、希釈剤入口(71)における希釈剤の速度に対して前記希釈剤と液体とが合流する領域での希釈剤流の速度を加速させるための手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
希釈剤の速度を加速させるための手段が、前記流れが合流する前の希釈剤管路に及び/又は液体流と希釈剤流とが合流する場所に位置された少なくとも1つの絞り部(72)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
絞り部が0.2〜5mmの直径を有していることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
希釈剤管路(70)が、絞り部(72)及び混合チャンバ(80)への入口と共にアライメントを形成する少なくとも1つの端子部を備え、液体の通過のための計測管路(69)が、前記アライメントに対して垂直な方向で延びていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
空気を運んで混合させ且つ調理を泡立たせるために混合チャンバ(80)の前に或いは混合チャンバ(80)内に吸気口(74)を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
絞り部(72)に連通する吸気口(74)を備えていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
吸気口(74)が、希釈剤流が液体流と交わる前に希釈剤流中に空気が吸引されるように希釈剤管路(70)及び液体計測管路(69)に対して相対的に位置されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
希釈剤カップリング手段(71)及びポンプを駆動させるための手段(78、651)が設けられるとともに、これらの手段が、希釈剤供給源(520)及び液体ポンプを駆動するための手段(521)を設けることができるベースステーション(5)に対して計測・混合装置(3)を取り外し可能に接続するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
ポンプ(6)が、ギアの噛み合いにおいて協働する一連の回転部材(65、66)が収容されるチャンバ(60)を備えていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
第1の回転部材(65)が、ベースステーション(5)に属する駆動手段(93)に関連付けられる補完的カップリング手段(521)に対して接続されるようになっているカップリング手段(651)により延在されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
混合チャンバ(80)の直ぐ下流側の希釈されて混合された食品液体の流れをレセプタクル内へ供給するためのそれ自体の管路(85)を備えていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
ポンプ(6)及び混合チャンバ(80)を通過する分割ライン(79)に沿って組み付けられる2つの半シェル(3A、3B)を備えていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
カップリング手段(71、78、651)が、補完的カップリング手段(520、521、524)を備えるベースステーション(5)自体のドッキングパネル(58)に手で差し込むことにより結合を行なうことができるように計測装置(3)と同じ側に位置していることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
カップリング手段が、ベースステーション(5)のドッキングパネル(58)上の補完的案内手段(522、523)との計測装置の差し込みを促す方向で並進案内のための手段(33、34)も備えていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ベースステーションに関連付けられるリーダーによって読み取ることができるコードを備え、このコードが、製品の識別情報及び/又は性質を参照し及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の作動に関与するパラメータを参照する情報を含んでいることを特徴とする、請求項8〜10、13又は14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
全体が使い捨て可能な、又はリサイクル可能なパッケージを形成する容器(4)への取り付けを可能にする接続手段(31)を備えていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
先行する請求項のいずれか一項に記載の計測・混合装置(3)がドッキングされるようになっているベースステーション(5)において、
a)− 希釈剤供給手段(90、91、92)と、
− 液体ポンプ駆動手段(93、524)と、
を備える技術領域(50)と、
b)− 計測・混合装置に属するカップリング手段(71、651、33、34)を補完し、計測・混合装置を所定の位置で受けるように構成されるとともに、希釈剤カップリング手段(71)とポンプを結合するための手段(651)とを備えるカップリング手段(520、521、522、523)と、
− 希釈剤の供給を制御するとともに、液体ポンプ(6)を駆動させるための制御手段(53)と、
を備えるユーザのためのインタフェース領域(51)と、
を備えることを特徴とするベースステーション(5)。
【請求項18】
希釈剤供給手段が、ウォータポンプ(91)及び水加熱システム(92)に対して接続された水供給管路を備えていることを特徴とする、請求項17に記載のステーション。
【請求項19】
ポンプ駆動手段が、液体ポンプのカップリング手段(651)と連結するために補完的カップリング手段(521)に対して接続される駆動シャフト(524)及び電動機(93)を備えていることを特徴とする、請求項17又は18に記載のステーション。
【請求項20】
インタフェース領域(50)が、計測・混合装置(3)がドッキングできるように装置のガイド手段(33、34)を補完するガイド手段(522、523)を備えていることを特徴とする、請求項18又は19に記載のステーション。
【請求項21】
補完的ガイド手段(522、523)が、ドッキング中に並進方向で装置を案内するように構成されていることを特徴とする、請求項20に記載のステーション。
【請求項22】
制御手段(53)に関連付けられるとともに、液体ポンプ駆動手段の動作及び希釈剤供給手段の動作を制御して調整するようにプログラムされたコントローラを更に備えていることを特徴とする、請求項17〜21のいずれか一項に記載のステーション。
【請求項23】
コントローラが、計測・混合装置に関連するコードを読み取ることができるリーダーに関連付けられ、前記コードが、製品の識別情報及び/又は性質を参照し及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の作動に関与するパラメータを参照する情報を含んでいることを特徴とする、請求項22に記載のステーション。
【請求項24】
液体を計測してこの液体を希釈剤と混合することにより食品を調理するためのパッケージ(2)であって、
液体の貯留部を形成するためのマルチドーズ容器(4)と、
計測・混合装置(3)と、
を備え、
計測・混合装置(3)が、
− 希釈剤入口と、
− 液体の量を計測するための液体ポンプ(6)と、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバ(80)と、
− 希釈剤供給源及び液体ポンプを駆動するための手段(93、524)を設けることができるベースステーション(5)に対して計測・混合装置を接続するように構成された希釈剤カップリング手段(71)及びポンプを駆動させるための手段(650、651)と、
を備えているパッケージ(2)において、
計測・混合装置(3)が、容器(4)に接続されるキャップを形成することを特徴とするパッケージ(2)。
【請求項25】
キャップが、分割ライン(79)に沿って互いに組み付けられ且つ少なくともポンプ(60)のチャンバ及び混合チャンバ(80)の外形を画成するように構成された2つの半シェル(3A、3B)を備えることを特徴とする、請求項24に記載のパッケージ。
【請求項26】
2つの半シェル(3A、3B)が、それらの分割ライン(79)に沿うそれらの組み付けにより、希釈されて混合された食品液体の流れをレセプタクル内へ直接に供給するための計測装置の管路(85)を画成し、前記管路(85)が混合チャンバ(80)を延在させていることを特徴とする、請求項25に記載のパッケージ。
【請求項27】
2つの半シェル(3A、3B)が、分割ライン(79)に沿って、液体計測管路(69)及び少なくとも部分的に希釈剤管路(70)を画成することを特徴とする、請求項25又は26に記載のパッケージ。
【請求項28】
液体計測管路(69)が、混合チャンバ(80)の前で或いは混合チャンバ(80)内で希釈剤流が液体流と交わるように液体計測管路(69)に対して相対的に位置されていることを特徴とする、請求項26又は27に記載のパッケージ。
【請求項29】
計測・混合装置(3)が、流れが合流する点に希釈剤が達する速度を増大させるための手段を備え、この手段が、混合チャンバ(80)の上流側に位置される希釈剤吸入口(71)と連通する絞り部(72)の形態を成し、それにより、希釈剤の流れが絞り部(72)を通じて加速されるようになっていることを特徴とする、請求項27に記載のパッケージ。
【請求項30】
計測・混合装置(3)が、空気を運んで混合させ且つ調理を泡立たせるために混合チャンバ(80)の前に或いは混合チャンバ(80)内に吸気口(74)を備えていることを特徴とする、請求項24〜29のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項31】
液体が、熱い又は冷たい、泡立つ或いは泡立たない飲み物を再構成するようになっている食品濃縮物であることを特徴とする、請求項24〜30のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項1】
ベース液体を計測してこのベース液体を希釈剤と混合することにより食品を調理し、液体を収容する容器(4)に対して接続できる装置(3)であって、
− 液体計測管路(69)と、
− 希釈剤管路(70)を有する希釈剤入口(71)と、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバ(80)と、
を備え、
混合チャンバ(80)の前で或いは混合チャンバ(80)において希釈剤流が液体流と交わるように希釈剤管路(70)が液体計測管路(69)に対して相対的に位置される装置(3)において、
液体計測管路内の液体を計測するために装置の一部である液体ポンプ(6)が設けられるとともに、希釈剤入口(71)における希釈剤の速度に対して前記希釈剤と液体とが合流する領域での希釈剤流の速度を加速させるための手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
希釈剤の速度を加速させるための手段が、前記流れが合流する前の希釈剤管路に及び/又は液体流と希釈剤流とが合流する場所に位置された少なくとも1つの絞り部(72)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
絞り部が0.2〜5mmの直径を有していることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
希釈剤管路(70)が、絞り部(72)及び混合チャンバ(80)への入口と共にアライメントを形成する少なくとも1つの端子部を備え、液体の通過のための計測管路(69)が、前記アライメントに対して垂直な方向で延びていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
空気を運んで混合させ且つ調理を泡立たせるために混合チャンバ(80)の前に或いは混合チャンバ(80)内に吸気口(74)を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
絞り部(72)に連通する吸気口(74)を備えていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
吸気口(74)が、希釈剤流が液体流と交わる前に希釈剤流中に空気が吸引されるように希釈剤管路(70)及び液体計測管路(69)に対して相対的に位置されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
希釈剤カップリング手段(71)及びポンプを駆動させるための手段(78、651)が設けられるとともに、これらの手段が、希釈剤供給源(520)及び液体ポンプを駆動するための手段(521)を設けることができるベースステーション(5)に対して計測・混合装置(3)を取り外し可能に接続するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
ポンプ(6)が、ギアの噛み合いにおいて協働する一連の回転部材(65、66)が収容されるチャンバ(60)を備えていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
第1の回転部材(65)が、ベースステーション(5)に属する駆動手段(93)に関連付けられる補完的カップリング手段(521)に対して接続されるようになっているカップリング手段(651)により延在されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
混合チャンバ(80)の直ぐ下流側の希釈されて混合された食品液体の流れをレセプタクル内へ供給するためのそれ自体の管路(85)を備えていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
ポンプ(6)及び混合チャンバ(80)を通過する分割ライン(79)に沿って組み付けられる2つの半シェル(3A、3B)を備えていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
カップリング手段(71、78、651)が、補完的カップリング手段(520、521、524)を備えるベースステーション(5)自体のドッキングパネル(58)に手で差し込むことにより結合を行なうことができるように計測装置(3)と同じ側に位置していることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
カップリング手段が、ベースステーション(5)のドッキングパネル(58)上の補完的案内手段(522、523)との計測装置の差し込みを促す方向で並進案内のための手段(33、34)も備えていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ベースステーションに関連付けられるリーダーによって読み取ることができるコードを備え、このコードが、製品の識別情報及び/又は性質を参照し及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の作動に関与するパラメータを参照する情報を含んでいることを特徴とする、請求項8〜10、13又は14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
全体が使い捨て可能な、又はリサイクル可能なパッケージを形成する容器(4)への取り付けを可能にする接続手段(31)を備えていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
先行する請求項のいずれか一項に記載の計測・混合装置(3)がドッキングされるようになっているベースステーション(5)において、
a)− 希釈剤供給手段(90、91、92)と、
− 液体ポンプ駆動手段(93、524)と、
を備える技術領域(50)と、
b)− 計測・混合装置に属するカップリング手段(71、651、33、34)を補完し、計測・混合装置を所定の位置で受けるように構成されるとともに、希釈剤カップリング手段(71)とポンプを結合するための手段(651)とを備えるカップリング手段(520、521、522、523)と、
− 希釈剤の供給を制御するとともに、液体ポンプ(6)を駆動させるための制御手段(53)と、
を備えるユーザのためのインタフェース領域(51)と、
を備えることを特徴とするベースステーション(5)。
【請求項18】
希釈剤供給手段が、ウォータポンプ(91)及び水加熱システム(92)に対して接続された水供給管路を備えていることを特徴とする、請求項17に記載のステーション。
【請求項19】
ポンプ駆動手段が、液体ポンプのカップリング手段(651)と連結するために補完的カップリング手段(521)に対して接続される駆動シャフト(524)及び電動機(93)を備えていることを特徴とする、請求項17又は18に記載のステーション。
【請求項20】
インタフェース領域(50)が、計測・混合装置(3)がドッキングできるように装置のガイド手段(33、34)を補完するガイド手段(522、523)を備えていることを特徴とする、請求項18又は19に記載のステーション。
【請求項21】
補完的ガイド手段(522、523)が、ドッキング中に並進方向で装置を案内するように構成されていることを特徴とする、請求項20に記載のステーション。
【請求項22】
制御手段(53)に関連付けられるとともに、液体ポンプ駆動手段の動作及び希釈剤供給手段の動作を制御して調整するようにプログラムされたコントローラを更に備えていることを特徴とする、請求項17〜21のいずれか一項に記載のステーション。
【請求項23】
コントローラが、計測・混合装置に関連するコードを読み取ることができるリーダーに関連付けられ、前記コードが、製品の識別情報及び/又は性質を参照し及び/又は希釈剤供給源及び/又は液体ポンプ駆動手段の作動に関与するパラメータを参照する情報を含んでいることを特徴とする、請求項22に記載のステーション。
【請求項24】
液体を計測してこの液体を希釈剤と混合することにより食品を調理するためのパッケージ(2)であって、
液体の貯留部を形成するためのマルチドーズ容器(4)と、
計測・混合装置(3)と、
を備え、
計測・混合装置(3)が、
− 希釈剤入口と、
− 液体の量を計測するための液体ポンプ(6)と、
− 液体と希釈剤とを混合するための混合チャンバ(80)と、
− 希釈剤供給源及び液体ポンプを駆動するための手段(93、524)を設けることができるベースステーション(5)に対して計測・混合装置を接続するように構成された希釈剤カップリング手段(71)及びポンプを駆動させるための手段(650、651)と、
を備えているパッケージ(2)において、
計測・混合装置(3)が、容器(4)に接続されるキャップを形成することを特徴とするパッケージ(2)。
【請求項25】
キャップが、分割ライン(79)に沿って互いに組み付けられ且つ少なくともポンプ(60)のチャンバ及び混合チャンバ(80)の外形を画成するように構成された2つの半シェル(3A、3B)を備えることを特徴とする、請求項24に記載のパッケージ。
【請求項26】
2つの半シェル(3A、3B)が、それらの分割ライン(79)に沿うそれらの組み付けにより、希釈されて混合された食品液体の流れをレセプタクル内へ直接に供給するための計測装置の管路(85)を画成し、前記管路(85)が混合チャンバ(80)を延在させていることを特徴とする、請求項25に記載のパッケージ。
【請求項27】
2つの半シェル(3A、3B)が、分割ライン(79)に沿って、液体計測管路(69)及び少なくとも部分的に希釈剤管路(70)を画成することを特徴とする、請求項25又は26に記載のパッケージ。
【請求項28】
液体計測管路(69)が、混合チャンバ(80)の前で或いは混合チャンバ(80)内で希釈剤流が液体流と交わるように液体計測管路(69)に対して相対的に位置されていることを特徴とする、請求項26又は27に記載のパッケージ。
【請求項29】
計測・混合装置(3)が、流れが合流する点に希釈剤が達する速度を増大させるための手段を備え、この手段が、混合チャンバ(80)の上流側に位置される希釈剤吸入口(71)と連通する絞り部(72)の形態を成し、それにより、希釈剤の流れが絞り部(72)を通じて加速されるようになっていることを特徴とする、請求項27に記載のパッケージ。
【請求項30】
計測・混合装置(3)が、空気を運んで混合させ且つ調理を泡立たせるために混合チャンバ(80)の前に或いは混合チャンバ(80)内に吸気口(74)を備えていることを特徴とする、請求項24〜29のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項31】
液体が、熱い又は冷たい、泡立つ或いは泡立たない飲み物を再構成するようになっている食品濃縮物であることを特徴とする、請求項24〜30のいずれか一項に記載のパッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−505031(P2008−505031A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519640(P2007−519640)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006305
【国際公開番号】WO2006/005401
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006305
【国際公開番号】WO2006/005401
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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