説明

食物をクリーニングするためのデバイス及び方法

本発明は食物をクリーニングするためのデバイス及び方法を供する。本発明の一実施形態に係るデバイスは、アルカリ水を供するための供与ユニット(12)と;アルカリミストを発生させ、前記食物の表面に前記アルカリミストを適用するよう、前記アルカリ水を加湿するための、前記供与ユニットと接続された加湿ユニット(14)とを含み、前記食物の表面上の残留物は、前記アルカリミストによって加水分解される。クリーニングの工程は、人間にとって、安全で非毒性である;それは、水を節約し、食物の栄養素、外観及び風味を破壊しない。本発明の好ましい実施形態に係るデバイスは更に、所定の温度にアルカリ水を加熱するためのヒータ(16)を含み、デバイスは、加熱されたアルカリミストを、残留物を除去するために使用し、それ故、残留物の加水分解は、加速される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所用器具に関し、具体的には、食物をクリーニングするための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットマーケット及びスーパーマーケットで購入された野菜や果物は、しばしば、プランテーションの間に適用された、短期間及び長期間での健康問題へとつながり得る、農薬の微量残留物(trace residues)を含む。ハンドウォッシング又は水中での食物の浸漬といった、一般的なクリーニング方法は、ほとんどの残留物を除去できない。野菜をゴシゴシ洗うことは、残留物のいくらかを除去し得るが、力強くゴシゴシ洗うことは、野菜を損傷するであろう。
【0003】
野菜及び/又は果物から残留物を除去するための、現在の解決法では、水中に溶解されたオゾンを使用する。しかしながら、オゾンガスは、人間にとって有毒であり、そのことは、溶解したオゾンを有する水の漏れに源を発し、人間が吸入する。オゾンが溶解した水の現在の生産物は、推奨された安全なレベルよりも、ずっと高いレベルでオゾンを放出し、したがって、人間の健康に非常に危害を加える。台所での残渣物除去を対処するために、危険な化学物質を添加する必要がなく、これらの化学物質を環境へと放出しない、清潔で、安全な技術を使用することが必要である。
【0004】
たいていの農薬は、比較的遅い速度で、水中で加水分解され得る。アルカリ水は、加水分解を加速させる。そして、アルカリ水は、人間にとって有毒でなく、環境にも優しい。したがって、野菜及び/又は果物から農薬残留物を除去するために、アルカリ水を使用することは、安全である。加えて、ただし、アルカリ水を使用することは、水を消費する(water−consuming)。さらに、比較的より高い温度でのアルカリ水はまた、加水分解を加速させる。しかしながら、過度に高い温度は、食物の栄養素を破壊するだけでなく、それらを加熱し、植物組織にダメージを与えることによって、食物の外観及び風味に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0005】
食物から残留物を除去するための、安全で環境に優しいデバイス及び方法を有することが、利点であろう。このデバイス及び方法は、節水であるべきであり、食物にダメージを与えるべきでない。好ましくは、このデバイス及び方法は、クリーニングが速くあるべきである。
【0006】
これらの懸案事項の1つ以上を対処するために、本発明の様態の実施様態において、アルカリ水を供するための、供与ユニット;アルカリミストを発生させるよう前記アルカリ水を加湿し、前記アルカリミストを前記食物の表面へと適用するための、前記供与ユニットと接続された加湿ユニット;を含み、前記食物の表面上の残留物が、前記アルカリミストによって加水分解される、食物をクリーニングするためのデバイスが供される。
【0007】
本発明のこの実施形態によると、アルカリミストは、農薬といった、食物の表面上の加水分解可能な残留物をクリーニングするために使用される。それは、安全で、環境に野菜ク、節水である。
【0008】
好ましくは、デバイスによって使用される前記アルカリ水のpH値は、9より大きい。デバイスはインレットを含み、前記インレットを通じて直接注がれたアルカリ水を使用する;また、アルカリ水を発生させるために、前記インレットを通じて注がれた水道水を電解するための、電解ユニットを更に含む。
【0009】
好ましくは、デバイスは、前記食物をクリーニングするための時間設定により前記アルカリ水のpH値を制御するための、pH値制御装置を含み得る。デバイスはまた、前記アルカリ水のpH値により前記食物をクリーニングするための時間を制御する、時間制御装置を含み得る。クリーニング時間が短くなればなるほど、アルカリ水のpH値が高くなり;クリーニング時間が長くなればなるほど、アルカリ水のpH値が低くなる。この方法で、デバイス内のアルカリミストのクリーニング効果を保証するだけでなく、アルカリ性物質が食物にダメージを与えることを防ぐ。
【0010】
好ましい実施形態において、デバイスは、所定の温度に加熱されたアルカリ水を発生させるために、供与ユニットと協働する、ヒータを更に含む。したがって、加湿ユニットは、野菜及び果物をクリーニングするための、加熱されたアルカリミストを発生させる。この方法で、残留物の加湿プロセスが加速され、クリーニングのための時間が短縮される。さらには、加熱されたミストは、食物にダメージを与えないであろう。
【0011】
本発明の様態の実施形態において、アルカリ水を供する段階;アルカリミストを発生させるために、前記アルカリ水を加湿する段階;前記アルカリミストを前記食物の表面に適用する段階を含み、前記食物の表面上の残留物が、前記アルカリミストによって加水分解される、食物をクリーニングするための方法が供される。
【0012】
本発明のこれら及び他の特徴は、実施形態のパートで詳細に記載されるであろう。
【0013】
本発明の特徴、様態及び利点は、添付の図面の助けで、非制限的な実施形態の下記の記載を読むことによって明らかになるであろう。図面において、同じ及び同様の参照番号は、同じ又は同様のステップ又は手段を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る、食物から残留物を除去するためのデバイスの構造を概略的に示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る、食物から残留物を除去するための方法のフローチャートを示す。
【図3】図3は電解ユニットの構造を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態は、図1から図3までを参照して、明らかにされるであろう。
【0016】
図1に示される、食物をクリーニングするためのデバイスは、防水のキャビティ(cavity)20、回転バスケット(rotating basket)10、アルカリ水を供するための供与ユニット12、及び超音波加湿ユニット14を含む。回転バスケット10は、キャビティ20の中央で取り付けられ、表面上に農薬といった残留物を有する食物を備え、キャビティ20の底部で、食物を、高温を有するアルカリ水から区分けする。超音波加湿ユニット14は、キャビティ20の底部に取り付けられる。供与ユニット12は、キャビティ20の外から取り付けられ、インレット120と、インレット120に接続された電解ユニット121と、を含む。電解ユニット121は、アルカリ水をキャビティ20の底部へと注ぐために、チューブT1を通じてキャビティ20と接続され、電解ユニット121は、超音波加湿ユニット14と接続される。モータ18は、キャビティ20の外側上に取り付けられ、シャフトSを有する回転バスケット10と接続される。キャビティ20、モータ18及び電解ユニット121は、デバイスのハウジング22の内側に取り付けられ、インレット120はハウジング22上に取り付けられる。好ましくは、デバイスは更に、キャビティ20の底部に取り付けられたヒータ16を含む。好ましくは、デバイスは更に、廃棄酸性水を貯蔵するためのタンク10を含む。タンク10は、ハウジング22の内側で、キャビティ20の外側に取り付けられ、チューブT2を通じて電解ユニット121と接続され、チューブT3を通じてキャビティ20と接続される。その上、デバイスは更に、供与ユニット12、超音波加湿器14、ヒータ16及びモータ18を制御するための、Micro Control Unit(略してMCUで、図1に示されない)を含む。
【0017】
図2を参照して、第1に、水道水Wは、インレット120を通じて電解ユニット121へと注がれる。段階S10において、電解ユニット121は、アルカリ水を発生させるために、水道水を電解する。水の電解プロセスは、当業者にとっては、周知の事実である。明細書では、図3で示される電解ユニット121の構造を参照して、電解ユニット121の作動における、簡単な説明を与えるであろう。電解ユニット121は、電源Vと、電源Vのアノード及びカソードに各々接続され、プラチナ又は他の非反応性の金属で作られる、電極A及びCと、水収納室(water container)を含む。膜Mは、アノードA及びカソードCが各々配置される水の領域(water field)を区分けする。水道水は、インレットIを通じて、アノードA及びカソードCが各々配置される、水の領域へと流れ込む。水道水が水収納室へと注がれる後、アノードA及びカソードCは、水道水へと及び、お互いの近くに配置される。電源Vは、アノードA及びカソードCを使用して、水を介して電流を流す。カソードCは、電子を供し、したがって、OHイオンがカソードCで蓄積し、アルカリ水が発生するであろう。アルカリ水中の陽イオンは、水道水中に既に存在する、Na、Ca、Mgといった金属イオンである。アノードAは電子を失い、したがって、HがアノードAに蓄積し、酸性水が発生するであろう。酸性水中の陰イオンは、Clといったイオンであり、水道水中に既に存在している。膜Mは、アルカリ水と酸性水とを区分けする。発生したアルカリ水は、収納室からアウトレットO1を通じて流れ出て、超音波加湿器ユニット14による更なる処置のために、チューブT1を通じてキャビティ20へと注がれる。発生した酸性水は、収納室からアウトレットO2を通じて流れ出て、チューブT2を通じてタンク10へと注がれ、そこで保管される。本実施形態及び特許請求の範囲で書かれた“水道水”は、都市水供給システムのポンプによって給水ポンプを介して使用者へと供給された水に制限されないということに、言及されるべきである。明細書内で定義された水道水は、また:
井戸又は湧水から引かれた水;
市場で購入した、缶、ボトル又はバケツ内のミネラルウォータ;
イオンをもたらした(addictive)精製水;
のいずれか1つを含む。
【0018】
全ての種類の水が、アルカリ水及び酸性水を発生させるために電解することができ、明細書中で定義される水道水の範囲に属し、本発明の特許請求の範囲の保護範囲に分類される。
【0019】
実験により、農薬を除去することのより良い効果が、アルカリ水のpH値が9より高いときに、達成されるということを示される。
【0020】
正確なpH値を有するアルカリ水を発生することが必要とされるとき、発生した水のpH値は、水道水の導電性に関連するので:導電性が高くなればなるほど、同じ状況したでpH値が高くなるので、デバイスは更に導電性のためのセンサ及び制御ユニットを含む。電源Vの電圧が固定される状況下で、要求を満たすアルカリ水のpH値を制御するために、導電性のためのセンサは、水道水の導電性を検出し、制御ユニットは、水道水が中に注がれるフローと、アルカリ水が流れ出るフローと、を制御する。
【0021】
別の実施形態において、供与ユニット12の電解ユニット121は、アルカリ水のためのタンク121Aによって代用される。アルカリ水は、使用者によって購入される又は混合され、インレット120を通じて、アルカリ水のためのタンク121A内へと注がれる。アルカリ水のためのタンク121Aは、アルカリ水を貯蔵し、加湿ユニット14のために、アルカリ水をチューブT1を通じてキャビティ20へと注ぐ。この実施形態において、デバイスは、チューブT1をオン/オフに切替えることによって、アルカリ水のフロー及び速度を制御する。他の別の実施形態において、供与ユニット12は、キャビティ20と接続される、インレット120だけを含む。使用者によって購入された又は混合されたアルカリ水は、インレット120を通じて直接キャビティ20へと注がれる。この実施形態において、アルカリ水のフロー及び速度は、ユーザによって制御される。供与ユニット12は、前述された実施形態に制限されず、アルカリ水を供することができる如何なる構成要素を、本発明によって使用することができ、本発明の特許請求の範囲の保護範囲に分類されるということが理解されるべきである。
【0022】
好ましい実施形態において、デバイスは、使用者がセットした前記食物をクリーニングするための時間に従って、アルカリ水のpH値を制御するためのpH値制御装置を含む:クリーニング時間が短くなればなるほど、アルカリ水のpH値が高くなる;そして、クリーニング時間が長くなればなるほど、アルカリ水のpH値は低くなる。この方法では、それは、アルカリミストの農薬クリーニング効果を保証するだけでなく、高いアルカリ度を有するアルカリ性物質が、過度の長いクリーニング時間によって食物にダメージを与えることも防ぐ。一例において、デバイスは、スローモード、ノーマルモード及びファーストモードを選ぶ、複数のモードを提供する。スローモードにおいて、デバイスは2時間作動し、電解ユニットは、9のpH値を有するアルカリ水を発生させる。ノーマルモードにおいて、デバイスは1時間作動し、電解ユニットは10.5のpH値を有するアルカリ水を発生させる。ファーストモードにおいて、デバイスは30分作動し、電解ユニットは、12のpH値を有するアルカリ水を発生させる。複数のモード及びクリーニング時間は、アルカリ水のpH値とクリーニング時間との間の関係を例示しており、本発明の特許請求の範囲を制限しないということが言及されるべきである。標準として必要なpH値を採用する前述の実施形態において、供与ユニットは、必要とされるpH値を得るために、電源の電圧が固定される状況下で、アルカリ水を発生させるために水道水を電解するための電解ユニットを含み、pH値制御装置は、要求を満たすよう、アルカリ水のpH値を制御するために、水道水が中に注がれるフローの速度と、アルカリ水が流れ出るフローの速度と、を制御する。前述の実施形態において、供与ユニットがアルカリ水を発生せず、使用者が注いだアルカリ水が供されるとき、pH値制御装置は、要求を満たすためにアルカリ水のpH値を制御するよう、そのpH値を減少させる又は増加させるために、水道水又はアルカリ性物質を、注がれたアルカリ水へと添加する。
【0023】
好ましい実施形態において、段階S12において、ヒータ16は、加熱されたアルカリ水を発生させるために、アルカリ水を所定の温度に加熱する。通常、ヒータ16は、加熱されるであろう水が、渇水位(minimum water level)に達するということを必要とする。例えば、ヒータは、乾燥加熱(dray heating)を防ぐために、水に浸水されるべきである。実用的には、1つの水位センサが、キャビティ20内に注がれたアルカリ水が、ヒータ16の安全な加熱のための水位に達しているかどうかを検出するために、キャビティ20の内側に取り付けられ得る。アルカリ水が加熱のための水位に達するとき、ヒータ16は作動開始する。アルカリ水は、好ましくは、55℃と65℃との間の温度に加熱される。
【0024】
別の実施形態において、ヒータ16は、インレット120と電解ユニット121との間に配置され、スリーブ(sleeve)の形態で、チューブに沿って取り付けられる。ヒータ16は、加熱されたアルカリ水を発生させるために、水道水が電解ユニット121によって電解される前に、所定の温度に水道水を加熱する。
【0025】
この実施形態において、電解の前の加熱は、電解後のアルカリ水の加熱によって引き起こされるアルカリ水のpH値の落ち込み(drop)を避けることができる。その上、加熱された水道水から発生したアルカリ水のpH値は、水道水の導電性が加熱によって増加することにより、増加し得る。好ましくは、正確なpH値を有するアルカリ水を発生する必要があるとき、デバイスは、加熱された水道水から発生したアルカリ水のpH値を制御するよう、発生したアルカリ水のpH値により、加熱された水道水の温度を増加させる又は減少させるよう、ヒータ16を調節するための、他の制御装置を更に含む。アルカリ水は、好ましくは、55℃と65℃との間の温度に加熱される。
【0026】
その後、段階S14において、超音波加湿ユニット14は、加熱されたアルカリ水に超音波振動を印加し、したがって、加熱されたアルカリミストを発生させる。通常、超音波加湿ユニットは、加湿される水のレベルが、水位の範囲内である、例えば、水の深さが、1cm以上(no less than)3cm以下(no more than)であるべきである、ということを必要とする。複数の水位センサを、キャビティ20内のアルカリ水の水位が、加湿のための必要とされる水位の範囲内にあるかどうかを検出するために、キャビティ20の内側に取り付けることができる。アルカリ水が、渇水位と最高水位との間にあるとき、超音波加湿ユニット14が作動する;そうでなければ、超音波加湿ユニット14がオフである。アルカリ水が最大水位を超えるとき、電解ユニット121はオフであり、チューブT1はスイッチをオフにされる。アルカリ水が渇水位を下回るとき、アルカリ水をキャビティ20へと加えるために、電解ユニット121は、作動を開始し、チューブT1は、スイッチがオンにされる。
【0027】
アルカリミストのミスト粒子の直径は、DV0.99 800μm以下であり、好ましくはDV0.99 400以下である。
【0028】
段階S14において、超音波加湿ユニット14によって印加される超音波振動の効果は、キャビティ20内の加熱されたアルカリミストを分散させ、したがって、加熱されたアルカリミストを、回転バスケット10上の小穴(eyelets)を通じて、回転バスケット10内に収納された食物の表面へと適用され、食物の表面上の残留物が、アルカリミストによって加水分解される。クリーニングの工程の間、超音波加湿ユニット14は、次の方法の1つを作動する:
−全ての時間作動している、連続的に;
−数秒、数分又は多数分の間隔で、二者択一的にオン又はオフされる、周期的に;
−1秒より小さい間隔で、二者択一的にオン又はオフされる、パルスで;
である。
【0029】
この方法において、食物の表面の温度は、短い期間で大きく増加し、食物が加熱されたアルカリミストに接触するあと、それ故、食物の表面の農薬の残留物の加水分解が加速する。一方で、食物の内側の温度は、過度に増加せず、それ故、食物の栄養素、外観及び風味は、ある程度に維持される。
【0030】
クリーニングの工程の間、アルカリミストは、大気中又は食物の表面上に塊になり、キャビティ20の底部に落ち、それ故、再びアルカリ水へと変わる。超音波加湿ユニット14は、落ちたアルカリ水を再び加湿し、この方法で、アルカリ水はリサイクルされる。
【0031】
デバイスは、超音波加湿ユニットの代替品として、圧力噴霧加湿ユニット(pressure spraying humidifying unit)を使用することもできる。圧力噴霧加湿ユニットは、食物に向かうノズルを有して、キャビティ20の頂部に取り付けることができ、チューブを通じてキャビティ20の底部に接続される。圧力噴霧加湿ユニットは、キャビティ20の底部で、チューブを通じてアルカリ水を排出し、ある圧力で、ノズルを通じてアルカリ水を吹き込み、それ故、アルカリミストを発生させ、食物へと適用する。デバイスは、また、クリーニングの効果を改善するために、超音波加湿ユニットと圧力噴霧加湿ユニットとを一緒に使用することができる。全ての種類の加湿ユニットが、本発明の特許請求の範囲の保護範囲に分類されるということが理解されるべきである。
【0032】
好ましくは、モータ18は、バスケット内に収納された食物を転がすために、回転バスケットを回転させ、農薬の残留物が完全に加水分解され、食用の安全性を確保するために、前記食物の表面は、均一に前記アルカリミストと接触される。
【0033】
好ましい実施形態において、デバイスは、アルカリ水のpH値に従って食物をクリーニングする時間を制御するための、時間制御装置を含む:アルカリ水のpH値が低くなればなるほど、クリーニング時間は長くなり;アルカリ水のpH値が高くなればなるほど、クリーニング時間が短くなる。この方法で、デバイス内のアルカリミストのクリーニング効果を保証するだけでなく、高いアルカリ度を有するアルカリ性物質が、過度の長いクリーニング時間によって食物にダメージを与えることも防ぐ。さらには、クリーニングの時間は、食物の重量によって変えることができる。
【0034】
好ましくは、食物の表面上の残留物が除去され、キャビティ20内のアルカリ水が排出されるあと、段階S18において、デバイスは、食物をリンスする(rinse)ために、インレット120を通じてキャビティ20内へと直接、水道水を注ぐ。一実施形態において、水道水のキャビティ20内のレベルは、食物が、水道水と接触し、水道水でリンスされるように、高い。アルカリ性物質の残留物は除去される。この実施形態において、キャビティ20は、リンスユニットとして作動する。好ましくは、回転バスケット10は、モータ18によって駆動された、バスケット内に備えられた食物を転がす。別の実施形態において、キャビティ20内の水道水のレベルは、低く、超音波加湿ユニット14は、食物をリンスするために、中性のミストを発生させるよう機能する。この実施形態において、キャビティ20及び超音波加湿ユニット14はリンスユニットとして作動する。リンスするための他の種類の方法及び構成要素が、また、本発明の保護範囲に分類されるということが理解されるべきである。
【0035】
他の実施形態において、アルカリ水が供与ユニット12によって供与されるあと、ヒータ17がアルカリ水を加熱し、超音波加湿ユニット14が、加熱されたアルカリ水を加湿する前に、アルカリ水は、比較的高いレベルでキャビティ20へと注がれる。アルカリ水は、アルカリミストによるクリーニングの効果を改善するよう、食物の表面上のアルカリ水を広げるために、食物と接触し、食物を浸す。この場合、キャビティ20は、浸漬ユニットとして作動する。好ましくは、回転バスケット10は、アルカリ水を食物の表面上に均一に広げるために、モータ18によって駆動されたバスケット内に収納された食物を転がす。その後、デバイスは、高いレベルにあるアルカリ水を、ヒータ16及び超音波加湿ユニット14の作動水位にまで排出し、アルカリ水を食物から区分けする。その後、ヒータ16及び超音波加湿ユニット14は作動し、段階S12及びS14のクリーニング工程を開始する。
【0036】
デバイスは、使用者が、クリーニングのための時間、温度、アルカリミストのpH値などを設定するための、ユーザーインターフェースを供することができる。インターフェースは、使用者からMCUへと設定を伝える。そして、MCUは、電解ユニット121、超音波加湿ユニット14、ヒータ16及びモータ18の機能並びに使用者が割り当てた作動を終了するために、使用者からの設定により、チューブT1、T2及びT3のオン/オフ
を制御する。MCUの制御の応用は、当業者にとって、周知の事実であり、明細書は必要な記載を与えないであろう。
【0037】
食物上の農薬の、有毒な残留物の加水分解を加速させるよう、加熱されたアルカリミストを使用ために、アルカリ水は加熱され得るけれども、ヒータは、本発明に関して必要ではないということが理解されるべきである。別の実施形態において、デバイスは、ヒータ16を含まず、加湿ユニット14は、通常の温度で、アルカリ水を加湿する。通常の温度でのアルカリミストは、食物をクリーニングするために、数時間の間農薬の残留物を加水分解し、高温での加熱されたアルカリミストが、食物にダメージを与えることを避ける。
【0038】
別の実施形態において、回転バスケット10は、モータ18によって揺らされる、収納室10Aによって置き換えられる。収納室10Aは、収納された食物を転がし、食物の表面をアルカリミストで均一に接触させる。他の別の実施形態において、デバイスは、モータ18及びシフトSの代わりに、回転バスケット10と接続されたハンドル(handle)を含む。このハンドルは、収納された食物を転がし、食物の表面をアルカリミストで均一に接触させるために、回転バスケットを駆動するよう、使用者が揺らすためである。更に他の別の実施形態において、デバイスは、モータ18及びシフトSを含まず、回転バスケットは、キャビティ20の中央に取り付けられた、分離ネット(separating net)10Bによって置き換えられる。分離ネット10Bは、食物をキャビティ20の中央に保ち、それらを、アルカリミストと接触できるように、高温で加熱されたアルカリ水から分離する。如何なる形状の収納室が、本発明の特許請求の範囲の保護範囲に分類されるということが理解されるべきである。それに加えて、更に他の実施形態において、たとえば、デバイスは、収納室10を含まず、使用者は、食物を、プラスチックのバスケット内に置き、そのバスケットをキャビティ20の側壁の中央に取り付けられたブラケット(bracket)上に配置する。 本発明の実施形態は、上述で詳細に説明されてきたが、上述された実施形態は、説明だけの目的であり、本発明を制限するものとして解釈されないということが言及されるべきである。本発明はこれらの実施形態に制限されない。
【0039】
当業者は、詳細な説明、図面及び添付の特許請求の範囲の研究を通じて、開示された実施形態を理解し、修正を実現することができる。本発明の精神から逸脱しない、そのような修正は全て、添付の特許請求の範囲内に含まれ得るということが意図される。“含む”なる用語は、特許請求の範囲又は詳細の説明中に挙げられてない要素又は段階の存在を除外しない。要素に先行する“a”又は“an”の用語は、そのような要素の複数の存在を除外しない。本発明の実行において、特許請求の範囲の複数の技術的特徴は、1つの構成要素によって具現化され得る。特許請求の範囲において、丸格好間に配置された如何なる参照符号は、特許請求の範囲を制限するよう解釈されるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物をクリーニングするためのデバイスであって、
アルカリ水を供与する、供与ユニットと;
アルカリミストを発生させ、該アルカリミストを前記食物の表面に適用するように、前記アルカリ水を加湿する、前記供与ユニットと接続された加湿ユニットと;
を含み、前記食物の表面上の残留物は、前記アルカリミストによって加水分解される、
食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項2】
前記アルカリ水のpH値は9より大きく、
前記供与ユニットは、水道水又はアルカリ水を注ぐ、インレット、を含み、
前記水道水が注がれるとき、前記供与ユニットは更に、
前記アルカリ水を発生させるよう、前記水道水を電解する、電解ユニットを含む、
請求項1に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項3】
前記アルカリ水を使用して、前記食物を浸漬する、浸漬ユニットを更に含む、
請求項1に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項4】
前記インレットを通じて入力された水道水;
前記インレットを通じて注がれた水道水から発生したミスト;
のいずれか一方を使用して、前記アルカリミストによってクリーニングされた前記食物をリンスする、リンスユニットを更に含む、
請求項2に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項5】
前記食物をクリーニングするための時間設定に従って、前記アルカリ水のpH値を制御するための、pH値制御装置と;
前記アルカリ水のpH値に従って、前記食物をクリーニングする時間を制御するための、時間制御装置と;
の少なくとも一方を更に含む、請求項1に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項6】
加熱されたアルカリ水を発生させるために、前記水道水が前記電解ユニットによって電解される前に、前記水道水を所定の温度へと加熱する;又は
加熱されたアルカリ水を発生させるために、前記アルカリ水を所定の温度へと加熱する;
ヒータを更に含み、
前記加湿ユニットは、加熱されたアルカリミストを発生させるために、前記加熱されたアルカリ水を加湿する、
請求項2に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項7】
前記所定の温度は、55℃と65℃との間である、請求項6に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項8】
前記加湿ユニットは、
超音波加湿器;
圧力噴霧型加湿器;
の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項9】
前記食物を収納する、キャビティを更に含み、
前記加湿ユニットは、前記キャビティの底部に取り付けられ、
前記供与ユニットによって供与された前記アルカリ水は、チューブを通じて前記キャビティへと注がれ、
前記キャビティは、当該キャビティ内に前記アルカリミストを封止する、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項10】
前記キャビティの中央に取り付けられ、前記食物を収納する、収納室を更に含む、
請求項9に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項11】
前記収納室は、前記食物を転がす、回転バスケットを含み、
前記回転バスケットは、モータによって、当該バスケット及び前記モータに接続しているシャフトを介して駆動されて回転し、
前記食物の表面は、前記アルカリミストと均一に接触する、
請求項10に記載の食物をクリーニングするためのデバイス。
【請求項12】
食物をクリーニングするための方法であって、
アルカリ水を供与する、供与段階;
アルカリミストを発生させるために、前記アルカリ水を加湿する、加湿段階;及び
前記アルカリミストを前記食物の表面に適用する、適用段階;
を含み、
前記食物の表面上の残留物は、前記アルカリミストによって加水分解される、
食物をクリーニングするための方法。
【請求項13】
前記アルカリ水のpH値は、9より大きく、
前記供与段階は、
水道水を供与する段階;及び
前記アルカリ水を発生させるために、前記水道水を電解する段階;
を含む、請求項12に記載の食物をクリーニングするための方法。
【請求項14】
食物をクリーニングするための時間設定に従って、前記アルカリ水のpH値を制御する段階;
前記アルカリ水のpH値に従って、前記食物をクリーニングする時間を制御する段階;
の少なくとも一方を更に含む、
請求項12に記載の食物をクリーニングするための方法。
【請求項15】
加熱されたアルカリ水を発生させるために、前記アルカリ水を所定の温度に加熱する段階を更に含む、又は、
前記供与段階は更に、前記水道水を所定の温度へと加熱する段階を含み、かつ、前記電解段階は、加熱されたアルカリ水を供与するために、加熱された水道水を電解し、前記所定の温度は、55℃と65℃との間であり、
かつ、前記加湿段階は、加熱されたアルカリミストを発生させるために、前記加熱されたアルカリ水を加湿する、
請求項14に記載の食物をクリーニングするための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−531891(P2012−531891A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516947(P2012−516947)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052876
【国際公開番号】WO2011/001335
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】