説明

飲料ディスペンサーの冷却流体バスの撹拌を制御する方法及び装置

飲料ディスペンサーは、冷却流体を収容するチャンバを画成するハウジングを含む。ハウジング内に配置される冷凍ユニットが、蒸発コイルの周りに凍結冷却流体バンクが生じるように、冷却流体中に延びる蒸発コイルを含む。ハウジング内に配置される撹拌機が、冷却流体中に延びて、冷却流体を凍結冷却流体バンクの周りに循環させる。ハウジングに取り付けられた分与弁が、飲料ディスペンサーから飲料を分与する。ハウジング内に配置される電子制御システムが、撹拌機に撹拌機オン期間と撹拌機オフ期間とを繰り返させるように、撹拌機に接続される。撹拌機が撹拌機オン期間と撹拌機オフ期間とを繰り返すことにより、凍結冷却流体バンクの安定した成長を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料ディスペンサー(dispenser:分与装置)に関し、より詳細には、限定を目的とするものではないが、飲料ディスペンサーの冷却流体バス(bath;浴)の撹拌を制御する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品又は飲料のサービス施設で使用される一般的な形式の飲料ディスペンサーは、カウンター型電動式飲料ディスペンサー(counter electric drink dispenser)である。カウンター型電動式飲料ディスペンサーは、水バスの形態で冷却流体を収容する冷却チャンバを画成するハウジングを含む。ハウジングに取り付けられた分与弁が、シロップと真水(plain water)又は炭酸水とから飲料を調製するために、水バス内に配置されたシロップ配管と水配管(plain water line)又は炭酸水配管の一方とに連通する。ハウジング内に配置された冷凍ユニットが水バス中に延びる蒸発コイルを含み、冷凍ユニットの稼働により蒸発コイルの周りに氷のバンク(bank:貯蔵部)を作り出す。撹拌機が、水バス中に延び、水バス中の水を氷バンクの周りに循環させる。氷バンクが作り出されて水バス中の水が氷バンクの周りに循環すると、シロップ配管、水配管、及び炭酸水配管を流れるシロップ、真水、及び炭酸水を冷却するために、水バスを凍結状態に又はその近くに維持する。
【0003】
飲料を所望の飲料温度で又はそれ以下で分与するカウンター型電動式飲料ディスペンサーの能力は、シロップ配管、水配管、及び炭酸水配管を流れるシロップ、真水(plain water)、及び炭酸水と水バスとの熱伝導効率に依存し、これは、他方では、水バスを凍結状態に又はその近くに維持する氷バンクの可能性に依存する。水バスを凍結状態に又はその近くに維持する氷バンクの可能性は、大きさ及び形状の点からみれば氷バンクの安定性に関連する。あまりにも大きすぎるか又は形の崩れた氷バンクは、水バス中の水の流れを制限して、氷バンクによる水の冷却を弱める。あまりにも小さすぎる氷バンクは、水バス中の水を十分に冷却することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
氷バンクの安定性の要因は、水バス中の水を氷バンクの周りに適切に撹拌する撹拌機(agitator)にある。都合の悪いことに、撹拌機は典型的には所定の速度で連続的に作動するので、最適な撹拌を達成することが困難である。かかる作動は、エネルギーの浪費であり、しばしば氷バンクの安定性を達成できない。速度をより速くすると、良好な循環を達成するが、頻繁に氷バンクを洗い流して、これをあまりにも小さくさせるか又は氷バンクの形を崩れさせる。速度をより遅くすると、洗い流されることはないが、氷バンクの過度の成長又は形の崩れた成長や結果として生じる問題を通常防止することができない。既存の解決策は、カウンター型電動式飲料ディスペンサーの稼働条件に応じて、異なる速度で撹拌機を作動させることが含まれる。これは、所定の速度よりも氷バンクの安定性を向上させるが、上記解決策は未だ撹拌機の連続的な作動に伴うエネルギーの不効率に直面する。
【0005】
それ故、エネルギー効率を向上させながら氷バンクの安定性を達成する方法及び装置が、カウンター型電動式飲料ディスペンサーに改善をもたらすであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、飲料ディスペンサーに取り入れられる方法及び装置は、凍結冷却流体バンクが安定した成長を達成するように、冷却流体バスの撹拌を制御する。本発明を具現化する飲料ディスペンサーは、冷却流体を収容するチャンバを画成するハウジングを含む。冷凍ユニットがハウジング内に配置される。冷凍ユニットは、凍結冷却流体バンクが蒸発コイルの周りに生じるように、冷却流体中に延びる蒸発コイルを含む。撹拌機がハウジング内に配置される。撹拌機は、冷却流体中に延びて、冷却流体を凍結冷却流体バンクの周りに循環させる。ハウジングに取り付けられた分与弁が、飲料ディスペンサーから飲料を分与する。
【0007】
本発明の方法及び装置は、ハウジング内に配置された電子制御システムを介して実施される。電子制御システムは、撹拌機に撹拌機オン期間(agitator on period)と撹拌機オフ期間(agitator off period)とを繰り返させるように、撹拌機に接続される。電子制御システムは、撹拌機オン期間の開始時に撹拌機を作動(activate)させ、撹拌機オン期間の終わりに撹拌機の作動を停止(deactivate)させる。電子制御システムは、撹拌機オフ期間の間、撹拌機を作動停止状態に維持する。
【0008】
電子制御システムは、撹拌機オン期間の間、分与弁の作動(activation)に応答して撹拌機オン期間を再始動させる。電子制御システムは、現行の(current)撹拌機オン期間の時間切れ前に、既に作動した分与弁が再作動すると、撹拌機オン期間を再始動させる。電子制御システムは、また、現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に、異なる分与弁の作動に応答して撹拌機オン期間を再始動させる。更に、電子制御システムは、撹拌機オフ期間の間、分与弁の作動に応答して撹拌機オン期間を始動させる。
【0009】
飲料ディスペンサー中の冷却流体バスの撹拌を制御する方法は、撹拌機が撹拌機オン期間と撹拌機オフ期間とを繰り返す。具体的には、撹拌機が作動して、撹拌機オン期間が開始される。撹拌機オン期間の時間切れ時に、撹拌機は作動を停止して、撹拌機オフ期間が開始される。撹拌機オフ期間の間、撹拌機はオフのままである。撹拌機オフ期間の時間切れ時に、撹拌機が再作動して、上記サイクルが繰り返される。
【0010】
分与弁は作動が監視される。撹拌機オン期間の間、撹拌機は作動状態にあり、撹拌機オン期間が分与弁の作動に応答して再開される。現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に、既に作動した分与弁が再作動すると、撹拌機は作動状態にあり、撹拌機オン期間が再開される。現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に、異なる分与弁が作動すると、撹拌機は作動状態にあり、撹拌機オン期間が再開される。撹拌機オフ期間中は、分与弁の作動に応答して撹拌機が作動し、撹拌機オン期間が開始される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】撹拌機を含む飲料ディスペンサーの作動を制御する電子制御システムを組み込んだ飲料ディスペンサーを示す斜視図である。
【図2】撹拌機を含む飲料ディスペンサーの作動を制御する電子制御システムを組み込んだ飲料ディスペンサーを示す正面図である。
【図3】電子制御システムによって実行される制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
必要に応じて、本発明の詳細な実施例を本明細書に開示する。しかし、当然のことながら、開示される実施例は、様々な形態で具体化され得る本発明の単なる例示にすぎない。更に当然のことながら、図面は必ずしも縮尺通りではなく、一部の特徴を誇張して特定の構成要素又はステップの詳細を示すことがある。好ましい実施例が説明されているが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、細部を変更することが可能である。
【0013】
図1、図2は、電子制御システム11を組み込んだ飲料ディスペンサー10を示し、電子制御システムは、撹拌機12を含む飲料ディスペンサー10の作動を制御する。好ましい実施例において、飲料ディスペンサー10は、カウンター型電動式飲料ディスペンサーであり、分与される飲料を冷却する機械的手段を用いる任意の飲料ディスペンサーとして定義される。かかる飲料ディスペンサーの大きさ、形状、及び個々の構成要素は、ユーザーの要求に応じて変化するであろう。これに応じて、好ましい実施例は飲料ディスペンサーの必要条件に基づいて限定されるものではなく、分与される飲料を冷却する機械的手段を含む任意の飲料ディスペンサーが、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0014】
本発明を開示及び解説するために、飲料ディスペンサー10について本明細書により詳細に説明する。それでもなお、本発明は開示される飲料ディスペンサー10の細目に限定されるものではない。飲料ディスペンサー10は、水バスの形態で冷却流体を収容するチャンバ14を画成するハウジング13を含む。ハウジング13はチャンバ14にぴったり合うカバー15を含む。分与弁16がハウジング13に取り付けられている。チャンバ14内に配置されたシロップ配管が、それぞれ、入口端部でシロップ供給源に及び出口端部で各分与弁16に連通しており、シロップ配管の本数は分与弁16の個数に対応する。チャンバ14内に配置された炭酸水配管が、入口端部で炭酸化装置と、出口端部で各分与弁16に炭酸水を送給するマニホールドとに連通しており、炭酸水を受け入れる分与弁の個数は飲料ディスペンサー10から分与される炭酸飲料の数に対応する。炭酸化装置は、二酸化炭素ガスの供給源及び真水の供給源に接続する。
【0015】
チャンバ14内に配置された水配管が、入口端部で真水の供給源と、出口端部で各分与弁16に真水を送給するマニホールドとに連通しており、真水を受け入れる分与弁の個数は飲料ディスペンサー10から分与される炭酸飲料の数に対応する。水配管は、また、炭酸化装置がチャンバ14内にある場合、水を炭酸化装置に供給してもよい。各分与弁16は、飲料ディスペンサー10から分与される飲料を調製するために、シロップと炭酸水及び真水の一方とを受け入れる。飲料ディスペンサー10が後混合ディスペンサーとして説明されているが、当然のことながら、飲料ディスペンサー10は前混合ディスペンサーであってもよい。
【0016】
冷凍ユニット17が、デッキ18の上に存在し、同様に、ハウジング13内に配置される。冷凍ユニット17は、チャンバ14内に収容された水バスに延びるデッキ18の下方に蒸発コイル19を含む。冷凍ユニット17が稼働すると、蒸発コイル19の周りに氷バンクを作り出す。撹拌機12は、デッキ18の上に取り付けられて水バス中に延び、水バス中の水を氷バンクの周りに循環させる。氷バンクが作り出されて水バス中の水が氷バンクの周りに循環すると、シロップ配管、水配管、及び炭酸水配管を流れるシロップ、真水、及び炭酸水を冷却するために、水バスを凍結状態に又はその近くに維持する。
【0017】
電子制御システム11は、デッキ18の上に取り付けられ、飲料ディスペンサー10の作動を監視及び制御するために、飲料ディスペンサー10の構成要素と電気接続する。一例を挙げると、電子制御システム11は、電気コネクター25を介して分与弁16と電気接続して、分与弁16の作動及びその停止を監視及び制御する。電子制御システム11は、更に、撹拌機12の作動を制御するために撹拌機12と電気接続する。好ましい本実施例において、電子制御システム11は、撹拌機12の作動を含む飲料ディスペンサーの全ての作動を制御する。かかる電子制御システムは、マイクロコントローラ及び関連する電気回路の他に、マイクロコントローラが飲料ディスペンサーの作動を監視及び指令するのに必要な電気接続及びセンサーを含むであろう。にもかかわらず、当然のことながら、専用の独立したマイクロコントローラ、関連する電気回路、電気接続、及びセンサーを利用して、撹拌機12を制御してもよい。
【0018】
電子制御システム11は、撹拌機オン期間と撹拌機オフ期間とからなる撹拌機12のサイクル時間を制御する。撹拌機オン期間の間、電子制御システム11は、典型的には撹拌機12を「目いっぱい」に(at“full on”)に作動させ、これにより水バスを激しく撹拌する。にもかかわらず、当然のことながら、飲料ディスペンサー10が作動する条件に応じて、撹拌機12は「目いっぱい」よりも遅い速度で作動してもよい。サイクル時間の長さ、並びに、サイクル時間中の撹拌機オン期間の長さ及び撹拌機オフ期間の長さは、予め定められており、飲料ディスペンサー10が作動する条件、例えば、温度の他に、水バス及び冷凍ユニット17の大きさ等の本発明を利用する飲料ディスペンサー10の特性などの条件に依存する。
【0019】
1分の撹拌機オン期間及び13分半の撹拌機オフ期間を有する14分半のサイクル時間により、本発明の殆どの応用において氷バンクの安定性を達成することが判明した。しかし、当然のことながら、氷バンクの安定性を達成するに必要などのような時でも、サイクル時間とサイクル時間内での撹拌機のオン/オフ期間の長さとを設定することができる。一例を挙げると、撹拌機オン期間の長さは、撹拌機オフ期間の長さと同じであっても又はこれよりも短くても長くてもよい。
【0020】
撹拌機12が撹拌機オフ期間中に「オフ」に及び撹拌機オン期間中に「オン」に作動していると、電子制御システム11は氷バンクの大きさ及び安定性を最適にする。撹拌機オフ期間には、氷バンクが水バスから氷バンクへの熱伝導を最適化するに十分な大きさであるように、氷バンクは成長可能である。撹拌機オン期間には、水バスから氷バンクへの最適な熱伝導が発生するように、撹拌機12は水バス中の水を十分な激しさで氷バンクの周りに循環させる。従って、水バスの十分な撹拌により、シロップ配管、水配管、及び炭酸水配管を流れるシロップ、真水、及び炭酸水を効果的且つ効率的に更に冷却できるようにしながら、撹拌機12がオン・オフを繰り返すことによって、大きさと形状に関して氷バンクの最適な成長を促す。
【0021】
図3は、撹拌機12を制御する際に電子制御システム11により実行される制御ルーチンの一例を示す。飲料ディスペンサーの稼働開始後、電子制御システム11は、ステップ20に進み、撹拌機12を作動させると同時に、撹拌機オン期間タイマー(agitator on period timer)を始動させる。電子制御システム11は、ステップ21に進み、撹拌機オン期間が時間切れになったかどうかを決定する。撹拌機オン期間が時間切れになっていないならば、電子制御システム11はステップ21に止まる。
【0022】
撹拌機オン期間が時間切れになったと電子制御システム11が決定すると、電子制御システム11は、ステップ22に進み、撹拌機12の作動を停止させると同時に、撹拌機オフ期間タイマー(agitator off period timer)を始動させる。電子制御システム11は、ステップ23に進み、撹拌機オフ期間が時間切れになったかどうかを決定する。撹拌機オフ期間が時間切れになっていないならば、電子制御システム11はステップ23に止まる。撹拌機オフ期間が時間切れになったと電子制御システム11が決定すると、電子制御システム11は、ステップ20に戻ってプログラムのステップを繰り返す。
【0023】
撹拌機12の制御の更なる特徴は、弁の作動中における撹拌機12の始動にある。ステップ21において、電子制御システム11は分与弁16を監視する。電子制御システム11がステップ21を実行している間に、分与弁16の1つ又は2つ以上が作動すると、電子制御システム11は、直ちにステップ21を終了させてステップ20に進む。ステップ20の時点で、電子制御システム11は、撹拌機12の作動を継続して、撹拌機オン期間タイマーを再始動させる。撹拌機オン期間タイマーを再始動させた後、電子制御システム11は、ステップ21に進み、撹拌機オン期間タイマーを監視する。
【0024】
電子制御システム11がステップ21を実行している間に、既に作動した(activated)分与弁16又は異なる分与弁16の1つが作動すると、電子制御システム11は、再度直ちにステップ21を終了させてステップ20に進み、上述のような作動を行う。それに応じて、撹拌機オン期間の時間切れ前に、既に作動した分与弁16が再作動するか、或いは、新たな分与弁16が作動するならば、電子制御システム11は撹拌機12を始動させる。既に作動した分与弁16の再作動又は新たな分与弁16の作動無しに、撹拌機オン期間が時間切れになると、電子制御システム11は、ステップ22に進み、前述のような作動を行う。
【0025】
更に、電子制御システム11は、ステップ23において、分与弁16を監視する。電子制御システム11がステップ23を実行している間に、分与弁16の1つ又は2つ以上が作動すると、電子制御システム11は、直ちにステップ23を終了させてステップ20に進む。ステップ20の時点で、電子制御システム11は、撹拌機12を作動させて、撹拌機オン期間タイマーを始動させる。撹拌機オン期間タイマーを初期化した後、電子制御システム11は、ステップ21に進み、撹拌機オン期間タイマーを監視する。それに応じて、1つ又は2つ以上の分与弁の作動に応答して、電子制御システム11は撹拌機12を直ちに始動させる。
【0026】
図3に例示された制御ルーチンの一例は氷バンクの大きさ及び安定性を最適にするが、当然のことながら、ルーチンは飲料ディスペンサーの操作条件に基づいて修正してもよく、かかる修正点は本発明の範囲内にある。説明に役立つ例として、例えば昼食で込み合う等の一日のうちで利用者が最大になる利用時間中は、撹拌機オン期間を長くして撹拌機オフ期間を短くする必要があるかも知れない。電子制御システム11は一日の時間を監視して、一日のうちで利用者が最大になる利用時間帯の丁度前に、電子制御システム11は、通常の撹拌機オン期間よりも撹拌機オン期間を長くさせ、そして、通常の撹拌機オフ期間よりも撹拌機オフ期間を短くさせるであろう。一日のうちで利用者が最大になる利用時間が終わると、電子制御システム11は、通常の撹拌機オン期間及び通常の撹拌機オフ期間に戻すであろう。
【0027】
或いは、外気温が高ければ、日中の需要を満たすためにより大きな氷バンクを夜間に作り出す必要があるかも知れない。電子制御システム11は一日の時間を監視して、夜間のある時間に、電子制御システム11は、通常の撹拌機オン期間よりも撹拌機オン期間を短くさせ、そして、通常の撹拌機オフ期間よりも撹拌機オフ期間を長くさせるであろう。朝には、電子制御システム11は、通常の撹拌機オン期間及び通常の撹拌機オフ期間に戻すであろう。
【0028】
以上の実施例に基づいて本発明を説明してきたが、かかる説明は例示のためにすぎず、当業者には明らかであろうが、多くの変更点、均等物、及び様々な程度の相違が、本発明の範囲にあるであろう。従って、その範囲は、いかなる点も先行する説明により限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却流体バスの撹拌を制御する制御装置を含む飲料ディスペンサーであって、
冷却流体を収容するチャンバを画成するハウジングと、
ハウジング内に配置され、且つ、冷却流体中に延びる蒸発コイルを含むと共に蒸発コイルの周りに凍結冷却流体バンクを形成するように構成された冷凍ユニットと、
ハウジング内に配置され、冷却流体中に延びると共に冷却流体を凍結冷却流体バンクの周りに循環させるように構成された撹拌機と、
ハウジング内に配置され、撹拌機に接続されると共に撹拌機に撹拌機オン期間と撹拌機オフ期間とを繰り返させる電子制御システムと、を含む飲料ディスペンサー。
【請求項2】
前記ハウジングに取り付けられ飲料を分与するように構成される複数の分与弁を更に含む請求項1に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項3】
前記電子制御システムが撹拌機オン期間中に分与弁の作動に応答して撹拌機オン期間を再始動させる請求項2に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項4】
現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に既に作動した分与弁が再作動される場合に前記電子制御システムが撹拌機オン期間を再始動させる請求項3に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項5】
現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に前記電子制御システムが異なる分与弁の作動に応答して撹拌機オン期間を再始動させる請求項3に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項6】
前記電子制御システムが撹拌機オフ期間中に分与弁の作動に応答して撹拌機オン期間を始動させる請求項2に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項7】
前記電子制御システムが撹拌機オン期間の開始時に撹拌機を作動させ撹拌機オン期間の終わりに撹拌機の作動を停止させる請求項1に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項8】
前記電子制御システムが撹拌機オフ期間中に撹拌機を作動停止状態に維持する請求項7に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項9】
撹拌機オン期間と撹拌機オフ期間とからなるサイクル時間に従って前記電子制御システムが撹拌機を連続的に制御する請求項1に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項10】
前記電子制御システムが撹拌機オン期間中に撹拌機を作動させ、撹拌機オフ期間中に撹拌機の作動を停止させる請求項9に記載の飲料ディスペンサー。
【請求項11】
飲料ディスペンサーの冷却流体バスの撹拌を制御する制御方法であって、
撹拌機オン期間中に撹拌機を作動させるステップ、及び
撹拌機オフ期間中に撹拌機の作動を停止するステップを含む、制御方法。
【請求項12】
前記撹拌機が撹拌機オン期間と撹拌機オフ期間とを連続的に繰り返すステップを更に含む請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
複数の分与弁の1つの作動を監視するステップを更に含む請求項11に記載の制御方法。
【請求項14】
撹拌機オン期間中に分与弁の作動に応答して撹拌機オン期間を再開するステップを更に含む請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に既に作動した分与弁が再作動する場合に撹拌機オン期間を再開するステップを更に含む請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に異なる分与弁が作動する場合に撹拌機オン期間を再開するステップを更に含む請求項14に記載の制御方法。
【請求項17】
撹拌機オフ期間中に分与弁の作動に応答して撹拌機オン期間を開始するステップを更に含む請求項13に記載の制御方法。
【請求項18】
飲料ディスペンサーの冷却流体バスの撹拌を制御する制御方法であって、
a.撹拌機を作動するステップ、
b.撹拌機オン期間を開始するステップ、
c.撹拌機オン期間の時間切れの時に撹拌機の作動を停止するステップ、
d.撹拌機オフ期間を開始するステップ、
e.撹拌機オフ期間中に撹拌機を作動停止状態に維持するステップ、及び
f.撹拌機オフ期間の時間切れの時に前記ステップaに戻るステップ、を含む制御方法。
【請求項19】
複数の分与弁の1つの作動を監視するステップを更に含む請求項18に記載の制御方法。
【請求項20】
撹拌機オン期間中に分与弁の作動に応答して前記ステップbに戻るステップを更に含む請求項19に記載の制御方法。
【請求項21】
現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に既に作動した分与弁が再作動される場合に前記ステップbに戻るステップを更に含む請求項20に記載の制御方法。
【請求項22】
現行の撹拌機オン期間の時間切れ前に異なる分与弁が作動する場合に前記ステップbに戻るステップを更に含む請求項20に記載の制御方法。
【請求項23】
撹拌機オフ期間中に分与弁の作動に応答して前記ステップaに戻るステップを更に含む請求項19に記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−500761(P2012−500761A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524975(P2011−524975)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/004755
【国際公開番号】WO2010/024864
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(501011048)ランサー・パートナーシップ・リミテッド (25)
【Fターム(参考)】