説明

飲料装置のためのユーザフレンドリなインタフェース

飲料または液状食品装置1は、ユーザ移動可能なトグルスイッチ部材21を有するトグルスイッチ20を伴うユーザインタフェース11と、そのような装置1の1つ以上の作業プロセスを行なうようになっている制御ユニット16とを有する。制御ユニットは、そのような作業プロセスのパラメータのための複数の値を記憶するようになっている。ユーザインタフェース11は、制御ユニット16に接続されるとともに、制御ユニットにおける記憶された値からの1つの値のユーザ選択を可能にして、そのようなパラメータとしてのこの選択された値に対応する作業プロセスを行なえるようにする。トグルスイッチ部材21は、この複数の値のうちから値を選択するために複数の別個の選択位置251、252へ移動することができ、それぞれの値は、トグルスイッチ部材21の対応する別個の選択位置251、252と関連付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ユーザフレンドリなユーザインタフェースを有する液状食品または飲料の生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の飲料または食品の生成装置は、抽出されあるいは溶解されるべき原料を収容するカプセルを使用する。一方、他の装置においては、原料が格納されて装置内に自動的に投入され、あるいは、飲料の生成時に原料が加えられる。
【0003】
殆どのコーヒーメーカーは、液体、通常は水のためのポンプを含む充填手段を有し、ポンプは、冷たい水、または実際には加熱抵抗やサーモブロック等の加熱手段によって加熱される水の供給源から液体を圧送する。
【0004】
ユーザがそのような装置とやりとりを行なうことができるようにするため、作業命令を装置へ与えるため、あるいは、装置からフィードバックを得るため、例えば以下の文献、すなわち、オーストリア特許第410377号明細書、スイス特許第682798号明細書、独国特許第4429353号明細書、独国特許第20200419号明細書、独国特許第202006019039号明細書、独国特許第2007008590号明細書、欧州特許第1448084号明細書、欧州特許第1676509号明細書、欧州特許第1707088号明細書、欧州特許第08155851.2号明細書、仏国特許第2624844号明細書、英国特許第2397510号明細書、米国特許第4,253,385号明細書、米国特許第4,377,049号明細書、米国特許第4,458,735号明細書、米国特許第4,554,419号明細書、米国特許第4,767,632号明細書、米国特許第4,954,697号明細書、米国特許第5,312,020号明細書、米国特許第5,335,705号明細書、米国特許第5,372,061号明細書、米国特許第5,375,508号明細書、米国特許第5,645,230号明細書、米国特許第5,731,981号明細書、米国特許第5,836,236号明細書、米国特許第5,927,553号明細書、米国特許第5,959,869号明細書、米国特許第6,139,888号明細書、米国特許第6,182,555号明細書、米国特許第6,238,721号明細書、米国特許第6,354,341号明細書、米国特許第6,759,072号明細書、米国特許第7,028,603号明細書、米国特許第7,270,050号明細書、米国特許第7,279,660号明細書、米国特許第7,350,455号明細書、米国特許出願公開第2007/0157820号明細書、米国特許出願公開第2008/199580号明細書、国際公開97/25634パンフレット、国際公開99/50172号パンフレット、国際公開03/039309号パンフレット、国際公開2004/030435号パンフレット、国際公開2004/030438号パンフレット、国際公開2006/063645号パンフレット、国際公開2006/082064号パンフレット、国際公開2006/090183号パンフレット、国際公開2007/003062号パンフレット、国際公開2007/003990号パンフレット、国際公開2008/104751号パンフレット、国際公開2008/138710号パンフレット、および国際公開2008/138820号パンフレットに言及されるように、様々なシステムが当該技術分野において開示されてきた。
【0005】
特に、欧州特許第1707088号明細書は、当該技術分野において良く知られるように、装置の電子制御回路に接続される一連のプッシュボタンを伴うユーザインタフェースをハウジング上に有する自動コーヒーメーカーを開示する。国際公開03/039309号パンフレットは、装置の浸出ユニット内に取り込まれるべきコーヒーカプセルのタイプを選択するための一連のプッシュボタンを伴うユーザインタフェースを有するカプセルマガジンを伴うコーヒーメーカーを開示する。国際公開2006/063645号パンフレットは、飲料供給サイクルを始動させるためのユーザ入力を受けるためのプッシュボタンを有するコーヒーメーカーを開示する。米国特許第7,279,660号明細書は、水温および/または(残り)浸出時間を表示するためのLEDまたはLCDディスプレイとプログラミングボタンを作動させることにより再プログラミングできる一連の制御プッシュボタンとを有するコーヒー浸出ケトルを開示する。
【0006】
米国特許第7,350,455号明細書は、一緒に浸出されるべき異なる種類のコーヒーの集合体を比例的に変えるためのスライド制御部材を有するプレセレクタインタフェースを伴うコーヒーメーカーを開示する。とりわけ、スライド制御が回転制御部材、複数のプッシュボタン、アプローチセンサ、および/または、タッチスクリーンと置き換えられてもよいことが言及される。そのような回転制御部材は米国特許第7,028,603号明細書に例示されている。この後者の文献は、熱水、冷水、または、コーヒーを供給するための一連のボタンと、コーヒー濃度を調整するためにハウジングの表面上で回転できるポテンショメータボタンと、ポテンショメータをバイパスして装置を事前準備およびフラッシングするためのトグルスイッチとを有するコーヒーメーカーを開示する。
【0007】
同様に、米国特許第5,927,553号明細書は、装置のヒータをバイパスして非加熱水を供給するために水回路のバイパスソレノイドバルブと関連付けられるトグルスイッチを有する飲料装置を開示する。国際公開2006/082064号パンフレットおよび国際公開2008/138820号パンフレットは、トグルスイッチによって制御されるバルブの類似装置を開示する。
【0008】
米国特許第4,253,385号パンフレットにおいて、コーヒーメーカーは、休止位置と、装置のヒータに給電するための第1の動作位置と、ヒータを介して水を供給ブロックへ圧送するためにポンプに給電するための第2の動作位置とを有するトグルスイッチを有する。
【0009】
従来のプッシュボタンおよび回転制御部材を有するコーヒーメーカーは米国特許第7,270,050号明細書にも開示されている。プッシュボタンは制御LEDと関連付けられる。回転制御部材は、浸出/蒸気プロセスを選択しかつコーヒーを挽くための挽き粒度を設定するために使用される。コーヒーメーカーは、供給されるべき飲料の1カップ量または2カップ量のいずれかを選択するための一対のプッシュボタンを有する。
【0010】
飲料の量またはカップサイズを選択するためのそのようなプッシュボタンは、当該技術分野において広く行き渡っている。
【0011】
しかしながら、欠点は、供給されるべき異なる選択可能な量の数に応じて一連の比較的高価なインタフェースボタンを設ける必要があるという事実にある。例えば、従来のコーヒーメーカーでは、エキストラショートコーヒー(25mL)のために「リステロット」ボタンが必要とされ、ショートコーヒー(40mL)のために「エスプレッソ」ボタンが必要とされ、ロングコーヒー(110mL)のために「ロング」ボタンが必要とされる。
【0012】
また、ボタンのこの増大は、装置を使用することに慣れていないユーザが困惑する実質的リスクを伴う。つまり、これにより、一般的に、過剰に濃いコーヒーの供給がもたらされ、あるいは、カップから溢れ出る。他の欠点は、選択されたカプセルまたは飲料のタイプに応じて中間量を欲する場合があるユーザにおいて柔軟性を欠くことに起因する。
【0013】
また、そのような装置は、通常、ユーザによって再プログラミングされてもよいボタンの工場出荷時設定を伴って販売される。一般的には装置が再プログラミングモードにあるときに供給プロセスを手動で起動および停止することによってボタンを再プログラミングするために様々なシステムが使用されてもよい。しかしながら、再プログラミングモードへの切り換えは、対応するユーザマニュアルに明確に説明されているにもかかわらず、しばしば幾人かのユーザによって意図せずに行なわれることが分かってきた。したがって、彼らは、そのようなボタンを無作為な設定をもって知らず知らずのうちに無意識に再プログラミングしており、それにより、一般的には望ましくない結果がもたらされることを知る。このように、ユーザは、自分達が実際に装置を再プログラミングしたことに気付かず、新たな設定を装置の故障として自発的に理解し、そのため、単なる推測的な故障がサービス職員によって扱われなければならない。これは、不必要な付加的メンテナンスコストをもたらす。
【0014】
時として遠隔コンピュータおよびインターネットサービスを用いてさえも制御・パラメータ化パネルを介して様々なユーザパラメータ化およびユーザ設定を可能にする更に高性能な飲料および液状食品装置を常に提供しようとする産業界における一般的傾向にもかかわらず、使用が簡単で特別な技能を必要としない、および/または、例えば単純なエスプレッソを生成するために複雑なユーザマニュアルの幅広い長期にわたる学習を必要としない、誰にでも扱える装置に実際に満足しきっている多くの人々が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の好ましい目的は、操作の簡潔さが向上され、人間工学的に改善されるとともに、ユーザにとって取り扱いが直感的でユーザフレンドリな液状食品または飲料の生成装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、液状食品または飲料の生成装置の製造コスト、特に装置のユーザインタフェースのコストを低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、本発明は、特に事前に小分けされた飲料または食品原料から液状食品または飲料を生成するための装置に関する。
【0018】
例えば、装置は、コーヒー、ティー、または、スープの装置であり、特に、グランドコーヒーまたはティーまたはチョコレートまたはカカオまたはミルク粉末など、供給されるべき飲料または液状食品の原料を収容するカプセルまたはポッドに熱水または冷水あるいは他の液体を通すことにより飲料または液状食品を供給するための装置である。
【0019】
液状食品装置または飲料装置は、ユーザ移動可能なトグルスイッチ部材を有するトグルスイッチを備えるユーザインタフェースと、そのような装置の1つ以上の作業プロセスを行なうようになっている制御ユニットとを有する。制御ユニットは、そのような作業プロセスのパラメータのための複数の値を記憶するようになっている。ユーザインタフェースは、制御ユニットに接続されるとともに、制御ユニットにおけるこの複数の値からの1つの値のユーザ選択を可能にして、作業プロセスのパラメータとしてのそのような選択された値に対応する作業プロセスを行なえるようにする。
【0020】
一般に、制御ユニットは、プリント回路基板、マイクロコントローラ、および、メモリチップのうちの少なくとも1つを有する。例えば、メモリチップは、前述した様々な値を記憶するために使用される。
【0021】
本発明によれば、トグルスイッチ部材は、複数の値のうちから値を選択するために複数の別個の選択位置へ移動することができ、複数の値のそれぞれの値は、トグルスイッチ部材の対応する別個の選択位置と関連付けられる。
【0022】
パラメータを選択するために複数のボタンを使用する殆どの液状食品装置または飲料装置、特に、1つ以上のメニュースクリーンおよび場合によりサブメニュースクリーンを有する高性能な制御ディスプレイと組み合わせた液状食品装置または飲料装置とは異なり、プロセスパラメータに適する複数の値間で、例えば飲料または液状食品の小カップ、中カップ、大カップの間でユーザに選択させるためのトグルスイッチの使用は、そのような装置の様々な従来技術の問題を解決する。そのようなトグルスイッチは、そのようなインタフェース機能を与えるためのコストをかなり低減するだけでなく、すなわち、複数のボタンを対応する数の選択位置を有する単一の低コストであるトグルスイッチと置き換えることができるだけでなく、ユーザインタフェースのユーザフレンドリ性も高める。これは、作業プロセスの特定のパラメータに関してユーザが利用できる全ての値が同じスイッチと関連付けられ、それにより、どの操作メニューまたは操作モード内のどのボタンまたはスイッチを押すべきかをユーザが疑問に思う必要がないからである。
【0023】
一実施形態において、トグルスイッチ部材は、休止位置または休止状態を有しており、該休止位置または休止状態から選択経路に沿って選択位置へ移動することができる。そのような休止位置は、該複数の選択位置間の選択経路上の中間位置であってもよく、または、選択経路の端部にあってもよく、その場合、選択位置は端部から選択経路に沿って離間される。
【0024】
選択位置は、該複数の値のうちの特定の値の選択の高感度な確認をユーザに対して与えるためのユーザ感知手段と関連付けられてもよい。例えば、ユーザ感知手段は、(1)発光手段、特に発光ダイオード(LED)などの視覚信号のうちの少なくとも1つを与えるための手段であって、各選択位置が特に専用の発光手段に隣接する手段、(2)特にラウドスピーカを備える、音響信号を発生させるための手段、(3)トグルスイッチ部材を保持して選択位置にある時期を知らせるための「ハードポイント(近接地点)」などの触覚信号を発生させるための手段、(4)専用の係合位置などの幾何学的識別手段であって、選択経路からそのような位置へユーザによってそらされるトグルスイッチ部材を受けるようになっている幾何学的識別手段、のうちの少なくとも1つを備える。そのため、ユーザがトグルスイッチ部材を用いて所望の値に対応する選択位置に適切に達すると、装置は、例えば光信号の形態を成す確認フィードバックをユーザに与えることができ、それにより、ユーザは、自分の望みが手続きに従って装置により登録されたことを知って、自信をもってトグル部材を手放すことができる。
【0025】
一般に、トグルスイッチ部材は、選択位置から休止位置または初期位置へのトグルスイッチ部材の自動的な戻りのために、スプリングに基づく機構などの自動戻し機構と関連付けられる。例えば、トグルスイッチ部材が所望の値に対応する位置に達すると、対応する確認信号が液状食品装置または飲料装置によって発せられ、そのため、ユーザは、対応するプロセスを行なうための対応する値の選択を確認して休止位置へ自動的に戻るトグルスイッチ部材を自分が手放すことができることを知る。
【0026】
トグルスイッチのためのスプリングベースの自動戻し機構は国際公開2008/138820号パンフレットにより詳しく開示されており、その内容は参照することにより本願に組み入れられる。
【0027】
一実施形態において、トグルスイッチ部材は、対応するパラメータが選択されていたプロセスが行なわれて終了されるまで選択位置にとどまるようになっており、その後、トグルスイッチ部材だけが休止位置へ自動的に戻る。例えば、トグルスイッチがユーザに複数のカップサイズ間で選択させるようになっている場合には、スイッチ部材を選択位置へ移動させると、飲料または液状食品を対応する量で生成するプロセスが引き起こされ、この量が装置によって完全に供給された後、トグルスイッチが休止位置へ戻ることができる。
【0028】
そのような特徴は、選択されたパラメータを伴うプロセスが手続きに従って完了されるという確認フィードバックをユーザに対して与えるとともに、プロセスの実行継続中に新たなパラメータを選択するなど、ユーザが実際に現在の選択を変更したいのかあるいはその後のプロセスのための早期選択を入力したいのかどうかの疑問を高める曖昧な行為をユーザが行なうことを妨げる。
【0029】
他の実施形態では、完全に手動のトグルスイッチ部材、すなわち、自動戻し機構を伴わないトグルスイッチ部材を提供することもできる。
【0030】
トグルスイッチは多くのそのような選択位置を有することができる。例えば、この数は、2〜8個の範囲内であり、特に2、3、4、5または6個である。異なる選択位置がトグルスイッチで配列されてもよい。あるいは、特に3つ以上の選択位置が存在するときには、選択位置が星形態を成してもよく、その場合、例えば休止位置が星形態の中心部にある。後者の場合、トグルスイッチ部材は、星形態の異なる枝部に沿ってほぼジョイスティックのように移動されてもよい。
【0031】
一般に、トグルスイッチにより選択できる値は、生成されるべき飲料または液状食品の加熱温度、濃度、または、量などの飲料または液状食品などの生成プロセスのパラメータ、および/または、そのような装置の自動停止プロセスのパラメータ、特にタイマベースの自動停止プロセスの継続時間に対応する。

【0032】
例えば、装置が飲料または液状食品を、装置の小分けされた原料から、一般的にはカプセルまたはポッド内に収容されるコーヒーまたはティーまたはチョコレートから生成するようになっている場合、ユーザは、小分けされた原料と組み合わせたいと自分が望む液体、通常は熱水または冷水の量を示すだけで済む。これは、生成される飲料または液状食品の量および濃度を決定する。装置を用いて充填され得る想定し得るカップサイズの全て、例えば、エスプレッソカップ、レギュラーカップ、または、マグカップを同じトグルスイッチ上に与えることができる。これにより、ユーザが実際に欲する飲料または液状食品の量を装置が生成するようにどの視覚的ボタン(例えば、タッチスクリーン上のボタン)または物理的ボタンを押すべきかに関して見込まれるユーザの困惑または躊躇が減少される。
【0033】
やや高性能な装置では、トグルスイッチによって選択できる前述した値を、ユーザによって、特にトグルスイッチを介して事前に設定できる。
【0034】
装置のモードに関する任意の困惑を回避するため、ユーザによる明瞭で一義的な操作によって事前設定モードまたは値プログラミングモードに出入りすることが好ましい。そのため、複数の供給ボタンのうちの1つを長時間にわたって押すだけで再プログラミングがもたらされる従来技術の装置の場合のようにユーザがただ自分で飲料または液状食品を作ろうとしている間にユーザが無意識のうちに再プログラミングモードに陥るのを回避することにより、望ましくない無作為な再プログラミングを防止できる。また、これを実現することなく自分の装置を誤って再プログラミングするユーザは、結果として生じる再プログラミングされた作業プロセスを装置の故障と関連付けて、そのような装置を修理のために返品する傾向があるため、故障しているように見えるだけで実際には再プログラミングされているにすぎない装置の多数の返品を容易に回避できる。
【0035】
したがって、インタフェースは、該複数の値のうちの1つ以上の値がユーザ設定できるあるいはユーザ変更できる事前設定モードに入るためのセレクタホイールまたは更なるトグルスイッチなどのセレクタを更に備えてもよい。このセレクタは、ユーザ回転可能な選択ホイール、特に、該値の設定モードに対応する位置、および、随意的に、他の作業プロセスの少なくとも更なるパラメータのための値の選択のための複数の更なる位置を有する選択ホイールを含むことができる。
【0036】
例えば、一方では、トグルスイッチは、飲料または液状食品生成プロセスのために様々な所定のカップサイズ間での選択を可能にするように構成されてもよい。他方では、セレクタは、例えば高感度警告手段、例えば光信号または音響信号および/またはセレクタを設定位置に至らせるために克服されなければならない「ハードポイント」と関連付けられる設定位置で、異なるカップサイズの事前設定モードに入るようになっていてもよい。同じセレクタは、他の位置では、装置の自動停止タイマのための継続時間を設定するために使用できる。
【0037】
インタフェースは、セレクタホイールおよび/またはトグルスイッチのレバーなどの少なくとも1つのユーザ移動可能なセレクタ部材を有してもよく、制御ユニットは、区画室内、特に塵埃および/または湿気を通さない区画室などの密封区画室内に囲繞され、ユーザ移動可能なセレクタ部材および制御ユニットは、非接触または無線通信手段によって、特に、磁気要素およびホールセンサを含む手段などの磁気通信手段または電磁通信手段によって、区画室の壁を介して互いに接続される。
【0038】
本発明の特定の実施形態において、装置は、液状食品または飲料をその事前に小分けされた原料から、例えば原料のカプセルまたはポッドから生成するようになっている。トグルスイッチは、特定の液状食品または飲料生成バッチ内のこの事前に小分けされた原料から生成されるべき液状食品または飲料の複数の予め設定された量同士の間でのユーザ選択を可能にするようになっている。トグルスイッチは、特に、該液状食品または飲料を生成するための該事前に小分けされた原料と組み合わされるべき水の複数の予め設定された量同士の間でのユーザ選択を可能にするようになっている。
【0039】
本発明の他の態様は、特に前述したような液状食品または飲料を生成するための装置に関する。装置は、ユーザインタフェースを支持する面を伴う最も外側のハウジングを有し、ユーザインタフェースは、そのような装置によって行なわれるべきプロセスのパラメータにおける少なくとも1つの値を選択するためのユーザ回転可能なセレクタホイールを備える。本発明によれば、セレクタホイールがハウジング面を貫通して回転できる略円形の外周部を有し、セレクタホイールが随意的にハウジングの内側に配置される回転軸線を有し、セレクタホイールが特にハウジング面に対して略垂直である。
【0040】
そのため、装置のハウジングの表面上のホイール全体と共にハウジングに対して略垂直な軸線を中心に回転するようになっているセレクタホイール(または回転ボタンまたはノブ)を有する例えば前述した米国特許第7,270,050号明細書に開示されるような従来技術の飲料・液状食品装置とは異なり、セレクタホイールの限られた角度領域だけが装置のハウジング上に現われ、したがって、装置のハウジング上で必要とされるユーザインタフェースの空間が減少される。
【0041】
回転可能なホイールは、少なくとも1つの不連続のあるいは連続する範囲内または値内で値のユーザ選択を可能にするようになっていることができる。値のこの範囲は、生成バッチ内の生成されるべき液状食品または飲料の量の範囲に対応し、または、タイマベースの自動停止プロセスの継続時間の範囲に対応する。
【0042】
タイマベースの自動停止プロセスは、装置を停止させるようになっており、部分的に、例えば、ユーザ再起動命令を待って装置の再起動を開始するために電子回路だけが例えば給電される低電流消費待機様式へ至らせるようになっており、あるいは、装置の電源、例えばコンセント電源から装置の電流消費部品の全てを切断することにより完全に装置を停止させるようになっている。タイマベースの自動停止プロセスは、一般に、装置がユーザによって操作されていない所定の継続時間後に装置を停止させるようになっており、そのような継続時間は前述したようにユーザによって選択できる。
【0043】
回転可能なセレクタホイールは、セレクタホイールを特に該ホイールの略径方向または軸線方向に押すことにより更なるユーザ選択または先のユーザ選択の確認を可能にするためのプッシュボタン機構を組み込んでもよい。
【0044】
セレクタホイールを有するこの装置は、前述した任意の特徴、または、そのような特徴の組み合わせ、特に前述したトグルスイッチを組み込んでもよい。
【0045】
本発明の更なる態様は、特に前述した液状食品または飲料を生成するための装置に関する。該装置は、セレクタホイールおよび/またはトグルスイッチのレバーなどの少なくとも1つのユーザ移動可能なセレクタ部材を備えるユーザインタフェースと、そのような装置の1つ以上の作業プロセスを行なうようになっているとともに、ユーザインタフェースが接続される制御ユニットとを有する。本発明によれば、制御ユニットは、区画室内、特に塵埃および/または湿気を通さない区画室などの密封区画室内に囲繞される。ユーザ移動可能なセレクタ部材および制御ユニットは、非接触または無線通信手段によって、特に、磁気要素およびホールセンサを含む手段などの磁気通信手段または電磁通信手段によって、区画室の壁を介して互いに接続される。特に、磁気要素は、区画室の外側でユーザ移動可能なセレクタ部材と共に移動することができ、また、ホールセンサは、区画室内の制御ユニットに接続されて、磁気要素の位置および/または動きを検出するようになっている。
【0046】
密封区画室は、特に、装置の流体循環装置からの蒸気放出の液体から制御ユニット、とりわけPCBを保護してもよい。
【0047】
この装置は、前述した任意の特徴、または、そのような特徴の組み合わせを組み込んでもよい。
【0048】
以下、概略図を参照して、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】インタフェースを取り付けることができる本発明に係る飲料または液状食品装置を示している。
【図2】図1に示される飲料または液状食品装置のインタフェースを示している。
【図3】インタフェースを取り付けることができる本発明に係る飲料または液状食品装置を示している。
【図4】本発明に係る飲料または液状食品装置のインタフェースの分解図である。
【図5a】図2および図4に示されるトグルスイッチがとり得る位置の一つを示している。
【図5b】図2および図4に示されるトグルスイッチがとり得る位置の一つを示している。
【図5c】図2および図4に示されるトグルスイッチがとり得る位置の一つを示している。
【図6】本発明に係る飲料または液状食品装置の更なるトグルスイッチを示している。
【図7】本発明に係る飲料または液状食品装置の更なるトグルスイッチを示している。
【図8】本発明に係る飲料または液状食品装置の更なるトグルスイッチを示している。
【図9】本発明に係る飲料または液状食品装置の更なるトグルスイッチを示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
同じ参照符号が一般に同じ要素を示す図1および図3は、2つの異なる飲料または液状食品の生成装置1、特にコーヒーメーカーを示している。装置1は、当該技術分野において知られるように、また、例えば欧州特許第1646305号明細書に開示されるように、例えばパッケージ、一般的にはカプセルまたはポッド内に供給される事前に小分けされたグランドコーヒーバッチから、熱水を通過させることによって抽出するための装置1の浸出ユニット内へコーヒーを供給するようになっている。
【0051】
装置1は様々な面7、10、12を伴うハウジング15を有する。図3に概略的に示されるように、ハウジング15は、装置のハウジングに接続されるタンク5から水を圧送して加熱するためのヒータモジュール2およびポンプモジュール3を含む。装置1は、装置の後部周りで回動できかつその下側に配置される浸出ユニット(図示せず)を開閉して浸出ユニットへのアクセスを開通・遮断するようになっているハンドル4を更に有する。熱水は、ポンプ3およびヒータ2を介して、飲料の原料、例えばカプセルまたはポッド内の事前に小分けされたグランドコーヒーなどのグランドコーヒーを収容する浸出チャンバへ案内され、また、このように生成された飲料は、出口13(図1に示される)を介して、下部に配置されるカップへ送出される。図3に示されるように、装置1には、支持グリッド9によって覆われるドリップトレイ8が更に取り付けられてもよく、カップ(図示せず)が支持グリッド9上に配置されて装置1により生成される飲料で満たされてもよい。
【0052】
また、装置1は、ヒータモジュール2およびポンプモジュール3を制御するための制御ユニット(図示せず)をそのハウジング内に含む。制御ユニットは、一般に、プリント回路基板と、マイクロコントローラと、メモリチップと、ヒータモジュール2、ポンプモジュール3、センサ、インタフェース、LED、メインスイッチ6、および、他のスイッチなどの装置1の異なる電気部品に対する電気コネクタとを備える。制御ユニットは、装置1の1つ以上の作業プロセス、特に飲料生成プロセスおよび例えば自動停止プロセス、自動洗浄プロセス、インタフェース通信プロセスなどを行なうように構成される。また、制御ユニットは、生成されるべき飲料の量などの作業プロセスのパラメータに関する複数の値を記憶するようになっている。
【0053】
制御ユニットは、ユーザによって容易にアクセスできるように装置のハウジングの上面12のユーザインタフェース11に接続される。ユーザインタフェース11は、この記憶された複数の値からの1つの値のユーザ選択を可能にするようになっており、それにより、制御ユニットは、プロセスパラメータとしてのこの1つの値に対応する作業プロセスを行なうことができる。
【0054】
同じ参照符号が一般に同じ要素を示す図2は、図1の飲料装置のユーザインタフェース11を更に詳しく示している。ユーザインタフェース11は、装置1のアーチ形の上面12の後部と適合するようにアーチ状に曲げられる面を有する(一方、図3に示される装置1のインタフェース11は、無論、装置1の対応する前方傾斜平坦面12と適合するための平坦面を有する)。
【0055】
インタフェース11は、装置1の自動停止のためのタイマの継続時間を選択するためのセレクタホイール30の隣に、供給されるべき飲料の特定の量を選択するためのトグルスイッチ20を有する。すなわち、異なる値は、生成されるべき小カップまたは大カップを表わす。
【0056】
トグルスイッチ20は、回動可能なレバー21の形態を成すユーザ移動可能なトグルスイッチ部材を含み、レバー21は、実際に図2に示される中央休止位置250を有しており、インタフェース11の細長い開口22の形態を成す選択経路に沿って2つの端部251、252間で回動されうる。レバー21は、開口22を貫通して延びるとともに、スプリングに基づく自動戻し機構(図示せず)と連動されており、それにより、ユーザがレバー21を端部251、252へ移動させた後にレバー21を解放すると、レバーが自動的にその休止位置250へ戻る。それぞれの端部はトグルスイッチ20の選択位置に対応する。端部251は大カップ251’の記号と関連付けられる。端部252は小カップ252’の記号252’と関連付けられる。トグルスイッチ20および制御ユニットは、レバー21を大カップ251’に移動させると、プロセスパラメータとして大カップ用の飲料送出に対応する値を伴って、飲料生成プロセスが実行されて飲料が出口13を介して送出されるように設定される。同様に、レバー21が小カップ252’へ移動されれば、飲料生成プロセスは、プロセスパラメータとして小カップ用の飲料送出のための値を伴って行なわれる。
【0057】
装置1が小分けカプセルまたはポッドから飲料を生成するようになっている場合、これらの異なる値は、単に、液体源からカプセルまたはポッドを通じて圧送されるべき液体、例えば水の異なる量を表わす。その後、カプセルまたはポッド内に収容される原料と混ざると、例えば浸出すると、カプセルまたはポッドからの飲料原料がこのように取り込まれた液体は、レバー21の選択された位置および対応する値に応じて、大カップまたは小カップとしてユーザへ与えられる。
【0058】
また、レバー21がいずれかの端部251、252に達するように回動されると、対応する標示251’、252’が例えばそれと関連するLEDによって点灯され、それにより、対応する値の選択、すなわち、所望のカップサイズが装置1によって適切に登録されたことを示す視覚的なフィードバックがユーザに与えられる。装置1の制御ユニットは、既に選択されたカップサイズへレバー21を2回目に移動させることによって選択を取り消すことができるように構成されてもよく、あるいは、異なるカップサイズ位置へレバー21を移動させることによって選択を取り消すことができるように構成されてもよく、この場合には、先の選択が取り消されて、新たな選択が同時に行なわれる。装置1の制御ユニットは、値の選択を対応する作業プロセスの実行時に自動的に取り消すように構成されてもよく、あるいは、選択された値をそれがユーザによって手動で取り消されあるいは再プログラミングされるまで維持するように構成されてもよい。装置1は、いずれかのモードのユーザプログラミングを可能にするように構成されてもよく、あるいは、工場出荷時に一方のモードだけに永久設定されてもよい。
【0059】
飲料生成は、ユーザが供給ボタン(図示せず)を作動させた後に始まってもよく、あるいは、レバー21を解放した後に自動的に始まってもよい。いずれにしても、装置1は、長期間にわたって供給ボタンを作動させることによりあるいはレバー21を長期間にわたって選択位置に保持することにより飲料の手動供給を可能にするように更になっていてもよく、例えばそれに対応して制御ユニットがプログラミングされてもよく、長期の作動または保持は、いずれの場合にも、飲料生成モードを自動モードから手動モードへ切り換える。
【0060】
異なるユーザ設定の数およびユーザ誤設定の可能性を減らすことが目的である場合には、飲料生成プロセスおよび自動停止プロセスなどの装置1の物理的作業プロセスに影響を与えないインタフェース機能(照明効果および/または音響効果など)に単に関連するオプションの数を制限することが望ましく、また、対象の消費者グループにとって最も使い易くなるようにインタフェース機能を事前設定することが望ましく、例えば、この大きな消費者グループは、技術が与え得る全ての素敵で洒落た副次的可能性について気にかける必要なく良好に調整された味の良いコーヒーを自分で入れることを単に味わうことができる。
【0061】
また、変形例において、セレクタ20は、例えば装置をONまたはOFFに切り換えるために、プッシュボタン機構、特にラジアルプッシュボタン機構を組み込んでもよい。
【0062】
インタフェース11は、回転可能なホイール31を有するセレクタ30も含む。そのようなホイール31は、ホイール31の外周部だけが装置のハウジング15の面12上ではっきりと見えるように、ハウジングの面12に対して垂直な平面内で回転するようになっている。これは、そのような回転可能なスイッチのために必要とされる見掛け上の空間を、例えば米国特許第7,270,050号明細書に開示されるような当該技術分野において知られる回転可能なスイッチまたはノブと比べてかなり減少させる。
【0063】
ホイール31は、位置決めマーク32を有するとともに、一連の標示351、352、353、354によってインタフェース11上に表示される選択位置とマーク32を対向させるように回転でき、それにより、ホイール31を対応する位置へ回転させることにより対応する値または機能のユーザ選択を可能にする。図2に示されるように、セレクタホイール30は、装置1の自動停止プロセスのためのタイマにおける継続時間を設定する役目を果たす。この例において、ユーザは、タイマを無効にすること、すなわち、マーク32を無限大標示「∞」の前方に至らせることと、対応する標示「1/2h」および「2h」によって表示されるようなタイマにおける0.5時間または2時間の期間を選択することとの間で選択してもよい。期間の選択は、ユーザが0.5時間または2時間を選択できるこのケースの場合のように別個の数値同士の間の選択を伴ってもよく、あるいは、選択は、値の連続範囲内、例えば1/4〜3時間の範囲内での値の選択を伴ってもよい。
【0064】
また、マーク32が標示「SET」354と対向するようにホイール31を回転させることができる。この位置において、制御モジュールは、トグルスイッチ20の選択位置251、252に対して割り当てられる値をユーザが変えることができるユーザ再プログラミングモードに入る。例えば、ユーザ再プログラミングモードにおいて、ユーザは、スイッチ20の特定の選択位置251、252に対して割り当てられる飲料の新たに設定される量に対応する値を制御モジュールが取得できるように、供給プロセスを手動で開始および停止させなければならない。例えば、再プログラミングモードでは、マーク32が標示「SET」354と対向すると、ユーザは、自分がその対応する値を再規定したい選択位置251、252へレバー21を至らせる。これは、適切な選択を示す対応する標示251’、252’を点灯させて、レバー21の解放時にレバー21のその休止位置250への戻りを可能にするとともに、飲料生成プロセスを開始する。ユーザを満足させる飲料の量が装置1によって供給されたならば、ユーザは、この選択位置に対して割り当てられなければならない新たな値が飲料の供給量に対応することを制御ユニットに知らせるためにレバー21を再操作する。この再プログラミング操作が終了すると、ユーザは、装置1の通常の動作モードに再び入るためにホイール31をマーク32と共に標示354から離れるように移動させる。再プログラミングプロセスの変形において、ユーザは、所望量の飲料を供給するために必要な継続時間にわたってレバー21を対応する選択位置251、252に保持した後に、レバー21をその休止位置へ手放さなければならない場合があり、それにより、供給が停止されて、プロセスパラメータの対応する新たな値が装置1の制御ユニットによって取得される。
【0065】
装置1の任意の望ましくない再プログラミングを防止するため、再プログラミングモードへのエントリは、適切なフィードバックによって、好ましくは装置1が通常のように動作するとユーザが思うことができないように特別なフィードバックによってユーザに対して明確に示されるべきである。例えば、再プログラミングモードと関連付けられる選択位置354は、残りの視覚効果と間違えられることがあり得ない専用の視覚照明効果、特に視覚コントラスト効果を最大にするための間欠的なあるいは連続的な照明と関連付けられる異なる色を有する。例えば、インタフェース11の残りの標示251’、252’、351、352、353は、対応する値または機能が選択される限りにおいて白色または緑色の連続光によって強調されてもよいのに対し、「SET」選択位置は、点滅する赤色光、更には音響信号と関連付けることができる。そのような態様では、再プログラミング機能を不注意に選択するユーザは、装置1が通常のように動作していると信じられなくなり、ユーザの注意は、「SET」標示に関連して特別な何かが起こるという事実に引き付けられる。
【0066】
図4は、図2に部分的に示されるインタフェース11の分解図である。
【0067】
トグル20およびセレクタ30は、制御ユニットのプリント回路基板(PCB)16と関連付けられる。PCB16は、ハウジング15の2つの略直立の内側シェル15’、15’’から形成される区画室内に取り付けられるとともに、位置決め要素161によって区画室内に位置決めされる。PCB16は、ホールセンサ162および他のセンサ、例えば温度センサおよび流量計、コントローラ163、メモリチップ、電力管理装置、電気コネクタ、および、電子コネクタなどの様々な電気部品および電子部品を支持する。ユーザインタフェースおよびその接続部はともかくとして同様の形態を成す区画室内の制御ユニットが欧州特許第08156704号明細書に開示されており、その内容は参照することにより本願に組み入れられる。
【0068】
レバー21は、回動軸線211周りに回動可能に内側シェル15’’の外側に取り付けられるとともに、前述したように回動時にレバー21をその中間休止位置へ自動的に戻すためにシェル15’’に取り付けられる弾性スプリングブレード151と協働する。
【0069】
また、レバー21は磁性部品212を支持しており、該磁性部品は、選択位置251、252におけるレバー21の存在のPCB16による非接触検出を可能にするために、PCB16上のホールセンサ162と隣接してレバー21と共に回動されるようになっている。
【0070】
セレクタ30のホイール31は、回動軸線311を中心に回動可能に支持部315を介して直立シェル15’に取り付けられる。ホイール31は一対の並列磁気要素312を支持しており、これらの磁気要素は、ホイール31と共に回動できるとともに、PCB16上の対応するホールセンサ(図示せず)と協働してホイール31の角度位置を検出する。また、支持部315はその外周に突起315’を有しており、該突起は、シェル15’上の一連の互いに離間する弾性配設体(図示せず)と協働して、セレクタ30のそれぞれの選択位置351、352、353、354と関連付けられる「ハードポイント」を与える。
【0071】
レバー21およびホイール31は、任意の可動部が区画室15’、15’’内へ延びることなく区画室15’、15’’の外側に取り付けられるため、レバー21およびホイール31の位置の制御器による検出は、非接触であって、内部ホールセンサ162と協働する外部マグネット212、312によって達成され、特に、装置1内の液体および/または蒸気循環システムによって生み出される湿気および/または制御ユニットにとって望ましくない他の物質に対して制御ユニットを晒さないように、PCB16を収容する区画室15’、15’’を装置1の残りの部分から密封することができる。
【0072】
同じ参照符号が同じ要素を示す図5a、5b、5cは、そのレバー21がその休止位置250、「大カップ」選択位置251、および、「小カップ」選択位置252にそれぞれあるトグルスイッチ20を示している。
【0073】
同じ参照符号が一般に同じ要素を示す図6〜図9は、本発明に係る飲料装置または液状食品装置のトグルスイッチ20の更なる実施形態を示している。図6〜図9の各トグルスイッチ20は、そのレバー21が休止位置にある状態で示されている。
【0074】
図6および図7に示されるレバー21は2つの方向で移動できる。そのようなレバー21は、一般に、コンピュータジョイスティックにおけるジョイスティック棒のようにトグルスイッチ20内に配置されてもよい。
【0075】
図6は、スイス十字の形状をほぼ有する開口22の形態を成す選択経路を伴うトグルスイッチ20を示しており、開口22に沿ってレバー21が移動されることにより、ユーザは、枝部の端に隣接する対応する容器絵文字によって示されるように、エスプレッソカップサイズ、中間カップサイズ、大カップサイズ、および、マグカップサイズのうちの中から所定のカップサイズを選択できる。
【0076】
図7は、開口22の形態を成す選択経路を伴うトグルスイッチ20を示しており、開口22は、レバー21が貫通して延びる6つの枝部を伴う略星の形状を有する。ユーザは、レバー21をこれらの枝部に沿って移動させて、星の枝部の端部と関連付けられるローマ数字標示I、II、III、IV、VおよびVIによって表示される6つの異なるカップサイズの中から所定のカップサイズを選択してもよい。これらの端部は、トグルスイッチの6つの異なる選択位置に対応する。飲料装置または液状食品装置は、作業プロセスのパラメータの異なる値、例えば生成されて供給されるべき飲料または液状食品の量を、それぞれの選択位置と関連付けるようにプログラムされてもよい。例えば、幾人かの異なるユーザによって、例えば家族によってあるいは小さいオフィスで装置が使用される場合には、それぞれのユーザが自分自身の好みに合わせて装置をプログラムしてもよく、その結果、ユーザは、自分がレバー21を自分の専用の選択位置へ移動させることにより装置を使用するときにはいつでも呼び出すことができる。
【0077】
図8は、直線形状を有する開口22の形態を成す選択経路を伴うトグルスイッチ20を示している。レバー21は選択経路22の一端でその休止位置にあり、三角形の矢印と組み合わせてローマ数字標示I、II、IIIおよびIVによって選択経路の側部に表示される選択位置は、休止位置の後で、選択経路に沿って他端へ至る間隔を隔てた場所に配置される。選択位置に隣接したレバー21の適切な位置決めをマークするため、それぞれの選択位置が「ハードポイント」と関連付けられ、それにより、選択位置の通過が、経路22に沿ってレバー21を押すユーザに対して機械的に知らされる。また、例えば、レバー21のその休止位置への自動的な戻りの前にレバー21によって到達された最も遠い選択位置により特定される特定の値が選択されると、対応するローマ標示が例えばそれと関連付けられるLEDによって強調されてもよい。
【0078】
図9は、選択位置としての機能を果たす4つの係合側方位置23へ通じる直線形状を有する開口22の形態を成す選択経路を伴うトグルスイッチ20を示している。変速レバーのように広く移動できるレバー21は、特定の値または機能を選択するために、主経路22からこれらの係合位置23へそらされてもよい。この場合、トグルスイッチは、前述したセレクタホイールのように、タイマベースの自動停止プロセスのために2つの所定の継続時間、すなわち、0.5時間または1時間のうちから時間を選択する役目を果たし、あるいは、標示「SET」によって示されるプログラミングモードに入る役目を果たし、あるいは、ユーザ規定値を標示「RESET」によって示される工場出荷時初期設定値にリセットする役目を果たす。係合位置23を除く主経路22全体を実際に形成するトグル21の休止位置は、無限大標示「∞」によって示されるように、タイマベースの自動停止プロセスを(他の機能を選択することなく)無効にすることに対応する。既に説明したトグルスイッチとは異なり、図9に示されるトグルスイッチ20には、レバー21を選択位置から元の休止位置へ移動させるための自動戻し機構が設けられておらず、そのため、この場合、戻しは、ユーザによって手動で行なわれる。しかしながら、変形例では、そのようなレバー21のためのそのような自動戻し機構を設けることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品または飲料を生成するための装置(1)、特に事前に小分けされた飲料または食品の原料から液状食品または飲料を生成するための装置(1)であって、
ユーザ移動可能なトグルスイッチ部材(21)を有するトグルスイッチ(20)を備えるユーザインタフェース(11)と、
当該装置(1)の1つ以上の作業プロセスを行なうよう構成されている制御ユニット(16、161、162、163)であり、前記作業プロセスのパラメータについての複数の値を記憶するよう構成されている制御ユニット(16、161、162、163)と
を有し、
前記ユーザインタフェース(11)が、前記制御ユニット(16)に接続されるとともに、前記制御ユニットにおける前記複数の値からの1つの値の、ユーザによる選択を可能にして、前記パラメータとしての前記1つの値に前記対応する作業プロセスを行なえるよう構成されている、装置(1)において、
前記トグルスイッチ部材(21)が、前記複数の値のうちから前記値を選択するために複数の別個の選択位置(251、252)へ移動することができ、前記複数の値のそれぞれの値が、前記トグルスイッチ部材(21)の対応する別個の選択位置(251、252)と関連付けられていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記トグルスイッチ部材(21)が、休止位置または休止状態(250)を有しており、前記休止位置から選択経路(22)に沿って前記選択位置(251、252)へ移動することができ、前記休止位置(250)が、特に、
前記複数の選択位置(251、252)間の前記選択経路(22)上の中間位置であり、または、
前記選択経路(22)の端部にあり、前記端部から前記選択経路に沿って前記選択位置が離間されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選択位置が、前記複数の値のうちの特定の値の選択をユーザに対して高感度で確認を与えるためのユーザ感知手段と関連付けられ、前記ユーザ感知手段が、特に、
発光手段のような、特に発光ダイオード(LED)のような視覚信号(251’、252’)のうちの少なくとも1つを与えるための手段であって、各選択位置(251、252)が特に専用の発光手段に隣接する、手段、
特にラウドスピーカを備える、音響信号を発生させるための手段、
前記トグルスイッチ部材(21)を保持して前記選択位置(251、252)にある時期を知らせるための「ハードポイント」などの、触覚信号を発生させるための手段、
専用の係合位置(23)などの幾何学的識別手段であって、前記選択経路(22)から前記係合位置にユーザによってそらされる前記トグルスイッチ部材を受けるようになっている幾何学的識別手段、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記トグルスイッチ部材(21)が、前記選択位置(251、252)から休止位置または初期位置への前記トグルスイッチ部材の自動的な戻りのために、スプリングに基づく機構などの自動戻し機構と関連付けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記トグルスイッチ(1)が2〜8個の範囲内の数の前記選択位置(251、252)を有し、前記トグルスイッチが特に2個、3個、4個、5個または6個の前記選択位置を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記トグルスイッチ(20)により選択できる前記値が、
生成されるべき飲料または液状食品の加熱温度、濃度、または、量などの前記飲料または液状食品の生成プロセスのパラメータ、および/または、
前記装置の自動停止プロセスのパラメータ、特にタイマベースの自動停止プロセスの継続時間
に対応する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記値が、ユーザによって、特に前記トグルスイッチ(20)を介して事前に設定できる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記インタフェース(11)が、前記複数の値のうちの1つ以上の値がユーザ設定できるまたはユーザ変更できる事前設定モードに入るためのセレクタホイールまたは更なるトグルスイッチなどのセレクタ(30)を更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記セレクタ(30)が、ユーザ回転可能な選択ホイール(31)、特に、前記値の設定モードに対応する位置(354)、および、随意的に、他の作業プロセスの少なくとも更なるパラメータのための値の選択のための複数の更なる位置(351、352、353)を有する選択ホイールを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ユーザインタフェース(11)が、セレクタホイール(31)および/またはトグルスイッチ(20)のレバー(21)などの少なくとも1つのユーザ移動可能なセレクタ部材を有し、前記制御ユニット(16)が、区画室(15’、15’’)内、特に塵埃および/または湿気を通さない区画室などの密封区画室内に囲まれ、前記ユーザ移動可能なセレクタ部材(21、31)および前記制御ユニット(16)が、非接触または無線通信手段によって、特に、磁気要素(212、312)およびホールセンサ(162)を含む手段などの磁気通信手段または電磁通信手段によって、前記区画室の壁(15’、15’’)を介して互いに接続される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記液状食品または飲料を事前に小分けされた原料から生成するよう構成された請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置であって、
前記トグルスイッチ(20)が、特定の液状食品バッチまたは飲料生成バッチ内の前記事前に小分けされた原料から生成されるべき液状食品または飲料の複数の予め設定された量同士の間でのユーザ選択を可能にするよう構成されており、前記トグルスイッチ(20)が、特に、前記液状食品または飲料を生成するための前記事前に小分けされた原料と組み合わされるべき水の複数の予め設定された量同士の間でのユーザ選択を可能にするよう構成されている、装置。
【請求項12】
液状食品または飲料を生成するための装置(1)、特に請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置(1)であって、
ユーザインタフェース(11)を支持する面(12)を伴う最も外側のハウジング(15)を有し、
前記ユーザインタフェース(11)が、当該装置(1)によって行なわれるべきプロセスのパラメータにおける少なくとも1つの値を選択するためのユーザ回転可能なセレクタホイール(31)を備え、
前記セレクタホイール(31)が前記ハウジング面(12)を貫通して回転できる略円形の外周部を有し、
前記セレクタホイール(31)が随意的に前記ハウジング(15)の内側に配置される回転軸線を有し、
前記セレクタホイール(31)が特に前記ハウジング面(12)に対して略垂直である、装置。
【請求項13】
前記回転可能なホイール(31)が、少なくとも1つの不連続または連続の範囲内または値内で値のユーザ選択を可能にするよう構成されており、
前記値の前記範囲が、特に、生成バッチ内の生成されるべき液状食品または飲料の量の範囲に対応し、または、選択された継続時間にわたる当該装置のユーザによる不動作後に前記プロセスを自動的に停止させるためのタイマベースの自動停止プロセスの継続時間の範囲に対応する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記回転可能なセレクタホイールが、前記セレクタホイールを、特に前記ホイールの略径方向または軸線方向に押すことにより、更なるユーザ選択または先のユーザ選択の確認を可能にするためのプッシュボタン機構を組み込んでいる、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
液状食品または飲料を生成するための装置(1)、特に請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置(1)であって、
セレクタホイール(31)および/またはトグルスイッチ(20)のレバー(21)などの少なくとも1つのユーザ移動可能なセレクタ部材を備えるユーザインタフェース(11)と、
当該装置(1)の1つ以上の作業プロセスを行なうよう構成された制御ユニット(16、161、162、163)であり、前記ユーザインタフェース(11)が接続される制御ユニット(16、161、162、163)と
を有する、装置(1)において、
前記制御ユニット(16、161、162、163)が、区画室(15’、15’’)内、特に塵埃および/または湿気を通さない区画室などの密封区画室内に囲まれ、
前記ユーザ移動可能なセレクタ部材(21、31)および前記制御ユニット(16、161、162、163)が、非接触または無線通信手段によって、特に、磁気要素(212、312)およびホールセンサ(162)を含む手段などの磁気通信手段または電磁通信手段によって、前記区画室の壁(15’、15’’)を介して互いに接続されることを特徴とする、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−504439(P2012−504439A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529550(P2011−529550)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062741
【国際公開番号】WO2010/037806
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】