説明

食物サプリメントとしての植物炭水化物の組成物

【課題】 良好な健康を促進および維持するための食物補充および栄養支持のための炭水化物の組成物を提供する。
【解決手段】 1種〜11種の必須のサッカリド(糖栄養物質)の栄養的に有効な量を、食物サプリメントとして種々な組成物に使用する。食物サプリメントは、植物栄養物質、ビタミン、無機質、薬草抽出液および他の非毒性の栄養物質を含有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な健康を促進および維持する食物サプリメント(dietarysupplement)および栄養支持剤(nutritional support)の分野に関するものである。さらにくわしくは、本発明は、正確に構成されたそしてそれ故に適切に機能する糖タンパク質を生成するのに不可欠である食物サプリメントとしての炭水化物の組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粘液なる用語は、1700年代に最初に使用された。1805年にBostokは、粘液はアルブミンおよびゼラチンとは異なるタンパク質からなることを認めた。1865年にEichwaldは、ムチンは炭水化物部分を含有していることを証明した。1877年にHoppe-Seylerは、ムチンはシアル酸含量が高いことを発見した。1882年にLandwehrは、ムチンの型の植物ゴムは、1種より多くの単糖を含有しているということを証明した。さらに現代的な方法の進歩につれて、これらの単糖類は、単離されそして確認された。1888年にHarmarstenは、ムチン中のサッカリドは共有結合によって結合していることを証明し;Harmarstenは、はじめに“glykoproteide”(または、英語でglycoprotein)の用語を使用した。FischerおよびLeuchsは、1902年に粘液中に高濃度のマンノースを発見した。1939年にHayworthは、N−アセチルグルコサミンを発見しそして1930年にBierryはガラクトースを発見した。1958年にMeyerは、フコースを発見した(Gottschalk, Glycoproteins,1972)。
【0003】
タンパク質は本来は身体の主な“コミュニケーション(communication)”分子であると考えられていた。種々なアミノ酸の組み合わせから製造されるタンパク質を基にして新規な薬剤を創造する試みとしてバイオテクノロジー革命がはじめられた。しかしながら、アミノ酸は相互にアミド結合によって結合することができるにすぎないので、タンパク質で可能な二次的配置の数は制限される。事実、一つの二次的配置のみが1個のジペプチド当り可能である。
【0004】
しかしながら、タンパク質で可能である分子配置の数によって説明することができるよりも多くの機能が身体によって遂行される。数年前に、理論数学者がタンパク質で可能である配置の数を計算しそしてまだ未知である他の機作が身体の大部分のコミュニケーション機能の遂行の原因であらねばならないということを発見した。この機作が炭水化物を包含するということは現在既知である。
【0005】
簡単なタンパク質とは対照的に、より多くの分子配置が、より複雑な炭水化物分子で可能である。例えば、ヘキソースは6個のキラル中心を有し、これらのそれぞれは2種の異性体形態を有しそしてこれらのそれぞれは他の分子に対する結合部位としてヒドロキシル基を有している。すなわち、単に24のオリゴペプチド配置が4個のアミノ酸で可能であるけれども、100,000以上の異なるオリゴサッカリド配置が4個の糖で可能である(Stryer
等、Biochemistry, 1995, 477頁)。
【0006】
科学は最近、糖タンパク質がすべての細胞のコミュニケーションにおいて重要な役割をはたすということを証明している。サイトカイン、すなわち細胞のメッセンジャー剤の多くは、結合しているグリコシル部分なしでは適切に機能しない。身体は、植物炭水化物のような複合多糖を種々な単糖に加水分解しそしてこれらをオリゴ糖に再構成する。このオリゴ糖は、細胞のコミュニケーションおよびすなわち良好な健康に対してサイトカインによって要求される糖タンパク質を構成するために身体によって使用される。
【0007】
改善された分析技術およびより強力なコンピューターの進歩によって、糖タンパク質の確認が1960年代後に急速に増大した。1980年の中頃に、小胞体およびゴルジ装置における糖タンパク質の順序正しい合成の機作が決定された。多くの糖タンパク質の実際のオリゴ糖の配座は現在知られている。
【0008】
糖生物学における増加した重要性は、細胞表面炭水化物は、細胞接着そしてその結果細胞−細胞相互作用に決定的に関与しているという最近の知見によって促進されている。特に3つの新規な機作的概念が発見されている。第一に、糖タンパク質および糖脂質における構造的研究は、ある種の細胞型に特有である炭水化物の存在を示す。この概念は、細胞−型特異認識分子として細胞表面炭水化物を理解するのに重要である。
【0009】
第二の概念は、糖−結合性タンパク質を有するレクチンに関する新規な情報から発展した。1970年代に、ブランチを含有するシアル酸、すなわちN−アセチルノイラミン酸が除去された場合に、糖タンパク質が急速に血液から除去されるということが知られた。さらに研究は、この急速な除去は末端ガラクトースを認識するレクチンに結合するアシアロ糖タンパク質によって起こるということを示した。いったん動物細胞がレクチンを有することが判れば、多数のレクチンが確認されそしてレクチン中の炭水化物認識ドメインに応答するアミノ酸配列の部分が発見された。この発見は、細胞−細胞相互作用における炭水化物−結合能を理解するのに重要である。すなわち、細胞のコミュニケーションは、分子レベルにおいて認識される。
【0010】
第三の概念は、炭水化物を形成するグリコシルトランスフェラーゼの単離および確認に関する研究から得られた。これらの研究は、炭水化物部分が普通1個ずつ構築されそしてそれぞれの反応は、特異的結合のみを形成するグリコシルトランスフェラーゼによって実施されることを示した。この分野における分子生物学の進歩は、科学者が炭水化物発現を操作しそして糖タンパク質の機能を研究することを可能にしたものである。
【0011】
この分野における決定的な進歩に基づき、もっとも最近の研究は、白血球に独特に存在するオリゴ糖は、内皮および血小板における接着分子に対するリガンドとして作用するということを証明している。セレクチンとして知られているこれらの接着分子がクローン化された場合、これらが炭水化物認識ドメインを含有しているということが発見された。すなわち、細胞型特異的炭水化物および動物レクチンに対する研究は相互に補強し合っていた。さらに、リンパ球−内皮相互作用が炭水化物に依存するという知見がこれらの研究に先行していた。
【0012】
上述したことを考慮に入れれば、細胞表面上の糖タンパク質の奇形を正しくする薬剤の合成を指向した研究が開始された。炭水化物リガンドシアリルLexを確認した後、製薬会
社はそれを治療目的のために合成した。炭水化物の酵素的合成は、クローン化されたcDNAsによって生じるグリコシルトランスフェラーゼの利用のおかげで現在可能であるので、この系列の研究は非常に容易となる(Fukuda等、Glycobiology, 1994)。
【0013】
すべてのタンパク質および糖タンパク質の合成は、細胞の染色体に収容されている体細胞の遺伝子によって調節される。核酸(DNA)において発現されたコーディング情報は、一般的な身体防御、再生、リモデリング(remodeling)および治癒を包含するすべての細胞の機能を調節する。DNAは青写真を与えるけれども、細胞の成分は必要な構築ブロックなしには適切に構築されることはできない。上述したように、サイトカインは身体の生命機能を実施するために細胞内インストラクションに対して使用される重要な成分である。しかしながら、多くのサイトカインは結合したグリコシル部分なしには適切に機能しない。
【0014】
表1は、糖タンパク質が役立つ若干の既知の生理学的機能を挙げる。表2は、糖タンパク質のオリゴ糖ブランチまたは鎖が遂行する若干の特異的な既知の機能を挙げる。
【表1】

【0015】
表2 糖タンパク質のオリゴ糖鎖の若干の既知の機能
* 物理化学的性質、例えば溶解度、粘度、電荷およびタンパク質変性に対する調節
* 細胞内および細胞外からのタンパク質分解に対する保護
* より小さな生成物へのプレカーサータンパク質のタンパク質分解過程に対する影響
* 例えばヒトの絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の生物学的活性における関与
* 膜へのタンパク質の挿入、細胞内のタンパク質の移動およびタンパク質選別および分泌に対する影響
* 胚性発生および分化に対する影響
* 代謝に対する影響
* 癌細胞によって選択された転移の部位に対する影響
【0016】
要約すると、細胞の種々のプロセスは、正確に構成されたそしてそれ故に適切に機能する、糖タンパク質によって調節または影響される。
【0017】
細胞−細胞コミュニケーションに対する糖タンパク質の重要性および糖タンパク質の形成における炭水化物の重要性に関する上述した現在の科学的知識にもかかわらず、また食事療法は多数の炭水化物に源を発しているという事実にもかかわらず、糖生物学および栄養の分野は、ともに十分に研究されていない。現在の栄養教科書は、必須のビタミン、無機質、タンパク質(アミノ酸)および脂肪の重要性を詳細に強調しているけれども、糖は現在、エネルギー源としてのみ(良好な健康のための糖タンパク質製造に不可欠な物質としてではなく)認められている(Shils等、1994)。例えば、Shils等は食物炭水化物の主
な源が、(1)グルコースを含有する澱粉を与えるとうもろこし、米、小麦および馬鈴薯;(2)フラクトースおよびグルコースを与えるさとうきびおよび甜菜糖および(3)ガラクトースおよびグルコースを与えるミルクであるということを開示している(Shils等、Modern
Nutrition in Health and Disease, (1994))。
【0018】
対照的に、Harper's Biochemistry(Murray等、1996)は、細胞の糖タンパク質のオリゴ糖鎖中に通常見出される8種の単糖を挙げておりそしてPrinciples of Biochemistry, Vol II(Zubay等、1995)は11種の単糖を挙げている。すなわち、天然に見出された約200種の単糖のうち、これらの11種の単糖が哺乳動物の良好な健康の維持に対して重要であると信じられている。
【0019】
これらの11種のサッカリドは、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミンおよびキシロース(Murray等、Harper'sBiochemistry, 1996)ならびにイズロン酸、アラビノースおよびグルクロン酸(Zubay等、Principles of Biochemistry, Vol II. 1995)を包含する。これらの炭水化物の構造は、Stryer's Biochemistry(Stryer, 1995)およびMerck Index, 12th Edition, 1996に開示されている。
【0020】
これを認識して、科学者は今までのところ部分的に成功しているにすぎないけれども、現在サイトカインおよび他のタンパク質にグリコシル部分を合成的に結合させることを試みている。事実、NIHは遺伝学的に改変したタンパク質から失われている糖部分を合成する方法を開発する計画に着手している。これらの合成的に製造されたサイトカインは、これまでのところ期待はずれの結果を示している。この分野において、多くの挑戦すべきところが残っている。科学者ははじめに、(1)糖部分を合成する方法、(2)糖部分をタンパク質に結合させる方法そしてそれから(3)良好な健康を容易にするために身体中の正確な場所に正確な濃度で正確な糖タンパク質を得る方法を知らねばならない。
【0021】
何世紀もの間、世界中の異なる文化の人々が哺乳動物における広い範囲の種々の疾患の治療に、植物および薬草(herbs)を利用した。特に、湿布、茶、粉末、ペースト、エキス、植物または薬草の一部分、植物または薬草のエキス、ローション、クリーム、軟膏、トローチなどを包含する処方物が使用された。また現在、世界の農地の多くが生命を維持するのに必要な必須の無機質を消耗しており、その結果、ビタミン、無機質および食物サプリメントの広範囲にわたる使用を必要とするということがよく認められている。最近の発見は、つる性植物の熟成した(Vine-ripened)果実および野菜に見出されそしてつる性植物の熟成しない果物および野菜には見出されない植物化学物質(phytochemicals)の重要性に関する。以下に定義されるようなまだ明確でない植物栄養物質を食物に与えるために、若干の会社は凍結乾燥したつる性植物の熟成した果実および野菜の食物サプリメントを供給しはじめた。
【0022】
栄養学者は、必須の食物成分を提供しそして哺乳動物における良好な健康を容易に且つ促進しようと努力して、何百という食物サプリメント処方物を開発した。しかしながら、生理学的疾患の治療に関する不正な製品クレームが当産業界において広がっておりそして作物生産の栄養価値よりもむしろ容量に重点をおく現代の耕作方法は、必須の食物成分が失われた減少された食物価値を有する作物をもたらしている。
【0023】
現在、非常に多数の食物サプリメントを商店において入手することができるのにもかかわらず、ヒトの食物の必要性はまだ満たされていない。このような商業的に入手できる食物サプリメントの多くは、有意な栄養上の利点を与えるとは思われない。本発明者等は、このような従来の製品は、(a)製品は正確な栄養生成物を含有していないおよび(b)これらの製品の栄養生成物は、それを使用したヒトによって十分に吸収されない、の1または2以上の不利点を有している。
【0024】
すなわち、ある科学者は、他の植物化学物質が良好な健康に対して必要であるということを認めはじめておりそして他の科学者は、これまで疾患の治療における植物および薬草の利用を認めているけれども、既知の技術の何れも本発明を示唆していない。糖タンパク質の構築ブロックである必須のサッカリドを与えそして哺乳動物における良好な健康を促進する医薬でない食物サプリメント処方が要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、糖タンパク質の構築ブロックである必須のサッカリドを哺乳動物に与えることによって良好な健康を促進する食物サプリメントを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明者等によって、必須のサッカリドを含有する食物サプリメントで食物を補充するようにして、必須のサッカリドを哺乳動物の食物に含有させることは、良好な健康を促進するということが証明された。特定の作用の機作に限定されることを意図するものではないけれども、これらの必須のサッカリドは、哺乳動物の体に吸収されそして糖タンパク質の形成に利用されるものと信じられる。そのようにこれらの必須のサッカリドを与えることによって、哺乳動物の体は、エネルギーを不必要に消費してこれらの必須のサッカリドを異化することはなく、そしてそれ故にそのエネルギーは、免疫系の強化のような他の生理学的必要性を与え、広範囲の生理学的疾患を防止、除去および(または)良くするために消費することができる。
【0027】
すなわち、本発明は従来の技術の不利点および欠点を克服する。本発明の一つの見地は、哺乳動物の食物を糖タンパク質および(または)糖脂質の生産に必須の糖で補充しそしてそれによって良好な健康を促進する食物サプリメントとして、炭水化物すなわち糖栄養物質(glyconutritionalsまたはglyconutrients)の種々な組成物を使用することに関す
るものである。一つの実施化においては、本発明は哺乳動物における正確に構成されたそしてそれ故に適切に機能する糖タンパク質および(または)糖脂質の生産に対して必須である11個の炭水化物の少なくとも1種の限定された量を含有する栄養サプリメントに関するものである。これらの11個の糖の若干は、普通の食料源において容易に入手することができるけれども、他の糖は全くまれである。
【0028】
したがって、本発明の最初の実施化は、食物サプリメントが、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、イズロン酸、アラビノガラクタン、アセチル化マンノース、グルコサミンおよびガラクトサミンからなる群から選択された単量体、オリゴマーおよび重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態の少なくとも1種のサッカリドの栄養的に有効な量を含有することからなる、哺乳動物における糖タンパク質の必須成分である栄養生成物サッカリドを与える食物サプリメントを提供する。
【0029】
本発明の他の実施化においては、食物サプリメントは上述した群から選択された単量体、オリゴマーまたは重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態の少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種または少なくとも11種のサッカリドの栄養的に有効な量を含有する。これらのサッカリドの若干は、イオン化できる基を有しているので、本発明はそのすべての既知の非毒性塩形態を包含する。
【0030】
単量体、オリゴマーまたは重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態のこれらのサッカリドは、広い範囲の種々の源、例えばトラガントゴム、グアーゴム、穀粒粉、米粉、さとうきび、甜菜糖、馬鈴薯、ミルク、寒天、アルギン、イナゴマメゴム、事前子、イソドゴム、種子ゴム、カラマツの木のエキス、アロエベラエキス、ガッチゴム、澱粉、セルロース、分解したセルロース、フラクトース、高フラクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アラビアゴム、アルギン酸、カラゲナン、デキストラン、キサンタンゴム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナン、レバン、セミ−セルロース、イヌリン、フルクタンおよびラクトースから得ることができる。
【0031】
本発明の他の実施化は、熟成および凍結乾燥した果実および野菜、ヤマノイモ属コンプレックス、薬草エキス、薬草ボディ−トニング剤(body-toning agents)、ベータシトス
テロール、メラトニン、大豆レシチン、ビタミンまたは無機質から誘導された植物化学物質または植物栄養物質を含有することができる。
【0032】
本発明の他の実施化においては、組成物は予め消化した形態の11種の必須の炭水化物の少なくとも1種を包含する。これは、(1)剪断または超音波による処理のような物理的消化、(2)酵素消化および酸または塩基加水分解のような化学的消化および(3)細菌、菌類またはかびのような微生物による生物学的消化の1種またはすべてを包含する。
【0033】
他の見地においては、本発明は天然および(または)合成の単量体、オリゴマーおよび(または)重合体の形態のアセチル化マンノース、ガッチゴム、トラガントゴム、グルコサミン、とうもろこし澱粉およびアラビノガラクタンの栄養的に有効な量を含有するアルコール依存性哺乳動物の行動を修正するための食物サプリメントである。特定の実施化においては、食物サプリメントは、サプリメントが投与されるアルコール依存性哺乳動物におけるアルコールに対する欲求を減少する。他の特定の実施化においては、食物サプリメントは抑うつおよび怒りの少なくとも一つを減少することによってまたは認識力、エネルギーおよび前向きな態度(positive outlook)を増大することによって、アルコール依存性の哺乳動物の全体の健康を改善する。
【0034】
他の見地においては、本発明は食物サプリメントが、天然および(または)合成の単量体、オリゴマーおよび(または)重合体の形態のアセチル化マンノース、ガッチゴム、トラガントゴム、グルコサミン、とうもろこし澱粉およびアラビノガラクタンの栄養的に有効な量を含有することからなる、副作用を惹起する生物学的に有効な剤が投与された哺乳動物における望ましくない副作用を減少するための食物サプリメントである。特定の実施化においては、食物サプリメントは、中枢神経系薬剤の望ましくない副作用を減少する。さらに他の特定の実施化においては、食物サプリメントは注意−欠陥機能亢進障害にかかっていて、そしてメチルフェニデートが投与された哺乳動物におけるメチルフェニデートの望ましくない副作用を減少する。
【0035】
哺乳動物の体は、植物の炭水化物のような複合多糖を加水分解または代謝して種々の単糖となしそしてその後、それからオリゴ糖を形成する。それから、このオリゴ糖は細胞コミュニケーションのためにサイトカインによって要求される糖タンパク質を構築するために体により使用される。
【0036】
本明細書において使用される“植物化学物質(phytochemical)”なる用語は、これらが天然に存在する状態から加工処理によって最小限度に変化された複合有機マトリックス中の食品または植物組織に見出される植物合成された分子を意味する。本明細書に使用される“栄養物質(nutraceutical)"なる用語は、健康促進活性を有し、そして標準化しそして完全栄養食の栄養性を改善するために食物サプリメントとして供給することのできる植物、無機質または動物源の非毒性の栄養物質を意味する。栄養物質はまた、糖栄養物質または植物栄養物質である。
【0037】
本明細書に使用される“糖栄養物質(glyconutritionalまたはglyconutrient)”なる用語は、天然において合成され、そして間質細胞液中で遊離であり、細胞−細胞コミュニケーションにおいて活性であり(すなわち、サイトカイン、生長因子など)または細胞膜(すなわち、受容体部位、イオン−輸送、チャンネル、抗原同定など)の高度に特異的な分子活性の中心を含有する分子配置を構成することのできる種々の級のコミュニケーションおよびシグナル分子の生化学的合成に対して必要である複合炭水化物またはサッカリドま
たは簡単な糖を意味する。
【0038】
本明細書に使用される“植物栄養物質(phytonutritionalまたはphytonutrient)”なる用語は、植物の細胞を保護するために生産される植物においてのみ見出される天然に合成された分子を意味する。植物栄養物質は、抗酸化剤、フリーラジカル、スカベンジャーおよび生体ミクロ栄養物質の活性を有している。食物補充を経て供給されるこれらの分子は、成熟した植物組織に見出されそして種子コートおよび種子の周囲の果実組織においてもっとも濃厚である。哺乳動物において、食物で供給した場合、これらの分子は、細胞のミクロな環境内における生化学、免疫学および生理学を最善の状態にするのに活性である。
【0039】
本明細書に使用される“ヤマノイモ属コンプレックス(dioscoreacomplex)”なる用語は、哺乳動物の副腎および生殖腺ホルモンが天然に合成される分子骨格(パーヒドロシクロペンタノフェナントレン)を含有する複合6−環の環状−炭素分子である天然のプレカーサーの食物栄養のジオスゲニンを与えるヤマノイモ属の種(Mexican yam)のエキスを意味する。食物でのこの複合分子の供給は、正常な生理学的調節機作を維持しながら、最適のホルモンバランスを支持することができる。この食物サプリメントの成分は、実際に体中のすべての機能細胞の代謝調節を改善する可能性を有している。
【0040】
本明細書に使用される“薬草エキス”なる用語は、植物組織中で生産されそして水、極性溶剤または石油溶剤で抽出することができそしてある程度の有利な健康または治療活性を有している植物化学物質を意味する。大部分の薬草は、特に濃厚である場合には有毒であるけれども、疾患の治療および良好な健康の促進に対する民間医薬としての茶剤およびパップ剤における慣用の方法で利用される場合は一般に安全である。本明細書において使用される“薬草のボディ−トニング剤(herbal body-toning agent)”なる用語は、皮膚トルゴールの回復およびしわ、たるみ、色素沈着過度を有効に減少または除去する弾力性および失われた美容上の外観の他の望ましくない要素の拮抗によって証明されるような、本発明者等により観察された老化または太陽光線による損傷により起こった弾力性のある組織およびコラーゲン繊維の損傷を減少および拮抗する物質を意味する。
【0041】
本発明の食物サプリメントに包含される炭水化物は、広範囲な種々の天然および合成源、例えばかん木、木、植物、酵母、菌類、かび、ゴム、樹脂、澱粉およびセルロース誘導体および天然のムチンから入手することができる。特に、若干の天然源は、(a)アラビアゴム、インドゴム、トラガントゴムまたはカッチゴムを含有するかん木または木滲出液;(b)寒天、アルギンまたはカラゲナンを包含するマリンゴム;(c)グアーゴム、イナゴ豆または事前子を包含する種子ゴム;(d)ペクチンまたはアセチル化ポリマンノースを含有する植物エキス;(e)澱粉およびセルロース誘導体、例えばヘタスターチ、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、酸化セルロース;およびデキストラン、キサンタンを含有する微生物ゴムを包含する(Tyler等、1981)。しかしながら、本発明の組成物はそれぞれの炭水化物が得られる源によって限定されるものではないということを理解すべきである。
【0042】
本発明のサッカリドは、単糖、オリゴ糖および(または)多糖として天然に見出される。すなわち、本発明の組成物は、単量体、オリゴマーおよび(または)重合体の形態のサッカリドを含有することができる。以下の表3は、本発明のサッカリドに対する若干の既知の天然源を示す。
【0043】
【表2】

【0044】
当業者によって理解されるように、相当する炭水化物源で上述したサッカリドは、ガッチゴムおよびグアーゴムにおいて示されたサッカリドのモル比によって例示されるように特定の量で天然に存在する。天然の炭水化物中のサッカリドの相対的な量または比は、普通の抽出または分析法を使用して容易に決定されるかまたは当該技術において普通使用されている文献源から得ることができる。
【0045】
本明細書において使用される“炭水化物”なる用語は、“サッカリド”、“多糖”、“オリゴ糖”および“糖”なる用語と相互に交換して使用される。これらの用語の定義は炭水化物化学の技術において公知である。本発明の組成物は、11種の必須のサッカリドの少なくとも1種を包含することを意図するけれども、サッカリドは単糖、オリゴ糖および(または)多糖の形態にあることができるということに注目しなければならない。例えば、トラガカントゴムおよびグアーゴムを含有する組成物は、ガラクトウロン酸、フコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、マンノースおよびガラクトースを含有するものとみなされる。それ故に、与えられた食物サプリメント中の特定のゴムの量を調節することによって、食物サプリメント中のそれぞれのサッカリドの量を調節することができる。
【0046】
本発明の食物サプリメントは上述した11種の必須のサッカリドを包含するけれども、他のサッカリド、栄養化合物または生物学的に活性なまたは不活性な化合物も本発明の食物サプリメントに包含させることができるということは注目しなければならない。このような他の栄養化合物は、植物栄養物質、ヤマノイモ属コンプレックス、植物エキス、薬草エキス、植物の部分、薬草成分、ビタミンまたは無機質の1種または2種以上を包含する。これらの栄養化合物は、本発明の食物サプリメントに加えることができるまたはこれら栄養化合物は、食物サプリメントが投与される哺乳動物に別個に与えることができる。例えば、本発明の糖栄養物質−含有使用形態を与えたヒトに、同じまたは分離した使用形態の植物栄養物質を与えることもできる。不活性化合物は、風味料、増量剤、滑沢剤、緩衝剤、ゲル、結合剤、賦形剤、担体および(または)本発明の食物サプリメントの処方または投与を容易にするような他の化合物を包含することができる。
【0047】
本発明の糖栄養物質−含有食物サプリメント組成物(さらに追加的な化合物、剤または他の物質を含有する組成物)は、すべてMANNATECHTM(Coppell, TX)から直接得ることができる。
ヤマノイモ属コンプレックスは、Ayusherbs(Japan)から入手することができる。ヤマノイモ属コンプレックスを本発明の食物サプリメントに含有させる場合は、全体の必須サッカリドに対するヤマノイモ属コンプレックスの比は、質量%を基にして約0.0001/99.9999〜約50/50の範囲にすることができる。特定の実施化においては、全体の必須サッカリドに対するヤマノイモ属コンプレックスの比は、約0.01〜70/99.99〜30または約10〜40/90〜60または約20/80の範囲にある。
【0048】
植物栄養物質は、Cap-Tab(U.S)のような広範囲な種々の製造元から入手することができるまたはこれらは、成熟した果実および(または)野菜を凍結乾燥および粉砕して粉末を形成させることによって加えることができる。この粉末は、本発明の食物サプリメントに加えるかまたは食物サプリメントと一緒に与えることができる。このような果実および野菜は、すべての既知の果実および野菜から選択することができるが、特定の実施化においては、例えばブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、人参、花キャベツ、にんにく、ケール、たまねぎ、パパイア、パイナップル、トマトおよびかぶを包含する。これらの植物栄養物質は、粉末−含有カプレット(caplet)またはカプセル形態中でまたは場合によっては添加した風味料を含有するゼラチンおよび天然果実フラクトースの基剤中で処方することができる。植物栄養物質を本発明の食物サプリメントに含有させる場合は、全体の糖栄養物質に対する全体の植物栄養物質の比は、質量%を基にして約0.001/99.999〜約99.99/0.01の範囲にすることができる。本明細書に使用されるPhyto-1は、Glyco-1(実施例5参照)および凍結乾燥した生の果実および野菜を含有する食物サプリメントを意味する。特定の実施化においては、全体の糖栄養物質に対する植物栄養物質の比は、約20〜99/80〜1または約50〜95/50〜5の範囲にある。
【0049】
良好な健康を促進することができそして本発明の食物サプリメントに混合するかまたは食物サプリメントと一緒に投与することのできる予期したまた証明された栄養価値を有する多くの植物および薬草エキスがある。このような植物および薬草エキスは、物質、化合物または剤の抽出に対してよく知られている操作によって、植物または薬草から得ることができる。特定の実施化においては、本発明の食物サプリメントは、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、人参、花キャベツ、にんにく、ケール、たまねぎ、パパイア、パイナップル、トマト、アスパラガス、きのこ、アメリカぼうふう、はつかだいこんおよびかぶの薬草または植物エキスを含有する。植物または薬草エキスを本発明の食物サプリメントに含有させる場合は、全体の糖栄養物質に対する全体のエキスの比(乾燥した固体の質量を基にした)は、質量%を基にして、約0.001−75/99.999−25〜約10−90/90−10の範囲にある。
【0050】
多くの異なる型のビタミンおよび無機質を、本発明の食物サプリメントに含有させることができる。合成源のいくつかのビタミンおよび無機質が栄養的価値を有しているけれども、特定の実施化における食物サプリメントは、主に天然源から得られた非毒性のビタミンおよび無機質の栄養的に有効な量を含有する。PROFILETMは、例示した栄養的研究に使用したビタミンおよび無機質サプリメントの商品名である。MANNATECHTM(Coppell, TX)から得ることのできるこの製品は、以下のビタミンおよび無機質の栄養的に有効な量を含有する。(a)A、B1、B12、B2、B6、ベータカロテン、ビオフラバノイド、ビオチン、C、コリン、D、E、葉酸、イノシトール、K、ナイアシンアミド、パラアミノ安息香酸およびパントテン酸を含有するビタミン;および (b)硼素、カルシウム、銅、GTFクロム、沃素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、カリウム、セレン、珪素、バナジウムおよび亜鉛を含有する無機質。これらのビタミンおよび無機質は、栄養的に供給し得る非毒性の形態で与えることができる。
【0051】
“栄養的に有効な量”なる用語は、哺乳動物において有益な栄養作用または応答を与える量を意味する。例えばビタミン−および無機質−含有食物サプリメントに対する栄養的応答は哺乳動物によって変化するので、上記ビタミンおよび無機質の栄養的に有効な量はそれぞれ変化するであろうということを理解すべきである。すなわち、ある哺乳動物は限定された量において存在するビタミンおよび無機質の特定のプロフィールを必要とするけれども、他の哺乳動物は異なる限定された量において存在するビタミンおよび無機質の同じ特定のプロフィールを必要とする。
【0052】
例えばセルロース、炭酸カルシウム、コラの実、コラの実のエキス、ゼニアオイ(country mallow)、大西洋の昆布、とうがらし、シリカ、ステアリン酸、アミノ酸、グリシン、リジン、グルタミン酸、アルギニン、炭酸カルシウム、精巣物質、クエン酸硼素、ピコリン酸クロム、必須の繊維、精油、必須の植物性薬品、必須の腸生態系およびフローラ生長促進物質、必須脂肪酸、生活共生フローラ(live probiotic flora)、タンパク質および酵素のような他の化合物、剤および栄養物もまた本発明の食物サプリメントに含有させることができる。
【0053】
本発明の食物サプリメントは、粉末化した再構成できる粉末、液体−固体懸濁液、液体、カプセル、錠剤、カプレット、ローションおよびクリームの使用形態で製造しそして哺乳動物に投与される。処方の科学に精通した当業者に明らかであるように、本発明の食物サプリメントはまた、洗浄、眼、耳、直腸、舌下、経皮、口腔内、膣または皮膚投与に適当であるように処方することができる。すなわち、咀嚼し得るキャンデーバー、濃厚液、ドロップ、エリキシル剤、エマルジョン、フィルム、ゲル、顆粒、チューインガム、ゼリー、油、ペースト、パステル剤、ペレット、シャンプー、リンス、石鹸、スポンジ、坐剤、綿棒、シロップ、咀嚼し得るゼラチン形態または咀嚼錠剤のような他の使用形態を使用することができる。
【0054】
人々の間で食物が相違するために、本発明の食物サプリメントは、広範囲な使用量で投与しそして広範囲な投与単位強度で処方することができる。例えば、食物から11種の必須のサッカリドの9種が失われたヒトに対しては、栄養的に有効な量でこれらの9種のサッカリドを含有する食物サプリメントを処方することができる。同様に、必須のサッカリドの生体吸収が非常に効率的であるヒトに対しては、必須のサッカリドの減少された量を含有する食物サプリメントを製造することができる。
【0055】
また、食物サプリメントの使用量は、この食物サプリメントを投与するときに哺乳動物がかかっている特定の病気または疾患によって変化し得ることを理解すべきである。例えば、慢性疲労症状または腺維筋痛症にかかっているヒトは、一般に栄養摂取の恩恵を受けるためにアルコールの消費を中止させようと試みているアルコール中毒者とは異なる使用量を必要とする。食物サプリメントの適当な使用量は、食物サプリメントの特定の使用量に対する患者の応答、すなわち一般的健康を監視することにより容易に決定することができる。同様に、植物栄養物質、植物エキス、薬草エキスおよび(または)ヤマノイモ属コンプレックスのような他の剤を本発明の糖栄養物質の食物サプリメントと一緒に哺乳動物に投与する場合は、食物サプリメントおよびそれぞれの剤の適当な使用量は、同様な方法においてそれぞれの特定の使用量に対する患者の応答、すなわち、一般的健康を監視することにより容易に決定することができる。
【0056】
本発明によって食物サプリメントを一つのまたは組み合わされた使用形態で同時にまたは連続的に投与することができるということが企図されている。本発明の食物サプリメントが即時の全体の健康の利点を与えるということは可能でありそして多分そうであろうけれども、このような利点は具体化するのに数日、数週または数ヶ月を必要とする。それにもかかわらず、本発明の糖栄養物質の食物サプリメントは、それを消費する哺乳動物における有益な栄養的応答を与える。
【0057】
また本発明によって、本発明の食物サプリメントを植物栄養物質、薬草のエキス、植物のエキスおよびヤマノイモ属コンプレックスの少なくとも1種とともに同時にまたは連続的に投与することができるということも企図されている。食物サプリメントを植物栄養物質、薬草エキス、植物エキスおよびヤマノイモ属コンプレックスの少なくとも1種とともに同時に投与する特定の実施化は、以下の実施例によって例示される。
【0058】
以下の実施例において、本発明の食物サプリメントは、粉末−含有カプセルとして投与した。食物サプリメントが植物栄養物質を含有する場合は、それはカプレットまたはゼラチン形態として投与した。食物サプリメントがヤマノイモ属コンプレックスを含有する場合は、それはカプセルまたはカプレットとして投与した。食物サプリメントが植物栄養物質、ヤマノイモ属コンプレックスおよび薬草エキスを含有する場合は、それはカプレットとして投与した。
以下に例示した与えられた研究に使用したカプセルまたはカプレットの大きさおよび成分によって、食物サプリメントははじめに以下の通り投与した。示された使用量は、#1サイズのカプセルおよび1000〜1200mgのカプレットに基づく。
【0059】
【表3】

【0060】
例示した研究が進行するにつれて、サプリメントの使用量は、前の用量・用法(dosingregimen)に対する患者の応答によって修正した。例えば、患者の全体の健康がはじめの使用量において改善されない場合は、サプリメントの1種または2種以上に対するそれぞれの使用量を修正した。研究においてそれぞれの患者に最終的に与えられた実際の使用量は、栄養的応答が異なるために、患者によって非常に異なる。一般に、食物サプリメントおよび他のサプリメントのそれぞれは、1日当り約1〜約12カプセル(またはカプレットまたは錠)の範囲で投与した。
【0061】
生化学的個性が、哺乳動物と望ましい健康促進作用を得るために必要な広範囲な種々の薬剤または食品との間に存在するということは十分に証明されている(Williams R;Nutrition Against Disease, 1971)。はじめに食物サプリメントとして典型的に利用された上記の栄養物の量が弱体化した健康の状態に対して指示される。エネルギーレベル、強直、疼痛、不快、安眠、疲労からの回復および感情状態は、食物サプリメントに対する哺乳動物の応答の測定、および使用量の増加を是認するか否かの測定における栄養上の利点のマーカーとして使用される。健康への不満の減少または上記パラメータの減少または除去は、糖栄養物質摂取の減少の指針として使用される。有益な利点のために必要な糖栄養物質の量に関する複雑な因子は、個人が栄養物に対して有する異なる量的必要性、遺伝的特質による相違、生化学的バランス、疾患の状態、変化した生理学的状態、前のおよび現在の栄養、個々の選択および個人によって食べられる食品の栄養含量を包含する。健康における望ましい応答または改善は、失われた栄養物が本発明の食物サプリメントによって十分に補給された場合に得られる。ヒトの身体の防御、回復、再生、調節および遺伝子−調節および栄養による治癒それ自体は、これらの仕事を達成する源泉である。本発明の食物サプリメントは、普通都市/郊外の食品においてはもはや見出されない糖栄養物質を含有しており、そしてその結果、最適の生化学および生理学に対して必要な既知のおよびまだ確認されていない栄養物の最適の源を与える。
【実施例】
【0062】
実施例 1
本発明による生成物に対して適当な組成物は、次の通りである。
ガラクトウロン酸、ガラクトース、フコース、キシロース、アラビノースおよびラムノースの源であるトラガントゴム(100kg)を、ステンレス鋼製リボンブレンダーに充填しそしてマンノースおよびガラクトースの源であるグアーゴム(10kg)をこのステンレス鋼製リボンブレンダーに充填する。トラガントゴムおよびグアーゴムの混合物を5分混合する。それからAerosil380TM(シリカゲル)250gを、流展剤として混合物に加えそしてグルコースの源である米粉200kgをグルテンを含有していない充填剤として加える。それから混合物を15分撹拌する。最後にステアリン酸カルシウム100gを滑沢剤として混合物に加えそして混合物をさらに3分混合してバルク粉末を形成する。それから粉末をModel 8(Elanco)カプセル充填機を使用して、250mgの充填質量でサイズ1ゼラチンカプセルに封入する。
【0063】
実施例 2
本発明による生成物に対する他の適当な組成物は次の通りである。
Elorida Food ProductならびにAldrich Chemical CompanyおよびSigmaChemicalから入手できるガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミンおよびキシロースのそれぞれ25kgを、ステンレス鋼製リボンブレンダーに充填しそして5分混合する。それからAerosil380TM(シリカゲル)250gを流展剤として混合物に加えそしてグルコースの源である米粉200kgをグルテンを含有していない充填剤として加える。それから混合物を15分撹拌する。最後にステアリン酸カルシウム100gを、滑沢剤として混合物に加えそして混合物をさらに3分撹拌してバルク粉末を形成する。それから粉末をModel 8(Elanco)カプセル充填機を使用して、250mgの充填質量でサイズ#1ゼラチンカプセルに封入する。
【0064】
実施例 3
本発明によるバルク生成物に対する他の適当な組成物は次の通りである。記載した質量%は組成物の最終質量に基づくものである。
【表4】

【0065】
トラガカントゴムT/3およびガッチゴムNo.1は、何れも BallstonSpa, New YorkのAEP Colloidから入手できる木滲出液である。アラビノガラクタンはカラマツの木から得られそして Norwalk, ConnecticutのNorthAmerican Pharmacalから入手することができる。MANAPOL(R)はCarringtonLaboratories(Irving, Texas)から入手できる凍結乾燥したアロエベラエキスである。
【0066】
実施例 4
標準化検定
次の検定は本発明によって包含される糖の濃度を標準化する方法を記載する。
標準品:炭水化物標準品はすべて、Aldrich Chemical Company,Milwaukee, Wisconsinから入手することができる。
溶離剤:約17MOhmより大なるまたは約17MOhmに等しい抵抗性を有する脱イオン化(DI)水
試料の製造:2N弗化水素酸2mlをねじぶたのついたテフロン(登録商標)内張した10mlの試験管中の分析される試料10mgに加える。それから、試料を120℃で1時間インキュベートして単糖に加水分解する。過剰の試薬を空気の流れ下で除去しそして試料をDI水1mlに再懸濁する。
HPLC分析:分析977.20のAOAC公認法
【0067】
実施例 5
この実施例の食物サプリメント処方は、上記実施例によって大規模に製造した。Glyco-1と称されるこの処方は、以下に示した量で以下の成分を含有する。
【表5】

この組成物は上述したような局所および経口製剤に処方した。
【0068】
実施例 6
注意欠陥機能亢進障害の治療における薬物−誘発副作用の減少
ADHDに対するマニュアル第4版(DSM-IV)の定義。親がメチルフェニデートを与えなかった5人の子供(NO MED)。メチルフェニデートの2つの異なる使用量の1つの使用量を与えた研究における他の12人の子供、すなわち、(a)正規の規定された使用量を与えた6人の子供(MED)および (b)減少した使用量、すなわち正規の規定された使用量以下の使用量を与えた6人の子供(MED RED)。
評価手段は、DSM-IVにおけるADHDの評価尺度からなる:18の項目を疾患の程度に対して0−3の尺度で評価した。同じ尺度がDSM-IVに挙げられているOppositional Defiant Disorder(ODD)症状およびConductDisorder(CD)行動に対して構成されている。親および教師はそれぞれの評価において上記尺度を記入した。さらに親は子供に対する一般的健康項目を記入した。
【0069】
すべてのスクリーニング評価を記入した後、糖栄養生成物Glyco-1をすべての被試験者の食物に加えた(はじめの日に対して体重10ポンド当り1カプセルおよび研究の残りに対して体重20ポンド当り1カプセル)。2週間において、親および医師は別の評価尺度を
記入しそしてMED REDグループには、プロトコールにしたがって半分に減少された医薬を
与えた。3週間において、植物栄養物質(Phyto-1;1日当り5個)を、食物補充操作加えた。追加の評価尺度を5および6週間において記入した。
結果は、Glyco-1が既にメチルフェニデート単独によって得られた上記のADHD症候の改善以上の他の改善を与えないことを示した。しかしながら、Glyco-1を被試験者に投与した場合は、メチルフェニデートによって起こる副作用の統計学的に有意な減少が得られた。それ故に、全体的な健康の改善が達成される。
【0070】
実施例 7
Glyco-1によるアルコール中毒症の治療
この研究に使用されたGlyco-1カプセルは、実施例6によって製造した。この研究の目的は、アルコール中毒者における気分状態およびアルコールの欲求に対する食物糖栄養補充の有効性を評価するものである。
Litlle Rock, Arkansasの地方アルコール支持グループから2つのグループの被試験者、すなわち3人の回復するアルコール中毒者および2人の実際のアルコール中毒者を募集した。それぞれのアルコール中毒者は、アルコール依存症に対するDiagnostic and Statistical Manual 4th Ed.(DSM-IV)の基準を満たした。回復するグループにおいては、禁酒は2.5年〜6年11ヶ月に変化した。両方のグループにおいて、アルコール乱用の年数は15〜30年でありそして年令は33〜62である。
評価手段は0〜9に分類されるアルコールに対する欲求の自己評価尺度およびProfile of Mood States(POMS)からなる。POMSの65の項目は年数5つの尺度、すなわち、認識力、抑うつ、エネルギー、怒り/気分および前向きな態度に分類した。これらの評価は、糖栄養物質を摂取する前および再び5週間の研究の終わりに記入した。
糖栄養物質は次のようにしてそれぞれのアルコール中毒者の食物に加えた;はじめの日において体重10ポンド当り1カプセルおよびその後、試験の期間中体重20ポンド当り1カプセル。他の介入物は導入しなかった。
結果は、5人の被試験者の平均の初期アルコール欲求が統計学的に有意に減少されたことを示す。同様に結果は、すべての測定された気分状態において統計学的に有意な改善を示す。
【0071】
実施例 8
糖栄養物質による種々な疾患の治療
以下の表はGlyco-1を、単独でまたはPhyto-1、ヤマノイモ属コンプレックスを含有するGlyco-1およびPROFILETMの1種または2種以上と組み合わせて患者に投与した場合に得られた結果を要約する。以下に示した使用量において、Glyco-1および1種または2種以上のそれぞれのサプリメントの初期使用量を患者に与えた。
【表6】

Eは糖栄養物質を含有する局所ヒドロゲル処方を示す。
Fは糖栄養物質および薬草エキスを含有する経口用食物サプリメントを示す。
【0072】
それぞれの研究中、与えられた食物サプリメントレジメンの投与に対する患者の経過および栄養のまたは全体の健康応答を監視した。初期使用量によく応答しない患者に対しては、使用レジメンを変更しそして患者の経過を再び監視した。それぞれの場合において、適当な使用量におけるGlyco-1は、所定の患者の良好な全体の健康を促進するのに必要な
必須のサッカリドの栄養的に有効な量を与えるということに注目しなければならない。すなわち、本発明の糖栄養物質−含有食物サプリメントは、以下に示した疾患を治癒することを意図または明言するものでない。むしろ食物サプリメントは、患者自身の体をそれ自体治癒することを可能にするために患者に必須の糖栄養物質を与えるものである。
【0073】
【表7】

【0074】
【表8】

【0075】
【表9】

【0076】
要約すると、本発明は最適の良好な健康を促進および維持する食物サプリメントおよび栄養支持剤の分野に関するものである。さらに特に本発明は、正確に構成されたそしてそれ故に、適切に機能する糖タンパク質の製造に対して不可欠の食物サプリメントとしての炭水化物の組成物に関するものである。
科学者は最近、糖タンパク質はすべての細胞のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たすということを証明した。サイトカイン、すなわち細胞のこの語の多くは、結合したグリコシル部分なしには適切に機能しない。身体は植物の炭水化物のような複合多糖を種々な単糖に加水分解しそしてこれらをオリゴ糖に再構成する。それから、このオリゴ糖は細胞のコミュニケーションそしてその結果良好な健康のためにサイトカインにより要求される糖タンパク質を構築するために、身体によって使用される。
【0077】
本発明は、多くの必須の成分、特に正確に構成されたそして適切に機能する糖タンパク質に対して必要である糖が処理中に除去された、高度に精製された食品からなる現代の食物によって起こる問題を修正する。
上記説明は、本発明の特定の実施化の詳細な説明である。本発明の上記開示からみて、本発明の精神および範囲から離脱することなしに開示した実施化の明らかな変形をなし得ることは当業者に明らかである。開示されたこれらのすべては、本発明の開示からみて、不当な実験なしに実施することができる。本発明の範囲は、上記開示および均等な実施に明確に述べられている。本明細書は、本発明が受け得る保護範囲を不当にせばめるように解釈されるべきではない。
とくにことわらない限り、“a”および“an”なる用語は、“1”、“少なくとも1”または“1または2以上”を意味するものであることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1) マンノースが単独で存在する場合は、それは単量体の形態で存在し;そして
(2) アセチル化マンノースが単独で存在する場合は、それは単量体の形態で存在するということを条件として、食物サプリメントが、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、イズロン酸、アラビノガラクタンおよびアセチル化マンノースからなる群から選択された単量体、オリゴマーまたは重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態の少なくとも1種のサッカリドの栄養的に有効な量を含有することからなる哺乳動物における糖タンパク質の必須の成分である栄養生成物サッカリドを与える食物サプリメント。
【請求項2】
食物サプリメントが、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、イズロン酸、アラビノガラクタンおよびアセチル化マンノースからなる群から選択された単量体、オリゴマーまたは重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態の少なくとも2種のサッカリドの栄養的に有効な量を含有することからなる哺乳動物における糖タンパク質の必須の成分である栄養生成物サッカリドを与える食物サプリメント。
【請求項3】
食物サプリメントが、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、イズロン酸、アラビノガラクタンおよびアセチル化マンノースからなる群から選択された単量体、オリゴマーまたは重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態の少なくとも3種のサッカリドの栄養的に有効な量を含有することからなる哺乳動物における糖タンパク質の必須の成分である栄養生成物サッカリドを与える食物サプリメント。
【請求項4】
食物サプリメントが、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、イズロン酸、アラビノガラクタンおよびアセチル化マンノースからなる群から選択された単量体、オリゴマーまたは重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態の少なくとも4種のサッカリドの栄養的に有効な量を含有することからなる哺乳動物における糖タンパク質の必須の成分である栄養生成物サッカリドを与える食物サプリメント。
【請求項5】
食物サプリメントが、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、イズロン酸、アラビノガラクタンおよびアセチル化マンノースからなる群から選択された単量体、オリゴマーまたは重合体および誘導化されたまたは誘導化されない形態の少なくとも5種のサッカリドの栄養的に有効な量を含有することからなる哺乳動物における糖タンパク質の必須の成分である栄養生成物サッカリドを与える食物サプリメント。
【請求項6】
サッカリドが、トラガカントゴム、グアーゴム、穀類の粒粉、米粉、さとうきび、甜菜糖、馬鈴薯、ミルク、寒天、アルギン、イナゴマメゴム、事前子、イソドゴム、種子ゴム、カラマツの木の抽出液、アロエベラ抽出液、ガッチゴム、澱粉、セルロース、分解したセルロース、フラクトース、高フラクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アラビアゴム、アルギン酸、カラゲナン、デキストラン、キサンタンゴム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナ
ン、レバン、ヘミ−セルロース、インスリン、フラクタンおよびラクトースに存在するオリゴマーまたは重合体形態で与えられる請求項2、3、4または5記載の食物サプリメント。
【請求項7】
さらに、ヤマノイモ属コンプレックスの栄養的に有効な量を含有する請求項1、2、3、4または5記載の食物サプリメント。
【請求項8】
さらに熟成したそして凍結乾燥した粉末化した生の果実および野菜からなる混合物の栄養的に有効な量を含有する請求項1、2、3、4または5記載の食物サプリメント。
【請求項9】
さらにキサンチンおよび薬草のボディー−トニング剤の栄養的に有効な量を含有する請求項8記載の食物サプリメント。
【請求項10】
熟成したそして凍結乾燥したそして粉末化した生の果実および野菜からなる混合物がブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、人参、花キャベツ、にんにく、ケール、たまねぎ、パパイア、パイナップル、トマトおよびかぶを包含する請求項8記載の食物サプリメント。
【請求項11】
さらにベータシトステロールの栄養的に有効な量を含有する請求項7記載の食物サプリメント。
【請求項12】
さらにメラトニンの栄養的に有効な量を含有する請求項1、2、3、4または5記載の食物サプリメント。
【請求項13】
さらにサッカリド生物吸収助剤の有効な量を含有する請求項1、2、3、4または5記載の食物サプリメント。
【請求項14】
生物吸収助剤が大豆レシチンを包含する請求項13記載の食物サプリメント。
【請求項15】
さらにヤマノイモ属コンプレックスおよび熟成したそして凍結乾燥したそして粉末化した生の果実および野菜からなる混合物の栄養的に有効な量を含有する請求項1、2、3、4または5記載の食物サプリメント。
【請求項16】
さらに非毒性のビタミンおよび無機質の栄養的に有効な量を含有する請求項1、2、3、4または5記載の食物サプリメント。
【請求項17】
ビタミンがA、B1、B12、B2、B6、ベータ−カロテン、ビオフラバノイド、ビオチン、C、コリン、D、E、葉酸、イノシトール、K、ナイアシンアミド、パラアミノ安息香酸およびパントテン酸からなりそして無機質が硼素、カルシウム、銅、GTFクロム、沃素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、カリウム、セレン、珪素、バナジウム、亜鉛からなる請求項16記載の食物サプリメント。

【公開番号】特開2011−115177(P2011−115177A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−50908(P2011−50908)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2008−95695(P2008−95695)の分割
【原出願日】平成9年8月4日(1997.8.4)
【出願人】(500158557)マナテック・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】