説明

飲料分与ノズルのための方法及び装置

少なくとも1つの流れ指向器を備えた低流量で分与する飲料分与ノズルのための方法及び装置。第1の実施の形態において、少なくとも1つの流れ指向器を備えた単一風味剤飲料分与ノズルが、流れを分割して、流体の流れの横断面面積を縮小し、製品を強制的に下方へ移動させる。第2の実施の形態では、飲料分与ノズルの環状チャンネルに少なくとも1つの流れ指向器を追加して、既存の飲料分与ノズルの改良を提供する。環状チャンネルに少なくとも1つの流れ指向器を追加することによって、流出する製品の速度成分を大きくさせて、より少ない流量で製品分与能力を有する飲料分与ノズルを提供する。流出する製品は、この時飲料分与ノズルから分離するに十分なエネルギーを持つ。また、少なくとも1つの流れ指向器を備えた飲料分与ノズルを使用する方法が提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料分与ノズルに関し、より具体的には、限定されるものではないが、少流量用途に媒体を分与する際に使用される飲料分与ノズルに関する。更に実施の形態としては、飲料風味剤を混ぜ合わせることなく、1つのノズルから風味添加剤を分与すること及び多風味飲料を分与することを含む。
【背景技術】
【0002】
食品及び飲料サービス業界では、カウンタスペースの価値が非常に高い。そのような状況において、風味添加剤を含む飲料の多風味剤を1つのノズルから分与することによりカウンタトップのディスペンサに要するスペースを極力小さくすることが望ましい。多風味剤分与ノズルに関連した問題としては、シロップの残留、適切な混合及び過剰な泡立ちという問題が挙げられる。特許文献1〜3には、これらの問題を解決する多風味剤ノズルが開示されている。これらの多風味剤ノズルは大量の飲料を分与する顧客に利用されるように設計されており、そのため、標準的に仕上げられたものより飲料の流量が多くなる。引用の特許文献1〜3の設計は、上述の問題に対処するものであるが、中低量の飲料を分与する顧客に対してより少ない流量で製品を供給する点に関連した問題に対処するものではなかった。更に、中低量の顧客は、需要を満たすため多風味剤飲料分与ノズルを必要としないかも知れない。
【特許文献1】米国特許第6,098,842号明細書
【特許文献2】米国特許第6,047,859号明細書
【特許文献3】米国特許第6,345,729号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より少ない流量では、異なったシステムの動力学に起因した問題が生じ、不規則なパターンで所定の流れではない製品の流れがノズルから流れ出る。視覚的には、製品の流れにおける水の部分は、水がノズルから一方の側へ流出している。この一定の方向に流れる効果(training effect)は、流れシステムのエネルギーが、より少ない流量システムにおける混合流体の表面張力特性に打ち勝たない時に出現する。この種の問題は、美学的な機能を果たすだけでなく適正な混合を確保するように、正されなければならない。
より少ない流量ノズルに関する第二の問題点は、ノズルの下側から離れる時の水の表面張力である。より少ない流量システムでは、水の付着特性が分与終了時に優勢になり、その際混合流体がノズルの下側に付着して離れなくなる。混合流体ポート及びシロップポートの双方に接触するノズル下側への液体の付着は、分与された飲料の変色及び不快味だけでなく、異なった種類の製品を混ぜ合わせる道をも創り出す。それ相応に、より少ない製品流量で作動する飲料分与ノズルは、中低量の飲料を分与する顧客に使用するのに有効であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの流れ指向器(flow director)を備えた飲料分与ノズルのための方法及び装置は、飲料製品がより少ない流量で分与されることを可能にする。第1の実施の形態において、少なくとも1つの流れ指向器を備えた単一風味剤飲料分与ノズルは、流れを分割して縮小された横断面面積をもたらす。ノズルのキャビティが満たされると、製品は強制的に流れ指向器チャンネルを下向きに移動させられる。また、少なくとも1つの流れ指向器を備えた飲料分与ノズルを使用する方法も提供される。
第2の実施の形態では、多風味剤飲料分与ノズルの環状チャンネルに少なくとも1つの流れ指向器を追加して、既存の飲料分与ノズルの改良を提供する。環状チャンネルに少なくとも1つの流れ指向器を追加することによって、流出する製品の速度成分を大きくさせて、より少ない流量で製品分与能力を有する飲料分与ノズルが提供された。流出する製品は、この時十分なエネルギーを持ち、飲料分与ノズルから分離する。また、少なくとも1つの流れ指向器を備えた飲料分与ノズルを使用する方法も提示される。
【0005】
従って、本発明の目的は、より少ない流量での使用に好適な飲料分与ノズルを提供することにある。更に、本発明の目的は、飲料分与ノズルから流出する製品に増大した速度成分を提供することにある。更にまた、本発明の目的は、飲料分与ノズル内の製品の流れを分割することにある。なお更に、本発明の目的は、飲料分与ノズルから流出する流体の視覚的に許容できる流れを提供することにある。なお、本発明の他の目的、特徴及び利点は、当業者ならば以下の説明に照らして明らかになるであろう。また、本発明の範囲は広くあるべきことを意図するものであって、本明細書に記載された特徴、要素又は工程のあらゆる一部のいかなる組合せも、意図する本発明の範囲の一部であることが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
必要に応じて、本発明の詳細な実施の形態が本明細書に開示されている。しかし、開示された実施の形態は、本発明の典型的な例にすぎず、各種の形態で具体化され得ることを理解すべきである。更に、図面は必ずしも縮尺通りになっておらず、幾つかの特徴は誇張されて特定の構成要素又は工程の詳細を示しているかも知れないことを理解すべきである。
その開示が本明細書に援用される前記特許文献1〜3には、最大5オンス/秒の多流量で飲料濃縮物を混合流体と混合するように、設計されたノズルが開示されている。開示された従来の飲料分与ノズルの重要な特徴は、飲料シロップを環状に排出させる点にあり、環状に排出された混合流体が分与ノズル下方の空中で飲料シロップと接触する。飲料シロップ及び混合流体の環状排出形状は、2つの流れ間に接触表面積を著しく増大させ、より効果的な混合が得られる。本発明の実施の形態は、ノズルの作動範囲を拡大することによって、開示された従来のノズルをより一層改良するものであり、飲料分与ノズルを多流量用途のみならず少流量用途での使用にも好適にする。本発明の更なる実施の形態では、単一風味剤飲料分与ノズル及び製品風味付け分与を含む。
【0007】
図1に示されるように、飲料分与ノズル300の第1の実施の形態では、1つのシロップ流路309及び1つの混合流体流路302を有する本体301を含む。シロップ流路309は、シロップ入口ポート303、シロップ出口ポート304及び飲料シロップ・チャンネル305を有する。混合流体流路302は、混合流体入口ポート306、混合流体出口ポート307、及びシロップ流路309の周囲に配置された混合流体チャンネル308を有する。混合流体チャンネル308は、更に、混合流体の速度を増大させる少なくとも1つの流れ指向器(flow director)310を有する。混合流体の流れ動力学の制御を高めるために、複数の流れ指向器310を使用することができる。流れ指向器310は、大きな混合流体チャンネル308の下部を、流れ指向器チャンネル312として公知である少なくとも1つのより小さなチャンネルに分割する。
【0008】
作動時には、飲料シロップが飲料分与ノズル300の飲料シロップ入口ポート303に供給され、混合流体が混合流体入口ポート306に供給される。その際、飲料シロップは、飲料シロップ入口ポート303から、ノズル300に配置された飲料シロップ・チャンネル305を経由して、飲料シロップ出口ポート304に供給される。飲料シロップは、その後、飲料シロップ出口ポート304から排出される。混合流体は、混合流体入口ポート306から、シロップ流路309を取り囲む混合流体チャンネル308に供給される。混合流体チャンネル308の内部に流入すると、混合流体は、その中において少なくとも1つの流れ指向器310を通過しながら、混合流体出口ポート307に向かって流れる。少なくとも1つの流れ指向器310に達すると、混合流体は縮小された横断面流れ面積と流入する混合流体の水圧とにより押し進められるので、混合流体の下向きの速度成分が大きくなる。混合流体は、その後、混合流体出口ポート307から排出されて、流出した飲料シロップと接触する。
【0009】
図2に示されるように、飲料分与ノズル300に流れ指向器を用いる方法は、ステップ80が開始し、飲料シロップを飲料分与ノズル300の飲料シロップ入口ポート303に供給する。次いで、混合流体が飲料分与ノズル300の混合流体入口ポート306に供給される(ステップ81)。ステップ82において、飲料シロップが、飲料シロップ入口ポート303から、飲料分与ノズル300の内部に配置されたシロップ流路309を経由して、飲料シロップ排出ポート304に供給される。本方法はステップ83を継続し、混合流体が、混合流体入口ポート306から、飲料シロップ流路309を取り囲む混合流体チャンネル308に供給される。ステップ84では、飲料シロップを飲料シロップ排出ポート304から排出する。混合流体の速度は、ステップ85に示されるように、流れ指向器チャンネル312内の流れ指向器310を通過する際に高められる。ステップ86において、混合流体が、飲料分与ノズル300から排出されて、流出した飲料シロップと混合する。
【0010】
第2の実施の形態において、前記引用の米国特許に開示されたノズルの特徴を示す飲料分与ノズル10には少なくとも1つの流れ指向器200が備え付けられ、ノズル10をより少ない流量で作動させることが可能である。図3〜7に示されるように、ノズル10は、キャップ部材11と、O−リング12と、複数のガスケット13〜15と、内側ハウジング16と、第一の環状体すなわち外側環状体17と、第二の環状体すなわち中間環状体18と、第三の環状体すなわち内側環状体19と、外側ハウジング20とを備える。内側ハウジング16は、チャンバ40を画定し、チャンバ40への開口部44を有する。内側ハウジング16は、チャンバ40と連通してそれぞれ複数の導管45〜47に通じる複数のキャビティ41〜43を有する。導管45〜47は同心状に隔てられ、即ち、導管47が最も内側にあり、導管45が中間にあり、導管46が最も外側にある(図3〜7参照)。導管45〜47は同心状に隔てられているので、飲料シロップは3つの別々の地点からチャンバ40に流入することができる。チャンバ40を画定する内側ハウジング16の内壁は、複数の階段48〜51を有する。
【0011】
第一の即ち外側環状体17は、上部部材52及び排出部材53を有する。第一の即ち外側環状体17は内側ハウジング16のチャンバ40内に嵌合して、上部部材52の一部が階段49に係合する。上部部材52の当該部分は階段49に圧入しても、あるいは接着剤を用いて上部部材52の当該部分を階段49に固着してもよい。第一の即ち外側環状体17及び階段48を画定する内側ハウジング16の内壁は、内側ハウジング16の導管46に接続する第一飲料シロップ・チャンネル54を形成する。第一飲料シロップ・チャンネル54は、大量の飲料シロップが排出中に第一の即ち外側環状体17の周りに均一に流れることを保証する。排出部材53は、複数の排出チャンネル55を有し、排出部材53が内側ハウジング16に対してその内壁下部内に実質的に存在する大きさとされているから、飲料シロップを排出する際に、第一飲料シロップ・チャンネル54を補助する。排出部材53は、制限された流れで飲料シロップを排出するように作動して、飲料シロップが飲料分与ノズル10から流出する時、飲料シロップの均一な分布を保証し、これにより、同様に飲料分与ノズル10から流出する混合流体と接触する表面積を最大にする。
【0012】
第二の即ち中間環状体18は、上部部材56及び排出部材57を有する。第二の即ち中間環状体18は第一の即ち外側環状体17内に嵌合して、上部部材56の一部が階段50に係合する。上部部材56の当該部分は階段50に圧入しても、あるいは接着剤を用いて上部部材56の当該部分を階段50に固着してもよい。第二の即ち中間環状体18と第一の即ち外側環状体17の内壁とは、内側ハウジング16の導管45に接続する第二飲料シロップ・チャンネル58を形成する。第二飲料シロップ・チャンネル58は、大量の飲料シロップが排出中に第二の即ち中間環状体18の周りに均一に流れることを保証する。排出部材57は、複数の排出チャンネル59を有し、排出部材57が第一の即ち外側環状体17の内壁下部内に実質的に存在する大きさとされているから、飲料シロップを排出する際に、第二飲料シロップ・チャンネル58を補助する。排出部材57は、制限された流れで飲料シロップを排出するように作動し、飲料シロップが飲料分与ノズル10から流出する時、飲料シロップの均一な分布を保証し、これにより、同様に飲料分与ノズル10から流出する混合流体と接触する表面積を最大にする。
【0013】
第三の即ち内側環状体19は、固着部材60、中間部材61及び排出部材62を有する。中間環状体19は中間環状体18内に嵌合して、固着部材60が、内側ハウジング16の開口部44から突出し、開口部44を画定する内側ハウジング16の内壁に係合する。固着部材60は開口部44を画定する内側ハウジング16の内壁に圧入しても、あるいは、接着剤を用いて開口部44を画定する内側ハウジング16の内壁に固着部材60を固着させてもよい。第三の即ち内側環状体19、階段51、及び第二の即ち中間環状体18の内壁は、内側ハウジング16の導管47に接続する第三飲料シロップ・チャンネル64を形成する。第三飲料シロップ・チャンネル64は、大量の飲料シロップが排出中に第三の即ち内側環状体19の周りに均一に流れることを保証する。排出部材62は、複数の排出チャンネル63を有し、排出部材62が第二の即ち中間環状体18の内壁下部内に実質的に存在する大きさとされているから、飲料シロップを排出する際に、第三飲料シロップ・チャンネル64を補助する。排出部材62は、制限された流れで飲料シロップを排出するように作動し、飲料シロップが飲料分与ノズル10から流出する時、飲料シロップの均一な分布を保証し、これにより、同様に飲料分与ノズル10から流出する混合流体と接触する表面積を最大にする。
【0014】
キャップ部材11は、これを貫通するそれぞれの接続導管37〜39を介して、それぞれの飲料シロップ出口ポート24〜26と連通する複数の飲料シロップ入口ポート21〜23を備える。飲料シロップ出口ポート24〜26は、内側ハウジング16のそれぞれのキャビティ41〜43内にスナップ嵌合して、内側ハウジング16をキャップ部材11に固着する。ガスケット13〜15は、それぞれの飲料シロップ出口ポート24〜26の周りに嵌合して流体をシールし、キャップ部材11への内側ハウジング16の固着に役立つ。内側ハウジング16をキャップ部材11に固着した状態で、飲料シロップ入口ポート21と、導管37と、飲料シロップ出口ポート24と、キャビティ41と、導管46と、排出チャンネル59を有する第一飲料シロップ・チャンネル54とを含む飲料シロップ経路が形成される。飲料シロップ入口ポート22と、導管38と、飲料シロップ出口ポート25と、キャビティ42と、導管45と、排出チャンネル55を有する第二飲料シロップ・チャンネル58とを含む飲料シロップ経路、及び、飲料シロップ入口ポート23と、導管39と、飲料シロップ出口ポート26と、キャビティ43と、導管47と、排出チャンネル63を有する第三飲料シロップ・チャンネル64とを含む経路も形成される。
【0015】
キャップ部材11は、これを貫通する接続導管28を介して、複数の混合流体出口ポート66〜68と連通する複数の混合流体入口ポート27を備える。混合流体出口ポート66〜68は、好ましい本実施の形態では、キャップ部材11内に均等に間隔があけられ、キャップ部材11の一部によって画定された環状のキャビティ36と連通して、環状のキャビティ36の全外周に沿って混合流体を供給する。以上のような次第ではあるが、当業者ならば、単なる水等のその他の混合流体も使用可能であることが認識されよう。更に、好ましい実施の形態では、飲料シロップと炭酸水又は単なる水等の混合流体とから飲料の生成について開示しているけれど、当業者ならば、飲料シロップに代えて、炭酸水又は単なる水等の混合流体を上述のような飲料経路から別々に分与してもよいことが認識されよう。
【0016】
外側ハウジング20は、流体をシールし、かつキャップ部材11への内側ハウジング16の固着に役立つO−リング12を備えた、キャップ部材11を被うようにスナップ嵌合する。外側ハウジング20は、その出口端に内側に延びるリップ部73を有し、流出する混合流体を流出した飲料シロップに導く。環状のキャビティ36と内側ハウジング16の外壁202を画定するキャップ部材11の一部と協働して、外側ハウジング20の内面201は、混合流体チャンネル72を画定する。外側ハウジング20をキャップ部材11に固着した状態で、混合流体入口ポート27と、導管28と、混合流体出口チャンネル66〜68と、環状のキャビティ36と、混合流体チャンネル72とを含む混合流体経路が形成される。
同様に、外側ハウジング20とキャップ部材11とを合致させると、3つの異なった飲料流路が画定される。飲料シロップは、飲料シロップ入口ポート21,22,23に流入し、導管37,38,39及び飲料シロップ出口ポート24,25,26を通って、キャビティ41,42,43に流れる。飲料シロップは、その後、飲料分与ノズル10から排出される前に、それぞれ、導管46,45,47、第一、第二及び第三飲料シロップ・チャンネル54,58,64、排出チャンネル55,59,63、並びに排出部材53,57,62を通って流れる。
【0017】
作動時には、混合流体は、混合流体入口ポート27を通って飲料分与ノズルに流入し、導管28を通って混合流体出口チャンネル66〜68に進み、環状のキャビティ36内に供給される。多流量の下では、環状のキャビティ36は、大量の混合流体を受け入れて、混合流体が混合流体チャンネル72を通ってノズルの排出端まで下方に流れる時、混合流体チャンネル72が完全に満たされた状態で均一な流れを保証する。その目的は、混合流体チャンネル72の全外周から流出する混合流体の均一な分布を維持することにある。内側に延びる外側ハウジング20のリップ部73は、排出部材53,57又は62の1つから流出する飲料シロップの流れに向けて混合流体を内側に導く。
【0018】
飲料シロップ入口ポート21〜23の各々は、飲料シロップ供給源(図示せず)により導管を通って供給される飲料シロップの異なった風味剤を受け入れる。各飲料シロップは、その特定の流路を通って進み、前述のように飲料分与ノズル10から排出される。一例として、飲料シロップ入口ポート21に供給された飲料シロップは、飲料分与ノズル10から排出される前に、導管37、飲料シロップ出口ポート24、キャビティ41、導管46、第一飲料シロップ・チャンネル54、及び排出チャンネル55を通って流れる。第一、第二及び第三飲料シロップ・チャンネル54,58及び64は、それぞれ第一の即ち外側環状体、第二の即ち中間環状体及び第三の即ち内側環状体17,18及び19の各々の周りに大量の飲料シロップを供給して、排出部材53,57及び62の1つを通って排出される。排出部材53,57及び62は、飲料シロップの流れを制限して、飲料シロップが飲料分与ノズル10から流出する時、飲料シロップの均一な分布を保証し、このよにして、混合流体チャンネル72から流出した混合流体と接触する表面積を最大限確保する。典型的には1つの飲料シロップのみが一度に分与されるけれど、2以上の飲料シロップを飲料分与ノズル10から一度に分与して、風味剤のミックスを供給してもよいことが理解されるべきである。
【0019】
より少ない流量での分与に関連した問題に対する解決法として、外側ハウジング20の内面201に複数の、好ましい本実施の形態では8個の流れ指向器200を、ノズル10の外側ハウジング20に装着した。流れ指向器200は、図8a及び図8bに示されるように、出口端で内側に延びるリップ部73から内面201の端部まで上方に延びる。流れ指向器200は、混合流体チャンネル72の全長にわたって延びていない。全長にわたって延びた流れ指向器200は、飲料シロップ流路周囲の混合流体チャンネル72の上部が(混合流体で)満たされなくなるであろう。流れ指向器200を追加すると、混合流体チャンネル72の下部を複数のより小さな流れチャンネル、即ち流れ指向器チャンネル210に分割する。流れ指向器200機構(features)の個数及び長さは、異なった製品及び添加剤の混合要件に依存して変更されることがある点に、留意すべきである。
【0020】
流れ指向器200が設置された状態では、キャップ部材11及び外側ハウジング20の組立体は、その時混合流体の僅かに異なった流路を画定する。環状のキャビティ36と内側ハウジング16の外壁202を画定するキャップ部材11の一部と協働して、外側ハウジング20の内面201は、その時流れ指向器チャンネル210を包囲する混合流体チャンネル72を画定する。流れ指向器チャンネル210は、図9cに示されるように、外側ハウジング20の内面201、内側ハウジング16の外壁202及び2つの隣接する流れ指向器200によって画定される。図9b及び図9cは、流れ指向器200の追加前後の飲料分与ノズル10の断面図である。外側ハウジング20をキャップ部材11に固着した状態で、混合流体入口ポート27と、導管28と、混合流体出口チャンネル66〜68と、環状チャンネル36と、混合流体チャンネル72と、流れ指向器チャンネル210とを含む混合流体経路が形成される。
【0021】
流れ指向器200が所定の位置にある状態で、混合流体チャンネル72の上部は混合流体で満たされる。混合流体で満たされると、入ってくる混合流体の水圧により、混合流体チャンネル72上部の混合流体が、流れ指向器200で画定された一連の流れ指向器チャンネル210に押し込められる。流れ指向器チャンネル210の縮小された横断面面積は、混合流体の速度成分が全ての流れ指向器チャンネル210により下方に向けられているので、ノズル10から流出する混合流体の速度成分の増大をもたらす。増大した速度成分は、分与終了時においてノズル10から分離するのに十分なエネルギーを混合流体の流れに与える。混合流体の増大した速度は、ノズル10の下側に付着したり、その他の排出ポートに移るという混合流体の問題を解消する。流れ指向器200の追加は、より効果的なミックスのための望ましい排出速度を取り戻すことにより混合流体の分布を向上させる。
【0022】
分与の際、シロップ及び混合流体は、ノズル10を通って別々に流れ、ノズル10から排出される飲料シロップと混合する。一例として、シロップが、シロップ入口ポート21を通ってノズル10に流入し、導管37を流れ、飲料シロップ出口ポート24内に入ってキャビティ41に移動する。シロップは、その後、導管46、飲料シロップ・チャンネル54、排出チャンネル55、最後に排出部材53を通って流れる。これと並行して、混合流体が、混合流体入口ポート27を通ってノズル10に流入し、導管28を通って移動し、混合流体出口チャンネル66〜68から流出し、環状のチャンネル36に入って混合流体チャンネル72を流れ、流れ指向器チャンネル210を通ってノズル10の端部に至る。混合流体が流れ指向器チャンネル210から流出すると、混合流体は、内側に延びたリップ部73によって、ノズル10から流出するシロップの流れに向かって再び内側に導かれる。双方の流体が同心円状のリング内に分与されているので、混合する機会が高くなる。好ましい実施の形態ではシロップ及び混合流体の環状形状の排出を提供するが、排出の流れ形状が環状の輪に限定されないことは、当業者ならば明らかであろう。これに加えて、僅かな混合比を有する製品に対しては飲料シロップと混合流体の流路を切り替えてもよく、その場合、混合流体が飲料分与ノズルの中心から流出できることも、当業者ならば更に明らかであろう。
【0023】
図10に図示されるように、飲料分与ノズル900の実施の形態では、当該ノズル900から飲料シロップ及び混合流体と共に風味添加剤を供給する。本実施の形態の風味添加剤としては、チェリーコーラなどの新たな飲料の組合せの形成に利用されるチェリー又はバニラ等が例示されるが、これらに限定されるものではない。本実施の形態において、第三の即ち内側環状体919は、固着部材960、中間部材961及び排出部材962を有する。第三の即ち内側環状体919は、第二の即ち中間環状体18内に組み込まれ、内側ハウジング16の開口部から突出し、飲料分与ノズル10に関して前述したものと同様に開口部を画定する内側ハウジング16の内壁に係合する。しかし、第三の即ち内側環状体919は、当該環状体919からの風味添加剤の供給に利用される一対の通路907及び908を有する。中間部材961及び排出部材962は、当該部材961,962が通路907,908の一部を画定する以外、前記第三の即ち内側環状体19の中間部材61及び排出部材62と同じである。固着部材960は、当該部材960が通路907,908の一部だけでなくキャビティ909を画定する以外、前記第三の環状体19の固着部材60と同じである。
【0024】
キャップ部材911は、当該部材911がこれを貫通するそれぞれの接続通路905,906を介してそれぞれの風味添加剤出口ポート903,904と連通する複数の風味添加剤入口ポート901,902を更に有する以外、前記キャップ部材11と同様に構成され、かつ作動する。キャップ部材11と同様に、キャップ部材911の飲料シロップ出口ポートが内側ハウジング16のそれぞれのキャビティ内にスナップ嵌合して、内側ハウジング16をキャップ部材911に固着する。ガスケットが、それぞれの飲料シロップ出口ポートの周りに嵌合して流体をシールし、キャップ部材911への内側ハウジング16の固着に役立つ。更に、内側ハウジング16の開口部を通って延びる第三の即ち内側環状体919の固着部材960が、キャップ部材911の突出部35の周囲にスナップ嵌合して、キャップ部材911への内側ハウジング16の固着に役立つ。内側ハウジング16をキャップ部材911に固着した状態で、風味添加剤入口ポート901と、通路905と、風味添加剤出口ポート903と、通路907とを含む風味添加剤導管が形成される。同様に、風味添加剤入口ポート902と、通路906と、風味添加剤出口ポート904と、通路908とを含む風味添加剤導管が形成される。
【0025】
飲料シロップとの組合せにかかる混合流体を供給して所望の飲料を生成する際の飲料分与ノズル900の作動は、前記飲料分与ノズル10の作動と同じである。しかし、飲料分与ノズル900は、風味添加剤供給源から供給されるチェリー又はバニラ等の風味添加剤の添加を通じて、飲料風味剤を変更する選択肢をユーザに与える。ユーザが風味添加剤を選択した時、それぞれの通路905又は906と風味添加剤出口ポート903及び904とを介して、風味添加剤がそれぞれの通路907又は908に流入する。選択された添加剤としての風味剤は、それぞれの通路907又は908を横断して、第三の即ち内側環状体919から流出し、そこで、風味添加剤は、飲料シロップ及び混合流体の流れと一緒になって、チェリー又はバニラコーラ等の選択的に風味付けられた飲料を生成する。
【0026】
1つの飲料シロップと混合流体とを混合する飲料分与ノズル10に流れ指向器200を用いた方法フローチャートが、図11aに示される。このプロセスはステップ98で開始し、飲料シロップが第一飲料シロップ入口ポート21に供給される。ステップ102において、混合流体が混合流体入口ポート27に供給される。ステップ103では、飲料シロップを第一飲料シロップ入口ポート21から第一飲料シロップ・チャンネル54に供給する。次に、混合流体が混合流体入口ポート27から混合流体チャンネル72に供給される(ステップ107)。プロセスはステップ108を継続し、飲料シロップが第一飲料シロップ・チャンネル54から排出される。ステップ112において、混合流体が流れ指向器200を通過する時、混合流体の速度が増大する。ステップ113では、混合流体を混合流体チャンネル72から排出し、流出した飲料シロップと接触させて飲料分与ノズル10の外部で飲料シロップと混合する。
【0027】
第二飲料の分与流もノズル10から分与されている実施の形態では、図11bに示されるように、図11aの方法が更にステップ99,104及び109を含むことになる。同様に、ステップ98でプロセスが開始し、飲料シロップが第一飲料シロップ入口ポート21に供給される。その際、ステップ99に示されるように、第二飲料シロップが第二飲料シロップ入口ポート22に供給される。次に、ステップ102、即ち、混合流体が混合流体入口ポート27に供給される。プロセスは次いでステップ103に移行し、第一飲料シロップが第一飲料シロップ入口ポート21から第一飲料シロップ・チャンネル54に供給される。ステップ104において、第二飲料シロップが第二飲料シロップ・チャンネル58に供給される。混合流体が、ステップ107において、混合流体入口ポート27から混合流体チャンネル72に供給される。次に、第一飲料シロップが第一飲料シロップ・チャンネル54から排出される(ステップ108)。同様に、第二飲料シロップが第二飲料シロップ・チャンネル58から排出される(ステップ109)。ステップ112において、混合流体が流れ指向器200を通過することによって、混合流体の速度が増大する。混合流体は、その後、混合流体チャンネル72から排出され、飲料シロップを流出する飲料分与ノズル10の外部で飲料シロップと混合する。
【0028】
3つのシロップが所望される実施の形態では、図11cに示されるように、図11bの方法は更にステップ100,105及び110を含む。同様に、ステップ98でプロセスが開始し、飲料シロップが第一飲料シロップ入口ポート21に供給される。その際、ステップ99に示されるように、第二飲料シロップが第二飲料シロップ入口ポート22に供給される。ステップ100において、第三飲料シロップが第三飲料シロップ入口ポート23に供給される。次に、ステップ102、即ち、混合流体が混合流体入口ポート27に供給される。プロセスは次いでステップ103に移行し、第一飲料シロップが第一飲料シロップ入口ポート21から第一飲料シロップ・チャンネル54に供給される。ステップ104において、第二飲料シロップが第二飲料シロップ・チャンネル58に供給される。プロセスは次いでステップ105に移行し、第三飲料シロップが第三飲料シロップ・チャンネル63に供給される。混合流体が、ステップ107において、混合流体入口ポート27から混合流体チャンネル72に供給される。次に、第一飲料シロップが第一飲料シロップ・チャンネル54から排出される(ステップ108)。同様に、第二飲料シロップが第二飲料シロップ・チャンネル58から排出され(ステップ109)、第三飲料シロップが第三飲料シロップ・チャンネル63から排出される(ステップ110)。ステップ112において、混合流体が流れ指向器200を通過することによって、混合流体の速度が増大する。混合流体は、その後、混合流体チャンネル72から排出され、飲料シロップを流出する飲料分与ノズル10の外部で飲料シロップと混合する。
【0029】
飲料分与ノズル900を用いながら風味添加剤が所望される実施の形態では、図11dに示されるように、図11aの方法フローチャートは更にステップ101,106及び111を含む。ステップ98でプロセスが開始し、飲料シロップが第一飲料シロップ入口ポート21に供給される。プロセスは次いでステップ101に移行し、風味添加剤が風味添加剤入口ポート901に供給される。ステップ102において、混合流体が混合流体入口ポート27に供給される。ステップ103では、飲料シロップを第一飲料シロップ入口ポート21から第一飲料シロップ・チャンネル54に供給する。プロセスは次いでステップ106に移行し、その際、風味添加剤が風味添加剤入口ポート901から第三の環状体919内の風味添加剤通路907に供給される。次に、混合流体が混合流体入口ポート27から混合流体チャンネル72に供給される(ステップ107)。プロセスはステップ108を継続し、飲料シロップが第一飲料シロップ・チャンネル54から排出される。プロセスはステップ111に移行し、風味添加剤が第三の環状体919から排出される。ステップ112において、混合流体が流れ指向器200を通過する時、混合流体の速度が増大する。ステップ113では、混合流体を混合流体チャンネル72から排出し、流出した飲料シロップと接触させて飲料分与ノズル900の外部で飲料シロップと混合する。
【0030】
別の実施の形態では、飲料分与ノズル10は、標準の飲料分与ノズル、即ち非空気混合の飲料分与ノズルとすることができ、飲料シロップ及び混合流体の流れはノズルから流出する前に混合チャンバ内で混合する。本実施の形態の方法フローチャートが図12aに示される。この方法プロセスはステップ115で開始し、飲料シロップが第一飲料シロップ入口ポート21に供給される。ステップ117において、混合流体が混合流体入口ポート27に供給される。ステップ118では、飲料シロップを第一飲料シロップ入口ポート21から第一飲料シロップ・チャンネル54に供給する。次に、混合流体が混合流体入口ポート27から混合流体チャンネル72に供給される(ステップ120)。プロセスはステップ121を継続し、飲料シロップが第一飲料シロップ・チャンネル54から排出される。ステップ123において、混合流体が流れ指向器200を通過する時、混合流体の速度が増大する。ステップ124では、混合流体を混合流体チャンネル72から排出し、流出した飲料シロップと混合する。
【0031】
2つの飲料シロップを有する用途に流れ指向器200を用いた一変更例の方法フローチャートが図12bに示される。図12aに示された方法と同様に、プロセスは、第一飲料シロップ入口ポート21への第一飲料シロップの供給(ステップ115)を開始する。この際、第二飲料シロップが、ステップ116において、第二飲料シロップ入口ポート22に供給される。プロセスは、ステップ117に示されるように、混合流体入口ポート27への混合流体の供給を継続する。ステップ118では、第一飲料シロップを第一飲料シロップ入口ポート21から第一飲料シロップ・チャンネル54に供給する。同様に、第二飲料シロップが、ステップ119において、第二飲料シロップ入口ポート22から第二飲料シロップ・チャンネル58に供給される。この後、ステップ120において、混合流体入口ポート27から混合流体チャンネル72への混合流体の供給が続く。その後、ステップ121に示されるように、第一飲料シロップが第一飲料シロップ・チャンネルから排出される。同様に、第二飲料シロップが、ステップ122において、第二飲料シロップ・チャンネル58から排出される。ステップ123において、混合流体が混合流体チャンネル72に配置された流れ指向器200を通過した時、混合流体の速度が混合流体チャンネル72内で増大する。ステップ124において、混合流体が混合流体チャンネルから排出され、流出した飲料シロップと混合する。
【0032】
前述の好ましい実施の形態について本発明を説明してきたが、かかる説明は典型的な例のためにしかすぎず、当業者ならば明らかであるように、代替物、均等物、及び程度を変えた変更例が本発明の範囲内にあるであろう。従って、その範囲は、あらゆる点で前述の詳細な説明によって限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】好ましい実施の形態における単一風味剤飲料分与ノズルの断面図である。
【図2】好ましい実施の形態における単一風味剤ノズルに流れ指向器を用いた方法フローチャートである。
【図3】好ましい実施の形態において上方から見た飲料分与ノズルの分解図である。
【図4】好ましい実施の形態において下方から見たノズルの分解図である。
【図5】好ましい実施の形態における組立て時のノズルの断面図である。
【図6】好ましい実施の形態における組立て時のノズルの断面図である。
【図7】好ましい実施の形態における組立て時のノズルの断面図である。
【図8a】好ましい実施の形態における流れ指向器の追加後の外側ハウジングの上面図である。
【図8b】好ましい実施の形態における流れ指向器の追加後の外側ハウジングの断面図である。
【図9a】好ましい実施の形態における組み立てられた飲料分与ノズルの側面図である。
【図9b】好ましい実施の形態における流れ指向器の追加前の飲料分与ノズルの断面図である。
【図9c】好ましい実施の形態における流れ指向器の追加後の飲料分与ノズルの断面図である。
【図10】好ましい実施の形態における風味添加剤を含む飲料分与ノズルの一実施例の断面図である。
【図11a】好ましい実施の形態における単一飲料風味剤を有する飲料分与ノズルに流れ指向器を用いた方法フローチャートである。
【図11b】好ましい実施の形態における2つの飲料風味剤を有する飲料分与ノズルに流れ指向器を用いた方法フローチャートである。
【図11c】好ましい実施の形態における3つの飲料風味剤を有する飲料分与ノズルに流れ指向器を用いた方法フローチャートである。
【図11d】好ましい実施の形態における風味添加剤を供給する一実施例に流れ指向器を用いた方法フローチャートである。
【図12a】好ましい実施の形態における単一飲料風味剤を分与する標準の飲料分与ノズルに流れ指向器を用いた方法フローチャートである。
【図12b】好ましい実施の形態における2つの飲料風味剤を分与する標準の飲料分与ノズルに流れ指向器を用いた方法フローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロップ入口ポート、シロップ排出ポート、及びそれらの間のシロップ流路を備えた本体であって、該本体は、更に混合流体入口ポート、混合流体出口ポート、及び前記シロップ流路の周りに配置された混合流体チャンネルを備える本体、並びに
前記混合流体チャンネル内に配置された少なくとも1つの流れ指向器、を含む飲料分与ノズル。
【請求項2】
前記少なくとも1つの流れ指向器は、流出する混合流体の速度を増大させる請求項1に記載の飲料分与ノズル。
【請求項3】
前記混合流体チャンネルの下部を流れ指向器チャンネルに分割する複数の流れ指向器を更に含む請求項1に記載の飲料分与ノズル。
【請求項4】
前記複数の流れ指向器は、流出する混合流体の速度を増大させる請求項3に記載の飲料分与ノズル。
【請求項5】
前記混合流体入口ポートは、混合流体を流れ指向器チャンネルに供給する請求項3に記載の飲料分与ノズル。
【請求項6】
飲料シロップの排出が環状形状で流出する請求項1に記載の飲料分与ノズル。
【請求項7】
前記本体が、飲料分与ノズルから流出する混合流体の流れを内側に導く、内側に延びたリップ部を備える請求項1に記載の飲料分与ノズル。
【請求項8】
前記本体が風味添加剤供給源に連結された風味添加剤入口ポートを更に含み、該風味添加剤入口ポートは風味添加剤を本体の風味添加剤通路に送出し、前記本体が前記風味添加剤入口ポートに接続された風味添加剤出口ポートを更に含み、前記風味添加剤通路は、風味添加剤を本体の風味添加剤出口ポートに送出して、飲料分与ノズルから排出する請求項1に記載の飲料分与ノズル。
【請求項9】
前記少なくとも1つの流れ指向器は、混合流体の流れを分割して、増大した下向きの速度成分を混合流体にもたらす請求項1に記載の飲料分与ノズル。
【請求項10】
前記増大した速度成分は、混合流体の表面張力に打ち勝って、混合流体排出ポートとシロップ排出ポートの間の混ざり合いを防止する請求項9に記載の飲料分与ノズル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの流れ指向器は、混合流体を分割して、飲料分与ノズルの一端に流出する混合流体の一定方向の流れを防止する請求項1に記載の飲料分与ノズル。
【請求項12】
飲料シロップを飲料分与ノズルのシロップ入口ポートに供給する工程、
混合流体を飲料分与ノズルの混合流体入口ポートに供給する工程、
飲料シロップを前記シロップ入口ポートから前記ノズルに配置されたシロップ流路を介して排出ポートに供給する工程、
混合流体を前記混合流体入口ポートから前記シロップ流路を取り囲む混合流体チャンネルに供給する工程、
飲料シロップを前記排出ポートから排出する工程、
前記混合流体チャンネル内の混合流体の速度を増大させる工程、及び
混合流体を前記飲料分与ノズルから排出し、流出する飲料シロップと接触させて飲料分与ノズルの外部で飲料シロップと混合する工程、を含む、飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項13】
少なくとも1つの流れ指向器が、前記混合流体チャンネル内の混合流体の速度を増大させる、請求項12に記載の飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項14】
キャップ部材、内側ハウジング、第一の環状体、及び外側ハウジングを含む飲料分与ノズルであって、
前記キャップ部材は、第一飲料シロップ供給源に連結された第一飲料シロップ入口ポート、及び混合流体供給源に連結された混合流体入口ポートを含み、
前記内側ハウジングは、前記キャップ部材に連結され、チャンバを画定し、
前記第一の環状体は、前記内側ハウジングのチャンバ内に配設されると共に、第一の環状体及び内側ハウジングが第一飲料シロップ・チャンネルを画定し、前記第一飲料シロップ入口ポートは、飲料シロップを第一飲料シロップ・チャンネルに送液して飲料分与ノズルから排出し、
前記外側ハウジングは、前記キャップ部材に連結されと共に、外側ハウジング及び内側ハウジングが混合流体チャンネルを画定し、該混合流体チャンネルの下部が、少なくとも1つの流れ指向器によって分割され、そこに少なくとも1つの流れ指向器チャンネルを形成し、前記混合流体入口ポートは混合流体を混合流体チャンネルに送液すると共に、混合流体は、前記流れ指向器チャンネルを通って流出する飲料シロップを取り囲む流れパターンで飲料分与ノズルから排出されて、飲料分与ノズルの外部で飲料シロップと混合する、飲料分与ノズル。
【請求項15】
前記内側ハウジングが、そこに、前記第一飲料シロップ・チャンネルと連通する第一の内側ハウジング導管に接続された、第一のキャビティを有する請求項14に記載の飲料分与ノズル。
【請求項16】
前記キャップ部材が第一飲料シロップ入口ポートに接続された第一飲料シロップ出口ポートを含み、該第一飲料シロップ出口ポートは、内側ハウジングの前記第一のキャビティ内に嵌合して、内側ハウジングをキャップ部材に連結させると共に、飲料シロップを内側ハウジングに送液する請求項15に記載の飲料分与ノズル。
【請求項17】
前記キャップ部材が、混合流体入口ポートに接続され、かつ、混合流体を混合流体チャンネル内に円周状に供給する該混合流体チャンネルと連通する、複数の混合流体出口チャンネルを含む請求項14に記載の飲料分与ノズル。
【請求項18】
前記キャップ部材が、混合流体入口ポートに接続された導管を含むと共に、飲料分与ノズルの中心を通って混合流体を供給する前記内側ハウジングと連通する請求項14に記載の飲料分与ノズル。
【請求項19】
ディフューザが、飲料分与ノズルの中心を通って混合流体を供給する前記導管内に存在する請求項18に記載の飲料分与ノズル。
【請求項20】
前記第一の環状体が、均一な分布を保証するために、飲料分与ノズルから流出する飲料シロップの流れパターンを制限する排出部材を含む請求項14に記載の飲料分与ノズル。
【請求項21】
前記排出部材が、飲料分与ノズルから飲料シロップを排出する際に前記第一飲料シロップ・チャンネルを補助する、複数の排出チャンネルを有する請求項20に記載の飲料分与ノズル。
【請求項22】
前記外側ハウジングが、飲料分与ノズルから流出する混合流体の流れを内側に導く、内側に延びたリップ部を備える請求項14に記載の飲料分与ノズル。
【請求項23】
キャップ部材と、内側ハウジングと、第一の環状体と、第二の環状体と、外側ハウジングとを含む飲料分与ノズルであって、
前記キャップ部材は、第一飲料シロップ供給源に連結された第一飲料シロップ入口ポートと、第二飲料シロップ供給源に連結された第二飲料シロップ入口ポートと、混合流体供給源に連結された混合流体入口ポートとを含み、
前記内側ハウジングは、前記キャップ部材に連結され、且つ内部にチャンバを画定し、
前記第一の環状体は前記内側ハウジングのチャンバ内に配設され、第一の環状体及び内側ハウジングが第一飲料シロップ・チャンネルを画定し、前記第一飲料シロップ入口ポートは、飲料シロップを第一飲料シロップ・チャンネルに送液して飲料分与ノズルから排出し、
前記第二の環状体は前記内側ハウジングのチャンバ内に配設され、第二の環状体及び第一の環状体が第二飲料シロップ・チャンネルを画定し、前記第二飲料シロップ入口ポートは、飲料シロップを第二飲料シロップ・チャンネルに送液して飲料分与ノズルから排出し、
前記外側ハウジングは前記キャップ部材に連結され、外側ハウジング及び内側ハウジングが混合流体チャンネルを画定し、該混合流体チャンネルの下部が、少なくとも1つの流れ指向器によって分割され、そこに少なくとも1つの流れ指向器チャンネルを形成し、前記混合流体入口ポートは混合流体を混合流体チャンネルに送液し、混合流体は、前記流れ指向器チャンネルを通って飲料分与ノズルから排出されて、流出する飲料シロップと混合する、飲料分与ノズル。
【請求項24】
前記内側ハウジングが、そこに、前記第一飲料シロップ・チャンネルと連通する第一の内側ハウジング導管に接続された、第一のキャビティを有する請求項23に記載の飲料分与ノズル。
【請求項25】
前記キャップ部材が第一飲料シロップ入口ポートに接続された第一飲料シロップ出口ポートを含み、該第一飲料シロップ出口ポートは、内側ハウジングの前記第一のキャビティ内に嵌合して、内側ハウジングをキャップ部材に連結させると共に、飲料シロップを内側ハウジングに送液する請求項24に記載の飲料分与ノズル。
【請求項26】
前記キャップ部材が、混合流体入口ポートに接続され、かつ、混合流体を混合流体チャンネル内に円周状に供給する該混合流体チャンネルと連通する、複数の混合流体出口ポートを含む請求項23に記載の飲料分与ノズル。
【請求項27】
前記外側ハウジングが、飲料分与ノズルから流出する混合流体の流れを内側に導く、内側に延びたリップ部を備える請求項23に記載の飲料分与ノズル。
【請求項28】
前記内側ハウジングが、そこに、前記第二飲料シロップ・チャンネルと連通する第二の内側ハウジング導管に接続された、第二のキャビティを有する請求項23に記載の飲料分与ノズル。
【請求項29】
前記キャップ部材が第二飲料シロップ入口ポートに接続された第二飲料シロップ出口ポートを更に含み、該第二飲料シロップ出口ポートは、内側ハウジングの前記第二のキャビティ内に嵌合して、内側ハウジングをキャップ部材に連結させると共に、飲料シロップを内側ハウジングに送液する請求項28に記載の飲料分与ノズル。
【請求項30】
前記キャップ部材が、第三飲料シロップ供給源に連結された第三飲料シロップ入口ポートを更に含む請求項23に記載の飲料分与ノズル。
【請求項31】
第三の環状体が前記内側ハウジングのチャンバ内に配設されると共に、第三の環状体及び第二の環状体が第三飲料シロップ・チャンネルを画定し、前記第三飲料シロップ入口ポートは、飲料シロップを第三飲料シロップ・チャンネルに送液して飲料分与ノズルから排出する請求項30に記載の飲料分与ノズル。
【請求項32】
前記内側ハウジングが、そこに、前記第三飲料シロップ・チャンネルと連通する第三の内側ハウジング導管に接続された、第三のキャビティを有する請求項31に記載の飲料分与ノズル。
【請求項33】
前記キャップ部材が第三飲料シロップ入口ポートに接続された第三飲料シロップ出口ポートを更に含み、該第三飲料シロップ出口ポートは、内側ハウジングの前記第三のキャビティ内に嵌合して、内側ハウジングをキャップ部材に連結させると共に、飲料シロップを内側ハウジングに送液する請求項32に記載の飲料分与ノズル。
【請求項34】
前記第三の環状体が、均一な分布を保証するために、飲料分与ノズルから流出する飲料シロップの環状の流れパターンを制限する排出部材を含む請求項31に記載の飲料分与ノズル。
【請求項35】
前記排出部材が、飲料分与ノズルから飲料シロップを排出する際に前記第三飲料シロップ・チャンネルを補助する、複数の排出チャンネルを有する請求項34に記載の飲料分与ノズル。
【請求項36】
飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法であって、
飲料シロップをキャップ部材の第一飲料シロップ入口ポートに供給する工程、
混合流体をキャップ部材の混合流体入口ポートに供給する工程、
前記第一飲料シロップ入口ポートから、キャップ部材が連結された内側ハウジングと該内側ハウジングに配設された第一の環状体とによって画定された、第一飲料シロップ・チャンネルに飲料シロップを供給する工程、
混合流体を前記混合流体入口ポートから混合流体チャンネルに供給する工程、
飲料シロップを前記第一飲料シロップ・チャンネルから排出する工程、
前記混合流体チャンネル内の混合流体の速度を増大させる工程、及び
前記混合流体を飲料分与ノズルの外部で飲料シロップと接触させるパターンで、前記混合流体を混合流体チャンネルから排出する工程を含む、飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項37】
前記混合流体の速度が少なくとも1つの流れ指向器を用いることによって増大する、請求項36に記載の飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項38】
飲料シロップを前記キャップ部材の第二飲料シロップ入口ポートに供給する工程、
前記第二飲料シロップ入口ポートから、前記内側ハウジングに配設された第二の環状体と前記第一の環状体とによって画定された、第二チャンネルに飲料シロップを供給する工程、及び
飲料シロップを前記第二飲料シロップ・チャンネルから排出する工程、を更に含む請求項36に記載の飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項39】
飲料シロップを前記キャップ部材の第三飲料シロップ入口ポートに供給する工程、
前記第三飲料シロップ入口ポートから、前記内側ハウジングに配設された第三の環状体と前記第二の環状体とによって画定された、第三飲料シロップ・チャンネルに飲料シロップを供給する工程、及び
飲料シロップを前記第三飲料シロップ・チャンネルから排出する工程、を更に含む請求項38に記載の飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項40】
風味添加剤を前記キャップ部材の風味添加剤入口ポートに供給する工程、
風味添加剤を前記風味添加剤入口ポートから前記第一の環状体内の風味添加剤通路に供給する工程、及び
風味添加剤を第一の環状体から排出する工程、を更に含む請求項36に記載の飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項41】
飲料シロップをキャップ部材の第一飲料シロップ入口ポートに供給し、
混合流体をキャップ部材の混合流体入口ポートに供給し、
前記第一飲料シロップ入口ポートから、キャップ部材が連結された内側ハウジングと該内側ハウジングに配設された第一の環状体とによって画定された、第一飲料シロップ・チャンネルに飲料シロップを供給し、
飲料シロップを前記第一飲料シロップ・チャンネルから排出し、
混合流体を前記混合流体入口ポートから混合流体チャンネルに供給し、
前記混合流体チャンネル内の混合流体の速度を増大させ、
混合流体を前記混合流体チャンネルから流れ指向器を通って排出して、飲料シロップと混合する、
工程を含む、飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項42】
飲料シロップを前記キャップ部材の第二飲料シロップ入口ポートに供給し、
前記第二飲料シロップ入口ポートから、前記内側ハウジングに配設された第二の環状体と前記第一の環状体とによって画定された、第二飲料シロップ・チャンネルに飲料シロップを供給し、
飲料シロップを前記第二飲料シロップ・チャンネルから排出する、
工程を更に含む、請求項41に記載の飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項43】
前記混合流体の速度が少なくとも1つの流れ指向器を用いることによって増大する、請求項41に記載の飲料を製造する方法。
【請求項44】
飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法であって、
飲料シロップをキャップ部材の第一飲料シロップ入口ポートに供給する工程、
飲料シロップをキャップ部材の第二飲料シロップ入口ポートに供給する工程、
混合流体をキャップ部材の混合流体入口ポートに供給する工程、
前記第一飲料シロップ入口ポートから、キャップ部材が連結された内側ハウジングと該内側ハウジングに配設された第一の環状体とによって画定された、第一飲料シロップ・チャンネルに飲料シロップを供給する工程、
飲料シロップを前記第一飲料シロップ・チャンネルから排出する工程、
前記第二飲料シロップ入口ポートから、内側ハウジングに配設された第二の環状体と前記第一の環状体とによって画定された、第二飲料シロップ・チャンネルに飲料シロップを供給する工程、
飲料シロップを前記第二飲料シロップ・チャンネルから排出する工程、
混合流体を前記混合流体入口ポートから混合流体チャンネルに供給する工程、
前記混合流体チャンネル内の混合流体の速度を増大さる工程、及び
混合流体を前記混合流体チャンネルから排出して、流出した飲料シロップと混合する工程を含む、飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項45】
飲料シロップを前記キャップ部材の第三飲料シロップ入口ポートに供給する工程、
前記第三飲料シロップ入口ポートから、前記内側ハウジングに配設された第三の環状体と前記第二の環状体とによって画定された、第三飲料シロップ・チャンネルに飲料シロップを供給する工程、及び
飲料シロップを前記第三飲料シロップ・チャンネルから排出する工程を更に含む、請求項44に記載の飲料分与ノズルを利用して飲料を製造する方法。
【請求項46】
前記混合流体の速度が流れ指向器を用いることによって増大する、請求項44に記載の飲料を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12a】
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【図12b】
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【公表番号】特表2007−504061(P2007−504061A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524899(P2006−524899)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/027963
【国際公開番号】WO2005/021417
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(501011048)ランサー・パートナーシップ・リミテッド (25)
【Fターム(参考)】